説明

エネルギー供給システム

槽(5)内の内容物(11)にエネルギーを供給するためのエネルギー供給システム(10)は、(i)槽内に位置決めされるように、かつ槽内に存在するときに無接触パワー供給されて内容物にエネルギーを放出するように、適合化され、(ii)指定のレジームに従ってエネルギー放出デバイスの動作を制御するように使用時に適合化される制御機構(40)を有する、無接触パワー供給可能なエネルギー放出デバイス(30);および槽内に存在するときにエネルギー放出デバイスにパワー供給するためにエネルギー放出デバイスに無接触結合するように使用時に適合化されるパワー供給源(15);を有する。デバイスは、スターラーの形態をとりうる。システムは、等温入力補償型熱量測定(IPCC)における使用を対象とする特定用途を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、槽内の内容物にエネルギーを供給するためのエネルギー供給システムに関し、さらには、エネルギー放出機構を有する流体攪拌用のスターラーに関する。本発明は、とくに、加熱システムおよび加熱機構を有するスターラーに関するが、これらに限定されるものではない。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
背景技術として、反応器の内容物を攪拌するためのスターラーが開示されている米国特許第6149295号(Volkmerら/BASF AG)が挙げられる。このスターラーは、反応器内の温度を監視できるように温度センサーを備える。
【0003】
国際特許出願公開WO-A-02076595(Avantium International B.V.)にもまた、槽内に入っている流体をスターラーで攪拌しながらその温度を監視できるように温度センサーを内蔵するスターラーが開示されている。しかしながら、この場合、スターラーは、槽の周りに回転磁界を形成する磁石駆動機構によりその軸を中心にして回転させうるマグネティックスターラーである。さらに、温度センサーは、外部に位置するパワー供給源により電磁誘導を介して無接触パワー供給される。温度センサーにより生成されたセンサー信号は、表示ユニットのディスプレイ上に槽内のリアルタイムの温度を表示できるようにスターラーと表示ユニットとの間の無線データリンクを介して伝送される。
【0004】
国際特許出願公開WO-A-0226386(Avantium International B.V.)には、化学物質を保持するように適合化されたかつ前掲のWO-A-02076595に開示されているタイプのスターラーが内部に配置された反応槽を備える一体化槽搬送装置(IVT)が開示されている。IVTは、反応槽の周りにジャケットの形態のヒーターをさらに備える。反応槽内の温度を調整すべく、スターラーから伝送されたセンサー信号を用いてヒーターの加熱効果を制御する。言い換えれば、温度センサーは、ヒーターの動作を制御するためのフィードバック制御ループの一部分を形成する。
【発明の開示】
【0005】
発明の概要
本発明の第1の態様によれば、槽内の内容物にエネルギーを供給するためのエネルギー供給システムが提供される。このシステムは、
(a)無接触パワー供給可能なエネルギー放出デバイス、
ここで、該デバイスは、
(i)・槽内に位置決めされるように、かつ
・槽内に存在するときに無接触パワー供給されて内容物にエネルギーを放出するように、
適合化され、
(ii)指定のレジームに従ってエネルギー放出デバイスの動作を制御するように使用時に適合化される制御機構を有する;
および
(b)槽内に存在するときにエネルギー放出デバイスにパワー供給するためにエネルギー放出デバイスに無接触結合するように使用時に適合化されるパワー供給源;
を有する。
【0006】
好ましくは、エネルギー放出デバイスは、使用時に内容物の状態に影響を及ぼすエネルギーを放出するように適合化される。状態は、物理的、化学的、物理化学的または生物学的な状態でありうる。一例として、デバイスによりエネルギーを放出させて、たとえば光化学的作用により、内容物に化学的/生物学的な反応または過程を引き起こしたり、および/または特定の反応生成物の収率を増大させたりすることが可能である。
【0007】
したがって、制御機構は、デバイスにより放出されるエネルギーの量を変化させてエネルギーによる影響を受ける内容物の状態を制御すべく動作するように使用時に適合化されうる。一例として、制御機構は、デバイスからのエネルギーの放出速度を制御すべく動作するように使用時に適合化されうる。
【0008】
他の選択肢として、デバイスにより放出されるエネルギーは、内容物の状態の変化により、たとえば、反応が起こる場合のような内容物の化学的/生物学的な状態の変化もしくは内容物の組成の変化により、または密度、圧力などのような内容物の物理的状態の変化により、左右されるものであってもよい。その際、内容物の状態の変化により引き起こされるエネルギーの変化は、内容物の状態をリアルタイムで監視するためのシステムのセンサーにより検知しうる。
【0009】
エネルギー放出デバイスは、好ましくは、内容物に熱エネルギーを放出するように使用時に適合化される。すなわち、それは加熱デバイスである。
【0010】
他の選択肢としてまたは追加として、エネルギー放出デバイスは、内容物に電磁線(たとえば、可視光(たとえば青色光)、赤外線(IR)、紫外線(UV)などのような光線)を放出するように使用時に適合化される電磁線放出デバイスである。これは、たとえば、デバイスが光化学に使用することを目的としたものである場合に有用である。
【0011】
他の選択肢としてまたは追加として、エネルギー放出デバイスは、音響エネルギー(たとえば、音波エネルギー、超音波エネルギー)を放出するように使用時に適合化される。
【0012】
好ましくは、デバイスは、内蔵型デバイスであり、より好ましくは、全体を内容物中に浸漬しうるように寸法決めされた内蔵型デバイスである。デバイスは、約30mm以下(たとえば、約20mm〜約30mmの範囲内)の最大内側直径寸法を有する槽に嵌入するようにサイズ決めされうる。したがって、デバイスは、約30mm未満の最大外側直径寸法を有しうる。
【0013】
好ましくは、エネルギー放出デバイスは、スターラー(好ましくは、当技術分野で公知のマグネティックスターラーなどのような無接触駆動可能なスターラー)に含まれる。スターラーの寸法は、デバイスに対して先に述べたのと同様でありうる。典型的には、スターラーは、内部にエネルギー放出デバイスが配置される密閉内部容積を規定する外側ケーシングを有する。他の選択肢として、スターラーは、エネルギー放出デバイスまたはそのエネルギー放出部が装着される外側スターラー表面を提供する外側ケーシングを有する。
【0014】
本発明の一実施形態では、以下に記載されるように、エネルギー放出デバイスは、電力供給可能であり、パワー供給源は、デバイスに電力を無接触で提供するように使用時に適合化される。
【0015】
本発明の一実施形態では、以下に記載されるように、デバイスは、使用時に制御機構の制御下で提供される電流に応答してエネルギーを放出する電力供給可能なエネルギー放出素子を有する。エネルギー放出素子は、たとえば、加熱素子、電磁線放出素子または音響エネルギー放出素子でありうる。放出素子は、マイクロ電子デバイスに含まれうる。デバイスがスターラーに含まれる場合、放出素子は、スターラー内にまたは外側スターラー表面に配置されうる。
【0016】
本発明の一実施形態では、以下に記載されるように、デバイスおよびパワー供給源は、デバイスにパワー供給すべく誘導結合されるように適合化される。この目的のために、パワー供給源は、コイルを有する電気回路などの誘導性電気回路を有しうる。誘導性電気回路は、好ましくはac電気回路、より好ましくはrf電気回路、たとえば、20〜100kHzの範囲内、好ましくは約30kHzの周波数を有するrf電気回路である。パワー供給源は、本線電源からパワー供給されるものであってよい。
【0017】
好ましくは、本発明に係るシステムは、槽を保持可能でありかつパワー供給源を備える底部ユニットをさらに備える。底部ユニットは、槽を収容するためのキャビティーを有しうる。キャビティーは、底壁と側壁とを有しうる。また、誘導性電気回路(とくにそのコイル)は、使用時に槽の下側に配設されるように底壁に位置しうる。他の構成では、誘導性電気回路のコイルは、使用時に槽の側面に隣接して配設されるように側壁に位置する。たとえば、キャビティーの側壁の周りにコイルを巻回してもよい。
