説明

エタノールを使用したクリーンガソリン及びバイオエーテルの製造方法

燃料又は燃料ブレンド基材は、エタノールと、エチルエーテルと、オレフィンと、アルカンとを含む。幾つかの実施形態では、請求項1の燃料又は燃料ブレンド基材は、92×(RON+MON)/2よりも大きなオクタン価を有する。幾つかの実施形態では、燃料又は燃料ブレンド基材は、7.2psi未満のリード蒸気圧を有していてよい。燃料を生産するためのプロセスにおいても、そのプロセスは、触媒の存在下で、アルカンとオレフィンを含むガソリン留分の少なくとも1つとエタノールとを接触させ、エチルエーテル,アルカン,未反応オレフィン,未反応エタノールを含む燃料混合物を生成する工程と、燃料混合物からエタノールを分離することなくガソリンブレンド基材又はガソリンとして使用するための燃料混合物を回収する工程とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載されている実施形態は一般的に、エタノールなどの再生可能資源を燃料成分として使用する製造方法に関連する。他の側面では、本明細書に記載されている実施形態は、アルカン、オレフィン、エタノール、およびエチルエーテルを含む燃料組成に関連する。より具体的には、本明細書に記載されている実施形態は、ガソリン留分を含むエタノールの化学混合及びスプラッシュ混合のための様々な製造方法に関連する。
【背景技術】
【0002】
燃料生産者は、ガソリンブレンド基材として再生可能資源を使用することの圧力が増加していることを感じている。そのような原料の主要例として、エタノールがよく挙げられる。容易に製造可能な全ての再生可能成分のうち、エタノールは、ガソリンへの使用に最も適している。実際に、エンジンは、燃料システムに変更を加えることで、純粋なエタノールで走るように設計することができる。
【0003】
経済全体にとって、エタノールの使用は、エネルギーの自給を増加させる可能性を有する。このことは、食物を栽培することができる場所であれば、ほぼ全ての場所で原料(農業炭水化物)を製造することができるという事実に起因する。加えて、この製造システムは、輸送に関連した経済的利益を農村地域に配分するという経済的恩恵を追加的にもたらす。
【0004】
エタノールをガソリンに組み入れる最も簡単な方法は、混合またはスプラッシュ混合である。そのようなプロセスは、例えば、米国特許第6,258,987号(‘987)に開示されている。触媒分解されたナフサ、リフォメート、バージンナフサ、イソメレイト、アルキレート等のガソリンの様々なサブグレードが、混合サイトで所望量のアルコールと混合される。混合サイトは、(1)ガソリンが流通する地域から地理的に近く、(2)サブグレードが準備される場所から地理的に遠いことが好ましい。生成された混合物は、貯蔵タンクのような適当な貯蔵場所、あるいは、パイプライン、鉄道、油輸送トラック又は荷船といった流通システムの要素に移される。
【0005】
エタノールを組み入れる他の方法に、化学混合がある。この場合、エタノールは、精製装置に供給され、ベースガソリンに共有結合する。例えば、米国特許第5,633,416等には、C〜Cアルコールが、ガソリンのサブグレード内のエーテル化可能なオレフィンと反応するプロセスが開示されている。例えば、エタノールは、イソブチレンと反応して、エチル第三級ブチルエーテル(ETBE)を生成することがある。
【0006】
化学混合又はスプラッシュ混合を使用する主な利点は、オクタン価を上昇させることである。より高い無鉛オクタン価の要求に加え、高級燃料を求める要求が高まっている。様々な混合値を用いて、表1に示している典型的な無鉛ガソリン内に酸素を添加する。見ての通り、エタノールとETBEに対するオクタン値((リサーチオクタンナンバー(RON)+モータオクタンナンバー(MON))/2)は、109〜113の範囲である。
【表1】

【0007】
スプラッシュ混合の供給原料としてエタノールを使用することは多くの利益を有するが、製油産業、一般的輸送パイプライン、自動車メーカーを含むモーター燃料産業では、ガソリンにエタノールを混入させることが容易に受け入れられていない。‘987特許に記載されているように、精製所を稼動している場所及び市場段階においてエタノールを受け入れることを妨げる基本的な問題は、混合物質であるエタノールが一般的に精製所で製造されないということ、ならびに、混合サイトが一般的に精製所から遠いことである(すなわち、とうもろこしを供給する場所に近い中西部で作り出されたエタノールを、メキシコ湾岸で生産されるガソリンに混合しなくてはいけない)。
【0008】
さらに、エタノールは完全に水和性なので、炭化水素エタノールの混合においては、精製所又は混合サイトのタンクファーム並びに製品出荷システムから水を除去することが要求される。また、炭化水素エタノール混合物が全ての石油会社に受け入れられているわけではないので、エタノール混合物の市場は一般的に制限されている。さらに、水分又は水分に関連した腐食などの可能性があるために、パイプラインがエタノール混合物を受け入れないことがある。環境面においては、エタノールは、揮発性有機化合物(VOC)の放出を増加させる可能性があり、有害物質と窒化酸化物の放出を、ETBE等のエーテルのように有効に減少させることができない。
