エレクトリカルテスト用配線基板
【目的】プリント基板、集積回路用基板、液晶表示基板などの高密度配線基板における導通抵抗検査をはじめとする接触導通を要する電気的検査に使用するエレクトリカルテスト用配線基板を提供する。
【構成】絶縁基板5と、絶縁基板中に埋め込まれている所定パターンの配線と、その配線上に設けられた、被テスト用デバイスの電極と接触する突起電極7とよりなっており、突起電極先端を導電性樹脂9で被覆する。
【効果】被検査デバイスパタ−ンの狭ピッチに対応するのが容易であり、被検査デバイスの表面電極を損傷させることなく、かつ平面間での接触確度ばらつきを抑えると共に、テスト用配線板自体の突起電極の寿命を向上させる。
【構成】絶縁基板5と、絶縁基板中に埋め込まれている所定パターンの配線と、その配線上に設けられた、被テスト用デバイスの電極と接触する突起電極7とよりなっており、突起電極先端を導電性樹脂9で被覆する。
【効果】被検査デバイスパタ−ンの狭ピッチに対応するのが容易であり、被検査デバイスの表面電極を損傷させることなく、かつ平面間での接触確度ばらつきを抑えると共に、テスト用配線板自体の突起電極の寿命を向上させる。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プリント基板、集積回路用基板、液晶表示基板などの高密度配線基板における導通抵抗検査をはじめとする接触導通を要する電気的検査に使用するエレクトリカルテスト用配線基板に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明は、プリント基板をはじめ、高密度実装基板の検査用基板の構造、作製法および検査法に関するものである。本発明の背景として、実装基板上への電子部品実装密度の増大や部品端子の狭ピッチ化がある。このため、実装部品端子の相互配置間隔が縮小している。相互結線が確保できるようにする微細配線化および多層化技術が進むに伴い、これら実装技術を駆使して、実装部品のマルチチップモヂュール化が図られている。例えば、シリコン基板上に半導体素子が集積回路化されたもの(以下ベアチップ)をこれまで、リードフレームに実装封止して、挿入部品もしくは面実装部品としてきた。これに対し、該ベアチップを複数個、ひとつの基板にワイヤボンド接続またはTAB接続あるいはCCB接続し封止後、リードフレームに実装して機能化する形態である。MCMは、COB,PGA,HICの分野と特徴づけは、明確ではないが、ひとつの指標として、実装基板面積に対するデバイスの面積比率が30%以上と定義されている。このような、基板はシリコンを基板とするMCM−D、セラミック系材料を基板とするMCM−C、有機材料を基板とするMCM−Lに分けられる。
【0003】これらの基板は、ベアチップ実装前に、所定パターンの形成を電気的なオープンショートテストで確認する必要があり、プリント板で培われてきた検査方法を適用する場合に検査条件は、従来よりさらに厳しくなりつつある。例えば、所定パターンは、線幅と線間(以下ラインアンドスペース)が100μm〜100μm以下の特徴がある。同時に、金メッキ処理された部品実装の電極も90〜120μmピッチとなりつつあり、その電極数は将来、1インチ角あたり1000個を越える予測される。従って、200μmピチ以下で検査用接触端子を被検査基板の電極に対向させる必要がある。また、被検査基板の電極は、実装前の損傷防止に格段の注意を必要とする。この背景から、従来技術として検査用接触端子を被検査基板に対向して配置する方法がある。
【0004】従来技術においては、被検査基板に対向する端子は導電性金属端子が用いられる。しかし、被検査基板の電極を損傷させる可能性がある。電極の損傷防止を改善する方法として、特開昭59−3269号公報に示されるように検査用接触端子と被検査基板との間に圧接時に導電性ゴムシートを挿入する技術がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この従来の方法は、電極配線層表面がソルダレジストなどのパッシベーション膜で沿面をとって被覆されている場合、確実圧接するには不利である。また、端子を保持する基板を利用するのでは、狭ピッチに対応するのに限界がある。本発明は、狭ピッチに対応するのが容易で、狭ピッチでの導電性金属からなる突起電極とその先端にのみ、導電性を損なわず、弾力性を有する樹脂が被覆された構造を与えるものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、絶縁基板と、絶縁基板中に埋め込まれている所定パターンの配線と、その配線上に設けられた、被テスト用デバイスの電極と接触する突起電極とよりなっており、導電性金属からなる突起電極先端が導電性を著しく低下させることなく樹脂で被覆されていることを特徴とする。
