説明

エマルション中のナトリウム含有量を減らすための、アンモニウム塩対イオンを含むアルキルベンゼンスルホネート界面活性剤

【課題】トナーの電荷に影響を及ぼさず、製造コストの安い改良された製造プロセスを提供する。
【解決手段】乳化または分散される成分と水とを接触させて混合物を作成すること、乳化しマルションを作成すること、または、分散物を作成することのために、アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤のナトリウム含有量が約5,000ppm未満であり、ナトリウム塩対イオンを実質的に含まず、アンモニウム塩対イオンを含むアルキルベンゼンスルホネート界面活性剤を用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、アンモニウム塩対イオンを含むアルキルベンゼンスルホネート界面活性剤に関する。いくつかの実施形態では、本開示は、アンモニウム塩対イオンを含むアルキルベンゼンスルホネート界面活性剤と、樹脂、ワックス、または顔料とを接触させることと、該アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤を用いて樹脂を乳化して樹脂エマルションを作成すること、該アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤を用いてワックスを分散してワックス分散物を作成すること、または該アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤を用いて顔料を分散して顔料分散物を作成することとを含むプロセスに関する。特定の実施形態では、本開示は、アンモニウム塩対イオンを含むアルキルベンゼンスルホネート界面活性剤を用いて調製された乳化可能な樹脂顆粒に関し、この顆粒は、次いでトナーの調製に使用することができるラテックスエマルションの調製に有用である。
【背景技術】
【0002】
ポリエステルをトナーに組み込むことは、まず、ポリエステルを、溶媒を含むプロセス(例えば、溶媒フラッシュ乳化および/または溶媒系転相乳化)によって調製したラテックスエマルションに配合する必要がある。両方の場合において、樹脂を溶解するのに大量の有機溶媒を使用し、トナーを製造するプロセスで、その後に、ラテックスを作成するためにエネルギー集約的な蒸留を必要とする場合があり、また、廃棄水から残留する溶媒を除去する必要がある場合がある。これらのプロセスは、環境に優しくない。
【0003】
ナトリウム塩対イオンを含む界面活性剤が、トナーの調製に使用されてきた。ナトリウム塩対イオンは、最終トナー中に存在する全ナトリウム含有量の原因となる。ナトリウム含有量は、トナーの電荷に大きな影響を及ぼす可能性がある。最終トナー中に残る全ナトリウムイオン含有量が多いほど、トナーの電荷が小さくなる。さらなる洗浄工程を用い、水の消費を増やすことによって、ナトリウムイオンの量を減らすことができる。しかし、このようなプロセスは、複雑さを増し、製造コストがかさむことがある。
【0004】
必要な段階および材料の数を減らすことが可能な改良トナーおよび改良法が依然として必要である。このようなプロセスは、このようなトナーの製造コストを下げる場合があり、環境に優しいだろう。下流のプロセスで洗い流すことが必要なナトリウムを少なくするため、上流の原材料中のナトリウム含有量を減らすための改良法が依然として必要である。改良された界面活性剤、およびトナーのような材料の調製に使用するのに適したエマルション、顔料分散物、ワックス分散物の調製に使用可能な界面活性剤を調製するための方法が依然として必要である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤のナトリウム含有量が約5,000ppm未満であるように、ナトリウム塩対イオンを実質的に含まず、アンモニウム塩対イオンを含むアルキルベンゼンスルホネート界面活性剤と、乳化または分散される成分と、水とを接触させて混合物を作成することと、前記アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤を用い、前記成分を乳化させ、エマルションを作成すること、または、前記アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤を用い、前記成分を分散させ、分散物を作成することとを含む、プロセスが記載されている。
【0006】
また、樹脂エマルションを、アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤のナトリウム含有量が約5,000ppm未満であるように、ナトリウム塩対イオンを実質的に含まない、アンモニウム塩対イオンを含むアルキルベンゼンスルホネート界面活性剤、着色剤、任意要素のワックスを、凝固剤を用いて均質化し、室温で前凝集粒子を含む均質化したトナースラリーを作成することと、このスラリーを加熱して凝集したトナー粒子を作成することと、望ましい凝集粒径になったら、前記トナースラリーを凍結させることと、さらに、前記凝集した粒子を前記スラリー中で加熱し、前記凝集した粒子をトナー粒子に融着させることとを含む、トナーを調製するプロセスも記載されている。
【0007】
また、有機溶媒が存在しない状態で、樹脂を、アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤のナトリウム含有量が約5,000ppm未満であるように、ナトリウム塩対イオンを実質的に含まず、アンモニウム塩対イオンを含むアルキルベンゼンスルホネート界面活性剤と、中和剤と、場合により、水とを接触させて混合物を作成することと、この混合物を溶融混合することと、この溶融混合した混合物から乳化可能な樹脂を作成することと、場合により、この乳化可能な樹脂に水を加え、ラテックス粒子を含有するラテックスエマルションを得ることと、場合により、前記ラテックス粒子を連続的に回収することとを含む、乳化可能な樹脂を調製するプロセスも記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、本開示にしたがって調製した無溶媒で乳化可能な顆粒の粒径および標準偏差を示すグラフである。
【図2】図2は、比較例の顆粒の粒径および標準偏差を示すグラフである。
【図3】図3は、本開示にしたがって調製した無溶媒で乳化可能な顆粒の粒径および標準偏差を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
アンモニウム塩対イオンを含むアルキルベンゼンスルホネート界面活性剤、およびこのアルキルベンゼンスルホネート界面活性剤を用いるプロセスは、アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤のナトリウム含有量が5,000ppm未満であるように、ナトリウム塩対イオンを実質的に含まず、アンモニウム塩対イオンを含むアルキルベンゼンスルホネート界面活性剤と、樹脂、ワックス、着色剤からなる群から選択される成分とを接触させることと、このアルキルベンゼンスルホネート界面活性剤を用い、前記成分を乳化または分散させ、エマルションまたは分散物を作成することとを含む。つまり、界面活性剤合計100万部あたり、ナトリウム塩対イオンが5,000部未満である。
【0010】
