説明

エチレンコポリマー変性ポリアミド製品

(a)少なくとも一種のポリアミドポリマーと;(b)エチレン/酢酸ビニルジポリマー、エチレン/酢酸ビニルターポリマー、エチレン/(メタ)アクリル酸アルキルジポリマー、エチレン/(メタ)アクリル酸アルキルターポリマー、官能化エチレンコポリマー、エチレン/酸コポリマーおよびそれらの塩などの少なくとも一種のエチレンコポリマーの約0.1〜20重量%とを含んでなる組成物を含んでなるか、またはそれから調製されたフィルム、テープおよび溶融紡糸繊維が開示される。このフィルム、テープおよび繊維は、未変性ポリアミド組成物と比較して引張強度および破断点伸びなどの引張特性の改善を示す。また配向溶融紡糸繊維を含んでなるか、またはそれから調製された不織物材料も開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エチレンコポリマーによって変性されたポリアミド、ならびにそれから製造されたフィルム、テープ、繊維および不織物材料に関する。
【背景技術】
【0002】
当該分野において既知の多くの方法(例えばキャストフィルム押出またはブローンフィルム押出)によって、配向フィルムを溶融ポリマーから形成することができる。張力付与デバイスによる縦方向での熱延伸およびアニーリングによって、フィルムを一方向で配向させることができる。また適切な張力付与デバイスによって、フィルムを二方向(縦方向および横断方向)で配向させることも可能である。配向ポリアミドフィルムは多種多様な包装用途のために有用である。
【0003】
押出フィルムからテープを調製することもできる。冷却水浴中へ、または急冷用冷却ロール上へフラットフィルムを押出することができる。あるいは管型ブローンフィルムを環状ダイから押出して、空気急冷することができる。次いで急冷されたフィルムをナイフで切り裂いてテープにする。次いで張力付与デバイスによる縦方向での熱延伸、および制御された幅(例えば約1cm〜約5cm)を有する伸長テープのアニーリングによって、それらの最初の長さの数倍までテープを伸長する(すなわち一軸配向)。ポリアミドテープは多くの用途において使用可能である。例えば様々な適切な接着剤でテープをコーティングして、接着テープを調製することができる。
【0004】
溶融紡糸、遠心紡糸および溶融ブローイングを含む当該分野において既知の多くの方法によって、溶融ポリマーから繊維を直接形成することもできる。
【0005】
カーペットのバッキング、アグロテキスタイル(agrotextile)およびジオテキスタイル(geotextile)などの用途のために適切な不織物材料において、溶融紡糸または溶融ブローン繊維を使用可能である。
【0006】
よりひもまたはロープにおいて、またはカーペット用のヤーンを調製するために、ポリアミド繊維を使用可能である。ターポーリン、ライナー、バナー、サッキング、カーペットのバッキング、アグロテキスタイルおよびジオテキスタイルなどの用途で使用される布帛へとポリアミドヤーンを織込むか、または編込むことも可能である。
【0007】
引張破断荷重、粘靭性(引張破断応力)および破断点伸びなどの改善された機械特性を有する配向ポリアミドフィルム、テープおよび繊維を提供することが望ましい。伸長されたスリットフィルムテープのコスト削減のため、テープのデニールの低下(幅は同様であるが、厚さが薄い)および/またはポリアミド配合物中のCaCO3などの不活性な充填剤量を増加させることが望ましい。改善された機械特性を有するポリアミド繊維は、ポリエステルに少量の添加剤を添加することによって調製されている。例えば、欧州特許第80274B1号明細書、欧州特許第35796B1号明細書、欧州特許第41327B1号明細書および特願昭56−85420号公報を参照のこと。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、既知のポリアミド組成物では所望の改善を達成することは難しい。より高い伸長比と低下されたデニールによって、物理特性の容認できない損失がもたらされ得る。高い伸長比でのポリアミドテープの望ましくないフィブリル化が克服されることが望ましい。
【0009】
低デニールまたは厚さでの配向フィルム、テープおよび繊維の延伸効率および曲げ疲労耐性を向上させることも望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0010】
従って本発明は、(a)少なくとも一種のポリアミドポリマーと(b)少なくとも一種のE/X/Yコポリマーとを含んでなる組成物を含んでなるか、またはそれから調製された物品であって、
前記物品が配向フィルムまたは配向繊維であり;
前記E/X/Yコポリマーが組成物の0.1重量%〜20重量%または0.1重量%〜15重量%または0.5重量%〜10重量%で存在し;
前記E/X/Yコポリマーが好ましくはコポリマー中に存在する約5重量%〜約35重量%または約10重量%〜約30重量%のアクリル酸アルキルを含み;
Eがエチレンを含んでなり;
Xが酢酸ビニルおよび(メタ)アクリル酸アルキルエステルよりなる群から選択される一種以上のモノマーであり;
Yが一酸化炭素、二酸化硫黄、アクリロニトリル、無水マレイン酸、マレイン酸ジエステル、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、マレイン酸モノエステル、イタコン酸、フマル酸、フマル酸モノエステルおよびそれらの塩、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジルおよびグリシジルビニルエーテルよりなる群から選択される一種以上のコモノマーであり;そして
XがE/X/Yコポリマーの0重量%〜50重量%であり、YがE/X/Yコポリマーの0重量%〜35重量%であり、XおよびYの重量%が両方とも0であることはなく、そしてEがその残量である物品を提供する。
【0011】
また、
(a)少なくとも一種のポリアミドポリマーと、
(b)0.1重量%〜20重量%の少なくとも一種のE/X/Yコポリマーと
を含んでなる配向フィルムであって、Eがエチレンを含んでなり;Xが酢酸ビニルおよび(メタ)アクリル酸アルキルエステルよりなる群から選択されるモノマーであり;そしてYが一酸化炭素、二酸化硫黄、アクリロニトリル、無水マレイン酸、マレイン酸ジエステル、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、マレイン酸モノエステル、イタコン酸、フマル酸、フマル酸モノエステルおよびそれらの塩、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジルおよびグリシジルビニルエーテルよりなる群から選択される一種以上の追加コモノマーであり;Xが前記E/X/Yコポリマーの0重量%〜50重量%であり、Yが前記E/X/Yコポリマーの0重量%〜35重量%であり、XおよびYの重量%が両方とも0であることはなく、そしてEがその残量であり;3以上の延伸比で、ポリアミドの融点未満の温度での延伸によって調製される配向フィルムも提供される。
【0012】
好ましい実施形態は、
(a)少なくとも一種のポリアミドポリマーと、
(b)0.5重量%〜10重量%の少なくとも一種のエチレン/アクリル酸アルキルコポリマーと
を含んでなる組成物から調製されたフィルムである。
【0013】
また本発明は、前記フィルムから調製されたスリットフィルムテープも提供する。
【0014】
本発明は、
(a)少なくとも一種のポリアミドポリマーと、