【0007】導電性金属からなる突起電極先端が導電性を著しく低下させることなく導電性高分子で被覆する方法を以下説明する。
1.導電性高分子または導電性高分子と他の樹脂の混合物を電極上に選択的に被覆する。
(1)導電性高分子(アンドープ)または導電性高分子(アンドープ)と他の樹脂の混合物を適当な溶媒に溶解し、電極上に浸したこの溶液の溶媒を揮発させることにより被覆する。その後で、ドーパントをドーピングする。導電性高分子としては、例えば、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアセチレン、ポリフェニレンビニレン等が使用される。他の樹脂としては、例えば、ゴム等のエラストマー、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等が使用される。ドーパントとしては、例えば、塩化第2鉄、ヨウ素、過塩素酸鉄等が使用される。
(2)電極を導電性高分子モノマーとドーパントの混合溶液に浸漬し、電解重合により導電性高分子を形成させる。
(3)樹脂を被覆した電極を導電性高分子モノマーとドーパントの混合溶液に浸漬し、電解重合により導電性高分子を重合させながら、樹脂皮膜層に浸透させて導電性高分子複合膜を形成させる。
(4)高分子アニオン(例えばスルホン酸、カルボン酸等の極性基を有す高分子)膜または、高分子アニオンと樹脂の混合物の膜を被覆した電極を導電性高分子モノマー溶液に浸漬し、電解重合により導電性高分子を重合させながら、皮膜層に浸透させて導電性高分子複合膜を形成させる。
(5)酸化剤を混合物した樹脂を電極上に被覆し、導電性高分子モノマー蒸気にさらすことにより重合を行いながら、重合体を被覆層に浸透させ導電性高分子複合膜を形成させる。
【0008】2.導電性高分子膜または導電性高分子複合膜をパターニングし、仮基板をエッチングする際のエッチングレジストとして使用し、電極上に選択的に被覆する方法。
(1)導電性高分子(アンドープ)または導電性高分子(アンドープ)と他の樹脂(エストラマー)などの混合物を適当な溶媒に溶解する。そして、仮基板上に膜形成後、パターンマスクを介して紫外線照射し、現像することによりエッチングレジストのパターンを形成した導電性高分子膜を得る。その後で、各種ドーパントをドーピングする。この導電性高分子膜をマスク(エッチングレジスト)にして仮基板のエッチングを行い、導電性高分子で被覆した電極パターン(突起電極)を形成させる。ここで、導電性高分子としては、例えばポリチオフェン等、または、それらに光重合可能なエチレン性二重結合を有す基を導入させたものが使用される。
(2)導電性高分子(アンドープ)を、パターン形成能力のある樹脂(例えば、各種レジスト、光架橋可能な樹脂等)に混合し、以下2.(1)の方法により導電性高分子で被覆した電極パターン(突起電極)を形成させるパターン形成能力のある樹脂としては、例えば、アルキル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸の供縮合物/テトラエチレングリコールジアクリレート/ベンゾフェノン(光開始剤)の組成物、フェノール樹脂/オルトナフトキノンアジロの組成物等が使用できる。
(3)導電性高分子(アンドープ)膜または導電性高分子(アンドープ)と他の樹脂の混合物の膜を形成し、各種ドーパントをドーピングする。この膜の上に感光性レジストを塗布成膜し、パターンマスクを介して光(紫外線または可視光線)照射し、現像することによりレジストパターンを形成する。次いで、このレジストパターンをマスクに下地の導電性高分子膜をエッチングし、パターンを転写する(リフトオフ法)。そして、この導電性高分子膜をマスク(エッチングレジスト)にして基板のエッチングを行い、感光性レジストを除去して導電性高分子で被覆した電極パターン(突起電極)を形成させる。
