説明

エラストマーシリコーン加硫体

エラストマー組成物を調製する方法が開示され:
(I)(A)エラストマー
(B)任意の相容化剤
(C)任意の触媒
(D)硬化可能な有機ポリシロキサンを含んでいるシリコーンベース
(E)任意の架橋剤
(F)該有機ポリシロキサンを硬化させるに充分量の硬化剤
を混合し、次いで
(II)該有機ポリシロキサンを、静的加硫させること
を含み、ここで、該エラストマーベース組成物中でのシリコーンベース(D)に対するエラストマー(A)の重量比が、95:5〜30:70の範囲である。本方法により得られるエラストマー組成物およびこれから調製される硬化エラストマー組成物は、良好な低温および高温特性を持つ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願に対する相互参照
本願は、米国特許出願第60/584,306号、2004年6月30日出願、に対する優先権を請求する。
【0002】
本発明は、シリコーンおよびもう1つ別のエラストマーを含むエラストマー組成物を調製する方法に関し、これは、該シリコーンの静的加硫に基づいている。本発明は更に、本方法により調製される生成物、および、これから得られる硬化エラストマー組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
シリコーンラバーは、良好な高温および低温特性、耐候性、ならびに加工性により特徴付けられる。これらの性能を、極限の温度において効率的に向上させるよう、他のエラストマーを修飾する必要性が存在する。特に、高温および/または低温特性が求められる種々の適用における使用のためのエラストマー組成物を提供する必要性がある。これらの加工性を効率的に向上させるよう、エラストマーを修飾する必要性も存在する。
【0004】
比較的僅かな成功例しか、シロキサン主体のポリマーの添加もしくは組み合わせにより、修飾エラストマーを与えていない。安定で一様な混合物は、これらシロキサン主体のポリマーとのエラストマーの不相容性のために、得難い。輪をかけて、ブレンドは、架橋可能でなければならない。エラストマーおよびシリコーンラバー組成物を与えるある幾つかの例は、米国特許第4,942,202号明細書、米国特許第5,010,137号明細書、米国特許第5,171,787号明細書、および米国特許第5,350,804号明細書も包含する。
【0005】
米国特許第4,942,202号明細書は、ラバー組成物および加硫ラバー生成物を教示する。第’202号明細書の組成物は、有機過酸化物を、剪断変形下に、(I)シリコーンラバー、(II)単独で使用される場合、有機過酸化物と反応しない飽和エラストマー、および(III)該シリコーンラバーと、有機過酸化物存在下に架橋可能なもう1つ別のエラストマーと反応させることにより、調製される。他のエラストマー(III)も架橋可能であるか、もしくは、高度に成分(II)と混和可能である。
【0006】
米国特許第5,010,137号明細書は、ラバー組成物を教示し、これは、エラストマーならびにオイルシールおよびこれから得られるラバーホースも包含する。第’137号明細書の組成物は、ポリ有機水素シロキサンおよびVIII族遷移金属化合物を、(I)ビニル含有ポリ有機シロキサンおよび(II)有機ラバーを含んでいるラバー形成ポリマーと化合させていき、結果得られてくる化合物を、ヒドロシリル化に、剪断変形を効かせながら付すことにより得られる。
【0007】
米国特許第5,171,787号明細書は、シリコーンベース複合ラバー組成物およびこの使用を教示する。第’787号明細書の組成物は、(A)ポリ有機シロキサンおよび有機ラバーを含んでいるラバー形成ポリマー、(B)1分子につき少なくとも2つの加水分解可能な基を持っているシリコン化合物、ならびに、(C)これらの加水分解および縮合反応を触媒する重金属化合物、アミン、もしくは4級アンモニウム塩を化合させていき、結果得られてくる処方が、加水分解および縮合反応を受けるようにする一方、該処方が剪断により変形しないよう保たれ、架橋剤が引き続いて加えられ、その後の該有機ラバーの架橋により、調製される。
【0008】
米国特許第5,350,804号明細書は、複合ラバー組成物を教示し、これは、(a)100℃において少なくとも70のMooney粘度を持ち、該複合ラバー組成物のマトリックス相を形成している有機ラバーエラストマー組成物、ならびに、(b)該マトリックス相中の分散相として、硬化シリコーンラバーを含む。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
これらの特許が、本分野における進捗を与える一方、これらの系固有の物性を維持しつつ、より低コストで高性能なエラストマーの系を与えるに効率的なように、エラストマーを特別に修飾する必要性が尚存在する。特に、燃料、オイル、排ガス、もしくは化学物質に対する耐性同様、高温および/または低温特性が必要とされる種々の適用における使用のためのエラストマー組成物を提供する必要性がある。
【0010】
本発明はエラストマー組成物を提供し、これは、他のエラストマーと共にシリコーンを取り込むことを主体とし、静的加硫プロセスを使用している。これらのエラストマー組成物は、本発明の新しい混合プロセスから得られる。これらの新しい混合プロセスは、もう1つ別のエラストマー中に取り込まれた、顕著な量のシリコーンラバー主体の組成を持っている組成物を提供する。しかしながら、本発明のフッ化炭素エラストマー組成物から調製され、結果得られてくる硬化エラストマー組成物は、当該エラストマーの望ましい物性・属性の多くを維持する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、エラストマー組成物を調製する方法を提供し、これは、エラストマーおよびシリコーン両方を含有しており、ここで、シリコーンベースが、もう1つ別のエラストマーと混合され、該シリコーンベースが引き続き、該エラストマー内で、静的加硫される。これゆえ、本発明は、エラストマー組成物を調製する方法に関し:
(I)(A)エラストマー
(B)任意の相容化剤
(C)任意の触媒
(D)硬化可能な有機ポリシロキサンを含んでいるシリコーンベース
(E)任意の架橋剤
(F)該有機ポリシロキサンを硬化させるに充分量の硬化剤
を混合し、次いで
(II)該有機ポリシロキサンを、静的加硫させること
を含み、ここで、該エラストマーベース組成物中でのシリコーンベース(D)に対するエラストマー(A)の重量比が、95:5〜30:70の範囲である。
【0012】
本発明は更に、本方法により得られるエラストマー組成物、および、これから調製される硬化エラストマー組成物に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
成分(A)はエラストマーであり、室温を下回る、あるいは、23℃を下回る、あるいは、15℃を下回る、あるいは、0℃を下回るガラス転移温度(Tg)を持っている。「ガラス転移温度」とは、ポリマーが、ガラス状態からラバー状態に変化する温度を意味する。ガラス転移温度は、動的機械的分析(DMA)および示差カロリー計(DSC)のような従来法により求められ得る。本明細書において使用される場合、<<エラストマー>>とは、シリコーンラバーとしても知られるシリコーン主体のエラストマーを除く。エラストマー成分(A)は、主要なクラスのエラストマーおよびラバーのいずれからでも選択され得(ASTM分類が括弧中に示される)、これらは、当業界において、天然ラバー(NR)、イソプレンラバー(IR)、スチレン−ブタジエンラバー(SBR)、ブタジエンラバー(BR)、クロロプレンラバー(CR)、塩素化ポリエチレン(CPE)、ブチルラバー、アクリロニトリル−ブタジエンラバー(NBR)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、アクリルラバー(ACM)、エピクロロヒドリンラバー(ECO)、エチレン−酢酸ビニルラバー(EVM)、エチレン−アクリルラバー、エチレン−αオレフィン共重合ラバー、エチレン−αオレフィン−ジエンターポリマー化ラバー(EPDM)、フッ化炭素エラストマー(FKM)、および水素化ニトリルラバー(HNBR)として知られる。