(b)0.1重量%〜15重量%の少なくとも一種のE/X/Yコポリマーと
を含んでなる組成物から調製された配向溶融紡糸繊維であって、Eがエチレンを含んでなり;Xが酢酸ビニルおよび(メタ)アクリル酸アルキルエステルよりなる群から選択されるモノマーであり;そしてYが一酸化炭素、二酸化硫黄、アクリロニトリル、無水マレイン酸、マレイン酸ジエステル、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、マレイン酸モノエステル、イタコン酸、フマル酸、フマル酸モノエステルおよびそれらの塩、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジルおよびグリシジルビニルエーテルよりなる群から選択される一種以上の追加コモノマーであり;Xが前記E/X/Yコポリマーの0重量%〜50重量%であり、Yが前記E/X/Yコポリマーの0重量%〜35重量%であり、XおよびYの重量%が両方とも0であることはなく、そしてEがその残量であり;3より大きい延伸比までポリアミドの融点未満の温度で延伸される繊維をさらに提供する。
【0015】
好ましい実施形態は、
(a)少なくとも一種のポリアミドポリマーと、
(b)0.5重量%〜10重量%の少なくとも一種のエチレン/アクリル酸アルキルコポリマーと
を含んでなる組成物から調製された溶融紡糸繊維である。
【0016】
また本発明は、前記配向溶融紡糸繊維から調製された不織物材料も提供する。
【0017】
また本発明は、前記組成物が(c)充填剤、艶消し剤、熱および紫外線安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、停止剤、蛍光増白剤、顔料ならびに他の添加剤よりなる群から選択される少なくとも一種の追加成分の0.01重量%〜20重量%をさらに含んでなるフィルム、スリットフィルムテープ、繊維(例えば溶融紡糸繊維)および不織物材料も提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明は、伸長されたポリアミドフィルムおよびテープの引張破断荷重、引張係数、粘靭性(引張破断応力)および破断点伸び(%)などの機械特性の向上、ならびに溶融紡糸ポリアミド繊維の延伸効率、曲げ疲労耐性、粘靭性および破断点伸び(%)の向上に関する。これらの向上の一種以上は、フィルムおよび繊維を調製するために使用されるポリアミド配合物中に少ないパーセント(約0.1重量%〜約20重量%、好ましくは約0.5重量%〜約10重量%、あるいは約1重量%〜7重量%)のエチレン/酢酸ビニルジポリマー、エチレン/酢酸ビニルターポリマー、エチレン/(メタ)アクリル酸アルキルジポリマー、エチレン/(メタ)アクリル酸アルキルターポリマー、官能化エチレンコポリマー、エチレン/酸コポリマーおよびそれらの塩などのエチレンコポリマーを組み入れることによって達成され得る(ポリアミド配合物は、CaCO3などの充填剤およびUV安定剤、顔料などの添加剤等から選択される他の材料を任意に含有してもよい)。エチレンコポリマーをポリアミドとブレンドすることによって、例えば溶融ポリアミド樹脂の溶融強度が増加されてポリアミド樹脂の加工性も改善される。またこれらのブレンドは、従来のポリアミドフィルムおよび繊維以上にフィルムおよび繊維に関して典型的に改善された伸長性を提供する。
【0019】
これらのブレンドから調製されるテープの延伸性も、製造の間、一般的に改善される。例えばブレンドは、テープのフィブリル化がないか、またはフィブリル化が低下された状態で延伸比を増加させる。さらに、冷却ロール上で(切り裂きの前に)キャストフィルムを冷却することによって加工されたポリアミド配合物の物理特性は、冷却水浴を使用することによって加工された配合物のものより都合が悪い。より遅い冷却によってより結晶性のフィルムが得られるため、冷却ロール上で冷却されるフィルムの伸長性は乏しい。エチレンコポリマーの組み入れは、通常、フィルムの伸長性を向上させ、そしてその後の延伸においてかかるフィルムから調製されるスリットフィルムテープのフィブリル化を克服するか、または低下させる。さらにエチレンコポリマーの組み入れによって連続性が改善され、そして/または配向フィルム加工時の破断が減少され得る。また加工間にエネルギー消費の低下がもたらされて押出機トルクを低下させる。また一般的に溶融紡糸繊維の延伸性が向上し、そして延伸された繊維の引張特性が向上する。
【0020】
上述した通り、本発明の配向フィルム、テープおよび繊維はポリアミド樹脂およびエチレンコポリマーを含んでなる。ポリアミド樹脂およびエチレンコポリマーは熱可塑性材料であり、すなわち圧力下での加熱時にそれらは流動する。
【0021】
ポリアミド(ナイロン)、特にナイロン−6は、多くの用途に使用可能なエンジニアリングポリマーである。本発明で有用なポリアミドは当業者に周知である。かかるポリアミドは一般的にラクタムまたはアミノ酸から調製されるか(例えば、ナイロン−6またはナイロン−11)、あるいはヘキサメチレンジアミンなどのジアミンとコハク酸、アジピン酸またはセバシン酸などの二塩基酸との縮合から調製される。これらのポリアミドのコポリマーおよびターポリマーも適切である。
【0022】
好ましいポリアミドとしては、限定されないが、ポリイプシロンカプロラクタム(ナイロン−6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン−66)、ナイロン−9、ナイロン−10、ナイロン−11、ナイロン−12、ナイロン−12,12ナイロン−6Iならびにナイロン−6/66、ナイロン−6/9、ナイロン−6/10、ナイロン−6/12、ナイロン−66/12、ナイロン−6/66/610およびナイロン−6/6Tなどのコポリマーおよびターポリマーが挙げられる。より好ましいポリアミドとしては、ポリイプシロンカプロラクタム(ナイロン−6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン−66)が挙げられるが、なおより好ましくはナイロン−6である。特に注目すべきは、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン6/12、ナイロン11、ナイロン12、またはナイロン6、ナイロン66、ナイロン6/12、ナイロン11およびナイロン12の二種以上のブレンドである。
【0023】
これら前記ポリアミドは好ましいポリアミドであるが、非晶質ポリアミドなどの他のポリアミドは明白に除外されない。用語「ポリアミド」は、本明細書で使用される場合、前記ポリマーのいずれかまたは全てを指すために一般的に使用される。
【0024】
適切なエチレンコポリマーはE/X/Yコポリマーであり、Eがエチレンを含んでなり、Xが酢酸ビニルおよび(メタ)アクリル酸アルキルエステルよりなる群から選択されるコモノマーであり、そしてYが、例えば一酸化炭素、二酸化硫黄、アクリロニトリル、無水マレイン酸、マレイン酸ジエステル、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、マレイン酸モノエステル、イタコン酸、フマル酸、フマル酸モノエステルおよびそれらの塩、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジルおよびグリシジルビニルエーテルなどの一種以上の追加的なコモノマーを含んでなる。
【0025】
この関係で、用語「(メタ)アクリル酸」および略語「(M)AA」はメタクリル酸および/またはアクリル酸を指す。同様に、用語「(メタ)アクリレート」および「(メタ)アクリル酸アルキル」はメタクリル酸および/またはアクリル酸のエステルを指す。