(4)導電性高分子(アンドープ)または導電性高分子(アンドープ)と他の樹脂の混合物と光によりドーパントを発生する化合物(例えば、トリフェニルヨードニウムテトラフルオロボレード)を適当な溶媒に溶解する。そして、膜形成後、パターンマスクを介して紫外線照射し、光照射部のみドーピングを行い不溶化させ、次いで現像することによりパターン形成した導電性高分子膜を得る。以下、2.(1)の方法により導電性高分子で被覆した電極パターンを形成させる。
【0009】突起電極形成後に導電性高分子を付与する場合について図1〜図10により、本発明の一実施例を説明する。1で示す厚さ35〜70μmの電解銅箔と〜2で示す厚さ0.1〜0.5μmのニッケル層からなる(例えば福田金属製の)2層箔を用いる。このニッケル面にレジスト3をラミネートする。レジストは例えば日立化成製HN350を用いる。この後、積算露光量125〜130mJ/cm2 の露光現像で所定のパターンを含むネガイメージを焼き付ける。パターンのネガイメージは3で示すレジスト層に焼き付けられる(図1)。1、2を電極として、パターンのポジイメージを電気銅めっきする。レジスト剥離後には、パターンのポジイメージが4で示される(図2)。
【0010】この後、直径5mmの穴をパンチング穴明けする。パンチング穴明け工程は、その中心位置を自動認識する場合には、十分なコントラストが必要になる。このような場合は、レジスト剥離を実施する前に該工程を先行させることが望ましい(図3)。
【0011】図3で形成した箔の電気銅めっきパタンを任意の樹脂に埋め込む(配線転写法)。この時、パタン間での異物や油脂分除去のため、パターンの整面処理をネオサンディップに浸漬洗浄する。ピール強度を確保するため、パタ−ン銅の酸化処理および酸化銅の還元処理を行う。その後、24時間以内に5で示す熱硬化性ガラスエポキシプリプレグを介して途中工程での反り防止のための35μm電解銅箔6と共に真空プレスする(図4R>4)。この後、直径3.15〜3.175のドリル穴明け(K点)を行う(図5)。
【0012】1のキャリアをエッチングして転写パタン上に位置精度良く、ピラー形成を行うため、4’に示す直径4mmのガイドマークをキャリア側から見えるようにする。このガイドマークは、該K点でも代用可能だが、ピラー群に近いところがより高精度となる。まず、図4で作製した金属のキャリア側についた酸化処理還元処理の層を除去するため、バフ研磨で製面する。この後、レジストラミネート、該マークに沿面を取った円パターンをネガイメージに焼き付ける。露光現像後、アルカリエッチングで銅エッチングする。この際、2で示すニッケルはエッチングされない。このため、埋め込まれた銅パタンのエッチングを防いでいる。この後、ニッケルをメルストリップ社製ニッケルエッチング用A液、B液、過酸化水素水で除去する。レジスト剥離後(図6)、窓明けされたパタンを該K点を基準として、NC穴明けする。この穴を次のマスク位置合わせに使用する。精度をさらに良くするにはガイドマークをそのまま残す方が望ましい(図7)。
【0013】レジストの密着を確実にするバフ研磨による製面をまず行う。レジストラミネート後、ピラーのネガイメージを焼き付けるため、該ガイドマークと該ネガイメージに含まれるガイドマークとの位置合わせマークを倍率40〜100倍のマイクロスコープで見ながら合わせる。ガイドマークはピラ群の周囲に少なくとも4ケ所設けることが望ましい。露光及び現像後、図6と同様に銅エッチング、ニッケルエッチング、レジスト剥離を行う。キャリアの銅厚さを制御すれば、サイドエッチの少ない任意断面の突起電極7をが得られる(図8)。この突起電極7を、無電解ニッケル、金めっきあるいは、転写パターンにリードパタンを設けることにより、電気ニッケル、金メッキする。めっき層8の厚さは、後者の場合、ニッケル層は2〜6μm、金メッキ層は0.1〜7μmが望ましい。外形加工ののち所定引き出し配線および電極、電極の上に形成された突起電極を有する基板が得られる(図9)。
【0014】突起電極を下にして、小型プレスに固定する。これと平行にプレスに取り付けた基板の真下にアプリケータやスピンコートで導電性樹脂を厚さ1〜30μmで被膜したフローティングガラスやアクリル板などを設置する。プレス降下により、突起電極に選択的に導電性樹脂9を付与することができる。これにより、図10の構造を有する本発明のテスト用基板が得られる。
【0015】