このプロセスは、アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤を用いて樹脂を乳化し、樹脂エマルションを作成すること、ワックスを分散してワックス分散物を作成すること、または着色剤を分散して着色剤分散物を作成することを含む。着色剤は、顔料、染料、およびこれらの混合物および組み合わせを含む任意の着色剤であってもよい。
【0011】
本明細書の樹脂エマルションは、任意の乳化技術を用いて調製することができる。このプロセスは、アンモニウム塩対イオンを含むアルキルベンゼンスルホネート界面活性剤と、樹脂、水、所望な場合、他の任意成分とを接触させることによって樹脂エマルションを作成することと、溶媒フラッシング、転相、溶融混合を含む任意の乳化技術を用いてエマルションを作成することを含んでいてもよい。このプロセスは、樹脂エマルションに1つ以上のさらなる成分を加えることを含んでいてもよい。
【0012】
アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤は、樹脂の合計重量を基準として、0.01重量%〜30重量%の量で存在する。
【0013】
乳化プロセスを所定時間、例えば、30〜120分間行ってもよい。
【0014】
本明細書の着色剤分散物およびワックス分散物は、任意の粉砕、ブレンドまたは研磨技術を用いて調製することができる。アンモニウム塩対イオンを含むアルキルベンゼンスルホネート界面活性剤を、着色剤、所望な場合、他の任意成分、メディアミル、ピストンまたはローター−ステーターホモジナイザまたは他の既知の分散器具を用いて作られた分散剤と接触させてもよい。
【0015】
分散を任意の所定時間、例えば、20分間〜10時間かけて行ってもよい。
【0016】
乳化可能な樹脂顆粒を作成するプロセスを用い、トナーを製造するのに使用可能なラテックス粒子を含むラテックスエマルションを作成してもよい。アンモニウム塩対イオンを含むアルキルベンゼンスルホネート界面活性剤、および本明細書のプロセスは、無溶媒プロセスで以前のナトリウム含有界面活性剤を、より優れているとは言わないが、同様に乳化させる。本明細書の樹脂エマルションは、溶融混合(無溶媒プロセス)によって調製することができる。本明細書の樹脂エマルションは、本発明のアンモニウム塩対イオンを含むアルキルベンゼンスルホネート界面活性剤を使用しつつ、溶媒フラッシング乳化、転相乳化を含む任意の乳化技術によって調製することができる。
【0017】
このプロセスは、樹脂と、アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤のナトリウム含有量が5,000ppm未満であるように、ナトリウム塩対イオンを実質的に含まず、アンモニウム塩対イオンを含むアルキルベンゼンスルホネート界面活性剤と、中和剤と、場合により水とを接触させて混合物を作成することと、この混合物を溶融混合することと、溶融混合した混合物の乳化可能な樹脂顆粒(例えば、自己乳化性樹脂顆粒)を作成することとを含む。
【0018】
自己乳化性樹脂顆粒を、80℃〜90℃の温度で脱イオン水に入れてもよい。得られたエマルションは、Nanotrac粒径分析機によって測定した場合、容積平均粒径が30ナノメートル〜500マイクロメートル、50〜350ナノメートル、または80〜250ナノメートルの樹脂顆粒を含有していてもよい。いくつかの実施形態では、本明細書の乳化可能な樹脂顆粒は、容積平均粒径が40〜120ナノメートルである。
【0019】
乳化可能な顆粒は、有機溶媒を含まない少なくとも1つの樹脂と、アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤のナトリウム含有量が5,000ppm未満であるように、ナトリウム塩対イオンを実質的に含まず、アンモニウム塩対イオンを含むアルキルベンゼンスルホネート界面活性剤と、中和剤と、水とを含み、乳化可能な顆粒は、水と接触すると、トナー組成物中で使用するためのラテックスエマルションを形成し、自己乳化性顆粒は、少なくとも1つのポリエステル樹脂を含む。
【0020】
本明細書の樹脂顆粒は、乳化可能または自己乳化可能と呼ぶことができる。自己乳化可能なとは、水を加えると乳化する樹脂顆粒を意味し、水は、加熱してもよく、加熱しなくてもよい(室温)。顆粒または樹脂を乳化する技術としては、転相乳化、溶媒フラッシング乳化または無溶媒乳化が挙げられる。
【0021】
「有機溶媒が存在しない」は、乳化のための樹脂を溶解するために、有機溶媒を使用しないことを含む。樹脂を作成するプロセスで使用した結果、このような樹脂に溶媒が存在していてもよい。溶媒を使用し、樹脂を乳化してもよい(低ナトリウム界面活性剤を用いる)、例えば、メチルエチルケトン、イソプロピルアルコール、ジクロロメタン、酢酸エチルのような溶媒を用い、顆粒を溶解し、エマルションを製造するための処理を行ってもよい。
【0022】
このプロセスで使用される樹脂としては、アモルファス樹脂、結晶性樹脂、またはこれらの組み合わせ、米国特許第6,593,049号および米国特許第6,756,176号に記載のポリエステル樹脂、米国特許第6,830,860号に記載されるようなアモルファスポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂の混合物が挙げられる。
【0023】
樹脂は、任意要素の触媒存在下、ジオールと二酸とを反応させることによって作られるポリエステル樹脂であってもよい。結晶性ポリエステルを作成するために、適切な有機ジオールとしては、炭素原子を2〜36個含む脂肪族ジオール、例えば、1,2−エタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオールが挙げられ、これらの構造異性体を含む。
【0024】
脂肪族ジオールは、樹脂の40〜60モル%で存在してもよく、第2のジオールは、樹脂の0〜10モル%であってもよい。
【0025】
結晶性樹脂を調製するためのビニル二酸またはビニルジエステルを含む有機二酸またはジエステルとしては、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フマル酸、フマル酸ジメチル、イタコン酸ジメチル、cis−1,4−ジアセトキシ−2−ブテン、フマル酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、マロン酸、メサコン酸、これらのジエステルまたは無水物が挙げられる。
【0026】
有機二酸は、樹脂の40〜60モル%であってもよく、第2の二酸は、樹脂の0〜10モル%であってもよい。
【0027】
結晶性樹脂としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリブチレン、ポリイソブチレート、エチレン−プロピレンコポリマー、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、ポリプロピレンが挙げられる。結晶性樹脂は、ポリエステル系、例えば、ポリ(エチレン−アジペート)、ポリ(プロピレン−アジペート)、ポリ(ブチレン−アジペート)、ポリ(ペンチレン−アジペート)、ポリ(ヘキシレン−アジペート)、ポリ(オクチレン−アジペート)、ポリ(エチレン−サクシネート)、ポリ(プロピレン−サクシネート)、ポリ(ブチレン−サクシネート)、ポリ(ペンチレン−サクシネート)、ポリ(ヘキシレン−サクシネート)、ポリ(オクチレン−サクシネート)、ポリ(エチレン−セバケート)、ポリ(プロピレン−セバケート)、ポリ(ブチレン−セバケート)、ポリ(ペンチレン−セバケート)、ポリ(ヘキシレン−セバケート)、ポリ(オクチレン−セバケート)、ポリ(デシレン−セバケート)、ポリ(デシレン−デカノエート)、ポリ(エチレン−デカノエート)、ポリ(エチレン−ドデカノエート)、ポリ(ノニレン−セバケート)、ポリ(ノニレン−デカノエート)、コポリ(エチレン−フマレート)−コポリ(エチレン−セバケート)、コポリ(エチレン−フマレート)−コポリ(エチレン−デカノエート)、コポリ(エチレン−フマレート)−コポリ(エチレン−ドデカノエート)、コポリ(2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール−デカノエート)−コポリ(ノニレン−デカノエート)、ポリ(オクチレン−アジペート)であってもよい。
