説明

エバネッセント場励起を使用する放射検出器

入射の励起放射によって励起されたとき少なくとも一つの試料(108)からの発光を検出するための検出システム(100,150,180,200,220,250)。発光を検出することは、例えば、生物学的な、化学的な又は生化学的な粒子を検出することを可能にすることがある。検出システム(100,150,180,200,220,250)は、少なくとも第一の表面(104)を備えた少なくとも一つの光学的な構成部品(102)を具備するものである。少なくとも一つの光学的な構成部品(102)の第一の表面(104)は、少なくとも一つの試料(108)を励起させるために少なくとも一つの光学的な構成部品(102)の外側にエバネッセント場を作り出すための入射の励起放射を内部に反射させるために位置させられる。検出システムは、また、少なくとも一つの光学的な構成部品(102)を通じて少なくとも一つの励起された試料(108)からの発光を検出するために少なくとも一つの光学的な構成部品(102)との直接的な接触にある少なくとも一つの検出器素子(110)を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例.生物学的な、化学的な又は生化学的な粒子を検知するための、放射検出に関係する。より詳しくは、本発明は、試料からの発光を検出するための方法及びシステムに並びにこのようなデバイスを製造する対応する方法に関係する。
【背景技術】
【0002】
マイクロ流体のデバイスは、大部分のバイオチップ技術の心臓部にあるものであるが、流体の、例.血液に基づいた、試料の分離及びそれらのその後の分析の両方に使用される。バイオセンサー及びマイクロ流体のデバイスを具備する一体化されたデバイスは、例.DNA/RNAチップ(DNA/RNA chip)、バイオチップ(BioChip)、ジェネチップ(GeneChip)及びラボオンチップ(Lab-on-a-chip)の名前で、知られる。特に、アレイ、例.マイクロアレイ、における高いスループットのスクリーニングは、たとえば診断に用いられた、化学的な又は生化学的な分析のための新しいツールの一つである。これらのバイオチップデバイスは、小さい体積のウェル又は反応器を具備するが、それらにおいて化学的な又は生化学的な反応が、試験されると共に、多数における望まれた物理的な、化学的な、及び生化学的な反応及び分析を実行するために急速に及び信頼性が高く瞬間の分量の液体を規制する、輸送する、混合する、及び蓄積することがある。小さい体積におけるアッセイを実行することによって、顕著な節約が、時間において及びターゲット、化合物及び試剤の費用において達成されることができる。
【0003】
一般に、バイオチップの蛍光信号の検出は、存在する蛍光体の量を定量化するために、卓上の/研究室の機械において局在化させられた、光源、光学的なフィルター及びセンサー(例.CCDカメラ)を具備する、光学的な検出システムを使用することでされる。蛍光に基づいた光学的なシステムにおける雑音の主要な源の一つは、典型的には、蛍光を検出するために使用された検出器における入射するものである励起放射である。典型的には、励起放射及び発光放射を分離するためのフィルターは、使用されるが、しかし、これらは、高い経済的な費用のものであるという不都合を有すると共に典型的には労働集約的な製造を要求する。後者のものは、特に、励起スペクトル(吸収)及び発光スペクトル(蛍光)の間のシフトが小さいもの(<50nm)である場合である。
【0004】
分子診断というような、多数の生物工学的な用途において、あるものは、蛍光信号を検出すると共に多種多様な(反応)条件の下で高いスループットの分析を可能にするために並列に及び独立に読み出されることができる、光学的なセンサー、又は光学的なセンサーのアレイ、を具備するバイオチップについての要望である。光学的なセンサーを組み込むバイオチップの利点は、数ある中で、オンチップ蛍光信号獲得システムが、分析チップ、例.DNAチップのハイブリッド形成パターン分析、のスピード及び信頼性の両方を改善するというもの、費用が、アッセイについて低減されるというもの、及び、高いポータビリティが、例.ポイント・オブ・ケア診断及び路傍の試験(即ち、今後は中央の卓上の機械が必要とされない)というような用途のためのポータブルハンドヘルド機器を得ることによって、得られるというもの、である。
【0005】
卓上の機械は、多用途のバイオチップ及び多様のバイオチップを扱うことができるものになることになる。卓上の機械の部分としての光学的なセンサーを有することは、特定のアッセイのために設定された特定のフィルターの搭載を要請するが、それは、様々な励起及び/又は放出スペクトルを備えた蛍光性のラベルの並列の(多重化された)検出を妨げる。従って、オンチップの光学的なセンサーを読み出すことができるものであることは、柔軟な多目的の卓上の機械を可能にすると共にバイオチップ、卓上の機械、及びそれらの構成部品の標準化に向かったルートを開く。にもかかわらず、フィルターについての要望は、このようなバイオチップを高価なものとするが、それは、使い捨てのバイオチップが考慮されるとすれば、特に不都合なものである。
【0006】
分子診断というような、非常に多くの生物工学的な用途において、あるものは、高い多用途性及び高いスループットを可能にするために並列に及び独立に加工されることができる温度で制御された区画のアレイを具備する、生化学的なモジュール(例.センサー、PCR)についての要望である。
【0007】
バイオセンサーは、知られるが、それにおいては、エバネッセント場励起が、行われる。吸収の無い、即ち、純粋に実の屈折率を備えた、媒体において、電磁波は、特定の方向において、それが、その方向において一定の位相を維持するが、しかし、指数関数的に減少する振幅を有するとき、エバネッセントである。バイオセンサーにおいて、例.使用は、内部全反射でなされるが、それにおいて、励起ビームは、試料の粒子が付けられる表面に内部全反射させられる。反射の点で、エバネッセント場は、典型的には一つの光学的な波長の特徴的な減衰の深さを備えて発生させられる。従って、反射する表面で、光は、表面へ閉じこめられると共にそれは、表面の減衰の深さ内で試料の粒子と優先的に相互作用する。伝播する場を使用することを超えた、エバネッセント場を使用する蛍光の励起の利点は、励起の体積における低減及び蛍光性の背景を超える蛍光性の信号における結果として生じる改善である。エバネッセント場励起の不都合は、励起スキームが、それが、入射のビームが試料との界面での内部全反射角度と比べてより大きい角度を有することを要求すると、伝播する光での励起と比べてあまり明白なものではないというもの、又は、エバネッセント場へと伝播するビームを転換するためのより洗練された構造の使用である。
【0008】
米国特許出願公開第2003/0205681号明細書は、複数の試料ウェルを有するマイクロプレートを使用することで試料によって放出された発光を検出するための方法を示す。下部の外側の表面を通じた励起光を、それが、内部全反射のために十分な角度で下部の内側の表面に当たるというように、検出することによって、エバネッセント場は、試料ウェルに作り出される。検出器は、それが、試料によって放出された発光を検出することがあるというように、試料ウェルより上に位置決めされる。検出器は、それが、内側の表面に対して法線方向に放出された発光を検出するというように、又は、法線に対して垂直なもの若しくは入射の励起光及び検出された発光の光の間の角度が0、90、若しくは180度と比べて実質的に異なるものであるというように他の角度を含む、他の方向において放出された発光を検出するために、位置決めされることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許出願公開第2003/0205681号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、例.粒子の形態における、生物学的な、化学的な又は生化学的な分析物を検出するための良好な方法及びシステムを提供するということである。より詳しくは、効率的な検出方法及びシステムは、このようなデバイスを製造する方法のみならず、提供される。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的は、本発明に従った方法及びデバイスによって成し遂げられる。
【0012】