【0009】
スプラッシュエタノール混合に関連する他の深刻な問題は、ガソリンの揮発性に関することである。例えば、アメリカ大陸南部では、精製所は、ガソリンの夏グレードのリード蒸気圧(RVP)を約0.8psi〜7.2psiに減少させなくてはいけない。表1に示したように、エタノールは、ETBEよりもかなり高いリード蒸気圧を有する。そのため、エタノールを混合して特別なガソリンサブグレード又はガソリンブレンド基材を製造する場合、最終段階でエタノールをスプラッシュ混合することが好ましい。これは、エタノールが10体積パーセントに達するようにスプラッシュ混合した特別な低RVP原料であり、特定のRVPを有するエタノール混合燃料を得ることができる。RVP仕様に適合するようにC及びC化合物を除去することにより、RVPが調整されたエタノール混合物は一般的に低オクタン価を有するが、エタノールの高いオクタン価によって部分的にオフセットされる。C及びC化合物を除去することにより、RVPが調整された混合物のD86のT5及びT10値もより高くなる。また、C及びC化合物を除去することは、利用可能なガソリン体積の減少を生じさせる。
【0010】
除去したC及びC化合物の排出先を用意する必要もある。このために、精製所に追加の大型設備が必要になることや、これらの化合物のリサイクル及び再処理を促進する必要がある。ガソリン中に1ガロンのブタンを吸収させる経済的インセンティブは、地形と季節によるが、一般的に10〜20セントである。ブタンのオクタン価は92であり、前記事項と同様に魅力的である。ガソリンの組成物としてのブタンは、無鉛レギュラーガソリン(通常87〜89)よりも幾つか高いブレンド番号を有する。C化合物に関するインセンティブも同様である。化学混合は、ブタン又はイソブチレン等のC化合物において、多少のオクタン価を回復する手段を備えている。
【0011】
従って、エタノールのような再生可能資源を使用する製造方法が必要とされている。その製造方法は、改良されたオクタン品質を有するガソリン混合物を提供すべきである。その製造方法は、エタノールのためのRVP「ルーム(room)」を設けるために、一般的に除去されるC及びC化合物の排出先を提供する。
【発明の概要】
【0012】
一側面において、本明細書に開示する実施形態は、エタノールと、エチルエーテルと、オレフィンと、アルカンとを含む燃料又は燃料ブレンド基材に関する。いくつかの実施例では、請求項1の燃料又は燃料ブレンド基材は、オクタン価が92((RON+MON)/2)よりも大きくてよい。他の実施例では、燃料又は燃料ブレンド基材が、7.2psi未満のリード蒸気圧を有していてよい。
【0013】
別の側面では、本明細書に開示する実施形態は、燃料の製造方法に関する。その製造方法は、触媒の存在下でアルカンとオレフィンを含む少なくとも一種のガソリン留分とエタノールとを接触させ、エチルエーテル,アルカン,未反応オレフィン,未反応エタノールを含む燃料混合物を生成する工程と、燃料混合物からエタノールを分離することなく、ガソリン又はガソリンブレンド基材として使用するための燃料混合物を回収する工程と、を含む。
【0014】
他の側面及び利点は、以下の説明と追加の請求項から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1は、本明細書に開示されている実施形態に従って、化学混合及びスプラッシュ混合されたエタノールを含む燃料又は燃料成分を製造するための製造フローチャートを簡易的に示す。
【0016】
図2は、本明細書に開示されている実施形態に従って、化学混合及びスプラッシュ混合されたエタノールを含む燃料を製造する製造フローチャートを簡易的に示す。
【0017】
図3は、本明細書に開示されている他の実施形態に従って、化学混合及びスプラッシュ混合されたエタノールを含む燃料を製造する製造フローチャートを簡易的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
一側面では、本明細書に開示した実施形態は、燃料成分として、エタノールのような再生可能原料を使用するための製造方法に関する。他の側面では、本明細書に開示した実施形態は、アルカン,オレフィン,エタノール,エチルエーテルを含む燃料組成に関する。より具体的には、本明細書に開示した実施形態は、ガソリン留分にエタノールを化学混合及びスプラッシュ混合するための様々な製造工程に関する。
【0019】
いくつかの実施形態では、エタノールとオレフィンを含んでいるガソリン留分とは、エーテル化触媒の存在下で接触することにより、エチルエーテル,アルカン,未反応オレフィン,未反応エタノールを含む燃料混合物を生成する。燃料混合物はその後、ガソリン又は燃料混合物からエタノールが分離していないガソリンブレンド基材として使用するために回収されてよい。エーテル化触媒を伴う接触は、触媒蒸留塔と固定床型エーテル反応装置の少なくとも一方の中で起こってよい。
