説明

エナンチオ濃縮されたアミノ酸の製造方法

本発明は、α−アミノ酸誘導体の分割方法に関する。特に本発明は、エナンチオマー的に純粋なN−非保護β−アミノ酸誘導体を用いての晶出による、N−保護アミノ酸のエナンチオマー混合物の分割に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、N−保護アミノ酸、特にα−アミノ酸のエナンチオマー混合物を分割するための方法に関する。特にこの方法は、N−保護アミノ酸の一方のエナンチオマーとエナンチオマー的に純粋なN−非保護β−アミノ酸誘導体から成るジエステレオマー塩の対の晶出に関する。
【0002】
エネンチオマー的に純粋なアミノ酸、特にα−アミノ酸は、医薬または非経口的栄養法の輸液のための、エナンチオマー的に純粋な生物活性中間産物を合成するための多能なツールである。多量の前記アミノ酸、特にL−リシンは、食品のための添加剤組成物のために製造される。
【0003】
古典的な晶出技術を介しての、アミノ酸のエナンチオマー混合物、たとえばラセミ体の分割は、エナンチオ濃縮されたアミノ酸の生成のためのむしろ古くかつ一般的な方法である。アミノ酸を純粋な形で合成することを可能にする新規方法、たとえば生物技術的手段を介しての方法を創作するための多大な努力がなされているが、古典的経路は、依然として、前記方法によって生成されないかまたはわずかにのみ生成される特定のアミノ酸のために選択されるものである(Izumi et al. Angew. Chem. 1978, 90, 187; B. Hoppe et al. Chemie in unserer Zeit, 1984, 18, 73)。
【0004】
したがって本発明の課題は、このようなアミノ酸のエナンチオ混合物を分割するための技術的方法を提供することである。特にこの方法は、これらのアミノ酸の一方のエナンチオマーを特に純粋な形で、確実かつ取り扱いが容易な様式で得ることを可能にするものでなければならない。経済的かつ環境的理由から、本発明による方法は、前記従来技術による方法よりも、特に公知方法を介しては、不利に製造される前記アミノ酸の製造のために特に有利である。
【0005】
前記課題は、主に、本願請求項1から7までの特徴に従って方法を適用することにより示される。個々の請求項2〜6または8〜11は、本発明による方法の好ましい実施態様を示す。
【0006】
エナンチオ濃縮されたN−保護アミノ酸の製造方法を実施することにより、N−保護アミノ酸の双方のエナンチオマーの混合物は、N−保護アミノ酸の一方のエナンチオマーおよびエナンチオマー的に純粋なN−非保護のβ−アミノ酸誘導体の塩を晶出することにより分割し、前記課題は、驚くべきことに、複雑な手段を用いることなく、本発明によれば特に有利に解決される。本発明の方法は、大規模であっても極めて有利に実施され、かつ特に容易かつ確実な様式で、エナンチオ濃縮されたアミノ酸の製造を可能にする。それにもかかわらず、エナンチオマーの純度および収率に関して達成される結果は、本発明の方法の容易性をかんがみれば、顕著に良好である。
【0007】
本発明の方法に使用されるN−保護アミノ酸に関しては、当業者により選択されてもよい。しかしながら好ましくは分割されるアミノ酸は、α−およびβ−アミノ酸である。これに関して、特にN−保護α−アミノ酸が最も好ましい。
【0008】
本発明による方法は、有利には有機溶剤中で実施され、この場合、この有機溶剤は、水を晶出、たとえば相分離による晶出に悪影響のない範囲で含有していてもよい。特に使用される溶剤は極性のもの、好ましくは、エステル、エーテル、ケトン、アルコール、芳香族炭化水素またはこれらに混合物から成る群から選択される。特に好ましくは、酢酸エチル、エタノール、メチル−tert.−ブチルエーテル、トルエンから成る群から選択された方法である。
【0009】
エナンチオマー的に純粋なN−非保護β−アミノ酸誘導体を分割剤として選択するのは、当業者の判断による。使用されるβ−アミノ酸誘導体は、本発明による一定の試験を実施し、かつ結果を比較することにより選択されてもよい。エナンチオマー的に純粋なβ−アミノ酸は、通常は使用されるものであるか、あるいは、有利には先行技術により知られた方法(DE10220740またはDE10320211および引用された文献)によって製造することができる。さらに、それぞれの誘導体の製造、たとえばエステルまたはアミドの製造は当業者に公知である(Chemistry of Amino acids, Wiley & Sons 1961, J. P. Greenstein, M Winitz)。好ましくは、式I(I)または(II)