当該発明は、入射の励起放射によって励起されたとき少なくとも一つの試料からの発光を検出するための検出システムに関係するが、検出システムは、少なくとも第一の表面及び少なくとも一つの検出器素子を備えた少なくとも一つの光学的な構成部品を具備するものであると共に、それにおいて、少なくとも一つの光学的な構成部品の第一の表面は、少なくとも一つの試料を励起するための少なくとも一つの光学的な構成部品の外側にエバネッセント場を作り出すために入射の励起放射を内部全反射させるために位置させられると共に、少なくとも一つの検出器素子は、少なくとも一つの光学的な構成部品を通じて少なくとも一つの励起された試料からの発光を検出するために少なくとも一つの光学的な構成部品との直接的な接触にあるものである。本発明の実施形態の利点は、効率的な検出システムが、得られるというものである。本発明の実施形態の利点は、少なくとも一つの光学的な構成部品において取得された及び検出器に到達するものではない発光の量が、低いものであるというものである。本発明の実施形態の利点は、また、周囲のものとの少なくとも一つの光学的な構成部品の屈折率の差に依存するものであるが、発光放出の多量のものが、少なくとも一つの光学的な構成部品に入るというものである。光学的な構成部品との直接的な接触にあるものである検出器素子は、光学的な構成部品の第二の表面との直接的な接触にあるものであることがある。光学的な構成部品との直接的な接触にあるものは、低い屈折率を備えた層、例.空気層が、少なくとも一つの光学的な構成部品及び少なくとも一つの検出器素子の間にあるものではないというようなものであることがある。エバネッセント場は、光学的な構成部品における励起放射の内部全反射によって作り出されることがある。光学的な構成部品との直接的な接触に少なくとも一つの検出器素子を置くことは、より丈夫なデバイスを得ると共に製造の簡単さを改善することを可能にすることがある。さらには、それは、起こるものである喪失の量を低減することがある。
【0013】
少なくとも一つの光学的な構成部品は、プリズムであることがある。本発明の実施形態の利点は、システムが、使用された励起及び発光放射の波長についてのそれの屈折率の関数として光学的な構成部品の材料を選択することによって使用された予め決められた励起及び発光放射に適合させられることがあるというものである。
【0014】
少なくとも一つの検出器素子は、少なくとも一つの光学的な構成部品の第二の表面との直接的な接触にあるものであることがあるが、少なくとも一つの光学的な構成部品の第一の表面及び第二の表面の間の角度は、検出器素子における少なくとも一つの光学的な構成部品に入れられた少なくとも一つの試料の発光の実質的な部分を受容するために光学的な構成部品に結合させられた少なくとも一つの試料の放射の支配的な発光放射方向に適合させられる。受容することは、直接的に受容することであることがある。検出器において直接的に受容することは、少なくとも一つの光学的な構成部品における追加の反射無しに発光を受容することであることがある。少なくとも一つの光学的な構成部品に入れられた少なくとも一つの試料の発光の実質的な部分は、少なくとも一つの光学的な構成部品に入れられた発光の少なくとも40%、好ましくは少なくとも一つの光学的な構成部品に入れられた発光の少なくとも45%、より好ましくは少なくとも一つの光学的な構成部品に入れられた発光の少なくとも50%、であることがある。
【0015】
少なくとも一つの試料の放出パターンは、発光の実質的な部分が、第一の表面に対する法線に関して実質的に角度αで放出されるというようなものであるが、少なくとも一つの光学的な構成部品の第二の表面は、角度αと比べてより大きいものである第一の表面とある角度をなすものである。
【0016】
第二の表面及び第一の表面の間の角度は、角度αと比べて、例.5°及び35°の間のより大きいもの、例.10°及び30°の間のより大きいもの、例.約20°より大きいもの、であることがある。
【0017】
第二の表面は、それを通じて励起放射が光学的な構成部品に結合させられる表面であることがある。少なくとも一つの光学的な構成部品は、試料に関して配置されることがあると共に、発光の50%と比べてより多くのものが、少なくとも一つの光学的な構成部品に結合させられるというような屈折率を有する材料からなる。本発明の特定の実施形態の利点は、少なくとも一つの光学的な構成部品の適当な形状及び材料の選択を通じて、少なくとも一つの光学的な構成部品に結合させられた発光の量が、最適化されることができるというものである。
【0018】
少なくとも一つの検出器は、検出器素子のアレイを具備することがある。これは、フォーカスさせられた照明源の走査についてのより少ない又は全くない要望と共に、多重の試料が試験されることを可能とすることができる。検出器素子のアレイは、単一なピクセル化された検出器であることがある、又は、複数の別個の検出器素子であることがある。本発明の特定の実施形態の利点は、検出器素子のアレイを使用することが、空間的な分解能を増加させることを可能にすることがあるというものである。後者のものは、検出器を位置決めするために及び少なくとも一つの光学的な構成部品を整形するために検出される少なくとも一つの試料の具体的な放出パターンを考慮に入れることによって得られることがある。
【0019】
少なくとも一つの光学的な構成部品は、複数の光学的な構成部品を具備することがあるが、複数の光学的な構成部品の各々は、少なくとも一つの試料の発光を受容することに適合させられる。複数の光学的な構成部品は、複数のプリズムであることがある。検出システムは、複数の光学的な構成部品の各々と直接的な接触における単一の、例.ピクセル化された、検出器を具備することがある。検出システムは、さらには、複数の光学的な構成部品の各々についての別個の検出器素子を具備することがある。
【0020】
複数の光学的な構成部品は、光学的な構成部品の各々の表面が、同じ平面に対して平行なものであるというように、及び、光学的な構成部品が、平面に対して実質的に垂直な励起放射を受容するというように、配置されることがある。本発明の特定の実施形態の利点は、励起放射での同時の及び/又は均一な照射が、得られることがあるというものである。
【0021】
少なくとも一つの検出器素子は、複数の検出器素子を具備することがあるが、それらの検出表面は、同じ平面に対して平行なものであると共に励起放射が光学的な構成部品において受容される側と光学的な構成部品の同じ側にあるものである。複数の検出器素子の検出表面が平行なものである平面は、複数の光学的な構成部品の各々の表面が平行なものである平面と同じ平面であることがある。本発明の特定の実施形態の利点は、検出器素子の位置が、励起放射及び発光放射を分離することが、実質的に簡単に行われることができると共に、低い信号/雑音比に帰着するというようなものであることがあるというものである。
【0022】
検出システムは、さらには、少なくとも一つの検出器素子に向かって光学的な構成部品に結合させられた少なくとも一つの励起された試料からの発光を反射させることに適合させられた表面を具備することがある。後者のものは、検出効率をさらに増加させることを可能にすることがある。
【0023】
検出システムは、さらには、入射の照明を、それが、光学的な構成部品を通じて、光学的な構成部品へ逆戻りに、通過させられてしまった後に、反射させるための反射体を具備することがある。後者のものは、検出効率をさらに増加させることを可能にすることがある。
【0024】
検出システムは、大面積の電子工学技術に基づいた一体化されたデバイスであることがある。本発明の特定の実施形態の利点は、異なる構成部品の簡単な製造が、例.集積回路技術又はアクティブマトリックス技術に基づいて、得られることがあるというものである。
【0025】
検出システムは、さらには、励起放射を発生させるための照射源を具備することがある。
【0026】
検出システムは、フォーカスさせるための手段及び照射源からの励起放射を走査するための手段を具備することがある。
【0027】
本発明は、また、少なくとも一つの試料からの発光を検出するための方法に関係するが、その方法は、少なくとも一つの光学的な構成部品の外部の表面へ少なくとも一つの試料を提供すること、少なくとも一つの試料を励起するために外部の表面の近くに少なくとも一つの光学的な構成部品の外側にエバネッセント励起場を作り出すこと、少なくとも一つの光学的な構成部品に結合させられた及び光学的な構成部品との直接的な接触における少なくとも一つの検出器素子に収集された少なくとも一つの試料からの発光を検出すること、を具備するものである。
【0028】
少なくとも一つの検出器素子に発光を収集することは、光学的な構成部品に結合させられた少なくとも一つの試料の放射の支配的な放出方向に適合させられた位置に発光を収集することを具備することがある。
【0029】
本発明は、さらには、検出システムを製造するための方法に関係するが、その方法は、粒子を結び付けることに適合させられた第一の表面を有する少なくとも一つの光学的な構成部品を提供すること、及び、少なくとも一つの光学的な構成部品との直接的な接触における少なくとも一つの検出器素子を提供することを具備する。
【0030】
少なくとも一つの検出器素子を提供することは、大面積の電子工学技術を使用することで基体に少なくとも一つの検出器素子を作り出すことを具備することがある。
【0031】
当該発明の特定の及び好適な態様は、付随する独立及び従属請求項に設定される。従属請求項からの特徴は、適当なものとして、及び、単に請求項に明示的に設定されたものとしてではなく、独立請求項の特徴と、及び、他の従属請求項の特徴と、組み合わせられることがある。
【0032】
本発明の教示は、例.粒子の形態における、化学的な、生物学的な又は生化学的な分析物を検出するための効率的な方法及び装置の設計を許容する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】図1は、本発明の第一の態様の実施形態に従った検出システムを図示するための検出システムの概略的な表現を図示する。