【0020】
ここで使用されるものとして、ガソリン留分は、(1)ガソリンのためのブレンド基材としての使用に適している個別の精製所のストリーム、及び/又は、(2)ガソリンブレンド基材としての使用に適している2以上のストリームを混合することによって形成された混合ガソリンストリーム、を含んでいる。適当なガソリンブレンド基材は、他の精製所のストリームと混合した場合、結合した(combined)ストリームを生成する。結合したストリームは、連邦政府及び州規則に詳細に記載されているガソリンの規格に合致する。
【0021】
本明細書で開示した製造方法の原料は、ガソリンの沸点範囲で沸騰する複数の石油原料を含んでいてよい。この複数の石油原料には、FCCガソリン、コーカーペンタン/ヘキサン、コーカーナフサ、FCCナフサ、直留ガソリン、及びこれらのストリームの複合混合物が含まれる。そのようなガソリン混合ストリームは、典型的には、ASTM D86の精製に規定されているように、0℃と260℃の範囲内に標準沸点を有している。このタイプの原料は、Cの沸点範囲が典型的に165℃(330°F)までの軽質ナフサ、Cの沸点範囲が典型的に215℃(420°F)までのフルレンジナフサ、沸点範囲がおよそ125℃〜210℃(260°F〜412°F)の重質ナフサ留分、沸点範囲がおよそ165℃〜260℃(330°F〜500°F)、好ましくはおよそ165℃〜210℃の重量ガソリン留分を含んでいる。一般的に、ガソリン燃料は、およそ室温〜260°C(500°F)の範囲を超えると蒸留する。いくつかの実施形態では、これらのストリームは、硫黄、窒素及び他の好ましくない成分を除去する処理を行ってよい。
【0022】
本明細書に開示されているエーテル化プロセスの実施形態において使用するガソリン留分は、C〜Cの炭化水素とそれよりも高次の炭化水素を含んでいてよい。例えば、精製所のストリームは一般的に、分留によって分離される。軽質ナフサのカットはそのような精製所のストリームの1つであり、そのようなカットは、沸点が極めて近い成分を含んでいるので、分離が正確ではない。精製所でカットする軽質ナフサは、エタノールとの反応により、エーテルを形成するためのイソオレフィン(例えば、iC=,iC=化合物)の原料として有用である。例えば、Cストリームは、C種とC種までのものとそれ以上のものとを含んでいてよい。これらの化合物は、飽和(アルカン)、不飽和(イソオレフィンを含むモノオレフィン)、ポリ不飽和(例えば、ジオレフィン)であってよい。さらに、化合物は、個々の化合物の様々な異性体のいずれか、又は、全てであってよい。そのような化合物は、容易に150〜200の化合物を含むことがある。炭素原子がC〜Cの他の炭化水素ストリームを、本明細書に開示している実施形態に使用してよい。
【0023】
幾つかの実施形態では、ガソリン留分は、Cカットを含んでいてよい。Cカットは、C〜C又はそれよりも高次の炭化水素(すなわち、C6+)を含んでいてよい。他の実施形態では、ガソリン留分は、Cカットを含んでいてよい。Cカットは、C〜C又はオレフィンを含むそれよりも高次の炭化水素を含んでいてよい。他の実施形態では、ガソリン留分は、Cカットを含んでいてよい。Cカットは、C〜C又はオレフィンを含むそれよりも高次の炭化水素を含んでいてよい。他の様々な実施形態では、ガソリン留分は、C〜C7+炭化水素の1つ以上の混合物を含んでいてよい。その混合物は、オレフィン化合物を含んでいてよい。上記したストリームは、C〜Cストリーム、ガソリン留分、FCCガソリン、コーカーガソリン、同様の性質を有する他の精製所ストリームを含んでいてよい。
【0024】
上記したガソリン留分に含まれている飽和化合物は、例えば、様々な異性体の中でも特に、ブタンの様々な異性体、ペンタンの様々な異性体、ヘキサンの様々な異性体を含んでいてよい。上記したガソリン留分を含むオレフィン化合物は、例えば、様々な異性体の中でも特に、イソブチレン及び他のブテン異性体、ペンテンの様々な異性体、ヘキセンの様々な異性体、ヘプテンの様々な異性体を含んでいてよい。幾つかの実施形態では、ガソリン留分は、様々な原料から抽出されてよく、エーテル化可能なイソオレフィンを1〜45重量パーセント含んでいてよく、他の実施形態のイソオレフィンを10〜30重量パーセント含んでいてよく、さらに他の実施形態のイソオレフィンを15〜25重量パーセント含んでいてよい。
【0025】