【0018】
底部ユニットは、それぞれ槽を収容する複数のキャビティーを有しうる。この場合、パワー供給源は、各槽内のエネルギー放出デバイスに無接触結合するように適合化される。この目的のために、誘導性電気回路は、すべてのエネルギー放出デバイスに誘導結合するように適合化される単一コイルを有するものであってもよいし、エネルギー放出デバイスに独立して誘導結合するようにそれぞれ異なるキャビティーに関連付けられる複数のコイルを有するものであってもよい。複数のコイルが存在する場合、関連付けられたキャビティーに対するそれらの配置は、先に述べたのと同様でありうる。
【0019】
システムの底部ユニットは、スターラーを無接触駆動するための無接触駆動機構(たとえば磁気駆動機構)を有しうる。
【0020】
本発明の一実施形態では、システムは、槽をさらに備える。槽は、好ましくは、バッチ槽、すなわち、内容物に対するブラインド内部容積とそれに流体連通した開口とを有する槽である。典型的には、槽は、閉鎖底端と、内部容積に流体連通した開放上端と、閉鎖底端から開放上端まで延在する側壁と、を有する。内部容積および開口は、槽の容器部に存在しうる。この場合、槽は、開口を閉状態にするための蓋部をさらに有する。
【0021】
好ましくは、槽は、化学的もしくは生物学的反応に適合化されたバッチ反応槽またはパイプやチューブのように使用時に流体が流動する導管である。槽は、好ましくは実験室規模であり、たとえば、約30mm以下(たとえば約20mm以下)の最大内側直径寸法を有する試験管の寸法である。
【0022】
デバイスが加熱デバイスである場合、それは、パワー供給源による誘導加熱により昇温されるように適合化された材料を含みうる。すなわち、パワー供給源により加熱デバイスの材料中に熱発生電流(たとえば渦電流)を誘導しうる。
【0023】
この点に関して、加熱デバイスは、全部または一部分がグラファイトや金属などのような導電性材料から作製された加熱部材よりなるものであってもよいしまたはそれを含むものであってもよい。加熱部材は、高分子材料、セラミックスまたはガラスのような絶縁材料と、絶縁材料中に充填されたもしくはそれで包まれた導電性材料と、を含みうる。この場合、導電性材料は、ニッケル粉末のように粉末形態をとりうる。
【0024】
加熱部材は、固体ブロックまたはコイルの形態をとりうる。一例として、加熱デバイスは、ボディーを有するものであってよく、加熱コイルは、ボディーの内部に配設されるか、またはボディーの外表面の周りに巻回され、その外表面は加熱デバイス自体の外表面であってもよい。
【0025】
本発明の一実施形態では、以下に記載されるように、制御機構は、デバイスにより放出されるエネルギーの量、とくに、エネルギーの放出速度を変化させうる。
【0026】
本発明の一実施形態では、以下に記載されるように、制御機構は、コントローラーを有する。好ましくは、コントローラーは、パルス幅変調などによりエネルギー放出デバイスを指定のレジームに従って動作するようにプログラムされるプログラマブルコントローラーである。一例として、コントローラーは、Arizona Microchip PIC12F629やCygnal Integrated Products C8051F300のようなマイクロコントローラーであってよい。オンボードコントローラーは、好ましくは、パワー供給源により無接触パワー供給可能であり、離れた位置にあるプロセスコントローラーとの無線データリンクなどを介して無線でプログラムまたは再プログラムされるように適合化されうる。
【0027】
本発明の一実施形態では、以下に記載されるように、制御機構は、電力供給可能なエネルギー放出素子に動作可能に結合されて指定のレジームに従ってその動作を制御するための電気制御回路である。好ましくは、回路は、コントローラーを有する。
【0028】
電気制御回路は、誘導結合などにより無接触パワー伝達リンクを形成すべくパワー供給源に無接触結合されるように適合化されうる。一例として、パワー供給源回路のコイルは、一次コイルであってよく、電気制御回路は、使用時に一次コイルに誘導結合される二次コイルを有するものであってよい。制御回路は、マイクロ電子デバイスの一部を形成しうる。
【0029】
本発明に係るシステムは、内容物の状態(好ましくは、エネルギー放出デバイスにより放出されるエネルギーにより変化させうる状態)を表す状態信号を生成するセンサーをさらに有する。好ましくは、センサーは、リアルタイムの状態信号を生成するように使用時に適合化される。状態信号は、電気信号でありうる。センサーは、電力供給可能なセンサー、たとえばマイクロ電子センサーでありうる。センサーは、好ましくは、パワー供給源により無接触パワー供給可能である。便宜上、センサーは、エネルギー放出デバイスの一部を形成する。しかしながら、センサーは、槽内に可逆的に収容しうるシステムの独立要素であってもよい。
【0030】
センサーは、内容物の温度を表す温度信号を生成する温度センサー、たとえば、熱電対、白金抵抗温度センサー、サーミスターまたは半導体温度センサーでありうる。この場合、温度センサーは、内容物の温度を調整するように(たとえば、所定温度または一定温度に保持するように)加熱デバイスを制御すべく加熱デバイスに動作可能に結合されるように使用時に適合化されうる。したがって、システムは、熱量計(たとえば、等温入力補償型熱量計(IPCC)のような等温熱量計)の一部を形成しうる。
【0031】
他の選択肢として、センサーは、pHセンサー、濁度センサー、音響エネルギーディテクターまたは電磁線ディテクターなどでありうる。
【0032】
本発明の一実施形態では、以下に記載されるように、センサーは、状態信号を制御機構に入力しうるように制御機構に動作可能に結合され、制御機構は、検知される状態を指定のレジームに従って調整すべくデバイスにより放出されるエネルギーの量を状態信号に応答して制御するように適合化される。
【0033】
デバイスは、使用時に状態信号を制御機構により処理してエネルギー放出デバイスにより放出されるエネルギーを状態信号に依存して制御するように適合化されうる。この目的のために、制御機構は、検知される状態に対する指定のレジームを表すデータが記憶されるデータ記憶部と、状態信号を記憶データと比較してデバイスにより放出されるエネルギーを制御する制御信号を生成するコンパレーターと、を有しうる。この制御信号は、検知される状態がそれに対する指定のレジームに一致するようにコンパレーターの結果を補償する。典型的には、データ記憶部およびコンパレーターは、コントローラー内に存在する。
【0034】
本発明の一実施形態では、以下に記載されるように、検知される状態に対する指定のレジームは、コントローラー内にプログラムされる。
【0035】
本発明の一実施形態では、以下に記載されるように、デバイスは、パワー供給源から電力供給可能なエネルギー放出素子まで伝達されるパワーの量を調整するように動作可能なレギュレーターを有し、制御機構は、使用時にレギュレーターがパワー伝達を調整してエネルギー放出素子が指定のレジームに従ってエネルギーを放出するようにレギュレーターに動作可能に結合される。
【0036】
レギュレーターは、制御機構により生成される制御信号により動作させうる。この目的のために、制御機構のコントローラーは、使用時にレギュレーターにデジタル制御信号を出力するデジタルコントローラーでありうる。
【0037】
簡潔にするために、レギュレーターは、電力供給可能なエネルギー放出素子に対するパワーオン/パワーオフスイッチであってよい。その際、制御信号は、スイッチオン信号またはスイッチオフ信号として動作する。この目的のために、デジタルコントローラーは、論理0(もしくは論理1)スイッチオフ制御信号または論理1(もしくは論理0)スイッチオン制御信号のようなバイナリー制御信号をスイッチに出力するように使用時に適合化されうる。スイッチは、好ましくはトランジスター、より好ましくは電界効果トランジスター(FET)、さらにより好ましくはMOSFETである。
【0038】
