説明

エクスビボフローサイトメトリーの方法および装置

本発明は、病原性細胞によって仲介される病状を診断する方法に関する。本方法は、一般式(I)A−X(基Aは病原性細胞に結合するリガンドを含み、基Xは造影剤を含む)の結合体または複合体を含む組成物を、エクスビボ患者サンプルと混合する工程、および、フローサイトメトリーを使用して、リガンドに対する受容体を発現する病原性細胞を検出する工程を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者体液のエクスビボサンプル中で、体液中に存在する病原性細胞集団を検出および/または定量するための光学的方法、ならびにそのための装置に関する。より詳細には、本発明は、細胞の検出および/または定量のための光学的方法における病原性細胞に結合するリガンド−造影剤結合体の使用、ならびにこの方法で使用される装置に関する。
【背景技術】
【0002】
血流などの体液中での病原性細胞の存在、または他の部位からの血流への病原性細胞の伝播は、病気の患者が生存するかどうかを決定する重要な要素の1つである。例えば、原発性新生物からの遠隔臓器への悪性細胞の伝播は、癌患者が生存するかどうかの決定において重要な要素である。疾患の最も初期のステージで、循環病原性細胞(転移細胞などの)および血管中の他のタイプの病原性細胞を、検出および/または定量化できる、高感度の方法が開発されなくてはならない。この目的の達成には、病原性細胞に対する選択性を備えた高度に感度がよく生体適合性のあるプローブが必要とされる。
【0003】
現在のところ、CT、MRI、組織/センチネルリンパ節生検および血清癌マーカー分析は、癌患者においてある程度のレベルの残存病変を検出することができる。しかし、癌の予後および転移と最も感度よく相関するのは、循環している腫瘍細胞の存在(CTC)である。さらに、高特異性および低バックグラウンドの測定をもたらす蛍光プローブを用いる、標的細胞集団の検出および定量のために使用される方法として、フローサイトメトリーがある。フローサイトメトリー分析は、患者サンプルを取得することなくインビボで、または患者から取得した患者体液のサンプルを使用してエクスビボで実行することができる。しかしながら、以前の従来のエクスビボ技術には多くの欠陥がある。例えば、この方法は、典型的には方法が低感度であるために、多量のサンプルの使用を必要とする。
【0004】
最近になって、インビボでフローする腫瘍細胞のリアルタイム検出のための、共焦点顕微鏡を利用する概念的インビボフローサイトメトリー技術が記述されている(Georgakoudi, et al. (2004) Cancer Res., 64, 5044-5047; Novak, et al. (2004) Optics Lett., 29, 77-79)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、患者の体液のエクスビボサンプル中での病原性細胞の検出および定量化の実行のために必要とされる感受性および生体適合性を備えた利用可能な方法はない。本出願において、出願人は、患者体液のエクスビボサンプルを使用し、フローサイトメトリーに基づいた技術を使用する、患者体液中に見出される病原性細胞の検出および定量化について記述する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの実施形態において、病原性細胞によって仲介される病状の診断のための方法が記述される。この方法は、一般式 A−X(基Aは病原性細胞に結合するリガンドを含み、基Xは造影剤を含む)の結合体または複合体を含む組成物を、エクスビボ患者サンプルと混合する工程、および、フローサイトメトリーを使用して、リガンドに対する受容体を発現する病原性細胞を検出する工程を含む。
【0007】
他の実施形態において、エクスビボの患者サンプル中の癌細胞の検出によって、癌の予後を決定するための方法が記述される。この方法は、フローサイトメトリーによってエクスビボの患者サンプル中の癌細胞を検出する工程、および癌の予後を決定する工程を含む。
【0008】
他の実施形態において、病原性細胞を定量するための方法が記述される。この方法は、一般式A−X(基Aは病原性細胞に結合するリガンドを含み、基Xは造影剤を含む)の結合体または複合体を含む組成物を、エクスビボの患者サンプルと混合する工程、および、フローサイトメトリーを使用して、エクスビボの患者サンプル中の病原性細胞を定量する工程を含む。
【0009】
〔関連出願の相互参照〕
本出願は、2006年11月3日に出願された米国仮特許出願第60/856,667号および2007年8月17日に出願された米国仮特許出願第60/956,562号に対する優先権を主張し、これらの開示全体は参照することにより本明細書に組み入れられる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】抗フォレート受容体ポリクローナル抗体と比較した、フォレート結合体による、フォレート受容体陽性の腫瘍細胞の標識を示した図である。
【図2】フォレート−アレクサフルオル(AlexaFluor)488による腫瘍細胞の標識前に行った、全血の赤血球濃縮画分から腫瘍細胞濃縮画分を分離する方法の比較を示した図である。
【図3】全血検体からの循環腫瘍細胞の濃縮のための方法を示す概略図である。
【図4】卵巣癌患者からの血液サンプル中の循環腫瘍細胞の検出および定量化を示した図である。バーは、2つ(患者1および2)または3つ(患者3〜6)の独立した測定からの平均値を表わす。
【図5】エクスビボフローサイトメトリーを使用する、卵巣癌患者の血液中の循環腫瘍細胞の検出および定量化を示した図である。
【図6】パネルAおよびBは、卵巣癌患者からの末梢血中の循環腫瘍細胞の共焦点画像を示した図である。赤色(ローダミン−X標識抗サイトケラチン抗体)蛍光との緑色(フォレート−アレクサフルオル 488)の重複は、黄色蛍光として示される(スケールバー、10μm)。
【図7】健康なドナーの血液中の循環FR発現細胞の定量化を示した図である。
【図8】本明細書において記述される方法を行うための装置を示した図である。
【図9】FACSを使用する蛍光団依存解析を示した図である(2原子スペーサー)。図9(a)は、LNCaP細胞単独(陰性対照)のヒストグラム(i)およびドットプロット(ii)を示す。図9(b)は、PC01SK59と共にインキュベートしたLNCaP細胞のヒストグラム(i)およびドットプロット(ii)を示す。
【図10】FACSを使用する蛍光団依存解析を示した図である。図10(a)は、LNCaP細胞単独(陰性対照)のヒストグラム(i)およびドットプロット(ii)を示す。図10(b)は、PC01SK58と共にインキュベートしたLNCaP細胞のヒストグラム(i)およびドットプロット(ii)を示す。
【図11】FACSを使用するアレクサフルオル647−依存解析を示した図である(24原子スペーサー)。図11(a)は、LNCaP細胞単独(陰性対照)のヒストグラム(i)およびドットプロット(ii)を示す。図11(b)は、PC01SK51と共にインキュベートしたLNCaP細胞のヒストグラム(i)およびドットプロット(ii)を示す。
【図12】FACSを使用するオレゴングリーン488依存解析を示した図である(27原子スペーサー)。図12(a)は、LNCaP細胞単独(陰性対照)のヒストグラム(i)およびドット・プロット(ii)を示す。図12(b)は、PC01SK56と共にインキュベートしたLNCaP細胞のヒストグラム(i)およびドットプロット(ii)を示す。
【図13】FACSを使用するボディピー(BODIPY)505依存解析を示た図である(24原子スペーサー)。図13(a)は、LNCaP細胞単独(陰性対照)のヒストグラム(i)およびドットプロット(ii)を示す。図13(b)は、PC01SK45と共にインキュベートしたLNCaP細胞のヒストグラム(i)およびドットプロット(ii)を示す。
【図14】FACSを使用するオレゴングリーン488依存解析を示した図である(24原子スペーサー)。図14(a)は、LNCaP細胞単独(陰性対照)のヒストグラム(i)およびドットプロット(ii)を示す。図14(b)は、PC01SK49と共にインキュベートしたLNCaP細胞のヒストグラム(i)およびドットプロット(ii)を示す。
【図15】共焦点顕微鏡を使用する蛍光標識解析を示した図である。図15(a)は、共焦点顕微鏡を使用するFITC488標識解析を示す。PC01SK58と共にインキュベートしたLNCaP細胞のイメージングを、共焦点顕微鏡(i)および位相差顕微鏡(ii)によって示す。PMPAと共に、次にPC01SK58と共にインキュベートしたLNCaP細胞を、共焦点顕微鏡(iii)によって示す。図15(b)は、共焦点顕微鏡を使用するオレゴングリーン488標識解析を示す。PC01SK49と共にインキュベートしたLNCaP細胞のイメージングを、共焦点顕微鏡(i)および位相差顕微鏡(ii)によって示す。PMPAと共に、次にPC01SK49と共にインキュベートしたLNCaP細胞を、共焦点顕微鏡(iii)によって示す。図15(c)は、共焦点顕微鏡を使用するアレクサフルオル647マレイミド標識解析を示す。PC01SK51と共にインキュベートしたLNCaP細胞のイメージングを、共焦点顕微鏡(i)および顕微鏡(ii)によって示す。PMPAと共に、次にPC01SK51と共にインキュベートしたLNCaP細胞を、共焦点顕微鏡(iii)によって示す。
【図16】FACSを使用する血液スパイキング解析を示した図である。図16(a)は2原子スペーサーを示し、(i)PC01SK64(陰性対照)により標識した血液サンプルのドットプロット図表を示し、(ii)最初にDIDにより、次にPC01SK63により標識したLNCaP細胞のドットプロット図表を示す。図16(b)は7原子スペーサーを示し、(i)PC01SK64(陰性対照)により標識した血液サンプルのドットプロット図表を示し、(ii)最初にDIDにより、次にPC01SK63により標識したLNCaP細胞のドットプロット図表を示す。図16(c)は16原子スペーサーを示し、(i)はPC01SK64(陰性対照)により標識した血液サンプルのドットプロット図表を示し、(ii)は最初にDIDにより、次にPC01SK64により標識したLNCaP細胞のドットプロット図表を示す。図16(d)は24原子スペーサーを示し、(i)はPC01SK64(陰性対照)により標識した血液サンプルのドットプロット図表を示し、(ii)は最初にDIDにより、次にPC01SK58により標識したLNCaP細胞のドットプロット図表を示す。
【図17】FACSを使用する血液スパイキング解析の要約(蛍光・対・スペーサー長(原子)のプロット)を示す。
【図18】前立腺癌患者サンプル中のCTCの検出を示した図である。図18(a)は、CD45−アレクサフルオル(Alexa Fluor)により標識し、次にPC01SK64(16原子スペーサー)と共にインキュベートした健康なドナー血液サンプルのドットプロットを示す。パネル(I)は健康な男性ドナー1(SK)についてのすべての領域中の細胞を示し、パネル(II)は健康な男性ドナー1(SK)についての領域2中の細胞を示し、パネル(III)は女性ドナー3(EV)についての領域2中の細胞を示し、パネル(IV)は健康な男性ドナー2(JG)についての領域2中の細胞を示す。図18(b)は、CD45−アレクサフルオルにより標識し、次にPC01SK64(16原子スペーサー)と共にインキュベートした前立腺癌患者血液サンプルのドットプロットを示す。パネル(I)は健康な男性ドナー1(SK)についての領域2中の細胞を示し、パネル(II)は患者1(JLA−049−1)についての領域2中の細胞を示し、パネル(III)は患者2(LJK−665−1)についての領域2中の細胞を示し、パネル(IV)は患者3(RRL−330−1)についての領域2中の細胞を示す。
【図19】CTC解析の要約(循環腫瘍細胞/mL・対・被験者識別番号のプロット)を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
病原性細胞によって仲介される(例えば、引き起こされるか、または増大される)病状の診断のための方法が提供される。1つの実施形態において、病原性細胞は癌細胞であってもよい。他の実施形態において、病原性細胞は転移性癌細胞であってもよい。1つの態様において、病状は、一般式A−X(基Aは病原性細胞に結合するリガンドを含み、基Xは造影剤を含む)の結合体または複合体を含む組成物を、患者体液のエクスビボサンプルと混合することによって診断することができる。他の例示的な実施形態において、本方法は、病原性細胞の存在を定量および/または検出する工程をさらに含む。さらに他の実施形態において、多光子フローサイトメトリーを、病原性細胞を定量および/または検出するために使用することができる。本明細書において使用されるように、病原性細胞によって仲介される疾患に関する「によって仲介される」は、によって引き起こされること、または、によって増大されること、を意味する。
【0012】
1つの実施形態において、造影剤(例えばレポーター分子)は、例えば、フルオレセイン、ローダミン、テキサスレッド、フィコエリトリン、オレゴングリーン、アレクサフルオル488(モレキュラー・プローブ(Molecular Probes)社、ユージーン、オレゴン)、Cy3、Cy5、Cy7、および同種のものなどの発色団を含むことができる。
【0013】
他の態様において、造影剤は、オレゴングリーン488、オレゴングリーン514および同種のものを含むがこれらに限定されないオレゴングリーン蛍光剤、アレクサフルオル488、アレクサフルオル647および同種のものを含むがこれらに限定されないアレクサフルオル蛍光剤、フルオレセインおよび関連する類縁体、テトラメチルローダミンおよび同種のものを含むがこれらに限定されないローダミン蛍光剤、ダイライト(DyLight)680および同種のものを含むがこれらに限定されないダイライト蛍光剤、CW 800、テキサスレッド、フィコエリトリン、ならびに他のものから選択される蛍光剤である。例示的な蛍光剤は以下の例示的な一般的な構造で示される。
【化1】

(式中、Xは酸素、窒素または硫黄であり、XはリンカーLに結合し;YはOR、NRまたはNRであり;Y’はO、NRまたはNRであり;ここで各Rは、H、フルオロ、スルホン酸、スルホネートおよびその塩、ならびに同種のものから各場合で独立して選択され;Rは水素またはアルキルである)および、他の実施形態において、
【化2】