本明細書に開示されている他の実施形態は、多くの異なるガソリン留分から種々のエーテルを製造することに広く適用することができる。本明細書に開示されている製造方法によって得られる主なエーテルは、第三級アミル基、第三級ブチル基、第三級ヘキシルエーテル基、第三級ヘプチルエーテル基を含んでいてよい。ブチルエーテルの生産の一つであるエーテル化工程では、典型的な原料ストリームは、イソブタン、イソブチレン、ノルマルブタン、1ブテン、2ブテンが含まれるC異性体の混合物で構成される。アミルエーテルの生産の一つの工程では、原料ストリーム成分は、異性体の典型的な分布として、3−メチル−1−ブテン、イソペンタン、1−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、ノルマルペンタン、トランス−2−ペンテン、シス−2−ペンテン、ネオペンタン、2−メチル−2−ブテンを含んでいることがある。様々な原料がそのようなガソリン留分を提供可能であるが、これらのプロセスの原料ストリームにとって最も共通した原料は、FCCユニットからの軽質分解炭化水素、又は、ブタジエン抽出後の分解ストリームからのCストリームである。一実施形態では、エーテル反応装置に供給されたガソリン留分は、反応性異性体(2−メチル−1−ブテン及び2−メチル−2−ブテン)と非反応性異性体(3−メチル−1−ブテン)の両方を含むイソアミレンを含んでいてよい。
【0026】
イソオレフィンを含むガソリン留分は、エタノールが混合されていてもよい。そのエタノールは、生物由来、又は、石油由来であってよい。エタノールは、とうもろこし又は他の農作物から製造されたエタノールのような、生物由来であることが好ましい。他の実施形態では、エチルエーテルを含む希釈剤が、ガソリン留分とエタノールに混合されていてもよい。そのエタノールは、エーテル反応装置からの生産物の一部を含むリサイクルストリームのようなものでよい。
【0027】
エチルエーテルを生産するために、イソオレフィンとエタノールから得られた混合物を、適当なエーテル化触媒上で反応させてよい。例えば、混合物は、適当な反応装置内でマクロポーラスイオン交換樹脂酸製の硫酸に接触させて、エタノールとイソブチレンを反応させ、エタノールに対して高選択性でありイソオレフィン二重体に対して低収率なエチルエーテルを生産してもよい。エーテル化触媒については、以下でさらに詳細に説明する。
【0028】
エーテル反応装置の廃液には、エチルエーテル、未反応イソオレフィン、未反応エタノールが他の成分とともに含まれている。その後、廃液を、燃料混合物からエタノールを分離することなく、燃料又は燃料ブレンド基材として使用するために回収してもよい。例えば、下降流沸点反応装置(downflow boiling point reactor)を使用するときに、反応装置からの廃液の少なくとも一部は、希釈材を含んでいるエーテルと反応装置の温度コントロールを提供するために再利用されてよい。
【0029】
エーテル反応装置の廃液は、その後、燃料又は燃料ブレンド基材として利用するために回収されてよい。例えば、エーテル反応装置の廃液は、回収され、必要ならば貯蔵され、燃料として使用するために輸送されてよい。他の実施形態では、エーテル反応装置の廃液は、エタノール又は他のガソリン留分にスプラッシュ混合されてよい。スプラッシュ混合した結果物は、燃料として使用するために貯蔵して輸送してよい。
【0030】
幾つかの実施形態では、ガソリン留分は、最終的なアルコール含有ガソリンを燃料として使用するために流通させる場所に地理的に近く、ガソリン留分が準備される場所からは地理的に遠い混合サイトに輸送される。オレフィンの一部のエーテル化は、その後、混合サイトで行ってもよい。エタノールとエチルエーテルを含んでいる反応装置の廃液は、その後、燃料又は燃料ブレンド基材として使用されてよい。例えば、エタノールとエチルエーテルを含む燃料は、その後、混合サイトで、希望量のアルコール又は他のガソリン留分を含む混合物によって用意されてもよい。
【0031】
上記したように、イソオレフィンとアルコールが反応して、エーテルを生成することがある。本明細書で開示する実施形態におけるエーテル生成の例は、特に、エチル第三級ブチルアルコール(ETBE)、イソブチレンとエタノールの反応生成物、第三級アミルエチルエーテル(TAEE)、イソアミレンとエタノールの反応生成物、第三級ヘキシルエチルエーテル(THEE)、エタノールを有する様々なCイソオレフィンの反応生成物を含んでいてよい。
【0032】
まず、図1を参照し、本明細書で開示する幾つかの実施形態に従って、蒸留塔反応装置システム5について説明する。イソオレフィンを含んでいるガソリン留分10が、蒸留塔反応装置12に供給される。ガソリン留分10の供給位置は、上部であっても下部であってもよいし、あるいは、触媒含有領域14の中間であってもよい。炭化水素ストリーム10に含まれているイソオレフィンは、エーテルを生成するために、触媒含有領域14内でストリーム15で供給されたエタノールと反応する。蒸留塔反応装置12は再沸騰器16とオーバーヘッドシステム17を有しており、各々が、蒸留塔反応装置12内の液体と気体の流れを制御している。
【0033】
蒸留塔反応装置システム5は、蒸留塔反応装置12に存在する未反応エタノールの少なくとも一部が、オレフィンとアルコールの反応によって生成されたエーテルと炭化水素ストリーム10に含まれている重質炭化水素とともに、下部ストリーム18に出て行くように制御される。アルカンと幾つかの未反応オレフィンを含む軽質炭化水素は、オーバーヘッドシステム17で濃縮されて上部ストリーム20で回収されてもよいし、あるいは、ライン21を介して蒸留塔反応装置12の頂部に還流させて再利用されてもよい。