【図2】図2は、光学的な構成部品及びそれの環境の間の界面と平行なものである双極子についての光学的な構成部品の屈折率の関数としての光学的な構成部品へと放射された断片のパワーのグラフを示す。
【図3】図3は、本発明の第一の実施形態に従った単一の光学的な構成部品を通じた検出を具備する検出システムの概略的な表現である。
【図4】図4は、本発明に従った特定の実施形態に使用されることができるものとして、放出する双極子の試料の配向の異なる角度についての放出/パワーの遠距離場の角度的な分布を概略的に図示する。
【図5】図5は、本発明の第二の実施形態に従った改善された検出効率を備えた検出システムの概略的な表現である。
【図6】図6は、本発明の第三の実施形態に従った発光のための反射体を具備する検出システムの概略的な表現である。
【図7】図7は、本発明の第三の実施形態に従った励起放射のための反射体を具備する検出システムの概略的な表現である。
【図8】図8は、本発明の第三の実施形態に従った複数の検出器素子を具備する検出システムの概略的な表現である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明の上記の及び他の特性、特徴及び利点は、付随する図面と併せて考慮された、後に続く詳細な記載から明らかなものになると思われるが、それらは、当該発明の原理を、一例として、図示する。この記載は、当該発明の範囲を限定することなく、例の目的でのみ、与えられる。下に引用された参照図は、添付された図面を参照する。
【0035】
図1は、本発明の第一の態様の実施形態に従った検出システムを図示するための検出システムの概略的な表現を図示する。
【0036】
図2は、光学的な構成部品及びそれの環境の間の界面と平行なものである双極子についての光学的な構成部品の屈折率の関数としての光学的な構成部品へと放射された断片のパワーのグラフを示す。
【0037】
図3は、本発明の第一の実施形態に従った単一の光学的な構成部品を通じた検出を具備する検出システムの概略的な表現である。
【0038】
図4は、本発明に従った特定の実施形態に使用されることができるものとして、放出する双極子の試料の配向の異なる角度についての放出/パワーの遠距離場の角度的な分布を概略的に図示する。
【0039】
図5は、本発明の第二の実施形態に従った改善された検出効率を備えた検出システムの概略的な表現である。
【0040】
図6は、本発明の第三の実施形態に従った発光のための反射体を具備する検出システムの概略的な表現である。
【0041】
図7は、本発明の第三の実施形態に従った励起放射のための反射体を具備する検出システムの概略的な表現である。
【0042】
図8は、本発明の第三の実施形態に従った複数の検出器素子を具備する検出システムの概略的な表現である。
【0043】
異なる図において、同じ参照符号は、同じ又は類似の要素を指す。
【0044】
本発明は、特定の実施形態に関して、及び、ある一定の図面を参照して、記載されることになるが、しかし、当該発明は、それらに限定されずに、請求項によってのみ限定される。請求項におけるいずれの参照符号も、その範囲を限定するものと解釈されないものとする。記載された図面は、概略的なもののみであると共に限定されないものである。図面において、要素のいくつかのサイズは、図示の目的のために、誇張されると共に縮尺で描かれたものではないことがある。用語“を具備する”が、本記載及び請求項において使用される場合、それは、他の要素又はステップを排除するものではない。単数の明示を参照するとき、不定冠詞又は定冠詞、例.“ある”又は“その”が、使用される場合、これは、他に何かが具体的に述べられるのではない限り、複数のその名詞を含む。
【0045】
さらには、当該記載における及び請求項における、用語、第一の、第二の、第三の、及び同様のものは、類似の要素の間で区別するために、及び、必ずしも順次の又は経時的な順序を記載するためにではなく、使用される。そのように使用された用語が、適当な事情の下で交換可能なものであること、及び、ここにおいて記載された発明の実施形態が、ここにおいて記載されたもの又は図示されたもの以外のシーケンスにおいて動作の可能なものであることは、理解されるものである。
【0046】
その上、当該記載及び請求項における、用語、上部の、下部の、基部の、及び同様のものは、記述的な目的のために、及び、必ずしも相対的な位置を記載するためにではなく、使用される。そのように使用された用語が、適当な事情の下で交換可能なものであること、及び、ここにおいて記載された発明の実施形態が、ここにおいて記載されたもの又は図示されたもの以外の位置づけにおいて動作の可能なものであることは、理解されるものである。
【0047】
後に続く用語又は定義は、当該発明の理解において援助するために単独で提供される。これらの定義は、当業者によって理解されたものと比べてより少ない範囲を有するように解釈されないはずである。入射の放射は、数ある中で、UV、可視光、及びIRを含むいずれの種類の電磁放射をも包含することが意図される。発光及び放出は、数ある中で、典型的には励起源に応答して発生させられた、蛍光、ラマン散乱、及び他の放出を含むいずれの電磁放射をも包含することが意図される。一体化されたデバイスは、数ある中で、集積された半導体プロセスによって形成されたデバイス、又は半田、接着剤、若しくはいずれの他の手段によっても付けることによって先に製造された部分を一体化することによって形成されたハイブリッドというようなデバイスを含むいずれのタイプの一体化をも包含することが意図される。一体化された検出器は、数ある中で、集積された半導体プロセスによってデバイスに形成された検出器素子、又は先に製造されたそして半田、接着剤、若しくはいずれの他の手段によっても付けられた検出器素子を含むいずれのタイプの一体化をも包含することが意図される。
【0048】
本発明において、検知するためのデバイス及び方法は、典型的には、照射を検知することに適合させられる。このような照射は、表面に、又は、例.液体の試料にあると共に表面に結び付けられたものではない、不動にされたものではないプローブにのみならず、例.表面における不動にされた粒子、液体におけるものというような体積におけるどこにも、由来することがある。検知するためのデバイス及び方法は、このように、例.粒子の形態における、化学的な、生化学的な又は生物学的な分析物のいずれのものをも検知すること又は定量化することに適合させられることがある。このようなセンサーは、例.リアルタイムポリメーラーゼ連鎖反応(real-time polymerase chain reaction)(PCR)に使用されることがある。リアルタイムPCRにおいて、蛍光性標識付けされたプローブ又はDNAを結び付ける蛍光性の色素は、PCR生産物の検出及び定量化に使用されるが、このように定量的なPCRがリアルタイムで行われることを可能にするものである。DNAを結び付ける色素が、特異的な及び非特異的なPCR生産物の間の差別化を可能にするものではないのに対して、蛍光性に標識付けされた核酸プローブは、それらが、特異的なPCR生産物のみと反応するという利点を有する。リアルタイムPCRの場合には、典型的には、PCRプライマーは、一度それがシグナル分子に結び付くと、照射することを開始する。後者のものは、典型的には、表面又は基体におけるサイトへ結び付けられることなく、試料において起こることがある。あるいは、他の蛍光に基づいたセンシング及び/又は定量化の技術というような他の用途においては、プローブは、不動にされる又は非共有結合性の又は共有結合性の結合によってサイトへ付けられることができる。
【0049】
多数の他の試験方法が、使用されることができるけれども、リアルタイムPCRは、都合良くは、本発明の実施において用いられることができる。急速なサイクルのリアルタイムPCRのみならずリアルタイムPCRは、“Rapid cycle real−time PCR”,Reischl,Wittwer,Cockerill,Springer Verlag,2001に、特に、“Applications and Challenges of Real−Time PCR for the Clinical Microbiology Laboratory”:と題された章に、記載される。デバイスについての他の用途は、強度、偏光、及び発光寿命を含む、いずれのタイプの発光アッセイをも含むことができる。このようなアッセイは、数ある中で、細胞−基質接触領域、表面を結び付ける平衡、表面配向分布、表面拡散係数、及び表面を結び付ける動力学的な速度を特性決定するために使用されることがある。このようなアッセイは、また、単一のヌクレオチドの多形性(single nucleotide polymorphism)(SNP)というような多形性を有する核酸を含む、核酸、表面に位置が定められたターゲット(分子又は生存する細胞)に基づいたリガンドを結び付けるアッセイのみならず、プロテアーゼ、キナーゼ、及びホスファターゼというような酵素を含むタンパク質、を探すために使用されることがある。他の例は、レポーター遺伝子アッセイというような、表面における生存する細胞についての機能的なアッセイ、及び、細胞内のカルシウムイオンというようなシグナル伝達種についてのアッセイを含む。なおも他の例は、特に酵素が、表面に結び付けられた又は不動にされた種に作用する場合、酵素アッセイを含む。
【0050】