(式中、Xは酸素、窒素または硫黄であり、XはリンカーLに結合し;各Rは、H、アルキル、ヘテロアルキルおよび同種のものから各場合で独立して選択され;nは0〜約4の整数である)。
【0014】
診断は典型的には治療の前に行なわれる。しかしながら、本明細書において記述される診断法において、用語「診断」は、病状の進行を決定するために、治療の前、治療の間または治療の後の病状のモニタリングもまた意味することができる。治療法の有効性を決定するか、または疾患の今後の症状の出現を予測するために、治療の前、治療の間、もしくは治療の後、またはそれらの組合せで、モニタリングを行なうことができる。
【0015】
本明細書において開示された方法は、ヒト臨床医学および獣医学の適用の両方のために使用することができる。したがって、病状があり診断を必要とする患者は、ヒトであってもよく、または獣医学の適用の場合においては、実験動物、農耕動物、家畜または野生動物であってもよい。
【0016】
様々な例示的な実施形態において、循環病原性細胞を検出するおよび/または定量化するために使用することができる体液は、尿、鼻分泌物、鼻洗液、気管支洗浄物、気管支洗液、髄液、喀痰、胃液分泌物、生殖器官分泌(例えば精液)、リンパ液、粘液および血液を含むが、これらに限定されない。これらのサンプルは本明細書において記述されるように検査するために調製できる。
【0017】
様々な実施形態において、病原性細胞は本明細書において記述される方法を使用して定量できる。様々な態様において、病原性細胞は、100μl、200μl、300μl、400μl、500μl、1ml、2ml、3ml、4ml、5ml、6mlまたは8mlの患者の体液で定量できる。様々な例示的な実施形態において、病原性細胞は、患者サンプルあたり約1〜10、1〜15、1〜20、1〜50、1〜100、1〜200または1〜500の病原性細胞、または患者サンプルあたり約0〜10、0〜15、0〜20、0〜50、0〜100、0〜200または0〜500の病原性細胞を含む値のこれらの容量のいずれかで定量することができる。
【0018】
一般式Ab−Xのリガンド結合体において、基Abは、結合体が病状を診断するために使用されるときに病原性細胞に結合するリガンドである。病原性細胞は、転移癌細胞などの循環病原性細胞、および疾患の様々なステージの患者の体液中で見出すことができる他のタイプの癌細胞であってもよい。幅広い数のリガンドを用いることができる。
【0019】
1つの実施形態において、リガンド結合体は病原性細胞を検出するために使用することができ、リガンドは、葉酸、葉酸類縁体、または他のフォレート受容体結合分子であってもよい。使用できるフォレートの類縁体は、フォリン酸、プテロポリグルタミン酸(pteropolyglutamic acid)、およびテトラヒドロプテリンなどのフォレート受容体結合プテリジン、ジヒドロフォレート、テトラヒドロフォレート、ならびにそれらのデアザ類縁体およびジデアザ類縁体を含む。用語「デアザ」類縁体および「ジデアザ」類縁体は、天然に存在する葉酸構造中の1つまたは2つの窒素原子を炭素原子で置換した、当技術分野で認められている類縁体を指す。例えば、デアザ類縁体は、1−デアザ類縁体、3−デアザ類縁体、5−デアザ類縁体、8−デアザ類縁体および10−デアザ類縁体を含む。ジデアザ類縁体は、例えば、1,5ジデアザ類縁体、5,10−ジデアザ類縁体、8,10−ジデアザ類縁体および5,8−ジデアザ類縁体を含む。前述の葉酸類縁体は、フォレート受容体に結合するそれらの能力を反映して、慣習的に「フォレート」と呼ばれる。他のフォレート受容体結合類縁体は、アミノプテリン、アメトプテリン(メトトレキサート)、N10−メチルフォレート、2−デアミノ−ヒドロキシフォレート、デアザ類縁体(1−デアザメトプテリンまたは3−デアザメトプテリンなど)および3’,5’−ジクロロ−4−アミノ−4−デオキシ−N10−メチルプテロイルグルタミン酸(ジクロロメトトレキセート)を含む。
【0020】
1つの実施形態において、リガンド結合体は癌細胞を検出するために使用することができ、リガンドは前立腺特異的膜抗原(PSMA)標的リガンドまたは他の前立腺癌特異的結合分子であってもよい。他の例示的な実施形態において、PSMAのN−アセチルα−結合酸性ジペプチダーゼ(NAALADASE)活性のインヒビターは、Tang et al.、「N−アセチルα−結合酸性ジペプチダーゼに基づく前立腺標的リガンド(Prostate-targeting ligands based on N-acetylated a-linked acidic dipeptidase)」、Biochemical and Biophysical Research Communications, 307: 8-14 (2003)(参照することにより本明細書に組み入れられる)において記載されるように、前立腺癌細胞を標的として検出するために使用することができる。
【0021】
例えば、リガンドは、リンカーが少なくとも7原子、少なくとも14原子、少なくとも7原子〜約20原子、または約14原子〜約24原子の直鎖を含むリンカーを介して造影剤に結合されるPSMAのリガンドであってもよい。1つの実施形態において、リガンドは、
【化3】

