説明

エピスルフィド樹脂の調製方法

固体エポキシ樹脂と硫黄供与性化合物の反応性溶融押出により、エポキシ樹脂をエピスルフィド樹脂に転化する方法。得られた樹脂は、得られた押出エピスルフィド樹脂を、適用温度が低い樹脂として粉末塗料に利用する用途を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、転化したエポキシ樹脂を溶融押出してエピスルフィド樹脂を調製するための、新規な方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばノボラックのようなエポキシ樹脂と、例えばチオ尿素及びチオ尿素誘導体、チオシアン酸カリウム、ナトリウム、カリウム、I族元素、II族元素を含む対カチオンを伴ったチオシアン酸アニオン、及び、例えば米国特許第6551711号に記載されるホスフィンサルファイトなどのような、硫黄供与性化合物との反応を行うことにより、溶液プロセスを経由してエピスルフィド樹脂を製造することは、知られている。
【0003】
エピスルフィド樹脂は、樹脂の低温硬化及び/又は短いゲル化時間が必要な産業用途において一般的である。硬化温度及びゲル化時間は、典型的には樹脂の最終的な用途に依存する。例えば、船舶用塗装用途では(約5℃)で硬化する可能性があり、粉末塗装用途では約120℃で硬化する場合がある。
【0004】
エピスルフィド樹脂を作るための既知の方法は、特願2001−41458号、特開2000−007759号、特開平11−140161号、及び特開平11−140188号に記載されるように、主として溶媒を基とする反応媒体を用いている。溶媒を基とする反応媒体を用いる反応プロセスでは、揮発性有機化合物(VOC)廃棄物が発生し、かつ、有意な転化が起こる(例えば転化率が60%超)までには相当な時間(例えば、周囲反応温度では数日、70℃までの温度では数時間)がかかる。さらに、エピスルフィド樹脂は類似するエポシキ樹脂よりも安定性が劣る(エピスルフィドは硫黄原子とアルケンの錯体として表現されているように。例えば、「複素環化学全書(Comprehensive Heterocyclic Chemistry)」、第7巻、W. Lwowski編、Pergamon社、オックスフォード、における、Dittmer, D C.著「チイランとチイレン(Thiiranes and Thiirenes)」、1984年、5.06章、131〜184頁参照)ことが知られており、したがってエピスルフィド樹脂は相対的に短い保存可能期間(例えば1ヶ月未満)を有している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
溶媒の必要性を回避して大幅にVOC廃棄物を低減する方法、及び、エピスルフィド樹脂を取り扱う際に一般的に見られる貯蔵安定性の問題に対処する方法を、提供することが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、溶媒を使用せず、これによりVOC廃棄物を回避し又は大幅に低減するエピスルフィド樹脂の調製方法を提供し、そして、エピスルフィド樹脂の取扱いに関する貯蔵安定性への対応手段を提供するものである。
【0007】
本発明のひとつの実施形態は、少なくとも1種の固体状のエポキシ樹脂と少なくとも1種の硫黄供与性化合物との反応混合物を反応させることを含む、エピスルフィド樹脂組成物の製造方法であって、前記反応が反応性溶融押出によって行われる製造方法を対象とする。
【0008】
本発明の前記方法の利点のひとつは、エポキシからエピスルフィドへの転化のために溶媒が必要ではないことである。本方法の別の利点は、反応を溶融状態で、そしてこの反応が例えば数時間に対して数分といった短い時間内に完了し得るように、実行することができることである。
【0009】
本発明は、有利にも、エピスルフィド樹脂をこの樹脂のエポキシ類似体から、無溶媒反応媒体中で、触媒の助けなく又は触媒を必要とせず、精製ステップを用いることなく、製造するための方法を提供する。本明細書において「無溶媒」とは、各反応成分を1つの液相へと溶解するための可溶化化合物(周囲環境下で液体である小分子及び揮発性有機化合物を含む)を必要としないことを意味する。
【0010】
本発明の1つの実施形態は、エピスルフィド樹脂を生成するための、混ぜ物なしに行われる反応性溶融押出プロセスを含む。いい換えると、転化が起こるために溶媒は必要とされない。また、この転化は大幅に短縮化された時間(数時間に対して数分)で起こり、このことは、エピスルフィド樹脂を使用の直前に生成することを可能にする。
【0011】