【0010】
【化1】

[式中、R、Rはそれぞれ互いに独立してHまたはRを示し、
R、R’はそれぞれ互いに独立して(C〜C)−アルキル、(C〜C)−アルコキシアルキル、(C〜C18)−アリール、(C〜C19)−アラルキル、(C〜C18)−ヘテロアリール、(C〜C19)−ヘテロアラルキル、(C〜C)−アルキル−(C〜C18)−アリール、(C〜C)−アルキル−(C〜C18)−ヘテロアリール、(C〜C)−シクロアルキル、(C〜C)−アルキル−(C〜C)−シクロアルキル、(C〜C)−シクロアルキル−(C〜C)−アルキルであるか、
あるいは、RおよびR’’またはRおよびR’/RまたはR’’およびR’/Rは、(C〜C)−アルキル、HO−(C〜C)−アルキル、(C〜C)−アルコキシ、(C〜C)−アルコキシアルキル、(C〜C18)−アリール、(C〜C19)−アラルキル、(C〜C)−アルキル−(C〜C18)−アリール、(C〜C)−シクロアルキル、(C〜C)−アルキル−(C〜C)−シクロアルキル、(C〜C)−シクロアルキル−(C〜C)−アルキルによってモノ−またはポリ置換された(C〜C)−アルキレン架橋であり、
その際、R’’はHO−、(C〜C)−アルキル、(C〜C)−アルコキシアルキル、(C〜C18)−アリール、(C〜C19)−アラルキル、(C〜C18)−ヘテロアリール、(C〜C19)−ヘテロアラルキル、(C〜C)−アルキル−(C〜C18)−アリール、(C〜C)−アルキル−(C〜C18)−ヘテロアリール、(C〜C)−シクロアルキル、(C〜C)−アルキル−(C〜C)−シクロアルキル、(C〜C)−シクロアルキル−(C〜C)−アルキルである]によるエナンチオマー的に純粋なN−非保護β−アミノ酸誘導体を使用する。
【0011】
特に本発明による方法に適しているのは、β−アミノ酸のエステルである。好ましい芳香族エステル、たとえば3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸エチルエステルまたはそれぞれのアミドを使用する。
【0012】
晶出工程中に適用される温度は、N−保護アミノ酸に関して、最適なエナンチオマー過剰量での最大晶出収量を可能にする温度よりも高いかまたは低いものである。したがって、この温度は、好ましくは−30℃〜100℃の範囲に設定される。より好ましくは、温度は−25℃〜50℃の範囲に設定され、かつ最も好ましくは−20℃〜30℃の範囲で可変である。
【0013】
晶出後に、混合物を当業者に公知の方法により後処理する。より好ましくは、混合物から固体材料を濾過により分離する。引き続いて、すでに高濃縮されたジアステレオマーの塩の対を再晶出させることができ、これにより最大のジアステレオマー純度にする。その後にエナンチオ濃縮されたN−アミノ酸を、この塩から当業者に公知の方法により、たとえばイオン交換または古典的酸性化および抽出技術により分離することができる。
【0014】
本発明によれば、基質および晶出剤を、互いに交換し、エナンチオ濃縮されたN−非保護のβ−アミノ酸を得ることが可能である。したがって、さらに本発明は、エナンチオ濃縮されたN−非保護β−アミノ酸誘導体の製造方法に関し、その際、N−非保護β−アミノ酸誘導体の双方のエナンチオマー混合物を、N−非保護β−アミノ酸の一方のエナンチオマーおよびエナンチオマー的に純粋なN−保護α−アミノ酸の塩の晶出によって、分割する。この方法の好ましい実施態様は、N−保護アミノ酸の製造方法を実施するために挙げたものに準ずる。
【0015】
したがって本発明の方法は、たとえば適切な溶剤中で、ラセミ体N−保護アミノ酸を溶解することにより実施することができる。すべての分割において、エナンチオマー的に純粋なN−非保護β−アミノ酸誘導体、特にエステルを、収率およびジアステレオマー純度に関して、適切な晶出結果を得るのに十分な量で添加する。添加されたエナンチオマー的に純粋なN−非保護β−アミノ酸誘導体と、晶出すべきN−保護アミノ酸の対掌体とのモル比は1:0.1〜1:2、好ましくは1:0.5〜1:1.8、より好ましくは1:0.7〜1:1.5の範囲で可変であってもよい。好ましくは、冷却および晶出終了後に、固体材料をすでに記載したように、混合物からの濾過および場合により再晶出により分離する。好ましいN−保護アミノ酸の分離は、好ましくは酸性化および抽出を介して実施する。