本発明の一実施形態では、以下に記載されるように、制御機構は、連続した一連の電気パルスを電力供給可能なエネルギー放出素子に入力すべく動作するように使用時に適合化され、パルスの持続時間および間隔は、指定のレジームに従って放出素子によりエネルギーが放出されるように制御機構により変化させうる。好ましくは、制御機構は、パルス幅変調(PWM)によりエネルギー放出素子を制御すべく動作するように適合化される。パルスは、デューティーサイクルを可変にして固定周波数で生成可能である。制御機構は、PMWコントローラーを含みうる。これは、以下の実施形態に記載されるように、制御機構によるレギュレーターの制御を介して実現可能である。
【0039】
他の選択肢として、レギュレーターは、使用時に複数の個別のパワーオンレベルでまたはレギュレーターが可変抵抗器である場合のように無段可変のパワーオンレベルでエネルギー放出素子にパワーを伝達しうるように動作可能なものであってもよい。
【0040】
デバイスは、たとえばプロセスコントローラー内のリモートレシーバーなどに動作信号を無線伝送するためのトランスミッターを有しうる。動作信号は、センサーにより生成される状態信号でありうる。他の選択肢としてまたは追加として、動作信号は、デバイスにより放出されるエネルギーの量またはエネルギー放出素子に供給されるパワーを表す信号であってもよい。デバイスは、外部プロセスコントローラーから無線制御信号(たとえば、コントローラーをプログラム/再プログラムするための信号)を受信するためのレシーバーを有しうる。デバイスがトランスミッターとレシーバーとを有する場合、これらは理想的にはトランシーバーで実現される。
【0041】
デバイスは、デバイスの動作を表すデータを内部に記憶するためのメモリー記憶部と、記憶された動作データをトランスミッターなどを介してダウンロードするためのダウンロード手段と、を有する。
【0042】
本発明の一実施形態では、以下に記載されるように、内容物は、流体、より特定的には液体である。たとえば、流体は、均一液体であっても液体の混合物であってもよく、溶存ガスを含有していてもよい。流体はまた、液体中または液体の混合物中に化学的、生物学的または生化学的のいずれかの懸濁固体を含有する不均一混合物であってもよい。液体は、固相有機化学過程を実施すべくポリスチレンビーズを含有していてもよいし、ビーズは、ポリマー担持試薬を含有していてもよい。液体は、溶存ガスおよび/または懸濁固体を含有していてもよい。
【0043】
本発明の第2の態様によれば、槽内の内容物にエネルギーを供給するためのエネルギー供給システムが提供される。このシステムは、
(a)無接触パワー供給可能なエネルギー放出デバイス、
ここで、該デバイスは、
・槽内に位置決めされるように、かつ
・槽内に存在するときに無接触パワー供給されて内容物にエネルギーを放出するように、
適合化される;
(b)槽内に存在するときにエネルギー放出デバイスにパワー供給するためにエネルギー放出デバイスに無接触結合するように使用時に適合化されるパワー供給源;
(c)内容物の状態を表す状態信号を生成するように使用時に適合化されるセンサー;
および
(d)エネルギー放出デバイスにより放出されるエネルギーの量を指定のレジームに従って制御するように使用時に適合化される制御機構;
を有する。
【0044】
本発明の一実施形態では、以下に記載されるように、エネルギーは、検知される状態に影響を及ぼすものであり、制御機構は、(i)状態信号を受信するように、かつ(ii)検知される状態を指定のレジームに従って調整すべくデバイスにより放出されるエネルギーの量を状態信号に依存して変化させるように、適合化される。
【0045】
制御機構は、デバイスに伝達されるパワーをパルス幅変調などで調整することによりエネルギー放出デバイスにより放出されるエネルギーの量を制御するように動作させうる。
【0046】
本発明の第2の態様に係る実施形態では、制御機構は、使用時に槽の外部に配設されかつ指定のレジームでプログラムされるプロセスコントローラーを有する。
【0047】
プロセスコントローラーは、パワー供給源に動作可能に結合されることによりエネルギー放出デバイスに伝達されるパワーを調整しうる。たとえば、プロセスコントローラーは、状態信号を受信するように、かつ先に述べたようなコンパレーターやデータ記憶部などを介してパワー供給伝達を調整して状態信号を補償するように、使用時に適合化されうる。センサーは、デバイスの一部でありうる。また、デバイスは、プロセスコントローラーのレシーバーに状態信号を無線伝送するためのトランスミッターを有しうる。
【0048】
他の選択肢として、プロセスコントローラーは、デバイスにより放出されるエネルギーの量を制御信号に応答して調整するように適合化されるレギュレーターに動作可能に結合されるエネルギー放出デバイス中のレシーバーに指定のレジームを表す制御信号を無線で伝送するためのトランスミッターを有しうる。制御信号は、状態信号に依存して生成されうる。
【0049】
本発明によれば、本発明に係るシステムを備えた熱量計がさらに提供される。熱量計は、等温熱量計、典型的にはIPCCでありうる。この場合、動作信号またはデータは、熱量計を用いて行われる等温プロセス時のデバイスのパワー出力を表しうる。また、システムは、動作信号/データを処理してプロセス時の発熱/吸熱事象の発生を測定するためのプロセッサーユニットを有する。
【0050】
本発明は、このほかにさらに、本発明に係るシステムを備えた実験室規模の反応装置を提供する。
【0051】
本発明はまた、流体中にエネルギーを放出すべく無接触パワー供給されるように適合化されるエネルギー放出機構を有する流体攪拌用のスターラーを提供する。
【0052】
好ましくは、スターラーは、無接触駆動可能なスターラーである。典型的には、スターラーは、マグネティックスターラーであり、例としては、スターラーを攪拌運動させるための磁気駆動機構と協同するように適合化される1つ以上の磁性構造体を有するものが挙げられる。
【0053】
好ましくは、エネルギー放出機構は、電磁誘導により無接触パワー供給されるように適合化される。
【0054】
エネルギー放出機構は、誘導などにより無接触パワー供給しうる電力供給可能なエネルギー放出機構を有しうる。
【0055】
スターラーは、エネルギー放出機構に動作可能に結合されて指定のレジームに従ってその制御を行うための制御機構を備えうる。
【0056】
制御機構は、エネルギー放出機構を指定のレジームに従って動作するようにプログラムされるプログラマブルコントローラーなどのマイクロコントローラーを有しうる。好ましくは、コントローラーは、PMWコントローラーである。
【0057】
本発明の一実施形態では、以下に記載されるように、電力供給可能なエネルギー放出機構は、電力供給可能なエネルギー放出素子を有し、制御機構は、エネルギー放出素子に動作可能に結合されてPWMなどによりその動作を制御する電気制御回路を有する。制御回路は、たとえば、外部誘導性パワー回路に誘導結合させるためのコイルを有することにより、外部パワー供給源との無接触パワー伝達リンクを形成すべく、外部パワー供給源に無接触結合されるように適合化される。電気制御回路は、コントローラーを有しうる。この場合、コントローラーは、エネルギー放出素子に動作可能に結合されてその制御を行う。
【0058】
エネルギー放出機構は、マイクロ電子デバイスでありうる。
【0059】
エネルギー放出機構は、好ましくは加熱機構であるが、その代わりに前掲の電磁線エミッター、音響エネルギーエミッターであってもよい。したがって、たとえば、電力供給可能なエネルギー放出機構は、電力供給可能な加熱素子などを有する電力供給可能な加熱機構であってもよい。
【0060】
他の選択肢として、加熱機構は、電磁誘導により内部に誘導される電流(たとえば渦電流)により加熱されるように適合化される個別の加熱素子の形態をとりうる。加熱素子は、たとえばスターラー内に配置されたまたはスターラーの外表面の周りに巻回された個別の導電性コイルの形態をとりうる。
【0061】
スターラーは、流体の状態を検知して状態を表すリアルタイムの状態信号を生成するためのセンサーをさらに有しうる。センサーは、電力供給可能なセンサー、たとえばマイクロ電子センサーでありうる。センサーは、便宜上、電磁誘導により無接触パワー供給可能である。
【0062】