【0014】
あるいは、該エラストマーは高性能エラストマーであり、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、塩素化ポリエチレン(CPE/CM)、エチレン−酢酸ビニルラバー(EVM)、エピクロロヒドリンラバー(ECO)、およびアクリルラバー(ACM)から選択される。あるいは、該エラストマーは、エチレン−αオレフィン−ジエンターポリマー化ラバー(EPDM)、水素化ニトリルラバー(HNBR)、およびフッ化炭素エラストマー(FKM)から選択される。
【0015】
下記の化学的修飾エラストマーの実施形態において、(A)は、相容化剤(B)および任意に触媒(C)と反応し得るポリマーを含んでいるエラストマーから選択され、修飾エラストマーを生成する。如何なる理論にも結び付けられることを望んでいるわけではないが、本発明者らは、該化学的修飾の実施形態において、如何なるエラストマーもしくは修飾エラストマーも、成分(A)として選択され得ると考えているが、但し、該エラストマーが、該シリコーンベースの少なくとも一部分と反応できる少なくとも1つの基を含有する。換言すれば、該エラストマーは、該シリコーンベースと、該有機ポリシロキサン用に選択される現実の硬化メカニズムを経由して、反応できるべきものである。硬化剤(F)が、該有機ポリシロキサン、成分(D)、および任意に架橋成分(E)に加えられ、該有機ポリシロキサンを、静的加硫プロセス経由で硬化させる。典型的には、該静的加硫プロセス、つまりステップ(II)の間、該シリコーン化合物表面において起きている硬化の化学により、該エラストマーとも反応し得、これが更に、該エラストマー内で、該シリコーンを分散させる。該エラストマー上の反応性基の代表的な非限定例は、メチル、メチレン、ビニル、およびハロゲンも包含する。該エラストマー上のメチルもしくはメチレン基は、過酸化物と反応し得、該シリコーン化合物用の硬化剤として選択され得、こうして、該有機ポリシロキサンと該エラストマーとの間の結合を形成していく。もう1つ別の例として、該エラストマー上のビニル基が、その付加硬化メカニズムもしくはラジカル硬化メカニズムを経由して、反応し得る。
【0016】
該エラストマーたる成分(A)がポリマー混合物たり得ることが、認められる。しかしながら、該化学的修飾エラストマーの実施形態において、少なくとも2重量%、あるいは、少なくとも5重量%、あるいは、少なくとも10重量%の該エラストマー組成物が、該有機ポリシロキサンの硬化の化学により反応できる反応性基を持っているポリマーを含有すべきである。
【0017】
任意の相容化剤(B)は、如何なる炭化水素、有機シロキサン、フッ化炭素、もしくはこれらの組み合わせからでも選択され得、エラストマー(A)とのシリコーンベース(D)の混合を促進するよう、該エラストマーを修飾するものと期待され、連続エラストマー相および不連続シリコーン相(つまり、内相)を持っている混合物を生成する。一般的に、該相容化剤は、2つのタイプのうちの1タイプであり得る。第1実施形態において、本明細書において物理的相容化剤と言うが、該相容化剤は、如何なる炭化水素、有機シロキサン、フッ化炭素、もしくはこれらの組み合わせからでも選択され、エラストマー(A)と反応するものとは期待されないが尚、該シリコーンベースとの該エラストマーの混合を促進する。第2実施形態において、本明細書において化学的相容化剤と言うが、該相容化剤は、如何なる炭化水素、有機シロキサン、フッ化炭素、もしくはこれらの組み合わせからでも選択され、該エラストマーおよび/またはシリコーンラバーと化学的に反応できると考えられる。しかしながら、いずれの実施形態においても、該相容化剤は、下記の有機ポリシロキサン成分の静的硬化を防いではならない。
【0018】
該物理的修飾の実施形態において、相容化剤(B)は、エラストマーとのシリコーンベースの混合を促進すると当業界において知られている如何なる相容化剤からでも選択され得る。
【0019】
該化学的修飾の実施形態において、典型的には、相容化剤(B)は、2つ以上のオレフ
ィン基を含有する有機(つまり、非シリコーン)化合物(B)、少なくとも2つのアル
ケニル基を含有している有機ポリシロキサン(B)、そのシリコン原子に結合した少な
くとも1つの加水分解可能な基もしくは少なくとも1つのヒドロキシル基も含有するオレ
フィン官能基を有するシラン(B)、アミン、アミド、イソシアヌレート、フェノール
、アクリレート、エポキシ、およびチオール基から選択される少なくとも1つの有機官能
基を持っている有機ポリシロキサン(B)、脱フッ化水素剤(B)、ならびに、(B
)、(B)、(B)、(B)、および(B)の如何なる組み合わせからも、選択され得る。
【0020】
有機相容化剤(B’)は、中でも、ジアリルフタレート、トリアリルイソシアヌレート
、2,4,6−トリアリルオキシ−1,3,5−トリアジン、トリメシン酸トリアリル、
1,5−ヘキサジエン、低分子量ポリブタジエン、1,7−オクタジエン、2,2’−ジ
アリルビスフェノールA、N,N’−ジアリル酒石酸ジアミド、ジアリルウレア(尿素)
、琥珀酸ジアリル、およびジビニルスルホンのような化合物により例示され得る。
【0021】
相容化剤(B’’)は、直鎖、分岐、もしくは環状有機ポリシロキサンから選択されてよく、少なくとも2つのアルケニル基を、その分子中に持っている。このような有機ポリシロキサンの例は、ジビニルテトラメチルジシロキサン、シクロトリメチルトリビニルトリシロキサン、シクロテトラメチルテトラビニルテトラシロキサン、ヒドロキシ末端封鎖ポリメチルビニルシロキサン、ヒドロキシ末端化ポリメチルビニルシロキサン−コ−ポリジメチルシロキサン、ジメチルビニルシロキシ末端化ポリジメチルシロキサン、テトラキス(ジメチルビニルシロキシ)シラン、およびトリス(ジメチルビニルシロキシ)フェニルシランも包含する。あるいは、相容化剤(B’’)は、ヒドロキシ末端化ポリメチルビニルシロキサン[HO(MeViSiO)xH]オリゴマーであり、約25〜100mPa.sの粘度を持ち、20〜35%のビニル基および2〜4%のシリコン結合水酸基を含有している。
【0022】
相容化剤(B’’’)はシランであり、少なくとも1つのアルキレン基を含有し、典型的には、ビニル不飽和部分を含んでおり、同様に、加水分解可能な基もしくはヒドロキシル基から選択される少なくとも1つのシリコン結合部分を含有している。適切な加水分解可能な基は、アルコキシ、アリールオキシ、アシルオキシ、もしくはアミド基を包含する。このようなシランの例は、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ヘキセニルトリエトキシシラン、ヘキセニルトリメトキシ、メチルビニルジシラノール、オクテニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリス(2−エトキシエトキシ)シラン、メチルビニルビス(N−メチルアセトアミド)シラン、メチルビニルジシラノールである。
【0023】
相容化剤(B’’’’)は有機ポリシロキサンであり、アミン、アミド、イソシアヌレート、フェノール、アクリレート、エポキシ、およびチオール基から選択される少なくとも1つの有機官能基を持っている。
【0024】