【0026】
(メタ)アクリル酸アルキルの例としては、(メタ)アクリル酸メチル(略してM(M)A)、(メタ)アクリル酸エチル(略してE(M)A)および(メタ)アクリル酸ブチル(略してB(M)A)が挙げられる。注目すべきは、エチレン/酢酸ビニルジポリマー、エチレン/酢酸ビニルターポリマー、エチレン/(メタ)アクリル酸アルキルジポリマー、エチレン/(メタ)アクリル酸アルキルターポリマー、官能化エチレンコポリマー、エチレン/酸コポリマーおよびそれらの塩である。
【0027】
一般的にXの量は、E/X/Yコポリマーの総重量を基準にして約50重量%までの範囲であり得、そして好ましくは40重量%以下である。Yの量は、E/X/Yコポリマーの総重量を基準にして約35重量%までの範囲であり得る。XおよびYの総量がゼロに等しくてはならない。言い換えると、エチレンコポリマーは好ましくはXおよび/またはYの限定量を含有する。
【0028】
Xが(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含んでなる場合、アルキル基はC1〜C10、分枝鎖または非分枝鎖、飽和ヒドロカルビル基である。C1-8アルキル基が好ましく、C1〜C6アルキル基がより好ましい。好ましくは(メタ)アクリル酸アルキルコモノマー中のアルキル基は1個〜4個の炭素原子を有する。好ましい(メタ)アクリル酸アルキルの例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチルおよびアクリル酸ブチルが挙げられる。なおより好ましくは(メタ)アクリル酸アルキルコモノマー中のアルキル基はメチルである。
【0029】
また好ましくは、(メタ)アクリル酸アルキルコモノマーは5〜35重量%、好ましくは10〜30重量%または10〜25重量%のエチレンコポリマー濃度範囲を有する。注目すべきは、エチレンコポリマーの総重量を基準にして25重量%のアクリル酸アルキルを含んでなるエチレンアクリル酸アルキルコポリマーである。本発明の特定の実施形態においてYの量はゼロである。注目すべき他の実施形態においてXの量はゼロである。
【0030】
エチレンコポリマー中に存在するXおよびYコモノマーの相対量および選択は、得られるコポリマーが熱可塑性組成物中でどのように、そしてどの程度まで極性ポリマー成分としてみなされるかということに寄与するものとしてみなされ得る。
【0031】
適切なY成分としては、限定されないが、一酸化炭素、二酸化硫黄、アクリロニトリルよりなる群から選択されるコモノマーが挙げられる。注目すべきは、エチレン/アクリル酸メチル/一酸化炭素(E/MA/CO)、エチレン/アクリル酸エチル/一酸化炭素(E/EA/CO)およびエチレン/アクリル酸n−ブチル/一酸化炭素(E/n−BA/CO)およびエチレン/酢酸ビニル/一酸化炭素(E/VA/CO)などのE/X/Yターポリマーである。
【0032】
他の適切なY成分としては(メタ)アクリル酸が挙げられる。注目すべきは、約2〜約30重量%の(M)AAを有するE/(M)AAジポリマーを含むエチレン/酸コポリマーである。これらのコポリマーは本発明の関係において、Xの重量%が0であり、そしてYが約2〜約30重量%の(メタ)アクリル酸であり、残部がエチレンであるE/X/Yコポリマーとして定義され得る。
【0033】
特定の実施形態において、エチレンコポリマーは、Eがエチレンであり、XがC1〜C8(メタ)アクリル酸アルキルエステルよりなる群から選択され、そしてYが(メタ)アクリル酸であるE/X/Yターポリマーである。適切なエチレン/酸ターポリマーとしては、エチレン/(メタ)アクリル酸n−ブチル/(メタ)アクリル酸ターポリマー、エチレン/(メタ)アクリル酸イソ−ブチル/(メタ)アクリル酸ターポリマー、エチレン/(メタ)アクリル酸メチル/(メタ)アクリル酸ターポリマーおよびエチレン/(メタ)アクリル酸エチル/(メタ)アクリル酸ターポリマーが挙げられる。
【0034】
前記エチレン/酸コポリマーは、少なくとも部分的に中和されて塩型となってもよい。アルカリ金属、遷移金属またはアルカリ土類金属カチオン、好ましくはリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムもしくは亜鉛またはこれらのカチオンの組み合わせなどの少なくとも一種のカチオンがコポリマー中の酸基のいくつかの部分を中和するために使用される。これらの中和された酸コポリマーは、一般的にイオノマー樹脂(「イオノマー」)と称される。エチレンコポリマー中の利用可能な酸部分の好ましくは少なくとも30%、あるいは少なくとも45%、あるいは少なくとも50%、あるいは少なくとも60%は中和される。
【0035】
本発明において有用なイオノマーとしては、約2〜約30重量%の(M)AAを有するE/(M)AAジポリマーから調製されるものが挙げられる。Surlyn(登録商標)という商標でE.I. du Pont de Nemours and Companyによって、ならびに「Escor」および「lotek」という商品名でExxon Corporationによって様々なイオノマー樹脂は販売されている。
【0036】
官能化エチレンコポリマーを製造するために使用可能な官能化コモノマーもE/X/Yコポリマー中のY成分として適切である。本明細書で使用される場合、用語「官能化エチレンコポリマー」は、例えば共有結合によって他の成分と反応可能な無水物およびエポキシドなどの反応性官能基を組み入れるエチレンのコポリマーを示す。特に注目すべきは、Chouに発行された米国特許第5,700,890号明細書に記載の官能化エチレンコポリマーである。
【0037】
従って適切な官能化コモノマーYとしては、例えば無水マレイン酸、ならびに例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピルおよびn−ブチルアルコールなどのC1-4アルコールのエステルを含むマレイン酸ジエステルまたはモノエステル(マレイン酸半エステル)が挙げられる。注目すべきは、無水マレイン酸を含むエチレン/マレエートコポリマーである。またマレイン酸モノエステルを含むエチレン/マレエートコポリマーも注目すべきである。エチレンコポリマーがマレイン酸の残基またはマレイン酸モノエステルを含む場合、これらの部分はそれらの塩型へと中和されてもよい。好ましいイオンおよび中和レベルはイオノマーに関して上述した通りである。注目すべきは、亜鉛イオンで中和されたマレエート化エチレンコポリマーである。また約40%のレベルまで中和されたマレエート化エチレンコポリマーも注目すべきである。エチレン、メタクリル酸およびマレイン酸モノエステルのコポリマーも注目すべきである。特に注目すべきコポリマーは、Surlyn(登録商標)という商標でDuPontから市販品として入手可能である。
【0038】
マレエート化エチレンコポリマー(マレエート化ポリエチレン)をグラフト化によって合成することもできる。本明細書に記載されるようなグラフト化E/X/Yコポリマーとしては、E成分の一部がコポリマーの密度を修正するためにブテン、ヘキセンまたはオクタンなどのエチレン以外のアルファ−オレフィンを含んでなるコポリマーが挙げられる。グラフト化無水マレイン酸変性直鎖高密度ポリエチレンの例は、Crompton Corporationから入手可能なPolybond(登録商標)3009という商標で販売される製品である。類似のマレエート化ポリオレフィンは、DuPontから入手可能なFusabond(登録商標)という商標で販売されている。代表的なグラフト化E/X/Yコポリマーは、エチレンコポリマーの総重量を基準にして約0.3〜約2重量%の範囲で無水マレイン酸が組み入れられるものである。