本発明の別の実施形態は、エピスルフィド樹脂組成物を調製する方法に関するものであって、最初に、少なくとも1種の進行型エポキシ樹脂を準備し、次に、前記進行型エポキシ樹脂を少なくとも1種の硫黄供与性化合物とのさらなる反応を行い、ここにおいて前記さらなる反応は、溶融相において、生成物を冷却ドラム又はベルトフレーカーに排出する前に行う。
【図面の簡単な説明】
【0012】
以下の図は本発明の非制限的な実施形態を例証するものである。
【図1】本発明の方法の単純化されたブロックフロー図である。
【図2】本発明の方法の別の実施形態の単純化されたブロックフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
その最も広い範囲においては、本発明の方法は、下に示すようなエポキシ環のスルフィド環への転化を対象とする:
【0014】
【化1】

【0015】
式中、Rはアルキル、芳香族、環式、炭素環、複素環の原子団などであり得る。
【0016】
先行技術のプロセスを用いたエポキシ環のエピスルフィド環への転化は、通常、溶液中で起こり、これは反応が完了するまでに数時間かかり得るが、本発明におけるように転化が融解状態で起こると、反応が完了するまでに要する時間は数秒又は数分となることもある。
【0017】
本発明の方法は、本発明のエピスルフィド樹脂を生成するために、転化されたエポキシ樹脂と硫黄供与性化合物との溶融反応押出を有利に利用するものである。本発明の方法はいくつかの利益になる点を有するが、その中には例えば以下のものがある。(1)この方法は、転化したエポキシ樹脂を転化したエピスルフィド樹脂に転換する「無溶媒」法を用いており、これはVOC廃棄物をなくす。(2)本発明の方法は無溶媒なので、この方法ではVOCにさらされるリスクが排除される。(3)本発明の溶融反応押出法では、転化したエポキシ樹脂を転化したエピスルフィド樹脂に転換するための反応時間が、大幅に短縮される。本発明の溶融反応押出法では、エポキシをエピスルフィドに転換するための時間が、従来法では数時間であったのに対して、数分に短縮される。エポキシをエピスルフィドに転換する時間が数分に短縮されると、エピスルフィド樹脂生成物を貯蔵しておく必要があったのが、随時必要に応じてエピスルフィド生成物の生成を行うことが可能となる。(4)固体エピスルフィド樹脂の生成は、液体エピスルフィド樹脂よりも改善された貯蔵安定性をもたらした可能性がある。
【0018】
本発明のエピスルフィド樹脂組成物の製造方法は、(a)少なくとも1種のエポキシ樹脂と、(b)少なくとも1種の硫黄供与性化合物、とを反応させることを含み、ここで前記反応は反応溶融押出によって行われる。
【0019】
本発明の成分(a)は当分野で既知のエポキシ樹脂の1種以上から選択できる。エポキシ樹脂は近接する複数のエポキシ基を少なくとも1組含む化合物である。本発明の成分(a)である少なくとも1種のエポキシ樹脂には、例えば、飽和又は不飽和、脂肪族、脂環式、芳香族又は複素環式樹脂を含むことができ、また、置換されていても非置換でもよい。エポキシ樹脂はモノマーの場合もポリマーの場合もある。本発明で有用なエポキシ樹脂の詳細な一覧は、Lee,H.及びNeville,K,「エポキシ樹脂ハンドブック(Handbook of Epoxy Resins)」、 McGraw−Hill Book Company、ニューヨーク、1967年、第2章、257〜307頁、で見出され、これは参照することにより本明細書中に組み込まれる。
【0020】
本明細書で開示された実施形態において本発明の成分(a)として使用されるエポキシ樹脂は、さまざまであって、従来の及び市販のエポキシ樹脂を含むことができ、これらは単独でも2種以上の組合せでも使用できる。本明細書で開示される組成物のためのエポキシ樹脂の選択に際しては、最終生成物の特性だけでなく、樹脂組成物の加工に影響し得る粘度その他の特性も考慮すべきである。
【0021】
熟練労働者に既知の特に適切なエポキシ樹脂は、多官能性アルコール、フェノール、脂環式カルボン酸、芳香族アミン若しくはアミノフェノールと、ピクロロヒドリンとの反応生成物に基づくものである。2、3の非制限的な実施形態には、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、及びパラアミノフェノールのトリグリシジルエーテルが含まれる。熟練労働者に既知の他の適切なエポキシ樹脂には、エピクロロヒドリンとo−クレゾール及びフェノールノボラックそれぞれとの反応生成物が含まれる。2種以上のエポキシ樹脂の混合物を使用することも可能である。
【0022】