【0028】
ポリアミドとしては、ポリ(エチレン−アジポアミド)、ポリ(プロピレン−アジポアミド)、ポリ(ブチレン−アジポアミド)、ポリ(ペンチレン−アジポアミド)、ポリ(ヘキシレン−アジポアミド)、ポリ(オクチレン−アジポアミド)、ポリ(エチレン−スクシンイミド)、ポリ(プロピレン−セバカミド)が挙げられる。
【0029】
ポリイミドとしては、ポリ(エチレン−アジポイミド)、ポリ(プロピレン−アジポイミド)、ポリ(ブチレン−アジポイミド)、ポリ(ペンチレン−アジポイミド)、ポリ(ヘキシレン−アジポイミド)、ポリ(オクチレン−アジポイミド)、ポリ(エチレン−スクシンイミド)、ポリ(プロピレン−スクシンイミド)、ポリ(ブチレン−スクシンイミド)が挙げられる。
【0030】
結晶性樹脂は、トナーまたは自己乳化性顆粒成分の合計重量を基準として5〜90%で存在してもよい。
【0031】
結晶性樹脂は、例えば30℃〜120℃の融点をもっていてもよい。結晶性樹脂は、数平均分子量(M)が、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)によって測定する場合、1,000〜50,000であってもよく、重量平均分子量(M)は、ポリスチレン標準を用いたゲル透過クロマトグラフィー(GPC)によって測定する場合、2,000〜100,000であってもよい。結晶性樹脂の分子量分布(Mw/Mn)は、2〜6であってもよい。
【0032】
アモルファスポリエステルを調製するための二酸またはジエステルとしては、ジカルボン酸またはジエステル、例えば、テレフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、フマル酸、トリメリット酸、フマル酸ジメチル、イタコン酸ジメチル、cis−1,4−ジアセトキシ−2−ブテン、フマル酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸、コハク酸、イタコン酸、無水コハク酸、ドデシルコハク酸、ドデシル無水コハク酸、グルタル酸、無水グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジエチル、イソフタル酸ジメチル、イソフタル酸ジエチル、フタル酸ジメチル、無水フタル酸、フタル酸ジエチル、コハク酸ジメチル、フマル酸ジメチル、マレイン酸ジメチル、グルタル酸ジメチル、アジピン酸ジメチル、ドデシルコハク酸ジメチルが挙げられる。有機二酸またはジエステルは、樹脂の40〜60モル%で存在してもよい。
【0033】
アモルファスポリエステルのためのジオールとしては、樹脂の40〜60モル%の1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、2,2−ジメチルプロパンジオール、2,2,3−トリメチルヘキサンジオール、ヘプタンジオール、ドデカンジオール、ビス(ヒドロキシエチル)−ビスフェノールA、ビス(2−ヒドロキシプロピル)−ビスフェノールA、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、キシレンジメタノール、シクロヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ビス(2−ヒドロキシエチル)オキシド、ジプロピレングリコール、ジブチレンが挙げられる。
【0034】
アモルファス樹脂としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリブチレン、ポリイソブチレート、エチレン−プロピレンコポリマー、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、ポリプロピレン、アルカリスルホン酸化ポリエステル樹脂、分岐したアルカリスルホン酸化ポリエステル樹脂、アルカリスルホン酸化ポリイミド樹脂、分岐したアルカリスルホン酸化ポリイミド樹脂、コポリ(エチレン−テレフタレート)−コポリ(エチレン−5−スルホ−イソフタレート)、コポリ(プロピレン−テレフタレート)−コポリ(プロピレン−5−スルホ−イソフタレート)、コポリ(ジエチレン−テレフタレート)−コポリ(ジエチレン−5−スルホ−イソフタレート)、コポリ(プロピレン−ジエチレン−テレフタレート)−コポリ(プロピレン−ジエチレン−5−スルホイソフタレート)、コポリ(プロピレン−ブチレン−テレフタレート)−コポリ(プロピレン−ブチレン−5−スルホ−イソフタレート)およびコポリ(プロポキシル化ビスフェノール−A−フマレート)−コポリ(プロポキシル化ビスフェノールA−5−スルホ−イソフタレート)の金属塩またはアルカリ塩が挙げられる。
【0035】
結晶性ポリエステルまたはアモルファスポリエステルのいずれかのために利用可能な重縮合触媒としては、ポリエステル樹脂を作成するために使用される出発物質の二酸またはジエステルを基準として0.01〜5モル%のチタン酸テトラアルキル、ジアルキルスズオキシド、テトラアルキルスズ、例えば、ジブチルスズジラウレート、ジアルキルスズオキシド水酸化物、アルミニウムアルコキシド、アルキル亜鉛、ジアルキル亜鉛、酸化亜鉛、酸化第一スズが挙げられる。
【0036】
不飽和アモルファスポリエステル樹脂としては、ポリ(プロポキシル化ビスフェノール コ−フマレート)、ポリ(エトキシル化ビスフェノール コ−フマレート)、ポリ(ブチルオキシル化ビスフェノール コ−フマレート)、ポリ(コ−プロポキシル化ビスフェノール コ−エトキシル化ビスフェノール コ−フマレート)、ポリ(1,2−プロピレンフマレート)、ポリ(プロポキシル化ビスフェノール コ−マレエート)、ポリ(エトキシル化ビスフェノール コ−マレエート)、ポリ(ブチルオキシル化ビスフェノール コ−マレエート)、ポリ(コ−プロポキシル化ビスフェノール コ−エトキシル化ビスフェノール コ−マレエート)、ポリ(1,2−プロピレンマレエート)、ポリ(プロポキシル化ビスフェノール コ−イタコネート)、ポリ(エトキシル化ビスフェノール コ−イタコネート)、ポリ(ブチルオキシル化ビスフェノール コ−イタコネート)、ポリ(コ−プロポキシル化ビスフェノール コ−エトキシル化ビスフェノール コ−イタコネート)、ポリ(1,2−プロピレンイタコネート)が挙げられる。
【0037】
アモルファスポリエステル、以下の式(I)を有するポリ(プロポキシル化ビスフェノールA コ−フマレート)樹脂
【化1】

式中、mは、5〜1000である。
【0038】
Resana S/A Industrias Quimicas製の直鎖プロポキシル化ビスフェノールAフマレート樹脂SPARII。花王株式会社製の他のプロポキシル化ビスフェノールAフマレート樹脂GTUFおよびFPESL−2、Reichhold製のEM181635。