下記のシリコーンベース成分(D)の硬化可能な有機ポリシロキサンの一部分も、相容化剤として機能し得ることがあり得る。例えば、触媒(C)が、シリコーンベース(D)の硬化可能な該有機ポリシロキサンの一部分を、該エラストマーとまず反応させるのに使用され得、修飾エラストマーを生成させる。該修飾エラストマーが次いで更に、硬化可能な該有機ポリシロキサンを含有している残りのシリコーンベース(D)と混合され、該有機ポリシロキサンが下記のように、静的加硫される。
【0025】
エラストマー100部につき使用される相容化剤の量は、通常の実験により求められ得る。典型的には、0.05〜15重量部、あるいは、0.05〜10重量部、あるいは、0.1〜5部の該相容化剤が、エラストマー(A)各100部につき使用される。
【0026】
任意の成分(C)は、触媒である。典型的には、該触媒は、該化学的修飾の実施形態において使用される。このように、これは典型的にはラジカルイニシエーターであり、当業界において上昇した温度でフリーラジカルを発生させると知られる如何なる有機化合物からも選択される。該イニシエーターは特に限定されず、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルのような、既知のアゾもしくはジアゾ化合物のいずれであってもよいが、好ましくは、過酸化水素、ジアシルペルオキシド、ケトンペルオキシド、ペルオキシエステル、ジアルキルペルオキシド、過酸化ジカーボネート、過酸化ケタール、過酸、アシルアルキルスルホニルペルオキシド、およびアルキルモノペルオキシジカーボネートのような有機過酸化物から選択される。しかしながら、鍵となる要件は、該イニシエーターの半減寿命が充分短いことであり、それで、ステップ(I)の時間および温度の拘束内で、エラストマー(A)との相容化剤(B)の反応を促進させる。今度は、その修飾温度が、選ばれたエラストマーおよび相容化剤のタイプに依存し、典型的には、成分(A)〜(C)の一様な混合と整合するほど実際には低い。本発明の方法に従って使用されてよい適切な過酸化物の特定例は:
2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン;
過酸化ベンゾイル;
過酸化ジクミル;
t−ブチルペルオキシ−O−トルエン酸;
環状ペルオキシケタール;
t−ブチルヒドロペルオキシド;
t−ブチルペルオキシピバレート;
ラウロイルペルオキシド;
t−アミルペルオキシ2−エチルヘキサノエート;
ビニルトリス(t−ブチルペルオキシ)シラン;
ジ−t−ブチルペルオキシド;
1,3−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン;
2,2,4−トリメチルペンチル−2−ヒドロペルオキシド;
2,5−ビス(t−ブチルペルオキシ)−2,5−ジメチルヘキシン−3;
t−ブチルペルオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート;
クメンヒドロペルオキシド;
t−ブチルペルオキシベンゾエート(安息香酸);および
ジイソプロピルベンゼンモノヒドロペルオキシド
を包含する。エラストマー100部につき、2重量部未満の過酸化物が、典型的には使用される。あるいは、0.05〜1部および0.2〜0.7部も、用いられ得る。
【0027】
成分(D)はシリコーンベースであり、硬化可能な有機ポリシロキサン(D’)および任意に充填剤(D’’)を含んでいる。硬化可能な有機ポリシロキサンは本明細書において、その分子中に存在する少なくとも2つの硬化可能な基を持っている如何なる有機ポリシロキサンとしても定義される。有機ポリシロキサンは当業界においてよく知られ、しばしばいずれかの数の、RSiO0.5(M単位)、RSiO(D単位)、RSiO1.5(T単位)、もしくはSiO(Q単位)を含んでいるものとして命名され、式中、Rは独立に、如何なる1価の炭化水素基でもある。あるいは、有機ポリシロキサンはしばしば、以降の一般式:
[RSi(O)4−m/2
を持っているものとして記述され、式中、Rは独立に、如何なる1価の炭化水素基でもあり、m=1〜3、nは少なくとも2である。
【0028】
シリコーンベース(D)中の有機ポリシロキサンは、その分子中に、少なくとも2つの硬化可能な基を持たなくてはならない。本明細書において使用される場合、硬化可能な基とは、それ自体もしくはもう1つ別の炭化水素基と、または、架橋剤と反応でき、該有機ポリシロキサンを架橋させる如何なる炭化水素基としても、定義される。この架橋は結果的に、硬化有機ポリシロキサンを与える。該シリコーンベース中において使用され得る硬化可能な有機ポリシロキサンのタイプの代表は、硬化していく際、シリコーンラバーを生成すると当業界において知られている有機ポリシロキサンである。このような有機ポリシロキサンの非限定例たる代表が、Kirk−Othmer著<<Encyclopedia of Chemical Technology>>、第4版、第22巻、第82〜142頁、John Wiley&Sons、NYにおいて開示され、本明細書において援用される。典型的には、有機ポリシロキサンは、数多くの架橋メカニズムを介して硬化され得、該有機ポリシロキサン上の種々の硬化基、硬化剤、および任意に架橋剤を用いる。数多くの架橋メカニズムがある一方、硬化可能な有機ポリシロキサンからシリコーンラバーを調製するのに当業界においてより汎用される架橋メカニズムのうちの3つとは、フリーラジカルにより開始される架橋、ヒドロシリル化もしくは付加硬化、および縮合硬化である。これゆえ、この硬化可能な有機ポリシロキサンは、これら上述した架橋メカニズムのうちのいずれか1つを受けられる如何なる有機ポリシロキサンからも選択され得るが、これらに限定されない。成分(D)、(E)、および(F)の選択は、硬化もしくは架橋メカニズムの選択と整合される。例えば、もしヒドロシリル化もしくは付加硬化が選択されれば、その時は、少なくとも2つのビニル基(硬化可能な基)を有する有機ポリシロキサンを含んでいるシリコーンベースが成分(D’)として使用され、有機ヒドリドシリコン化合物が成分(E)として使用され、白金触媒が成分(F)として使用される。縮合硬化に関しては、少なくとも2つのシリコン結合ヒドロキシ基(水酸基、つまり、シラノールが、前記した硬化可能な基と考えられる)を持っている有機ポリシロキサンを含んでいるシリコーンベースが成分(D)として選択され、錫触媒のような当業界において既知の縮合硬化触媒が成分(F)として選択される。フリーラジカルにより開始される架橋に関しては、如何なる有機ポリシロキサンも成分(D)として選択され得、この組み合わせが静的加硫ステップ(II)の時間および温度の拘束内で硬化するのであれば、フリーラジカルイニシエーター(開始剤)が成分(F)として選択される。このようなフリーラジカルにより開始される架橋における成分(F)の選択に依存して、メチルのような如何なるアルキル基も、前記した硬化可能な基として考えることができ、これは、これらがこのようなフリーラジカルにより開始される条件下に架橋するものであるからである。
【0029】
成分(D)、(E)、および(F)の組み合わせとして本明細書において定義される場合の該シリコーン相使用量は、エラストマー(A)使用量に依って変動し得る。
【0030】
シリコーンベース(D)に対するエラストマー(A)の重量比で表すのが便利であり、これは典型的に、95:5〜30:70、あるいは、90:10〜40:60、あるいは、80:20〜40:60の範囲である。
【0031】
