説明

エナンチオマー的に純粋なシクロアルカノ−インドール−、アザインドール−またはピリミド[1,2a]インドール−カルボン酸の中間体

【課題】 本発明は、エナンチオマー的に純粋なシクロアルカノインドールカルボン酸またはアザインドールカルボン酸またはピリミド[1,2a]インドールカルボン酸の製造に有利に使用できる化合物も提供。
【解決手段】 一般式(IV)
【化1】


[式中、
Tは、炭素原子数が4から12のシクロアルキルを表すか、或は炭素原子数が12以下の線状もしくは分枝アルキルを表し、そして
は、D−もしくはL−メンチル基またはt−ブチルを表す]
で表される化合物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗アテローム性動脈硬化活性を示すシクロアルカノインドール誘導体およびアザインドール誘導体およびピリミド[1,2a]インドール誘導体の合成において重要な中間体として用いることのできる化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
このような化合物は、代表的には、エナンチオマー的に純粋な(enantiomerically pure)シクロアルカノ−インドールカルボン酸およびアザインドールカルボン酸およびピリミド[1,2a]インドールカルボン酸およびそれらの活性化(activated)誘導体を製造する方法に使用できる。このエナンチオマー的に純粋なシクロアルカノ−インドールカルボン酸およびアザインドール−カルボン酸およびそれらの活性化誘導体は通常方法、例えばクロマトグラフィーまたは分別晶析などによるジアステレオマー(diastereomeric)分離で相当するエナンチオマーに分離可能であることは公知である。
【0003】
そのような方法は下記の如き欠点を数多く有する:クロマトグラフィーによるジアステレオマー分離およびジアステレオマーの分別晶析は両方とも高い装置要求を伴う。加うるに、このようなケースでは、「悪質」なジアステレオマーが一般に50%生じ、これはもはや元の調製過程に再循環不能である。
【0004】
このように収率が50%失われると、「副生成物」を50%処分する必要があること以外に、(大)産業規模工程の経済効率がかなり悪化する。更に、キラリティーを持つ(chiral)通常の補助試薬は一般に少量でも非常に高価であり、その上、これを調製することができるとしても通常複雑な合成路によってのみである。
【0005】
ここに、一般式(I)
【0006】
【化1】

[式中、
Aは、式
【0007】
【化2】

で表される基を表し、これらの基中の、
A、D、E、G、LおよびMは、同一もしくは異なり、水素、ハロゲン、トリフルオロメチル、カルボキシル、ヒドロキシル、各々の炭素原子数が6以下の線状もしくは分枝アルコキシもしくはアルコキシカルボニル、または炭素原子数が6以下の線状もしくは分枝アルキルを表し、ここで、これら自身ヒドロキシルでか或は炭素原子数が4以下の線状もし
くは分枝アルコキシで置換されていてもよく、
およびRは、これらを連結させている二重結合を含めて一緒になって、フェニル環、ピリジル環、または式
【0008】
【化3】

で表される環を形成しており、ここで、
は、水素、または炭素原子数が4以下の線状もしくは分枝アルキルを表し、
およびRは、これらを連結させている二重結合を含めて一緒になって、フェニル環、または4員から8員のシクロアルケンもしくはオキソシクロアルケン基を形成しており、ここで、
/RおよびR/Rで挙げた環系は全部、任意に、同一もしくは異なる様式で、ハロゲン、トリフルオロメチル、カルボキシル、ヒドロキシルでか、各々の炭素原子数が6以下の線状もしくは分枝アルコキシもしくはアルコキシカルボニルでか、または自身がヒドロキシルまたは炭素原子数が4以下の線状もしくは分枝アルコキシで置換されていてもよい炭素原子数が6以下の線状もしくは分枝アルキルで、3置換まで置換されていてもよく、
Tは、炭素原子数が4から12のシクロアルキルを表すか、或は炭素原子数が12以下の線状もしくは分枝アルキルを表し、そして
Qは、ヒドロキシルまたは活性化用(activating)基を表す]
で表されるエナンチオマー的に純粋なシクロアルカノ−インドールカルボン酸およびアザインドールカルボン酸およびピリミド[1,2a]インドール−カルボン酸およびそれらの活性化誘導体およびそれらの塩類は、最初に、一般式(II)
【0009】
【化4】

[式中、
は、酸素原子と一緒になって、キラリティーを持つアルコールの残基を表す]
で表される化合物を塩基存在下の不活性溶媒中で一般式(III)
T−Z (III)
[式中、
Tは、上に示した意味を有し、そして
Zは、典型的な脱離基、例えば臭素、塩素、ヨウ素、メシル、トシルまたはトリフルオロメチルスルホニル、好適にはヨウ素または臭素を表す]
で表される化合物によるジアステレオ選択的(diastereoselective)アルキル化で一般式(IV)
【0010】
【化5】

[式中、
TおよびRは、上に示した意味を有する]
で表されるエナンチオマー的に純粋な化合物に変化させた後、これをハロゲン化で一般式(V)
【0011】
【化6】

[式中、
TおよびRは、上に示した意味を有し、そして
は、ハロゲン、例えば塩素、臭素、ヨウ素、好適には臭素を表す]
で表されるエナンチオマー的に純粋な化合物に変化させ、これをさらなる段階で一般式(VI)
A−H (VI)
[式中、
Aは、上に示した意味を有する]
で表される化合物と反応させることで一般式(VII)
【0012】
【化7】

[式中、
A、TおよびRは、上に示した意味を有する]
で表されるエナンチオマー的に純粋な化合物を生じさせ、そして
Q=OHの一般式(I)で表される化合物の場合、加水分解を実施し、そして
Q=活性化用基の場合、エナンチオマー的に純粋な酸から出発して活性化用試薬と反応させると、
得られることを見出した。
【0013】
これをさらなる段階でD−もしくはL−フェニルグリシノールと反応させると、一般式(VIII)
【0014】
【化8】

で表される化合物が生じ、これらは各場合とも薬剤で活性を示す化合物である。
【0015】
本発明に従う方法は、例として下記の図式で描写可能である:
【0016】
【化9】