本発明において転化されたエポキシ樹脂の調製に有用なエポキシ樹脂成分(a)は、市販製品から選択することができる。例えば、ダウ・ケミカル・カンパニーから入手可能なD.E.R.331、D.E.R.332、D.E.R.334、D.E.R.580、D.E.R.736、若しくはD.E.R.732エポキシ樹脂又はD.E.N.431若しくはD.E.N.438エポキシノボラックを用いることができる。本発明の1つの例証として、エポキシ樹脂成分(a)は、エポキシ当量が175〜185,粘度が9.5Pa−s、密度が1.16gms/ccの 液状エポキシ樹脂D.E.R.(登録商標)383(DGEBA)であってもよい。エポキシ樹脂成分として使用できる他の市販のエポキシ樹脂は、D.E.R.330、D.E.R.354、又はD.E.R.332エポキシ樹脂であり得る。本発明において転化されたエポキシ樹脂を調製するために、Bell他、エポキシ−エピスルフィド樹脂の合成と特性(Synthesis and Properties of Epoxy-Episulfide Resins)、Angewandte Makromolekulare Chemie、 第240巻、第1号、71頁、に記載されるように、エピスルフィド樹脂を他の液状又は固体状エポキシ樹脂と混ぜ合わせることができる。
【0023】
成分(a)として有用な他の適切なエポキシ樹脂は、例えば、米国特許第3018262号、第7163973号、第6887574号、第6632893号、第6242083号、第7037958号、第6572971号、第6153719号、及び第5405688号、PCT国際公開第2006/052727号、並びに、米国特許出願公開第20060293172号、第20050171237号、及び第2007/0221890号A1に開示されており、それぞれ参照することにより本明細書中に組み込まれる。
【0024】
室温(すなわち約25℃)で固体のエポキシ樹脂であれば、液体状と固体状のエポキシ樹脂の混合物も含めて、本発明において使用できるけれども、一般的に、少なくとも1種のエポキシ樹脂は、1.5−タイプから10−タイプエポキシ樹脂のなかのエポキシ樹脂を含み、好適には、エポキシ樹脂は例えば2−タイプから9−タイプの固体エポキシ樹脂であり得、さらに好適にはエポキシ樹脂は例えば2−タイプから7−タイプの固体エポキシ樹脂であり得るもので、「ウルマン工業化学百科事典(Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry)」においてPham,H.Q.及びMarks,M.J.「エポキシ樹脂」、Wiley−VCH社、ヴァインハイム(Weinheim)、2005年、において定義されるものであり、そして、ザ・ダウ・ケミカル・カンパニーからD.E.R.(登録商標)600シリーズ(ザ・ダウ・ケミカル・カンパニーの商標)のエポキシ樹脂として商業的に入手可能である。さらに、エポキシ末端を有する樹脂を、DER600シリーズのエポキシ樹脂の替わりに又はそれと組み合わせて使用することができ、その非限定的な例としては、「Taffy」エポキシ樹脂;ビスフェノールFベースの固体エポキシ樹脂;臭素化固体エポキシ樹脂;並びに; オキサゾリジノン及びイソシアヌレートベースのエポキシ樹脂が含まれる。さらに、固体及び液体のエポキシ官能性ノボラックもまた、本発明で利用できる。ノボラックは、単独で用いても、1種以上の固体エポキシ末端樹脂と混合して用いてもよい。加えて、末端エポキシ官能性の一部は、単官能性のキャッピング剤と反応させてもよく、前記キャッピング剤の非限定的な例にはイソシアネート又はイミドキャッピング剤が含まれる。一般的に、本発明で用いられるエポキシ樹脂の選択は、その使用法に依存する。しかしながら、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル(DGEBA)とその誘導体が特に好ましい。他のエポキシ樹脂は次の非制限的な群から選択することができる:ビスフェノールFエポキシ樹脂、ノボラックエポキシ樹脂、グリシジルアミンベースのエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、直鎖状脂肪族エポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールAエポキシ樹脂、及びそれらの組合せ。本発明のさらに他の実施形態では、使用されるエポキシ樹脂には進行型エポキシ樹脂(advanced epoxy resin)を含んでもよい。本明細書における「進行型エポキシ樹脂」とは、化学量論量未満の他の少なくとも1種の2官能性反応物と反応して、分子量が増加したエポキシ樹脂を意味する。例えば、前述のエポキシ樹脂はいずれも、ビスフェノールA、ビスフェノールF、イソシアネート、フェノール性ノボラック樹脂などの2官能性又は多官能性の反応物と反応して、進行型エポキシ樹脂を生成することができる。したがって、固体状エピスルフィド樹脂組成物を製造する方法の1つの実施形態は、(a)少なくとも1種の進行型エポキシ樹脂と、(b)少なくとも1種の硫黄供与性化合物、との反応混合物を反応させることを含み、ここにおいて前記反応は融解反応によって行われ、前記硫黄供与性化合物は、前記進行型エポキシ樹脂が目標分子量の少なくとも80%に達した後であって前記樹脂を反応器から取り出す前にプロセス中に導入される。