からなる群から選択された化合物である。
【0022】
他の実施形態において、リガンドは式
【化4】

(式中、RおよびRは、各々、水素、任意に置換されたカルボン酸(チオ酢酸など)、チオールプロピオン酸および同種のもの;マロン酸、コハク酸、グルタミン酸、アジピン酸および同種のもの、ならびに他のものから選択される)の化合物であってもよい。他のPSMAリガンドは、「PSMA結合リガンド−リンカー結合体および使用法(PSMA Binding Ligand-Linker Conjugates and Methods for Using)」というタイトルの仮特許出願第60/956,489号(その全体を参照することにより本明細書に組み入れられる)中に記載される。
【0023】
他の実施形態において、他のビタミンを、病原性細胞の検出におけるリガンドとして結合体を使用するために用いることができる。本明細書において記述される方法に従って使用することができるビタミンは、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、リボフラビン、チアミン、ビオチン、ビタミンB12、ビタミンA、D、EおよびK、他の関連したビタミン分子、それらの類縁体および誘導体、ならびにそれらの組合せを含む。他の実施形態において、リガンドは、癌細胞上で発現または過剰発現される受容体に結合する任意のリガンドであってもよい。
【0024】
様々な例示的な実施形態において、病原性細胞上でリガンドに対する受容体が優先的に発現し、リガンド結合のために接近しやすいことに起因して、リガンドは、患者における病原性細胞の集団に特異的に結合可能であってもよい。許容できるリガンドは、ライブラリースクリーニングから同定されるペプチドリガンド、腫瘍特異的ペプチド、腫瘍特異的アプタマー、腫瘍特異的炭水化物、組合わせライブラリーに由来する低分子有機分子、増殖因子(EGF、FGF、インスリンおよびインスリン様増殖因子および相同ポリペプチド、ソマトスタチンおよびその類縁体など)、および癌細胞の表面上で優先的に発現される受容体に特異的に結合する他の分子、またはこれらの分子の任意のフラグメントを含む。
【0025】
基Abが、葉酸、葉酸類縁体または他の葉酸受容体結合リガンドである、病原性細胞を検出するために使用される結合体について、これらの結合体は米国特許第5,688,488号(その明細書は参照することにより本明細書に組み入れられる)中に詳細に記載される。その特許は、関連する米国特許第5,416,016号および第5,108,921号(各々は参照することにより本明細書に組み入れられる)と共に、本明細書において記述される方法に従う有用な結合体の調製のための方法および実施例について記述する。本リガンド−造影剤結合体は、それらの以前の特許中に記載される一般的なプロトコールに従って、および本明細書において記述されたプロトコールにより、調製および使用することができる。
【0026】
本明細書において記述される方法で使用される結合体は、複合体形成のための任意の当技術分野で認められている方法を使用することによって、結合体化することができる。これは、リガンドの造影剤に対する、直接的な、または、二価リンカーなどの結合基を介する間接的な、共有結合、イオン結合または水素結合を含んでもよい。結合体は典型的には、複合体のそれぞれの構成分子上の酸性基、アルデヒド基、ヒドロキシ基、アミノ基またはヒドラゾ基との間のアミド結合、エステル結合またはイミノ結合の形成を介する造影剤へのリガンドの共有結合によって、または例えばジスルフィド結合の形成によって、形成される。
【0027】
病原性細胞が検出される場合の本発明の1つの実施形態において、リガンドは、葉酸、葉酸の類縁体または他のフォレート受容体結合分子であり、フォレートリガンドは、トリフルオロ酢酸無水物を利用して、プテロイルアジド中間体を経由する葉酸のγ−エステルを調製する手順によって造影剤と結合体化される。この手順は、フォレートのグルタミン酸基のγ−カルボキシ基を介してのみ造影剤と結合体化されるフォレートリガンドの合成をもたらす。あるいは、葉酸類縁体は、グルタミン酸基のα−カルボキシ部分またはαおよびγカルボン酸構成要素の両方を介してカップリングすることができる。
【0028】
例示的に、様々なフォレートの類縁体および誘導体は、フォレートリンカー結合体を形成して、フォレート自体を置換できる。それらの類縁体および誘導体、またはその保護された型は、本明細書において記述される合成プロトコール中に含まれうる。例えば、フォレートの類縁体および誘導体は、Westerhof, et al., Mol. Pharm. 48: 459-471 (1995)(参照することによって本明細書に組み入れる)中に記載されるものなど、当技術分野において周知である。
【0029】
加えて、結合体のリンカー部の構造修飾は、本明細書において検討される。例えば、多数のアミノ酸置換は、従来の合成方法から利用可能なアミノ酸に加えて、天然に存在するアミノ酸を含むがこれらに限定されずに、結合体のリンカー部に対して行なってもよい。1つの態様において、ベータ、ガンマ、およびより長鎖のアミノ酸を、1つまたは複数のアルファアミノ酸の代わりに使用できる。他の態様において、かかる分子中で見出されるキラル中心の立体化学は、全体の分子の、または存在するキラル中心のサブセットの混合物のみの、様々な光学純度の混合物を形成するように選択できる。他の態様において、リンカー中に含まれるペプチド鎖の長さは、その中に含まれるアミノ酸の数を変化させることによって、または多くのもしくは少ないベータ、ガンマ、またはより長鎖のアミノ酸を含むことによって、短くもしくは長くできる。他の態様において、ペプチド部分中のアミノ酸側鎖の選択は、特異的にリンカー部分の、または一般的に全体的な分子の相対的な親水性を増加または減少させるように行うことができる。
【0030】
同様に、本明細書において記述されるリンカーの他の化学的フラグメントの長さおよび形状は修飾してもよい。1つの態様において、リンカーはアルキレン鎖を含む。アルキレン鎖は、長さを変化させることができるか、分岐基を含むことができるか、環状部を含むことができ、それはアルキレン鎖に対して、直線状またはスピロであってもよい。他の態様において、リンカーがベータチオールの遊離可能なフラグメントを含む場合には、ヒドロキシ末端または炭酸末端へチオール末端を結合する他の介在基は、ヒドロキシ末端がベンジル炭素で結合され、チオール末端がフェニルのオルト位またはパラ位を介して結合される、およびその逆で結合される、エチレン架橋(任意に置換されたベンジル基などであるが、これらに限定されない)の代わりに使用できることが理解される。
【0031】
式Ab−Xの本明細書において記述される方法に従って使用される結合体は、患者サンプルとの混合のために、組成物が有効量の結合体およびそのための許容される担体を含む診断用組成物を製剤化して、1つの態様において使用される。様々な実施形態において、本明細書において記述される方法に従う使用のために効果的な結合体の量は、約1nM〜100nM、1nM〜200nM、1nM〜500nM、1nM〜10μM、1nM〜1mM、10nM〜200nM、10nM〜500nM、100nM〜500nM、10nM〜10μM、または100nM〜1mMであってもよい。様々な例示的な実施形態において、結合体は、100μl、200μl、300μl、400μl、500μl、1ml、2ml、3ml、4ml、5ml、6mlまたは8mlの患者の体液と混合される。
【0032】
ここで図8を参照して、1つの実施形態において、本明細書において記述されるエクスビボ多光子フローサイトメトリープロセスの実行のためのフローサイトメーターシステム10は、第1のレーザー12、第2のレーザー14および第3のレーザー16を含む。レーザー12、14、16の各々は、所定の波長を有するレーザー光線を生じるように構成される。例えば、図8中で示される実施形態において、第1のレーザー12は約488ナノメーターの波長を有するレーザー光線を生じるように構成され、第2のレーザー14は約633ナノメーターの波長を有するレーザー光線を生じるように構成され、第3のレーザー16は約325ナノメーターの波長を有するレーザー光線を生じるように構成される。
【0033】
第1のレーザー12の出力レーザー光線は、第1のダイクロイックミラー18を介して導かれる。第1のダイクロイックミラー18は、前もって定義した第1の波長または波長の範囲の光線を透過するが、第2の波長または波長の範囲の光線を反射するように構成される。例示的な実施形態において、第1のダイクロイックミラー18は、約488ナノメーターの波長を有する光線を透過するが、約633ナノメーターの波長を反射するように構成される。それゆえ、第1のダイクロイックミラー18は、第1のレーザー12の出力レーザー光線が第1のダイクロイックミラー18を介して透過されるが、第2のレーザー14の出力レーザー光線が第1のダイクロイックミラー18によって反射されるように位置する。それゆえ、結果として生じるレーザー光線19は、第1のレーザー12の出力レーザー光線の波長、および第2のレーザー14の出力レーザー光線の波長を含んでいる。
【0034】
光線19は第2のダイクロイックミラー20に向けられ、続いてこのダイクロイックミラーによって反射される。第1のダイクロイックミラー18と同様に、第2のダイクロイックミラー20は前もって定義した第1の波長または波長の範囲の光線を透過するが、第2の波長または波長の範囲の光線を反射するように構成される。図8の例示的な実施形態において、第2のダイクロイックミラー20は、光線27の波長(すなわち第1のレーザー12および第2のレーザー14の出力レーザー光線の波長)を反射し、第3のレーザー16の出力レーザー光線の波長を透過するように構成される。すなわち、図8中で示された実施形態において、第2のダイクロイックミラー20は、約488ナノメーターおよび約633ナノメーターの波長を有する光線を反射するが、約325ナノメーターの波長を有する光線を透過するように構成される。第2のダイクロイックミラー20は、光線19が第2のダイクロイックミラー20によって反射されるが、第3のレーザー16の出力レーザー光線が第2のダイクロイックミラー20を介して透過するように位置する。それゆえ、結果として生じるレーザー光線21は、第1のレーザー12の出力レーザー光線の波長、第2のレーザー14の出力レーザー光線の波長、および第3のレーザー16の出力レーザー光線の波長を含む。
【0035】
フローサイトメーター10はさらに集束レンズ22を含み、それはレーザー12、14、16によって生じたレーザー光線21を受け取るように位置する。集束レンズ22は、解析されるサンプル(例えば血液サンプル)が位置するフローセル24の上にレーザー光線21を集束させるように構成される。いくつかの実施形態において、フローセル24を、サンプルが流れる経路として具現できることが認識されるべきである。1つの特定の実施形態において、フローセル24は幅が約100ナノメーターである経路として具現されるが、他の大きさを有する経路も他の実施形態において使用できる。
【0036】
フローセル24の上に導かれたレーザー光線21の一部は、サンプルによって散乱される。レーザー光線21の散乱は、前方散乱光(FSC)検知器26によって受け取られる前方散乱光(FSC)光線25を形成する。前方散乱光は、細胞表面の面積または大きさに一般的に比例する、回折光の量の測定である。レーザー光線21は、散乱に加えて、サンプル中に含まれるリガンド結合体を励起する。レーザー光線21に反応して、リガンド結合体の蛍光分子は、エピ蛍光経由で多数の異なる波長を有する光を放射する。蛍光分子から放射された光の一部は蛍光収集レンズ28を介して導かれる。
【0037】
蛍光収集レンズ28は、蛍光分子から放射された光を第3のダイクロイックミラー30に導く。第1および第2のダイクロイックミラー18、20と同様に、第3のダイクロイックミラー30は、前もって定義した第1の波長または波長の範囲の光を透過するが、第2の波長または波長の範囲の光を反射するように構成される。図8の例示的な実施形態において、第3のダイクロイックミラー20はショートパスダイクロイックミラーであり、それは約620ナノメーター以下の波長を有する光を透過し、約620ナノメーターよりも大きな波長を有する光を反射するように構成される。
【0038】
約620ナノメーターよりも大きな波長を有する光は、第4のダイクロイックミラー32へ反射される。第4のダイクロイックミラー32はロングパスダイクロイックミラーであり、それは約670ナノメーター以上の波長を有する光を透過し、約670ナノメーター未満の波長を有する光を反射するように構成される。第4のダイクロイックミラー32によって透過される光(すなわち約670ナノメーター以上の波長を有する光)は、第1の光学フィルター34によって受け取られる。第1の光学フィルター34はロングパス光学フィルターであり、前もって定義した波長に等しいかまたはそれ以上の波長を有する光を透過するが、前もって定義した波長未満の波長の光を遮断するように構成される。例示的な実施形態において、第1の光学フィルター34は、約670ナノメーター以上の波長を有する光を透過し、約670ナノメーター未満の波長を有する光を遮断するように構成される。第1の光学フィルター34から透過される光は、光電子増倍管(PMT)などの第1の検知器36へ導かれる。いくつかの実施形態において、第1の検知器36は受け取る光をアナログ信号に変換するように構成される。
【0039】
第4のダイクロイックミラー32へ戻って参照すると、ミラー32によって反射された光(すなわち約670ナノメーター未満の波長を有する光)は、第2の光学フィルター38へ導かれる。第2の光学フィルター38はバンドパス光学フィルターであり、波長の所定範囲内の波長を有する光を透過するが、前もって定義した範囲以外の波長の光を遮断するように構成される。例示的な実施形態において、第2の光学フィルターは、約660ナノメーター±13ナノメーターの波長を有する光(すなわち約647ナノメーター〜約673ナノメーターの範囲内の波長を有する光)を透過するように構成される。第2の光学フィルター38から透過される光は、光電子増倍管(PMT)などの第2の検知器40へ導かれる。いくつかの実施形態において、第2の検知器40は、受け取る光をアナログ信号に変換するように構成される。
【0040】
第3のダイクロイックミラー30へ戻って参照すると、ミラー30を介して透過される光(すなわち約620ナノメーター以下の波長を有する光)は、第5のダイクロイックミラー42へ導かれる。第5のダイクロイックミラー42は、前もって定義した第1の波長または波長の範囲の光を透過するが、第2の波長または波長の範囲の光を反射するように構成される。図8の例示的な実施形態において、第5のダイクロイックミラー42はロングパスダイクロイックミラーであり、それは約510ナノメーター以上の波長を有する光を透過し、約510ナノメーター未満の波長を有する光を反射するように構成される。
【0041】
約510ナノメーター未満の波長を有する光は、第6のダイクロイックミラー44へ反射される。第6のダイクロイックミラー44もまたロングパスダイクロイックミラーとして具現され、それは約470ナノメーター以上の波長を有する光を透過し、約470ナノメーター未満の波長を有する光を反射するように構成される。第6のダイクロイックミラー44によって透過される光(すなわち約470ナノメーター以上の波長を有する光)は、第3の光学フィルター46によって受け取られる。第3の光学フィルター46は、第2の光学フィルター38に類似するバンドパス光学フィルターである。第3の光学フィルター46は、前もって定義した波長の範囲内の波長を有する光を透過するが、前もって定義した範囲以外の波長の光を遮断するように構成される。例示的な実施形態において、第3の光学フィルター46は、約510ナノメーター±10ナノメーターの波長を有する光(すなわち約500ナノメーター〜約520ナノメーターの範囲内の波長を有する光)を透過するように構成される。第3の光学フィルター46から透過される光は、光電子増倍管(PMT)などの第3の検知器48に導かれる。いくつかの実施形態において、第3の検知器48は、受け取る光をアナログ信号に変換するように構成される。
【0042】
第6のダイクロイックミラー44へ戻って参照すると、ミラー44によって反射された光(すなわち約470ナノメーター未満の波長を有する光)は、第4の光学フィルター50に導かれる。第4の光学フィルター50はロングパス光学フィルターであり、前もって定義した波長に等しいかまたはそれ以上の波長を有する光を透過するが、前もって定義した波長未満の波長の光を遮断するように構成される。例示的な実施形態において、第4の光学フィルター50は、約380ナノメーター以上の波長を有する光を透過し、約380ナノメーター未満の波長を有する光を遮断するように構成される。第4の光学フィルター50から透過される光は、光電子増倍管(PMT)などの第4の検知器52に導かれる。やはりまた、いくつかの実施形態において、第4の検知器52は、受け取る光をアナログ信号に変換するように構成される。
【0043】
ここで第5のダイクロイックミラー42へ戻って参照すると、ミラー42によって透過される光(すなわち約510ナノメーターよりも大きな波長を有する光)は、第7のダイクロイックミラー54に導かれる。第7のダイクロイックミラー54は、前もって定義した第1の波長または波長の範囲の光を透過するが、第2の波長または波長の範囲の光を反射するように構成される。図8の例示的な実施形態において、第7のダイクロイックミラー54はロングパスダイクロイックミラーであり、それは約555ナノメーター以上の波長を有する光を透過し、約555ナノメーター未満の波長を有する光を反射するように構成される。
【0044】
第7のダイクロイックミラー54によって透過される光(すなわち約555ナノメーター以上の波長を有する光)は、第5の光学フィルター56によって受け取られる。第5の光学フィルター56はバンドパス光学フィルターであり、前もって定義した波長の範囲内の波長を有する光を透過するが、前もって定義した範囲以外の波長の光を遮断するように構成される。例示的な実施形態において、第5の光学フィルター56は、約575ナノメーター±25ナノメーターの波長を有する光(すなわち約550ナノメーター〜約600ナノメーターの範囲内の波長を有する光)を透過するように構成される。第5の光学フィルター56から透過される光は、光電子増倍管(PMT)などの第5の検知器58に導かれる。いくつかの実施形態において、第5の検知器58は、受け取る光をアナログ信号に変換するように構成される。
【0045】
第7のダイクロイックミラー54へ戻って参照すると、ミラー54によって反射された光(すなわち約55ナノメーター未満の波長を有する光)は、第6の光学フィルター60に導かれる。第6の光学フィルター60もまたバンドパス光学フィルターであり、前もって定義した波長の範囲内の波長を有する光を透過するが、前もって定義した範囲以外の波長の光を遮断するように構成される。例示的な実施形態において、第6の光学フィルター60は、約530ナノメーター±28ナノメーターの波長を有する光(すなわち約502ナノメーター〜約558ナノメーターの範囲内の波長を有する光)を透過するように構成される。第6の光学フィルター60から透過される光は、光電子増倍管(PMT)などの第6の検知器62に導かれる。いくつかの実施形態において、第6の検知器62は、受け取る光をアナログ信号に変換するように構成される。
【0046】
さらに、いくつかの実施形態において、フローサイトメーター10は、蛍光収集レンズ26、第3のダイクロイックミラー30および第5のダイクロイックミラー42経由で側方散乱光(SSC)を受け取るように構成される、第7の光学フィルター64を含んでもよい。側方散乱光(SSC)は、フローセル24中に位置するサンプルの細胞粒度または内部複雑度に比例する。第7の光学フィルターはバンドパス光学フィルターであり、前もって定義した範囲内の波長を有する光を透過するが、前もって定義した範囲以外の波長の光を遮断するように構成される。例示的な実施形態において、第7の光学フィルター64は、約488ナノメーター±25ナノメーターの波長を有する光(すなわち約463ナノメーター〜約513ナノメーターの範囲内の波長を有する光)を透過するように構成される。第7の光学フィルター64から透過される光は、光電子増倍管(PMT)などの第7の検知器66に導かれる。いくつかの実施形態において、第7の検知器66は、受け取る光をアナログ信号に変換するように構成される。
【0047】
フローサイトメーター10は、検知器26、36、40、48、52、58、62、66によって生じられるシグナルの調節、増幅および/または提示のための、追加の回路もまた含んでもよい。例えば、フローサイトメーター10は、生じたシグナルの増幅および調節のための前置増幅器(図示せず)および/またはフィルターブロック(図示せず)を含んでもよい。さらに、検知器26、36、40、48、52、58、62、66がアナログ信号を生じるように構成される実施形態において、フローサイトメーター10は、アナログ信号を、例えばコンピューターシステム(図示せず)によって使用可能なデジタル信号に変換するための、アナログ−デジタル変換器(図示せず)を含んでもよい。かかるコンピューターシステム54は、プロセッサー、およびコンピューターシステムのディスプレイ装置上で視認可能な画像(カラー画像など)へデジタル信号を処理するように構成される他の回路を含んでもよい。
【0048】
1つの例示的なフローサイトメーターが本明細書において記述されてきたが、他の実施形態において、他のタイプのフローサイトメーターを、本明細書において記述されたエクスビボ多光子フローサイトメトリープロセスを実行するために使用してもよいことが理解されるべきである。さらに、ダイクロイックミラーおよび光学フィルターは、特定の波長の値に関して記述されてきたが、他の実施形態において、他の波長規格と共に使用可能なダイクロイックミラーおよび/または光学フィルターが他の実施形態において使用されてもよいことは認識されるべきである。
【0049】
以下の実施例は例示的な実施形態のみであり、限定するようには意図されない。
【0050】
(実施例1)
<材料>
Fmoc−Lys(Mtt)−ワング樹脂、Fmoc−Glu−OtBu、HOBT(1−ヒドロキシベンゾトリアゾール)およびHBTU(2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート)を、ノバビオケム(Novabiochem)社(サンディエゴ)から購入した。ピペリジン、DIPEA(ジイソプロピルエチルアミン)、ローダミンBイソチオシアネート(Rd−ITC)およびトリイソプロピル生理食塩水(TIPS)は、アルドリッチ(Aldrich)社(ミルウォーキー)からであった。DiIC18(3)およびフルオレセインイソチオシアネート(FITC)は、モレキュラー・プローブ(Molecular Probes)社(インビトロゲン(Invitrogen)社)から購入した。PD−10カラム(セファデックスG−25M)は、アマシャム(Amersham)社からであった。EC17(フォレート−FITC)、ウサギ血清およびフォレート結合カラムは、エンドサイト(Endocyte)社によって提供された。
【0051】
(実施例2)
<細胞培養>
鼻咽頭癌細胞(KB細胞)を、フォレート欠損RPMI1640(ギブコ(Gibco)社)プラス10%ウシ胎仔血清(または子ウシ血清)中でpH7で培養し、37℃でインキュベートした。
【0052】
(実施例3)
<フォレート結合体の固相合成>
フォレートの前駆体(N10−TFA−プテロイン酸)を標準手順に従って合成した。Fmoc−Lys(Mtt)−ワング樹脂を、反応の前に窒素バブリングと共に20分間DMF中に浸漬した。20%ピペリジンを追加してFmoc保護基を切断した。4当量のDIPEAに加えて、DMF中に溶解した2.5当量のFmoc−Glu−OtBu、HOBTおよびHBTUも、反応漏斗に追加した。室温での2時間の窒素バブリング後に、Fmoc切断工程は、20%ピペリジンにより繰り返された。次に、4当量のDIPEAに加えて、1:1のDMF/DMSO(ジメチルホルムアミド/ジメチルスルホキシド)中に溶解した、1.5当量のN10−TFA−プテロイン酸および2.5当量のHOBTおよびHBTUも、窒素によるバブリングと共に、4時間かけて反応に追加した。次に生成物を、DMF、DCM(ジクロロメタン)、メタノールおよびイソプロピルアルコールにより完全に洗浄し、窒素下で乾燥した。1%TFA/DCM(トリフルオロ酢酸/ジクロロメタン)を使用してMtt(Mtt=4−メチル−トリチル)基を切断した。2.5当量のRd−ITC(DMF中に溶解した)および4当量のDIPEAを樹脂に追加し、反応を減光条件下で室温で一晩行なった。結合体の切断をTFA:TIPS:HO(95:2.5:2.5)によって行なった。粗製生成物を冷エーテルによる沈殿によって回収した。粗製生成物を一晩凍結乾燥した。第2日目に、粗製生成物を、窒素バブリングと共に10%水酸化アンモニウム(pH=10)を使用して45分間加水分解した。生成物を凍結乾燥によって回収した。分取HPLC(リゲル(Rigel))を使用して、精製を実行した。
【0053】
(実施例4)
<抗体精製および結合体化>
抗フォレート受容体ポリクローナル抗体のPU9、PU10およびPU17は、フォレート親和性カラムを使用して、抗ウサギ血清から精製した。サンプルはPD−10カラムを使用して脱塩し、次にサンプルはPBS(pH8.0)中で緩衝した。結合体化は、抗体1mgあたり80μgのFITCの比率で減光条件下で室温で4時間かけて実行した。結合体化後に、標識抗体を親和性カラムクロマトグラフイーによって精製した。サンプルはPD−10カラムを使用して脱塩し、次にサンプルはPBS(pH=7.4)中で緩衝した。抗体濃度およびFITC対タンパク質比率は、以下のように、UV/可視光線吸光度を使用してそれぞれ計算した:C(mg/ml)=[A(280)−0.31*A(495)]/1.4、F/P比率=3.1*A(495)/[A(280)−0.31*A(495)]。
【0054】
(実施例5)
<血液サンプル>
多光子フローサイトメトリー分析を実行するために、卵巣癌患者から抗凝血剤中に回収した新鮮血サンプルを使用して、実験を実行した。血液サンプルは、フローサイトメトリーによる検査の前にフォレート−アレクサフルオル488により処理した。
【0055】
(実施例6)
イメージングフローサイトメトリーは、共焦点イメージング、非共焦点イメージングおよび2光子励起蛍光(TPEF)イメージングを可能にするレーザー走査顕微鏡(IX70/FV300、オリンパス(Olympus)社)により実行された。543nmのヘリウム‐ネオンレーザーを、対物レンズからの1mWの出力で、非共焦点イメージングおよび共焦点蛍光イメージングのために使用した。フェムトセカンドチタンサファイアレーザー(Mira900、コヒレント(Coherent)社)を、対物レンズからの35mWの出力で、TPEFのために使用した。パルス継続期間は800nmで100fsであり、反復率は77MHzである。データーは、血液サンプルの二次元XYスキャニング、または一次元スキャニングによって得られた。
【0056】
(実施例7)
<フォレート結合体および抗フォレート受容体ポリクローナル抗体を使用するフォレート受容体陽性腫瘍細胞の標識同士の比較>
フォレート−FITC(1)、およびFITCと結合体化した3つの異なる抗FRポリクローナル抗体(PU9(2)、PU10(3)およびPU17(4))の標識強度のフローサイトメトリー分析を実行した。未標識KB細胞(5)、および50nMフォレート−FITCプラス5μM葉酸と共にインキュベートしたKB細胞(6、完全に競合させた)を、陰性対照とした。培養したKB細胞は、フローサイトメトリーによる分析の前に上述のプローブの各々と共に37℃で30分間インキュベートした。フォレート−FITC標識KB細胞の平均蛍光強度は、任意の抗フォレート受容体(FR)ポリクローナル抗体標識KB細胞よりも2桁高い大きさである(図1)。フォレート−FITCはただ1つのFITCを保有するが、抗体は複数のFITC分子で標識できるので、この結果は意外なものであった。さらに、ポリクローナル抗体はFR上の複数のエピトープに結合することができるが、フォレート−FITCは単一部位のみに結合する。この結果は、蛍光抗腫瘍細胞抗体による任意のCTCの検出がうまくいかないことについて説明する(データー不掲載)。
【0057】
(実施例8)
<フォレート−アレクサフルオル488による腫瘍細胞標識の前に、全血の赤血球濃縮画分から腫瘍細胞濃縮画分を分離する方法の比較>
全血サンプル中の他のすべての細胞(すなわち腫瘍細胞画分)から赤血球を分離する方法を解析した。これらの方法は以下の通りであった:1)実施例9および図3中に詳細に記載される抗体カクテル法、2)白血球からの分離をよりよくするために、RBCを収縮させることができるカルシウムイオノフォアであるA23187の使用、3)赤血球から白血球を分離するために一般に使用されるフィコール密度分離、4)全血中の他の細胞集団を溶解せずに、RBCを破裂させる十分な浸透圧を生じることができる塩化アンモニウム溶解、5)癌患者の末梢血サンプルからのCTCの迅速な分離のために市販で入手可能な濃縮キット(オンコクイック(Oncoquick)、グライナー・バイオワン(Greiner Bio-One)社)、6〜8)異なる平衡密度による異なるタイプの密度遠心分離溶媒、9)フィルターの上の白血球を保持するが、赤血球の濾過を可能にする、下部から〜3mlの多孔質膜インサートを備えた遠心分離チューブである、スピンディスク(Spin Disk)チューブ(グライナー・バイオワン社)。結果を図2中に示す。フィコール密度分離プラス抗体カクテル法により最良の%回収が得られた。
【0058】
(実施例9)
<循環腫瘍細胞濃縮の手順:抗体カクテル法>
図3において、以下の略語を使用する。CTC:循環腫瘍細胞、MNC:単核細胞、GNC:顆粒球、RBC:赤血球、フィコール:分離溶媒、Abカクテル:上皮性CTC濃縮抗体のカクテル。抗体カクテル中の四量体の抗体複合体は、両方の細胞タイプを枯渇させるように不要な白血球を赤血球に架橋し、癌細胞がより純粋な集団であることを可能にする。
【0059】
以下のパラメーターを、濃縮手順のために最適化した。遠心分離速度、希釈係数、遠心分離時間および分離溶媒のpH。これらのパラメーターの評価を表1〜4中に示す。一般的に、20分間でおよそ1000gの遠心分離速度が至適である。一般的に全血は、効率的なCTC濃縮のためにはあまりにも粘性があり粘着性があり過ぎる。そのため、2%ウシ胎仔血清(FBS)を含むPBS中での全血の異なる希釈を調べた。一般的に、PBS+2%FBS中の全血の1:1比率が、pH7のPBSによる至適希釈であり、至適標識効率がもたらされた。
【0060】
〔遠心分離速度の評価〕