スターラーは、たとえば、検知される状態を指定のレジームに従って保持すべく、状態信号に応答してエネルギー放出機構が制御されるように使用時に適合化されうる。この目的のために、状態信号は、コントローラーや電気制御回路などの制御機構への入力でありうる。それにより、状態信号が処理されて、エネルギー放出機構の動作を制御するための制御信号が生成される。
【0063】
好ましくは、状態信号に応答してエネルギー放出機構を制御するように制御機構を使用時に適合化させることにより、流体に放出されるエネルギーを自動調整して指定のレジームに従って流体の状態を保持するようにする。
【0064】
好ましくは、制御機構は、エネルギー放出機構に入力されるパワーを調整することによりエネルギー放出機構により放出されるエネルギーを調整するためのレギュレーターを有する。レギュレーターは、前掲のパワーオン/パワーオフスイッチでありうる。本発明の一実施形態では、以下に記載されるように、制御機構は、電力供給可能なエネルギー放出素子に連続した一連の電気パルスをレギュレーターにより提供させるべく動作するように使用時に適合化され、パルスの幅および間隔は、たとえば、内容物の状態を調整すべく、好ましくは、検知される状態を調整すべく(その場合には、制御機構は、状態信号に依存してレギュレーターを動作させるように使用時に適合化される)、エネルギー放出素子が指定のレジームに従ってエネルギーを放出するような幅および間隔である。制御機構は、レギュレーターがパルス幅変調によりパルス列を生成するように適合化されうる。
【0065】
好ましくは、センサーは、温度センサーであり、その例は、先に挙げたとおりである。したがって、制御機構は、指定の温度レジームに従って流体温度を保持すべく、たとえば、一定の温度または実質的に一定の温度に保持すべく、加熱機構を制御するように使用時に適合化されうる。
【0066】
スターラーは、外部に位置するレシーバーに状態信号を無線伝送するためのトランスミッターを具備しうる。他の選択肢としてまたは追加として、トランスミッターは、スターラーの動作パラメーター(たとえば、デバイスから放出される時変エネルギー量または電力供給可能なエネルギー放出素子に提供される時変パワー量)を表す動作信号を伝送するためのものである。この情報は、たとえば、等温熱量測定処理が行われる内容物を攪拌するためにスターラーが使用される場合に有用である。なぜなら、エネルギー/パワーの変化により内容物の吸熱事象および発熱事象を明らかにすることができるからである。
【0067】
スターラーは、リモートプロセスコントローラーから制御信号を無線で受信するためのレシーバーを具備しうる。制御機構は、レシーバーを有しうる。そして制御信号に応答してエネルギー放出機構を制御するように使用時に適合化されうる。制御信号は、トランスミッターにより伝送された状態信号に応答して生成されうる。
【0068】
スターラーがトランスミッターとレシーバーとを有する場合、これらは理想的にはトランシーバーで実現される。
【0069】
本発明に係るスターラーは、液体物質中に浮遊するように適合化されうるか、または液体物質中に浮遊させるように適合化されうる。
【0070】
疑問を生じないように述べておくが、本発明の各態様は、他の態様の1つ以上の特徴を含みうる。
【0071】
本発明の他の好ましい特徴は、添付の図面の図を参照しながら次に説明する本発明に係る代表的実施形態からわかるであろう。
【0072】
図面の図の詳細な説明
添付の図面の図を参照しながら次に説明する本発明の種々の実施形態では、同じ特徴部は、同じ参照番号により示される。
【0073】
図1には、本発明の第1の実施形態に係る加熱システム10が示されている。加熱システム10は、等温入力補償型熱量計(IPCC)の一部を形成する。加熱システム10は、バッチ反応槽5を収容しうるキャビティー3を提供する底部ユニット1を備える。
【0074】
反応槽5は、液体11を収容しうるブラインド内部容積(blind inner volume)9を規定する容器部7と、容器7の開放端を密封するための蓋13と、を備える。底部ユニット1は、一次電気回路19の一次コイル17に交流を流すパワー源15を備える。さらに、底部ユニット1は、キャビティー3の下側に回転磁界21を生成するための手段(図示せず)を備える。回転磁界21を生成するための手段は、たとえば、回転磁石構造体または回転磁界21を生成するように独立して動作可能な一連の電磁石である。
【0075】
パワー源15(本線電源ソケットに接続可能)は、高周波(たとえば20〜100kHzの範囲内)の交流を一次コイル17に供給する。典型的には、交流の周波数は30kHzである。
【0076】
液体物質11中に浸漬されているのは、棒状マグネティックスターラー30であり、この実施形態では、豆形の細長いボディー31を有し、ボディー31の中間点位置に横リブ33を有する。当技術分野で知られるように、スターラー30のボディー31は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのプラスチックアウターケーシングを有し、そして回転磁界21と協同して容器7の底面上でリブ33を中心にしてスターラー30を回転させるように1つ以上の磁性構造体(図示せず)を包囲する。
【0077】
液体物質11の温度を制御するために、最初に、底部ユニット1の温度は、液体物質11に必要とされる温度よりも低い温度で、たとえば、液体物質11に必要とされる温度よりも約5℃低い温度で、本質的に等温に制御可能である。一例として、これは、底部ユニット1中に1つ以上の通路(図示せず)を配設してそれにヒーター/チラーユニットから油を貫流させることにより達成しうる。
【0078】
追加として、スターラー30は、図2を参照してより詳細に説明されるように電気ヒーターを備える。図2はまた、外部パワー源15の形態を模式的に示している。これからわかるように、一次コイル17は、インダクターとして機能する。その理由は、すぐ後で明らかになるであろう。
【0079】
図2に示されるように、スターラー30は、この実施形態では抵抗ヒーターの形態をとる電気ヒーター41の動作を制御するための電気制御回路40を内蔵する。電気制御回路40は、パワー源15から無接触でパワーを受け取るためのパワーレシーバー43を有する。言い換えれば、レシーバー43は、外部パワー源15との無接触パワー伝達リンクを形成する。この目的のために、レシーバー43は、この実施形態では、電磁誘導により二次回路44中に交流電流が誘導されるように一次誘導コイル17と結合する二次誘導コイル45を含む二次回路44の形態をとる。誘導電流は、48で入力された交流をその出力49の直流(DC)46に整流する固定電圧のパワー調整回路47に伝達される。この点に関して、パワー調整回路47は、当業者であればわかるように、全波整流器と、平滑コンデンサーと、場合により電圧調整器と、を含みうる。
【0080】
パワー調整回路47からのDC出力46は、マイクロコントローラー50のパワー供給ピンおよびスイッチ回路51への入力である。
【0081】
マイクロコントローラー50は、Arizona Microchip PIC12F629やCygnal Integrated Products C8051F300などの汎用マイクロコントローラーである。マイクロコントローラー50は、液体物質11の温度が一定に保持されるように、DC出力46がスイッチ回路51を通って電気ヒーター41に達することができる時間を調整するようスイッチ回路51を動作させるようにプログラムされる。より特定的には、マイクロコントローラー50は、すぐ後により詳細に説明されるように、パルス幅変調(PMW)によりスイッチ回路51を制御するように動作する。
【0082】
スターラー30は、DC出力46によりパワー供給されるように電気制御回路40に接続される温度センサー60をさらに内蔵する。温度センサー60は、液体物質11の温度を表す電気センサー信号61を生成し、この信号は、閉ループ制御下で電気ヒーター41を動作させることができるようにマイクロコントローラー50の他のI/Oピンに入力される。温度センサー60は、種々の形状をとりうる。たとえば、熱電対、サーミスター、白金抵抗センサーまたは半導体センサーであってよい。当業者であれば理解し実装可能であるが、温度センサー60をマイクロコントローラー50に接続するために追加の信号処理回路素子が必要になることもある。
