説明

エレクトロルミネッセント・デバイス

【課題】低い操作電圧で操作することができ、エネルギー変換効率が高く、熱安定性及び動作安定性が向上した、有機材料EL装置を提供する。
【解決手段】陽極、有機正孔注入及び輸送ゾーン又は層、電子注入及び輸送ゾーン又は層、及び陰極をこの順序で含む有機材料EL装置であって、電子注入及び輸送ゾーン又は層が以下の化学式(I)で表したような金属チオキシノイド化合物からなる、有機材料EL装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレクトロルミネッセント(EL)デバイスに一般に関する。より詳細には、実施の態様において電荷注入特性が改良され、操作電圧が低く、及び装置動作の安定性がより向上した有機材料ELデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
陰極線管(CRT)等の光電式装置が知られているが、これらの装置は場所をとり、多くのエネルギーを消費する。更に、CRT技術に基づいて、コスト効果が高く、歪みのない又は歪みの少ないディスプレイを製造することは難しい。従って、スペースをあまりとらない、例えば20V未満の低い電圧で操作することができるコンパクトなフラットパネルディスプレイ装置を開発することに関心が高まってきた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、例えば20V未満(約5〜19.5V等)の低い操作電圧で操作することができ、エネルギー変換効率が高く、及び熱安定性及び動作安定性が向上した、有機材料ELデバイスを提供することである。
【0004】
本発明のもう1つの目的は、優れた熱安定性を有し、有機材料ELデバイス(係属中の米国特許出願第707,260号を参照。当該特許出願は全て本明細書中に参考として組み入れられる)において正孔輸送成分として使用するための薄膜として簡単に真空蒸着できる、化学式(II)の多環芳香族第三アミン化合物を提供することである。
【化1】

式中、R1 、R2 、R3 、R4 、及びR5 は、フェニル、トリル、キシリル、ナフチル等のアリール群であり、A1 及びA2 はビフェニルやビトリル等のビアリール群であり、アリールは6〜約24個の炭素原子を含むことができ、ビアリールは約12〜約48個の炭素原子を含むことができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施の形態において、本発明は電子注入及び電子輸送層またはゾーン、即ちある新規な金属チオキシノイド(thioxinoid)化合物からなる層、正孔注入及び輸送層又はゾーン、即ち例えば芳香族第三アミン分子(米国特許第4,265,990号を参照のこと、当該特許の開示内容は全て本明細書中に参考として組み込まれる)や多環芳香族第三アミン等からなる層、を含む有機材料ELデバイスであって、優れた電子注入及び電子輸送特性、低操作電圧、高電界発光効率、優れた熱安定性、長い装置寿命等の多くの利点を有し、真空蒸着技術を用いて簡単に製造することができる有機材料ELデバイスに関する。多環芳香族第三アミンを有する本発明の有機材料ELデバイスは、約35℃及びそれ以上の温度で優れた熱及び操作安定性、及び優秀な装置耐久性を示す。この実施の形態において、電子注入層は電子の注入又は電子の輸送を行うか、又は電子の注入及び輸送を行う。また、正孔注入層は正孔の注入又は正孔の輸送を行う、又は正孔の注入及び輸送を行う。
【0006】
実施の形態において、本発明は、陽極、有機正孔注入及び輸送ゾーン又は層、電子注入及び輸送ゾーン又は層、及び陰極をこの順序で含む有機材料ELデバイスであって、電子注入及び輸送ゾーン又は層が化学式(I)で表したような金属チオキシノイド化合物からなる、有機材料ELデバイスに関する。実施の形態において、本発明は、陽極及び陰極に挟まれた、芳香族第三アミン正孔輸送成分と、化学式(I)で表されたような金属チオキシノイド電子注入成分と、及び任意で蛍光剤成分とからなる単一発光層を含む、有機材料ELデバイスに関する。
【化2】