プローブは、いずれの適切な分子、例.抗体又はそれらの結び付くフラグメント、DNA又はRNA、DNA又はRNAのフラグメント、ペプチド、タンパク質、炭水化物、細胞、外部の若しくは内部の細胞膜又は細胞小器官といような細胞の部分、細菌、ウィルス、などでもあることができる。また、プローブは、これらのものの組み合わせ、例.細胞タンパク質、を含むことがある。プローブの不動化が、検知するデバイス又は方法において使用されるとすれば、プローブについてのサイトの表面は、試料の不動化を可能にするための有用な性質を得るために処理されることがある、例.サイト表面が、疎水性のもの又は親水性のものになされることがある。典型的には、このようなサイトは、スポットが乾燥させられるとき、スポットが、直接的な接触にある又は放射検出器と整列させられるというように、スポットとして生体分子を堆積させること又は印刷することによって作り出されることがある。生体分子は、好ましくは、それの存在が決定されることが意図される分析物分子に結び付くプローブである。基質の表面へ生物学的な分子のプローブを付ける一般的な方法は、当業者に知られる例えば、“Micorarray Technology and Its Application”,Mu(ウムラウト)ller and Nicolau,Springer,2005,第2及び3章を参照のこと。スポットエリア又はプローブサイトは、“ピクセル”と呼ばれることができる。スポット堆積は、いずれの適切な技術、例.生体分子の形態における、例.液体の試料の、接触若しくは非接触の印刷、マイクロスポッティング、固体の若しくは分裂させられたピン若しくはつまようじの印刷、ピペッティング、又は、サーマル、ソレノイド若しくは圧電性のインクジェットプリンティングによってもされることができる。本発明の実施形態と一致して、照射することに適合させられたプローブは、典型的には、多数の放射検出器サイトのアレイと整列させられる。プローブを具備する試料は、多数の放射検出器サイトのアレイと整列させられることがある、及び/又は、プローブが不動にされることがある多数のサイトのアレイは、放射検出器サイトのアレイと整列させられることがある。
【0051】
分析物の分子は、検出されることを必要とするいずれの分子、例.DNA又はRNA、DNA又はRNAのフラグメント、ペプチド、タンパク質、炭水化物、細胞、外部の若しくは内部の細胞膜又は細胞小器官というような細胞の部分、細菌、ウィルス、などでもあることができる。結び付けられたプローブ及び分析物の分子の発光を可能にするために、プローブ及び/又は分析物の分子は、例.蛍光、燐光、電界発光、化学発光、などによって、発光を提供する標識を具備する又はそれに付けられることができる。標識付けられたとき、プローブ又は分析物の分子は、“可変な光学的な分子”として記載されることがある。一度結び付けられたとすると、照射するプローブからの光放出は、変化する、例.正しい波長の放射で励起されたとすれば、それは、電界発光を放出することがある、又は、それは、蛍光を放出することがある。光放出の他の形態、例.電界発光は、例.電流というような適当な刺激物の提供によって、本発明と共に、使用されることができる。
【0052】
試料の露出は、手動で実行させられることができる、又は、例.サイトの中へ及びそれの外へマイクロチャネルに沿って流体を駆動するためのMEMSデバイス若しくはマイクロバルブの手段によって、自動化されることができる。必要とされるとすれば、流体及びサイトの温度は、抵抗体によって精密に制御されることができる。
【0053】
第一の態様において、本発明は、例.粒子の形態における、生物学的な、化学的な及び/又は生化学的な分析物を検出するためのシステムに関係する。それによって検出システムは、発光性の粒子、例.蛍光性のラベルで標識付けされたターゲット粒子、を励起するための、及び、検出器素子にエバネッセント励起場を発生させることに使用された光学的な構成部品を通じた発光を検出するために、エバネッセント励起場を発生させるために適合させられる。多数の本質的な及び自由選択の部分を含む、第一の態様に従った検出システムの概略的な表現は、図1に示される。本発明の第一の態様に従った検出システム100は、典型的には、少なくとも一つの光学的な構成部品102を具備する。少なくとも一つの光学的な構成部品102は、典型的には、第一の表面104を具備すると共に、入射の励起放射ビーム106が、エバネッセント場が、少なくとも一つの光学的な構成部品102の外側に作り出されるというように、第一の表面104で内部全反射をうけるというように位置づけされる。言い換えれば、光学的な構成部品102は、典型的には、入射の励起放射ビーム106を受容することに、及び、少なくとも一つの光学的な構成部品102の第一の表面104に励起放射ビーム106の内部全反射を提供することに、適合させられるが、このように少なくとも一つの光学的な構成部品102の外側に第一の表面104の近くにエバネッセント場を作り出すものである。このエバネッセント場は、典型的には、少なくとも一つの試料108を励起するために使用される。エバネッセント場励起を使用することは、それが、検出された発光の応答、例.蛍光性の信号、についての信号対背景の比の改善に帰着するものである、励起の体積を低減するという点で、伝播する場の励起を使用することを超えた利点を有する。
【0054】
従って、検出システム100、又はより詳しくは、少なくとも一つの光学的な構成部品102は、第一の表面104の近くで試料108を収容することに適合させられることがある。第一の表面104は、例.蛍光性の標識によって標識付けされることによって、例.試料108、例.発光性のものであるターゲット粒子、を結び付けることに、適合させられることがある、又は、発光性の粒子は、例.
例.好ましくは、第一の表面104から離れて励起波長と比べてより遠いものではない、より好ましくは、それから離れて励起波長の1/3と比べてより遠いものではない、距離に、第一の表面104の近接近にもってこられた流体における結び付けられたものではない試料108の粒子、であることがある。エバネッセント場の深さは、例えば、薄い金属のフィルムというような、適切な材料で界面をコートすることによって、変えられることができる。
【0055】
少なくとも一つの光学的な構成部品102は、典型的には、プリズムであることがある。少なくとも一つの光学的な構成部品102は、典型的には、検出システム100において使用された励起放射ビーム106について実質的に透明な及びまたエバネッセント励起場を使用することで励起された少なくとも一つの試料108の発光応答について実質的に透明な材料で作られることがある。今日行われた複数のアッセイについて、このような材料は、例.ガラス、溶融石英、又はプラスチックであることがある。光学的な構成部品102は、入射の光、即ち、励起放射ビーム106が、完全に内部全反射させられるというような形状を備えたいずれの光学的な構成部品でもあることがある。後者のものは、また、例.多角形の形状を備えたプリズムを具備することがある。典型的には、検出システム100は、さらには、少なくとも一つの検出器素子110を具備する。少なくとも一つの検出器素子110は、光学的な構成部品102との直接的な接触において、例.光学的な構成部品102の表面112との直接的な接触において、位置決めされる。光学的な構成部品102との直接的な接触に位置決めされたということで、意味されることがあることは、低い屈折率を備えた層、例.空気層が、少なくとも一つの光学的な構成部品102及び少なくとも一つの検出器素子110の間にあるのではないということである。典型的には、本用途においては、屈折率が、1.4と比べてより小さいもの、例.1.33と比べてより小さいもの、であるとすれば、材料は、低い屈折率を有することが考慮される。少なくとも一つの光学的な構成部品102及び少なくとも一つの検出器素子110の間の界面での実質的な内部全反射を回避する為には、少なくとも一つの光学的な構成部品102及び少なくとも一つの検出器素子110の間における層は、あるものであるとすれば、少なくとも一つの光学的な構成部品102の屈折率と比べて必ずしも実質的により低いものではない屈折率を有するべきである。検出器素子110は、例.検出される発光が、必ずしも実質的に内部全反射させられないというように十分に高いものである屈折率を有する透明な接着剤によって光学的な構成部品との直接的な接触にあるものであることがある。検出器素子110及び光学的な構成部品102の間の直接的な接触は、実際的な視点からあまり好ましいものではないとはいえ、屈折率を調和させる流体を使用することでまた得られることがある。少なくとも一つの検出器素子110は、少なくとも一つの試料によって放出された電磁放射を検出することに適切ないずれの検出器素子であることがある。検出器素子は、例えば、ダイオード、例.行検出器又はm×nの2次元の検出器、一行の光検出器、…というようなピクセル化された検出器と同様の光検出器であることがある。本発明の第一の態様に従った検出システム100において、試料の発光の検出は、このように、少なくとも一つの光学的な構成部品102を通じてされる。プリズムを通じて検出することは、また、たいてい、検出経路における反射及び他の喪失の上で議論された問題点を解決する。少なくとも一つの光学的な構成部品102の材料の選択の影響は、少なくとも一つの光学的な構成部品102へと結合させられる発光放射の量、及び、それはこのように、検出のために利用可能なものであることになる発光放射の量、に強く影響することがある。図2は、粒子、例.双極子放出体と対応する標識付けられたターゲット粒子、を結び付ける光学的な構成部品の屈折率を増加させることが、50%を優に上回る、光学的な構成部品102へと結合させられた断片のパワーの増加を提供することができることを示す。図2において、光学的な構成部品102より上に1nmで面内に配向させられた及び水によって囲まれた双極子から結合させられた発光は、一例として示される。図示の方式によって示された結果は、600nmの波長についての有限要素法で行われた計算に基づいたものである。