本発明の付加硬化の実施形態において、成分(D)、(E)、および(F)の選択は、該加硫プロセス間に、ヒドロシリル化硬化手法を経由して、シリコンラバーを生成するようなされ得る。この実施形態は、本明細書において、ヒドロシリル化硬化実施形態と言う。これゆえ、該ヒドロシリル化硬化の実施形態において、(D’)は、ジ有機ポリシロキサンゴムから選択され、これは、2〜20炭素原子を持っている少なくとも2アルケニル基を含有し、任意に(D’’)は、強化充填剤である。該アルケニル基は特に、ビニル、アリル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、およびデセニルにより例示され、好ましくは、ビニルもしくはヘキセニルである。該アルケニル官能基の位置は決定的ではなく、その分子鎖終末において、その分子鎖上の非終末位置において、もしくは両方の位置において結合されてよい。典型的には、該アルケニル基はビニルもしくはヘキセニルであり、この基はレベル0.0001〜3モル%、あるいは、0.0005〜1モル%で、該ジ有機ポリシロキサン中に存在している。該ジ有機ポリシロキサンの残りの(つまり、非アルケニル)シリコン結合有機基は独立に、炭化水素もしくはハロゲン化炭化水素基から選択され、これらは脂肪族不飽和(部分)を含有しない。これらは特に、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、およびヘキシルのような、1〜20炭素原子を持っているアルキル基;シクロヘキシルおよびシクロヘプチルのようなシクロアルキル基;フェニル、トリル、およびキシリルのような、6〜12炭素原子を持っているアリール基;ベンジルおよびフェニルエチル(フェネチル)のような、7〜20炭素原子を持っているアラルキル基;ならびに、3,3,3−トリフルオロプロピルおよびクロロメチルのような、1〜20炭素原子を持っているハロゲン化アルキル基により例示されてもよい。勿論、これらの基が、該ジ有機ポリシロキサンが、室温を下回るガラス温度を持ち、その硬化したポリマーがこれゆえエラストマーであるように選択されることが、理解されよう。典型的には、該ジ有機ポリシロキサン中のこれら非アルケニルシリコン結合有機基が、該ジ有機ポリシロキサン中の有機基の、少なくとも85、あるいは少なくとも90モル%を形作る。
これゆえ、ポリジ有機シロキサン(D’)は、ホモポリマー、コポリマー、もしくはターポリマーであり得、このような有機基を含有している。例は、ジメチルシロキシ単位を含んでいるホモポリマー、3,3,3−トリフルオロプロピルメチルシロキシ単位を含んでいるホモポリマー、ジメチルシロキシ単位とフェニルメチルシロキシ単位とを含んでいるコポリマー、ジメチルシロキシ単位と3,3,3−トリフルオロプロピルメチルシロキシ単位とを含んでいるコポリマー、ジメチルシロキシ単位とジフェニルシロキシ単位とのコポリマー、ならびに、ジメチルシロキシ単位、ジフェニルシロキシ単位、およびフェニルメチルシロキシ単位のターポリマー、その他を包含する。その分子構造もまた決定的ではなく、直鎖構造、および、一部分岐した直鎖構造により例示され、これら直鎖系が最も典型的である。
【0032】
ジ有機ポリシロキサン(D’)の特定の例示は:
トリメチルシロキシ末端封鎖ジメチルシロキサン−メチルビニルシロキサンコポリマー;トリメチルシロキシ末端封鎖メチルフェニルシロキサン−ジメチルシロキサン−メチルビニルシロキサンコポリマー;トリメチルシロキシ末端封鎖3,3,3−トリフルオロプロピルメチルシロキサンコポリマー;トリメチルシロキシ末端封鎖3,3,3−トリフルオロプロピルメチル−メチルビニルシロキサンコポリマー;ジメチルビニルシロキシ末端封鎖ジメチルポリシロキサン;ジメチルビニルシロキシ末端封鎖ジメチルシロキサン−メチルビニルシロキサンコポリマー;ジメチルビニルシロキシ末端封鎖メチルフェニルポリシロキサン;ジメチルビニルシロキシ末端封鎖メチルフェニルシロキサン−ジメチルシロキサン−メチルビニルシロキサンコポリマー;ならびに同様なコポリマー
を包含し、ここでは、少なくとも1つの末端基がジメチルヒドロキシシロキシである。低温での適用のための典型的な系は、メチルフェニルシロキサン−ジメチルシロキサン−メチルビニルシロキサンコポリマーおよびジフェニルシロキサン−ジメチルシロキサン−メチルビニルシロキサンコポリマーを包含し、特にここで、該ジメチルシロキサン単位のモル含量が、約85〜95%である。
【0033】
該有機ポリシロキサンも、2種以上の有機ポリシロキサンの組み合わせからなってもよい。あるいは、ジ有機ポリシロキサン(D’)は直鎖ポリジメチルシロキサンホモポリマーであり、好ましくは、その分子の各末端において、ビニル基により封鎖され、あるいは、少なくとも1つのビニル基も、その主鎖に沿って含有するのは、このようなホモポリマーである。
【0034】
本発明の目的には、好ましいジ有機ポリシロキサンはジ有機ポリシロキサンゴムであり、the American Society for Testing and Materials(ASTM)試験法926により求められる場合、少なくとも約30のウィリアムズ(Williams)可塑性数を付与するに充分な分子量を有する。成分(D’)の可塑性に絶対の上限はないが、従来の混合設備における加工性の現実的な考慮により、この値は一般的に拘束される。典型的には、該可塑性数は40〜200、あるいは、50〜150であるべきである。
【0035】
高度に整った不飽和基含有ジ有機ポリシロキサンを調製する方法がよく知られており、本明細書において、詳細な議論を必要としない。
【0036】
任意成分(D’’)は、如何なる充填剤であってもよく、ジ有機ポリシロキサン(D’)を強化すると知られているものであり、好ましくは、発煙シリカおよび沈降シリカ、シリカエアロゾル、および、特定表面積少なくとも約50m/グラムを持っている二酸化チタンのような、細かく砕かれ熱に安定な鉱物から選択される。発煙シリカはその大きな表面積に基づいた典型的な強化充填剤であり、450m/グラムまで可能である。あるいは、表面積50〜400m/gまたは90〜380m/gを持っている発煙シリカが、使用され得る。該充填剤は、ジ有機ポリシロキサン(D’)各100重量部に関して、約5〜約150重量部、あるいは10〜100重量部、あるいは15〜70重量部のレベルで加えられる。
【0037】
該充填剤は典型的に、その表面を疎水性とするよう処理され、シリコーンラバーの当業界において典型的に実施されているとおりである。これは前記シリカを、液体有機シリコン化合物と反応させることにより達成され得、これは、シラノール基、もしくは、シラノール基へと加水分解可能な前駆体を含有する。充填剤処理剤として使用され得る化合物は、シリコーンラバーの当業界においては抗しぼ寄せ(anti-creping)剤もしくは可塑剤とも言われるが、低分子量液体ヒドロキシもしくはアルコキシ末端化ポリジ有機シロキサン、ヘキサ有機ジシロキサン、シクロジメチルシラザン、およびヘキサ有機ジシラザンのような成分を包含する。
【0038】
成分(D)はまた、シリコーンラバー処方において汎用される他の材料も含有してよく、これらは、抗酸化剤、架橋補助剤、加工剤、色素、および、当業界において知られる他の添加剤も包含しているが、これらに限定されず、下記ステップ(II)に干渉しないものである。
【0039】