本発明の成分(b)は当分野で既知の1種以上の硫黄供与性化合物から選択することができる。本明細書で用いられる「硫黄供与性化合物」とは、少なくとも1つの硫黄基を含む化合物を意味する。本発明の成分(b)である少なくとも1種の硫黄供与性化合物には、例えば、チオ尿素及びチオ尿素誘導体、アルカリ金属チオシアン酸塩、ホスフィンスルフィド及びホスフィンスルフィド誘導体;及びこれらの混合物、が含まれる。液状又は固体状硫黄供与性種とそれらの誘導体が、エポキシからエピスルフィドへの転化に利用できる。本発明ではチオ尿素、チオ尿素誘導体、及びチオシアン酸カリウムが好適に用いられる。
【0025】
他の実施形態では、種々の対イオンを伴ったチオシアン酸イオン(例えばチオシアン酸アンモニウム)を用いて転化に作用させることができる。
【0026】
硫黄化合物(例えばチオ尿素)はエポキシ樹脂と混和性であることが好ましい。大きい対イオンを有するチオシアン酸アンモニウム(NHSCN)はエポキシ樹脂と混和性であることから好ましい。本明細書で使用/定義されるとき、「混和性」の範囲は、2つの物質が液相ですべての割合で均一に混合できることである。
【0027】
反応に用いられるエポキシ樹脂成分(a)と硫黄供与性成分(b)の量は、具体的な使用法について望ましい反応性の程度に応じて変わり得る。一般的に、硫黄供与性化合物のエポキシ樹脂に対するモル比は、約0.0001〜約10であり、好適には約0.1〜約5、さらに好適には約2〜約1である。
【0028】
一般的に、硫黄供与性化合物中の硫黄の当量数は、転化が100%とすればすべてのエポキシ基がエピスルフィド基に転化するように、エポキシ樹脂中のエポキシの当量数に等しい。特定の応用のためにエポキシ基の部分的な転化が望ましい場合は、エポキシの当量数が硫黄の当量数を上回るようにすることが可能である。
【0029】
本発明において有用なエピスルフィド樹脂の調製方法は、融解反応の利用を含む。本発明のひとつの例として、固体反応物を融解させて融解反応が生じるように、溶融押出機を使用することができる。押出機は、当分野でよく知られた押出機のいくつもある中から選ぶことができ、その例としては、これらに限定されないが、例えば、レオロジーソルーション社(Rheology Solutions Pty Ltd)製で商品名がPRISM TSE 16PC及びPRISM TSE 36である二軸押出機、又はドンハイ粉体処理装置社(Donghui Powder Processing Equipment Co. Ltd)製のスクリュー押出機であるモデルSLJ−30、SLJ−40、SLJ−58A、SLJ−60、SLJ−70、SLJ−80などがある。本発明で使用できるその他の押出機は、上述した市販の押出機に類似した押出機であって、少なくとも±5℃の精度で35℃〜110℃の範囲に制御可能な温度領域を少なくとも1つ備えた押出機である。
【0030】
本発明の方法を実行するとき、混合した反応物が押出機に供給され、押出機の供給点からエピスルフィド樹脂生成物が排出される排出点までの間、押出機により処理される。本発明の反応物の混合物は、押出機内に混合物を供給するに先立って一緒に混ぜてあることが好ましい。この混合は、本発明で得られる生成物を提供できるような任意の順序で行うことができる。本発明の樹脂組成物を配合する場合に特別な混合順序はない。一般的に、エポキシ樹脂化合物は最初に固体状態で硫黄供与性化合物と乾式混合され、次に、混合された反応物は反応的に押出される。上述した任意選択的な種々の配合添加物、例えば充てん材、の任意のものもまた、押出機に供給される組成物を生成するための混合の際、又は混合に先立って、添加することができる。
【0031】
図1は本発明の方法のフローを図示したものであり、本発明方法のための装置は、全体として数字10によって表示されている。図1を参照すると、固体エポキシ樹脂供給流れ11と硫黄供与性化合物供給流れ12が示されており、これらは粉体塗料の製造において一般的に用いられるプレミキサー15内で乾式混合される。任意選択的な顔料の供給流れ13及び/又は任意選択的な増量剤の供給流れ14もまた、プレミキサー15内において、エポキシ樹脂供給流れ11及び硫黄供与性化合物の供給流れ12と乾式混合してもよい。
【0032】
