説明

エスカレータ非常停止装置

【課題】エスカレータ非常停止装置において、緊急事態発生時の即時対応性及び操作性を向上できるとともに、いたずら防止効果を向上できるようにすることである。
【解決手段】非常停止装置34は、エスカレータの踏段左右両側の少なくとも片側に設けた欄干26下部のスカートガード31壁部に形成する、足先を挿入可能な足先挿入口44と、押し下げ動作スイッチ48と、コントローラとを備える。押し下げ動作スイッチ48は、スカートガード31壁部の裏側で、足先挿入口44よりも奥側に設けて、押し下げにより停止指示信号をコントローラへ出力する。コントローラは、押し下げ動作スイッチ48から停止指示信号が入力されることによりエスカレータの駆動を停止させる駆動停止部を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばエスカレータの利用者等のエスカレータ周辺にいる人が異常の発生を発見した場合等の緊急事態の発生時にその緊急事態の発見者により操作可能とし、操作によりエスカレータの駆動を停止させるエスカレータ非常停止装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、エスカレータの周囲には、緊急事態の発生時にエスカレータの駆動を停止させるための非常停止装置が設けられている。この非常停止装置として、従来から一般的に、非常停止ボタンが設けられている。非常停止ボタンは、例えばエスカレータの踏段左右両側のうち、少なくとも片側に設けられた欄干下部で、乗降口周辺部のスカートガード壁部に設けられた筒部と、筒部の先端側に設けられた蓋付のキャップと、筒部内でキャップの奥側に設けられた押しボタンスイッチとにより構成されている。例えば、老人や子供のエスカレータ周辺部での転倒が生じた場合等の緊急事態の発生時には、その緊急事態の発見者が手指でキャップの先端部に取り付けられた樹脂等の蓋を押し込んで内側に外しつつ押しボタンスイッチを押して動作させる。押しボタンスイッチが押されると、エスカレータを駆動する駆動装置が停止されて、エスカレータが緊急停止される。なお、本発明に関連する先行技術文献として、特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−274820号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ただし、従来の非常停止装置である非常停止ボタンは、人が手指で操作可能とすることを考えられているため、小型のものが、欄干下部のスカートガードに設けられているので、即時対応性に改良の余地がある。すなわち、非常停止ボタンは、人が手指で操作可能な小さいものであるのに人の足下付近の低い位置に設けられているので、人がかがんで操作しなければならず、特に年配者にとっては操作が困難となる可能性がある。このため、緊急事態発生時の即時対応性及び操作性に改良の余地がある。
【0005】
また、非常停止ボタンが小さいため、人がその位置に気がつきにくい。また、非常停止ボタン操作者の動作が周囲の人から見えにくいので、幼児等によりいたずらが発生した場合にそれを発見しにくいという不都合があり、いたずら防止の面から改良の余地がある。
【0006】
これに対して、特許文献1には、エレベータシステムであって、エレベータかごの壁面の下部の幅木部と、幅木部に設けられる窪みに取り付けられ、ユーザの足先の挿入操作を検出する検出部と、検出部によって検出された足先の挿入操作に基づいてかごの行き先階を設定して表示する表示部とを備えるエレベータシステムが記載されている。ただし、このような特許文献1には、エスカレータの非常停止装置において、緊急事態発生時の即時対応性及び操作性を向上できる手段を開示するものではない。
【0007】
本発明の目的は、エスカレータ非常停止装置において、緊急事態発生時の即時対応性及び操作性を向上できるとともに、いたずら防止効果を向上できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るエスカレータ非常停止装置は、エスカレータの踏段左右両側のうち、少なくとも片側に設けられた欄干下部のスカートガード壁部に形成され、足先を挿入可能な足先挿入口と、スカートガード壁部の裏側で、足先挿入口よりも奥側に設けられ、押し下げにより停止指示信号を出力する押し下げ動作スイッチと、押し下げ動作スイッチから停止指示信号が入力されることによりエスカレータの駆動を停止させる駆動停止手段とを備えるエスカレータ非常停止装置である。
【0009】