本発明のヒドロシリル化硬化の実施形態において、化合物(E)が加えられ、これは有機ヒドリドシリコン化合物(E’)であり、ジ有機ポリシロキサン(D’)と架橋する。該有機ヒドリドシリコン化合物は有機ポリシロキサンであり、各分子中に少なくとも2つのシリコン結合水素原子を含有し、(D’)のアルケニル官能基と、本方法の静的加硫ステップ(II)の間に反応される。更なる(分子量の)制限は、成分(E’)が、少なくとも約0.1重量%の水素、あるいは0.2〜2、あるいは0.5〜1.7%のシリコン結合水素を持たねばならないことである。当業者は勿論、ジ有機ポリシロキサン(D’)もしくは成分(E’)または両者が、該ジ有機ポリシロキサンを硬化させるのに2より多い官能基を持たねばならないことを認めることになる(つまり、これら官能基の合計が、平均で4より多くなくてはならない)。成分(E’)中のシリコン結合水素の位置は決定的ではなく、その分子鎖末端において、その分子鎖に沿った非末端位において、または両方の位置において結合していてもよい。成分(E’)のシリコン結合有機基は独立に、ジ有機ポリシロキサン(D’)に関連して上記した飽和炭化水素基もしくはハロゲン化炭化水素基のいずれかから選択され、その好ましい実施形態も包含している。成分(E’)の分子構造もまた決定的ではなく、直鎖、一部分岐した直鎖、分岐、環状、および網状構造により例示され、網状構造、直鎖ポリマーもしくはコポリマーが典型的である。勿論、この成分が、D’と相容れなくてはならないことが認められるものである(つまり、該ジ有機ポリシロキサンを硬化させることにおいて有効である)。
【0040】
成分(E’)は、以降:
PhSi(OSiMeH)のような低分子量シロキサン;
トリメチルシロキシ末端封鎖メチルヒドリドポリシロキサン;
トリメチルシロキシ末端封鎖ジメチルシロキサン−メチルヒドリドシロキサンコポリマー;
ジメチルヒドリドシロキシ末端封鎖ジメチルポリシロキサン;
ジメチル水素シロキシ末端封鎖メチル水素ポリシロキサン;
ジメチルヒドリドシロキシ末端封鎖ジメチルシロキサン−メチルヒドリドシロキサンコポリマー;
環状メチル水素ポリシロキサン;
環状ジメチルシロキサン−メチルヒドリドシロキサンコポリマー;
テトラキス(ジメチル水素シロキシ)シラン;
SiO4/2単位を含有しているトリメチルシロキシ末端封鎖メチルヒドリドシロキサンポリマー;
(CHHSiO1/2単位およびSiO4/2単位から構成されるシリコーン樹脂;
(CHHSiO1/2単位、(CHSiO1/2単位、およびSiO4/2単位から構成されるシリコーン樹脂;
(CHHSiO1/2単位およびCFCHCHSiO3/2単位から構成されるシリコーン樹脂;ならびに
(CHHSiO1/2単位、(CHSiO1/2単位、CHSiO3/2単位、PhSiO3/2単位、およびSiO4/2単位から構成されるシリコーン樹脂
により例示され、Phは以降、フェニル基を表す。
【0041】
典型的な有機ヒドリドシリコン化合物はポリマーもしくはコポリマーであり、RHSiO単位を含み、RSiO1/2単位もしくはHRSiO1/2単位により封鎖され、式中、Rは独立に、1〜20炭素原子を持っているアルキル基、フェニル、もしくはトリフルオロプロピルから選択され、典型的にはメチルである。また、典型的には、成分(E’)の粘度は25℃において約0.5〜3,000mPa.s、あるいは、1〜2,000mPa.sである。成分(E’)は典型的に、0.5〜1.7重量%のシリコン結合水素を持つ。あるいは、成分(E’)は、本質的にメチルヒドリドシロキサン単位からなるポリマー、もしくは、本質的にジメチルシロキサン単位とメチルヒドリドシロキサン単位とからなるコポリマーから選択され、0.5〜1.7重量%のシリコン結合水素を持っており、25℃において1〜2,000mPa.sの粘度を持っている。このような典型的な系は、トリメチルシロキシ基もしくはジメチルヒドリドシロキシ基から選択される末端基を持つ。あるいは、成分(E’)は、コポリマーもしくは網状構造から選択され、樹脂単位を含んでいる。該コポリマーもしくは網状構造単位は、RSiO3/2単位もしくはSiO4/2単位を含み、RSiO1/2単位、RSiO2/2単位、および/またはRSiO3/2単位も含有してもよく、式中、Rは独立に、水素、1〜20炭素原子を持っているアルキル基、フェニル、またはトリフルオロプロピルから選択され、典型的にはメチルである。成分(E’)が典型的に0.5〜1.7重量%のシリコン結合水素を持つように、充分な水素としてのRが選択されることが理解される。また、典型的には、成分(E’)の粘度は25℃において約0.5〜3,000mPa.s、あるいは、1〜2,000mPa.sである。成分(E’)は、上記した系の2種以上の組み合わせであってもよい。
【0042】
有機ヒドリドシリコン化合物(E’)は、ジ有機ポリシロキサン(D’)を、成分(F)存在下に硬化させるに充分なレベルで使用され、下記のとおりである。典型的には、その含量は、その中のSiHの、(D’)中のSi−アルケニルに対するモル比が1より大きくなるよう調整される。典型的には、このSiH/アルケニル比が約50を下回り、あるいは1〜20、あるいは1〜12である。これらSiH官能基を有する材料は当業界においてよく知られ、多くが市販されている。
【0043】
本発明のヒドロシリル化硬化の実施形態において、成分(F)はヒドロシリル化触媒(F’)であり、前記ジ有機ポリシロキサン硬化を加速させる。これは、白金黒、シリカ上に担持された白金(Pt−Si、Pt/Si)、カーボン上に担持された白金(Pt−C、Pt/C)、塩化白金酸、塩化白金酸アルコール溶液、白金/オレフィン錯体、白金/アルケニルシロキサン錯体、白金/β−ジケトン錯体、白金/ホスフィン錯体、その他のような白金触媒;塩化ロジウムおよび塩化ロジウム/ジ(n−ブチル)スルフィド錯体その他のようなロジウム触媒;ならびに、カーボン上のパラジウム(Pd−C、Pd/C)、塩化パラジウム、およびその他のようなパラジウム触媒により例示される。成分(F’)は典型的には、塩化白金酸;二塩化白金;四塩化白金;塩化白金酸とジビニルテトラメチルジシロキサンとを反応させ、ジメチルビニルシロキシ末端封鎖ポリジメチルシロキサンにより稀釈されることにより、Willingに対する米国特許第3,419,593号明細書に従って調製され、生成される白金錯体触媒;塩化第一白金とジビニルテトラメチルジシロキサンとの、Brownらに対する米国特許第5,175,325号明細書に従って調製される中和錯体のような白金主体の触媒であり、これらの特許が、本明細書において援用される。あるいは、触媒(F)は、塩化第一白金とジビニルテトラメチルジシロキサンとの、中和錯体である。
【0044】
成分(F’)は、有機ポリシロキサン(D’)と成分(E’)との間の反応を促進するに充分な触媒量で本組成物に加えられ、こうして、該有機ポリシロキサンを、静的加硫ステップ(II)の時間および温度の制限内で、硬化させる。典型的には、前記ヒドロシリル化触媒が加えられ、これにより、該エラストマー組成物全重量に基づき、約0.1〜500ppm、あるいは、0.25〜50ppmの金属原子を与える。
【0045】
もう1つ別の実施形態において、成分(D)、(E)、および(F)が、本有機ポリシロキサンの縮合硬化を与えるよう選択される。縮合硬化に関して、少なくとも2つのシリコン結合水酸基(つまり、シラノールが、これら硬化可能な基と考えられる)を持っている有機ポリシロキサンが成分(D)として選択され、有機ヒドリドシリコン化合物が任意の架橋剤(E)として選択され、当業界において知られる縮合硬化触媒は、錫触媒のようなものであり、成分(F)として選択される。縮合硬化可能な有機ポリシロキサンとして有用な有機ポリシロキサンは、少なくとも2つのシリコン結合水酸基、もしくは、シラノール基(SiOH)を、その分子中に含有する如何なる有機ポリシロキサンでもある。典型的には、少なくとも2つのSiOH基が更に存在すれば、前記付加硬化の実施形態中の成分(D)として、下記有機ポリシロキサンのいずれかが、本縮合硬化の実施形態中の有機ポリシロキサンとして使用され得るが、そのアルケニル基は、本縮合硬化の実施形態においては必要なくなる。任意の架橋剤(E)は、成分(E)に関して下記と同一である。この実施形態において該硬化剤として有用な縮合触媒は、ジ有機ポリシロキサン(D)のSiOH基と、有機ヒドリドシリコン化合物(E)のSiH基との間の縮合反応を促進するいずれかの化合物であり、こうして前者が、−Si−O−Si−結合の形成により、硬化される。適切な触媒の例は、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、トリプロピル錫アセテート、第一錫オクトエート、第一錫オキサレート、第一錫ナフタネートのような金属カルボキシレート;トリエチルアミン、エチレントリアミンのようなアミン;ならびに、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、β−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウム−2−エチルヘキソエート、およびβ−ヒドロキシエチルベンジルトリメチルジメチルアンモニウムブトキシドのような4級アンモニウム化合物を包含する(例えば、米国特許第3,024,210号明細書参照)。