【0083】
マイクロコントローラー50は、液体物質11の温度を一定に保持するように電気ヒーター41を制御するためのプログラムが記憶されるメモリー(図示せず)を有する。これは、さまざまな温度に対して生成されるさまざまなセンサー信号61が記録されるルックアップテーブルを含みうる。
【0084】
マイクロコントローラー50は、スイッチ回路51への適切な電気制御信号または要求信号63を生成すべく温度センサー60から受信したセンサー信号61に依存してプログラムを実行するための中央処理ユニット(CPU)をさらに含む。この目的のために、CPUは、たとえばルックアップテーブルを用いることにより、温度センサー60から受信したセンサー信号61を所要の目標値とプログラムにより比較し、センサー信号61を補償する時変バイナリー制御信号63を生成する。より詳細には、バイナリー制御信号63は、固定変調周波数(たとえば1kHz〜200kHzの範囲内)のPMW制御信号である。ただし、センサー信号61に依存する時変デューティーサイクルを用いる。例示的なPMW制御信号63を図3に示す。
【0085】
図3に示されるように、制御信号63は、さまざまな持続時間を有する共通ピーク値P1の直流の連続した一連のパルス65である。すなわち、パルス65には、さまざまな持続時間のギャップ67が散在する。電気パルス65は、バイナリー制御信号63の「論理1」または「スイッチオン」のセグメントに対応し、一方、ギャップ67は、バイナリー制御信号63の「論理0」または「スイッチオフ」のセグメントに対応する。制御信号63の「デューティーサイクル」は、制御信号63がそのスイッチオン状態にある時間の割合である。当然のことであるが、これはパルス持続時間により測定される。
【0086】
図3にさらに示されるように、個々の電気パルス65の持続時間は温度センサー信号61により決定されるので、デューティーサイクルは時変である。液体物質11を所望の一定温度に保持するために電気ヒーター41で液体物質11に高加熱速度で供給することが必要とされる場合、たとえば、液体物質11で吸熱事象が起こる場合、マイクロコントローラー50は、センサー信号61の変化に応答して領域64などでPMW制御信号63のデューティーサイクルを増大させる。
【0087】
反対に、電気ヒーター41の加熱効果を低減させる必要がある場合、たとえば、液体物質11で発熱事象が起こる場合、PWMマイクロコントローラー50は、液体物質11の温度を本質的に等温に保持するために、液体物質11の温度の後続的上昇を示すセンサー信号61(領域66参照)に応答してPMW制御信号63のデューティーサイクルを減少させる。
【0088】
PWM制御信号63の各スイッチオンセグメント65は、電気ヒーター41にパワー供給すべくDC出力信号46を電気ヒーター41に入力するためにスイッチ回路51が「閉状態」になる時間に対応する。反対に、PWM制御信号63のスイッチオフセグメント67は、DC出力信号46が電気ヒーター41に入力されないようにスイッチ回路51を「開状態」にする。電気ヒーター41へのパルスDC入力信号65のデューティーサイクルがPWM制御信号63のデューティーサイクルに一致することは理解されよう。
【0089】
スイッチ回路51は、トランジスター、好ましくは電界効果トランジスター、最も好ましくはMOSFETにより形成される。スイッチ回路51がMOSFETの形態をとる場合、好ましくは、MOSFETはエンハンスメントモードで動作する。
【0090】
この実施形態では、スイッチ回路51は、n-チャネルエンハンスメントモードMOSFETであり、PWM制御信号63は、MOSFETゲート端子に入力され、DC出力信号46は、ソース端子に入力され、そしてドレイン端子は、電気ヒーター41に接続される。
【0091】
DC出力信号46はPWM制御信号63よりも大きいので、スイッチ回路51の使用によりPWM制御信号63が増幅される。たとえば、この実施形態では、PWM制御信号63は0.1μAの電流を有するのに対して、DC出力信号46は100mAの電流を有する。言い換えれば、スイッチ回路51により1×106の電流増幅率が得られる。
【0092】
スターラー30はマイクロコントローラー50に連結されたテレメトリートランシーバー70を内蔵することが図2からさらにわかるであろう。トランシーバー70はまた、DC出力46によりパワー供給されるように電気制御回路40に接続される。
【0093】
テレメトリートランシーバー70は、外部に位置するテレメトリートランシーバー80との無線データリンクを形成する。無線データリンクにより、マイクロコントローラー50用のプログラムをコンピューターなどからアップリンク(またはダウンロード)することができる。追加として、電気ヒーター41へのDC入力信号65を表すデータ信号は、オンボードトランシーバー70から外部トランシーバー80に伝送される。次に、等温入力補償型熱量測定時における液体物質11内の発熱事象および/または吸熱事象を検出してそのような事象で放出/吸収されたエネルギーの量を測定する処理に供すべく、外部トランシーバー80は、このデータをたとえばプロセスコントローラー中のデータプロセッサーに伝達する。
【0094】
温度センサー60により生成された温度信号61をオンボードトランシーバー70により外部トランシーバー80に伝送することも可能であり、これにより、たとえば、ビジュアルディスプレイ上に液体物質11のリアルタイムの温度を表示できるようになる。
【0095】
要約すると、IPCC法では、反応器槽5内の常時攪拌液体物質11は底部ユニット1よりも高い温度(たとえば、少なくとも摂氏5度高い温度)で平衡状態にあることが必要とされる。これは、スターラー30に内蔵されたヒーター41を用いて液体物質11にパワーを供給することにより達成される。理想的状況では、スターラー30と槽5の壁との接触は、存在しないかまたは最小限度である。次に、反応性流体の添加により、化学的、生化学的または生物学的な反応または過程を開始させる。その際、系のエネルギーが変化すれば、マイクロコントローラー50は、系を等温状態に保持するようにヒーター11のパワー出力を変化させる。反応または過程が吸熱的であれば、より多くのパワーをヒーター41により供給する必要がある。反対に、反応または過程が発熱的であれば、より少ないパワーをヒーター41により供給する必要がある。反応または過程が終了したとき、新しい平衡状態に達する。初期平衡状態と最終平衡状態と間のエネルギー変化量を積分することにより、反応または過程のエンタルピーが測定される。
【0096】
本発明の第2の実施形態では、スターラー30は、図2に破線で示される要素が追加されるか、またはこれらの要素で第1の実施形態の同等の要素を置き換えるように変更される。より具体的には、本発明の第2の実施形態は、スイッチ回路51'に動作可能に結合された光源90(たとえば、可視光、UV光またはIR光の光源)を有する。
【0097】
光源スイッチ回路51'は、先に述べたのと同様にPWMマイクロコントローラー50により動作される。このほかに、スターラー30は、スターラー30の光源90からの光の放出により引き起こされる液体物質11の状態変化を検知するセンサー100を内蔵する。センサーは、この例では、光学センサーまたは化学センサー、たとえば、感光素子(たとえばフォトダイオード)またはpHセンサーでありうる。
【0098】
センサー100は、マイクロコントローラー50のメモリーに記憶されたプログラムに従って光源90を閉ループ制御するためにマイクロコントローラー50のI/Oピンに入力される電気センサー信号101を生成する。
【0099】
この点に関して、マイクロコントローラー50は、検知される状態に所望の効果を生じさせるべく、たとえば、検知される状態を一定値に保持すべくまたは時間依存的に変化させるべく、光源90を動作させるようにプログラムされうる。他の選択肢として、マイクロコントローラー50は、液体物質11の検知される状態の変化をセンサー100が検出するまで、光源90により放出される光の強度を単純に変化させるようにプログラムされうる。その変化は、センサー100が受け取る光源90からの光の強度を変化させるpHの変化や組成の変化などにより示される光源90による光化学反応の開始を示すものであってもよい。