【0039】
結晶性樹脂、場合により、アモルファス樹脂と組み合わせる結晶性樹脂としては、米国特許公開第2006/0222991号に開示されている樹脂が挙げられる。適切な結晶性樹脂は、エチレングリコールと、以下の式のドデカン二酸とフマル酸コモノマーの混合物とから作られる樹脂を含んでいてもよく、
【化2】

式中、bおよびdは、それぞれ5〜2,000である。
【0040】
式Iのポリ(プロポキシル化ビスフェノールA コ−フマレート)樹脂を、式IIの結晶性樹脂と組み合わせ、ラテックスエマルションを作成してもよい。
【0041】
スチレン、アクリレート、メタクリレート、ブタジエン、イソプレン、アクリル酸、メタクリル酸、アクリロニトリル、ポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリ(メチルスチレン−ブタジエン)、ポリ(メタクリル酸メチル−ブタジエン)、ポリ(メタクリル酸エチル−ブタジエン)、ポリ(メタクリル酸プロピル−ブタジエン)、ポリ(メタクリル酸ブチル−ブタジエン)、ポリ(アクリル酸メチル−ブタジエン)、ポリ(アクリル酸エチル−ブタジエン)、ポリ(アクリル酸プロピル−ブタジエン)、ポリ(アクリル酸ブチル−ブタジエン)、ポリ(スチレン−イソプレン)、ポリ(メチルスチレン−イソプレン)、ポリ(メタクリル酸メチル−イソプレン)、ポリ(メタクリル酸エチル−イソプレン)、ポリ(メタクリル酸プロピル−イソプレン)、ポリ(メタクリル酸ブチル−イソプレン)、ポリ(アクリル酸メチル−イソプレン)、ポリ(アクリル酸エチル−イソプレン)、ポリ(アクリル酸プロピル−イソプレン)、ポリ(アクリル酸ブチル−イソプレン);ポリ(スチレン−アクリル酸プロピル)、ポリ(スチレン−アクリル酸ブチル)、ポリ(スチレン−ブタジエン−アクリル酸)、ポリ(スチレン−ブタジエン−メタクリル酸)、ポリ(スチレン−ブタジエン−アクリロニトリル−アクリル酸)、ポリ(スチレン−アクリル酸ブチル−アクリル酸)、ポリ(スチレン−アクリル酸ブチル−メタクリル酸)、ポリ(スチレン−アクリル酸ブチル−アクリロニトリル)、ポリ(スチレン−アクリル酸ブチル−アクリロニトリル−アクリル酸)は、ブロックコポリマー、ランダムコポリマーまたは交互コポリマーであってもよい。
【0042】
アモルファス樹脂は、トナーまたは自己乳化性顆粒成分の合計重量を基準として30〜90重量%の量で存在していてもよい。
【0043】
アモルファス樹脂またはアモルファス樹脂の組み合わせは、ガラス転移点が30〜80℃であってもよい。ラテックス中で利用される組み合わせた樹脂は、130℃での溶融粘度が10〜1,000,000Pa*Sであってもよい。
【0044】
2種類以上の樹脂は、1%(第1の樹脂)/99%(第2の樹脂)〜99%(第1の樹脂)/1%(第2の樹脂)、または10%(第1の樹脂)/90%(第2の樹脂)〜90%(第1の樹脂)/10%(第2の樹脂)で存在していてもよい。アモルファス樹脂と結晶性樹脂の重量比は、任意の比率であってもよい。
【0045】
樹脂は、カルボン酸基を含め、樹脂の末端に存在していてもよい酸基を含んでいてもよい。カルボン酸基の数は、樹脂を作成するために利用される材料および反応条件を調節することによって制御されてもよい。
【0046】
樹脂は、酸価が2mg KOH/樹脂g〜200mg KOH/樹脂gのポリエステル樹脂であってもよい。酸を含有する樹脂をテトラヒドロフラン溶液に溶解してもよい。酸価は、指示薬としてフェノールフタレインを含むKOH/メタノール溶液で滴定することによって検出されてもよい。次いで、滴定終点として特定される、樹脂の全酸基を中和するのに必要なKOH/メタノールの当量に基づき、酸価を計算してもよい。
【0047】
樹脂を、塩基または中和剤を任意の量で、例えば、樹脂の合計重量を基準として0.01〜7重量%の量で加え、高温で溶融混合してもよい。
【0048】
樹脂中の酸基を中和するために中和剤を使用してもよい。無機塩基性薬剤および有機塩基性薬剤、水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化リチウム、炭酸カリウム、有機アミン、例えば、少なくとも1個の窒素原子を含むトリエチルアミン単環化合物および多環化合物、例えば、二級アミン(アジリジン、アゼチジン、ピペラジン、ピペリジン、ピリジン、ビピリジン、ターピリジン、ジヒドロピリジン、モルホリン、N−アルキルモルホリン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロウンデカン、1,8−ジアザビシクロウンデセン、ジメチル化ペンチルアミン、トリメチル化ペンチルアミン、ピリミジン、ピロール、ピロリジン、ピロリジノン、インドール、インジュリン、インダノン、ベンズインダゾン、ベンズニダゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、イミダゾリン、イミダゾリン、オキサゾール、イソオキサゾール、オキサゾリン、オキサジアゾール、チアジアゾール、カルバゾール、キノリン、イソキノリン、ナフチリジン、トリアジン、トリアゾール、テトラゾール、ピラゾール、ピラゾリンを含む)を含む、任意の塩基中和試薬。単環化合物および多環化合物は、非置換であってもよく、環の任意の炭素位置で置換されていてもよい。
【0049】
自己乳化性樹脂の顆粒は、樹脂を溶融または軟化させる温度(例えば、70℃〜120℃)で、少量(5%〜30%)の水を含んでいてもよい。
【0050】
中和剤または塩基性薬剤は、樹脂の重量を基準として、0.001重量%〜50重量%で存在してもよい。
【0051】
中和剤を、酸基を含む樹脂と組み合わせて利用し、50%〜300%の中和比を達成してもよい。中和比は以下を用いて算出されてもよい。
【0052】
百分位数での中和比は、使用する塩基部分の数を、存在する樹脂の酸基の数で割って、100%を掛けたものと等しい。
【0053】
塩基性中和剤を、酸基を含む樹脂に加えてもよい。塩基性中和剤を加え、酸基を含む樹脂を含むエマルションのpHを5〜12に上げてもよい。酸基を中和すると、エマルションの生成が促進されるだろう。
【0054】
本明細書のプロセスは、溶融混合または乳化プロセスの前、またはプロセスの間に、樹脂を、いくつかの実施形態では高温で界面活性剤に加えることを含んでいてもよい。界面活性剤を、高温で樹脂を溶融混合する前に加えてもよい。樹脂エマルションは、1種類、2種類またはそれ以上の界面活性剤を含んでいてもよい。
【0055】
選択される界面活性剤は、ナトリウム塩対イオンを実質的に含まない(含有しない)アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤であってもよい。
【0056】
アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤は、以下の式の化合物
【化3】

(式中、RおよびRは、以下に記載するとおりである)
【化4】

(式中、Rは、水素またはアルキル基である)を含む。アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤のアルキル部分は、炭素原子を1〜100個含んでいてもよく、または、Rは、12個の炭素原子を含むアルキル基である。
【0057】
アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤のアルキル部分は、分枝鎖または直鎖である。
【0058】
アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤は、以下の式のアンモニウム塩対イオンを含み、
【化5】

式中、Rは、水素またはアルキル基を含んでいてもよく、炭素原子を1〜100個含み、直鎖または分枝鎖であってもよく、または、Rは、炭素原子を3個含むアルキル基である。
【0059】
また、このような界面活性剤の混合物および組み合わせを選択してもよい。
【0060】
アンモニア対イオンを含む界面活性剤は、以下の式の化合物であってもよい。
【化6】

【0061】
Calimulse(登録商標)PR(Pilot Chemical Company)として市販されているイソプロピルアミン(分岐)アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤を選択してもよい。
【0062】
界面活性剤は、以下の式を有していてもよい。
【化7】

【0063】
Calimulse(登録商標)PRS(Pilot Chemical Company)として市販されているイソプロピルアミン(直鎖)アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤を選択してもよい。
【表1】

【0064】
以前に使用されている界面活性剤のナトリウム含有量は、16,000〜71,000ppmの範囲である。ここで、アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤のナトリウム含有量は、5,000ppm未満、または1,000ppm未満、1,000ppm未満、または500ppm未満、または500ppm以下、または300ppm未満である。
【0065】
本明細書の乳化可能な顆粒のナトリウム含有量は、5,000未満、または1,000未満、500以下、または300ppm以下、200〜525ppmである。本明細書の界面活性剤は、ナトリウムがほとんど含有していないか、またはまったく含有していない。本明細書の樹脂の乳化中に導入されるナトリウムイオンの量は、ナトリウムイオンを除去するための下流プロセスの必要性を減らすか、またはまったくなくすほど少ない。
【0066】
乳化可能な顆粒は、原材料およびトナー中のナトリウム含有量が低いことが、洗浄の要求事項を減らし、トナーの帯電自由度を高めるために望ましいトナーのために選択することができる。アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤は、従来の界面活性剤と比較して、もっと効果的であり、熱および混合および他の処理に対する感受性が低く、そのため、トナー、顔料分散物またはワックス分散物を調製するためにエマルションを使用するとき、変動が少ない改良エマルションを与える。アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤は、例えば、生体由来の樹脂を含め、スチレン/アクリレートおよびポリエステル樹脂、最も一般的にはポリエステル樹脂のような、イオン性基を含む任意の樹脂に向けたものであってもよい。
【0067】
本明細書のアルキルベンゼンスルホネート界面活性剤は、硫黄含有量が60,000ppmより多く、アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤合計100万部あたり、硫黄が60,000部より多く、アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤合計100万部あたり、60,000ppmより多く、100,000ppmまでである。
【0068】
本明細書の乳化可能な樹脂顆粒の硫黄含有量は、60,000ppmより多く、または60,000ppmより多く100,000ppmまでである。
【0069】
界面活性剤を固体として、または濃度が10重量%〜100重量%(純粋な界面活性剤)、または50重量%〜95重量%の高濃度の溶液として加えてもよい。界面活性剤は、樹脂の0.01重量%〜30重量%、または0.1重量%〜25重量%、または1重量%〜14重量%の量で存在していてもよい。界面活性剤は、樹脂を乳化するのに使用する従来の界面活性剤よりも低い添加量でもっと有効であり、丈夫である。いくつかの実施形態では、本発明の界面活性剤の低い添加量は、樹脂の0重量%より多く、10重量%までである。
【0070】
エマルションおよび分散物は、アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤に加え、1つ以上のさらなる界面活性剤を含んでいてもよい。さらなる界面活性剤は、任意の量の、例えば、ワックス分散物、着色剤分散物または樹脂エマルションの合計重量を基準として、0〜5重量%のTayca(登録商標)、Dowfax(登録商標)の商品名で市販されている界面活性剤を含め、ナトリウム塩対イオンを含有する界面活性剤のような既知の界面活性剤から選択されてもよい。
【0071】
本発明のプロセスは、樹脂を含む混合物と、ナトリウム塩対イオンを実質的に含まない、アンモニウム塩対イオンを含むアルキルベンゼンスルホネート界面活性剤と、中和剤と、水とを場合により高温で溶融混合することを含み、このプロセスで有機溶媒を利用せず、自己乳化性樹脂の顆粒を作成する。乳化されるポリエステル樹脂顆粒を製造するプロセスは、樹脂と、高濃度または固体の中和剤と、ナトリウム塩対イオンを含まず、アンモニア対イオンを含む界面活性剤と、場合により、少量の水とを、樹脂が溶融または軟化する温度で短い時間溶融混合することを含む。
【0072】
溶融混合する前、溶融混合している間、または溶融混合した後に、樹脂混合物の1つ以上の成分に界面活性剤を加えてもよい。中和剤を加える前、加えている間、または加えた後に界面活性剤を加えてもよい。中和剤を加える前に界面活性剤を加えてもよい。
【0073】
上述の加熱において、高温は、任意の適切な温度または望ましい温度であってもよく、いくつかの実施形態では、30℃〜300℃であってもよい。加熱は、一定温度に保持される必要はなく、変動してもよい。望ましい温度に達するまで、ゆっくりと加熱してもよく、加熱中に段階的に温度を上げてもよい。
【0074】
溶融混合は、任意のデバイス(例えば、押出機、ツインスクリュー型押出機、Haakeミキサー、バッチ反応器)で行ってもよい。
【0075】
樹脂を界面活性剤および中和剤とともにミキサーに加えて、任意の適切な時間または望ましい時間(例えば、30秒〜40分)混合してもよい。
【0076】
次いで、溶融ミキサーから出た自己乳化性材料を室温まで冷却し、固体材料を作成してもよくこれをBrookhavenナノサイズ粒子分析機によって決定する場合、容積平均径(容積平均粒径)が30ナノメートル〜100マイクロメートル、または50ナノメートル〜100マイクロメートル、または100ナノメートル〜50マイクロメートル、または500ナノメートル〜25マイクロメートルの顆粒になるように簡単に粉砕し、切断するか、またはペレット化してもよい。いくつかの実施形態では、顆粒は、容積平均粒径が40〜120ナノメートルである。
【0077】
自己乳化性顆粒を、樹脂の材料特性に影響を与えることなく、長期間にわたって(例えば、1日〜50日、または2日〜45日)運搬または保存してもよいが、これらの範囲からはずれる期間を得てもよい。