【0039】
無水マレイン酸などの反応性官能基を含むエチレンコポリマーは、高圧フリーラジカルプロセスによっても容易に入手可能である。かかるコポリマーの調製で使用するために適切な高圧プロセスは、例えば米国特許第4,351,931号明細書に記載されている。これは、無水マレイン酸官能化ポリマーを製造するために従来使用されるグラフト化の第2のプロセス工程を排除する。加えてこのプロセスを使用して2重量%より高レベルまで無水マレイン酸の組み入れを得ることは、グラフト化よりも簡単である。特にこのプロセスによってエチレンおよび官能性コモノマーから調製されるコポリマーは約3重量%〜約15重量%の官能性コモノマーを含んでなり得る。注目すべきは、高圧オートクレーブ中で直接合成されるエチレン/無水マレイン酸(E/MAH)、エチレン/マレイン酸水素エチル(別名エチレン/マレイン酸モノエステルまたはE/MAME)コポリマーおよびE/MMA/MAMEコポリマーなどのコポリマーである。
【0040】
アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジルまたはグリシジルビニルエーテル(すなわち2,3−エポキシ−1−プロパノールから誘導された部分を含有するコモノマー)などのエポキシ官能化コモノマーも本発明において有用なE/X/Yコポリマー中のY成分として適切である。
【0041】
本発明において有用な好ましいエポキシ官能化コポリマーは式E/X/Yによって表され得、式中、Eはエチレンから誘導されたコポリマー単位−(CH2CH2)−であり;Xはコポリマー単位−(CH2CR12)−であって、R1が水素またはメチルであり、そしてR2が1〜10個の炭素原子のカルボアルコキシ(例えばXはアクリル酸アルキル、メタクリル酸アルキルから誘導される)またはアセチルオキシであり;そしてYはコポリマー単位−(CH2CR34)−であって、R3が水素またはメチルであり、そしてR4がカルボグリシドキシまたはグリシドキシ(例えばYはアクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジルまたはグリシジルビニルエーテルから誘導される)である。
【0042】
本発明の本実施形態に関して好ましく、有用なE/X/Yコポリマーは、Xが前記E/X/Yコポリマーの5〜50重量%であり、Yが前記E/X/Yコポリマーの0.3〜15重量%であって、Eがその残部であるものである。
【0043】
より好ましくは、グリシジル部分(例えば、アクリル酸グリシジルまたはメタクリル酸グリシジル)を含有するコモノマーは、エポキシ官能化エチレンコポリマーの総重量の約0.3(または約0.5)重量%〜約8(または約10)重量%であり、そしてアクリル酸アルキルは約5〜約40(好ましくは約20〜約40または約25〜約35)重量%である。
【0044】
注目すべきは、エチレン/アクリル酸メチル/メタクリル酸グリシジル(E/MA/GMA)、エチレン/アクリル酸エチル/メタクリル酸グリシジル(E/EA/GMA)およびエチレン/アクリル酸n−ブチル/メタクリル酸グリシジル(E/n−BA/GMA)などのコポリマーである。
【0045】
またエポキシド含有モノマー、より好ましくはグリシジル含有モノマーがモノマーの同時反応によって反応物コポリマー中に組み入れられ、そしてグラフト重合によってポリマー上にグラフト化されないことも好ましい。
【0046】
オートクレーブまたは管型反応器のいずれかを使用するポリマー分野で周知のプロセスによって、適切なエチレン/(メタ)アクリル酸アルキルコポリマーを調製することができる。オートクレーブ中での連続プロセスとして共重合を実行可能であり:エチレン、(メタ)アクリル酸アルキルおよび任意にメタノールなどの溶媒(米国特許第5,028,674号明細書を参照のこと)を開始剤と一緒に米国特許第2,897,183号明細書に開示される種類の撹拌オートクレーブ中に連続的に供給する。添加速度は、重合温度、圧力、利用された(メタ)アクリル酸アルキルモノマー、コポリマーの目標の組成物を達成するために必要とされる反応混合物中のモノマーの濃度などの変数に依存し得る。いくつかの場合、分子量を制御するためにプロパンなどのテロゲンを使用することが望ましい。反応混合物を連続的にオートクレーブから除去する。反応混合物を反応容器から除去した後、従来の手段、例えば減圧および高温下で非重合材料および溶媒を蒸発させることによってコポリマーを未反応モノマーおよび溶媒(溶媒が使用される場合)から分離する。
【0047】
「管型反応器で製造された」エチレンコポリマーは、管型反応器で高圧および高温で製造されるエチレンコポリマーであって、そしてオートクレーブで製造されたエチレン/アクリル酸アルキルコポリマーたよりも硬質で弾性である。当該分野で一般的に認識されるように、かかる管型反応器共重合技術によってポリマー骨格に沿ってより高い相対不均質度(よりコモノマーのむらのある(blocky)分布)を有するコポリマーが製造され得、これは長鎖分枝の存在を低下させる傾向があり、そして高圧撹拌オートクレーブ反応器において同一コモノマー比で製造されるものよりも高い融点を特徴とするコポリマーが製造され得る。管型反応器で製造されたエチレン/(メタ)アクリル酸アルキルコポリマーはDuPontから市販品として入手可能である。
【0048】
米国特許第3,350,372号明細書;同第3,756,996号明細書;および同第5,532,066号明細書に開示されるようにコモノマー置換がコモノマーの複数ゾーン導入によって達成される一連のオートクレーブ反応器において同様のエチレン/(メタ)アクリル酸アルキルコポリマー材料を製造可能であり、そしてこれらの高融点材料は本発明の目的のため同等と考えてよい。
【0049】
本発明で使用されるエチレン/(メタ)アクリル酸アルキルコポリマーのグレードの具体的な選択は、変性剤およびポリアミドのメルトインデックス、エチレン/アクリル酸アルキルコポリマーおよびポリアミドのそれぞれの軟化点と相対的な配合されたブレンドの延伸温度、ならびに所望の延伸プロフィール(延伸速度および延伸比)などの釣り合いの要因によって影響され得る。考慮される他の要因としては、充填剤とより容易にブレンドされるように、より高い相対的分子量コポリマー(例えば0.7MIを有するE/25重量%MA)に関する増加された弾性回復および相対的に低分子のコポリマー(例えば8MIを有するE/20重量%MA)のプラグマティック(pragmatic)能力が挙げられる。注目すべきは、2のメルトインデックス(MI)を有する24重量%アクリル酸メチルを含んでなるEMAおよび8のMIを有する20重量%アクリル酸メチルを含んでなるEMAである。
【0050】
本発明において有用な組成物は、任意にCaCO3などの充填剤、ならびにTiO2などの艶消し剤、熱および紫外線(UV)安定剤、UV吸収剤、帯電防止剤、停止剤、蛍光増白剤、顔料またはポリアミドフィルムおよび溶融紡糸繊維の分野で慣例の他の添加剤などの他の添加剤をさらに含んでもよい。これらの従来成分は、一般的に0.01〜20重量%または0.1〜15重量%の量で本発明の組成物中に存在し得る。
【0051】