本発明に係るエスカレータ非常停止装置において、好ましくは、足先挿入口の開口部を塞ぐカバーであって、足先挿入口の周辺部に揺動可能またはスカートガード裏側への脱落可能に支持されたカバーを備える。
【0010】
本発明に係るエスカレータ非常停止装置において、好ましくは、カバーは、足先挿入口の上端部に、上端部を中心とする揺動可能に支持されている。
【0011】
本発明に係るエスカレータ非常停止装置において、好ましくは、足先挿入口の下側に押し下げ動作スイッチが設けられ、押し下げ動作スイッチは、スカートガード壁部の裏側の裏側空間内で上下変位可能に設けられた変位部材と、変位部材に押し上げる方向の付勢力を付与する付勢部材と、付勢部材の付勢力に抗して変位部材を押し下げた場合に押圧され、停止指示信号を出力するスイッチ本体とを含む。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るエスカレータ非常停止装置によれば、緊急事態発生時に、その緊急事態の発見者が足先挿入口に足先を挿入し、その挿入した足先で押し下げ動作スイッチを押し下げることで、エスカレータの駆動を停止させることができる。このため、スイッチの操作時に人がかがんで操作する必要がなく、年配者等でも無理な体勢を要することなく容易に操作することができる。このため、緊急事態発生時の即時対応性及び操作性を向上できる。また、スイッチの操作者の操作動作が大きくなるので、周囲の人から幼児等のいたずらを容易に発見でき、いたずら防止効果を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る実施の形態のエスカレータ非常停止装置を適用するエスカレータの1例を示す概略断面図である。
【図2】本発明に係る実施の形態のエスカレータ非常停止装置の全体構成を示す図である。
【図3】本発明に係る実施の形態のエスカレータ非常停止装置を構成する操作部周辺を示す斜視図である。
【図4】図3の操作部を乗降口側から見た図である。
【図5】図4の操作部を含むスカートガード内側部分を示す概略断面図である。
【図6】図4の操作部を構成する足先挿入口に足先を挿入する様子を示す図である。
【図7】従来から考えられているエスカレータ非常停止装置の操作部周辺を示す図4に対応する図である。
【図8】本発明に係る実施の形態のエスカレータ非常停止装置の別例を示す、図5に対応する図である。
【図9】図8のエスカレータ非常停止装置で足先で押し下げ動作スイッチを押し下げる様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下において、図面を用いて本発明に係る実施の形態につき詳細に説明する。図1から図6は、本発明の実施の形態の1例を示している。図1に示すように、本実施の形態のエスカレータ非常停止装置を適用するエスカレータは、例えば建物内に収容され、建物内の上側階床と下側階床とにかけ渡すようにトラス10が設けられ、トラス10に設けられた移送手段12により複数の踏段14を移動自在としている。なお、エスカレータは、屋外に設けられたものでもよい。
【0015】
移送手段12は、駆動機構16と、エスカレータ駆動装置18とを含む。駆動機構16は、チェーン20とスプロケット22,24とを有する動力伝達機構を含む。すなわち、複数の踏段14は、各踏段14に支持された複数のステップ軸を無端状のチェーン20により連結されている。エスカレータ駆動装置18はモータを含み、駆動によりチェーン20が駆動され、踏段14を循環させる。このために上側、下側の2のスプロケット22,24の間にチェーン20がかけ渡されている。図示の例では、エスカレータは、下降用であり、図1に矢印αで示す方向に複数の踏段14を循環させる。なお、エスカレータは上昇用とした場合でも本実施の形態は適用できる。また、エスカレータの踏段14の左右方向(図1、2の表裏方向)両側に欄干26が立設するように設けられている。図2に示すように、欄干26を構成する支持壁部28の周囲に移動手すり25が設けられており、移動手すり25も、踏段14(図1)の循環に応じて循環する。欄干26下側には駆動機構16(図1)を覆う等のためのスカートガード30,31が設けられている。
【0016】