【0056】
光学的な構成部品102との直接的な接触における検出器素子110を位置決めすることによって得られた利点は、光学的な構成部品102から検出器素子110へ外に結合させられた蛍光の量が、大きい内部全反射の角度が、典型的には光学的な構成部品/検出器の表面にあるものである際には、実質的に高いものであるというものである。内部全反射についての角度は、典型的には、例.光学的な構成部品/空気の表面があるものであるとすれば、と比べてより大きいものであるが、それは、光学的な構成部品102における内部全反射によって取得されるより少ない発光の光及びこのように検出器素子110へ外に結合させられるより多くの光に至る。後者のものは、このように、低い屈折率の層、例.空気層が、検出器素子110及び少なくとも一つの光学的な構成部品102の間にあるであろうときの場合であるであろうものと比べてより高い検出効率に帰着する。
【0057】
さらには、検出システム100は、典型的には、励起放射ビーム106を発生させるための照射源114を具備することがある。照射源114は、試料108を励起することを可能にするいずれの電磁放射をも発生させることがある。照射源114は、例.発光ダイオード、レーザー、又はいずれの他の適切な照射源でもあることがある。照射源114は、検出システム100の部分であることがある、又は、検出システム100に対して外部のものであることがある。広視野の励起及び走査ビームの技術を使用することでフォーカスさせられた/狭いビームによる励起の両方。フォーカスさせられた/狭いビームによる励起は、低減された励起の体積及びこのように改善されたSNRの利点を有する。可能性のある配置は、例.励起スポット/源の調和させられたアレイを備えた、光学的な構成部品の2Dアレイ、であることがある。アレイを並進させることによって、例.異なる付着層を備えた、又は、並列に他のターゲット粒子を結び付けることに適合させられた、異なるプリズムをプローブすることができる。後者のものは、あるタイプの多重化を可能にする。
【0058】
さらには、検出システム100は、自由選択でまた、励起放射ビームを案内する、フォーカスさせる、及び/又はフィルター処理するための第一の追加の光学的な構成部品116を具備することがある。典型的には、このような追加の光学的な構成部品116は、レンズ、ミラー、及び/又は二色性のフィルターであることがある。検出システム100は、また、光学的な構成部品102との直接的な接触における、又は、少なくとも一つの検出器素子110との接触における、第二の追加の光学的な構成部品118を具備することがある。第二の追加の光学的な構成部品118は、例えば、励起放射からの直接的な入射から検出器素子110を遮蔽するための遮蔽素子を具備することがある。第二の追加の光学的な構成部品118は、また、例えば、検出器素子110へ発光を追加的に案内するための反射素子又は光学的な構成部品102へと結合させられた発生させられた発光から励起放射を分割するための二色性のフィルターを具備することがある。
【0059】
さらには、検出システム100は、自由選択でまた、励起放射ビーム106をフォーカスさせるためのフォーカシング手段120及び励起放射ビーム106を走査するためのスキャニング手段122を具備することがある。本発明の第一の態様に従った実施形態において、検出は、励起放射ビーム106を走査することによって行われることがあるか、又は、幅広いエリアの励起は、行われることがあるかのいずれかである。
【0060】
さらには、検出システム100は、また、制御及び分析回路部品124を具備することがあるが、それは、例.専用のハードウェア又はソフトウェアを介して、いずれの適切な様式でも実施されることがある。それは、例.適切にプログラム化されたコンピューター、マイクロコントローラー、若しくは、マイクロプロセッサー、PAL、PLA若しくはFPGAというようなプログラム可能なゲートアレイというような埋め込み型のプロセッサー、又は類似のものであることがある。制御及び分析回路部品は、出力デバイス124への出力を提供することがある。
【0061】
本発明の特定の実施形態において、より大面積の走査が、フォーカスさせられたビーム及びマルチスポット励起を使用することで、行われることがあるとはいえ、本技術の空間的な分解能は、また、少なくとも一つの光学的な構成部品の第一の表面の異なる位置での異なる発光性の粒子の空間的な示差的な検出に基づいて、固有に増加させられることがある。典型的には、それによる使用は、特異的な方向に発光性の放射を放出する発光性の粒子の予め決められた放出パターンでなされることがある。
【0062】
光学的な構成部品及び発光性の粒子を囲む媒体の間の界面における励起エリアは、プリズムのサイズ及び検出器によって遮断される部分によって限定される。検出器の不連続なアレイの上部における大きいプリズムの場合には、各々の検出器は、媒体及びプリズムの間の界面のある一定のエリアと整列させられる。代替の配置は、各々のプリズムが、専用の検出器を有するというように、検出器の不連続なアレイの上部におけるプリズムのアレイを伴う。両方の場合において、検出器の寸法又はプリズムの寸法が、空間的な分解能を限定する場合には、蛍光の空間的に分解された測定をすることができる。空間的な分解能が、回折限界を優に上回るものである、及び、むしろ1.0−100ミクロンの程度であることは、注目されるべきである。
【0063】
本発明の第一の態様は、多数の実施形態によって、一例として、さらに図示されることになるが、本発明は、それらに限定されるものではない。
【0064】
第一の態様に従った第一の実施形態において、本発明は、上に記載されたような検出システム100に関係するが、それにおいては、少なくとも一つの光学的な構成部品102は、単一の光学的な構成部品102、例.単一のプリズム、である。検出システム100は、また、光学的な構成部品102を通じた発光の検出が使用されるというように、単一の光学的な構成部品102との接触における単一の検出器素子110を具備する。それによって光学的な構成部品は、検出器素子110の上部において少なくとも部分的に位置決めされる。このような検出器素子110は、ピクセル化された検出器であることがある。本実施形態に従った例示的な検出システム150の概略的な表現は、図3に示される。図3に示された例示的な検出システム150は、光学的な構成部品102、例.プリズム、の、第二の表面112、例.基部、を介して底部からの、及び第二の表面112、例.基部、に対して本質的に垂直な、励起放射で照明される。励起放射の入射の方向が、第二の表面112に対して本質的に垂直な方向に限定されるものではないこと、及び、入射の他の方向が、また、使用されることがあることは、留意されることである。検出器素子110は、光学的な構成部品102の同じ側に位置させられるが、しかし、励起放射が、検出器素子110を通過するというように位置においてシフトさせられる。言い換えれば、検出器素子110は、また、光学的な構成部品102、例.プリズム、の、第二の表面112、例.基部側、に位置決めされる。検出器素子110は、検出器素子110によって直接的に、即ち、光学的な構成部品102に入ることなく、検出される励起放射を回避する為には、より下から遮蔽される。それの第二の表面112、例.基部、に対するプリズムの第一の表面104の角度βは、典型的には、光学的な構成部品102、例.プリズム、の、第二の表面112、例.基部、での法線方向の入射の励起放射が、即ち、光学的な構成部品102/媒体152の界面の近くにエバネッセント場励起を作り出す為には、光学的な構成部品102/媒体152の界面で内部全反射させられるというように、光学的な構成部品102及び媒体152の間の界面の臨界角と比べてより大きいものに選ばれることがある。本例においては、それにおいては、1.881と比べてより大きい屈折率を備えた光学的な構成部品102及び1.33の屈折率のものを備えた媒体152が、仮定されるが、第一の表面104における内部全反射の臨界角(即ち、内部全反射が起こるために要求された最小の角度)は、45度と比べてより大きいものである。結論として、第二の表面112及び第一の表面104の間の角度βは、おおよそ45°に設定されることができるが、それは、第二の表面112に対して実質的に平行に通過する内部全反射させられた励起放射に帰着する。後者のものが、特異的な場合であると共に光学的な構成部品102の屈折率に依存することは、注意されることである。励起放射は、このように、第三の表面154で光学的な構成部品102の外に結合させられる。