【0016】
β−アミノ酸誘導体に関して、前記方法は、たとえば、N−保護アミノ酸が、N−非保護β−アミノ酸誘導体のために置換すべき例外により適用することができ、またその逆も同様である。
【0017】
N−保護アミノ酸は、カルボキシル−官能基および保護されたアミノ−官能基の双方を、1個の分子中に有する任意のカルボン酸を意味する。好ましくは、通常の保護基によって、アミノ酸のα−窒素原子で保護されるα−アミノ酸を使用する。適した保護基は、当業者に公知である(Green et al. Protective Group in Organic Chemistry, Wiley & Sons, 1981)。好ましくは、Z−、Boc−、Moc−、Eoc−、Fmoc−、ホルミル−、アセチル、フタロイル−基から成る群から選択された残基を選択する。
【0018】
α−アミノ酸は、天然または非天然に生じるアミノ酸を示し、たとえば、Bayer-Walter, Lehrbuch der organischen Chemie, S. Hirzel Verlag, Stuttgart, 22. Auflage, S. 822以降に記載されている。非天然のアミノ酸は、たとえばDE19903268.8に記載されたものである。これに関して、最も好ましくは、N−保護されたtert.−ロイシンの分割である。
【0019】
メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチルまたはオクチルならびにこれらのすべての結合異性体を、(C〜C)−アルキル基として考えることができる。
【0020】
(C〜C)−アルコキシ基は、(C〜C)−アルキル基に相当するが、但し、これは、酸素原子を介して分子と結合するものである。
【0021】
(C〜C)−アルコキシアルキルとして、アルキル鎖が、少なくとも1種の酸素官能基により中断されている基を意味し、その際、2個の酸素原子は、互いに結合すべきではない。炭素原子の数は、基中に含まれる炭素原子の全数である。
【0022】
(C〜C)−アルキレン架橋は、3〜5個の炭素原子を有する炭素鎖であり。この場合、この鎖は、当該分子と2個の異なるC原子を介して結合している。架橋は場合によっては不飽和であってもよいか、および/または、1個またはそれ以上のヘテロ原子、たとえばN、O、Sを鎖中に含有していてもよい。
【0023】
ここで記載された基は、(C〜C)−アルコキシ、(C〜C)−アルキル、ハロゲンおよび/またはN、O、P、SまたはSi原子を含有する基で、モノ−またはポリ−置換されていてもよい。これらは特に、その鎖中にこれらのヘテロ原子1個またはそれ以上を有するか、あるいは、これらのヘテロ原子の1種を介して分子と結合する、前記型のアルキル基である。
【0024】
(C〜C)−シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはシクロヘプチル基等を意味する。これらは、1種またはそれ以上のハロゲンおよび/またはN、O、P、SまたはSi原子を含有する基で置換されていてもよいか、および/または、環中にN、O、PまたはS原子を有していてもよく、たとえば、1−、2−、3−、4−ピペリジル、1−、2−、3−ピロリジニル、2−、3−テトラヒドロフリル、2−、3−、4−モルホリニルである。
【0025】
(C〜C)−シクロアルキル−(C〜C)−アルキル基は、前記に示したシクロアルキル基に関し、この場合、これらは、前記アルキル基を介して原子に結合するものである。
【0026】
本発明の範囲内の(C〜C)−アシルオキシは、前記に示したように、最大8個の炭素原子を有するアルキル基を意味し、この場合、これらは、COO−官能基を介して分子と結合するものである。
【0027】
本発明の骨格の範囲内で(C〜C)−アシルは、最大8個の炭素原子を有する前記アルキル基を意味し、この場合、これらはCO−官能基を介して分子と結合する。
【0028】
(C〜C18)−アリール基は、6〜18個の炭素原子を有する芳香族基を意味するものと理解される。これらは特に、たとえばフェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリルまたはビフェニル基のような化合物、または、前記に示した型の系を、当該分子に対して縮環したもの、たとえばインデニル系を含み、この場合、これらは場合によっては、(C〜C)−アルキル、(C〜C)−アルコキシ、(C〜C)−アシルまたは(C〜C)−アシルオキシにより置換されていてもよい。