また、エスカレータの踏段14の左右両側の少なくとも片側に設けられた欄干26下部で、降り場または乗場である乗降口32周辺部に設けられた2のスカートガード31のそれぞれの壁部周辺部に、エスカレータ非常停止装置(以下、単に「非常停止装置」という場合がある。)34を構成する操作部36が設けられている。すなわち、非常停止装置34は、操作部36と、制御部であるコントローラ38と、上記のエスカレータ駆動装置18とを備える。図3に示すように、操作部36は、エスカレータの左右片側(図3の左側)のスカートガード31であって、踏段14と乗降口32側の櫛歯40とから外れた乗降口32付近のスカートガード31と、スカートガード31の裏側の裏側空間42(図5)とに設けられている。
【0017】
より詳しくは、図4に示すように、操作部36は、スカートガード31の壁部に形成され、人の足先を挿入可能な足先挿入口44と、足先挿入口44の周辺部である上端部に揺動可能に支持されたカバー46と、足先挿入口44の下側に設けられた押し下げ動作スイッチ48とを含む。
【0018】
図2に示すように、非常停止装置34を構成するコントローラ38は、エスカレータの通常の駆動状態を制御する駆動制御部50と、停止指示信号である非常停止信号が押し下げ動作スイッチ48(図4)から入力された場合に、エスカレータ駆動装置18の駆動を停止させ、エスカレータの動作を停止させる駆動停止手段である駆動停止部52とを有する。なお、図4(後述する図5〜9も同様とする。)では、図3の場合に対し操作部36が、左右の欄干26の異なる側に設けられたように示しているが、実際は左右の片側のみに操作部36が設けられている。操作部36は左右の欄干26の任意の側に設けることができる。また、エスカレータの上側、下側の乗降口32の片側(例えば、降り場側)のみに操作部36を設けることができる。
【0019】
図4に示すように足先挿入口44は、スカートガード31の壁部に形成された矩形状等の開口部54の上側部分により構成されている。すなわち、開口部54の上側部分は略平板状のカバー46により塞がれており、開口部54の下側部分に押し下げ動作スイッチ48を構成する変位部材である変位ブロック56の上部が露出している。開口部54のうち、変位ブロック56の上側、すなわち変位ブロック56の上端縁でその下端が規定される部分により足先挿入口44が構成されている。足先挿入口44の下端と床面との間の上下方向の高さHは、例えば5〜20cmである。また、足先挿入口44の横方向の幅Wは、例えば10〜20cmである。
【0020】
図5に示すように、カバー46は、スカートガード31の壁部において、足先挿入口44の上端部にその上端部に設けられた水平方向の軸を中心とする揺動可能に支持されている。通常時には、重力の作用により、図5の実線のように垂れ下がっており、その表側面が乗降口32側に向いている。カバー46は、例えば樹脂等により構成される透明カバーである。
【0021】
なお、足先挿入口44の開口周辺部の壁部裏側に、カバーの少なくとも一部をスカートガード31裏側への脱落可能に係止して支持することで、足先挿入口44の周辺部にスカートガード31裏側への脱落可能にカバーを支持することもできる。
【0022】
また、押し下げ動作スイッチ48は、スカートガード31壁部の裏側の裏側空間42内で上下方向に配置されたシリンダ内にその下側部分が配置され、上下変位可能に設けられた変位ブロック56と、変位ブロック56の下側に設けられ、変位ブロック56に押し上げる方向の付勢力を付与する付勢部材であるバネ58と、変位ブロック56の下側に、変位ブロック56と離隔するように設けられたスイッチ本体60とを含む。スイッチ本体60は、押しボタンスイッチまたはリミットスイッチ等であり、上端部に設けられた押圧部が押されることにより、停止指示信号であるスイッチ押圧信号をコントローラ38(図2)へ出力する。すなわち、バネ58の付勢力に抗して変位ブロック56が押し下げられた場合に変位ブロック56の下部、またはこの下部に固定した結合部材により、スイッチ本体60の押圧部が下方に押圧されると、スイッチ本体60によりスイッチ押圧信号がコントローラ38へ出力される。
【0023】
また、図4に示すように、変位ブロック56の側面で開口部54の下側に露出する部分と、足先挿入口44の周辺部とに下側に向いた矢印P,Qを表示している。この表示は、非常停止装置34の操作時に、足先を挿入し、押し下げることを促すためのものであり、好ましくは、そのための操作の説明文(図示せず)をこの表示の付近に設ける。また、好ましくは、変位ブロック56の側面で開口部54の下側に露出する部分を赤地等の目立つ色で表示する。また、図4に示すように、足先挿入口44の上部に靴の図を表示することが、足先による操作を促すために好ましい。
【0024】