もちろん、プリズムは、他の表面及び形状を有することができる。発光性の試料の場合には、例.発光団/ビードともまた称された、粒子108は、光学的な構成部品102/媒体152の界面の近隣にあるものである、例.発光性の試料の場合には、粒子は、第一の表面に結び付けられると共に、それは、エバネッセント場を経験する。結果として生じる蛍光は、光学的な構成部品102及び媒体152の両方へと放射させられる。図2に図示されたように、光学的な構成部品102の屈折率の適切な選抜によって、より多くのパワーは、媒体152へのものと比べて、光学的な構成部品102、例.プリズム、へと放射させられる。第一の態様の第二の実施形態において、本発明は、同じ特徴及び同じ利点を具備するものである、上に記載されたような、例.第一の実施形態に記載されたような、−しかしそれに限定されたものではない−、検出システムに関係するが、しかし、それにおいては、さらには、少なくとも一つの光学的な構成部品102の第一の表面104及び第二の表面112の間の角度は、発光性の粒子の放射の大部分が、光学的な構成部品102において方向付けられる場合のものへと適合させられる。一例として、当該発明が、それに限定されたものではないが、発光性の粒子は、双極子放射体として考慮されることがある。このような双極子放射体の典型的な放出パターンは、(0°によって示された)双極子放射の面外の配向についての双極子放射についてのパワーの遠距離場の角度的な分布の極座標プロットを図示するものである、図4に示されるが、それによって放射は、即ち、例.典型的には臨界角のまわりの、大きい角度におけるサイドローブを備えた、界面の法線から離れて集中させられる。(90°によって示された)双極子放射の面内の配向については、放射は、界面の法線まわりにより多く集中させられる。
【0065】
第一の表面104及び第二の表面112の間の角度βの適切な選抜によって、光学的な構成部品102/媒体152の界面の臨界角と比べて幾分より大きい角度における放射は、第二の表面112と本質的に平行な又は第二の表面112と本質的に法線方向の配向を有する。それによる放射角度は、光学的な構成部品102/媒体152の界面の法線に関して表現される。このような適切な選抜は、光学的な構成部品102/媒体152の界面の臨界角と比べて幾分より大きい、光学的な構成部品の第一の表面104及び第二の表面112の間の角度を選択するものであることがある。この方式において、光学的な構成部品102の中へ結合させられた放射の実質的な部分は、全ての双極子の配向について、検出器に到達する。他の半分は、典型的には、第二の表面112と本質的に平行に伝播する。光学的な構成部品102において結合させられてしまった少なくとも一つの試料108の発光の実質的な部分は、少なくとも一つの光学的な構成部品に入れられた発光の少なくとも40%、好ましくは少なくとも一つの光学的な構成部品に入れられた発光の少なくとも45%、より好ましくは少なくとも一つの光学的な構成部品に入れられた発光の少なくとも50%、であることがある。少なくとも一つの試料の放出は、例えば、光学的な構成部品102へと結合させられた発光の実質的な部分が、第一の表面104、即ち、光学的な構成部品/媒体の界面、に対する法線に関して角度αで放出されるというようなものであることがあるが、それは、例.図4において見られることができるような面外の配向における双極子放出についての場合である。そして、少なくとも一つの光学的な構成部品の第二の表面は、典型的には、好ましくは、双極子照射の大部分が方向付けられるところへの角度と比べて、幾分、例.δ°、より大きいものである、第一の表面とある角度をなすことがある。角度βは、このように、例.角度αと比べてより大きいものである、例.角度αと比べて5°及び35°の間でより大きいものである、例.角度αと比べて10°及び30°の間でより大きいものである、例.角度αと比べて15°及び25°の間でより大きいものである、例.角度αと比べて約20°より大きいものである、角度α+βであることがある。図4から、面内から面外までの配向の範囲にわたる双極子配向について、放射の実質的な部分が、第一の表面104及び媒体152の間の界面における内部全反射の角度と比べてわずかにより大きい角度までの(双極子の面内の配向について)第一の表面104に対して本質的に法線方向の角度の間にあるものであることは、結論されることができる。例.15°及び25°の間のというような、例.20°のまわりの、例.10°及び30°の間の、角度δの適切な選抜によって、光学的な構成部品102へと放射された放出の約50%が、検出する素子110に向かって方向付けられるというような配置を獲得する。例えば、素子102が、1.881と比べてわずかにより高い屈折率を有すると共に媒体(例.水)が、1.33の屈折率を有するとすれば、放射の実質的な断片は、第一の表面104の法線に関して−45から+45度までの角度の間にあるものである。20°の角度δを選抜することによって、光学的な構成部品102へ放射された放出の約50%は、0から65°までの範囲における(第二の表面112の法線に関する)角度を有する検出する素子110に向かって方向付けられる。
【0066】
光学的な構成部品の幾何学的配置を決定するために光学的な構成部品の中に結合させられた放射の支配的な放射方向が考慮に入れられたことによって、発光の少なくとも一部分は、臨界角から離れて検出器素子に入射するものであることがあるが、このように増加させられた検出効率に帰着するものである。
【0067】
第一の態様に従った第三の実施形態において、本発明は、同じ特徴及び同じ利点を具備するものである、上記の実施形態のいずれにも記載されたような検出システムに関係するが、しかし、それにおいては、さらには、追加の光学素子は、検出効率を増加させる為には、提供される。典型的には、このような追加の特徴は、検出器素子へ検出器素子によって必ずしも直接的に検出されたものではない発光の部分を方向付けるための又は少なくとも第二の時間の間に第一の表面へ励起放射を再度方向付けるためのいずれかの反射体を具備する。このような検出システムの部分の例は、図6において実例としてのみ示される。図6は、第一の表面104、例.第一の斜辺、と第二の表面112に関して同じ角度βを有する、第三の表面202、例.第二の斜辺、を備えた、検出システム200、例.プリズム、を示す。それによって第三の表面202は、その第二の表面112へ、第二の表面112、例.基部、に実質的に平行な第三の表面202に入射するものである放出Bを反射させるための反射体204が提供される。第一の表面104に反射させられた及び検出器素子110に向かって方向付けられた励起放射を実質的に抑制する為には、典型的には、反射体204は、少なくとも一つの検出器素子110へ、実質的に励起放射と同じ波長を有する放射、例.励起放射それ自体、を反射させるものではない、二色性の反射体である。本例においては、検出するデバイス200は、このように、入射の発光放射Bが、少なくとも一つの検出器素子110の方向において反射させられるというように、少なくとも一つの光学的な構成部品102の第三の表面202を位置づけることによって、及び、反射体204、好ましくは二色性の反射体を提供することによって、少なくとも一つの検出器素子110へ発光放射を方向付けることに適合させられる。このような反射体204は、例.第三の表面202へ反射させるフィルムを提供することによって、又は、少なくとも一つの光学的な構成部品102の第三の表面202へ反射させる素子を付けることによって、反射させる層又は層のスタックで少なくとも一つの光学的な構成部品102の第三の表面202をコートすることによって得られることがある。典型的に使用された具体的なコーティング又は材料は、使用された励起波長及び得られた発光波長に依存することになる。あるいは、追加の光学素子は、図7の検出システム220において一例として示されたように、少なくとも一つの光学的な構成部品102の第一の表面104に向かって励起放射を再度方向付けることに適合させられることがある。第三の表面202における励起放射を反射させることに適合させられた、反射体は、提供されると共に、第一の表面104における反射の後の励起照射を受容する、第三の表面202は、励起照射が、少なくとも一つの光学的な構成部品102の第一の表面104に対して適当な角度で反射させられるというように、位置づけられる。
【0068】
第一の態様に従った第四の実施形態において、本発明は、同じ特徴及び同じ利点を具備するものである、例.上記の実施形態のいずれにおいても、上に記載されたような検出システムに関係するが、しかし、それにおいては、少なくとも一つの光学的な構成部品102は、複数の光学的な構成部品である。後者のものは、図8において一例として図示される。複数の光学的な構成部品は、例.複数のプリズムであることがある。複数のプリズムは、例.プリズムの一次元の又は二次元のアレイであることがある。この場合には、自由選択で、励起放射を反射させる又は吸収することに適合させられた、反射体又は不透明な材料は、クロストークを回避する為には、発光性の粒子の結び付くことが無いプリズムの側に設けられることがある。第一のプリズムにおける励起光又は蛍光は、第二のプリズムへ部分的に結合させられることがあると共にそれは、クロストークとして考慮される。反射体を使用することは、反射体が、また、図7に示されたように、検出効率を改善するという理由のために、不透明なコーティングを使用することに好適なことである。さらには、自由選択でまた、二重のコーティングは、発生させられた発光が、近隣にある光学的な構成部品へと中に結合させられることを予防するために設けられることがある。再度、反射体又は不透明な材料は、使用されることがあるが、しかし、発生させられた発光のための反射体を設けることは、光学的な構成部品に向かって発光を再度方向付けることを可能にすることがあると共に発光が光学的な構成部品へと中に結合させられると共に検出されるという可能性を提供することがある。