ポリアミドおよびエチレンコポリマーを含んでなる組成物中へのかかる従来成分の任意の組み入れは、いずれかの既知のプロセスによって実行可能である。例えば乾燥ブレンドによって、様々な成分の混合物の押出によって、従来のマスターバッチ技術、添加剤濃縮物の添加、ポリマー担体に混合された充填材などの添加剤の添加等によって、このような組み入れを実行可能である。典型的なマスターバッチは75〜90重量%のCaCO3を含んでなり得る。注目すべきは、CaCO3およびエチレンコポリマーを含んでなるマスターバッチの使用である。添加剤の適切なレベルおよびポリマー組成物中へのそれらの組み入れ方法に関するさらなる情報は、標準参照文献に見出され得る。
【0052】
本発明のフィルム、テープおよび繊維の粘靭性、引張破断荷重、破断点伸びおよびデニールなどの機械特性は、以下を含む様々なパラメータを調節することによって釣り合わせることが可能である。
・樹脂配合物デザイン(ベース樹脂、添加されるCaCO3、UV安定剤、顔料などの添加剤のレベルおよび種類);
・使用されるエチレンコポリマーの量および種類;
・プロセス装置(急冷、切り裂き、延伸およびアニーリング配置);ならびに
・プロセス条件(押出機スクリュー配置、温度プロフィールおよびポリマー処理量、伸長およびアニーリング温度およびプロフィール、ライン速度等)。
【0053】
典型的にフィルムまたは繊維を調製するための製造設備は、装置およびプロセス条件を修正するための限定的な能力を有し得る。従って本明細書に記載のポリアミド樹脂のエチレンコポリマー変性は、コスト修正を導入することなく調製されるポリアミドフィルム、テープおよび繊維の機械特性における著しい改善を提供可能である。
【0054】
本明細書に記載の熱可塑性組成物は、熱可塑性組成物のために適切であるプロセス手段のいずれかによるフィルムの調製のために適切である。押出プロセスは最も典型的な方法である。フィルムは収縮フィルムを含む多種多様な包装用途において、およびスリットフィルムテープを調製するために有用である。
【0055】
本発明の目的に関して、フィルムは単層または多層ポリマーフィルムであり得る。多層フィルムは、例えば、他の層の存在がポリアミドおよびエチレンコポリマーを含んでなる層の好ましい特性を打ち消さないことを条件として、本発明のフィルムおよび繊維を定義するポリアミドおよびエチレンコポリマーを含んでも含まなくてもよい結合層を含む二層以上の層を含んでなる。例えばキャスティングまたは同時押出による多層フィルム構造の形成方法は当該分野で周知である。当該分野において一般的に実行される様々な添加剤が多層フィルム構造のいずれかの層に存在し得るが、ただし再び、それらの存在が本発明のフィルムの特性を打ち消さないことを条件とする。従って、酸化防止剤および熱安定剤、紫外線(UV)光安定剤、顔料および染料、充填剤、艶消し剤、抗スリップ剤、可塑剤、他のプロセス助剤等などの様々な添加剤が都合よく利用され得ると考えられる。
【0056】
本発明のフィルムは、当業者に既知の実質的にいずれの押出プロセス方法によっても製造可能である。例えば、いわゆる「ブローンフィルム」または「フラットダイ」法を使用して前記組成物を押出することによって第1のフィルムは製造され得る。環状ダイを通してポリマー組成物を押出し、そして得られた管型フィルムを空気流によって膨張させてブローンフィルムを提供することによって、ブローンフィルムを調製する。キャストフラットフィルムは、フラットダイを通して組成物を押出することによって調製される。ダイから出たフィルムを内部循環流体を含有する少なくとも1本のロール(冷却ロール)によって、または水浴によって冷却して、キャストフィルムを提供する。本発明のフィルムは、例えば約60cm(2フィート)の幅を有する。
【0057】
フィルムの即時急冷またはキャスティング後、本発明のフィルムをさらに配向することができる。このプロセスは、溶融ポリマーの層流を押出する工程と、押出物を急冷する工程と、急冷された押出物を少なくとも一方向で配向する工程とを含んでなる。「急冷された」という用語は本明細書で使用される場合、固体フィルム材料を得るためにその融点未満で実質的に冷却される押出物を説明する。
【0058】
フィルムは一軸配向されてもよいが、機械特性および物理特性の満足な組み合わせを達成するためにフィルムの平面の2つの相互に垂直な方向で延伸することによって好ましくは二軸配向される。都合よく、ニートポリアミドの融点未満の温度で本発明のフィルムを延伸してよい。延伸比は一般的に約2:1以上、約3:1以上、約4:1以上または約6:1以上であってよい。延伸比は3:1〜約16:1の範囲にあってよく、いくつかの組成物の典型的な延伸比は約4:1〜約10:1であってよい。
【0059】
当業者は、フィルムを二軸配向する場合、一般的に両軸に沿って最大の可能な延伸比に到達することは不可能であることを知っている。従って、本明細書において、二軸配向フィルムの延伸比は各軸に沿う延伸比の積として定義される。
【0060】
また当業者は、エチレンコポリマー添加の有益な影響が最良に観測され得る相対的に大きい延伸比で延伸することができるように、ポリアミドの適切な湿分条件が必要とされ得ることも既知である。
【0061】
一軸または二軸伸長フィルムへの配向および伸長装置は当該分野で既知であり、そして本発明のフィルムを製造するために当業者によって適応されてよい。かかる装置およびプロセスの例としては、例えば米国特許第3,278,663号明細書;同第3,337,665号明細書;同第3,456,044号明細書;同第4,590,106号明細書;同第4,760,116号明細書;同第4,769,421号明細書;同第4,797,235号明細書および同第4,886,634号明細書に開示されるものが挙げられる。
【0062】
本発明のブローンフィルムをダブルバブル押出プロセスを使用して配向してもよい。ここで同時二軸配向は、第1の管を押出し、これをその後急冷し、再加熱し、次いで内部気体圧によって膨張して横断配向を誘導して、そしてディファレンシャルスピードニップまたはコンベアローラーによって縦配向が誘導され得る速度で延伸することによって実行され得る。
【0063】
配向ブローンフィルムを得るためのプロセスはダブルバブル技術として当該分野において既知であり、そして米国特許第3,456,044号明細書に開示されるように実行可能である。第1の管を環状ダイから溶融押出する。結晶化を最小にするため、このように押出された第1の管を迅速に冷却する。次いで、それを(例えば水浴によって)その配向温度まで加熱する。フィルム製作装置の配向ゾーンにおいて、両方向で好ましくは同時に膨張が生じるような温度で第2の管がインフレーションによって形成され、それによってフィルムが横断方向で放射状に膨張し、そして縦方向で引っ張られるか、または伸長され;このような管の膨張は延伸点における厚さの急減少によって達成される。次いで、ニップロールを通して再び管型フィルムを平坦化させる。フィルムを補強すること、およびアニーリング工程を施すことが可能であり(熱固定化)、この工程間に、収縮特性を調節するためにもう一度加熱される。
【0064】
一実施形態において、フィルム中のポリマー鎖を押出方向に一般的に一列に整列させる押出プロセスによってフィルムが形成される。直鎖ポリマーは、高度に一軸配向された後、配向方向において著しい強度を有するが、横断方向では強度が低い。このような整列によって押出方向においてフィルムに強度が加えられ、それはスリットフィルムヤーンの長さ寸法と一致する。あるいは、当業者に既知のブローイングプロセスによってフィルムが形成されてもよい。
【0065】
本発明の好ましいフィルムとしては、以下が挙げられる。
【0066】
好ましいもの1.Xが約5〜約35重量%の範囲で前記エチレン/アクリル酸アルキルコポリマー中に存在するアクリル酸アルキルを含んでなるフィルム。