【0017】
【化10】

【0018】
【化11】

本発明に従う方法では、驚くべきことに、大きな装置要求なしに非常に良好な収率および高い純度で所望のエナンチオマー的に純粋なシクロアルカノ−インドールカルボン酸およびアザインドール−カルボン酸およびピリミド−インドールカルボン酸およびそれらの活性化誘導体が得られる。
【0019】
基Rの配置と使用するハロゲン化アルキル(II)の立体効果により、化合物(II)のアルキル化が、初めて、ジアステレオ選択的に高い収率および簡潔な様式で進行する。化合物(IV)が高いジアステレオマー過剰量(diastereomeric excess)で生じて反応混合物から直接析出して来る結果として、粗生成物の簡単な晶析を行うことでも、式(IV)で表される化合物がジアステレオマー的に純粋な形態で得られる。
【0020】
本発明に従う方法のさらなる利点は、溶媒と塩基を適切に選択することによって望まれないジアステレオマーをエピメル化で所望のジアステレオマー(これは今度は直接結晶化する)にすることができる点である。このようにして、エピメル化と晶析を繰り返すことにより、母液からさらなる(望まれる)ジアステレオマー的に純粋な生成物を得ることができる。この母液をアルキル化段階に直接加えることにより、本方法全体を循環過程の形態で最適にすることができる。
【0021】
本発明に従う方法のさらなる利点は、一般式(V)で表されるハロゲン置換化合物が、驚くべきことに、カルボン酸官能に対して2位に位置する炭素原子の所でラセミ化が起こることなく、一般式(VI)で表される化合物と反応して一般式(VII)で表される化合物を与えることである。
【0022】
本発明に従う方法のさらなる利点は、カルボン酸官能に対して2位に位置する炭素原子の所でラセミ化が起こることなく、Q=活性化用基、好適には塩素である一般式(I)で表される化合物が反応して一般式(VIII)で表される化合物が生じることである。
【0023】
更に、本発明に従う方法の大きな利点は、出発化合物が非常に容易に入手可能な点である。これらは、比較的簡単な構成ブロックから良好な収率で製造可能であり、装置要求も低い。更に、本発明に従う方法では、一般式(I)で表される化合物の、多量に存在している公知ラセミ化合物を、相当するエナンチオマーに変化させることができる。本発明に従う方法では、少ない合成段階を用いて、本発明に従う一般式(I)で表される化合物を従来技術で公知の方法を用いた場合よりもかなり高い全体収率で生じさせることができる。
【0024】
この上に示した定義に関連して、Rは、キラリティーを持つアルコールの残基、例えば(+)−もしくは(−)−メンチル、(+)−もしくは(−)−ボルニル、(+)−もしくは(−)−イソボルニルまたは(−)−8−フェニルメンチルなどを表す。Rは、好適には(+)−もしくは(−)−メンチルを表す。
【0025】
本発明の文脈において、活性化用基(Q)は一般に塩化物、臭化物、メシレート、トシレートまたは三フッ化物を表す。塩化物が好適である。
【0026】
本発明に従う方法を用いて、好適には、
Aが、式
【0027】
【化12】

で表される基を表し、ここで、
A、D、E、G、LおよびMが、同一もしくは異なり、水素、フッ素、塩素、臭素、トリフルオロメチル、カルボキシル、ヒドロキシル、各々の炭素原子数が4以下の線状もしくは分枝アルコキシもしくはアルコキシカルボニル、または炭素原子数が4以下の線状もしくは分枝アルキルを表し、ここで、これら自身ヒドロキシルでか或は炭素原子数が3以下の線状もしくは分枝アルコキシで置換されていてもよく、
およびRが、これらを連結させている二重結合を含めて一緒になって、フェニル環、ピリジル環、または式
【0028】
【化13】

で表される環を形成しており、ここで、
が、水素、または炭素原子数が3以下の線状もしくは分枝アルキルを表し、
およびRが、これらを連結させている二重結合を含めて一緒になって、フェニル環、或はシクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、オキソシクロペンテン、オキソシクロヘキセン、オキソシクロヘプテンまたはオキソシクロオクテン基を形成しており、ここで、
/RおよびR/Rで挙げた環系は全部、任意に、同一もしくは異なる様式で、フッ素、塩素、臭素、トリフルオロメチル、カルボキシル、ヒドロキシルでか、各々の炭素原子数が4以下の線状もしくは分枝アルコキシもしくはアルコキシカルボニルでか、または自身がヒドロキシルまたは炭素原子数が3以下の線状もしくは分枝アルコキシで置換されていてもよい炭素原子数が4以下の線状もしくは分枝アルキルで、2置換まで置換されていてもよく、
Tが、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルを表すか、或は炭素原子数が10以下の線状もしくは分枝アルキルを表し、そして
Qが、ヒドロキシルを表すか或は活性化用基を表す、
一般式(I)で表される化合物およびそれらの塩類を製造する。
【0029】
本発明に従う方法を用いて、特に好適には、
Aが、式
【0030】
【化14】

で表される基を表し、ここで、
A、D、E、G、LおよびMが、同一もしくは異なり、水素、フッ素、塩素、臭素、トリフルオロメチル、カルボキシル、ヒドロキシル、各々の炭素原子数が3以下の線状もしくは分枝アルコキシもしくはアルコキシカルボニル、または炭素原子数が3以下の線状もしくは分枝アルキルを表し、
およびRが、これらを連結させている二重結合を含めて一緒になって、フェニル環、ピリジル環、または式
【0031】
【化15】

で表される環を形成しており、ここで、
が、水素またはメチルを表し、
およびRが、これらを連結させている二重結合を含めて一緒になって、フェニル環、或はシクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、オキソシクロペンテン、オキソシクロヘキセン、オキソシクロヘプテンまたはオキソシクロオクテン基を形成しており、ここで、
/RおよびR/Rで挙げた環系は全部、任意に、同一もしくは異なる様式で、フッ素、塩素、臭素、トリフルオロメチル、カルボキシル、ヒドロキシルでか、各々の炭素原子数が3以下の線状もしくは分枝アルコキシもしくはアルコキシカルボニルでか、または自身がヒドロキシル、メトキシまたはエトキシで置換されていてもよい炭素原子数が4以下の線状もしくは分枝アルキルで、2置換まで置換されていてもよく、
Tが、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルを表すか、或は炭素原子数が6以下の線状もしくは分枝アルキルを表し、そして
Qが、ヒドロキシルまたは活性化用基を表す、
一般式(I)で表される化合物およびそれらの塩類を製造する。
【0032】
上述した方法を用いて、非常に特に好適には、
Aが、式
【0033】
【化16】