【0061】
〔希釈係数の評価〕

【0062】
〔遠心分離時間(1000gで)の評価〕

【0063】
〔pHの影響の評価〕

【0064】
(実施例10)
<検出のためのエクスビボ患者サンプルの調製、およびフローサイトメトリー分析による病原性細胞の定量化>
癌患者からの2mlの血液サンプルを30分間室温で暖めた。50μL/mLのロゼットセップ(RosetteSep)(商標)の循環ヒト上皮性腫瘍細胞広汎濃縮カクテル(Circulating Human Epithelial Tumor Cell Extensive Enrichment Cocktail)(ステムセル・テクノロジーズ(StemCell Technologies)社)を全血サンプルに追加し、穏やかに混合し、次に室温で20分間インキュベートした。サンプルをPBSF(PBS+2%FBS)の等容量で希釈し、十分に混合した。3:4の容量比率で希釈したサンプルの下にフィコール−パック(Ficoll-Paque)を重層した。次にサンプルは、ブレーキはオフにして室温400gで30分間遠心分離した。上清を、フィコール−パックから他のチューブへと移した。6〜8mlのPBSFを追加して細胞を洗浄し、次に細胞を500g15分間の遠心分離によりペレットにした。およそ500〜1000μlの液体をサンプル中に残して細胞およびフォレート−造影剤488(100nM)を再懸濁した。CD45−Cy5(1:300)およびヘキスト(Hoechst)(5μg/ml)をサンプルに追加した。1時間氷上でサンプルをインキュベートした。5mlの容量に達するようにPBSFをサンプルに追加した。次に細胞を200g10分間の遠心分離によりペレットにした。10倍容量のPBSFを追加して色素を洗浄した。フローサイトメトリー分析を実行するために1mlのPBSF中に細胞を再懸濁した。すべての細胞がフローサイトメーターによりカウントされることを確実にするために、さらに500μlのPBSFを追加してフローサイトメトリー分析の実行前にチューブを洗浄した。上述のプロトコールを実行するときに、すべての薬剤は滅菌されるべきである。チューブを移すときに、すべての細胞の回収を促進するためにチューブを数回洗浄するべきである。プラスチック壁に対する細胞の非特異的吸着を減少させるために、新しいチューブはPBSFで洗い流されるべきである。
【0065】
(実施例11)
<フローサイトメトリーおよび共焦点顕微鏡によるエクスビボ患者サンプル中の循環腫瘍細胞の検出>
新鮮血サンプルを6人の卵巣癌患者から抗凝血剤中に回収し、実施例10中に記載される手順を使用して処理した。卵巣癌患者サンプルからの500マイクロリットルの全血を、フローサイトメトリーによる分析の前に、100nMフォレート−アレクサフルオル488と共に37℃で30分間インキュベートした。図4中で見られるように、6つのサンプルはすべて、15〜210細胞/500μlの範囲の測定可能なCTCを示した。これとは対照的に、3人の健康なドナーからの同種のサンプルは500μl中に蛍光粒子を含まないことが見出された。卵巣癌患者における標識細胞が悪性であることを確実にするために、同一の末梢血サンプルを、ローダミン−Xと結合体化した適切な二次抗体を加えた抗ヒトCA125モノクローナル抗体により標識した。図6中に示される卵巣癌患者からの血液塗抹標本の共焦点顕微鏡によって示されるように、フォレート−アレクサフルオル488の緑色蛍光は、ローダミン−Xの赤色蛍光と共局在することが見出され、フォレート−アレクサフルオル標識細胞が確かに卵巣癌に由来することが実証される。赤色(ローダミン−X標識抗サイトケラチン抗体)蛍光と緑色(フォレート−アレクサフルオル488)の重複は、黄色蛍光として表示され、パネルAおよび図6のBにおいて見られる。
【0066】
(実施例12)
<エクスビボフローサイトメトリーを使用する卵巣癌患者における循環腫瘍細胞の定量化>
卵巣癌患者からの血液サンプルをフローサイトメトリーによって解析した。実施例10中に記載されるように、サンプルを処理した。次に、患者1〜11からの500μlの全血を、フローサイトメトリーによる分析の前に、100nMフォレート−アレクサフルオル488と共に37℃で30分間インキュベートした。各患者サンプルのための対照サンプルは、上述される同一の処理の前に、10μM葉酸と共に37℃30分間インキュベートした。患者12〜17については、2mlの全血を抗体カクテル(上皮性CTC濃縮抗体カクテル)により処理し、赤血球をフィコール分離媒質の使用によって除去した。次に濃縮腫瘍細胞画分をフローサイトメトリー分析の前に洗浄し、フォレート−アレクサフルオル488により4℃で30分間標識した。結果を図5中に示す。黒いドットは各分析におけるCTCカウントを表わす。バーは、同一の血液サンプルに対する2つまたは3つの独立した測定において得られたCTCの平均数を表わす。上部の点線は、すべての患者についての平均CTCカウントを表わす。中央の点線は、すべての患者についての中央値CTCカウントを表わす。下部の黒い点線は、すべての健康なドナーについての平均CTCカウントを表わす。癌患者についての血液の平均CTC/2mlは、約103のCTC/2mlであり、中央値は約45CTC/2mlである。約5から10CTC/2mlが検出される、CTCの最低数は患者3、5および6で観察された。これらの数は、正常な血液において見出されるバックグラウンドレベル(平均1.25CTC/2ml)以上である。
【0067】
(実施例13)
<健康なドナーの血液中の循環腫瘍細胞の定量化>
フィコール+Abカクテル法を使用して、8人の健康なドナーからの6mlの全血から赤血球を除去し、白血球/癌細胞画分を洗浄し、1.5mlPBS(2%PBS)中に再懸濁した。1つの小分け(500μlの細胞懸濁物)を標識せずに、陰性対照(右に向いた三角形)とした。第2の小分け(上に向いた三角形)を、フローサイトメトリーの前に、100nMフォレート−アレクサフルオル488と共に4℃で30分間インキュベートした。第3の小分け(左に向いた三角形)は、FR特異的結合をブロックするために、フォレート−アレクサフルオル488によるインキュベーションの前に、10μM葉酸と共に4℃で30分間インキュベートした。これらのデーターは、6/2mlまでのCTCカウント(FR発現細胞のカウント)が正常となりえることを示唆する(図7)。
【0068】
(実施例14)
<フォレート−Cys−テキサスレッドの合成>
テキサスレッドC−マレイミド(モレキュラー・プローブ社、ユージーン、オレゴン)を、ジメチルスルホキシド(DMSO)(200μlのDMSO中に1mg)中に溶解した。1.4モル当量(1mg)のフォレート−システインを溶液に追加し、室温で4時間混合した。フォレート−Cys−テキサスレッド(フォレート−テキサスレッド)を、C18カラム上で逆相HPLCによって1ml/分の流速で精製した。10mMのNHHCOバッファー(pH7.0)(溶出液A)およびアセトニトリル(溶出液B)からなる移動相を、最初の5分間はA:Bが99:1の比率で維持し、その後次の30分にわたり直線的勾配でA:Bは70:30へ、続いて最後の15分にわたり直線的勾配でA:Bは1:99へ変化させた。フォレート−Cys−テキサスレッドは44.5分および45.8分で2つの異性体ピークとして溶出された。生成物を質量分析法によって確認し、生物学的活性を、培養におけるフォレート受容体陽性のM109細胞上の細胞表面のフォレート受容体に対するその結合の蛍光測定によって確認した。
【化5】

【0069】
(実施例15)
<フォレート−オレゴングリーン514の合成>
標準的なFmocペプチド化学を使用して、葉酸のγ−COOHへ結合したオレゴングリーン(モレキュラー・プローブ社、ユージーン、オレゴン)へ結合されたフォレートペプチドを合成した。配列Lys−Glu−プテロイン酸(フォレート−Cys)は、塩基としてジイソプロピエチルアミン、およびFmoc基の脱保護のためにジメチルホルムアミド(DMF)中の20%のピペリジンに加えて、HBTUおよび活性化剤としてN−ヒドロキシベンゾトリアゾールによるFmoc化学によって構築された。α−t−Boc−保護N−α−Fmoc−L−グルタミン酸、続いてN10−トリフルオロアセチルプテロイル酸を、ε−アミン上に4−メチルトリチル保護基を含むFmoc−保護リジンワング樹脂へ結合した。リジンのε−アミン上のメトキシトリチル保護基をジクロロメタン中の1%トリフルオロ酢酸により除去し、オレゴングリーンを結合させた(フォレート−オレゴングリーン)。1.5モル当量のオレゴングリーンカルボン酸を、ペプチドと共にスクシンイミジルエステルを一晩反応させ、その後ペプチド樹脂ビーズから完全に洗浄した。次に、フォレート−オレゴングリーンを、95%トリフルオロ酢酸−2.5%水−2.5%トリイソプロピルシラン溶液により樹脂から切断した。ジエチルエーテルを使用して生成物を沈殿させ、沈殿物を遠心分離によって回収した。生成物をジエチルエーテルにより2回洗浄し、真空下で一晩乾燥した。N10−トリフルオルアセチル(trifluoracetyl)保護基を除去するために、生成物を10%水酸化アンモニウム溶液中に溶解し、室温で30分間撹拌した。生成物を、イソプロパノールおよびエーテルの組み合わせにより沈殿させ、沈殿物を遠心分離によって回収した。
【化6】