固体エポキシ樹脂と硫黄供与性化合物の混合物16は、次いで、粉体塗料の製造に一般的に用いられる二軸スクリュー押出機17内に移される。押出機17の内側の温度プロフィールは、固体エポキシ樹脂が溶融して硫黄供与性化合物と反応することができるように設定される。押出機17から得られる溶融エピスルフィド樹脂生成物18は、次に、メルトクーラー(melt cooler)19上で冷却され、そして、こうして得られたエピスルフィド樹脂生成物20の冷却された固体反応生成物は、エポキシ又はハイブリッド粉体塗料として使用可能である。別の実施形態では、得られたエピスルフィド固体樹脂生成物20は、例えばキシレンやその他の液状塗料用途で用いられる任意の適切な溶媒などの、溶媒中に溶解させてもよい。
【0033】
すべての反応物は、典型的には、所望の用途のための所望の性質を有するエピスルフィド樹脂生成物を調製することができる温度で、混合されそして反応押出機に送り込まれる。一般的に、すべての反応物の混合とこれに続く混合物の反応の間の温度は、エポキシ樹脂反応物成分(a)のTgより少なくとも約5℃高くすることができ、好適には、エポキシ樹脂反応物成分(a)のTgより約10℃高い温度からエポキシ樹脂反応物成分(a)のTgより50℃高い温度までであり、より好適には、エポキシ樹脂反応物成分(a)のTgより約5℃高い温度からエポキシ樹脂反応物成分(a)のTgより約25℃高い温度までである。もし押出機温度が樹脂のTgと同じかそれより低いと、固体エポキシ樹脂と硫黄供与性化合物との反応は起こりそうにない。もし押出機温度が樹脂のTgよりも50℃を超えて高い場合は、エピスルフィド基は、エポキシ樹脂中に通常存在している第2級OHとさらに反応し得る。
【0034】
押出機中の反応混合組成物は、所定の温度で反応物が反応するのに十分な所定の時間、反応させる。例えば、反応混合物の化学的変換に影響する押出機の温度は、一般的に、約25℃〜約200℃であり、好適には約50℃〜約150℃であり、さらに好適には、約80℃〜約120℃である。そして、押出機内での滞留時間、すなわち、反応時間は、約5秒〜約10分、好適には約1秒〜約1分、そしてさらに好適には約10秒〜約15秒の間から選ぶことができる。約1秒よりも短い時間では、従来の処理条件の下では十分な反応を確保するには短すぎる可能性があり、約10分よりも長いと、時間が長すぎて、エピスルフィド基がエポキシ樹脂中に通常存在している第2級OHと反応することを回避できない可能性がある。
【0035】
反応押出のための許容可能な温度範囲の最小値は、固体エポキシ樹脂のガラス転移温度(Tg)によって、転化された固体エポキシ樹脂のTgよりも30℃高い温度を上限として定められる。
【0036】
押出時間は最大で15秒までに制限され、理想的範囲は10秒である。
【0037】
反応の間に生成し本発明のエピスルフィド樹脂中に存在する副生成物、例えば尿素、があれば、当業者に知られている精製法を用いて除去することができる。硫黄が移動してエピスルフィド環を形成した後に生じた化学量論の副生成物を除去するために、例えば選択的沈殿法を用いることができる。例えば、エピスルフィド樹脂は、副生成物を選択的に溶解して樹脂を溶解しない溶媒又は溶媒混合物を用いて溶解させることができる。別の方法として、エポキシ樹脂を選択的に溶解し化学量論的副生成物(例えば尿素)を溶解しない溶媒又は溶媒混合物を用いてもよい。
【0038】
図2を参照すると、本発明の別の方法の図と本発明方法のための装置が、全体として数字30によって表示されている。図2では、液状エポキシ樹脂供給流れ31、ビスフェノール供給流れ32、及び、固体エポキシ樹脂の製造に一般的に用いられる反応器34内に供給される触媒供給流れ33が示されている。反応器34から流れ35として排出される生成物は、進行型エポキシ樹脂生成物35である。この進行型エポキシ樹脂生成物35は、硫黄供与性化合物の流れ36と結合して、溶融エピスルフィド樹脂生成物の流れ37を形成する。別の方法として、硫黄供与性化合物は、反応器34中の進行型エポキシ樹脂に、流れ40(破線40)で示されるように直接添加してもよく、この流れは生成物流れ35とともに溶融エピスルフィド樹脂流れ37を形成して排出される。
【0039】
得られた溶融エピスルフィド樹脂生成物37は、次いで冷却ドラム又はベルトフレーカー38に供給されて、冷却されたエピスルフィド樹脂生成物39の固体反応生成物を形成する。この樹脂生成物は、エポキシ又はハイブリッド粉体塗料として使用可能である。別の実施形態では、得られたエピスルフィド固体樹脂生成物39は、例えばキシレンやその他の液状塗料用途で用いられる任意の適切な溶媒などの、溶媒中に溶解させてもよい。
【0040】
本発明の1つの実施形態の例として、例えば、1:1のエポキシ:チオ尿素比を用いることができる。本発明の長所の1つは、エポキシの硫黄供与性化合物に対する比を変化させることにより、得られる%エピスルフィド比率を、エピスルフィド官能性が100%から<5%まで「調整」可能な点である。この「調整」の意味は、転化が100%であるとして、単にエポキシの硫黄供与性化合物に対する適切なモル比で混合することにより、適切な比率を正確に生じさせ得ることである。