で表される基を表し、そして
およびR=フェニル環であり、
パラ位にCH−T−COQ基を有し、そして
Q=塩素である、
一般式(I)で表される化合物およびそれらの塩類を製造する。
【0034】
一般式(II)で表される化合物のアルキル化で用いるに適切な溶媒は、反応条件下で変化しない通常の有機溶媒である。これらには、好適には、エーテル類、例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、グリコールジメチルエーテルなど、或は炭化水素、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサンまたは鉱油溜分など、或はハロゲン化炭化水素、例えばジクロロメタン、トリクロロ−メタン、テトラクロロメタン、ジクロロエチレン、トリクロロエチレンまたはクロロベンゼンなど、或は酢酸エチル、トリエチルアミン、ピリジン、ジメチルスルホキサイド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ヘキサメチル燐酸トリアミド、アセトニトリル、アセトンまたはニトロメタン、メタノールまたはエタノールなどが含まれる。上記溶媒の混合物を用いることも同様に可能である。ジメチルホルムアミドが好適である。
【0035】
このアルキル化を、大気圧下−20℃から+100℃の温度、好適には−10℃から+30℃で、適宜保護ガス雰囲気下、この上に挙げた溶媒中で実施する。
【0036】
このジアステレオ選択的アルキル化で用いるに適切な塩基は通常の塩基性化合物である。これらには、アルカリ金属の水素化物、例えば水素化ナトリウムなど、アルカリ金属のアミド類、例えばナトリウムアミドなど、アルカリ金属のアルコキサイド類、例えばナトリウムメトキサイド、ナトリウムエトキサイド、カリウムメトキサイド、カリウムエトキサイドまたはカリウム第三ブトキサイドなど、或は有機アミン類、例えばトリアルキルアミン類、例えばトリエチルアミンなど、或は有機リチウム化合物、例えばブチルリチウムまたはフェニルリチウムなどが含まれる。カリウム第三ブトキサイドが好適である。
【0037】
このジアステレオ選択的アルキル化では、上記塩基を、一般式(II)で表される化合物1モルを基準にして1モルから10モル、好適には1.2モルから3モルの量で用いる。
【0038】
一般式(IV)で表される化合物のハロゲン化で用いるに適切な溶媒は、反応条件下で変化しない通常の溶媒である。これらには、好適には、テトラクロロメタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、アセトニトリル、酢酸、硫酸、ニトロベンゼン、1,2−ジク
ロロエタン、ジクロロメタン、トリクロロメタンなどが含まれる。
【0039】
このハロゲン化では通常のハロゲン化剤、例えば臭素、塩素、NBS、NCS、ジクロロジメチルヒダントイン、ジブロモジメチルヒダントイン、トリクロロイソシアヌール酸、クロラミン−Tなどを用いるのが適切である。
【0040】
適切なフリーラジカル開始剤は、例えばAIBN、パーオキサイド類、例えばジベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、ジラウリルパーオキサイド、t−ブチルパーオキサイド、過安息香酸ブチル、過しゅう酸ジ−t−ブチル、および光化学方法などである。
【0041】
このハロゲン化を、適宜加圧下20℃から180℃の温度で、適宜保護ガス雰囲気下、この上に挙げた溶媒中で実施する。このハロゲン化を好適には70℃から130℃で実施する。
【0042】
このハロゲン化では、上記ハロゲン化剤を、一般式(I)で表される化合物1モルを基準にして活性ハロゲンが0.8モルから1.7モルになるように用いる。
【0043】
一般式(VI)で表される化合物のアルキル化で用いるに適切な溶媒は、反応条件下で変化しない通常の有機溶媒である。これらには、好適には、エーテル類、例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、グリコールジメチルエーテルなど、或は炭化水素、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサンまたは鉱油溜分など、或はハロゲン化炭化水素、例えばジクロロメタン、トリクロロメタン、テトラクロロメタン、ジクロロエチレン、トリクロロエチレンまたはクロロベンゼンなど、或は酢酸エチル、トリエチルアミン、ピリジン、ジメチルスルホキサイド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ヘキサメチル燐酸トリアミド、アセトニトリル、アセトンまたはニトロメタンなどが含まれる。上記溶媒の混合物を用いることも同様に可能である。ジメチルホルムアミド、トルエンおよびテトラヒドロフランが好適である。
【0044】
このアルキル化を、大気圧下−20℃から+100℃の温度、好適には−10℃から+30℃で、適宜保護ガス雰囲気下、この上に挙げた溶媒中で実施する。
【0045】
適切な塩基は一般に無機もしくは有機塩基である。これらには、好適にはアルカリ金属の水酸化物、例えば水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムなど、アルカリ土類金属の水酸化物、例えば水酸化バリウムなど、アルカリ金属の炭酸塩およびアルカリ金属の水素炭酸塩、例えば炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムまたは炭酸カリウムなど、アルカリ土類金属の炭酸塩、例えば炭酸カルシウムなど、或はアルカリ金属のアルコキサイドまたはアルカリ土類金属のアルコキサイド類、例えばナトリウムメトキサイドもしくはカリウムメトキサイド、ナトリウムエトキサイドもしくはカリウムエトキサイド、またはカリウム第三ブトキサイドなど、或は有機アミン類(トリアルキル(C−C)アミン類)、例えばトリエチルアミンなど、或は複素環、例えば1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(DABCO)、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセ−7−エン(DBU)、ピリジン、ジアミノピリジン、メチルピペリジンまたはモルホリンなどが含まれる。また、アルカリ金属、例えばナトリウムなど、或はそれらの水素化物、例えば水素化ナトリウムなどを塩基として用いることも可能である。炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウムおよびカリウム第三ブトキサイド、DBUまたはDABCOが好適である。
【0046】
このアルキル化では、上記塩基を、一般式(II)で表される化合物1モルを基準にして1モルから10モル、好適には1.2モルから3モルの量で用いる。
【0047】
一般式(VII)で表される化合物における、キラリティーを持つ基Rの除去では、通常の有機カルボン酸、例えば酢酸、蟻酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸など、或は無機酸、例えば臭化水素酸、塩酸または硫酸など、或は上記酸の混合物が使用に適切である。酢酸、蟻酸、臭化水素酸および/または硫酸が好適である。酢酸/硫酸の混合物、そしてまた蟻酸/臭化水素酸の混合物、そして蟻酸/硫酸の混合物が非常に特に好適である。
【0048】
上記酸またはそれらの混合物を有利には溶媒として用い、従ってこれらを大過剰量で用いる。
【0049】
この除去は0℃から+150℃、好適には40℃から100℃の温度範囲で進行する。
【0050】
これは一般に大気圧下で実施可能であるが、任意にまた大気圧以上の圧力または減圧(例えば0.5から3バール)下で行うことも可能である。
【0051】
上記酸を水中またはこの上に挙げた溶媒中、特に水/トルエン、水/イソプロパノール、水/メタノールまたは水/エタノール混合物中の塩基で中和した後、通常方法で処理を行う。
【0052】
この中和で用いるに適切な塩基は、アルカリ金属の水酸化物、例えば水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムなどである。水酸化ナトリウムが好適である。
【0053】
一般式(I)で表される化合物の活性化で用いるに適切な溶媒は、反応条件下で変化しない通常の有機溶媒である。これらには、好適には、エーテル類、例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、グリコールジメチルエーテルなど、或は炭化水素、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサンまたは鉱油溜分など、或はハロゲン化炭化水素、例えばジクロロメタン、トリクロロメタン、テトラクロロメタン、ジクロロエチレン、トリクロロエチレンまたはクロロベンゼンなど、或は酢酸エチル、トリエチルアミン、ピリジン、ジメチルスルホキサイド、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、アセトンまたはニトロメタンなどが含まれる。上記溶媒の混合物を用いることも同様に可能である。ジメチルホルムアミド、トルエンおよびジクロロメタンが好適である。
【0054】
この活性化では、通常の活性化剤、例えば塩化オキサリル、三塩化燐、五塩化燐、トリクロロイソシアヌール酸、塩化チオニル、三臭化燐、五臭化燐、塩化メシル、塩化トシル、ホスゲン、塩化トリフルオロメタンスルホニル、塩化スルフリルなどを用いるのが適切である。塩化チオニル、塩化オキサリルおよびホスゲンが好適である。
【0055】
この活性化を、任意に加圧下−20℃から120℃の温度で、適宜保護ガス雰囲気下、この上に挙げた溶媒中で実施する。この活性化を好適には−20℃から80℃で実施する。
【0056】
この活性化では、活性化用試薬を、一般式(I)で表される化合物1モルを基準にして1モルから10モルの量で用いるか、或は任意に溶媒として用いてもよい。
【0057】
この活性化を、任意に塩基、例えば有機アミン類(トリアルキル(C−C)アミン類)、例えばトリエチルアミンなど、或は複素環、例えば1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(DABCO)、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセ−7−エン(DBU)、ピリジン、ジアミノピリジン、メチルピペリジンまたはモルホリンな
どを添加して実施する。この活性化誘導体は、適宜、アルカリ金属およびアルカリ土類金属のカルボン酸塩から出発して、それらを例えば塩化オクザリルなどと反応させることでも調製可能である。
【0058】
一般式(II)
【0059】
【化17】