【0029】
(C〜C19)−アラルキル基は、(C〜C)−アルキル基を介して分子に結合する(C〜C18)−アリール基である。
【0030】
本発明の骨格の範囲内の(C〜C18)−ヘテロアリール基は、3〜18個の炭素原子の5、6または7員芳香環系に関し、この場合、これらは、ヘテロ原子、たとえば窒素、酸素、硫黄を環中に含有する。特に、たとえば1−、2−、3−フリル、たとえば1−、2−、3−ピロリル、1−、2−、3−チエニル、2−、3−、4−ピリジル、2−、3−、4−、5−、6−、7−インドリル、3−、4−、5−ピラゾリル、2−、4−、5−イミダゾリル、アクリジニル、キノリニル、フェナントリジニルおよび2−、4−、5−、6−ピリミジニルが、このようなヘテロ芳香族として考えられる。
【0031】
(C〜C19)−ヘテロアラルキルは、(C〜C19)−アラルキル基に相当するヘテロ芳香族系を意味する。
【0032】
フッ素、塩素、臭素およびヨウ素は、ハロゲン(Hal)として適している。
【0033】
本発明の範囲内での用語「エナンチオ濃縮」は、その光学対掌体を有する混合物中のエナンチオマーの割合が>50%〜<100%の範囲であることを意味する。ee(エナンチオマー過剰)値は、以下のようにして算定される:
([エナンチオマー1]−[エナンチオマー2])/([エナンチオマー1]+[エナンチオマー2])=ee値
用語「ジアステレオ濃縮」または「ジアステレオマー的に純粋な」は、その他方のジアステレオマーとの混合物中での一方のジアステレオマーの割合が、>50%〜<100%の範囲であることを定義するものとする。
【0034】
本発明により使用される分子の名称は、本発明の範囲内で、すべての可能なジアステレオマーを含み、その際、任意のジアステレオマーの2個の光学対掌体がこれに含まれる。
【0035】
本明細書中に引用した文献は、開示中に含まれるべきものと考える。
【0036】
実施例
例1:
酢酸エチル中のベンジルオキシカルボニルフェニルアラニン59.9gの溶液を、酢酸エチル中の(R)−3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸エチルエステル60gを用いて35℃で処理し、0℃に冷却し、かつ40時間に亘って撹拌した。濾過および乾燥後に、(R)−ベンジルオキシカルボニルフェニルアラニン×(R)−3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸エチルエステルの1:1の塩 30.5g(86:14光学純度)を得た。
【0037】
例2:
メチル−tert.−ブチルエーテル中のベンジルオキシカルボニルバリン 50.2gの溶液を、メチル−tert.−ブチルエーテル中の(S)−3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸エチルエステル 60gを用いて30℃で処理し、0℃に冷却し、かつ30時間に亘って撹拌した。濾過および乾燥後に(S)−ベンジルオキシカルボニルバリン×(S)−3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸エチルエステルの1:1の塩 27.1g(97:3光学純度)を得た。
【0038】
例3:
メチル−tert.−ブチルエーテル中のベンジルオキシカルボニルアミノ−酪酸 47.6gの溶液を、メチル−tert.−ブチルエーテル中(S)−3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸エチルエステル 21.3gを30℃で処理し、10℃に冷却し、かつ10時間に亘って撹拌した。濾過および乾燥後に(S)−ベンジルオキシカルボニルアミノ−酪酸×(S)−3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸エチルエステルの1:1の塩 45.1g(92:8光学純度)を得た。
【0039】
例4:
メチル−tert.−ブチルエーテル中のベンジルオキシカルボニルアミノ−tert.−ロイシン 106.1gの溶液を、メチル−tert.−ブチルエーテル中の(R)−3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸エチルエステル42.56gを用いて35℃で処理し、0℃に冷却し、かつ15時間に亘って撹拌した。濾過および乾燥後に、(R)−ベンジルオキシカルボニルアミノ−酪酸×(R)−3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸エチルエステルの1:1の塩 71.8g(97:3光学純度)を得た。
【0040】
例5:
酢酸エチル中のベンジルオキシカルボニルアミノ−tert.−ロイシン 59.9gの溶液を、酢酸エチル中(R)−3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸エチルエステル 60gを用いて42℃で処理し、−10℃に冷却し、かつ10時間に亘って撹拌した。濾過および乾燥後に、(R)−ベンジルオキシカルボニルアミノ−tert.−ロイシン×(R)−3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸エチルエステルの1:1の塩 38.5g(98.8:1.2光学純度)を得た。
【0041】
再結晶後に、すべての塩の対を、光学純度>99:1で得た。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エナンチオ濃縮されたN−保護アミノ酸の製造方法において、N−保護アミノ酸の双方のエナンチオマーの混合物を、N−保護アミノ酸の一方のエナンチオマーおよびエナンチオマー的に純粋なN−非保護β−アミノ酸誘導体の塩を晶出することにより、分割することを特徴とする、エナンチオ濃縮されたN−保護アミノ酸の製造方法。
【請求項2】
N−保護アミノ酸が、N−保護α−アミノ酸である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
晶出を、極性溶剤中で実施する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
エナンチオマー的に純粋なN−非保護β−アミノ酸誘導体が、エステルまたはアミドである、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
晶出中の温度が−20℃〜30℃である、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
晶出した塩を、濾過により混合物から分離する、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
エナンチオ濃縮されたN−非保護β−アミノ酸誘導体の製造方法において、N−非保護のβ−アミノ酸誘導体の双方のエナンチオマーの混合物を、N−非保護のβ−アミノ酸誘導体の一方のエナンチオマーおよびエナンチオマー的に純粋なN−保護α−アミノ酸の塩を晶出することにより、分割することを特徴とする、エナンチオ濃縮されたN−非保護β−アミノ酸誘導体の製造方法。
【請求項8】
晶出を、極性溶剤中で実施する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
エナンチオマー的に純粋なN−非保護β−アミノ酸誘導体が、エステルまたはアミドである、請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
晶出中の温度が−20℃〜30℃である、請求項7から9までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
晶出した塩を、濾過により混合物から分離する、請求項7から10までのいずれか1項に記載の方法。

【公表番号】特表2007−513899(P2007−513899A)
【公表日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−543410(P2006−543410)
【出願日】平成16年11月20日(2004.11.20)
【国際出願番号】PCT/EP2004/013194
【国際公開番号】WO2005/058776
【国際公開日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【出願人】(501073862)デグサ ゲーエムベーハー (837)
【氏名又は名称原語表記】Degussa GmbH
【住所又は居所原語表記】Bennigsenplatz 1, D−40474 Duesseldorf, Germany
【Fターム(参考)】