このようなエスカレータ非常停止装置34によれば、人がエスカレータの踏段14または踏段14付近で倒れる等の緊急事態発生時に、その緊急事態の発見者が図5、図6に示すように、足先挿入口44に足先をカバー46を押しながら挿入し、その挿入した足先で押し下げ動作スイッチ48の変位ブロック56を押し下げ、変位ブロック56によりスイッチ本体60を動作させることで、エスカレータの駆動を停止させることができる。この場合、スイッチ本体60から停止指示信号がコントローラ38(図2)へ出力され、コントローラ38の駆動停止部52がエスカレータ駆動装置18の駆動を停止させる。このため、押し下げ動作スイッチ48の操作時に人がかがんで操作する必要がなく、年配者等でも無理な体勢を要することなく容易に操作することができる。このため、緊急事態発生時の即時対応性及び操作性をより向上できる。
【0025】
また、押し下げ動作スイッチ48を操作するスイッチ操作者の操作時には、足先を足先挿入口44に挿入する動作と、挿入した足先を押し下げる動作との2動作が必要となり、操作時の操作動作が大きくなるので、周囲の人から幼児等のいたずらを容易に発見でき、いたずら防止効果を向上できる。この結果、緊急事態発生時の即時対応性及び操作性を向上できるとともに、いたずら防止効果を向上できる。また、スイッチ操作は、スイッチ操作者が足先でスイッチを動作させる場合に限定するものではなく、足の不自由な人が持つ杖等でも容易に押し下げ動作スイッチ48を押し下げて、動作させることができる。
【0026】
また、カバー46は、足先挿入口44の上端部に、その上端部を中心とする揺動可能に支持されているので、足先でカバー46を押した場合でもカバー46が脱落することがなく、しかもカバー46は容易に揺動させることができるので、押し下げ動作スイッチ48の操作がより容易に行える。
【0027】
これに対して、図7は、本発明から外れる、従来から考えられている非常停止装置である非常停止ボタンの1例を示している。図7の例では、エスカレータの乗降口32付近のスカートガード31に非常停止ボタン62が設けられている。また、非常停止ボタン62の上側に表示された矢印により、非常停止ボタン62の位置を示されている。ただし、非常停止ボタン62は、手指で押すものであるため、上記の本実施の形態の足先挿入口44(図4)や変位ブロック56(図4)と比べてかなり小さいものとなる。このため、非常停止ボタン62の操作時の動作が分かりにくく、いたずら動作が発見しにくくなるので、いたずら防止効果を図る面から改良の余地がある。また、非常停止ボタン62は低い位置にあるため、緊急事態発生時の即時対応性及び操作性を向上する面からも改良の余地がある。上記の本実施の形態によれば、このような不都合をいずれも解消できる。
【0028】
また、上記で説明したように、本実施の形態において、足先挿入口44の周辺部にスカートガード31裏側への脱落可能にカバーを支持することもでき、その場合には、足先でカバーを押してカバーをスカートガード31裏側の裏側空間42へ脱落させつつ、足先挿入口44に足先を挿入した状態で、足先で押し下げ動作スイッチ48を動作させることができる。また、上記ではカバー46を設けた場合を説明したが、カバー46を省略することもできる。この場合には、即時対応性及び操作性がより向上する。ただし、この場合には、カバー46がないことでスカートガード31裏側への異物が侵入しやすくなるので、これを防止する面からはカバー46を設けることが好ましい。
【0029】
次に、図8,9は、本発明に係る実施の形態のエスカレータ非常停止装置の別例を示しており、図8は、図5に対応する図であり、図9は、図8のエスカレータ非常停止装置で足先で押し下げ動作スイッチを押し下げる様子を示す図である。
【0030】
図8に示す実施形態では、乗降口32周辺のスカートガード31の壁部に設けられた足先挿入口44の上側にカバー46を揺動可能に支持するとともに、カバー46の下側で、壁部裏側の裏側空間42内に揺動レバー64が設けられている。揺動レバー64は、平板状の下向き板部66と、水平方向に向いた平板状の横板部68との2の板部66,68を略直交する方向に連結することにより、断面略L字形に形成している。また、板部66,68同士の連結部で水平方向の軸を中心とする揺動可能に、壁部に対し固定した部分に支持されている。このような揺動レバー64は自由状態で図8のように下向き板部66が下方に向いており、横板部68が略水平方向に向いている。このように向きを維持するためにバネ等の付勢部を下向き板部66の図8の左側に設けて、付勢部により下向き板部66を水平方向に付勢するとともに、図示しないストッパで下向き板部66の動きを規制することもできる。また、裏側空間42の奥側にスイッチ本体60を設けて、図9に示すように、下向き板部66が奥側に揺動した場合にスイッチ本体60の押圧部が押圧され、停止指示信号であるスイッチ押圧信号がコントローラ38(図2参照)へ向けて出力されるようにしている。また、上記の揺動レバー64とスイッチ本体60とにより、押し下げ動作スイッチ70が構成されている。