[式中、
は、キラリティーを持つアルコールの残基を表す]
で表される化合物は、文献に開示されている方法に従い、一般式(IX)
【0060】
【化18】

で表される化合物をキラリティーを持つアルコール類でエステル化すると得られる。
【0061】
一般式(IX)で表される化合物は本質的に公知であるか或は通常方法で調製可能である。
【0062】
Qがt−ブトキシを表す一般式(I)で表されるエナンチオマー的に純粋な化合物は新規であり、これの調製は、最初に、一般式(X)
【0063】
【化19】

[式中、
Tは、上に示した意味を有する]
で表されるラセミ型カルボン酸を不活性溶媒中で(R)−もしくは(S)−フェニルエチルアミンと反応させた後、そのフェネチルアンモニウム塩の晶析に続くこの塩の加水分解で、一般式(XI)
【0064】
【化20】

[式中、
Tは、上に示した意味を有する]
で表されるエナンチオマー的に純粋な化合物に変化させた後、これを、酸存在下の不活性溶媒中でイソブテンを用いたさらなる段階で、エナンチオマー的に純粋なエステル(XII)
【0065】
【化21】

[式中、
Tは、上に示した意味を有する]
に変化させた後、このエステル(XII)をハロゲン化で一般式(XIII)
【0066】
【化22】

[式中、
Tは、上に示した意味を有し、そして
は、典型的な脱離基、例えば塩素、臭素、ヨウ素、トシレートまたはメシレート、好適には臭素を表す]
で表されるエナンチオマー的に純粋な化合物に変化させ、さらなる段階で一般式(VI)
A−H (VI)
[式中、
Aは、上に示した意味を有する]
で表される化合物と反応させることで一般式(I)
【0067】
【化23】

[式中、
AおよびTは、上に示した意味を有し、そして
Qは、t−ブチルを表す]
で表されるエナンチオマー的に純粋な化合物を生じさせ、そして
Q=OHの一般式(I)で表される化合物の場合、加水分解を実施する、
ことで行うことができる。
【0068】
第三ブチルエステルは、一般に、この上に示した溶媒の1つおよび/または水またはそれらの混合物の存在下、好適にはジオキサンまたはテトラヒドロフランの存在下、酸、例えば塩酸またはトリフルオロ酢酸で鹸化を受ける。
【0069】
一般式(X)で表される化合物は、文献に開示されている相当するエステルに文献に開示されている方法に従う加水分解を受けさせると生じる。
【0070】
【化24】

【実施例】
【0071】
実施例I
2(R/S)−2−シクロペンチル−2−(4−メチルフェニル)−酢酸
【0072】
【化25】

洗浄塔(washing tower)を取り付けた40 lの撹拌容器に入れた4 lのジオキサンに2(R,S)−2−シクロペンチル−2−(4−メチルフェニル)−酢酸t−ブチルを2.0kg(7.2モル)溶解させる。濃塩酸を4.5 l添加した後、その混合物を変換が完了するまで(3時間)50℃で撹拌する。この反応混合物を氷と一緒に混合した後、濃水酸化ナトリウム溶液でpH=12に調整する。水を添加して固体を完全に溶解させた後、その混合物を酢酸で洗浄し、その有機相を希水酸化ナトリウム溶液で洗浄した後、水相を一緒にして冷却しながら濃塩酸でpH=1に調整する。この混合物を酢酸エチルで2回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた後、濃縮する。
収量:1.27kg;理論値の81%
融点:92℃
=0.20(石油エーテル:酢酸エチル=4:1)
H−NMR(CDCl,200MHz,TMS):δ=0.98(m,1H);1.20−1.71(m,6H);1.82−2.05(m,1H);2.31(s,3H);2.52(m,1H);3.21(d,1H);7.10(m,2H);7.21(m,2H);11.90(br,s,1H)ppm。
【0073】
実施例II
(S)−2−シクロペンチル−2−(4−メチルフェニル)−酢酸
【0074】
【化26】

4.8 lの水に実施例Iで得た化合物を560g(2.57モル)入れた懸濁液に撹拌しながらTHFを2.4 lおよびトリエチルアミンを129.7g(1.28モル)加える。その結果として生じた溶液を60℃に加熱し、(S)−(−)−フェネチルアミンを155.4g(1.28ミリモル)加え、その結果として生じた懸濁液を60℃で2時間撹拌する。この反応混合物を20℃に冷却し、沈澱物を吸引濾別し、2.4 lの水/THF(2:1)で洗浄した後、減圧下で乾燥させる。
収量:360gのフェネチルアンモニウム塩;理論値の41.3%。
【0075】
3 lの水にフェネチルアンモニウム塩を745g(2.2モル)懸濁させ、希塩酸(1:1)で酸性(pH=1)にした後、30分間撹拌する。その油状懸濁液を各場合とも1 lのジクロロメタンを用いて3回洗浄し、そこでその有機相を一緒にして水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた後、濃縮すると、その残渣が結晶化して来る。
収量:475g;実施例番号Iのラセミ化合物を基準にして理論値の37.3%ee:96.3%(HPLC)
融点:66℃
【0076】
この上に記述した如きフェネチルアンモニウム塩をTHFから結晶化させることで純粋なエナンチオマーを得る:
ee:>99.5%(HPLC)
比旋光:[α]20=+59.55(エタノール/c=0.85)
ee値を測定するためのHPLC方法は下記の通りである:
カラム:Chiracel OJ(Daicel)
粒子サイズ:10μ
充填:250x2mm(Grom)
可動相:n−ヘプタン:2−プロパノール=97.3
流量:0.2ml/分
入り口圧力:22バール
【0077】
実施例III
(S)−2−シクロペンチル−2−(4−メチルフェニル)酢酸t−ブチル
【0078】
【化27】

1.4 lのジクロロメタンに実施例IIで得た化合物を465g(2.13モル)入れた溶液に濃硫酸を6ml加えた後、約10℃の温度を確立する。Dewarフラスコ内
にイソブテンを550ml(5モル)凝縮させた後、上記出発材料の溶液に一度に加える。この反応混合物を一晩撹拌する。濃硫酸を更に6mlそしてイソブテンを500ml加えて一晩撹拌することで反応を完了させる。炭酸カリウムを40g加えた後、その混合物を3時間撹拌し、そして次に水を2 l加えると、最初に激しいガス発生が起こる。この混合物を各場合とも2 lのジクロロメタンを用いて3回洗浄し、その有機相を一緒にして5 lの塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた後、濃縮することで油状物を得、これはゆっくりと結晶化する。
収量:480g;理論値の82%
融点:45℃
=0.90(トルエン:酢酸エチル=8:2)
【0079】
実施例IV
(S)−2−(4−ブロモメチルフェニル)−2−シクロペンチル−酢酸t−ブチル
【0080】
【化28】