【0067】
好ましいもの2.前記アクリル酸アルキルが約10〜約30重量%の範囲で前記エチレン/アクリル酸アルキルコポリマー中に存在する好ましいもの1のフィルム。
【0068】
好ましいもの3.前記アクリル酸アルキルがアクリル酸メチル、アクリル酸エチルおよびアクリル酸ブチルよりなる群から選択される好ましいもの2のフィルム。
【0069】
好ましいもの4.前記アクリル酸アルキルがアクリル酸メチルである好ましいもの3のフィルム。
【0070】
好ましいもの5.成分(b)が1〜7重量%の量で存在する好ましいもの1〜好ましいもの4のいずれかのフィルム。
【0071】
好ましいもの6.(c)充填剤、艶消し剤、熱および紫外線安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、停止剤、蛍光増白剤、顔料ならびに他の添加剤よりなる群から選択される少なくとも一種の追加成分の0.01〜20重量%をさらに含んでなる好ましいもの1〜好ましいもの5のいずれかのフィルム。
【0072】
好ましいもの7.追加成分(c)が0.1重量%と15重量%との間の量で存在する好ましいもの6のフィルム。
【0073】
好ましいもの8.管型反応器によって製造されたエチレン/アクリル酸アルキルコポリマーを含んでなる好ましいもの1〜好ましいもの7のいずれかのフィルム。
【0074】
注目すべきは、本明細書に記載の組成物を急冷用の冷却水浴中に押出することによって調製されるフィルムである。また本明細書に記載の組成物を急冷用の冷却ロール上へ押出することによって調製されるフィルムも注目される。また、環状ダイを通して本明細書に記載の組成物を管状ブローンフィルムへと押出して、これを空気急冷することによって調製されるフィルムも注目される。特に注目すべきは、少なくとも一種のエチレン/アクリル酸アルキルコポリマーによって変性されたポリイプシロンカプロラクタム(ナイロン−6)を含んでなる二軸配向フィルムである。
【0075】
本発明は、本発明のフィルムから調製されるスリットフィルムテープも提供する。好ましいテープは前記好ましいフィルムから調製されるものである。急冷後および切り裂き前にフィルムを延伸してよい。しかしながら、好ましくは巻き上げる前に第1の非配向フィルムを切り裂いてテープにし、これを延伸する。支持フレームと;それぞれが対立する切断刃および対立する端部を含む複数の実質的に平面な切断ブレードと;支持フレームに切断ブレードを取り付けるための取り付け構造と;支持フレームに結合され、そしてブレードの暴露された切断刃上で下流方向にフィルムを供給するように配列された供給ロールとを含んでなる切り裂き装置でスリットフィルムテープを製造することができる。取り付け構造は、切断ブレードを実質的に一列に整列させて平行になるように、そして間隔をあけて取り付けるように配列される。ここでブレードは、各ブレードが切断のために暴露された切断刃の1つを有するように取り付けられ、そして隣接するブレードの切断刃は互いに間隔をあけている。
【0076】
上述した通りフィルムを切り裂いてテープにした後に、延伸操作を促進するためにフィルムを軟化するために有効な温度まで加熱されたオーブンにおいて、3〜6メートル(10〜20フィート)の範囲で延伸操作を実行する。典型的に生じることは、オーブンを通過する経路の開始においてフィルムは冷たく、そしてオーブンを通過すると次第に加熱されて軟化するということである。オーブンへの入口から特定の距離にあるネックラインでネッキングが生じる。ネッキングゾーンの場所は、伸長速度、オーブンの温度、ならびにフィルム材料の性質および厚さを含む多くの要因に依存する。典型的な予備伸長テープは、例えば約120ミクロンの厚さおよび約3cm〜約15cmの幅を有し得る。伸長後に、最終テープは約30〜50ミクロンの厚さおよび約1cm〜約5cmの幅を有する。特定の目的のためにテープをより幅広く、またはより狭く製造することができる。都合よく、ニートポリアミドの融点未満の温度で本発明のテープを延伸してよい。スリットフィルムテープを延伸することから得られる配向繊維は、本明細書において、「スリットフィルム繊維」と称される。
【0077】
延伸比は一般的に約2:1以上、約3:1以上、約4:1以上または約6:1以上であってよい。延伸比は3:1〜約16:1の範囲であってよく、そしていくつかの組成物に関する典型的な延伸比は約4:1〜約10:1であってよい。縦の延伸が生じる距離は、使用される技術によって異なり得る。短距離の延伸では、数インチの距離で伸長が生じ、他の技術ではより長い距離を伴う。
【0078】
上述した通り、遠心紡糸、溶融紡糸、スパンボンディングおよび溶融ブローイングを含む押出プロセスから直接繊維を調製することもできる。
【0079】
遠心紡糸において、迅速回転供給源からポリマー溶融が促進される時に繊維が形成される。炉からの溶融材料を回転スピナー中に転送し、そして遠心力が紡績デバイスの側面の小さい穴を通して材料を押出する時に繊維が製造される。
【0080】
溶融紡糸において、紡糸口金を通しての押出のために繊維形成物質を溶解し、次いで冷却によって直接凝固させる。溶融紡糸繊維は、異なる断面形状(円形、三葉、五葉、八葉等)の紡糸口金から押出可能である。制御された温度および速度で運転している回転ロールの組の周囲の移動スレッドラインをラッピングすることによって、インライン延伸は実行される。具体的な溶融紡糸プロセスおよびその後のプロセス工程次第で、モノフィラメント、ヤーン、トウまたは不織物(例えばスパンボンド)として製品を回収することができる。溶融紡糸繊維に関する一般的な参照に関しては、Fibers from Synthetic Polymers,Rowland Hill編,Elsevier Publishing Co.,NY,1953を参照のこと。
【0081】
スパンボンディングは、それらが溶融紡糸される時に繊維からの不織物材料ウェブの直接配置(laydown)である。紡糸口金を通して連続的フィラメントが押出されて、促進され(ロールまたはジェットによって)、そして不織物シートを形成するために移動ベルト上へ配置される。溶融繊維クロスオーバー点でボンディングが生じる。
【0082】
メルトブローイングはもう1つの直接配置プロセスであり、ここでは繊維がダイ先端を通して押出され、加熱された高速空気によって減衰(および破砕)され、そして移動ベルトまたはスクリーン上へ析出されて、微細(低デニール)繊維の織物ウェブが形成される。
【0083】
スパンボンド(S)およびメルトブローン(M)材料ウェブは、形成後、カレンダー加工によってさらに結合可能であり、そして/またはパターン化可能である。複数の層状不織物(例えばSMS、SMMS、SMMMS)も本発明の繊維から調製可能である。
【0084】
本発明は、前記組成物から調製される配向溶融紡糸繊維をさらに提供する。好ましい配向溶融紡糸繊維としては以下が挙げられる。
【0085】
好ましいものA.Xが約5〜約35重量%の範囲で前記エチレン/アクリル酸アルキルコポリマー中に存在するアクリル酸アルキルを含んでなる繊維。
【0086】
好ましいものB.前記アクリル酸アルキルが約10〜約35重量%の範囲で前記エチレン/アクリル酸アルキルコポリマー中に存在する好ましいものAの繊維。
【0087】
好ましいものC.前記アクリル酸アルキルがアクリル酸メチル、アクリル酸エチルおよびアクリル酸ブチルよりなる群から選択される好ましいものBの繊維。
【0088】
好ましいものD.前記アクリル酸アルキルがアクリル酸メチルである好ましいものCの繊維。