【0041】
得られる%エピスルフィド比率は、押出温度を変えることによっても調整することができる。一般的に、例えば、より低い温度では転化時間がより遅くなるであろう。
【0042】
得られる%エピスルフィド比率は、押出時間温度を変えることによっても調整することができる(時間が長いほど転化率は上がる)。例えば、押出機内での滞留時間が短いほど転化率が下がる(より短い反応時間)。
【0043】
本発明のエピスルフィド樹脂生成物は例えば任意のエポキシ樹脂のチイラン類似体であってもよい。
【0044】
本発明のエピスルフィド樹脂生成物の有益な性質の1つは、例えばその安定性である。固体のエピスルフィドは、物質の相の違いを考えると、その液状の類似体よりもより安定であろう。
保存可能期間に関しては、エピスルフィドは包装してエポキシ−硫黄供与性化合物混合物として貯蔵し、要求に応じて押出し、直ちに作り出すことが可能で、エピスルフィドを貯蔵する必要はまったくない。
【0045】
本明細書において「安定性」は、エピスルフィド基が実質的に単独重合しないか、又は、Katsuyuki Tsuchida 及び James P. Bell、International Journal of Adhesion and Adhesives、第20巻、第6号、2000年、449−456頁、に示されるように、室温で残余エポキシ基とさらなる反応をしないか、又は、尿素若しくは通常固体エポキシ樹脂中に存在する第2級OH若しくはフェノール性OHとのさらなる反応をしないことを意味する。
【0046】
本発明のエピスルフィド樹脂は、最終配合物中のマトリックスを形成するための単独の樹脂として使用してもよいし、また、エピスルフィド樹脂は最終配合物中の成分の1つとして使用することもできる。
【0047】
本発明のエピスルフィド樹脂は従来のエピスルフィド樹脂が用いられていた任意の用途に用いてもよい。本発明のエピスルフィド樹脂を用いることができる用途の限定的な例を挙げると、例えば溶剤型液状塗料、粉体塗料、電気積層体などがある。本発明のエピスルフィド樹脂は粉体塗料に使用するのが好ましいであろう。
【0048】
本発明の1つの実施形態の例として、粉体塗料の配合物は、例えば、本発明のエピスルフィド樹脂を、固体状態で、ジシアノジアミド(DICY)のような硬化剤及び/又はフェノール性ハードナー、2−メチルイミダゾール若しくはEPIKURE(登録商標)P101のようなそのアダクトなどの促進剤、Modaflow Powder(登録商標)IIIのような流れ調整剤、及び任意追加的に無機充てん材若しくはMinspar(登録商標)7のような増量剤と、混合することにより調製してもよい。
【0049】
本発明の粉体塗料配合物で使用されるエピスルフィド樹脂の濃度は、一般的に、0.1重量%〜約95重量%、好適には約5重量%〜約80重量%、より好適には約20重量%〜約75重量%、さらに最も好適には約50重量%〜約65重量%の範囲にすることができる。
【0050】
任意追加的な成分、これらには粉体塗料において有用なものがある、は樹脂組成物又は配合物において通常使用される当業者に知られている成分である。例えば、任意追加的な成分は、反応速度、反応の選択性、及び/又は触媒寿命を高めるために組成物に添加できる物質を含んでもよい。
【0051】
各種の任意追加的な添加剤を本発明の粉体塗料組成物に添加することができ、そのようなものとしては例えば、成分(a)であるエポキシ樹脂とは異なる他の熱硬化性樹脂、触媒、ハードナー(硬化剤又は架橋剤)、安定剤、充てん材、可塑剤、触媒失活剤など、及びこれらの混合物が含まれる。
【0052】
本発明で使用される任意追加的な添加剤の濃度は、一般的に、0重量%〜約70重量%、好適には約0.1重量%〜約50重量%、より好適には約1重量%〜約30重量%、さらに最も好適には約1.5重量%〜約20重量%の範囲にすることができる。
【0053】
以下の実施例及び比較例により本発明をさらに詳細に説明するが、これらにより本発明の範囲を制限的に解釈すべきではない。
【実施例】
【0054】
例1 − 固体エピスルフィド生成物の調製
800gのD.E.R.664UE固体エポキシ樹脂(ザ・ダウ・ケミカル・カンパニーから入手可能)及び67gのチオ尿素(Aldrich社、純度>99%)を計量し1ガロンのプラスチック容器に投入した。得られた混合物は、次に、Prism Pilot3ミキサーにおいて2300rpmで15秒間26℃の一定温度で混合した。この混合プロセスをさらに二度繰り返した。得られた粉体状の混合物は、次に、PRISM TSE 24PCシリーズ二軸スクリュー配合機の供給ホッパーに導入し、この配合機の3つの押出ゾーンの温度を、それぞれ30℃、75℃、90℃にセットした。得られた溶融配合物は、25℃のPRISMチルロールに移し、エピスルフィド樹脂の固体反応生成物が形成されるように冷却した。このエピスルフィド樹脂の固体生成物は、粉体塗料の調製に使用された。