【0034】
図示されているように、エタノールは、炭化水素ストリーム10とともに蒸留塔反応装置12に供給される。あるいは、エタノールは、炭化水素供給ストリーム10の上部又は下部の供給ポイントを含む、蒸留塔反応装置12上のその他の場所に供給されてもよい。エタノールと様々な炭化水素により生成される共沸混合物、ならびに制御条件を選択することにより、エタノールは、下部ストリーム18と上部ストリーム20の両方に存在することがある。化学混合及びスプラッシュ混合されたエタノールを含むストリーム18は、その後、典型的にはエタノールを分離することなく、燃料又は燃料基材として使用される。
【0035】
他の実施形態では、追加のエタノールが、ガソリン留分を供給する場所の上側で蒸留塔反応装置システムに加えられてよい。エタノールは、例えば、エーテル化触媒ゾーンの上部、エーテル化触媒ゾーン内、エーテル化触媒ゾーンの下部のトレイといったカラムの頂部の複数個所で加えられてよい。この態様によって、カラムの様々な位置におけるエタノールの濃度は、希望のレベルに増加し、あるいは制御することができる。
【0036】
幾つかの実施形態では、炭化水素とアルコールの供給物を固定床型エーテル反応装置に通過させ、供給物の少なくとも一部をエーテルに変化させる。米国特許第5,003,124号と4,950,803号には、C4又はC5イソオレフィンとアルコールとを沸点固定床型反応装置内でエーテル化及びオリゴマー化するための液相プロセスが開示されている。沸点固定床型反応装置は、反応混合物がその沸点で触媒蒸留反応装置に直接接触することを維持する圧力に制御されている。固定床反応装置は、液相又は気相反応装置のように、単層反応装置であってもよいし、固定床沸点反応装置でもよいし、それらが複合したものでもよい。幾つかの実施形態では、固定床沸点反応装置は、パルスフロー式で運転されてもよい。
【0037】
幾つかの実施形態では、固定床反応装置からの排液は、燃料又は燃料ブレンド基材として直接使用される。他の実施形態では、反応装置からの排液は、その後、上記した制御が行われる触媒蒸留反応装置システムでさらに処理される。
【0038】
他の実施形態では、エーテル化反応装置に供給されたガソリン留分は、触媒蒸留反応装置システムに供給されるのに先立って、処理工程が行われてよい。例えば、様々なガソリン留分は、水素化、ジエン及び/又はアセチレンの選択的水素化、水素脱硫、水素化脱窒素、他の当業者に知られている処理等が実施されてよい。
【0039】
図2を参照し、本明細書に開示する実施形態に従って、エタノール含有燃料の製造工程について簡単なフローチャートに基づいて説明する。個々のガソリン留分又はガソリンブレンド基材が、入力ライン41,42,43,44,45,46を各々通過している。図2では6個の入力ラインが示されているが、入力ラインは、6個より多くてもよいし、6個より少なくてもよい。入力ライン41〜46の各々は、ブレンド基材が混合される混合容器47に放出され、サブグレードブレンドを生成する。サブグレードブレンドは、その後、ライン37から反応器35に供給した所望量のエタノールと反応及び/又は混合することにより、エチルエーテルとエタノールを含む燃料、あるいは所定規格の燃料ブレンド基材に変換される。必要であれば、フローライン38を通じて、反応器の供給口に戻して再利用してもよい。
【0040】
排出ライン48を介して反応器35から回収された燃料又は燃料ブレンド基材は、排液タンクのような適当な貯蔵場所、あるいは、パイプライン、鉄道、油輸送トラック又は荷船といった流通システムの要素(図示省略)に移される。必要に応じて、追加のスプラッシュ混合エタノール又は他のガソリンブレンド基材を、ライン39を通して加えてもよい。例えばエタノール濃度、酸素含有量、リード蒸気圧、オクタン価及び他の適当な特性などの燃料の最終的な組成を所望する規格内に制御するために、入力ライン37,39,41〜46の各々に計量装置を取り付けてもよい。
【0041】
図2では様々なガソリンブレンド基材の混合物をエーテル化反応装置に供給するように示されているが、エーテル化反応装置は、特定の留分をエーテル化するために利用してもよい。その後、図3で示しているように、残りの留分をエーテル化したガソリンブレンド基材に混合して、所望する燃料規格にしてもよい。図3では、同様の構成については同じ符号を用いている。
【0042】
本明細書に開示されている実施形態によると、上記した化学混合とスプラッシュ混合によって得られる燃料又は燃料ブレンド基材のオクタン価(モータオクタンナンバー、又は、((RON)+(MON))/2)は、90よりも大きい。他の実施形態では、オクタン価は91よりも大きく、他の実施形態では92よりも大きく、他の実施形態では93よりも大きく、他の実施形態では95よりも大きく、他の実施形態では98よりも大きく、さらに他の実施形態では100よりも大きい。
【0043】