【0046】
尚もう1つ別の実施形態において、成分(D)、(E)、および(F)が、本有機ポリシロキサンのフリーラジカル硬化を与えるよう選択され得る。この実施形態において、該有機ポリシロキサンは、いずれの有機ポリシロキサンでもあり得るが、典型的には、該有機ポリシロキサンは、少なくとも2アルケニル基を持つ。これゆえ、前記付加硬化の実施形態における(D’)に関する適切な選択として上記の有機ポリシロキサンのいずれもが、本発明のフリーラジカルの実施形態においても使用され得る。架橋剤(E)は必要とされないが、本フリーラジカル硬化の実施形態において補助となることがある。硬化剤(F)は、成分(C)の選択に関して下記のフリーラジカルイニシエーターのいずれかから選択され得る。
【0047】
上述した主要成分(A)〜(F)に加えて、少量(つまり、本組成物全体の50重量%未満)の1種以上の任意の添加剤(G)が、本発明のエラストマー組成物に取り込まれ得る。これら任意の添加剤は、以降の非限定例:
石英、炭酸カルシウム、および珪藻土のような増量充填剤;
酸化鉄および酸化チタンのような色素;
カーボンブラック(黒鉛)および細分化された金属のような充填剤;
水和した酸化セリウム、水酸化カルシウム、酸化マグネシウムのような熱安定化剤;ならびに
ハロゲン化炭化水素、アルミナ3水和物、水酸化マグネシウム、珪灰石(wollastonite)、有機リン化合物、および他の難燃(FR)材料のような難燃剤
により、例示され得る。これら添加剤は典型的に、静的硬化後、最終組成物に加えられるが、これらはその調製中のいずれの時点においても添加されてよく、但し、これらは該静的加硫メカニズムに干渉しない。これらの添加剤は、下記硬化エラストマー組成物を調製するのに添加される更なる成分と同一でも、または、異なっていてもよい。
【0048】
ステップ(I)に関する混合は、一様に成分(B)〜(G)を、(A)エラストマーと混合できる如何なる装置中においても実施され得る。典型的には、押し出しプロセスによる混合は、双スクリュー押し出し機上で実施される。成分(A)〜(F)を混合する順序は、決定的ではない。典型的には、(G)が(F)の後で加えられるが、(G)が本有機ポリシロキサン硬化に干渉しない限り、決定的ではない。例えば、(G)がエラストマー(A)および/またはシリコーンベース(D)と、予め混合され得る。
【0049】
本発明の方法の1実施形態において、成分(D)〜(F)が一様にまず混合され、シリコーン化合物を形成する。成分(A)〜(C)が、ステップ(I)において、シリコーン化合物と混合される。
【0050】
本発明の方法の1実施形態において、ステップ(I)に関する混合は、双スクリュー押し出し機から供給される。より好ましい実施形態において、双スクリュー押し出し機中での混合に関する時間期間は3分未満、あるいは、2分未満である。
【0051】
本発明の方法の第2ステップ(II)は、本有機ポリシロキサンを、静的加硫していく。該静的加硫ステップは、本有機ポリシロキサンを硬化させる。ステップ(II)は、混合ステップ(I)後に実施される。静的加硫とは、本有機ポリシロキサンを、ステップ(I)の生成物の更なる混合なしに、加硫していくことを言う。例えば、ステップ(I)からの混合生成物は単に、ステップ(I)の生成物を加熱していくような、本有機ポリシロキサンを硬化させるプロセスに付され得る。典型的には、ステップ(I)の生成物は、本有機ポリシロキサンを硬化させるに充分な温度において熱せられる。この温度は、硬化剤が存在しているかどうか、および、その化学的性質に依ることになる。好ましい実施形態において、該硬化剤は存在し、有機過酸化物であり、上で論じられたとおりである。この実施形態において、該有機過酸化物の半減寿命は非常に短く、ステップ(II)の時間および温度の拘束(条件)に充分である。該硬化剤の選択に依り、加硫が大気条件において起きえる。
【0052】
本発明は、本明細書において教示される方法により調製されるエラストマー組成物に関し、更に、これから調製される硬化エラストマー組成物に関する。本発明者らは、本発明の手法が、独特で有用なエラストマー組成物を提供すると考えており、本エラストマー組成物固有の物性により実証されるとおりであり、他の方法もしくは手法により調製されるエラストマーおよびシリコーンベースの同様な組み合わせの組成物に対抗するものである。更に、本硬化エラストマー組成物は、下記のように、本発明のエラストマー組成物から調製され、独特で有用な特性も保有する。例えば、本発明のエラストマー組成物から調製された硬化エラストマーは、驚くほど良好な低温および高温特性ならびに向上した加工性を持つ。
【0053】
本発明の硬化エラストマー組成物は、既知の硬化手法を介して、本発明のエラストマー組成物のエラストマー成分(A)を硬化させていくことにより、調製され得る。エラストマーの硬化、および、硬化前に加えられる更なる成分は、当業界においてよく知られており、エラストマー(A)の選択に依ることになる。これらの既知の手法および添加剤のいずれも、本発明のエラストマー組成物を硬化させ、これから硬化エラストマーを調製するのに使用され得る。
【0054】
更なる成分が、該エラストマー成分を硬化させていく前に、該エラストマー組成物に加えられ得る。これらは、他のエラストマーもしくは他のエラストマー組成物を、本発明のエラストマー組成物中にブレンドしていくことも包含する。これらの更なる成分も、典型的にエラストマーもしくはエラストマーゴムに、硬化エラストマー組成物を調製していく目的で加えられる如何なる成分でもあり得る。典型的には、これらの成分は、充填剤、加工助剤、および治療薬から選択され得る。多くの市販エラストマーが既に、これらの更なる成分を含んでいる可能性がある。これらの更なる成分を持っているエラストマーが、上記成分(A)として使用され得、但し、本発明の方法のステップ(II)における該シリコーンベースの静的加硫を妨げない。あるいは、このような更なる成分は、該エラストマー成分の最終硬化前に、該エラストマー組成物に加えられ得る。
【0055】
本硬化エラストマー組成物は、充填剤をも含んでよい。充填剤の例は、カーボンブラック(黒鉛)、石炭微塵、シリカ、金属酸化物、例えば、酸化鉄および酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸カルシウム、珪灰石、珪酸カルシウム、硫酸バリウム、および、当業界において既知の他のものも包含する。
【0056】
本硬化エラストマー組成物は、種々の製造品を構築するような種々の適用において有用であり、O−リング、ガスケット、シール、ライナー、ホース、配管、隔膜、ブーツ、バルブ(弁)、ベルト、ブランケット、コーティング、ローラー、モデル品、押し出しシート、コーキング、および押し出し品により例示されるがこれらに限られず、自動車、船舶、および航空を包含して輸送、化学および石油プラント、電気、ワイヤおよびケーブル、食品加工設備、原子力発電所、航空宇宙、医療、オイルおよびガス掘削産業、ならびに他を包含するがこれらに限られない適用領域における使用向けであり、典型的に、ECO、FKM、HNBR、アクリルラバー、およびシリコーンエラストマーのような高性能エラストマーを使用する。