【0089】
好ましいものE.成分(b)が1〜7重量%の量で存在する好ましいものA〜好ましいものDのいずれかの繊維。
【0090】
好ましいものF.(c)充填剤、艶消し剤、熱および紫外線安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、停止剤、蛍光増白剤、顔料ならびに他の添加剤よりなる群から選択される少なくとも一種の追加成分の0.01〜15重量%をさらに含んでなる好ましいものA〜好ましいものEのいずれかの繊維。
【0091】
好ましいものG.少なくとも一種の追加成分(c)が0.1重量%と5重量%との間の量で存在する好ましいものFの繊維。
【0092】
好ましいものH.前記組成物が管型反応器によって製造されたエチレン/アクリル酸アルキルコポリマーを含んでなる好ましいものA〜好ましいものGのいずれかの繊維。
【0093】
特に注目すべきは、Yが無水マレイン酸、マレイン酸またはマレイン酸ジエステルもしくはモノエステルなどの官能化コモノマーである繊維である。好ましくは、存在する場合、マレイン酸またはその半エステルの残基は少なくとも部分的に中和されて、イオノマーを形成する。好ましいカチオンおよび中和レベルは上述した通りである。またSurlyn(登録商標)という商標でDuPontからイオノマーの形態で入手可能なコポリマーであるE/MAA/MAMEを含んでなる繊維も注目すべきである。
【0094】
不織物、織物または編物材料を前記繊維から調製可能である。好ましい不織物、織物または編物材料は前記好ましい繊維から調製される。
【0095】
スリットテープ繊維を含む本明細書で記載されるように調製された繊維は、コード、よりひもまたはロープの調製のために有用である。例えば、ねじり、編組、インターレース等によって多くの繊維が結合され、コードが形成される。一般的に、よりひもはロープより低い数の繊維を含有し、かつ直径がより小さい。これらのコード、よりひもまたはロープは概円形であっても、または横断面が平坦化されていてもよい。コードおよびよりひもを靴ひも、バッグ、ブリーフケース等用のストラップに使用することができ、そして包装用途で使用可能である。ロープを多種多様な工業用途および海洋用途に使用可能である。またコード、よりひもおよびロープは、例えば漁網、貨物用網等などの相対的に開放構造を有する網織物を調製するためにさらにインターレース加工(例えば編み)されてもよい。
【0096】
本発明のスリットテープ繊維を、カーペットタフティング、人工芝、マット材料等用のモノフィラメント繊維として使用可能である。それらはまたストラッピングとしても使用可能である。接着剤が適用される場合、家具の、または材料を結合するためのストラッピングなどの用途のための接着剤テープとしてそれらを使用可能である。
【0097】
前記スリップテープ繊維または溶融紡糸繊維から織物または編物材料を調製可能である。一般的に、織物布は編物布より密接な構造体を有し得る。本明細書に記載されるように調製されたポリアミドヤーンから布を織込み、これをフィルター、ターポーリン、セイル、ボートトップ、カバー、オーニング、テント、脱出スライド、キャノピー、バナー、構造体(例えばルーフィング)膜、マシンベルト、荷物またはパッケージ用ライナー、重包装サッキング、カーペットバッキング、ブックカバー、履物、家具用、自動車用、ボート用、航空機用等の室内装飾材料、衣服、アグロテキスタイル(種子防除用、雑草防除用、ガーデニング用、温室用およびサイロ用)およびジオテキスタイル(浸食制御用および土壌制御用)などの用途で使用することができる。編物布は、食料雑貨、薪等などのかさばる材料の運搬用サッキング;ならびに構造体および産業用網として使用可能である。
【0098】
本発明による織物布は、より低いスリップ傾向を有し、それは特に重包装サッキングの製造において有用である。
【0099】
本発明の不織布は帽子、ガウン、ブーティおよびマスクを含む個人保護装置等などの医療用衣服、ドレープ、カバー、ブランケット等などの衛生保護用品、パッケージング、耐久性ペーパー、ワイプ、ラップ、バナー、ジオテキスタイル、アグロテキスタイル、室内装飾材料、衣服、フィルター、ライナー、建築物の熱および湿気制御用構造体ラップまたはルーフィング膜において使用可能である。
【0100】
ジオテキスタイルは砂利および舗装層の下の道路に使用されて、道路の特質を改善する。ジオテキスタイル布は典型的に幅約2.5mmを有するポリアミドテープを織込むことによって製造される。また溶融紡糸繊維から誘導されたスパンボンド不織物材料からジオテキスタイルを調製する。ジオテキスタイルの収縮要求条件はカーペットバッキングほど厳密ではない。しかしながら、ジオテキスタイルに関して穿孔耐性が望ましい。
【実施例】
【0101】
以下の実施例は単なる実例であり、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0102】
実施例1〜9
ナイロン66組成物からフィルムを押出機キャスティングし、そして高温で配向した。次いで引張特性を室温で評価した。本明細書で報告されるメルトインデックス(MI)は、ASTM 1238に従って、190℃で2160g重量を使用して決定された。値はグラム/10分の単位で報告される。
【0103】
使用された材料
PA−1:カナダのINVISTAから入手可能であるナイロン66(ポリヘキサメチレンアジパミド)ホモポリマー(RV=50)。
EMA−A:DuPontから入手可能である8g/10分のMI(ASTM D−1238、190℃、2.16Kg質量を使用)を有する20%アクリル酸メチルによるエチレン/アクリル酸メチルコポリマー。
【0104】
樹脂配合物
比較例C1およびC2:PA−1(100%)
実施例1〜5:PA−1(97.5重量%)+EMA−A(2.5重量%)
実施例6〜9:PA−1(95重量%)+EMA−A(5重量%)
【0105】
試料をWerner & Pfleiderer、ZSK−83 R 240、直径83mm、二軸スクリュー押出機で混合し、約500kg/時間で84−インチ(2.13m)コート−ハンガーダイを通して押出し、そして1分あたり約113フィートで65℃の温度で冷却ロール上にキャスティングし、厚さ4ミルのアズ−キャスト(as−cast)フィルムが得られた。押出機トルクを最大押出機トルクのパーセンテージとして測定した。これは加工性およびエネルギー消費の指標として役立つ(表1)。次いでフィルムを1.7mの仕上げ幅に一直線に切り裂いた。キャスティングラインは、溶融物の冷却のための冷却ロール、応力除去のためにフィルムを再加熱するためのアニーリングロールおよび巻き上げの前に室温までフィルムを戻すための冷却ロールの3本の主要プロセスロールを有する。冷却ロールと接触させる前、押出機からの溶融物は約275〜280℃でダイを出た。
【0106】
表1

【0107】
表1は、本発明に従って変性されたポリアミドを低トルクで押出機から加工することができることを示す。
【0108】
その後、キャストフィルムを6本の主要プロセスロールからなる幅94インチ、一軸オフライン配向機で延伸した。これらの6本は温度制御のための熱伝達流体循環によって二重壁構造であった。ロール全表面で温度は±2℃の範囲内で制御された。最初の2本のロールはガラス転移温度より高い温度にフィルムを再加熱するためのものであった。第3のロール(低延伸ロール)は115℃に保持され、第4のロール(高延伸ロール)は155℃に保持され、第5のロールはアニーリングロールまたは熱固定ロールであり、そして第6のロールはフィルムを室温に戻すための冷却ロールであった。第3のロールと第4のロールとの間の間隙は約0.064インチ(1.6mm)であった。