【0070】
(実施例16)
<フォレート−R−フィコエリトリンの合成>
フォレート−フィコエリトリンを、Pharmaceutical Research, Vol. 20(5); 2003中のKennedy M.D.らによって出版された手順に従って合成した。簡潔には、10倍過剰量のフォレート−システインを、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)(pH7.4)中のR−フィコエリトリンピリジルジスルフィド(シグマ(Sigma)社、セントルイス、ミズーリ)の溶液へ追加した。溶液を一晩4℃で反応させ、標識タンパク質(分子量約260kDa)を、G−15脱塩カラムを使用するゲル濾過クロマトグラフィーによって精製した。100倍過剰量の葉酸の存在下および非存在下においてフォレート−フィコエリトリンと共にインキュベートしたM109細胞の蛍光顕微鏡によって、フォレート標識を確認した。1時間のインキュベーションおよびPBSによる3回の細胞洗浄後に、処理された細胞は強度に蛍光性であったが、過剰の葉酸の存在下におけるサンプルは細胞蛍光をほとんど示さなかった。
【0071】
(実施例17)
<フォレート−フルオレセインの合成>
Pharmaceutical Research, Vol. 20(5); 2003中にKennedy, M.D.らによって記載されるように、フォレート−FITCを合成した。
【化7】

【0072】
(実施例18)
<循環前立腺癌細胞検出のための化合物例>
本明細書において記述された化合物は、従来の有機合成法によって調製できる。加えて、以下に示されるように、本明細書において記述される化合物は調製できる。特別の指示の無い限り、出発材料および試薬はすべて市販の供給から入手可能である。すべてのアミノ酸出発材料はケム−インペクス・インターナショナル(Chem-Impex Int)社(シカゴ、イリノイ)から購入した。H NMRスペクトルは、特別の指示の無い限りブルカー(Bruker)社500MHzのクリオプローブを使用して得た。
【0073】
実施例A。結合体化のためのPSMAインヒビター中間体の一般的合成。DUPA誘導体2−[3−(1,3−ビス−tert−ブトキシカルボニル−プロピル)−ウレイド]−ペンタン2酸1−tert−ブチルエステル(I)の特異的合成について図示する。
【化8】

【0074】
PC01SK09。−78℃まで冷却したCHCl(25.0mL)中のL−グルタミン酸ジ−tert−ブチルエステルHCl(1.0g、3.39mmol)およびトリホスゲン(329.8mg、1.12mmol)の混合物へ、トリエチルアミン(1.0mL、8.19mmol)を追加した。窒素下で−78℃、2時間の撹拌後に、CHCl(5.0mL)中のL−Glu(OBn)−O−tert−Bu(1.2g、3.72mmol)およびトリエチルアミン(600μL、4.91mmol)の混合物を追加した。1時間にわたって反応混合物を室温までにし、室温で一晩撹拌し続けた。反応混合物を1N HCl、ブラインにより洗浄し、NaSOの上で乾燥させた。フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=1:1、R=0.67)を使用して粗製生成物を精製し、PC01SK09(1.76g、90.2%)を生じた。C3046;分子量=578.69g/mol;無色油脂;H NMR (CDCl) δ 1.43 (s, 9H, CHBu); 1.44 (s, 9H, CHBu); 1.46 (s, 9H, CHBu); 1.85 (m, 1H, Glu−H); 1.87 (m, 1H, Glu−H); 2.06 (m, 1H, Glu−H); 2.07 (m, 1H, Glu−H); 2.30 (m, 2H, Glu−H); 2.44 (m, 2H, Glu−H); 4.34 [s (broad), 1H, αH]; 4.38 [s (ブロード), 1H, α−H]; 5.10 (s, 2H, CH−Ar); 5.22 [s (ブロード), 2H, 尿素−H); 7.34 (m, 5H, Ar−H)。 13C NMR (CDCl) δ 28.16; 28.25; 28.54; 28.60; 30.52; 31.73; 53.13; 53.22; 66.58; 80.71; 82.25; 82.35; 128.39; 128.71; 136.03; 156.96; 172.01; 172.16; 172.65; 173.13: CI−MS=579 (M+H), ESI−MS=579 (M+H), 601 (M+Na 付加物)。
【0075】
PC01SK23。CHCl中の化合物PC01SK09(250mg、432mmol)の溶液へ、30%Pd/C(50mg)を追加した。反応混合物を1気圧24時間室温で水素化した。Pd/Cはセライトパッドを介して濾過し、CHClにより洗浄した。粗製生成物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=40:60、R=0.58)を使用して精製し、PC01SK23(169mg、80.2%)を生じた。C2340;分子量=488.57g/mol;無色油脂;H NMR (CDCl) δ 1.46 (m, 27H, CHBu); 1.91 (m, 2H,Glu−H); 2.07 (m, 1H, Glu−H); 2.18 (m, 1H, Glu−H); 2.33 (m, 2H, Glu−H); 2.46 (m, 2H, Glu−H); 4.31 (s (ブロード), 1H, αH); 4.35 (s (ブロード), 1H, α−H); 5.05 (t, 2H, 尿素−H); CI−MS=489 (M+H), ESI−MS=489 (M+H), 511 (M+Na 付加物), 487 (M−H)
【0076】
実施例B。結合体化のためのPSMAインヒビター中間体の一般的合成。三級ブチル保護MUPA誘導体2−[3−(1−tert−ブトキシカルボニル−2−メルカプト−エチル)−ウレイド]−ペンタン2酸ジ−tert−ブチルエステル(II)の特異的合成について図示した。
【化9】

【0077】
PC01SK15。−78℃へ冷却したCHCl(5.0mL)中のL−グルタミン酸ジ−tert−ブチルエステルHCl(200mg、0.676mmol)およびトリホスゲン(67mg、0.228mmol)の混合物へ、トリエチルアミン(50μL(0.410mmol))を追加した。窒素下で−78℃、2時間の撹拌後に、CHCl(1.0mL)中のD−CyS(Fm)−OtBu(291.4mg、0.774mmol)およびトリエチルアミン(30μL、240mmol)の混合物を追加した。1時間にわたって反応混合物を室温までにし、室温で一晩撹拌し続けた。反応混合物を1N HCl、ブラインにより洗浄し、NaSOの上で乾燥した。粗製生成物はフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=50:50、R=0.6)を使用して精製し、PC01SK15(374mg、86.4%)を生じた。C3548S;分子量=640.83g/mol;薄いヤロウ(yallow)油脂;H NMR (CDCl) δ 1.45 (s, 27H, CHBu); 1.88 (m, 1H, Glu−H); 2.10 (m, 1H, Glu−H); 2.32 (m, 2H, Glu−H); 2.97 (m, 2H, Fm−CH2); 3.13 (m, 2H, Cys−H); 4.09 (t, 1H, Fm−H); 4.38 (m, 1H, αH); 4.66 (m, 1H, α−H); 5.55 (d, 1H, 尿素−H); 5.67 (d, 1H, 尿素−H); 7.30 (q, 2H, Ar− H); 7.36 (q, 2H, Ar−H); 7.73 (m, 4H, Ar−H)。 13C NMR (CDCl) δ 28.05; 28.14; 28.42; 31.64; 36.27; 37.25; 53.07; 53.73; 80.51; 81.98; 82.42; 119.85; 124.95; 125.09; 127.09; 127.51; 141.09; 145.99; 156.76; 170.80; 172.15; 172.43; CI−MS=641 (M+H), ESI− MS=641 (M+H)
【0078】
実施例C。ユニバーサルPSMA(DUPA)樹脂、2原子スペーサーおよびFITCを使用する、PC01SK59について図示されるPSMA造影剤結合体の一般的合成。この結合体もまた前立腺癌患者中の循環腫瘍細胞の検出について使用できる。
【化10】

【0079】
PSMAユニバーサル樹脂およびPC01SK59の合成。ユニバーサルPSMAリガンド(DUPA)樹脂を、ユニバーサルノバタッグ(NovaTag)(商標)樹脂(ノバビオケム(Novabiochem)社;カタログ番号04−12−3910)を使用して合成した。DCM(CHCl)およびDMFにより樹脂を膨潤した後に、Fmoc基を20%ピペリジン/DMF(N,N−ジメチルホルムアミド)を使用して脱保護した。tert−ブチル保護DUPAは、DMF中のHATU[2−(1H−7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート]およびDIPEA(N,N−ジイソプロピルエチルアミン)を使用してカップリングした。ペンダントMmt(4−メトキシトリチル)を、DCM/TFE(トリフルオロエタノール)中の1M HOBT(1−ヒロキシベンゾトリアゾール(Hyroxybenzotriazole))により除去した。樹脂中間体をDMFにより洗浄し、後続する合成の工程において直ちに使用するか、またはDCM/DMFおよび次にMeOHにより洗浄し、後の使用のために乾燥した。
【0080】
DMF中のDIPEA(4当量)の存在下において、市販で入手可能なFITC(1.25当量)とユニバーサルPSMA樹脂を反応させ、PC01SK59(2原子スペーサー)コンストラクトを産出した。最終化合物は、TFA(トリフルオロ酢酸)、TIPS(トリイソプロピルシラン)および水の混合物を使用して、樹脂から切断した。精製は逆相分取HPLC(ウォーターズ(Waters)社、xテラ(xTerra)C185μm;19×150mm)によって行い、A=10mM NHOAc、B=ACN;λ=488nm;溶媒勾配:1%B〜50%Bを25分間、80%Bによる洗浄を40分実行、(63%)。PC01SK59は、逆相分析HPLC(ウォーターズ社、X−ブリッジ(X-Bridge)C185μm;3.0×15mm)を使用して解析した;A=10mM NHOAc、B=ACN;λ=488 nm、1%B〜50%Bを10分間、80%Bによる洗浄を15分実行;C343313S;分子量=751.72g/mol;橙色固体(R=7.2分);ESI−MS=752 (M+H); 774 (M+Na); 750 (M−H)
【0081】
実施例D。ユニバーサルPSMA(DUPA)樹脂、16原子スペーサーおよびFITCを使用する、PC01SK64について図示されるPSMA造影剤結合体の一般的合成。
【化11】

【0082】
ユニバーサルPSMA樹脂は、標準的なFmoc SPPSを使用して、Fmoc−Glu−(OtBu)−OHおよびFmoc−EAOA(8−アミノオクトン酸(aminooctonoic acid))とカップリングした。DMF中のDIPEA(4当量)の存在下におけるフルオロイソチオシアナート(1.25当量)との結合体化後に、PC01SK64(16原子スペーサー)化合物は、TFA/TIPS/H2Oを使用して樹脂から切断した。精製は、逆相分取HPLC(ウォーターズ社、xテラC18 5μm;19×150mm)を使用して実行し、A=10mM NH4OAc、B=ACN;λ=488nm;溶媒勾配:1%B〜50%Bを25分間、80%Bによる洗浄を40分実行、(57%)。PC01SK64は、逆相分析HPLC(ウォーターズ社、X−ブリッジC18 5μm;3.0×150mm)を使用して解析した;A=10mM NH4OAc、B=ACN;λ=488nm、1%B〜50%Bを10分間、80%Bによる洗浄を15分実行;C47H55N7O17S;分子量=1022.04g/mol;橙色固体(Rt=7.8分);ESI−MS=1022 (M+H)+; 1020 (M−H)−。
【0083】
実施例E〜F。以下の化合物は本明細書において記述される合成プロセスを使用して調製した。
【化12】

【0084】
PC01SK63(7原子スペーサー、C394017、分子量:864.76)は、ユニバーサルPSMA樹脂、およびFmoc−Glu−(OtBu)−OHにより結合体化する標準的なFmoc SPPSを使用して調製した。FITCによるカップリング後に、化合物は、TFA/TIPS/HOカクテルを使用して樹脂から切断し、逆相分取HPLC(ウォーターズ社、xテラC185μm;19×150mm)により精製し、A=10mM NHOAc、B=ACN;λ=488nm;溶媒勾配:1%B〜50%Bを25分間、80%Bによる洗浄を40分実行、(65%);逆相分析HPLC(ウォーターズ社、X−ブリッジC185μm;3.0×150mm)を使用して解析し;A=10mM NHOAc、B=ACN;λ=488nm、1%B〜50%Bを10分間、80%Bによる洗浄を15分実行;PC01SK63:C394016S;分子量=880.83g/mol;橙色固体(R=6.8分);ESI−MS=881 (M+H); 903(M+Na)+;863(M−H)−。
【化13】

【0085】
PC01SK58(24原子スペーサー、C496220S、分子量:1087.11)を、ユニバーサルPSMA樹脂、およびFmoc−(PEG)−OHにより結合体化する標準的なFmoc SPPSを使用して調製し、25分間で1%B〜60%BのHPLCによって精製し、80%Bによる洗浄を40分実行、(65%);逆相分析HPLC(ウォーターズ社、X−ブリッジC185μm;3.0×150mm)を使用して解析し;A=10mM NHOAc、B=ACN;λ=488nm、1%B〜60%Bを10分間、80%Bによる洗浄を15分実行;C496020S;分子量=1087.11g/mol;橙色固体(R=7.3分);ESI−MS=1087 (M+H); 1109 (M+Na)+; 1085(M−H)
【0086】
実施例G。ワングPSMA(DUPA)樹脂、24原子スペーサーおよびオレゴングリーン488を使用する、PC01SK56について図示されるCys−マレイミドPSMA造影剤結合体の一般的合成(式中、n=3)。
【化14】