【0100】
他の選択肢では、マイクロコントローラー50は、液体物質11中の特定の反応生成物の収率を増大させるように光源90を変化させるべくセンサー信号101に応答して動作する。
【0101】
対応する温度制御要素41、60の代わりに光源90およびセンサー100を内蔵するようにスターラー30に変更を加えた場合、システム10はIPCCの一部分を形成する必要はないことは理解されよう。
【0102】
さらに、スターラー30が温度制御要素41、60を内蔵する場合でさえも、光源90およびセンサー100を有しているか否かにかかわらず、システム10は、同様に、必ずしもIPCCの一部分を形成する必要はない。たとえば、液体物質11の温度を電気ヒーター41により指定のレジームに従って変化させるようにマイクロコントローラー50をプログラムすることが可能である。
【0103】
スターラー30が図2に示されるすべての要素を備える場合、当然のことであるが、個別の目標を達成するのではなく共通の目標を達成すべく、たとえば、液体物質11中で特定の反応を開始させるべく、ヒーター41および光源90を動作させるPWM制御信号63、63'を生成するようにマイクロコントローラー50をプログラムすることができる。もちろん、これもまた、本発明の範囲内にある。
【0104】
さらに、液体物質11の状態を受動検知するために、関連するスイッチ回路51'および光源90を用いずに単にセンサー100だけを内蔵するように本発明の第1の実施形態を変更できることはわかるであろう。これに関連して、記録または表示のために無線データリンク70、80を介してセンサー信号101を伝送することが可能である。反対に、スターラー30が、光源90と、関連するスイッチ回路51'およびセンサー100と、を内蔵する実施形態では、スターラー30はまた、関連するスイッチ回路51および電気ヒーター41を用いずに温度センサー60を内蔵することも可能である。その際、記録または表示のために無線データリンク70、80を介して温度信号61を伝送することが可能である。
【0105】
光源90および関連するセンサー100を能動的ではなく受動的に使用しうることがさらに理解されよう。すなわち、センサー100は、光源90により放出される光を検出する光センサーの形態をとりうる。混合時(および場合により加熱時)に液体物質11の状態に変化を生じると、光センサー100により検出される放出光の量は、それに応じて変化しうる。液体物質の状態の変化は、光センサー100により生成されるさまざまな光センサー信号101により示される。
【0106】
図1〜3を参照しながら先に説明した組合せの代わりにまたはそれに加えて他のセンサーおよびエネルギー放出エレメントをスターラー30に内蔵できることがこのほかにさらに理解されよう。
【0107】
当技術分野で知られるようにマグネティックスターラー30は棒状タイプとしていくつかの代替的形状を有しうることもまた理解されよう。さらに、ボディー外の近傍またはボディー内で一次コイル17にできるかぎり近接させて二次コイルを円周方向に配置できるように、マグネティックスターラー30はまた、場合により上端にフィンを有する、円柱状ボディーを有しうる。その際、攪拌磁石は、二次コイルの内側または二次コイルの下側のいずれかに配設されうる。
【0108】
図1は底部ユニット1中に単一のキャビティー3を示しているにすぎないが、図4および5に示されるように、底部ユニット1は、複数のキャビティー3を提供しうることはわかるであろう。したがって、底部ユニット1は、複数の反応槽5を同時に受容することが可能であり、各反応槽は、それぞれのスターラー30を有する。底部ユニット1の温度は、先に述べたのと同様にして制御される。
【0109】
図4では、各キャビティー3は、それぞれの一次コイル17に関連付けられ、各一次コイル17は、パワー供給源15(図示せず)に接続される。したがって、各スターラー30は、それぞれの一次コイル17により誘導パワー供給される。さらに、底部ユニット1は、スターラー30を回転させるために各キャビティーの下側に回転磁界21を生成するように適合化される。このようにして、スターラー30は、関連する反応槽5内の物質の状態を先に述べたように制御するように独立して動作しうる。
【0110】
図5に示される他の構成では、各スターラー30は、各キャビティー3の下側に延在する共通の一次コイル17により誘導パワー供給される。
【0111】
図2では、スターラー30は、その内部に電気ヒーター41を配設した形で示されている。しかしながら、図6に示されるように、電気ヒーター41は、スターラー30のボディー31の外表面上に配設することも可能であり、たとえば、ボディー31の周りに巻回されて示される加熱コイル41の形態をとる。コイル41の端は、密閉状態でボディー31中のアパーチャー(図示せず)を通って密閉内部に達し、スイッチ回路51に接続される。
【0112】
図7には、異なるスターラー130と一次コイル17に対する異なる構成とが提供されている以外は図1〜3を参照しながら先に説明したものに対応する本発明の実施形態が示されている。
【0113】
スターラー130は、依然として磁気的にパワー供給されるが、パドル状スターラーの形態をとる。スターラー130は、反応槽5の蓋13に回転可能に取り付けられたシャフト132と、2つ以上の略半径方向のアーム136とスターラー130の回転中心位置にある軸方向に配置されたチップ138とを有するスターラーヘッド134と、を有する。アーム136は、底部ユニット1中で生成される回転磁界21と協同してスターラー130の回転を引き起こす磁性構造体140を有する。
【0114】
図1に示される実施形態とは対照的に、一次コイルは、キャビティー側面の周りに巻回されるのではなく底部ユニット1中のキャビティー3の下側に配設される。棒状マグネティックスターラーは、この構成のときが最良である。
【0115】
図8は、本発明に係る他の加熱システム210を示している。この変形形態では、液体物質211の加熱は、誘導加熱を介して行われる。具体的には、反応槽207は、グラファイトなどの導電性材料のブロック241の形態のヒーターを収容する。加熱ブロック241は、一次コイル217に誘導結合することにより昇温する。液体物質211の温度を制御するために、プロセスコントローラー250にセンサー信号261を(無線または非無線で)中継する温度センサー260により温度が測定される。プロセスコントローラーは、一次コイル217による加熱ブロック241の誘導加熱を制御すべく、たとえば、IPCCの一部分として使用の場合には液体の温度を一定に保持するように変化させるべく、センサー信号261に応答してパワー供給源215を制御するように動作するCPU(図示せず)を有する。
【0116】
加熱ブロック241の代わりに、誘導ヒーターは、一次コイル217の誘導効果により昇温される導電性材料が内蔵されたマグネティックスターラーの形態をとりうる。一例として、マグネティックスターラーは、図6に示されるラインに沿ってその外表面の周りに巻回されたワイヤー加熱コイルを有しうる。
【0117】
本発明のさらに他の実施形態は、前掲の「発明の概要」の節および添付の特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【0118】
当然のことであるが、添付の図面の図を参照しながら先に説明した本発明の実施形態は、例示を目的としたものであり、本発明は、前掲の「発明の概要」の節および添付の特許請求の範囲の記述の範囲内に包含される他の形状および形態をとることも可能である。
【0119】
最後に、正確を期すために述べておくが、パラメーターまたは値に対して「約」、「実質的に」、「略」などのような用語が本明細書中で使用される場合、正確なパラメーターまたは値のほかにそれらの非必然的変動も包含される。
【0120】
本出願は、2003年5月23日出願の英国特許出願第0 311 959.1号に基づく優先権を主張する。その全内容は、参照により結果として本明細書に組み入れられるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】図1は、反応槽を収容するための底部ユニットと、槽内に収容可能でありかつ槽内の内容物の温度を制御できるように電気ヒーターを保有するマグネティックスターラーと、を備える本発明の第1の実施形態に係るシステムの概略部分断面図である。