【実施例】
【0057】
以降の実施例が、本発明の組成物および方法を更に例示するのに掲げられるが、本発明を限定するようには解釈されず、添付の請求項において述べられるものである。本実施例中の全ての<<部>>および<<%>>は重量基準であり、全測定値が、他に指し示されなければ、およそ23℃において得られた。
材料
GP−50はシリコーンラバーベースであり、Dow Corning Corporation(Midland、MI)により、Silastic(登録商標)GP−50として上市されている。
LS−2840はシリコーンラバーベースであり、Dow Corning Corporation(Midland、MI)により、Silastic(登録商標)LS−2840フッ化シリコーンラバーとして上市されている。
LS5−2040はシリコーンラバーベースであり、Dow Corning Corporation(Midland、MI)により、Silastic(登録商標)LS5−2040フッ化シリコーンラバーとして上市されている。
LS4−9040はシリコーンラバーベースであり、Dow Corning Corporation(Midland、MI)により、Silastic(登録商標)LS4−9040フッ化シリコーンラバーとして上市されている。
HT−1は、ジメチルシリコーンラバー担体中の水酸化セリウムマスターバッチであり、Dow Corning Corporation(Midland、MI)により、Silastic(登録商標)HT−1修飾剤として上市されている。
TAICはトリアリル−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン(CAS#1025−15−6)であり、イソシアヌル酸トリアリルとしても知られ、Aldrich Chemical Company,Inc.により、上市されている。
LuperoxFはジ(2−tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼンであり、Atofina Chemicals,Inc.により、LUPEROX(登録商標)Fとして上市されている。
VAROXは不活性充填剤上の2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサンであり、R.T.Vanderbilt,Company,Inc.により、VAROX(登録商標)DBPH−50として上市されている。
N990はカーボンブラック(CAS#1333−86−4)であり、Degussa
Engineered Carbonsにより、Thermal Black N99
0として上市されている。
Austin Blackはカーボンブラックであり、Coal Fillers I
ncorporatedにより、Austin Black(登録商標)として上市され
ている。
ZnOは酸化亜鉛USP粉末(CAS#1314−13−2、C.P.Hall an
d the Zinc Corporation of America)である。
シリコーン化合物Aはシリコーン化合物であり、Silastic(登録商標)LCS−755シリコーンラバー(100部、Dow Corning Corporation、Midland、MIにより上市)、9330 Zinc Oxide Transparent(5部、Akrochem Corporationにより上市)、およびVAROX(0.4部)主体である。
EPDMは低ジエン含有エチレン−プロピレンターポリマー(EPDM)であり、Dupont−Dow Elastomers,LLCにより、Nordel(登録商標)IP NDR 3640.00として上市されている。
G902は1−プロペン−1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロポリマーであり、1,1−ジフルオロエテンおよびテトラフルオロエテンを有する、沃素修飾フッ化エラストマー(CAS#25190−89−0)であり、Daikin America,Inc.により、DAI−ELTMフッ化エラストマーG−902として上市されている。
【0058】
テスト
本硬化エラストマー組成物の、引っ張り、伸び、および100%弾性率が、ASTM D 412に基づく手順により、測定された。Shore A Durometerが、ASTM D 2240に基づく手順により、測定された。浸透が、Payneカップを使用して、ASTM E96の変法により評価された。CE10テスト燃料は、対照燃料C中のエタノールの10体積%である。CE10は、該浸透カップ中に入れられ、ラバー隔膜が、該カップの上に載せられ、次いで、セットスクリューと共に下げられた密封リグと固定された。該カップが、該隔膜上で直接接する燃料の方に、ひっくり返された。重量損失測定値が、その浸透速度が一定になるまで採られた。浸透速度が、ASTM E96につき算出され、該隔膜表面積を使用しつつ、mmグラム/m日単位で表される。
【0059】
実施例1
GP−50(60g)およびLuperoxF(0.2g)が、2ロールミル上で混合され、シリコーン化合物を形成させた。このシリコーン化合物(60.2g)およびEPDM(140g)が、150℃で100回転/分(rpm)のBanburyローラーを備えた379mLのHaakeミキサーに加えられた。約2.5分後、トルク上昇前、この材料が除去され、10分間、177℃のプレス中に入れられた。本エラストマー組成物は、部分に分けられた。1Aは更にこのまま化合された。1Bは16時間/90℃経時加熱され、次いで化合された。結果得られてくるEPDMエラストマー組成物(50g)が、2ロールミル上で、VAROX(3g)およびN990(8g)ならびにAustin Black(4g)およびZnO(2g)と化合され、これら成分が一様になるまで混合された。
【0060】
実施例2
化合することなく、GP−50(60g)およびEPDM(140g)が、150℃で100回転/分(rpm)のBanburyローターを備えた379mLのHaakeミキサーに加えられた。約2.5分後、このエラストマーブレンドが除去された。該エラストマーブレンドが、部分に分けられた。2Aは更にこのまま化合された。2Bは16時間/90℃経時加熱され、次いで化合された。結果得られてくるエラストマーブレンド(50g)が、2ロールミル上で、LuperoxF(0.05g)、VAROX(3g)およびN990(8g)、Austin Black(4g)およびZnO(2g)と化合され、実施例1と同一の最終成分を与え、これら成分が一様になるまで混合された。
【0061】
実施例1〜2が、177℃において20分間、プレス硬化された。結果得られてくる硬化エラストマー組成物および該ブレンドの物性が、表1において纏められる。
【0062】
【表1】

【0063】
実施例3
サンプル3Aに関して、シリコーン化合物A(142g)およびG902(344g)が、90℃で125回転/分(rpm)のBanburyローラーを備えた310mLのHaakeミキサーに加えられた。このブレンドは、トルク上昇前、130℃に到達した時に除去され、次いで10分間、200℃のプレス中に入れられ、121℃でのML(1+10)が43のFKMエラストマー組成物を形成した。サンプル3Bは、サンプル3Aと同じであるが、サンプル3Bに関しては、そのブレンドが160℃に届いて反応し、次いでトルク上昇5分後に除去されるようにされたことを除き、121℃でのML(1+10)が67のFKMエラストマー組成物を与えた。結果的に得られてくるFKMエラストマー組成物(100部)が、該Haake中において、次いで、ミル上で、一様になるまで、ZnO(3.44部)、VAROX(2.06部)、およびTAIC(2.75部)と化合された。これらサンプルは、10分間、160℃において圧硬化され、次いで4時間、200℃において後硬化された。サンプル3Aは、Shore A Durometer 60、引っ張り強度7.39MPa、伸び320%、および708mmグラム/日mの浸透を持っていた。サンプル3Bは、Shore A Durometer 61、引っ張り強度9.45MPa、伸び295%、および2508mmグラム/m日の浸透を持っていた。