【0078】
本開示の自己乳化可能な顆粒は、従来技術と比べて、粗粒子の含有量が少ない(粗粒子の含有量が少ないとは、粒径が25ミクロン未満の粒子を意味する)、狭い粒度分布、乳化凝集トナー製造に適した粒径、粗粒子をなくすために濾過が不要といった多くの利点を与える。本開示は、ナトリウム含有量を除去するために長時間の洗浄を行う必要なく、最終トナー製品中のナトリウム含有量を減らすプロセスを提供する。
【0079】
本開示の顆粒を水に加え、ラテックスエマルションを作成してもよい。任意の量で、例えば、顆粒の質量の50%〜10,000%、または顆粒の質量の150%〜10,000%の量で水を加えてもよい。水温がもっと高いと、溶解プロセスが促進されるが、ラテックスは室温程度の低い温度で作成することができる。水温は、40℃〜110℃、または50℃〜100℃であってもよいが、これらの範囲から外れた温度を用いてもよい。
【0080】
水と顆粒の接触は、任意の適切な様式で、例えば、容器または連続的な経路で、充填床で、または希釈形態で達成されてもよい。バッチプロセスにおいて、低い速度で撹拌しつつ、熱水浴に顆粒を加え、放置してラテックスを作成してもよい。デバイスをふるいにかけることによって顆粒を保持してもよく、ラテックス形態に溶解するまで、顆粒の濾過ケーキを介して、または顆粒床の上に水を流してもよい。プロセスは、樹脂と、ナトリウム塩対イオンを実質的に含まない、アンモニウム塩対イオンを含むアルキルベンゼンスルホネート界面活性剤と、中和剤と、水とを有機溶媒が存在しない状態で接触させて混合物を作成することと、この混合物を溶融混合することと、直径が30ナノメートル〜100マイクロメートルの溶融混合した混合物の乳化可能な顆粒を作成することと、さらに、この乳化可能な顆粒に水を加え、ラテックス粒子を含むラテックスエマルションを与えることと、場合により、ラテックス粒子を連続して回収することとを含んでいてもよい。
【0081】
作成したラテックスエマルションの粒径は、ポリエステル樹脂に対する界面活性剤および中和剤の濃度比によって制御することができる。ラテックスの固形物濃度は、水に対する顆粒材料の比率によって制御されてもよい。
【0082】
本明細書のプロセスは、出発物質の樹脂と同じ分子量特性を保持した乳化した樹脂粒子を、いくつかの実施形態では、エマルションを作成するときに利用されるバルク樹脂またはあらかじめ作成された樹脂を製造してもよい。
【0083】
水系媒体中の乳化した樹脂粒子は、粒径が1,500ナノメートル以下、例えば、10〜1,200ナノメートル、または30〜1,000ナノメートルであってもよく、例えば、粒径分析機、例えば、Microtrac Inc.のNanotrac粒径分析機によって測定することができる。
【0084】
乳化した後、さらなる界面活性剤、水、および/またはアルカリ水溶液を場合により加え、エマルションを希釈してもよい。乳化した後、エマルションを室温まで冷却してもよい。
【0085】
自己乳化性樹脂の顆粒を水と接触させてエマルションを作成したら、次いで、得られたラテックスエマルションを利用し、当業者の技術常識の範囲内にある任意の方法によってトナーを作成してもよい。ラテックスエマルションを着色剤および他の添加剤と接触させ、適切なプロセスによって、いくつかの実施形態では、乳化凝集および融着プロセスによってトナーを作成してもよい。
【0086】
本明細書のトナーは、樹脂エマルションと、ナトリウム塩対イオンを実質的に含まない、アンモニウム塩対イオンを含むアルキルベンゼンスルホネート界面活性剤と、着色剤と、任意要素のワックスと、凝固剤とを均質化し、前凝集粒子を含む均質化したトナースラリーを室温で作成することと、このスラリーを加熱し、凝集したトナー粒子を作成することと、望ましい凝集粒径になったら、トナースラリーを凍結させることと、さらに、スラリー中で凝集した粒子を加熱し、凝集した粒子をトナー粒子へと融着させることとを含むプロセスによって作られてもよい。
【0087】
加熱して凝集したトナー粒子を作成するのは、任意の温度で所与の時間行ってもよい。加熱して凝集したトナー粒子を作成するのは、ラテックスのTgよりも低い温度で、いくつかの実施形態では、30℃〜70℃で、0.2時間〜6時間かけて行われ、容積平均径が3ミクロン〜15ミクロン、または4〜8ミクロンのトナー凝集物が得られる。
【0088】
染料、顔料、染料混合物、顔料混合物、染料と顔料の混合物が、本明細書のトナーまたは着色剤分散物に含まれてもよい。着色剤は、任意の量で、例えば、トナーの0.1〜35重量%の量で含まれてもよい。
【0089】
トナープロセスは、アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤のナトリウム含有量が5,000ppm未満であるように、ナトリウム塩対イオンを実質的に含まず、アンモニウム塩対イオンを含むアルキルベンゼンスルホネート界面活性剤と、顔料、染料またはこれらの組み合わせを含む着色剤とを接触させることと、アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤を用いて着色剤を分散させ、着色剤分散物を作成することと、場合によりナトリウム塩対イオンを含む界面活性剤を含むさらなる界面活性剤を提供することによって調製される着色剤分散物を含む着色剤を含み、さらなる界面活性剤は、着色剤分散物の合計重量を基準として、約4重量%未満の量で与えられる。
【0090】
場合により、トナー粒子を作成するときに、ワックスを樹脂および任意要素の着色剤と組み合わせてもよい。ワックスは、分散物の状態で与えられてもよく、1種類のワックスまたは2種類以上の異なるワックスを含んでいてもよい。ワックス分散物は、平均分子量が500〜20,000のワックス、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン)ワックスを含め、乳化重合トナー組成物で通常使用される任意の種々のワックスを含んでいてもよい。ワックスは、結晶性または非結晶性であってもよい。
【0091】
特定の実施形態では、アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤を使用し、ワックスを分散する。
【実施例】
【0092】
(実施例1)
コントロール。Dowfax(登録商標)を含む無溶媒で乳化可能な顆粒。Haake溶融ミキサーに逆回転ローターを取り付け、これを95℃まであらかじめ加熱しておき、次いで、ローターの速度を60rpm(毎分の回転数)に設定した。アモルファス樹脂(ポリ(コ−プロポキシル化ビスフェノール コ−エトキシル化ビスフェノール コ−テレフタレート)、花王株式会社から入手可能)、39.37グラム)を水酸化ナトリウム(NaOH、0.82グラム)と混合し、これをミキサーの空洞にゆっくりと加え、その後、界面活性剤(Dowfax(登録商標)2A1、10.06グラム、47.5%有効分)を加え、rpmを100rpmまで上げ、15分間混合を維持した。次いで、少量の脱イオン水(12.54グラム)をゆっくりと加え、さらに20分間混合したままにした。合計操作時間は73分であった。Haakeミキサーの空洞から生成物を集め、冷却すると固化した。この固体材料(1グラム)を23グラムの脱イオン水とともに4ドラムガラスバイアルに入れ、90℃に設定した水浴に1時間置いた。
【0093】