【0031】
このような図8,9の実施形態の非常停止装置を操作する場合、例えば、図9に示すように、エスカレータでの緊急事態を発見した発見者が、足先挿入口44に足先をカバー46を押しながら挿入し、その挿入した足先で押し下げ動作スイッチ48の揺動レバー64を構成する横板部68を押し下げ、下向き板部66によりスイッチ本体60を押圧し、動作させることで、エスカレータの駆動を停止させることができる。この場合、スイッチ本体60からスイッチ押圧信号がコントローラ38(図2参照)へ出力され、コントローラ38の駆動停止部52(図2参照)がエスカレータ駆動装置18(図3参照)の駆動を停止させる。このような実施形態の場合でも、緊急事態発生時の即時対応性及び操作性を向上できるとともに、いたずら防止効果を向上できる。その他の構成及び作用は、上記の図1〜図6の実施の形態と同様である。
【0032】
なお、図示は省略するが、押し下げ動作スイッチは、上記の各実施形態に限定するものではなく、例えば、棒により構成されるレバーや、固定部に揺動可能に支持された板部等により構成することもできる。すなわち押し下げ動作スイッチは押し下げられることで停止指示信号を出力する構成であればよい。また、上記の各実施形態で、エスカレータ駆動装置を非常停止装置により停止させた場合に、警告音、アナウンス等を発生させたり、警告灯を点灯または点滅させる等の警告を発生させることもできる。
【符号の説明】
【0033】
10 トラス、12 移送手段、14 踏段、16 駆動機構、18 エスカレータ駆動装置、20 チェーン、22,24 スプロケット、25 移動手すり、26 欄干、28 支持壁部、30,31 スカートガード、32 乗降口、34 エスカレータ非常停止装置、36 操作部、38 コントローラ、40 櫛歯、42 裏側空間、44 足先挿入口、46 カバー、48 押し下げ動作スイッチ、50 駆動制御部、52 駆動停止部、54 開口部、56 変位ブロック、58 バネ、60 スイッチ本体、62 非常停止ボタン、64 揺動レバー、66 下向き板部、68 横板部、70 押し下げ動作スイッチ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エスカレータの踏段左右両側のうち、少なくとも片側に設けられた欄干下部のスカートガード壁部に形成され、足先を挿入可能な足先挿入口と、
スカートガード壁部の裏側で、足先挿入口よりも奥側に設けられ、押し下げにより停止指示信号を出力する押し下げ動作スイッチと、
押し下げ動作スイッチから停止指示信号が入力されることによりエスカレータの駆動を停止させる駆動停止手段とを備えるエスカレータ非常停止装置。
【請求項2】
請求項1に記載のエスカレータ非常停止装置において、
足先挿入口の開口部を塞ぐカバーであって、足先挿入口の周辺部に揺動可能またはスカートガード裏側への脱落可能に支持されたカバーを備えることを特徴とするエスカレータ非常停止装置。
【請求項3】
請求項2に記載のエスカレータ非常停止装置において、
カバーは、足先挿入口の上端部に、上端部を中心とする揺動可能に支持されていることを特徴とするエスカレータ非常停止装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1に記載のエスカレータ非常停止装置において、
足先挿入口の下側に押し下げ動作スイッチが設けられ、
押し下げ動作スイッチは、スカートガード壁部の裏側の裏側空間内で上下変位可能に設けられた変位部材と、変位部材に押し上げる方向の付勢力を付与する付勢部材と、付勢部材の付勢力に抗して変位部材を押し下げた場合に押圧され、停止指示信号を出力するスイッチ本体とを含むことを特徴とするエスカレータ非常停止装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−153524(P2012−153524A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−16504(P2011−16504)
【出願日】平成23年1月28日(2011.1.28)
【出願人】(000236056)三菱電機ビルテクノサービス株式会社 (1,792)
【Fターム(参考)】