【図2】図2は、スターラーと、スターラーを誘導駆動する手段と、を示す概略図である。
【図3】図3は、スイッチ回路を動作させて電気ヒーターを制御するためにスターラー中のマイクロコントローラーにより生成される典型的なパルス幅変調電気制御信号の概略図である。
【図4】図4は、本発明に係る第1の底部ユニットの図である。
【図5】図5は、本発明に係る第2の底部ユニットの図である。
【図6】図6は、本発明に係る他のスターラー構成を示している。
【図7】図7は、本発明の第2の実施形態に係るシステムの概略部分断面図である。
【図8】図8は、本発明の第3の実施形態に係るシステムの概略部分断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
槽内の内容物にエネルギーを供給するためのエネルギー供給システムであって、
(a)無接触パワー供給可能なエネルギー放出デバイス、
ここで、該デバイスは、
(i)・該槽内に位置決めされるように、かつ
・該槽内に存在するときに無接触パワー供給されて該内容物にエネルギーを放出するように、
適合化され、
(ii)指定のレジームに従って該エネルギー放出デバイスの動作を制御するように使用時に適合化される制御機構を有する;
および
(b)該槽内に存在するときに該エネルギー放出デバイスにパワー供給するために該エネルギー放出デバイスに無接触結合するように使用時に適合化されるパワー供給源;
を有する、上記システム。
【請求項2】
前記エネルギー放出デバイスが、使用時に前記内容物の状態に影響を及ぼすエネルギーを放出するように適合化され、かつ前記制御機構が、前記デバイスにより放出されるエネルギーの量を変化させて該エネルギーによる影響を受ける前記内容物の状態を制御すべく動作するように使用時に適合化される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記エネルギー放出デバイスが、前記内容物に熱エネルギーを放出するように使用時に適合化される、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記デバイスが内蔵型デバイスである、請求項1〜3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
前記エネルギー放出デバイスがスターラーに具備される、請求項1〜4のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項6】
前記スターラーが無接触駆動可能なスターラーである、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記スターラーが、前記エネルギー放出デバイスが内部に配置される密閉内部容積を規定する外側ケーシングを有する、請求項5または6に記載のシステム。
【請求項8】
前記スターラーが、前記エネルギー放出デバイスまたはそのエネルギー放出部が装着される外側スターラー表面を提供する外側ケーシングを有する、請求項5または6に記載のシステム。
【請求項9】
前記エネルギー放出デバイスが電力供給可能であり、かつ前記パワー供給源が、前記デバイスに電力を無接触で提供するように使用時に適合化される、請求項1〜8のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項10】
前記デバイスが、使用時に提供された電流に応答して前記制御機構の制御下でエネルギーを放出する電力供給可能なエネルギー放出素子を有する、請求項1〜9のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項11】
前記デバイスおよび前記パワー供給源が、前記デバイスにパワー供給すべく誘導結合されるように適合化される、請求項1〜10のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項12】
前記槽を保持可能でありかつ前記パワー供給源を備える底部ユニットをさらに有する、請求項1〜11のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項13】
前記底部ユニットが、前記スターラーを無接触駆動するための無接触駆動機構を有する、請求項6に従属する場合の請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記制御機構が、前記デバイスにより放出されるエネルギーの量を変化させることができる、請求項1〜13のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項15】
前記制御機構が、前記エネルギー放出デバイスの動作を制御するためのパルス幅変調(PWM)コントローラーを有する、請求項1〜14のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項16】
前記制御機構が、前記エネルギー放出デバイスを前記指定のレジームに従って動作させるようにプログラムされるプログラマブルコントローラーを有する、請求項1〜15のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項17】
前記制御機構が、前記電力供給可能なエネルギー放出素子に動作可能に結合されて前記指定のレジームに従ってその動作を制御するための電気制御回路である、請求項10または請求項10に従属する場合の請求項11〜14のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項18】
前記制御回路がコントローラーを含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記電気制御回路が、無接触パワー伝達リンクを形成すべく前記パワー供給源に無接触結合されるように適合化される、請求項17または18に記載のシステム。
【請求項20】
前記内容物の状態を表す状態信号を生成するためのセンサーをさらに有する、請求項1〜19のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項21】
前記センサーが、前記エネルギー放出デバイスの一部を形成する、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記センサーが、前記内容物の温度を表す温度信号を生成する温度センサーである、請求項20または21に記載のシステム。
【請求項23】
前記温度センサーが、前記内容物の温度を調整するように前記デバイスを制御すべく前記エネルギー放出デバイスに動作可能に結合されるように使用時に適合化される、請求項3に従属する場合の請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記センサーが、前記状態信号を前記制御機構に入力しうるように前記制御機構に動作可能に結合され、かつ前記制御機構が、検知される状態を指定のレジームに従って調整すべく前記デバイスにより放出されるエネルギーの量を前記状態信号に応答して制御するように適合化される、請求項20〜23のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項25】
検知される状態に対する指定のレジームが前記コントローラー中にプログラムされる、請求項15、16もしくは18または請求項15、16もしくは18に従属する場合の請求項19〜24のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項26】
前記デバイスが、前記パワー供給源から前記電力供給可能なエネルギー放出素子まで伝達されるパワーの量を調整するように動作可能なレギュレーターを有し、かつ前記制御機構が、使用時に該レギュレーターがパワー伝達を調整して前記エネルギー放出素子が前記指定のレジームに従ってエネルギーを放出するように該レギュレーターに動作可能に結合される、請求項10またはその従属項のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項27】