【作用】まず、平面図で本発明の電極群が被検査基板へ、どのような位置関係にあるか補足説明する。図11は、被検査基板の表面電極パターンおよび引き回し配線を裏面から透視した場合の概略平面図である。一方、図1111と同様の方向から、本発明の検査基板パターンを見た場合の概略平面図を図12に示す。図12の突起電極群は、11−2の表面電極パターン群と対向して配置され、相互の接触には12−4のガイド穴を位置合わせに利用可能である。11−1の引き回し配線は、相互接触により所定配線12−1と12−1’ではんだ接続などハンドリングで十分可能な大きさおよび低密度な電極群に引き出され、この電極群を使って自動測定システムやテスタなどにはんだ接続される。同様に、11−2の引き回し配線は12−2と12−2’の所定配線で引き出される。本発明は、この相互接触の際、11−2の表面電極を損傷させることなく、かつ平面間での接触確度ばらつきを抑えると共に、電極の寿命を向上させる。
【0016】
【発明の効果】本発明のテスト用配線基板は、被検査デバイスパタ−ンの狭ピッチに対応するのが容易であり、導電性金属からなる突起電極とその先端にのみ導電性を損なわず、弾力性を有する樹脂が被覆されており、被検査デバイスの表面電極を損傷させることなく、かつ平面間での接触確度ばらつきを抑えると共に、テスト用配線板自体の突起電極の寿命を向上させるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】〜
【図10】本発明のテスト用配線基板の製造工程を示す断面図である。
【図11】被検査基板のパタ−ンを示す平面図である。
【図12】本発明基板のパタ−ンを示す平面図である。
【符号の説明】
1 銅箔
2 ニッケル層
3 レジスト層
4 めっきパターン
4’ ガイドマ−ク
5 プリプレグ
6 銅箔
7 突起電極
8 めっき層
9 導電性樹脂
11−1 引き回し配線
11−2 表面電極パターン群
12−1 所定配線
12−1’所定配線
12−2 所定配線
12−2’所定配線
12−3 突起電極群
12−4 ガイド穴
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プリント基板、集積回路用基板、液晶表示基板などの高密度配線基板における導通抵抗検査をはじめとする接触導通を要する電気的検査に使用するエレクトリカルテスト用配線基板に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明は、プリント基板をはじめ、高密度実装基板の検査用基板の構造、作製法および検査法に関するものである。本発明の背景として、実装基板上への電子部品実装密度の増大や部品端子の狭ピッチ化がある。このため、実装部品端子の相互配置間隔が縮小している。相互結線が確保できるようにする微細配線化および多層化技術が進むに伴い、これら実装技術を駆使して、実装部品のマルチチップモヂュール化が図られている。例えば、シリコン基板上に半導体素子が集積回路化されたもの(以下ベアチップ)をこれまで、リードフレームに実装封止して、挿入部品もしくは面実装部品としてきた。これに対し、該ベアチップを複数個、ひとつの基板にワイヤボンド接続またはTAB接続あるいはCCB接続し封止後、リードフレームに実装して機能化する形態である。MCMは、COB,PGA,HICの分野と特徴づけは、明確ではないが、ひとつの指標として、実装基板面積に対するデバイスの面積比率が30%以上と定義されている。このような、基板はシリコンを基板とするMCM−D、セラミック系材料を基板とするMCM−C、有機材料を基板とするMCM−Lに分けられる。
【0003】これらの基板は、ベアチップ実装前に、所定パターンの形成を電気的なオープンショートテストで確認する必要があり、プリント板で培われてきた検査方法を適用する場合に検査条件は、従来よりさらに厳しくなりつつある。例えば、所定パターンは、線幅と線間(以下ラインアンドスペース)が100μm〜100μm以下の特徴がある。同時に、金メッキ処理された部品実装の電極も90〜120μmピッチとなりつつあり、その電極数は将来、1インチ角あたり1000個を越える予測される。従って、200μmピチ以下で検査用接触端子を被検査基板の電極に対向させる必要がある。また、被検査基板の電極は、実装前の損傷防止に格段の注意を必要とする。この背景から、従来技術として検査用接触端子を被検査基板に対向して配置する方法がある。