10 lのフラスコ内で、還流下、3.4 lのテトラクロロメタンに実施例IIIで得た化合物を480g(1.75モル)溶解させた後、全体量が311g(1.75モル)のNBSの中の70gを加えそしてAIBNを14g(0.085モル)加える。約1時間還流させた後に反応が始まり、減衰後更にNBSを50gづつに分割して加える。この混合物を5時間還流させそして次に室温に一晩放置した後、処理の目的で0℃に冷却し、スクシニミドを吸引濾別した後、600mlのテトラクロロメタンで洗浄する。その濾液を一緒にして濃縮し、残存溶媒を減圧下で一定重量になるまで除去する。
粗収量:570g;理論値の約100%
HPLC:68.8%(出発材料が15.5%でジブロモ化合物が10.1%)カラムクロマトグラフィーで高純度物質を得る
=0.42(石油エーテル、酢酸エチル=20/1)
H−NMR(CDCl,200MHz,TMS):δ=0.98(m,1H);1.22−1.71(m,6H);1.40(s,9H);1.90(m,1H);2.47(m,1H);3.16(d,1H);4.49(s,2H);7.32(m,4H)ppm。
【0081】
実施例V
2−(4−トリル)−酢酸(L)−メンチル
【0082】
【化29】

p−トリル酢酸を3.15kgおよびトルエンを9.45 l導入する。撹拌および冷却しながらL−メントールを3.115kgおよびメタンスルホン酸を21.4ml加える。次に、この混合物を還流温度にまで加熱して、分水器により、相当量の水を16から20時間かけて分離する。この混合物を室温に冷却した後、4.41 lの飽和炭酸水素ナトリウム溶液と一緒に1回そして各場合とも4.41 lの水と一緒に2回撹拌する。その有機相から溶媒を除去することにより、所望化合物を5.725kg得る(GC 99.9%、保持時間19.49分)。
H−NMR(CDCl,ppm):7.05−7.15(4H,m);4.55(1H,txd);3.5(2H,s);2.8(3H,s);0.65(3H,s)。
【0083】
実施例VI
2−(S)−2−シクロペンチル−2−(4−トリル)−酢酸(L)−メンチル
【0084】
【化30】

室温で3.75 lのDMFにカリウム第三ブトキサイドを1.575kg溶解させる。この混合物を10℃に冷却し、この温度で45分かけて、実施例Vで得た化合物を2.678kg流し込んだ後、0.375 lのDMFで濯ぐ。次に、充分に冷却しながら1から2時間かけて1.658kgの臭化シクロペンチルをポンプ輸送する。この懸濁液を冷却なしで更に1時間撹拌した後、−7℃に冷却する。−10℃に到達した時点で、この混合物に正確なジアステレオマーを種晶として加えた後、更に−7℃に冷却する。−7℃に到達した時点で、この温度で上記混合物を更に3から4時間撹拌する。この反応懸濁液を1.5kgの氷と6kgの水から成る混合物に入れることで処理を行う。次に、このバッチを0から2℃で一晩撹拌する。その懸濁液を吸引濾別しそしてその結晶を全体で2.5 lの水で洗浄することにより、これの処理を行う。その結晶を真空乾燥キャビネット内に入れて45℃で乾燥させることにより、85対15のジアステレオマー混合物を3.289kg得る。
【0085】
30から35℃で21.75 lのメタノールに、この上に記述した如く調製した混合物を4.345kg溶解させる。正確なジアステレオマーを種晶として加えて室温に冷却した後、その混合物を一晩撹拌しそして次の朝0から5℃に冷却する。この温度に1から2時間置いた後、その結晶を吸引濾別し、乾燥または再結晶を行う。メタノールを用いた晶析を1回または2回繰り返すことにより、ジアステレオマー純度が≧99.5%の材料を調製することができる(GC保持時間22.61分)。
【0086】
このジアステレオマー的に純粋な表題化合物の収率は、シクロペンチル化に続く純粋な晶析段階全体に渡って65−70%であるが、再結晶を行いそしてその母液にDMF中のカリウム第三ブトキサイドを用いたエピメル化を受けさせてその粗ジアステレオマー混合物の再結晶を行うと、収率を75−80%にまで高めることができる。
13C−NMR(CDCl,CH−シグナル,ppm):128.90;128.92;73.96;57.85;46.92;42.13;31.28;25.96。
【0087】
実施例VII
2−(S)−2−(4−ブロモメチル−フェニル)−2−シクロペンチル−酢酸(L)−メンチル
【0088】
【化31】

13.74 lのクロロベンゼンに実施例VIで得た化合物を1.40kg入れて80℃に加熱する。次に、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントインを0.618kg加えた後、その混合物を更に加熱して85℃にする。次に、この温度でAIBNを20.4g加えることで反応を開始させる。反応開始後に温度が上昇して90から105℃になったが、その後降下して再び約85℃になる。この混合物を更に全体で2時間反応させる。次に、その容器の内容物を室温に冷却した後、更に1時間撹拌する。沈澱して来た結晶を吸引濾別した後、その濾液から溶媒を除去する。残存する油状物はHPLC分析に従い61.2%の純度(保持時間:14.68分)である。1.69kg得る。この混合物は粗状態で次のアルキル化で使用可能である。クロマトグラフィーに続く晶析で融点が57−58℃の白色粉末を得、これは正確なCH分析値を示す。
H−NMR(CDCl,ppm):7.3(4H,s);4.65(1H,txd);4.45(2H,s);3.35(1H,d);0.65(3H,d)。
【0089】
実施例VIII
2(S)−2−シクロペンチル−2[4−(2,4−ジメチル−α−カルボリン−9−イル)メチル]フェニル−酢酸L−メンチル
【0090】
【化32】

窒素雰囲気下で反応を実施する。4.13 lのジメチルホルムアミドにカルボリンを480g(2.44モル)懸濁させた後、撹拌しながら、287.7gのカリウム第三ブトキサイドを1 lのジメチルホルムアミドに溶解させて加える。この反応溶液を加熱して30℃にする。30分後、このバッチを20℃に冷却する。次に、内部温度が35℃を越えないような様式で、1.56 lのジメチルホルムアミドに溶解させて69%濃度の臭化メンチルエステルを1.707kg(2.69モル)滴下する。更に15分の反応時間後、この反応溶液を、10%濃度の塩化ナトリウム溶液が1.8 lで酢酸エチルが13 lの混合物に注ぎ込む。20分間撹拌した後、酢酸エチル相を分離して、10%濃度の塩化ナトリウムを各場合とも3 l用いて2回抽出する。その有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧下約40℃で酢酸エチルを留出させる。そのシロップ状残渣を4.
4 lのメタノールで取り上げた後、還流下で30分間そして室温で12時間撹拌する。沈澱して来た結晶を吸引濾別し、メタノールで洗浄した後、減圧下40℃で乾燥させる。収量:947g(理論値の70.6%)
融点:142℃
【0091】
実施例IX
2−(S)−2−シクロペンチル−2−[4−(2,4−ジメチル−α−カルボリン−9−イル)メチル]フェニル酢酸
【0092】
【化33】

実施例VIIIで得た化合物947g(1.72モル)を2.4 lの蟻酸と混合する。撹拌しながら臭化水素酸水溶液(48%濃度)を1.21 l滴下する。その結果として生じた懸濁液を95−98℃で6時間撹拌した後、室温に冷却する。その反応溶液を撹拌しながら1.6 lのイソプロパノールおよび3.2 lの水と混合する。穏やかに冷却しながら45%濃度の水酸化ナトリウム溶液でpH5を確立する(水酸化ナトリウム溶液の消費量:5.2kg)。その沈澱物を吸引濾別し、5.7 lの水で2回洗浄した後、吸引乾燥させる。次に、その水で湿っている生成物を2.6 lのイソプロパノールに入れて室温で2時間撹拌する。その結晶を吸引濾別し、2.8 lのイソプロパノールで洗浄した後、減圧下60℃で乾燥させる。
収量:574g(理論値の81%)
融点:197−199℃
【0093】
実施例X
2−(S)−2−シクロペンチル−2−[4−(2,4−ジメチル−α−カルボリン−9−イル)−メチル]フェニルアセチルクロライド
【0094】
【化34】