【0055】
例2 − 固体エピスルフィド生成物の調製
800gのD.E.R.664UE固体エポキシ樹脂及び85gのチオシアン酸カリウム(Aldrich社、純度>99%)を計量し1ガロンのプラスチック容器に投入した。得られた混合物は、次に、Prism Pilot3ミキサーにおいて2300rpmで15秒間26℃の一定温度で混合した。この混合プロセスをさらに二度繰り返した。得られた粉体状の混合物は、次に、PRISM TSE 24PCシリーズ二軸スクリュー配合機の供給ホッパーに導入し、この配合機の3つの押出ゾーンの温度を、それぞれ30℃、75℃、90℃にセットした。得られた溶融配合物は、25℃のPRISMチルロールに移し、エピスルフィド樹脂の固体反応生成物が形成されるように冷却した。このエピスルフィド樹脂の固体生成物は、粉体塗料の調製に使用された。
【0056】
例3 − 尿素含有固体エポキシ樹脂の調製
800gのD.E.R.664UE固体エポキシ樹脂及び53gの尿素(Aldrich社、純度>99%)を計量し1ガロンのプラスチック容器に投入した。得られた混合物は、次に、Prism Pilot3ミキサーにおいて2300rpmで15秒間26℃の一定温度で混合した。この混合プロセスをさらに二度繰り返した。得られた粉体状の混合物は、次に、PRISM TSE 24PCシリーズ二軸スクリュー配合機の供給ホッパーに導入し、この配合機の3つの押出ゾーンの温度を、それぞれ30℃、75℃、90℃にセットした。得られた溶融配合物は、25℃のPRISMチルロールに移し、エピスルフィド樹脂の固体反応生成物が形成されるように冷却した。このエピスルフィド樹脂の固体生成物は、粉体塗料の調製に使用された。
【0057】
例4 − 配合物1の調製
溶融接着(Fusion-Bonded)エポキシコーティング粉体配合物を、D.E.R 664UE固体エポキシ樹脂528g、D.E.H.85エポキシハードナー(フェノール性ハードナーでザ・ダウ・ケミカル・カンパニーから入手可能)141.5g、Epicure P−101(2−メチルイミダゾールのビスフェノールAエポキシ樹脂とのアダクトでHexion Specialty Chemicals社から入手可能)10g、Modaflow Powder III(流れ調整剤、シリカ担体中のエチルアクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート共重合体でCytec Industries社製)10g、Vansil W20(ケイ酸カルシウム鉱物でRT.Vanderbilt社から入手可能)310.6g、及びCab−O−Sil M5(コロイダルシリカでCabot社から入手可能)3.0gを配合することにより調製した。得られた粉体塗料のゲル化時間(CSA Z245.20−02−06 セクション12.2にしたがって測定)は39秒であり、錠剤−流れ長さ(Pill-Flow length)は231mmであった。232℃に加熱した鋼鉄棒を得られた粉体塗料に入れ、次に2分間232℃で硬化させ、10分間水で急冷した。得られた溶融接着エポキシコーティングは、接着をCSA Z245.20−02−06 セクション12.14によって定めるとき、鋼鉄基板への良好な接着を示した。
【0058】
例5 − 配合物2の調製
溶融接着エポキシコーティング粉体配合物を、例1で調製されたエピスルフィド樹脂の固体反応生成物528.5g、D.E.H.85エポキシハードナー140.7g、Epicure P−101を10g、Modaflow Powder IIIを10g、Vansil W20を310.7g、及びCab−O−Sil M5を3.0g配合することにより調製した。得られた粉体塗料はゲル化時間が18秒、錠剤−流れ長さが78mmであった。
【0059】
例6 − 配合物3の調製
溶融接着エポキシコーティング粉体配合物を、例2で調製されたエピスルフィド樹脂の固体反応生成物528.3g、D.E.H.85エポキシハードナー140.6g、Epicure P−101を10g、Modaflow Powder IIIを10g、Vansil W20を310.7g、及びCab−O−Sil M5を3.0g配合することにより調製した。得られた粉体塗料はゲル化時間が21秒、錠剤−流れ長さが0mmであった。
【0060】
例7 − 配合物4の調製
溶融接着エポキシコーティング粉体配合物を、例3で調製された尿素を含む固体エポキシ樹脂528.3g、D.E.H.85エポキシハードナー140.8g、Epicure P−101を10g、Modaflow Powder IIIを10g、Vansil W20を310.8g、及びCab−O−Sil M5を3.0g配合することにより調製した。得られた粉体塗料はゲル化時間が42分、錠剤流れ長さが188mmであった。