本明細書に開示されている実施形態によると、上記した化学混合とスプラッシュ混合によって得られる燃料又は燃料ブレンド基材のリード蒸気圧は7.5psi未満である。他の実施形態ではリード蒸気圧は7.2psi未満であり、他の実施形態ではリード蒸気圧は7psi未満であり、他の実施形態ではリード蒸気圧は6.9psi未満であり、他の実施形態ではリード蒸気圧は6.8psi未満であり、他の実施形態ではリード蒸気圧は6.7psi未満であり、他の実施形態ではリード蒸気圧は6.6psi未満であり、さらに他の実施形態ではリード蒸気圧は6.5psi未満である。
【0044】
本明細書に開示されている燃料又は燃料ブレンド基材(化学混合とスプラッシュ混合したエタノールを含む)の酸素含有量は、スプラッシュ混合されたエタノール燃料と同程度である。本明細書に開示されている燃料又は燃料ブレンド基材は、ある実施形態では酸素濃度が少なくとも2重量パーセントであり、他の実施形態では酸素濃度が少なくとも2.25重量パーセントであり、他の実施形態では酸素濃度が少なくとも2.5重量パーセントであり、他の実施形態では酸素濃度が少なくとも2.75重量パーセントであり、他の実施形態では酸素濃度が少なくとも3.0重量パーセントであり、他の実施形態では酸素濃度が少なくとも3.25重量パーセントであり、さらに他の実施形態では酸素濃度が少なくとも3.5重量パーセントである。
【0045】
上記したように、本明細書に開示されている燃料又は燃料ブレンド基材は、スプラッシュ混合と化学混合されたエタノールを含んでいる。化学混合されたエタノールは、エーテルである。燃料又は燃料ブレンド基材内の全エタノール含有量(燃料混合物内で化学混合されたエタノールを含む)は、少なくとも8体積パーセントであり、他の実施形態では少なくとも9体積パーセントであり、他の実施形態では少なくとも10体積パーセントであり、他の実施形態では少なくとも11体積パーセントであり、他の実施形態では少なくとも12体積パーセントであり、さらに他の実施形態では少なくとも15体積パーセントである。
【0046】
エーテル化触媒
【0047】
エーテル化処理で使用される典型的な触媒の全ては、本明細書に開示する実施形態で使用することができる。従来の陽イオン交換樹脂、及び/又は、ゼオライトは、様々な実施形態において使用することができる。そのため、樹脂は、スルホン酸基を含むことがあり、芳香族ビニル化合物の重合又は共重合、及びこれに後続するスルホン化によって得られることがある。共重合ポリマーを準備することに適した芳香族ビニル化合物の例には、スチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、ビニルエチルベンゼン、メチルスチレン、ビニルクロロベンゼン、ビニルキシレンが含まれる。酸性陽イオン交換樹脂は、芳香核あたり1.3〜1.9個のスルホン酸基を含むことがある。幾つかの実施形態では、樹脂は、ポリビニルベンゼン量が共重合体のおよそ1〜20重量パーセントである芳香物ポリビニル化合物の共重合体を有する芳香族モノビニル化合物の共重合体に基づいていることがある。幾つかの実施形態では、イオン交換樹脂は、およそ0.15〜1mmの粒形であることがある。上記樹脂に加えて、ペルフルオロスルホン酸樹脂(スルホニルフルオロビニルエチルとフルオロカーボンの共重合体)が使用されることがある。
【0048】
本明細書に開示されたエーテル化プロセスに有用な触媒は、中型孔あるいはZSM−5型と称されることがあるゼオライトを含んでいてよい。他の実施形態では、ゼオライトは、Y型ゼオライト及びβ型ゼオライトと同程度の孔サイズを有するZSM−5,ZSM−11,ZSM−12,ZSM−22,ZSM−23,ZSM−35,ZSM−50,MCM−22のグループから選択される中型孔の選択的な酸性の金属担持シリカゼオライト(acidic metallosilicate zeolite)であってよい。本明細書で使用されるゼオライトに関連するオリジナルカチオンは、例えばイオン交換の分野で知られている技術に従って、他の様々なカチオンにより置換されてもよい。置換することができる典型的なカチオンは、水素、アンモニウム、アルキルアンモニウム、金属カチオン、及びそれらの混合物を含む。金属カチオンの場合、周期表の1B族から8A族の金属、例えば、鉄、ニッケル、コバルト、銅、亜鉛、パラジウム、カルシウム、クロム、タングステン、モリブデン等を使用することができる。これらの金属は、酸化物の形態で存在していてもよい。
【0049】