【0087】
nが4〜約30の整数である関連した類縁体もまた、本明細書において記述されるプロセスに従って調製できる。
【0088】
PC01SK54を、Fmoc−Cys(Trt)−ワング樹脂(ノバビオケム社;カタログ番号04−12−2050)からスタートする標準的なFmoc SPPSを使用して調製し、逆相分取HPLC(ウォーターズ社、xテラC1810μm19×250mm)を使用して精製し、A=0.1TFA;B=ACN;λ=257nm;溶媒勾配:1%B〜60%Bを25分間、80%Bによる洗浄を40分実行、(63%)、逆相分析HPLC(ウォーターズ社、X−ブリッジC185μm;3.0×50mm)を使用して解析し;A=10mM NHOAc、B=ACN;λ=257nm、1%B〜50%Bを10分間、80%Bによる洗浄を15分実行;C385918S、分子量=905.96g/mol;無色固体;R=9.2分、LC−MS=906.3g/mol;ESI−MS=906 (M+H); 904 (M−H)
【0089】
PC01SK56(24原子スペーサー)。HPLCグレードのミリ−Q水および飽和NaHCOをアルゴンにより10分間パージした。PC01SK54は、アルゴンをバブリングさせながら、1.0mLのアルゴンでパージした水中に溶解した。溶液のpHを6.8まで増加させ、1.0mLのTHF中に溶解したオレゴングリーン488マレイミドを反応混合物に追加した。反応は、分析HPLC(10mM NHOAc(pH=7.0);10分間で1%B〜50%B、80%Bによる洗浄を15分実行)によってモニタリングし、反応は10分以内に完了した。THFを蒸発させ、反応混合物は5.0mLの7mMリン酸緩衝液により希釈した。精製は、逆相分取HPLC(ウォーターズ社、xテラC1810μm;19×250mm)を使用して実行し、A=7mMリン酸緩衝液(pH=7.2)、B=ACN;λ=488nm;溶媒勾配:1%B〜50%Bを25分間、80%Bによる洗浄を40分実行、(89%);逆相分析HPLC(ウォーターズ社、X−ブリッジC185μm;3.0×150mm)を使用して解析され;A=10mM NHOAc、B=ACN;λ=488nm、1%B〜50%Bを10分間、80%Bによる洗浄を15分実行;C627025S;分子量=1369.31g/mol;橙色固体(R=7.0分);LC−MS=1370.2; ESI−MS=I 391 (M+Na)
【0090】
以下の24原子スペーサー化合物は、本明細書において記述される一般的な合成を使用して、本明細書において記述される化合物に類似する様式で調製した。
【0091】
実施例H。以下のアレクサフルオル488結合体化合物は、PC01SK55でスタートし、本明細書において記述されるプロセスに従って調製した(式中、n=3)。
【化15】

nが4〜約30の整数である関連した類縁体もまた、本明細書において記述されるプロセスに従って調製できる。
【0092】
実施例I〜K。以下のDUPA造影剤結合体化合物(PC01SK51、PC01SK45およびPC0SK49)を、本明細書において記述されるプロセスに従って調製した(式中、nは5である)。
【化16】

PC01SK51(24原子スペーサーおよびアレクサフルオル647、分子量−2300(インビトロゲン社から市販で入手可能))
nが0〜約12の整数である関連した類縁体もまた、本明細書において記述されるプロセスに従って調製できる。
【化17】

PC01SK45(24原子スペーサーボディピー505、C67H87BF2N13O20S、分子量:1475.35)
nが0〜約12の整数である関連した類縁体もまた、本明細書において記述されるプロセスに従って調製できる。
【化18】

(24原子スペーサー−オレゴングリーン488、C71H76F2N10O24、分子量:1523.48)
nが0〜約12の整数である関連した類縁体もまた、本明細書において記述されたプロセスに従って調製できる。
【0093】
リンカーの合成。前述の実施例の各々において、Fmoc−Cys(Trt)−ワング樹脂(ノバビオケム社;カタログ番号04−12−2050)からスタートする標準的なFmoc SPPSを使用して、リンカーを合成した;C476517S;分子量=1060.13g/mol;白色固形物;R=7.7分;H NMR (DMSO−d/DO) δ0.93 (m, 2H); 1.08 (m, 5H); 1.27 (m, 5H); 1.69 (m, 2H); 1.90 (m, 2H); 1.94 (m, 2H); 2.10 (m, 2H); 2.24 (q, 2H); 2.62 (m, 2H); 2.78 (m, 4H); 2.88 (dd, 1H); 2.96 (t, 2H); 3.01 (dd, 1H); 3.31 (dd, 1H); 3.62 (dd, 1H); 3.80 (q, 1H, αH ); 4.07 (m, 1H, αH); 4.37 (m, 1H, αH); 4.42 (m, 2H, αH); 4.66 (m, 1H, αH); 7.18 (m, 10H, Ar−H): LC−MS=1061 (M+H); ESI−MS=1061 (M+H)
【0094】
PC01SK51(アレクサフルオル647結合体)、PC01SK45(ボディピー結合体)およびPC01SK49(オレゴングリーン488結合体)の合成。HPLCグレードのミリ−Q水および飽和NaHCOを10分間アルゴンでパージした。リンカーは、アルゴンをバブリングさせながらアルゴンパージした1.0mL中のものに溶解した。溶液のpHを6.8まで増加させ、1.0mLのテトラヒドロフラン(THF)中に溶解した、アレクサフルオルマレイミド、ボディピーマレイミドまたはオレゴングリーン488マレイミドをそれぞれ、反応混合物に追加した。反応の進行を、分析HPLC(10mM NHOAc(pH=7.0);10分間で1%B〜50%B、80%Bによる洗浄を15分実行)によってモニタリングし、反応は10分以内に完了した。THFを蒸発させ、反応混合物を5.0mLの1mMリン酸緩衝液(pH=7.2)で希釈した。
【0095】
化合物は、逆相分取HPLC(ウォーターズ社、xテラC185μm;18×150mm)を使用して精製し、A=1mMリン酸緩衝液pH=7.2、B=ACN;λ=647または488nm;溶媒勾配:1%B〜50%Bを25分間、80%Bによる洗浄を40分実行;逆相分析HPLC(ウォーターズ社、X−ブリッジC185μm;3.0×50mm)を使用して解析した;A=10mM NHOAc、B=ACN;λ=588または488nm、1%B〜50%Bを10分間、80%Bによる洗浄を15分実行。
【0096】
PC01SK51:分子量〜2360.13g/mol;青色固体(R=6.7分);(アレクサフルオル647の構造は公知でない);
PC01SK45:C6787BF1320S;分子量=1475.35g/mol;橙色固体(R=7.6分);LC−MS=1475.3 (M+H)
PC01SK49:C71761024S;分子量=1523.48g/mol;橙色固体(R=6.7分);LC−MS=I 524 (M+H)
【0097】
実施例L。PC01SK68について図示される結合体化のためのPSMAジスルフィドリンカー中間体の一般的合成。
【化19】

【0098】
PC01SK68は、Fmoc−Cys(Trt)−ワング樹脂(ノバビオケム社;カタログ番号04−12−2050)からスタートする標準的なFmoc SPPSを使用して合成し、逆相分取HPLC(ウォーターズ社、xテラC1810μm;19×250mm)を使用して精製し、A=0.1TFA、B=ACN;λ=257nm;溶媒勾配:1%B〜50%Bを30分間、80%Bによる洗浄を40分実行、(68%);逆相分析HPLC(ウォーターズ社、X−ブリッジC185μm;3.0×15mm)を使用して解析した;A=0.1TFA、B=ACN;λ=257nm、1%B〜50%Bを10分間、80%Bによる洗浄を15分実行。C324217S;分子量=814.77g/mol;白色固形物;R=8.2分;H NMR (DMOS−d/DO) δ 1.70 (m, 3H); 1.90 (m, 3H); 2.10 (m, 2H); 2.17 (m, 2H); 2.23 (m, 2H); 2.36 (m, 1H); 2.59 (dd, 1H); 2.79 (m, 3H); 3.04 (dd, 1H); 4.07 (m, 2H, αH); 4.13 (m, 1H, αH); 4.37 [m, 1H, α−H]; 4.47 (m, 2H, α−H); 7.19 (m, 5H, Ar−H); 7.87 (d , Ures−NH); 8.20 (d, 1H, 尿素−NH); LC−MS=815.3 (M+H)
【0099】
実施例M。PC01SK28Lについて図示される結合体化のためのPSMAジスルフィドリンカー中間体の一般的合成。
【化20】

【0100】
PC01SK28は、Fmoc−Cys(Trt)−ワング樹脂(ノバビオケム社;カタログ番号04−12−2050)からスタートする標準的なFmoc−SPPSを使用して合成し;逆相分取HPLC(ウォーターズ社、xテラC1810μm;19×250mm)を使用して精製し、A=0.1TFA、B=ACN;λ=257nm;溶媒勾配:5%B〜80%Bを25分間、80%Bによる洗浄を30分実行、(61%);逆相分析HPLC(ウォーターズ社、X−ブリッジC185μm;3.0×15mm)を使用して解析した;A=0.1TFA、B=ACN;λ=257nm、5%B〜80%Bを10分間、80%Bによる洗浄を15分実行。PC01SK28L:C476517S;分子量=1060.13g/mol;白色固形物;R=7.7分; H NMR (DMSO−d/DO) δ 0.93 (m, 2H); 1.08 (m, 5H); 1.27 (m, 5H); 1.69 (m, 2H); 1.90 (m, 2H); 1.94 (m, 2H); 2.10 (m, 2H); 2.24 (q, 2H); 2.62 (m, 2H); 2.78 (m, 4H); 2.88 (dd, 1H); 2.96 (t, 2H); 3.01 (dd, 1H); 3.31 (dd, 1H); 3.62 (dd, 1H); 3.80 (q, 1H, αH ); 4.07 (m, 1H, αH); 4.37 (m, 1H, αH); 4.42 (m, 2H, αH); 4.66 (m, 1H, αH); 7.18 (m, 10H, Ar−H): LC−MS=1061 (M+H); ESI−MS=1061 (M+H)
【0101】
前述の例示的な実施形態は本発明の例証となるように意図されているのであって、いかなる方法でも本明細書において記述される本発明を限定するように説明または解釈されるべきでない。
【0102】
(実施例19)
<蛍光励起細胞分取装置(FACS)を使用する蛍光団依存解析>
LNCaP細胞をT75フラスコ中に播種し、37℃、5%−CO雰囲気中で、グルタミン含有RPMI(2mM、ギブコ社RPMI培地1640、カタログ番号22400)プラス10%FBS(ウシ胎仔血清)、1%ピルビン酸ナトリウム(100mM)および1%PS(ペニシリン・ストレプトマイシン)中で接着単層に48時間増殖させた。細胞をトリプジナイス(trypzinysed)し、等量の細胞(50,000細胞/チューブ)を7本の遠心分離チューブへ移した。
チューブ番号 基質
1 基質なし;1.0mLの培地=>陰性対照(図9a)
2 1.0mLの培地中の1μMのPC01SK59(図9b)
3 1.0mLの培地中の1μMのPC01SK58(図10b)
4 1.0mLの培地中の1μMのPC01SK51(図11b)
5 1.0mLの培地中の1μMのPC01SK56(図12b)
6 1.0mLの培地中の1μMのPC01SK45(図13b)
7 1.0mLの培地中の1μMのPC01SK49(図14b)
【0103】
サンプルは37℃で45分間、5%−CO雰囲気中でインキュベートした。細胞は、1.0mLのRPMI培地により2回およびトリス緩衝液により1回洗い流した。1mLのトリス緩衝液を各チューブに追加し、個々のFACSバイアルへ移した。データーはフローサイトメーターを使用して、各サンプルについて得た。
【0104】
(実施例20)
<共焦点顕微鏡を使用する蛍光標識解析>
LNCaP細胞を6ウェルのファルコン(Falcon)社プレート中に播種し、37℃、5%CO雰囲気中で、グルタミン含有RPMI(2mM)(ギブコ社RPMI培地1640、カタログ番号22400)プラス10%のFBS(ウシ胎仔血清)、1%ピルビン酸ナトリウム(100mM)および1%PS(ペニシリン・ストレプトマイシン)中で接着単層に48時間増殖させた。3つのウェル中の細胞を、PC01SK58(1μM;図15(a)、(i))またはPC01SK49(1μM;図15(b)、(i))またはPC01SK51(1μM;図15(c)、(i))と共に、37℃で1時間、5%CO雰囲気中でインキュベートした。他の3つのウェル中の細胞を37℃で30分間、5%のCO雰囲気中でPMPA(競合)と共にインキュベートし、次に5%CO雰囲気中でPC01SK58(1μM;図15(a)、(iii))またはPC01SK49(1μM;図15(b)、(iii))またはPC01SK51(1μM;図15(c)、(iii))と共に37℃で1時間インキュベートした。細胞を1.0mLのRPMIにより3回洗い流し、次に2mLのRPMI培地を各ウェルに追加した。共焦点顕微鏡写真を各ウェルについて撮り、蛍光標識および競合(PSMAに対するリガンドの結合特異性)を示した。
【0105】
(実施例21)
<FACSを使用する血液スパイキング解析>
LNCaP細胞をT75フラスコ中に播種し、37℃、5%CO雰囲気中で、グルタミン含有RPMI(2mM)(ギブコ社RPMI培地1640、カタログ番号22400)プラス10%FBS(ウシ胎仔血清)、1%ピルビン酸ナトリウム(100mM)および1%PS(ペニシリン・ストレプトマイシン)で、48時間接着単層に増殖させた。細胞をトリプシン処理し、2×10細胞を遠心分離チューブへ移した。LNCaP細胞を37℃、5%−CO雰囲気中でDID(1μM)と共に20分間インキュベートした。DID標識LNCaP細胞を遠心分離チューブ中の健康なドナー血液サンプル(4.0mL)へ移した。ロゼットセップ手順は、血液(4.0mL)中のDID標識LNCaP細胞、およびさらに別個の遠心分離チューブ中のLNCaP細胞を含まない血液サンプル(1.0mL)に従った。
【0106】
簡潔には、血液サンプル、PBS+2%FBS、フィコールパックおよび遠心分離機を、室温で保った。ロゼットセップヒト循環上皮性腫瘍細胞濃縮カクテルを、50μL/mL全血の割合で添加(例えば、100μLのカクテルを2mLの全血に添加)し、十分に混合した。サンプルを20分間室温でインキュベートした。サンプルを等容量のPBS+2%FBSにより希釈し、穏やかに混合した。希釈サンプルを、フィコール−パック(3mL)の上に重層した。サンプルは、ブレーキをオフにして室温で1200×gで20分間遠心分離した。濃縮細胞をフィコール−パック(血漿境界面)から取り出し、LNCaP細胞を含まない血液サンプルから血漿境界面を取り出した。ある場合において、特に非常にまれな細胞が濃縮されるときには、境界面での細胞の可視化は困難かもしれないことが理解される。それらの場合において、いくらかのフィコール−パックは、細胞の完全な回収を保証するために、濃縮細胞と共に取り出してもよい。
【0107】
濃縮細胞をPBS+2%FBSにより2回および塩化アンモニウムにより1回洗浄し、赤血球を除去した。等量の濃縮細胞(DID標識LNCaP細胞)を、1.0mLのRPMI培地を含む4本の遠心分離チューブ(〜50,000細胞/チューブ)(チューブ番号2〜5)に移し、LNCaP細胞を含まない血液サンプルから等容量の血漿境界面を、1.0mLのRPMI培地のもう1本の遠心分離チューブ(チューブ番号1)に移した。
サンプル番号(チューブ番号) 追加した基質
1(血漿境界面) 1μMのPC01SK64=>図16(a)(i)
2(血漿境界面におけるDID標識LNCaP細胞)
1μMのPC01SK59=>図16(a)(ii)
3(血漿境界面におけるDID標識LNCaP細胞)
1μMのPC01SK63=>図16(b)(ii)
4(血漿境界面におけるDID標識LNCaP細胞)
1μMのPC01SK64=>図16(c)(ii)
5(血漿境界面におけるDID標識LNCaP細胞)
1μMのPC01SK58=>図16(d)(ii)
【0108】
100μLの基質(10μMストック溶液から)を上で示されるような各遠心分離チューブに追加し、サンプルを37℃で45分間、5%CO雰囲気でインキュベートした。サンプルをRPMI培地により2回、トリス緩衝液により1回洗浄し、フローサイトメトリー分析を行なった。
【0109】
DIDで標識された%・対・FITCで標識された%のドットプロットを、PSMAに対する各化合物の結合親和性を決定するために使用した。%蛍光・対・スペーサー長のプロットから(図17)、PC01SK64は4つの化合物のPSMAについて最良の結合親和性を有していた。
【0110】
(実施例22)
<FACS分析を使用する前立腺癌患者血液サンプル中の循環腫瘍細胞(CTC)の検出>
サンプル:
1)5人の健康なドナーの血液サンプル(6.0〜8.0mL/ドナー)。データーを3人のドナーについて示す(図18(a))。
2)メイヨークリニック(Mayo clinic)(ロチェスター、ミネソタ)から受け入れた5人の前立腺癌患者の血液サンプル(6.0〜8.0mL/ドナー)。3人の患者(図18(b)、(II)、(III)および(IV))について、データーを示す。
【0111】
各血液サンプルを3本の遠心分離チューブ(2.0mL/チューブ)へと分割し、ロゼットセップ手順を各サンプルについて個別に行なった。簡潔には、血液サンプル、PBS+2%FBS、フィコールパックおよび遠心分離機を室温で保った。ロゼットセップヒト循環上皮性腫瘍細胞濃縮カクテルを、50μL/mL全血の割合で添加(例えば、100μLのカクテルを2mLの全血に添加)し、十分に混合した。サンプルを室温で20分間インキュベートした。等容量のPBS+2%FBSによりサンプルを希釈し、穏やかに混合した。希釈サンプルを、フィコール−パック(3mL)の上に重層した。サンプルは、ブレーキをオフにして室温で1200×gで20分間遠心分離した。血漿境界面を各サンプルのフィコール−パックから取り出した。
【0112】
血漿境界面を、PBS+2%FBSにより2回および塩化アンモニウムにより1回洗浄し、赤血球を除去した。1mLの培地を各遠心分離チューブに追加し、200μLのCD45−アレクサフルオル647(1μM、抗体)を各サンプルに追加した。100μLのPC01SK64(10μMストック溶液から)を各サンプルに追加し、37℃で45分間、5%−CO雰囲気で、インキュベートした。FACS分析を実行する前に、細胞をRPMI培地により2回およびトリス緩衝液により1回洗浄した。
【0113】
CD45−アレクサフルオル647標識細胞・対・FITC標識された細胞のドットプロットを、血液サンプル中のCTCの数を計算するために使用した(図18(a)、(I);領域2またはゲート2)。癌コール(call)の大きさおよび粒度に起因して、それらはR2領域(ゲート)に出現する。CTC被験者識別番号のグラフを、前立腺癌患者の血液中の循環腫瘍細胞の数を決定するために使用した。
【0114】
(実施例23)
<フォレート−システインの合成>
標準的なFmocペプチド化学を、葉酸のγ−COOHに結合されたシステインによりフォレート−システインを合成するために使用した。塩基としてのジイソプロピエチルアミン、およびFmoc基の脱保護のためのジメチルホルムアミド(DMF)中の20%のピペリジンと共に、活性化剤としてのHBTUおよびN−ヒドロキシベンゾトリアゾールによるFmoc化学によって、配列Cys−Glu−プテロイン酸(フォレート−Cys)を構築した。α−t−Boc保護N−α−Fmoc−L−グルタミン酸を、2−クロロトリチル樹脂に結合されたトリチル保護Cysに結合した。次に、N10−トリフルオロアセチルプテロイル酸をGluのγ−COOHに結合した。フォレート−Cysを、92.5%トリフルオロ酢酸−2.5%水−2.5%トリイソプロピルシラン−2.5%エタンジチオ溶液を使用して、樹脂から切断した。ジエチルエーテルを使用して生成物を沈殿させ、沈殿物を遠心分離によって回収した。生成物をジエチルエーテルにより2回洗浄し、真空下で一晩乾燥した。N10−トリフルオルアセチル保護基を除去するために、生成物を10%水酸化アンモニウム溶液で溶解し、室温で30分間撹拌した。システインのジスルフィド形成を阻害するために、溶液を窒素気流下で全ての時間保った。30分後に、化合物が沈殿するまで、塩酸を溶液に追加した。生成物を遠心分離によって回収し、凍結乾燥した。生成物を質量分光分析によって解析および確認した(分子量544、M+545)。
【化21】