【0061】
【表1】

【0062】
【表2】

【0063】
上記の表IIは、配合物及びエピスルフィド含有樹脂の錠剤流れとゲル化時間の試験結果を示す。 **錠剤流れは、粉体塗料を錠剤ダイとカーバー(carver)プレス機を用いて3.175cmの錠剤に押圧することによって測定した。粉体約8gを6100psiで5秒間押圧した。錠剤は、300°F(149℃)にセットしたオーブン内で、60度傾けたテフロン(登録商標)被覆した鋼鉄のパネル上に配置し、1時間平衡にした。錠剤は、オーブンから取り出す前に10分間流れるようにした。流れの長さを測定し、錠剤の直径を差し引いて記録した。結果は、エピスルフィド樹脂(配合物2と3)の反応性が、対照のエポキシ樹脂(D.E.R.664UE固体エポキシ樹脂 − 配合物1)に比べて促進されていることを、明確に示している。尿素はエポキシ−チオ尿素反応の副生成物であり、したがって、観察された反応性の向上が尿素副生成物によるものでないことを確かめるために、尿素を含む固体エポキシ樹脂D.E.R.664UEが対照(配合物4)として使用された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)少なくとも1種の固体状のエポキシ樹脂と、(b)少なくとも1種の硫黄供与性化合物、との固体反応混合物を融解反応させることを含む、エピスルフィド樹脂の製造方法であって、前記反応が融解反応によって行われる、エピスルフィド樹脂の製造方法。
【請求項2】
前記少なくとも1種の硫黄供与性化合物が固体状である、請求項1記載の製造方法。
【請求項3】
前記反応が溶融押出機内で行われる、請求項1記載の製造方法。
【請求項4】
前記少なくとも1種のエポシキ樹脂が1.5−タイプから10−タイプまでのエポキシ樹脂の固体エポキシ樹脂である、請求項1記載の製造方法。
【請求項5】
前記少なくとも1種のエポキシ樹脂の前記硫黄供与性化合物に対するモル比が約1:0.01〜約1:1である、請求項1記載の製造方法。
【請求項6】
前記硫黄供与性化合物がチオ尿素、アルカリ金属チオシアン酸塩、ホスフィンサルファイト、及び/又はこれらの混合物である、請求項1記載の製造方法。
【請求項7】
前記反応が前記エポキシ樹脂反応物成分(a)のTgよりも少なくとも5℃高い温度で行われる、請求項1記載の製造方法。
【請求項8】
(a)少なくとも1種の固体状のエポキシ樹脂と、(b)少なくとも1種の硫黄供与性化合物、との固体反応生成物を含むエピスルフィド樹脂組成物であって、前記成分(a)と(b)の反応が溶融押出により行われたものである、エピスルフィド樹脂組成物。
【請求項9】
約1パーセント未満の揮発性有機化合物(VOCs)を有するエピスルフィド樹脂組成物。
【請求項10】
塩素含有量が約1000ppm未満であるエピスルフィド樹脂組成物。
【請求項11】
(i)請求項8記載の組成物と、(ii)流れ調整剤、との反応生成物を含む、粉末塗料配合物。
【請求項12】
(iii)硬化剤、(iv)硬化触媒、(v)充てん材、及び/又は(vi)溶媒を含む、請求項11記載の粉末塗料配合物。
【請求項13】
前記エポキシ樹脂が芳香族ビスフェノールとエピクロルヒドリンとの反応生成物を含む、請求項8記載の組成物。
【請求項14】
ホルムアルデヒド又はイソシアネートを含む、請求項13記載の組成物。
【請求項15】
得られたエピスルフィド樹脂組成物中に存在する末端エポキシ基の一部が単官能のキャッピング剤と反応した、請求項13記載の組成物。
【請求項16】
(a)少なくとも1種の進行型エポキシ樹脂と、(b)少なくとも1種の硫黄供与性化合物、との反応混合物を反応させることを含む、固体エピスルフィド樹脂組成物の製造方法であって、前記反応が融解反応によって行われ、前記硫黄供与性化合物は、前記進行型エポキシ樹脂が目標分子量の少なくとも80%に達した後であって前記樹脂を反応器から取り出す前にプロセス中に導入される、固体エピスルフィド樹脂組成物の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2013−505351(P2013−505351A)
【公表日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−530962(P2012−530962)
【出願日】平成22年9月21日(2010.9.21)
【国際出願番号】PCT/US2010/049595
【国際公開番号】WO2011/037892
【国際公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー (1,383)
【Fターム(参考)】