他の実施形態では、イソアルケン反応物のためのエーテル化触媒は、硫酸、三フッ化ホウ素、珪藻土の上のリン酸、リンで改質されたゼオライト、ヘテロポリ酸、及び様々なスルホン酸化された樹脂などの無機質酸を含んでいる。これらの樹脂タイプ触媒は、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂と硫酸とスルホン化ポリスチレン樹脂がジビニルベンゼンで架橋された反応生成物を含んでいてよい。特定のエーテル化触媒は、米国特許第2,922,822号に記載されているように、架橋度が5〜60%のスルホン化スチレンジビニルベンゼン樹脂のようなスルホン酸イオン交換樹脂のマクロ多孔性酸性型である。スルホニルフルオロビニルエーテル(sulfonyl fluorovinyl ether)とフルオロカーボンの共重合体を含む特別な樹脂が、米国特許第3,489,243号に開示されている。他の特別に準備された樹脂は、米国特許第4,751,343号に開示されているSiOで改質されたカチオン交換体で構成されている。適当な樹脂のマクロ多孔質構造が、米国特許第5,012,031号に詳細に記載されている。その適当な樹脂は、少なくともおよそよ400m/gの表面積を有しており、およそ0.6〜2.5ml/gの空孔体積を有しており、平均細孔径が40〜1000オングストロームである。米国特許第4,330,679号に開示されているように、クロム、タングステン、パラジウム、ニッケル、クロム、プラチナ、鉄のような周期表の6〜8族のサブグループの1つ以上の金属を含む金属含有樹脂を使用することは、主なプロセスで実行されるものと考えられる。適当なエーテル化触媒に関するさらなる情報は、米国特許第2,480,940号、2,922,822号、4,270,929号を参照することにより得ることができる。
【0050】
幾つかの実施形態で使用する触媒蒸留構造は、クロスベルト内の複数のポケット内にカチオン交換樹脂粒子を配置することを含む。クロスベルト内の複数のポケットは、触媒蒸留塔反応装置内で、ステンレス鋼線材の2つを螺旋型にねじり合わせた目の粗い編みステンレス鋼によって支持される。これにより、必要な流れが確保され、触媒の損失が抑制される。クロスは、綿、麻布、ファイバーガラスクロス、あるいはテフロン(登録商標)のような反応に不活性なあらゆる材料であってよい。米国特許第4,302,356号、第4,443,559号、第5,730,843号は、蒸留構造に有用な触媒構造を開示しており、参照により本明細書に援用する。他の特に適当なエーテル化触媒が、例えば、米国特許第5,190,730号、第5,231,234号、第5,248,836号、第5,292,964号、第5,637,777号、第6,107,526号に開示されている。
【0051】
実施例
【0052】
典型的なベースガソリンと、リード蒸気圧(RVP)を調整したエタノールをスプラッシュ混合したガソリンと、化学混合とスプラッシュ混合したエタノールを有しており本明細書に開示したプロセスを使用して生成した燃料と、の3種類の燃料特性を表2で比較する。比較のために、オクタン価(RON)への影響を究明できるように3種類の燃料のRVPは一定に保持し、生産する体積は典型的なプロセスで1日あたりに生産できるものとした。さらに、エタノールを含む燃料については、その混合物が有する酸素含有量を等しくなるように抑制した。
【表2】

【0053】
RVP調整済エタノールブレンドについては、最終的な燃料がRVP規格に合致するように軽質燃料成分を除去することによって、ガソリンブレンド基材がエタノールスプラッシュ混合に適するようにブレンド基材を調整した。スプラッシュ混合エタノールのRONは、RVP規格に合致させるために高オクタン価成分であるC及びC成分を除去するので、ベースガソリンよりも低い。この減少は、エタノールの高オクタン価によって部分的に相殺される。有効にスプラッシュ混合されたガソリンの体積もまた、軽量留分を除去することにより、従来のガソリンよりも低い。
【0054】
化学混合とスプラッシュ混合したエタノール燃料は、エタノールに対して特有のイソブタンと反応性イソアミレンのほとんど(〜95%)を反応させてETBEとTAEEを生産することにより用意される。さらに、Cイソオレフィンの一部もまた、Cエチルエーテルに変化される。追加のエタノールがその後スプラッシュ混合され、基本酸素含有量が3.7重量パーセントに上昇される。RVP調整済エタノールスプラッシュブレンドに比べてRONが僅かに減少するが、利用可能なガソリン体積は大きい。さらに、エーテルを生産するために化学混合することは、最終的な燃料のオレフィン含有量を順調に低減する。精製所がオレフィン含有量を低減するために従来のベースガソリンを水素化処理している場合、化学混合プロセスは、必須の水素化処理を低減することができるかもしれない。エタノールのスプラッシュ混合に化学混合ステップを併用すると、スプラッシュ混合だけの場合と比較して、ガソリンの体積とオクタン−ポイント−バーレル(octane-point-barrels)の利益が大幅に得られる。
【0055】
上記したように、本明細書で開示したプロセスの実施形態は、化学混合とスプラッシュ混合の両方が実施されたエタノールを含む燃料と燃料ブレンド基材を提供する。本明細書で開示したプロセスは、簡単なエーテル化プロセスを提供する。そのプロセスは、エタノール回収部を完全に省略することを可能とし、投資と運転費用を節約することができる。
【0056】
本明細書で開示された実施形態は、Cオレフィンの排出先と、燃料成分内にC及びC炭化水素を追加して加えることで自動車の排気を低減しながらクリーン燃料中のエタノールを有効に利用することと、利益を得ながらガソリン中のオレフィンを有効に減少させること、の少なくとも1つを提供する。さらに、本明細書で開示したプロセスは、エタノールスプラッシュ混合の代替手段を提供することができる。