【0115】
(実施例24)
<フォレート−Cys−アレクサフルオル488の合成>
アレクサフルオル488 C5マレイミド(モレキュラー・プローブ社、ユージーン、オレゴン)をジメチルスルホキシド(DMSO)中に溶解した(50μlのDMSO中に0.5mg)。1.5モル当量(0.57mg)のフォレート−Cysを溶液に追加し、室温で4時間混合した。フォレート−Cys−アレクサフルオル488(フォレート−アレクサフルオル)を、1ml/分の流速でC18カラムの逆相HPLCによって精製した。10mMのNH4HCO3緩衝液(pH7.0)(溶出液A)およびアセトニトリル(溶出液B)からなる移動相を、最初の1分間はA:Bが99:1の比率で維持し、次に次の29分にわたり直線的勾配でA:Bを1:99まで変化させた。フォレート−Cys−アレクサフルオル488は20分で溶出された。生成物を質量分析法によって確認し、生物学的活性を、培養におけるフォレート受容体陽性のM109細胞上の細胞表面のフォレート受容体に対するその結合の蛍光測定によって確認した。
【化22】

【0116】
(実施例25)
<フォレート結合体の固相合成>
フォレートの前駆体(N10−TFA−プテロイン酸)を標準手順に従って合成した。反応前にFmoc−Lys(Mtt)−ワング樹脂を窒素バブリングと共に20分間DMF中で浸漬した。20%ピペリジンを追加し、Fmoc保護基を切断した。4当量のDIPEAに加えて、DMF中で溶解した2.5当量のFmoc−Glu−OtBu、HOBTおよびHBTUも、反応漏斗へ追加した。室温での2時間の窒素バブリング後に、Fmoc切断工程を20%ピペリジンにより繰り返した。次に、4当量のDIPEAに加えて、1:1のDMF/DMSO(ジメチルホルムアミド/ジメチルスルホキシド)中に溶解した1.5当量のN10−TFA−プテロイン酸ならびに2.5当量のHOBTおよびHBTUも、窒素によるバブリングと共に反応へ4時間かけて追加した。次に生成物を、DMF、DCM(ジクロロメタン)、メタノールおよびイソプロピルアルコールにより完全に洗浄し、窒素下で乾燥した。1%TFA/DCM(トリフルオロ酢酸/ジクロロメタン)を使用してMtt(Mtt=4−メチル−トリチル)基を切断した。2.5当量のRd−ITC(DMF中に溶解)および4当量のDIPEAを樹脂へ追加し、反応は減光条件下で室温で一晩行なった。結合体の切断をTFA:TIPS:HO(95:2.5:2.5)によって行なった。粗製生成物を冷エーテルによる沈殿によって回収した。粗製生成物を一晩凍結乾燥した。2日目に、窒素バブリングと共に10%水酸化アンモニウム(pH=10)を45分間使用して、粗製生成物を加水分解した。生成物を凍結乾燥によって回収した。分取HPLC(リゲル)を使用して、精製を実行した。
【0117】
(実施例26)
<フォレートオレゴングリーン488の合成>
【化23】

10TFA−プテロイン酸を以下のように合成した。ユニバーサルフォレート樹脂は、ユニバーサルノバタッグ(NovaTag)(商標)樹脂(ノバビオケム社;カタログ番号04−12−3910)を使用して合成した。DCM(ジクロロメタン)中で1時間、および次にDMF(N,N−ジメチルホルムアミド)により30分間樹脂を膨潤した後に、Fmoc(フルオレンルメチルオキシカルボニル(Fluorenlmethyloxycarbonyl))保護基の脱保護を、DMF中の20%ピペリジンの溶液を使用することによって行なった。次に、Fmoc−Glu−OtBu(3倍モル過剰)を、DMF中のHATU[2−(1H−7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート](3倍モル過剰)およびDIPEA(N,N−ジイソプロピルエチルアミン)(10倍モル過剰)を使用して、脱保護二級アミンへカップリングした。この樹脂の完全な洗浄後に、上述されるようにGlu上のFmocを除去し、N10−TFAプテロイン酸を、標準的なFmoc固相ペプチド合成(SPPS)手順を使用してカップリングした。次に、ペンダントMmt(4−メトキシトリチル)を、DCM/TFE(トリフルオロエタノール)中の1M HOBT(1−ヒロキシベンゾトリアゾール(Hyroxybenzotriazole))により除去した。この時点で樹脂をDMFにより洗浄し、さらなる合成のために直ちに使用するか、またはDCM、DMFおよびMeOH(メタノール)により連続して洗浄し、後の使用のために乾燥できる。脱保護アミン反応性ユニバーサルフォレート樹脂へ、1.5倍モル過剰のオレゴングリーン488カルボン酸スクシンイミジルエステル6異性体(0−6149)および3倍モル過剰のDIPEAを室温で12時間反応させた。次にDMF、DCMおよびメタノールにより樹脂を完全に洗い流し、2時間乾燥した。次にフォレート−オレゴングリーン488を、95%トリフルオロ酢酸−2.5%水−2.5%トリイソプロピルシラン溶液により樹脂から切断した。ジエチルエーテルを使用して生成物を沈殿させ、沈殿物を遠心分離によって回収した。生成物をジエチルエーテルにより2回洗浄し、真空下で一晩乾燥した。N10−トリフルオルアセチル保護基を除去するために、生成物を10%水酸化アンモニウム溶液中に溶解し、室温で30分間撹拌した。生成物をイソプロパノールおよびエーテルの組み合わせにより沈殿し、沈殿物を遠心分離によって回収した。1ml/分の流速でC18カラムの逆相HPLCによって、生成物を精製した。10mMのNHHCO緩衝液(pH7.0)(溶出液A)およびアセトニトリル(溶出液B)からなる移動相を、最初の1分間はA:Bが99:1の比率で維持し、次に次の29分にわたり直線的勾配でA:Bを1:99まで変化させた。生成物をMSおよびNMRによって確認した。
【0118】
(実施例27)
<フォレートダイライト680の合成>
【化24】

ダイライト680マレイミド(ピアース(Pierce)社)をジメチルスルホキシド(DMSO)中に溶解した(100μLのDMSO中で1mg)。3倍モル過剰のフォレート−Asp−Arg−Asp−Asp−Cys(Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters、16巻、20号、2006年10月15日、5350〜5355ページに以前に記述されるように合成した)を、溶液へ追加し、室温で4時間混合した。フォレート−ダイライト680を1ml/分の流速でC18カラムの逆相HPLCによって精製した。10mMのNHHCO緩衝液(pH7.0)(溶出液A)およびアセトニトリル(溶出液B)からなる移動相を、最初の1分間はA:Bが99:1の比率で維持し、次に次の29分にわたり直線的勾配でA:Bが1:99まで変化させた。生成物をMSおよびNMRによって確認した((C8310319302−、正確な質量:1973.60;分子量:1975.08;C、50.47;H、5.26;N、13.47;O、24.30;S、6.49)。
【0119】
(実施例28)
<ローダミンPEG結合体の合成>
【化25】

a)ピペリジン、DMF;b)Fmoc−Glu−OtBu(1)、HOBt、HBTU、DIPEA、DMF;c)プテロイン酸(2)、HOBt、HBTU、DIPEA、DMF;d)1%TFA、CHCl;e)Fmoc−Lys(Mtt)−OH(3)、HOBT、HBTU、DIPEA、DMF;f)S−トリチル−3−メルカプトプロピオン酸(4)、HOBT、HBTU、DIPEA、DMF;g)ローダミン−ITC(5)、DIPEA;h)94.5%TFA、2.5%HO、2.5%EDT;1%TIS;i)NHOH。
【0120】
前述のスキームにおいて、Rは下記を表わす。
【化26】