3 lの塩化メチレンに実施例IXで得た化合物を350g(0.85モル)入れた懸
濁液を撹拌しながら還流にまで加熱する。1時間かけて塩化チオニルを95ml(155g、1.3モル)滴下した後、その混合物を還流温度で更に2時間撹拌する。次に、この反応溶液を室温に冷却し、結晶化が始まるまで減圧下25−30℃で濃縮した後、2.5
lのトルエンと混合する。減圧下30−40℃の温度で溶媒を更に2.3 l留出させる。このバッチを約20℃に冷却した後、トルエンを1.2 l加える。この懸濁液を0−5℃に冷却し、この温度で1時間撹拌し、吸引濾過し、1.4 lのトルエンで洗浄した後、吸引乾燥させる。このトルエンで湿っている生成物をさらなる特徴付けなしに反応させる。
【0095】
実施例XI
N−[2−(S)−2−シクロペンチル−2−[4−(2,4−ジメチル−α−カルボリン−9−イル)−メチル]フェニルアセチル 1−(R)−フェニルグリシノール
【0096】
【化35】

20 lのフランジ(flange)フラスコに、トルエンで湿っている酸クロライドを458g、R−フェニルグリシノールを125gおよびトルエンを8.5リットル入れて撹拌する。20℃で開始して15分かけてトリエチルアミンを235ml(171g、1.7モル)滴下する。次に、この混合物を60−65℃で1時間撹拌し、室温に冷却した後、この温度で8時間撹拌する。沈澱して来た結晶を吸引濾別し、トルエンで洗浄した後、吸引乾燥させる。このトルエンで湿っている結晶を11リットルのエタノールに入れ、加熱して15分間沸騰させることでエタノールを7.5リットル留出させた後、加熱沸騰下で水を8リットル加える。この混合物を還流温度で更に15分間撹拌する。このフラスコの内容物を20℃に冷却する。その結晶を吸引濾別し、各場合とも3.5リットルの水を用いて3回洗浄した後、減圧下80℃で乾燥させる。この乾燥させた粗生成物の再結晶を約4リットルのメチルエチルケトンを用いて行う。
収量:383g(理論値の85%)
融点:221℃
【0097】
実施例XII
2−(S)−2−シクロペンチル−2−[4−(2,4−ジメチル−ピリミド[1,2−a]−インドール−9−イル)−メチル)フェニル]酢酸L−メンチル
【0098】
【化36】

300mlのジメチルホルムアミドに2,4−ジメチル−ピリミド[1,2−a]インドールを41.9g(0.2モル)および炭酸水素ナトリウムを33.6g入れる。この混合物を120℃に加熱した後、30−70℃で10分間かけて、135mlのジメチルホルムアミドに実施例XIIで得た化合物(臭化物)が128.1g(0.2モル、68%濃度)入っている溶液を滴下する。この混合物を120℃で40分間撹拌した後、この反応混合物を室温で半濃度(semi−concentrated)の塩化ナトリウム溶液2.2 lの中に注ぎ込む。2.2 lの酢酸エチルで抽出した後、その有機相を半濃度の塩化ナトリウム溶液で3回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた後、濃縮を50℃で行う。
収量:165.4g(理論値の70.4%)
HPLC:46.9%
【0099】
実施例XIII
塩酸2−(S)−2−シクロペンチル−2−[4−(2,4−ジメチル−ピリミド[1,2−a]−インドール−9−イル)−メチル)フェニル]酢酸メンチル
【0100】
【化37】

50℃で1.6 lのアセトンに実施例XIIで得た粗生成物を165.4g(0.14モル)溶解させる。15から20℃で10分かけて半濃度の塩酸を80ml(0.48モル)滴下した後、その混合物を約10℃で2時間撹拌する。沈澱して来た固体を吸引濾別し、少量のアセトンで洗浄した後、減圧下50℃で乾燥させる。
収量:60.7g(ピリミドインドールを基準にして理論値の39.3%)
HPLC:76.1%
【0101】
実施例XIV
2−(S)−2−シクロペンチル−2−[4−(2,4−ジメチル−ピリミド[1,2−a]−インドール−9−イル)−メチル)フェニル]酢酸
【0102】
【化38】

146mlの蟻酸と43mlの48%濃度臭化水素酸に実施例XIIで得た化合物を60.7g(0.10モル、76.1%純度)溶解させて還流(109℃)で6時間撹拌すると、この反応混合物は最初激しく発泡する。冷却しながら室温で1時間かけてイソプロパノールを94mlおよび水を187ml加えた後、濃水酸化ナトリウム溶液を190ml加えることで、この混合物のpHを5に調整する。この混合物を2時間撹拌し、その固体を吸引濾別し、各場合とも100mlのイソプロパノールを用いて3回そして各場合とも100mlの水を用いて3回洗浄する。その残渣を310mlのイソプロパノールと一緒に1時間撹拌し、吸引濾別し、少量のイソプロパノールで洗浄した後、減圧下50℃で乾燥させる。
収量:36.9g(理論値の約100%)
HPLC:92.1%
【0103】
実施例XV
2−(S)−2−シクロペンチル−2−[4−(2,4−ジメチル−ピリミド[1,2−a]−インドール−9−イル)−メチル)フェニル]アセチルクロライド
【0104】
【化39】

306mlのジクロロメタンに実施例XIVで得た化合物を37.1g(0.09モル)入れた溶液に、39℃で10分間かけて、塩化チオニルを10ml(0.14モル)滴下し、その結果として生じる気体を洗浄塔に送り込む。その混合物を還流下で2時間撹拌し、そして減圧下40℃の浴温度で揮発性部分を留出させる。その残存する濃密な懸濁液を270mlのトルエンと混合し、減圧下50℃で濃縮した後、その残渣を270mlのトルエンと一緒にして室温で2時間撹拌する。生成物を吸引濾別し、少量のトルエンで洗浄した後、減圧下で乾燥させる。
収量:47g(トルエンで湿っている)
【0105】
実施例XVI
N−[2−(S)−2−シクロペンチル−2−[4−(2,4−ジメチル−ピリミド[1,2−a]−インドール−9−イル)−メチル)フェニルアセチル]−(R)−フェニルグリシノール
【0106】
【化40】

810mlのトルエンに実施例XVで得たトルエンで湿っている粗生成物(47g、約0.08モル)を懸濁させる。D−フェニルグリシノールを11.8g(0.086モル)およびトリエチルアミンを23ml(0.166モル)加えた後、その混合物を61から63℃で1時間撹拌する。その固体を室温で吸引濾別した後、500mlの水および50mlの飽和炭酸水素ナトリウム溶液と一緒にして2時間撹拌する。その固体を吸引濾別し、150mlの水で洗浄した後、減圧下50℃で乾燥させる。
【0107】
この粗生成物(32.3g)を1 lのメチルエチルケトンに加熱沸騰下で溶解させ、吸引で熱濾過して不溶部分を除去し、その濾液を濃縮して約200mlにした後、氷浴で冷却する。析出して来た生成物を吸引濾別し、減圧下50℃で乾燥させ、2 lのメタノールに加熱沸騰下で溶解させ、吸引で熱濾過した後、150mlになるまで濃縮を行う。室温で沈澱して来た生成物を吸引濾別し、150mlのメタノールで洗浄した後、減圧下50℃で乾燥させる。
収量:14.9g(理論値の34.6%)
HPLC:99.9%
融点:195−200℃。
【0108】
本発明の特徴および態様は以下のとおりである。
【0109】
1. 一般式(I)
【0110】
【化41】