過剰に混合し、操作時間が長いと、エマルションができないことがわかった。しかし、この手順を用いた場合でも(実施例2からわかるように)、Calimulse(登録商標)PR(イソプロピルアミン分岐アルキルベンゼンスルホネート、Pilot Chemical Companyから入手可能)は乳化し、このことは、加熱、時間、混合に対するこの界面活性剤の丈夫さを示している。
【0094】
(実施例2)
Calimulse(登録商標)PRを含む無溶媒で乳化可能な顆粒。Haake溶融ミキサーに逆回転ローターを取り付け、これを95℃まであらかじめ加熱しておき、次いで、ローターの速度を60rpmに設定した。アモルファス樹脂(ポリ(コ−プロポキシル化ビスフェノール コ−エトキシル化ビスフェノール コ−テレフタレート)、花王株式会社から入手可能)、39.37グラム)を水酸化ナトリウム(NaOH、0.82グラム)と混合し、これをミキサーの空洞にゆっくりと加え、界面活性剤(Calimulse(登録商標)PR、5.14グラム、93%有効分)を加え、rpmを100rpmまで上げ、15分間混合を維持した。次いで、少量の脱イオン水(12.54グラム)をゆっくりと加え、さらに20分間混合したままにした。合計操作時間は84分であった。Haakeミキサーの空洞から生成物を集め、冷却すると固化した。この固体材料(1グラム)を23グラムの脱イオン水とともに4ドラムガラスバイアルに入れ、90℃に設定した水浴に1時間置いた。得られた樹脂の粒径を、Nanotrac(登録商標)粒径分析機(Microtrac Inc.)を用いて得て、図1に示すような粒径分布であった。粒径および標準偏差は、Nanotrac(登録商標)によって測定した場合、それぞれ46ナノメートルおよび0.0165であった。
【0095】
(実施例3)
コントロール。Dowfax(登録商標)2A1を含む無溶媒で乳化可能な顆粒。所定の位置に新しい手順を用い、実施例1の界面活性剤を再び実施した。Haake溶融ミキサーに逆回転ローターを取り付け、これを95℃まであらかじめ加熱しておき、次いで、ローターの速度を60rpmに設定した。アモルファス樹脂(ポリ(コ−プロポキシル化ビスフェノール コ−エトキシル化ビスフェノール コ−テレフタレート)、花王株式会社から入手可能)、39.37グラム)を水酸化ナトリウム(NaOH、0.39グラム)と混合し、これをミキサーの空洞にゆっくりと加えた。次いで、rpmを100rpmまで上げ、次いで、界面活性剤(Dowfax(登録商標)2A1、4.97グラム、47.5%有効分)を加え、その後、少量の脱イオン水(12.54グラム)をゆっくりと加えた。合計操作時間は27分であった。Haakeミキサーの空洞から生成物を集め、冷却すると固化した。この固体材料(1グラム)を、23グラムの脱イオン水とともに4ドラムガラスバイアルに入れ、90℃に設定した水浴に1時間置いた。得られた樹脂の粒径を、Nanotrac(登録商標)粒径分析機(Microtrac Inc.)を用いて得て、図2に示すような粒径分布であった。粒径および標準偏差は、Nanotrac(登録商標)によって測定した場合、それぞれ163ナノメートルおよび0.0416であった。
【0096】
(実施例4)
Calimulse(登録商標)PRSを含む無溶媒で乳化可能な顆粒。Haake溶融ミキサーに逆回転ローターを取り付け、これを95℃まであらかじめ加熱しておき、次いで、ローターの速度を60rpmに設定した。アモルファス樹脂(ポリ(コ−プロポキシル化ビスフェノール コ−エトキシル化ビスフェノール コ−テレフタレート)、花王株式会社から入手可能)、39.37グラム)を水酸化ナトリウム(NaOH、0.39グラム)と混合し、これをミキサーの空洞にゆっくりと加えた。次いで、rpmを100rpmまで上げ、次いで、界面活性剤(Calimulse(登録商標)PRS、イソプロピルアミン直鎖アルキルベンゼンスルホネート、5.14グラム、93%有効分)を加え、その後、少量の脱イオン水(12.54グラム)をゆっくりと加えた。合計操作時間は24分であった。Haakeミキサーの空洞から生成物を集め、冷却すると固化した。この固体材料(1グラム)を、23グラムの脱イオン水とともに4ドラムガラスバイアルに入れ、90℃に設定した水浴に1時間置いた。得られた樹脂の粒径を、Nanotrac(登録商標)粒径分析機(Microtrac Inc.)を用いて得て、図3に示すような粒径分布であった。粒径および標準偏差は、Nanotrac(登録商標)によって測定した場合、それぞれ111ナノメートルおよび0.0415であった。
【0097】
(実施例5)
シアンポリエステル乳化凝集トナーは、2リットルのベンチスケールで、150グラムの理論的な乾燥トナーからなる。23重量%の高分子量アモルファス樹脂(ポリ(コ−プロポキシル化ビスフェノール コ−エトキシル化ビスフェノール コ−テレフタレート)、23重量%の実施例2で調製したエマルション、30重量%の結晶性樹脂エマルション(ポリ(1,9−ノナン−1,12 ドデカノエート)を、樹脂固形分を基準として2重量%のDOWFAX(商標)2A1(Dow Chemical Companyから市販されているアルキルジフェニルオキシドジスルホネート)、分散物中の5.5重量%のシアン顔料(Pigment Blue 15:3)、分散物中の9%のポリエチレンワックス(IGIから入手可能)を合わせる。成分を混合し、次いで、0.3M硝酸を用い、pHを4.2に調節する。
【0098】
次いで、0.5パーツパーミリオン(ppm)の硫酸アルミニウムを凝固剤として加えつつ、スラリーを毎分3,000回転(rpm)〜4,000rpmで10分間かけて均質化する。次いで、このトナースラリーを2LのBuchi反応器に移し、加熱して凝集を開始させる。次いで、トナースラリーは、約43℃で凝集するだろう。粒径約4.8ミクロンで、14重量%の高分子量アモルファス樹脂、14重量%の実施例2で調製したエマルションを含むシェルを、トナースラリーに加え、最終目標である粒径5.8ミクロンを達成する。スラリーのpHを水酸化ナトリウム(NaOH)およびVERSENE−100(Dow Chemical Companyから入手可能なキレート剤)を用いて7.5に調節し、凝集工程を凍結させる(すなわち、停止させる)。
【0099】
反応器の温度(Tr)を85℃に達するように上げつつ、Trが80℃になるまでpHを7.8以上に維持しつつ、プロセスを進める。Trが85℃に達したら、トナースラリーのpHを希硝酸を加えることによって下げ、真円度が≧0.960に達するまで維持する。
【0100】
(実施例6)
シアンポリエステル乳化凝集トナーは、2リットルのベンチスケールで、150グラムの理論的な乾燥トナーからなる。23重量%の高分子量アモルファス樹脂(ポリ(コ−プロポキシル化ビスフェノール コ−エトキシル化ビスフェノール コ−テレフタレート)、23重量%の実施例4で調製したエマルション、30重量%の結晶性樹脂エマルション(ポリ(1,9−ノナン−1,12 ドデカノエート)を、樹脂固形分を基準として2重量%のDOWFAX(商標)2A1(Dow Chemical Companyから市販されているアルキルジフェニルオキシドジスルホネート)、分散物中の5.5重量%のシアン顔料(Pigment Blue 15:3)、分散物中の9%のポリエチレンワックス(IGIから入手可能)を合わせる。成分を混合し、次いで、0.3M硝酸を用い、pHを4.2に調節する。
【0101】