【0121】
<PEGアンカーとしてのフォレート−ローダミン−SHの合成>
標準的なFmocペプチド化学を使用して、葉酸のγ−COOH末端に結合された2つのリジンからなるスペーサー経由でローダミンB−イソチオシアネートへ結合したフォレートを合成した。配列Lys−Lys−(γ)Glu−プテロイン酸を、塩基としてのジイソプロピエチルアミン(DIPEA)と共に、活性化剤としてHBTUおよびHOBT(ノバビオケム社、サンディエゴ、カリフォルニア)によるFmoc化学によって構築した。Fmoc基をジメチルホルムアミド(DMF)中の20%ピペリジンにより脱保護した。ε−アミン上に4−メチルトリチル保護基を含むα−Fmoc保護リジンをロードしたワング樹脂を、フォレートについてのアンカーとして使用した。N10−トリフルオロアセチルプテロイル酸(シグマ社、セントルイス、ミズーリ)をグルタミン酸アミンへ結合した後に、Fmoc−Glu−OtBuをリジンのα−アミンへ結合し、フォレートのγ結合結合体を形成した。リジンのε−アミン上にメトキシトリチル(Mtt)保護基をジクロロメタン中の1%トリフルオロ酢酸により除去し、第2のFmoc−Lys(Mtt)−OHを結合させた。第2のリジンのMtt保護基の除去後に、S−トリチル保護3−メカプトプロピオン酸(mecaptopropionic acid)を、カップリング試薬(HOBTおよびHBTU)を使用して、上述されるように、第2のリジンのα−アミンへカップリングした。最後に、第2のリジンのMtt保護基を除去し、DIPEAの存在下においてペプチドと共にDMF中に溶解したローダミンBイソチオシアネート(シグマ社、セントルイス、ミズーリ)を一晩反応させ、次にペプチド樹脂ビーズから完全に洗浄した。樹脂をジクロロメタンおよびメタノールにより数回洗浄し、数時間N下で放置して乾燥させた。次にフォレート−Lys−Lys−メルカプトプロピオン酸−ローダミンペプチドを、95%TFA/2.5HO/2.5%TIS/2.5%EDT溶液により3〜4時間かけて樹脂から切断した。氷冷ジエチルエーテルを使用して生成物を沈殿させ、沈殿物を遠心分離によって回収した。次に生成物をジエチルエーテルにより3回洗浄し、真空下で乾燥した。フォレート部分からN10−トリフルオルアセチル保護基を除去するために、生成物を10%水酸化アンモニウム溶液中で溶解し、アルゴン下で室温で30分間撹拌してジスルフィド結合の形成を阻害した。次に乾燥するまで生成物を凍結乾燥し、アルゴン下で保存した。生成物を質量分光分析によって確認した([M−]計算されたもの、1286.5;見出されたもの、1285.08)。
【0122】
<フォレート−PEG(5k)−ローダミン、フォレート−PEG(20k)−ローダミンおよびフォレート−PEG(60k)−ローダミンの合成>
上述されるように合成されたフォレート−ローダミン−SHアンカーを使用して、マレイミド活性化PEG(5k)、PEG(20k)またはPEG(60k)(ネクター・セラピューティックス(Nektar Therapeutics)社、サンカルロス、カリフォルニア)と共に反応させた。PEG−MAL分子をPBS中で溶解し、5倍モル過剰のフォレート−ローダミン−SHを溶液へ追加し、窒素下で室温で一晩撹拌した。次に、未反応フォレート−ローダミンを、水中で平衡化した粗粒セファデックスG−50カラム(球状タンパク質についての分画範囲:1,500〜30,000、シグマ社、セントルイス、ミズーリ)を使用、およびサンプルを流すために重力を使用して、ゲル濾過クロマトグラフィーによってフォレート−PEG−ローダミン結合体から分離した。フォレート−PEG−ローダミンのピークを回収し、凍結乾燥し、動物研究のためにリン酸緩衝生理食塩水(PBS)中で再懸濁した。
【0123】
<フォレート−PEG−ローダミン結合体の分子量の特性評価>
フォレート−PEG−ローダミン結合体の見かけの分子量を明らかにするために、それらのV/V比率を、既知の分子量のタンパク質スタンダードのV/Vと比較した(Vは溶出量であり、Vはボイド容量である)。カラムは、5ml/分の流速で室温のリン酸緩衝生理食塩水(PBS(pH7.4))中で流した。カラムのボイド容量(V)を、サンプル適用の時点から流出ピークの中央までに回収される流出物の容量の測定によって、610nmでのブルーデキストラン(分子量、およそ2,000,000、シグマ社、セントルイス、ミズーリ)についての溶出量で、分光測光的に決定した。個々のタンパク質スタンダードをPBS中に溶解し、280nmでの吸光度読み取りはそれらの溶出時間に従った。タンパク質スタンダードの溶出量(V)を、サンプル適用の時点から流出ピークの中央までに回収される流出物の容量の測定によって決定した。フォレート−PEG−ローダミン結合体のVを決定するために、サンプルをカラム上に適用し、ブルーデキストランおよびタンパク質スタンダードについて使用されるのと同一の流速で流した。フォレート−PEG−ローダミン結合体のVを、スタンダードへ適用されものと同一の方法を使用して決定された。タンパク質スタンダードの既知の分子量の対数・対・それぞれのV/V値のプロットにより、直線検量線を生成する。すべてのフォレート−PEG結合体の分離の目的のために、2つの異なるセファクリルHRカラムを使用した。24cm×1.0cmセファクリル100−HR(分子量範囲1000〜10,000Da)は、フォレート−PEG(5k)−ローダミン結合体を分離できたが、フォレート−PEG(20k)−ローダミン結合体およびフォレート−PEG(60k)−ローダミン結合体は分離できなかった。後者の2つの結合体は、22cm×1.0cmのセファクリル200−HR(分子量範囲5〜250kDa)上で分離された。セファクリル100−HR上で使用するタンパク質スタンダードは、ブラジキニンフラグメント2−9(MW〜904)、ウシ肺からのアプロチニン(MW6,511.44)、ウマ心臓からのミオグロビン(MW〜17,000)、ウシ赤血球からのカルボニックアンヒドラーゼ(MW〜29,000)、アルブミン(MW〜66,000)、アルドラーゼ(MW〜161,000)であった。セファクリル200−HR上で使用するタンパク質スタンダードは、ウマ心臓からのミオグロビン(MW〜17,000)、ウシ赤血球からのカルボニックアンヒドラーゼ(MW〜29,000)、アルブミン(MW〜66,000)、酵母からのアルコール脱水素酵素(MW〜150,000)、サツマイモからのβ−アミラーゼ(MW〜200,000)、ウマ脾臓からのアポフェリチン(MW〜443,000)、ウシチログロブリン(MW〜669,000)であった。
【0124】
<フォレート−PEG−ローダミン結合体についてのフォレート/ローダミン比率の特性評価>
すべてのフォレート−PEG−ローダミン結合体のローダミンに対するフォレートの比率を決定するために、最初に水中の葉酸およびローダミン−イソチオシアネートの吸光係数を、2つの異なる波長(280nmおよび560nm)のこれらの両方の波長で構築するスタンダード曲線によって決定した。これらのスタンダード曲線の勾配は、水中の葉酸およびローダミン−イソチオシアネートの吸光係数に相当する。次にフォレート−PEG−ローダミン結合体のサンプルを水中に溶解し、それらの280nmおよび560nmの吸光度を測定した。これらの波長でのフォレート−PEG−ローダミン結合体の吸光度は、葉酸(FA)の吸光度およびローダミン(Rhod)の両方についてであり、したがって:
280=A280(FA)+A280(Rhod)およびA560=A560(FA)+A560(Rhod)
【0125】
葉酸(FA)およびローダミン(Rhod)の吸光係数(スタンダード曲線によって決定される)の使用によって、各フォレート−PEG−ローダミン結合体サンプルにおける、フォレートおよびローダミンの濃度、ならびにしたがってそれらの比率は、以下の等式中のそれぞれの濃度について同時に解くことによって決定できる:
280=ε280(FA・1・c(FA)+ε280(Rhod)・1・c(Rhod)
560=B560(FA)・1・c(FA)+ε560(Rhod)・1・c(Rhod)
【0126】
(実施例29)
<フォレートCW800の合成>
他の部分で報告されるように、N10−TFAプテロイン酸を合成した。最初に、Fmoc−Lys(Mtt)−ワング樹脂を20分間DMF中で膨潤させた。樹脂のFmoc基の脱保護をDMF中の20%ピペリジンによって行なった。2.5当量のFmoc−(γ)Glu−OtBu、HOBT、HBTUおよび4当量のDIPEAを、反応に追加した。2時間後に、グルタミン酸のFmoc基を20%ピペリジンにより脱保護した。次に、2.5当量のN10−TFAプテロイン酸、HOBTおよびHBTUを3:1のDMF/DMSO中に溶解し、4当量のDIPEAを反応に追加し、4時間反応させた。生成物をDMF、DCMおよびメタノールにより洗浄した。1%TFA/DCMを使用してMtt保護基を切断した。結合体の切断をTFA:TIPS:HO(95:2.5:2.5)によって行なった。次に粗製生成物を冷エーテルにより沈殿させた。次に粗製生成物を20分間水酸化アンモニウム(pH=10)により加水分解した。フォレート−リジンをHPLCによって精製し、MSおよびNMRによって特性を評価した。フォレート−リジンおよびCW800スクシンイミジルエステル(1:1)を18時間暗中で0.1M炭酸緩衝液(pH9.0)中で撹拌した。フォレート−CW800結合体をHPLCによって精製し、MSおよびNMRによって特性を評価した。
【化27】

a)20%ピペリジン/DMF、b)Fmoc−GluOtBu(I)/HOBt/HBTU/DIPEA/DMFc)N10−tfa−プテロイルHOBt/HBTU/DlPEA/DMFd)1%TFA/DCMe)95%TFA/2.5%HO/2.5%TIPSf)10%NH CW800/DIPEA/DMSO
【0127】
(実施例30)
<フォレートアレクサフルオル647の合成>
【化28】

【0128】
最初に、H−Cys(Trt)−2−Cl Trt樹脂を20分間DMF中で膨潤した。樹脂のFmoc基の脱保護をDMF中の20%ピペリジンにより行なった。2.5当量のFmoc−(γ)Glu−OtBu、HOBT、HBTUおよび4当量のDIPEAを反応に追加した。2時間後にグルタミン酸のFmoc基を20%ピペリジンにより脱保護した。次に、2.5当量のN10−TFAプテロイン酸、HOBTおよびHBTUを3:1のDMF/DMSO中に溶解し、4当量のDIPEAを反応に追加し、4時間反応させた。生成物をDMF、DCMおよびメタノールにより洗浄した。結合体の切断をTFA:TIPS:HO(95:2.5:2.5)により行なった。次に粗製生成物を冷エーテルにより沈殿させた。粗製生成物を水酸化アンモニウム(pH=10)により20分間加水分解した。フォレート−システインをHPLCによって精製し、MSおよびNMRによって特性を評価した。フォレート−システインおよびアレクサフルオル647マレイミド(1:1)を18時間暗中でDMSO中でカップリングした。フォレート−アレクサフルオル647の結合体をHPLCによって精製し、MSおよびNMRによって特性を評価した。
【0129】
(実施例31)
<フォレート−EDA−ローダミンの合成>
【化29】

【0130】
(実施例32)
<フォレート−EDA−テトラメチルローダミン>
【化30】

フォレート−EDA−テトラメチルローダミンフォレート−EDA−テトラメチルローダミンを,実施例34について上述されたプロセスに従って調製した。
【0131】
(実施例33)
<フォレート−LYS−ローダミンの合成>
【化31】

a)ピペリジン、DMF;b)Fmoc−Glu−OtBu、HOBt、HBTU、DIPEA、DMF;c)プテロイン酸、HOBt、HBTU、DIPEA、DMF;d)1%TFA、DCM。
【0132】
(実施例34)
<フォレート−アレクサフルオル488の合成>
【化32】

【0133】
前述の実施例は本明細書において記述された化合物の単なる例証となることが理解されるべきであり、追加の化合物を、色素または蛍光剤を含む出発材料の適切な選択によって、本明細書において記述されるように調製してもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
病原性細胞によって仲介される病状を診断する方法であって、一般式
−X
(上式において、基Aは病原性細胞に結合するリガンドを含み、基Xは造影剤を含む)の結合体または複合体を含む組成物を、エクスビボ患者サンプルと混合する工程、および、フローサイトメトリーを使用して、リガンドに対する受容体を発現する病原性細胞を検出する工程を含む方法。
【請求項2】
前記病原性細胞が多光子フローサイトメトリーによって検出される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
がフォレート受容体結合リガンド、またはその類縁体もしくは誘導体を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記エクスビボ患者サンプルが患者の体液である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記体液が、髄液、リンパ液、尿、粘液および血液からなる群から選択される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記病原性細胞が癌細胞である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記癌細胞が転移性癌細胞である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
が前立腺特異的膜抗原に結合するリガンドを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
−Xが、フォレート−フルオレセイン、フォレート−オレゴングリーン、フォレート−ローダミン、フォレート−フィコエリトリン、フォレート−システイン−テキサスレッド、フォレート−アレクサフルオル(AlexaFluor)およびフォレート−ダイライト(DyLight)からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記造影剤が発色団を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記発色団が蛍光性発色団である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記発色団が、フルオレセイン、オレゴングリーン、ローダミン、フィコエリトリン、テキサスレッド、ダイライト680およびアレクサフルオル488からなる群から選択される化合物を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記エクスビボ患者サンプル中の前記病原性細胞を定量する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
エクスビボ患者サンプル中の癌細胞の検出によって、癌の予後を決定する方法であって、
フローサイトメトリーによってエクスビボ患者サンプル中の癌細胞を検出する工程、および
癌についての予後を決定する工程
を含む方法。
【請求項15】
前記癌細胞が多光子フローサイトメトリーによって検出される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記エクスビボ患者サンプルが体液である、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記体液が、髄液、リンパ液、粘液、尿および血液からなる群から選択される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記癌細胞が転移性癌細胞である、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記癌細胞がフォレート受容体を発現する、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
エクスビボ患者サンプル中の癌細胞を定量する工程をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項21】
病原性細胞を定量する方法であって、一般式
−X
(上式において、基Aは病原性細胞に結合するリガンドを含み、基Xは造影剤を含む)の結合体または複合体を含む組成物を、エクスビボ患者サンプルと混合する工程、および、フローサイトメトリーを使用して、エクスビボ患者サンプル中の前記病原性細胞を定量する工程を含む方法。
【請求項22】
前記病原性細胞が多光子フローサイトメトリーを使用して定量される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
がフォレート受容体結合リガンド、またはその類縁体もしくは誘導体を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記エクスビボ患者サンプルが体液である、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記体液が、髄液、リンパ液、尿、粘液および血液からなる群から選択される、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記病原性細胞が癌細胞である、請求項21に記載の方法。
【請求項27】
前記癌細胞が転移性癌細胞である、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
が前立腺特異的膜抗原に結合するリガンドを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
−Xが、フォレート−フルオレセイン、フォレート−オレゴングリーン、フォレート−ローダミン、フォレート−フィコエリトリン、フォレート−システイン−テキサスレッド、フォレート−ダイライトおよびフォレート−アレクサフルオルからなる群から選択される、請求項21に記載の方法。
【請求項30】
前記造影剤が発色団を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項31】
前記発色団が蛍光性発色団である、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記発色団がフルオレセイン、オレゴングリーン、ローダミン、フィコエリトリン、テキサスレッド、ダイライト680およびアレクサフルオル488からなる群から選択される化合物を含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
−Xが、少なくとも7原子のリンカーを有することを特徴とする、請求項8に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14A】
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【図14B】
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【図15A】
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【図15B】
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【図15C】
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【図16A】
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【図16B】
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【図16C】
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【図16D】
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【図17】
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【図18A】
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【図18B】
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【図19】
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【公表番号】特表2010−509570(P2010−509570A)
【公表日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−535333(P2009−535333)
【出願日】平成19年11月2日(2007.11.2)
【国際出願番号】PCT/US2007/023176
【国際公開番号】WO2008/057437
【国際公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【出願人】(598063203)パーデュー・リサーチ・ファウンデーション (59)
【氏名又は名称原語表記】PURDUE RESEARCH FOUNDATION
【Fターム(参考)】