【0109】
次いでASTMD−882およびASTMD−638に従って室温で配向フィルムを伸長することによって(2インチ(5cm)/分のクロスヘッド速度で4インチ(10cm)試験片)、引張特性を測定した。結果を表2に報告する。ここで、YSとは降伏応力を示し、BSは破断応力を意味し、SABは破断点歪みを示し、そして丸括弧中の数字は標準偏差である。
【0110】
表2

【0111】
これらの結果は、未変性ポリアミドよりも高い延伸比まで変性ポリアミドのフィルムを延伸することが可能であり、室温での試験時に、改善された機械特性がもたらされることを示す。推論して、一定の延伸比で操作されるプロセスでは、未変性ポリアミドの相当するフィルムよりも少ない破断(より高い降伏)を伴って、変性ポリアミドのフィルムを延伸することが可能であろう。
【0112】
実施例10
ナイロン6組成物からフィルムを調製した。フィルムからテープを切断し、次いで高温でこれらを延伸した。次いで引張特性を室温で評価した。
【0113】
使用された材料
PA−2:BASFからUltramid B35として入手可能であるナイロン6ホモポリマー。
EMA−B:DuPontから入手可能である2g/10分のMI(ASTM D−1238、190℃、2.16Kg質量を使用)を有する24%アクリル酸メチルによるエチレン/アクリル酸メチルコポリマー。
【0114】
樹脂配合物
比較例C3:PA−2(100%)
実施例10:PA−2(97.5%)+EMA−B(2.5%)
【0115】
試料を28mm二軸スクリュー押出機で混合し、コート−ハンガーダイを通して押出し、そして冷却ロール上に急冷キャスティングして厚さ5〜6ミルのフィルムを得た。押出の間にポリアミドへEMA−Bを添加すると、未変性ポリアミドと比較して、押出機によって流されるアンペア数が16ampsから12ampsに低下し、そして押出機中の圧力は780psiから680psiに低下した。これらの結果は、本発明に従って変性されたポリアミドが加工間のエネルギー消費を低下させ得ることを示す。
【0116】
縦方向でフィルムから1/4インチ幅(6mm)のテープを切断した。2時間以内に、50℃に維持されたオーブンを装備した引張試験機で1分あたり2,000%の比率で最初の長さの4倍(4×)以上まで、これらのテープを延伸した。次いで室温で1分あたり100%で伸長することによって引張特性を測定した。4試料の平均として表3に報告する。
【0117】
表3

【0118】
これらの結果は、高温で延伸されて室温で試験されたフィルムの機械特性は、本発明に従って変性されたポリアミドを使用することによって改善されたことを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)少なくとも一種のポリアミドポリマーと(b)少なくとも一種のE/X/Yコポリマーとを含んでなる組成物を含んでなるか、またはそれから調製された物品であって、
前記物品が配向フィルムまたは配向繊維であり;
前記E/X/Yコポリマーが組成物の0.1重量%〜20重量%または0.1重量%〜15重量%または0.5重量%〜10重量%で存在し;
前記E/X/Yコポリマーが好ましくはコポリマー中に存在する約5重量%〜約35重量%または約10重量%〜約30重量%のアクリル酸アルキルを含み;
Eがエチレンを含んでなり;
Xが酢酸ビニルおよび(メタ)アクリル酸アルキルエステルよりなる群から選択される一種以上のモノマーであり;
Yが一酸化炭素、二酸化硫黄、アクリロニトリル、無水マレイン酸、マレイン酸ジエステル、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、マレイン酸モノエステル、イタコン酸、フマル酸、フマル酸モノエステルおよびそれらの塩、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジルおよびグリシジルビニルエーテルよりなる群から選択される一種以上のコモノマーであり;そして
XがE/X/Yコポリマーの0重量%〜50重量%であり、YがE/X/Yコポリマーの0重量%〜35重量%であり、XおよびYの重量%が両方とも0であることはなく、そしてEがその残量である物品。
【請求項2】
前記アクリル酸アルキルがアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルまたは二種以上のそれらの組み合わせであり、好ましくはアクリル酸メチルである請求項1に記載の物品。
【請求項3】
(c)充填剤、艶消し剤、熱および紫外線安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、停止剤、蛍光増白剤、顔料ならびに他の添加剤よりなる群から選択される少なくとも一種の追加成分の0.01重量%〜20重量%または0.1重量%〜15重量%または1重量%〜7重量%をさらに含んでなる請求項1または2に記載の物品。
【請求項4】
前記組成物が管型反応器によって製造されたエチレン/アクリル酸アルキルコポリマーを含んでなる請求項1、2または3のいずれか一項に記載の物品。
【請求項5】
前記ポリアミドがポリイプシロンカプロラクタム、ポリヘキサメチレンアジパミドまたは両方を含んでなる請求項1、2、3または4のいずれか一項に記載の物品。
【請求項6】
前記ポリイプシロンカプロラクタムと少なくとも一種のエチレン/アクリル酸アルキルコポリマーとを含んでなる二軸配向フィルムである請求項5に記載の物品。
【請求項7】
3以上または約4:1〜約10:1の延伸比でポリアミドの融点未満の温度での延伸によって調製される請求項1、2、3、4、5または6のいずれか一項に記載の物品。
【請求項8】
請求項1、2、3、4、5、6または7のいずれか一項に記載の物品である配向フィルムを含んでなるか、その切り裂きによって製造されるテープ。
【請求項9】
請求項8に記載のテープの熱延伸および任意にアニーリングによって調製される配向繊維。
【請求項10】
溶融紡糸繊維の配向繊維である請求項1、2、3、4、5、6または7のいずれか一項に記載の物品。
【請求項11】
Yが無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸のジエステルもしくはモノエステル、またはマレイン酸の塩もしくはそのモノエステルもしくはそのジエステルを含んでなり、そしてポリアミドポリマーがナイロン6、ナイロン66、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12またはそれらの二種以上のブレンドを含んでなる請求項10に記載の物品。
【請求項12】
請求項1、2、3、4、5、6、7、10または11のいずれか一項に記載の物品である配向繊維を含んでなるか、またはそれから調製された不織物、織物または編物材料。

【公表番号】特表2007−529573(P2007−529573A)
【公表日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−502020(P2007−502020)
【出願日】平成17年3月4日(2005.3.4)
【国際出願番号】PCT/US2005/007118
【国際公開番号】WO2005/087868
【国際公開日】平成17年9月22日(2005.9.22)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】