【0057】
化学混合とスプラッシュ混合を相乗的に組み合わせてエタノールを(酸素濃度が同程度の)クリーンガソリン内に混合することにより、エタノールの使用による経済的、社会的、環境的な利益が維持されるだけでなく、それらの利益を増大させることができる。本明細書で開示したプロセスを使用することで、より多量のガソリンが提供可能となり、これにより、より多くのエタノールを有効利用できる。燃料の品質が向上し、精製所で再処理しなくてはいけないC及びC原料の量を減少させることができる。
【0058】
燃料のオクタン価が維持されている一方で、水素化処理することなくオレフィンを大幅に減少させることができる。そのため、オレフィンの処理に追われる精製所でも、水素消費量はゼロである。その結果、精製所において、水素を供給することで生産される二酸化炭素を、全体的に少なくすることができる。
【0059】
本開示は限られた数の実施例を含んでいるが、この開示の利益を有する当業者は、本開示の範囲から逸脱しない他の実施例を十分に考案することができる。従って、発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
【図1】

【図2】

【図3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
エタノールとエチルエーテルとオレフィンとアルカンを含む、燃料又は燃料ブレンド基材。
【請求項2】
燃料又は燃料ブレンド基材が、92×(RON+MON)/2よりも大きなオクタン価を有する請求項1の燃料又は燃料ブレンド基材。
【請求項3】
燃料又は燃料ブレンド基材が、7.2psiよりも小さなリード蒸気圧を有する請求項1に記載の燃料又は燃料ブレンド基材。
【請求項4】
燃料又は燃料ブレンド基材が、少なくとも3.5質量%の酸素含有量を有する請求項1に記載の燃料又は燃料ブレンド基材。
【請求項5】
触媒の存在下で、エタノールと、アルカンとオレフィンを含む少なくとも1つのガソリン留分とを接触させ、エチルエーテルとアルカンと未反応オレフィンと未反応エタノールとを含む燃料混合成分を生成する接触工程と、
燃料混合物からエタノールを分離することなく、ガソリン又はガソリンブレンド基材として使用する燃料混合物を回収する回収工程と、
を有する燃料の製造方法。
【請求項6】
前記接触工程は、
エタノールと、イソオレフィンを含むガソリン留分とを、少なくとも1つのエーテル化反応区間を含んでいる蒸留塔反応装置システムに供給する工程と、
蒸留塔反応装置システムの底部から燃料混合物を取り出す工程と、
を備える請求項5に記載の燃料の製造方法。
【請求項7】
前記接触工程は、
エタノールと、イソオレフィンを含むガソリン留分とを、少なくとも1つのエーテル化反応区間を含んでいる固定床反応システムに供給する工程を備える請求項5に記載の燃料の製造方法。
【請求項8】
エタノールと、燃料混合物を有する第2ガソリン留分の少なくとも1つを混合する工程をさらに備える請求項5に記載の燃料の製造方法。
【請求項9】
エタノールとガソリン留分の少なくとも1つを、接触工程と回収工程を実行しているサイトに移送する工程をさらに備える請求項5に記載の燃料の製造方法。
【請求項10】
移送が、パイプライン、鉄道、油輸送トラックと荷船の少なくとも1つを使用する請求項5に記載の燃料の製造方法。
【請求項11】
ガソリン留分が、C〜Cアルカンを有する請求項5に記載の燃料の製造方法。
【請求項12】
ガソリン留分が、C〜Cオレフィンを有する請求項5に記載の燃料の製造方法。
【請求項13】
エチルエーテルが、エチル第三級ブチルエーテル、第三級アミルエチルエーテル、第三級ヘキシルエチルエーテル及び第三級ヘプチルエチルエーテルの少なくとも1つを有する請求項5に記載の燃料の製造方法。
【請求項14】
ガソリン留分が、Cカット、Cカット、Cカット及び軽質ナフサ留分の少なくとも1つを有する請求項5に記載の燃料の製造方法。
【請求項15】
燃料混合物が、7.2psiよりも小さなリード蒸気圧を有する請求項5に記載の燃料の製造方法。
【請求項16】
燃料混合物の酸素含有量が、少なくとも3.5質量%である請求項5に記載の燃料の製造方法。

【公表番号】特表2011−511132(P2011−511132A)
【公表日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−545115(P2010−545115)
【出願日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際出願番号】PCT/US2009/032310
【国際公開番号】WO2009/099848
【国際公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【出願人】(599003073)キャタリティック・ディスティレイション・テクノロジーズ (28)
【Fターム(参考)】