【0064】
実施例4
LS−2840(100部)、ZnO(5部)、HT−1(1部)、およびVarox(0.8部)が、2ロールミル上で混合され、シリコーン化合物を形成した。このシリコーン化合物(257g)およびG902(229g)が、150℃で125回転/分(rpm)のBanburyローラーを備えた310mLのHaakeミキサーに加えられた。サンプル4Aに関して、このブレンドは、トルク上昇前、150℃に到達した時に除去され、次いで10分間、177℃のプレス中に入れられ、FKMエラストマー組成物を形成した。サンプル4Bに関しては、そのブレンドが、該Haake中において反応するようにされ、トルク上昇5分後に除去された。
【0065】
結果得られてくるFKMエラストマー組成物(100部)が、該Haake中において、次いで、ミル上で、一様になるまで、ZnO(2.35部)、Varox(1.41部)、およびTAIC(1.88部)と化合された。これらサンプルは10分間、160℃において圧硬化され、次いで4時間、200℃において後硬化された。これらの物性が、表2中においてリストアップされる。
【0066】
実施例5
サンプル5Aおよび5Bが、サンプル4Aおよび4Bと同様に調製されたが、LS−2840が、LS5−2040で置き換えられたことを除く。これらの物性が、表2中においてリストアップされる。
【0067】
実施例6
サンプル6Aおよび6Bが、サンプル4Aおよび4Bと同様に調製されたが、LS−2840が、LS4−9040で置き換えられ、252gの本シリコーン化合物が使用されたことを除く。これらの物性が、表2中においてリストアップされる。
【0068】
【表2】

【0069】
実施例7
FKMエラストマー組成物が、その加工部位が50℃に熱せられ、スクリュースピード300rpmの25mmWerner&Pfleiderer双スクリュー押し出し機を、出力速度20kg/時間で使用して、調製された。この加工は、シリコーン化合物Aの、供給速度70g/分での添加で始まり、次いで、フッ化炭素エラストマー(G902)を該押し出し機に、供給速度264g/分で添加した。このブレンドが、350℃に設定された12フィートの水平オーブン中に、細切れとして押し出された。結果得られてきたFKMエラストマー組成物(100部)が、Haake中において、次いで、ミル上で、一様になるまで、ZnO(3.69部)、Varox(2.21部)、およびTAIC(2.95部)と化合された。これらサンプルは、10分間、160℃において圧硬化され、次いで4時間、200℃において後硬化され、Shore A Durometer63、引っ張り強度9.3MPa、伸び395%、および634mmグラム/m日の浸透を与えた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エラストマー組成物を調製する方法であって:
(I)(A)エラストマー
(B)任意の相容化剤
(C)任意の触媒
(D)硬化可能な有機ポリシロキサンを含んでいるシリコーンベース
(E)任意の架橋剤
(F)該有機ポリシロキサンを硬化させるに充分量の硬化剤
を混合し、次いで
(II)該有機ポリシロキサンを、静的加硫させること
を含み、ここで、該エラストマーベース組成物中でのシリコーンベース(D)に対するエラストマー(A)の重量比が、95:5〜30:70の範囲である、方法。
【請求項2】
前記シリコーンベースが:
(D’)2〜20炭素原子を持っている少なくとも2アルケニル基を含有しているジ有機ポリシロキサン
(D’’)任意の強化充填剤
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記架橋剤が存在し、有機ヒドリドシリコン化合物である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記硬化剤が白金触媒である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記硬化剤がフリーラジカルイニシエーターである、請求項1または2に記載の方法。
【請求項6】
前記エラストマーが、ブタジエンとアクリロニトリルとの水素化コポリマー、エチレンとプロピレンとジエンとのターポリマー、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロペンとのコポリマー、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロペンとテトラフルオロエテンとのターポリマー、あるいは、フッ化ビニリデンとテトラフルオロエテンと過フッ化メチルビニルエーテルとのターポリマーを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
相容化剤(B)が存在し:
(B)2以上のオレフィン基を含有する有機化合物
(B)少なくとも2アルケニル基を含有している有機ポリシロキサン
(B)そのシリコン原子に結合した少なくとも1加水分解可能基もしくは少なくとも1水酸基をも含有するオレフィン官能基シラン
(B)アミン、アミド、イソシアヌレート、フェノール、アクリレート、エポキシ、およびチオール基から選択される少なくとも1有機官能基を持っている有機ポリシロキサン
(B)脱フッ化水素化剤
ならびに、(B)、(B)、(B)、(B)、および(B)のいずれかの組み合わせ
から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
触媒(C)が存在し、有機過酸化物から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
成分(D)〜(F)がまず混合され、シリコーン化合物を形成する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
ステップIが、押し出し機において実施される、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記静的加硫が、ステップIから結果得られてくる混合物を熱していくことにより起きる、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法により生成された、生成物。
【請求項13】
請求項12に記載の生成物から調製された、硬化エラストマー組成物。
【請求項14】
請求項13に記載の硬化エラストマー組成物を含む、製造物品。

【公表番号】特表2008−505207(P2008−505207A)
【公表日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−519230(P2007−519230)
【出願日】平成17年6月1日(2005.6.1)
【国際出願番号】PCT/US2005/019320
【国際公開番号】WO2006/007268
【国際公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【出願人】(596012272)ダウ・コーニング・コーポレイション (347)
【Fターム(参考)】