[式中、
Aは、式
【0111】
【化42】

で表される基を表し、ここで、
A、D、E、G、LおよびMは、同一もしくは異なり、水素、ハロゲン、トリフルオロメチル、カルボキシル、ヒドロキシル、各々の炭素原子数が6以下の線状もしくは分枝アルコキシもしくはアルコキシカルボニル、または炭素原子数が6以下の線状もしくは分枝アルキルを表し、ここで、これら自身ヒドロキシルでか或は炭素原子数が4以下の線状もしくは分枝アルコキシで置換されていてもよく、
およびRは、これらを連結させている二重結合を含めて一緒になって、フェニル環、ピリジル環、または式
【0112】
【化43】

で表される環を形成しており、ここで、
は、水素、または炭素原子数が4以下の線状もしくは分枝アルキルを表し、
およびRは、これらを連結させている二重結合を含めて一緒になって、フェニル環、または4員から8員のシクロアルケンもしくはオキソシクロアルケン基を形成しており、ここで、
/RおよびR/Rで挙げた環系は全部、任意に、同一もしくは異なる様式で、ハロゲン、トリフルオロメチル、カルボキシル、ヒドロキシルでか、各々の炭素原子数が6以下の線状もしくは分枝アルコキシもしくはアルコキシカルボニルでか、または自身がヒドロキシルまたは炭素原子数が4以下の線状もしくは分枝アルコキシで置換されていてもよい炭素原子数が6以下の線状もしくは分枝アルキルで、3置換まで置換されていてもよく、
Tは、炭素原子数が4から12のシクロアルキルを表すか、或は炭素原子数が12以下の線状もしくは分枝アルキルを表し、そして
Qは、ヒドロキシルまたは活性化用基を表す]
で表されるエナンチオマー的に純粋なシクロアルカノインドールカルボン酸およびアザインドールカルボン酸およびピリミド[1,2a]インドールカルボン酸およびそれらの活性化誘導体およびそれらの塩類を製造する方法であって、最初に、一般式(II)
【0113】
【化44】

[式中、
は、酸素原子と一緒になって、キラリティーを持つアルコールの残基を表す]
で表される化合物を塩基存在下の不活性溶媒中で一般式(III)
T−Z (III)
[式中、
Tは、上に示した意味を有し、そして
Zは、典型的な脱離基、例えば臭素、塩素、ヨウ素、メシル、トシルまたはトリフルオロメチルスルホニル、好適にはヨウ素または臭素を表す]
で表される化合物によるジアステレオ選択的アルキル化で一般式(IV)
【0114】
【化45】

[式中、
TおよびRは、上に示した意味を有する]
で表されるエナンチオマー的に純粋な化合物に変化させた後、これをハロゲン化で一般式(V)
【0115】
【化46】

[式中、
TおよびRは、上に示した意味を有し、そして
は、ハロゲン、例えば塩素、臭素、ヨウ素、好適には臭素を表す]
で表されるエナンチオマー的に純粋な化合物に変化させ、これをさらなる段階で一般式(VI)
A−H (VI)
[式中、
Aは、上に示した意味を有する]
で表される化合物と反応させることで一般式(VII)
【0116】
【化47】

[式中、
A、TおよびRは、上に示した意味を有する]
で表されるエナンチオマー的に純粋な化合物を生じさせ、そして
Q=OHの一般式(I)で表される化合物の場合、加水分解を実施し、そして
Q=活性化用基の場合、エナンチオマー的に純粋な酸から出発して活性化用試薬と反応させる、
ことによる方法。
【0117】
2. RおよびRが、これらを連結させている二重結合を含めて一緒になって、フェニル環、ピリジル環、または式
【0118】
【化48】

で表される環を形成しており、ここで、
が、水素、または炭素原子数が3以下の線状もしくは分枝アルキルを表し、
およびRが、これらを連結させている二重結合を含めて一緒になって、フェニル環、或はシクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、オキソシクロペンテン、オキソシクロヘキセン、オキソシクロヘプテンまたはオキソシクロオクテン基を形成しており、ここで、
/RおよびR/Rで挙げた環系は全部、任意に、同一もしくは異なる様式で、フッ素、塩素、臭素、トリフルオロメチル、カルボキシル、ヒドロキシルでか、各々の炭素原子数が4以下の線状もしくは分枝アルコキシもしくはアルコキシカルボニルでか、または自身がヒドロキシルまたは炭素原子数が3以下の線状もしくは分枝アルコキシで置換されていてもよい炭素原子数が4以下の線状もしくは分枝アルキルで、2置換まで置換されていてもよく、
Tが、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルを表すか、或は炭素原子数が10以下の線状もしくは分枝アルキルを表し、そして
Qが、ヒドロキシルを表すか或は活性化用基を表す、
第1項記載の式(I)で表される化合物およびそれらの塩類を製造する第1項記載の方法。
【0119】
3. RおよびRが、これらを連結させている二重結合を含めて一緒になって、フェニル環、ピリジル環、または式
【0120】
【化49】

で表される環を形成しており、ここで、
が、水素またはメチルを表し、
およびRが、これらを連結させている二重結合を含めて一緒になって、フェニル環、或はシクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、オキソシクロペンテン、オキソシクロヘキセン、オキソシクロヘプテンまたはオキソシクロオクテン基を形成している、
第1項記載の式(I)で表される化合物を製造する第1項記載の方法。
【0121】
4. Aが、式
【0122】
【化50】

で表される基を表し、そして
およびR=フェニル環であり、
パラ位にCH−T−COQ基を有し、そして
Q=塩素である、
第1項記載の一般式(I)で表される化合物を製造する第1項記載の方法。
【0123】
5. 一般式(I)
【0124】
【化51】

[式中、
Aは、式
【0125】
【化52】

で表される基を表し、ここで、
A、D、E、G、LおよびMは、同一もしくは異なり、水素、ハロゲン、トリフルオロメチル、カルボキシル、ヒドロキシル、各々の炭素原子数が6以下の線状もしくは分枝アルコキシもしくはアルコキシカルボニル、または炭素原子数が6以下の線状もしくは分枝アルキルを表し、ここで、これら自身ヒドロキシルでか或は炭素原子数が4以下の線状もしくは分枝アルコキシで置換されていてもよく、
およびRは、これらを連結させている二重結合を含めて一緒になって、フェニル環、ピリジル環、または式
【0126】
【化53】

で表される環を形成しており、ここで、
は、水素、または炭素原子数が4以下の線状もしくは分枝アルキルを表し、
およびRは、これらを連結させている二重結合を含めて一緒になって、フェニル環、または4員から8員のシクロアルケンもしくはオキソシクロアルケン基を形成しており、ここで、
/RおよびR/Rで挙げた環系は全部、任意に、同一もしくは異なる様式で、ハロゲン、トリフルオロメチル、カルボキシル、ヒドロキシルでか、各々の炭素原子数が6以下の線状もしくは分枝アルコキシもしくはアルコキシカルボニルでか、または自身がヒドロキシルまたは炭素原子数が4以下の線状もしくは分枝アルコキシで置換されていてもよい炭素原子数が6以下の線状もしくは分枝アルキルで、3置換まで置換されていてもよく、
Tは、炭素原子数が4から12のシクロアルキルを表すか、或は炭素原子数が12以下の線状もしくは分枝アルキルを表し、そして
Qは、ヒドロキシルまたは活性化用基を表す]
で表されるエナンチオマー的に純粋なシクロアルカノインドールカルボン酸およびアザインドールカルボン酸およびピリミド[1,2a]インドールカルボン酸およびそれらの誘導体およびそれらの塩類を製造する方法であって、最初に、一般式(X)
【0127】
【化54】