【0069】
言い換えれば、光遮蔽物は、例.異なる発光性の粒子の間のクロストークを予防するために、試料において自由に位置決めされた又は結び付けるサイトに不動にさせられた、近隣にある発光性の粒子からの光を遮蔽するために設けられることができる。光遮蔽物は、スポットについてのサイトと整列させられた検出器を提供するために検出器の使用と組み合わせられる、又はこれのものと独立にある、ことができる。
【0070】
複数の光学的な構成部品の各々の光学的な構成部品は、単一の検出器素子との組み合わせで使用されることがある、多数の光学的な構成部品は、組み合わせられた検出器素子と使用されることがある、又は、多数の検出器素子は、光学的な構成部品の各々との組み合わせで使用されることがある。
【0071】
複数の光学的な構成部品は、光学的な構成部品の各々の各々の表面が、共通の平面に対して平行なものであるというように、位置決めされることがある。複数の光学的な構成部品は、その平面に対して実質的に垂直に励起放射を受容することがある。上記のものは、同時の及び/又は均一な照射に帰着することがある。典型的には、異なる検出器の検出表面は、平面に対して平行なものであると共に励起放射が受容される表面と同じ表面に位置決めされることがある。これの方式において、励起放射及び発光放射は、実質的に簡単に分離されることができるが、低い信号対雑音比に帰着するものである。
【0072】
さらなる実施形態において、本発明は、上に記載されたものと同じ特徴及び同じ利点を具備するものである、上に記載されたような検出システムに関係するが、しかし、それにおいて、さらには、検出システムは、一体化されたデバイスである。言い換えれば、検出システム又は少なくとも検出器素子は、
用途に必要とされた感度に適合するために、又は、コスト、検出のスピード、丈夫さ、及びそのようなものというような他の考慮を適合させるために、例.一体化された半導体プロセスに基づいたものというような、大面積の電子工学技術を使用することで、又はより好ましくは、アクティブマトリックス技術若しくは他の一体化された検出器技術を使用することで、提供される。典型的には、非晶質のシリコン(amorphous silicon)(s−Si:H)、例.ガラス上のa−Si、低い温度のポリシリコン(low-temperature poly-silicon)(LTPS)又は有機の技術は、適用されることがある。伝統的な大面積の電子工学(large-area electronics)(LAE)技術は、安価な基体であると共に透明なものである光学的な検出についての利点を有するガラス上の電子の機能を提示する。能動的なLAEポリSi又はa−Si基体は、どの試料スポットが外部の光検出器の使用無しに放出するものであるかを検出するために、この用途に提案される。標準的なLAE技術は、通常のアドレッシングTFT及び回路部品と一緒にフォトダイオード又はフォトTFT検出器を(少量の又は全く無い余分なコストで)一体化するために使用されることができる。いくつかの実施形態は、基体に一体化されたa−Siフォトダイオード(又はフォトTFT)を有することができる。
【0073】
TFT、ダイオード又はMIM(metal-insulator-metal)は、能動的な素子として使用されることができるであろう。アクティブマトリックス技術は、多数の表示効果の駆動のためにフラットパネルディスプレイ、例.LCD、OLED及び電気泳動ディスプレイの分野において使用される。それは、使い捨ての生化学的なモジュールを製作するための費用に対して効果の高い方法を提供する。これは、バイオチップ又は似たようなシステムが、ある多重度の構成部品を含有することがある際には、好都合なものであるが、それの数は、デバイスが、より有効なもの及びより多用途のものになる際に、増加するのみであることになる。検出器は、例.実施された、n−及びp−タイプの薄膜トランジスタ(thin film transistor)(TFT)の両方を具備する能動的なプレートにおいて一体化されることができる。これは、検出器と併せてアドレッシングトランジスタ及び記憶容量のアクティブマトリックスを具備する基本的なアレイの部分であることができる。容量は、光が、長いフレーム周期の時間周期にわたって一体化されると共にそして読み出されることを可能にする。これは、また、他の回路部品が、(駆動の一体化、電荷の一体化、及び読み出しの回路部品というようなものとして)加えられることを可能にする。検出器は、単純に、オフ状態において、制御電極、例.ゲートにバイアスがかけられたもの、を使用することでバイアスがかけられる薄膜トランジスタ(thin film transistor)(TFT)、又は、TFTとして同じ薄い半導体フィルムで作られた横型のダイオード、又は、第二の、より厚い、半導体層から形成された縦型のダイオード、であることができる。TFT又は横型のダイオードが、光検出器として使用されるものであるとすれば、そのときには、これらは、余分な費用の無いものになる。しかしながら、良子な感度のためには、縦型のa−Si:H NIPダイオードは、使用されることができると共に、これらは、アドレッシングTFT及び回路部品へ一体化されることを必要とする。このようなスキームは、a−Si:H TFT技術において両方ともすでに実施されてきたものである。
【0074】
光学的な構成部品は、典型的には、例.基体の表面へ、プリズムというような一つの又はより多くの光学的な構成部品、例.光学的な構成部品のアレイ、を真空結合させることというような接着すること又は結合させることによって、検出デバイスにおいて組み込まれることがあるが、それの中に/それの上に検出器素子が、提供される。後者のものは、検出デバイスの表面には、光学的な構成部品が接続される表面を平坦化するための平坦化層が提供されてしまった後で、典型的には、行われることがある。反射体素子を組み込むための別の代替物は、基体の表面へ、例.ガラス又は有機の重合体材料というような透明な材料の層又はプレートを真空結合させることというような接着すること又は結合させることによるものであることがあるが、それの中に/それの上に検出器素子が、提供される。そして、層又はプレートは、それの中に光学的な構成部品、例.プリズム、を形成する為には、例えば、エッチング又はレーザー加工することによるもの、しかしそれに限定されたものではないもの、というような、加工されることがある。あるいは、層又はプレートは、すでに、先に立って加工されることがある。
【0075】
第二の態様において、本発明は、また、第一の態様の実施形態に記載されたような検出システムを製造するための方法に関係する。製造の方法は、光学的な構成部品を形成すること及び光学的な構成部品に検出器を形成することのステップを有する。光学的な構成部品及び検出器は、共通の基体の中に及びそれの上に形成されることができる。典型的には、このような方法は、このように、それへ粒子を結び付けることに適合させられた第一の表面を有する少なくとも一つの光学的な構成部品を提供すること、及び、少なくとも一つの光学的な構成部品との直接的な接触における少なくとも一つの検出器素子を提供することを具備する。直接的な接触において、それらによって、例.空気層というような、低い屈折率の層が、検出器素子及び光学的な構成部品の間にあるものではないことを意味する。典型的には、基体において検出器素子を製造するために、大面積の電子工学技術の使用は、なされることがある。後者のものは、検出器素子が、用途に必要とされた感度に適合するために、又は、費用、検出のスピード、丈夫さ及びそのようなものというような他の考慮に適合するために、アクティブマトリックス技術又は他の一体化された検出器の技術に基づいたものであることができることを、暗示する。典型的には、非晶質のシリコン(amorphous silicon)(a−Si:H)、例.ガラス上のa−Si、低い温度のポリシリコン(low-temperature poly-silicon)(LTPS)又は有機の技術は、適用されることがある。伝統的な大面積の電子工学(large-area electronics)(LAE)技術は、安価な基体であると共に透明なものである光学的な検出についての利点を有するガラス上の電子の機能を提示する。
【0076】
本発明に従った実施形態の利点は、エバネッセント励起場を発生させる光学的な構成部品を通じた検出が、適用されるというものであるが、このように追加のカバープレートを使用することの必要性を回避することを可能にするものである。典型的には、このようなカバープレートは、試料から検出されることができる最大の許容可能な放出角度が、カバープレートへ中に結合されたものはない発光又はカバープレートにおいて取得された発光に至るものである発光の内部全反射のおかげで厳格に限定されることを暗示する。本発明に従った実施形態は、この問題を欠点としてもつものではない。