【0004】従来技術においては、被検査基板に対向する端子は導電性金属端子が用いられる。しかし、被検査基板の電極を損傷させる可能性がある。電極の損傷防止を改善する方法として、特開昭59−3269号公報に示されるように検査用接触端子と被検査基板との間に圧接時に導電性ゴムシートを挿入する技術がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この従来の方法は、電極配線層表面がソルダレジストなどのパッシベーション膜で沿面をとって被覆されている場合、確実圧接するには不利である。また、端子を保持する基板を利用するのでは、狭ピッチに対応するのに限界がある。本発明は、狭ピッチに対応するのが容易で、狭ピッチでの導電性金属からなる突起電極とその先端にのみ、導電性を損なわず、弾力性を有する樹脂が被覆された構造を与えるものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、絶縁基板と、絶縁基板中に埋め込まれている所定パターンの配線と、その配線上に設けられた、被テスト用デバイスの電極と接触する突起電極とよりなっており、導電性金属からなる突起電極先端が導電性を著しく低下させることなく樹脂で被覆されていることを特徴とする。
【0007】導電性金属からなる突起電極先端が導電性を著しく低下させることなく導電性高分子で被覆する方法を以下説明する。
1.導電性高分子または導電性高分子と他の樹脂の混合物を電極上に選択的に被覆する。
(1)導電性高分子(アンドープ)または導電性高分子(アンドープ)と他の樹脂の混合物を適当な溶媒に溶解し、電極上に浸したこの溶液の溶媒を揮発させることにより被覆する。その後で、ドーパントをドーピングする。導電性高分子としては、例えば、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアセチレン、ポリフェニレンビニレン等が使用される。他の樹脂としては、例えば、ゴム等のエラストマー、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等が使用される。ドーパントとしては、例えば、塩化第2鉄、ヨウ素、過塩素酸鉄等が使用される。
(2)電極を導電性高分子モノマーとドーパントの混合溶液に浸漬し、電解重合により導電性高分子を形成させる。
(3)樹脂を被覆した電極を導電性高分子モノマーとドーパントの混合溶液に浸漬し、電解重合により導電性高分子を重合させながら、樹脂皮膜層に浸透させて導電性高分子複合膜を形成させる。
(4)高分子アニオン(例えばスルホン酸、カルボン酸等の極性基を有す高分子)膜または、高分子アニオンと樹脂の混合物の膜を被覆した電極を導電性高分子モノマー溶液に浸漬し、電解重合により導電性高分子を重合させながら、皮膜層に浸透させて導電性高分子複合膜を形成させる。
(5)酸化剤を混合物した樹脂を電極上に被覆し、導電性高分子モノマー蒸気にさらすことにより重合を行いながら、重合体を被覆層に浸透させ導電性高分子複合膜を形成させる。
【0008】2.導電性高分子膜または導電性高分子複合膜をパターニングし、仮基板をエッチングする際のエッチングレジストとして使用し、電極上に選択的に被覆する方法。
(1)導電性高分子(アンドープ)または導電性高分子(アンドープ)と他の樹脂(エストラマー)などの混合物を適当な溶媒に溶解する。そして、仮基板上に膜形成後、パターンマスクを介して紫外線照射し、現像することによりエッチングレジストのパターンを形成した導電性高分子膜を得る。その後で、各種ドーパントをドーピングする。この導電性高分子膜をマスク(エッチングレジスト)にして仮基板のエッチングを行い、導電性高分子で被覆した電極パターン(突起電極)を形成させる。ここで、導電性高分子としては、例えばポリチオフェン等、または、それらに光重合可能なエチレン性二重結合を有す基を導入させたものが使用される。
(2)導電性高分子(アンドープ)を、パターン形成能力のある樹脂(例えば、各種レジスト、光架橋可能な樹脂等)に混合し、以下2.(1)の方法により導電性高分子で被覆した電極パターン(突起電極)を形成させるパターン形成能力のある樹脂としては、例えば、アルキル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸の供縮合物/テトラエチレングリコールジアクリレート/ベンゾフェノン(光開始剤)の組成物、フェノール樹脂/オルトナフトキノンアジロの組成物等が使用できる。