次いで、0.5パーツパーミリオン(ppm)の硫酸アルミニウムを凝固剤として加えつつ、スラリーを毎分3,000回転(rpm)〜4,000rpmで10分間かけて均質化する。次いで、このトナースラリーを2LのBuchi反応器に移し、加熱して凝集を開始させる。次いで、トナースラリーは、約43℃で凝集するだろう。粒径約4.8ミクロンで、14重量%の高分子量アモルファス樹脂、14重量%の実施例4で調製したエマルションを含むシェルを、トナースラリーに加え、最終目標である粒径5.8ミクロンを達成する。スラリーのpHを水酸化ナトリウム(NaOH)およびVERSENE−100(Dow Chemical Companyから入手可能なキレート剤)を用いて7.5に調節し、凝集工程を凍結させる(すなわち、停止させる)。
【0102】
反応器の温度(Tr)を85℃に達するように上げつつ、Trが80℃になるまでpHを7.8以上に維持しつつ、プロセスを進める。Trが85℃に達したら、トナースラリーのpHを希硝酸を加えることによって下げ、真円度が≧0.960に達するまで維持する。
【0103】
(実施例7)
20〜40重量%の原材料の顔料Sun Chemicals製のPigment Blue15:3からなる顔料分散物と、7〜11重量%のアンモニウム塩対イオンを含むアルキルベンゼンスルホネート界面活性剤と、脱イオン水とを混合する。濡れたら、望ましい粒径(例えば、100〜500ナノメートル)が得られるまで、混合物を既知の分散器具(例えば、ローター−ステーターホモジナイザ、ピストンホモジナイザ、ボールミルなど)を用いてせん断する。
【0104】
(実施例8)
20〜40重量%のポリエチレンワックス(IGIから入手可能)からなるワックス分散物と、7〜11重量%のアンモニウム塩対イオンを含むアルキルベンゼンスルホネート界面活性剤と、脱イオン水とを混合する。濡れたら、混合物をワックスのガラス転移点付近またはそれより高い温度まで加熱し、望ましい粒径(例えば、100〜500ナノメートル)が得られるまで、混合物を既知の分散器具(例えば、ローター−ステーターホモジナイザ、ピストンホモジナイザ、ボールミルなど)を用いてせん断する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤のナトリウム含有量が5,000ppm未満であるように、ナトリウム塩対イオンを実質的に含まず、アンモニウム塩対イオンを含むアルキルベンゼンスルホネート界面活性剤と、乳化または分散される成分および水とを接触させて混合物を作成することと、
前記アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤を用い、前記成分を乳化させ、エマルションを作成すること、または、
前記アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤を用い、前記成分を分散させ、分散物を作成することとを含む、プロセス。
【請求項2】
前記アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤が、以下の式の化合物であり、
【化1】

式中、Rは、水素または炭素原子を1〜100個含むアルキル基であり、
は、水素または炭素原子を1〜100個含むアルキル基である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤が、以下の式
【化2】

の化合物である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項4】
前記アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤のナトリウム含有量が、1,000ppm未満である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項5】
前記アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤の硫黄含有量が、60,000ppmより大きく、100,000ppmまでである、請求項1に記載のプロセス。
【請求項6】
前記成分がワックスであり、前記アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤を使用して前記ワックスを分散させ、ワックス分散物を作成し、前記プロセスが、場合により、1つ以上のさらなる成分を前記ワックス分散物に加えることを含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項7】
前記成分が着色剤であり、前記アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤を使用して前記着色剤を分散させ、着色剤分散物を作成し、前記プロセスが、場合により、1つ以上のさらなる成分を前記着色剤分散物に加えることを含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項8】
トナーを調製するプロセスであって、
樹脂エマルションを、アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤のナトリウム含有量が5,000ppm未満であるように、ナトリウム塩対イオンを実質的に含まない、アンモニウム塩対イオンを含むアルキルベンゼンスルホネート界面活性剤、着色剤、任意要素のワックスを、凝固剤を用いて均質化し、室温で前凝集粒子を含む均質化したトナースラリーを作成することと、
このスラリーを加熱して凝集したトナー粒子を作成することと、
望ましい凝集粒径になったら、前記トナースラリーを凍結させることと、
さらに、前記凝集した粒子を前記スラリー中で加熱し、前記凝集した粒子をトナー粒子に融着させることとを含む、プロセス。
【請求項9】
乳化可能な樹脂を調製するプロセスであって、
有機溶媒が存在しない状態で、樹脂を、アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤のナトリウム含有量が5,000ppm未満であるように、ナトリウム塩対イオンを実質的に含まず、アンモニウム塩対イオンを含むアルキルベンゼンスルホネート界面活性剤と、中和剤と、場合により、水とを接触させて混合物を作成することと、
この混合物を溶融混合することと、
この溶融混合した混合物から乳化可能な樹脂を作成することと、
場合により、この乳化可能な樹脂に水を加え、ラテックス粒子を含有するラテックスエマルションを得ることと、
場合により、前記ラテックス粒子を連続的に回収することとを含む、プロセス。
【請求項10】
前記アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤が、以下の式の化合物であり、
【化3】

式中、Rは、水素または炭素原子を1〜100個含むアルキル基であり、
は、水素または炭素原子を1〜100個含むアルキル基である、請求項9に記載のプロセス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−103221(P2013−103221A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−231297(P2012−231297)
【出願日】平成24年10月19日(2012.10.19)
【出願人】(596170170)ゼロックス コーポレイション (1,961)
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
【Fターム(参考)】