【0077】
本発明の特定の実施形態の利点は、発光粒子、例.蛍光性の標識付けされた粒子、のエバネッセント場励起についての簡単なスキームが、得られるというものである。提案されたスキームは、いくつかの場合には、(知られた配置に対して比較された)励起についてのより単純な配置を提供することができる。
【0078】
また、本発明の特定の実施形態の利点は、例.ディスプレイにおいて一般的に使用されたアクティブマトリックス技術に基づいた検出器というような、一体化された検出器が、使用されることができるというものである。後者のものは、検出経路における界面での内部全反射からの負の効果が、低減されることができるという理由のために、典型的には、検出効率を増加させることがある。
【0079】
当該発明を具現化する検出方法及びシステムの目的を成し遂げるための他の配置は、当業者には自明なものであると思われる。
【0080】
好適な実施形態、材料のみならず、具体的な構築及び構成が、本発明に従ったデバイスについて、ここにおいて議論されてきたものであるとはいえ、形態及び細部における様々な変化又は変更が、この発明の範囲及び主旨から逸脱することなくなされることがあることは、理解されることである。例えば、上の記載においては、検出システムが、記載されるのに対して、本発明は、また、生物学的な、化学的な又はせいか学的な粒子を検出するための方法に関係する。当該方法は、それによって、典型的には、少なくとも一つの光学的な構成部品、例.プリズム、の外部の表面へ少なくとも一つの試料を提供することを具備する。典型的には、後者のものは、少なくとも一つの光学的な構成部品の表面との接触へと試料又は液化された試料を持ってくること及び当該表面へ試料のターゲット粒子を結び付けることによってされるが、それによって、ターゲット粒子は、典型的には、発光容量を有することがある、例.それらは、励起可能な蛍光性の標識を使用することで標識付けされることがある。試料を提供するための代替の例は、例.外部の表面に沿って試料を案内することによって、少なくとも一つの構成部品の外部の表面との近い接触に試料を持ってくることであることがある。一度少なくとも一つの試料が、提供されると、エバネッセント励起場は、試料を励起する及びこのように発光を発生させる為には、外部の表面の近くの光学的な構成部品の外側に発生されられることがある。エバネッセント励起場のこのような発生は、少なくとも一つの光学的な構成部品における内部全反射に励起ビームを持ってくることによって行われることがある。励起された試料からの発生させられた発光は、光学的な構成部品を通じて収集される、即ち、少なくとも一つの試料からの発光は、少なくとも一つの光学的な構成部品へと中に結合させられると共に検出器素子において収集される。検出器素子は、それによって、少なくとも一つの光学的な構成部品との直接的な接触にあるものである。後者のものは、より大きい検出効率を可能にする。光学的な構成部品の表面の配向及び検出の位置は、少なくとも一つの試料の放出の検出を最適化するために適合させられることがある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入射の励起放射によって励起されたとき少なくとも一つの試料からの発光を検出するための検出システムであって、
前記検出システムが、少なくとも第一の表面を備えた少なくとも一つの光学的な構成部品及び少なくとも一つの検出器素子を具備するものである、検出システムにおいて、
前記少なくとも一つの光学的な構成部品の前記第一の表面は、前記少なくとも一つの試料を励起させるために前記少なくとも一つの光学的な構成部品の外側にエバネッセント場を作り出すための入射の励起放射を内部全反射させるように位置させられると共に、
前記少なくとも一つの検出器素子は、前記少なくとも一つの光学的な構成部品を通じて少なくとも一つの励起された試料からの発光を検出するために前記少なくとも一つの光学的な構成部品との直接的な接触にある、検出システム。
【請求項2】
請求項1に記載の検出システムにおいて、
前記少なくとも一つの光学的な構成部品は、プリズムである、検出システム。
【請求項3】
請求項1に記載の検出システムにおいて、
前記少なくとも一つの検出器素子は、前記少なくとも一つの光学的な構成部品の第二の表面との直接的な接触にあると共に、
前記少なくとも一つの光学的な構成部品の前記第一の表面及び前記第二の表面の間の角度は、前記検出器素子における前記少なくとも一つの光学的な構成部品に入れられた前記少なくとも一つの試料の発光の実質的な部分を受容するために前記光学的な構成部品へと結合させられた前記少なくとも一つの試料の放射の支配的な発光放射方向に適合させられる、検出システム。
【請求項4】
請求項3に記載の検出システムにおいて、
前記少なくとも一つの試料の放出パターンは、前記発光の実質的な部分が、前記第一の表面に対する法線に関して実質的に角度αで放出されるようなものであると共に、
前記少なくとも一つの光学的な構成部品の前記第二の表面は、前記角度αと比べてより大きいものである前記第一の表面との角度をなすものである、検出システム。
【請求項5】
請求項3に記載の検出システムにおいて、
前記第二の表面は、それを通じて前記励起放射が前記光学的な構成部品へと結合させられる表面である、検出システム。
【請求項6】
請求項1に記載の検出システムにおいて、
前記少なくとも一つの光学的な構成部品は、前記試料に関して配置されると共に、前記発光の50%と比べてより多くのものが前記少なくとも一つの光学的な構成部品へと結合させられるような屈折率を有する材料からなる、検出システム。
【請求項7】
請求項1に記載の検出システムにおいて、
前記少なくとも一つの検出器は、検出器素子のアレイを具備する、検出システム。
【請求項8】
請求項1に記載の検出システムであって、
前記少なくとも一つの光学的な構成部品は、複数の光学的な構成部品を具備すると共に、
前記複数の光学的な構成部品の各々が、少なくとも一つの試料の発光を受容するために適合させられる、検出システム。
【請求項9】
請求項7に記載の検出システムにおいて、
前記複数の光学的な構成部品は、前記光学的な構成部品の各々の表面が、同じ平面に対して平行なものであるように、及び、前記光学的な構成部品が、前記平面に対して実質的に垂直な前記励起放射を受容するように、配置される、検出システム。
【請求項10】
請求項8に記載の検出システムにおいて、
前記少なくとも一つの検出器素子は、複数の検出器素子を具備すると共に、それらの検出表面が、同じ平面に対して平行なものであると共に前記励起放射が前記光学的な構成部品に受光される側と前記光学的な構成部品の同じ側にあるものである、検出システム。
【請求項11】
請求項1に記載の検出システムにおいて、
前記検出システムは、さらには、前記少なくとも一つの検出器素子に向かって前記光学的な構成部品に結合させられた前記少なくとも一つの励起された試料からの発光を反射させることに適合させられた表面を具備する、検出システム。
【請求項12】
請求項1に記載の検出システムであって、
前記検出システムは、さらには、入射の照明を、それが、前記光学的な構成部品を通じて、前記光学的な構成部品へと逆戻りに、通過してしまった後に、反射させるための反射体を具備する、検出システム。
【請求項13】
請求項1に記載の検出システムにおいて、
前記検出システムは、大面積の電子工学技術に基づいた一体化されたデバイスである、検出システム。
【請求項14】
請求項1に記載の検出システムであって、
前記検出システムは、さらには、励起放射を発生させるための照射源を具備する、検出システム。
【請求項15】
少なくとも一つの試料からの発光を検出するための方法であって、
前記方法は、
少なくとも一つの光学的な構成部品の外部の表面へ少なくとも一つの試料を提供すること、
前記少なくとも一つの試料を励起するために前記外部の表面の近くに前記少なくとも一つの光学的な構成部品の外側にエバネッセント励起場を作り出すこと、
前記少なくとも一つの光学的な構成部品に結合させられた及び前記光学的な構成部品との直接的な接触における少なくとも一つの検出器素子に収集された前記少なくとも一つの試料からの発光を検出すること
:を具備する、方法。
【請求項16】
請求項15に記載の発光を検出するための方法において、
少なくとも一つの検出器素子において前記発光を収集することは、前記光学的な構成部品へと結合させられた前記少なくとも一つの試料の放射の支配的な放出方向に対して適合させられた位置で前記発光を収集することを具備する、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2009−544937(P2009−544937A)
【公表日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−520085(P2009−520085)
【出願日】平成19年7月4日(2007.7.4)
【国際出願番号】PCT/IB2007/052612
【国際公開番号】WO2008/012703
【国際公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】