(3)導電性高分子(アンドープ)膜または導電性高分子(アンドープ)と他の樹脂の混合物の膜を形成し、各種ドーパントをドーピングする。この膜の上に感光性レジストを塗布成膜し、パターンマスクを介して光(紫外線または可視光線)照射し、現像することによりレジストパターンを形成する。次いで、このレジストパターンをマスクに下地の導電性高分子膜をエッチングし、パターンを転写する(リフトオフ法)。そして、この導電性高分子膜をマスク(エッチングレジスト)にして基板のエッチングを行い、感光性レジストを除去して導電性高分子で被覆した電極パターン(突起電極)を形成させる。
(4)導電性高分子(アンドープ)または導電性高分子(アンドープ)と他の樹脂の混合物と光によりドーパントを発生する化合物(例えば、トリフェニルヨードニウムテトラフルオロボレード)を適当な溶媒に溶解する。そして、膜形成後、パターンマスクを介して紫外線照射し、光照射部のみドーピングを行い不溶化させ、次いで現像することによりパターン形成した導電性高分子膜を得る。以下、2.(1)の方法により導電性高分子で被覆した電極パターンを形成させる。
【0009】突起電極形成後に導電性高分子を付与する場合について図1〜図10により、本発明の一実施例を説明する。1で示す厚さ35〜70μmの電解銅箔と〜2で示す厚さ0.1〜0.5μmのニッケル層からなる(例えば福田金属製の)2層箔を用いる。このニッケル面にレジスト3をラミネートする。レジストは例えば日立化成製HN350を用いる。この後、積算露光量125〜130mJ/cm2 の露光現像で所定のパターンを含むネガイメージを焼き付ける。パターンのネガイメージは3で示すレジスト層に焼き付けられる(図1)。1、2を電極として、パターンのポジイメージを電気銅めっきする。レジスト剥離後には、パターンのポジイメージが4で示される(図2)。
【0010】この後、直径5mmの穴をパンチング穴明けする。パンチング穴明け工程は、その中心位置を自動認識する場合には、十分なコントラストが必要になる。このような場合は、レジスト剥離を実施する前に該工程を先行させることが望ましい(図3)。
【0011】図3で形成した箔の電気銅めっきパタンを任意の樹脂に埋め込む(配線転写法)。この時、パタン間での異物や油脂分除去のため、パターンの整面処理をネオサンディップに浸漬洗浄する。ピール強度を確保するため、パタ−ン銅の酸化処理および酸化銅の還元処理を行う。その後、24時間以内に5で示す熱硬化性ガラスエポキシプリプレグを介して途中工程での反り防止のための35μm電解銅箔6と共に真空プレスする(図4R>4)。この後、直径3.15〜3.175のドリル穴明け(K点)を行う(図5)。
【0012】1のキャリアをエッチングして転写パタン上に位置精度良く、ピラー形成を行うため、4’に示す直径4mmのガイドマークをキャリア側から見えるようにする。このガイドマークは、該K点でも代用可能だが、ピラー群に近いところがより高精度となる。まず、図4で作製した金属のキャリア側についた酸化処理還元処理の層を除去するため、バフ研磨で製面する。この後、レジストラミネート、該マークに沿面を取った円パターンをネガイメージに焼き付ける。露光現像後、アルカリエッチングで銅エッチングする。この際、2で示すニッケルはエッチングされない。このため、埋め込まれた銅パタンのエッチングを防いでいる。この後、ニッケルをメルストリップ社製ニッケルエッチング用A液、B液、過酸化水素水で除去する。レジスト剥離後(図6)、窓明けされたパタンを該K点を基準として、NC穴明けする。この穴を次のマスク位置合わせに使用する。精度をさらに良くするにはガイドマークをそのまま残す方が望ましい(図7)。
【0013】レジストの密着を確実にするバフ研磨による製面をまず行う。レジストラミネート後、ピラーのネガイメージを焼き付けるため、該ガイドマークと該ネガイメージに含まれるガイドマークとの位置合わせマークを倍率40〜100倍のマイクロスコープで見ながら合わせる。ガイドマークはピラ群の周囲に少なくとも4ケ所設けることが望ましい。露光及び現像後、図6と同様に銅エッチング、ニッケルエッチング、レジスト剥離を行う。キャリアの銅厚さを制御すれば、サイドエッチの少ない任意断面の突起電極7をが得られる(図8)。この突起電極7を、無電解ニッケル、金めっきあるいは、転写パターンにリードパタンを設けることにより、電気ニッケル、金メッキする。めっき層8の厚さは、後者の場合、ニッケル層は2〜6μm、金メッキ層は0.1〜7μmが望ましい。外形加工ののち所定引き出し配線および電極、電極の上に形成された突起電極を有する基板が得られる(図9)。