[式中、
Tは、上に示した意味を有する]
で表されるラセミ型カルボン酸を不活性溶媒中で(R)−もしくは(S)−フェニルエチルアミンと反応させた後、そのフェネチルアンモニウム塩の晶析に続くこの塩の加水分解で、一般式(XI)
【0128】
【化55】

[式中、
Tは、上に示した意味を有する]
で表されるエナンチオマー的に純粋な化合物に変化させた後、これを、酸存在下の不活性溶媒中でイソブテンを用いたさらなる段階で、エナンチオマー的に純粋なエステル(XII)
【0129】
【化56】

[ここで、
Tは、上に示した意味を有する]
に変化させた後、このエステル(XII)をハロゲン化で一般式(XIII)
【0130】
【化57】

[式中、
Tは、上に示した意味を有し、そして
は、典型的な脱離基、例えば塩素、臭素、ヨウ素、トシレートまたはメシレート、好適には臭素を表す]
で表されるエナンチオマー的に純粋な化合物に変化させ、さらなる段階で一般式(VI)
A−H (VI)
[式中、
Aは、上に示した意味を有する]
で表される化合物と反応させることで一般式(I)
【0131】
【化58】

[式中、
AおよびTは、上に示した意味を有し、そして
Qは、t−ブチルを表す]
で表されるエナンチオマー的に純粋な化合物を生じさせ、そして
Q=OHの一般式(I)で表される化合物の場合、加水分解を実施する、
ことを特徴とする方法。
【0132】
6. T=イソプロピルの化合物を除く一般式(IV)
【0133】
【化59】

[式中、
Tは、炭素原子数が4から12のシクロアルキルを表すか、或は炭素原子数が12以下の線状もしくは分枝アルキルを表し、そして
は、D−もしくはL−メンチル基またはt−ブチルを表す]
で表される中間体。
【0134】
7. 一般式(V)
【0135】
【化60】

[式中、
は、D−もしくはL−メンチル基を表すか或はt−ブチル基を表し、
Tは、炭素原子数が4から12のシクロアルキルを表すか、或は炭素原子数が12以下の線状もしくは分枝アルキルを表し、そして
は、臭素を表す]
で表される中間体。
【0136】
8. Qがフェニルグリシノールの残基を表す、
第1項記載の式(I)で表されるエナンチオマー的に純粋な活性化合物を製造するための第6および7項記載中間体の使用。
【0137】
9. 一般式(I)
【0138】
【化61】

[式中、
Aは、
【0139】
【化62】

を表し、そして
Tは、炭素原子数が4−12のシクロアルキルを表すか、或は炭素原子数が12以下の線状もしくは分枝アルキルを表し、そして
Qは、ヒドロキシルまたは臭素を表す]
で表される中間体およびそれらの塩類。
【0140】
10. 一般式VII
【0141】
【化63】

[式中、
AおよびTは、第9項で示した意味を有し、そして
は、D−もしくはL−メンチルを表す]
で表される中間体。
【0142】
11. a)式
【0143】
【化64】

で表される(S)−2−(4−ブロモメチルフェニル)−2−シクロペンチル−酢酸t−ブチル、
b)式
【0144】
【化65】

で表される2−(S)−2−シクロペンチル−2−(4−トリル)−酢酸(L)−メンチル、
c)式
【0145】
【化66】

で表される2−(S)−2−(4−ブロモメチル−フェニル)−2−シクロペンチル−酢酸(L)−メンチル、
d)式
【0146】
【化67】

で表される2(S)−2−シクロペンチル−2[4−(2,4−ジメチル−α−カルボリン−9−イル)メチル]−フェニル酢酸L−メンチル、
e)式
【0147】
【化68】

で表される2−(S)−2−シクロペンチル−2−[4−(2,4−ジメチル−α−カルボリン−9−イル)メチル]フェニルアセチルクロライド、
f)式
【0148】
【化69】

で表される2−(S)−2−シクロペンチル−2−[4−(2,4−ジメチル−ピリミド[1,2−a]−インドール−9−イル)−メチル)フェニル]酢酸L−メンチル、
g)式
【0149】
【化70】

で表される2−(S)−2−シクロペンチル−2−[4−(2,4−ジメチル−ピリミド[1,2−a]−インドール−9−イル)−メチル)フェニル]酢酸メンチル、
h)式
【0150】
【化71】

で表される2−(S)−2−シクロペンチル−2−[4−(2,4−ジメチル−ピリミド[1,2−a]−インドール−9−イル)−メチル)フェニル]アセチルクロライド、
から成る群の中間体。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
T=イソプロピルの化合物を除く一般式(IV)
【化1】

[式中、
Tは、炭素原子数が4から12のシクロアルキルを表すか、或は炭素原子数が12以下の線状もしくは分枝アルキルを表し、そして
は、D−もしくはL−メンチル基またはt−ブチルを表す]
で表される化合物。
【請求項2】
a)式
【化2】

で表される(S)−2−(4−ブロモメチルフェニル)−2−シクロペンチル−酢酸t−ブチル、
b)式
【化3】

で表される2−(S)−2−シクロペンチル−2−(4−トリル)−酢酸(L)−メンチル、
c)式
【化4】

で表される2−(S)−2−(4−ブロモメチル−フェニル)−2−シクロペンチル−酢
酸(L)−メンチル、
d)式
【化5】

で表される2(S)−2−シクロペンチル−2[4−(2,4−ジメチル−α−カルボリン−9−イル)メチル]−フェニル酢酸L−メンチル、
e)式
【化6】

で表される2−(S)−2−シクロペンチル−2−[4−(2,4−ジメチル−α−カルボリン−9−イル)メチル]フェニルアセチルクロライド、
f)式
【化7】

で表される2−(S)−2−シクロペンチル−2−[4−(2,4−ジメチル−ピリミド[1,2−a]−インドール−9−イル)−メチル)フェニル]酢酸L−メンチル、
g)式
【化8】

で表される2−(S)−2−シクロペンチル−2−[4−(2,4−ジメチル−ピリミド[1,2−a]−インドール−9−イル)−メチル)フェニル]酢酸メンチル、および
h)式
【化9】

で表される2−(S)−2−シクロペンチル−2−[4−(2,4−ジメチル−ピリミド[1,2−a]−インドール−9−イル)−メチル)フェニル]アセチルクロライド、
から成る群より選ばれる化合物。

【公開番号】特開2008−169218(P2008−169218A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−21569(P2008−21569)
【出願日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【分割の表示】特願平9−96351の分割
【原出願日】平成9年4月1日(1997.4.1)
【出願人】(591063187)バイエル アクチェンゲゼルシャフト (67)
【氏名又は名称原語表記】Bayer Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】D−51368 Leverkusen,Germany
【Fターム(参考)】