前記レギュレーターの動作が、前記状態信号に応答して前記制御機構により生成される制御信号により制御される、請求項24および26または請求項25および26に記載のシステム。
【請求項28】
前記レギュレーターが、前記電力供給可能なエネルギー放出素子に対するパワーオン/パワーオフスイッチである、請求項26または27に記載のシステム。
【請求項29】
前記スイッチがトランジスターである、請求項26、27または28に記載のシステム。
【請求項30】
前記トランジスターが電界効果トランジスター(FET)である、請求項29に記載のシステム。
【請求項31】
前記制御機構が、連続した一連の電気パルスを前記電力供給可能なエネルギー放出素子に入力すべく動作するように使用時に適合化され、該パルスの持続時間および間隔が、前記指定のレジームに従って前記放出素子によりエネルギーが放出されるように前記制御機構により変化されうる、請求項10またはその従属項のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項32】
前記制御機構が、連続した一連の電気パルスを前記レギュレーターに入力すべく動作するように使用時に適合化され、該パルスの持続時間および間隔が、前記放出素子により放出されるエネルギーを前記指定のレジームに従って制御すべく前記レギュレーターが動作するように前記制御機構により変化されうる、請求項28〜30のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項33】
前記デバイスがトランスミッターを有する、請求項1〜32のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項34】
前記デバイスがレシーバーを有する、請求項1〜33のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項35】
槽内の内容物にエネルギーを供給するためのエネルギー供給システムであって、
(a)無接触パワー供給可能なエネルギー放出デバイス、
ここで、該デバイスは、
・該槽内に位置決めされるように、かつ
・該槽内に存在するときに無接触パワー供給されて該内容物にエネルギーを放出するように、
適合化される;
(b)該槽内に存在するときに該エネルギー放出デバイスにパワー供給するために該エネルギー放出デバイスに無接触結合するように使用時に適合化されるパワー供給源;
(c)該内容物の状態を表す状態信号を生成するように使用時に適合化されるセンサー;
および
(d)該エネルギー放出デバイスにより放出されるエネルギーの量を指定のレジームに従って制御するように使用時に適合化される制御機構;
を有する、上記システム。
【請求項36】
前記エネルギーが、検知される状態に影響を及ぼすものであり、前記制御機構が、(i)前記状態信号を受信するように、かつ(ii)検知される状態を前記指定のレジームに従って調整すべく前記デバイスにより放出されるエネルギーの量を前記状態信号に依存して変化させるように、適合化される、請求項35に記載のシステム。
【請求項37】
前記制御機構が、前記デバイスに伝達されるパワーを調整することにより前記エネルギー放出デバイスにより放出されるエネルギーの量を制御すべく動作するように適合化される、請求項35または36に記載のシステム。
【請求項38】
前記制御機構が、放出されるエネルギーの量をパルス幅変調(PWM)により制御するように動作する、請求項37に記載のシステム。
【請求項39】
流体中にエネルギーを放出すべく無接触パワー供給されるように適合化されるエネルギー放出機構を有する、流体攪拌用のスターラー。
【請求項40】
無接触駆動可能なスターラーである、請求項39に記載のスターラー。
【請求項41】
前記エネルギー放出機構が、電磁誘導により無接触パワー供給されるように適合化される、請求項39または40に記載のスターラー。
【請求項42】
前記エネルギー放出機構が、無接触パワー供給しうる電力供給可能なエネルギー放出機構を有する、請求項39〜41のいずれか1項に記載のスターラー。
【請求項43】
前記エネルギー放出機構に動作可能に結合されて指定のレジームに従ってその制御を行うための制御機構を有する、請求項39〜42のいずれか1項に記載のスターラー。
【請求項44】
前記制御機構が、前記エネルギー放出機構を前記指定のレジームに従って動作させるようにプログラムされるプログラマブルコントローラーを有する、請求項43に記載のスターラー。
【請求項45】
前記コントローラーがPMWコントローラーである、請求項44に記載のスターラー。
【請求項46】
前記電力供給可能なエネルギー放出機構が、電力供給可能なエネルギー放出素子を有し、かつ前記制御機構が、該エネルギー放出素子に動作可能に結合されてその動作を制御する電気制御回路を有する、請求項42に記載のスターラー。
【請求項47】
前記制御回路が、外部パワー供給源との無接触パワー伝達リンクを形成すべく該外部パワー供給源に無接触結合されるように適合化される、請求項46に記載のスターラー。
【請求項48】
前記エネルギー放出機構がマイクロ電子デバイスである、請求項39〜47のいずれか1項に記載のスターラー。
【請求項49】
前記エネルギー放出機構が加熱機構である、請求項39〜48のいずれか1項に記載のスターラー。
【請求項50】
前記流体の状態を検知して該状態を表すリアルタイムの状態信号を生成するためのセンサーをさらに有する、請求項39〜49のいずれか1項に記載のスターラー。
【請求項51】
使用時に前記状態信号に応答して前記エネルギー放出機構が制御されるように適合化される、請求項50に記載のスターラー。
【請求項52】
前記状態信号を処理して前記エネルギー放出機構の動作を制御するための制御信号を生成すべく、使用時に前記状態信号が前記制御機構に入力される、請求項43に従属する場合の請求項51に記載のスターラー。
【請求項53】
前記制御機構が、前記状態信号に応答して前記エネルギー放出機構を制御するように使用時に適合化され、結果として、前記流体に放出されるエネルギーが、指定のレジームに従って前記流体の状態を保持するように自動調整される、請求項52に記載のスターラー。
【請求項54】
前記制御機構が、前記エネルギー放出機構に入力されるパワーを調整することにより前記エネルギー放出機構により放出されるエネルギーを調整するためのレギュレーターを有する、請求項43またはその従属項のいずれか1項に記載のスターラー。
【請求項55】
前記制御機構が、連続した一連の電気パルスを前記電力供給可能なエネルギー放出素子にレギュレーターにより提供させるべく動作するように使用時に適合化され、該パルスの幅および間隔が、前記指定のレジームに従って前記エネルギー放出素子によりエネルギーが放出されるような幅および間隔である、請求項46および54に記載のスターラー。
【請求項56】
前記センサーが温度センサーである、請求項50〜53のいずれか1項に記載のスターラー。
【請求項57】
トランスミッターおよび/またはレシーバーを有する、請求項39〜56のいずれか1項に記載のスターラー。
【請求項58】
請求項1〜38のいずれか1項に記載のシステムを備える、実験室規模の反応装置。
【請求項59】
請求項1〜38のいずれか1項に記載のシステムを備える、熱量計。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2007−502709(P2007−502709A)
【公表日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−529890(P2006−529890)
【出願日】平成16年5月19日(2004.5.19)
【国際出願番号】PCT/EP2004/005495
【国際公開番号】WO2004/105061
【国際公開日】平成16年12月2日(2004.12.2)
【出願人】(397009934)グラクソ グループ リミテッド (832)
【氏名又は名称原語表記】GLAXO GROUP LIMITED
【住所又は居所原語表記】Glaxo Wellcome House,Berkeley Avenue Greenford,Middlesex UB6 0NN,Great Britain
【Fターム(参考)】