【0014】突起電極を下にして、小型プレスに固定する。これと平行にプレスに取り付けた基板の真下にアプリケータやスピンコートで導電性樹脂を厚さ1〜30μmで被膜したフローティングガラスやアクリル板などを設置する。プレス降下により、突起電極に選択的に導電性樹脂9を付与することができる。これにより、図10の構造を有する本発明のテスト用基板が得られる。
【0015】
【作用】まず、平面図で本発明の電極群が被検査基板へ、どのような位置関係にあるか補足説明する。図11は、被検査基板の表面電極パターンおよび引き回し配線を裏面から透視した場合の概略平面図である。一方、図1111と同様の方向から、本発明の検査基板パターンを見た場合の概略平面図を図12に示す。図12の突起電極群は、11−2の表面電極パターン群と対向して配置され、相互の接触には12−4のガイド穴を位置合わせに利用可能である。11−1の引き回し配線は、相互接触により所定配線12−1と12−1’ではんだ接続などハンドリングで十分可能な大きさおよび低密度な電極群に引き出され、この電極群を使って自動測定システムやテスタなどにはんだ接続される。同様に、11−2の引き回し配線は12−2と12−2’の所定配線で引き出される。本発明は、この相互接触の際、11−2の表面電極を損傷させることなく、かつ平面間での接触確度ばらつきを抑えると共に、電極の寿命を向上させる。
【0016】
【発明の効果】本発明のテスト用配線基板は、被検査デバイスパタ−ンの狭ピッチに対応するのが容易であり、導電性金属からなる突起電極とその先端にのみ導電性を損なわず、弾力性を有する樹脂が被覆されており、被検査デバイスの表面電極を損傷させることなく、かつ平面間での接触確度ばらつきを抑えると共に、テスト用配線板自体の突起電極の寿命を向上させるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】〜
【図10】本発明のテスト用配線基板の製造工程を示す断面図である。
【図11】被検査基板のパタ−ンを示す平面図である。
【図12】本発明基板のパタ−ンを示す平面図である。
【符号の説明】
1 銅箔
2 ニッケル層
3 レジスト層
4 めっきパターン
4’ ガイドマ−ク
5 プリプレグ
6 銅箔
7 突起電極
8 めっき層
9 導電性樹脂
11−1 引き回し配線
11−2 表面電極パターン群
12−1 所定配線
12−1’所定配線
12−2 所定配線
12−2’所定配線
12−3 突起電極群
12−4 ガイド穴
【特許請求の範囲】
【請求項1】絶縁基板と、絶縁基板中に埋め込まれている所定パターンの配線と、その配線上に設けられた、被テスト用デバイスの電極と接触する突起電極とよりなっており、導電性金属からなる突起電極先端が導電性を著しく低下させることなく樹脂で被覆されていることを特徴とするエレクトリカルテスト用配線基板。
【請求項1】絶縁基板と、絶縁基板中に埋め込まれている所定パターンの配線と、その配線上に設けられた、被テスト用デバイスの電極と接触する突起電極とよりなっており、導電性金属からなる突起電極先端が導電性を著しく低下させることなく樹脂で被覆されていることを特徴とするエレクトリカルテスト用配線基板。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開平7−235739
【公開日】平成7年(1995)9月5日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平6−319918
【出願日】平成6年(1994)12月22日
【出願人】(000004455)日立化成工業株式会社 (4,649)
【公開日】平成7年(1995)9月5日
【国際特許分類】
【出願日】平成6年(1994)12月22日
【出願人】(000004455)日立化成工業株式会社 (4,649)
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