式中Mは金属を表し、各nは1〜3の整数であり、Sは硫黄、Nは窒素であり、Zは少なくとも2つの縮合芳香環を有する複素環式構造を含む芳香族成分からなる構造残基を表す。より具体的には、Zは例えばキノリン、置換キノリン、ベンゾ{f}−キノリン、置換ベンゾ{f}−キノリン、ベンゾ{h}−キノリン、置換ベンゾ{h}−キノリン、キノキサリン、2−フェニルベンゾオキサゾール、又は2−フェニルベンゾチアゾールを含む芳香族系等を完成させる構造残基の一部である。これらの金属は既知のものであり、1価、2価、又は3価であってもよい。金属の具体的な例には、チオキシンを有するキレート化合物を形成する金属(好ましくはこれらの金属は亜鉛、カドミウム、ガリウム、インジウム等である)等が含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明のELデバイスの断面図である。
【図2】本発明の他の実施の形態のELデバイスの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、例えばガラス等でできた支持基体2と、陽極3と、真空蒸着有機正孔注入及び輸送ゾーン4と、真空蒸着電子注入及び輸送ゾーン5(本明細書中に記載された金属チオキシノイド化合物のうちの少なくとも1つと化学式(I)の金属チオキシノイド化合物とを含む)と、及びこのゾーン5に接触する陰極6のような低仕事関数金属からなる有機発光ダイオードとからなるELデバイスを表す。このELデバイスにおいて、電子正孔の再結合が起こって光が発光されるルミネッセンス(発光)ゾーンは正孔輸送ゾーン及び/又は電子輸送ゾーンを含む。好ましくは、電子正孔の再結合の後に発光することができる蛍光材料を、この発光ゾーン(ここでは電荷輸送成分が受容材料(host material )として機能する)に加えてもよい。
【0009】
より詳細には、このデバイスは2つのゾーン、つまり4の代わりに4a及び4b、及び5の代わりに5a及び5bを含むか、4a及び4bと5だけ、又は5a及び5bと4だけを含んでもよい。ここで4aは正孔注入層であり、4bは正孔輸送層であり、5aは電子輸送層、5bは電子注入層である。
【0010】
図2は本発明の他のデバイス構成を表す。これは基体2の上に載せられた陰極6及び陽極3にはさまれた単一の真空蒸着発光ゾーン7を含む。本発明の実施の形態において、発光ゾーン7は正孔注入及び輸送成分、化学式(I)の1つの金属チオキシノイドを含む電子注入及び輸送成分、及び発光成分を含む。
【0011】
本発明の実施の形態は、以下のエレクトロルミネッセント・デバイスを含む。化学式(I)の新規な金属チオキシノイドを含むエレクトロルミネッセント・デバイス。
【化3】

式中Mは金属を表し、各nは1〜3の整数であり、Sは硫黄、Nは窒素であり、Zは少なくとも2つの縮合芳香環を有する複素環式構造を含む芳香族成分からなる構造残基を、より具体的には、Zは本明細書に記載されたような構造残基を表す。支持基体、陽極、有機正孔注入及び輸送ゾーン、有機電子注入及び輸送ゾーン、及び陰極を上述の順に続けて含み、前記有機電子注入及び輸送ゾーンが化学式(I)の金属チオキシノイドからなる層を含む、エレクトロルミネッセント・デバイス。支持基体、陽極、有機正孔注入及び輸送ゾーン、有機電子注入及び輸送ゾーン、及び陰極を上述の順に続けて含み、前記有機電子注入及び輸送ゾーンが正孔注入及び輸送ゾーンに接触する電子輸送層を含み、電子輸送層と陰極との間に化学式(I)の金属チオキシノイドを含む電子注入層を含む、エレクトロルミネッセント・デバイス。正孔注入及び輸送成分、化学式(I)の電子注入及び輸送金属チオキシノイド化合物、及び蛍光染料からなる発光層を含み、この層が陰極と陽極との間に挟まれたまたはこれらの間に位置する、エレクトロルミネッセント・デバイス。金属チオキシノイドが(1)ビス(8−キノリンチオラート(thiolato))亜鉛、(2)ビス(8−キノリンチオラート)カドミウム、(3)トリス(8−キノリンチオラート)ガリウム、(4)トリス(8−キノリンチオラート)インジウム、(5)ビス(5−メチルキノリンチオラート)亜鉛、(6)トリス(5−メチルキノリンチオラート)ガリウム、(7)トリス(5−メチルキノリンチオラート)インジウム、(8)ビス(5−メチルキノリンチオラート)カドミウム、(9)ビス(3−メチルキノリンチオラート)カドミウム、(10)ビス(5−メチルキノリンチオラート)亜鉛、(11)ビス[ベンゾ{f}−8−キノリンチオラート]亜鉛、(12)ビス[3−メチルベンゾ{f}−8−キノリンチオラート]亜鉛、(13)ビス[3,7−ジメチルベンゾ{f}−8−キノリンチオラート]亜鉛、(14)ビス(4−キノキサリンチオラート)亜鉛、(15)ビス[2−(2−メルカプトフェニル)ベンゾチアゾレート]亜鉛、及び(16)ビス[2−(2−メルカプトフェニル)ベンゾオキシアゾレート]亜鉛からなる群より選択される、ELデバイス。
【0012】
支持基体の例としては、ポリマー組成物、ガラス及びガラスのようなもの、及びMYLAR(登録商標)等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリスルホン、水晶等が挙げられる。例えば本質的に化学的に影響を与えるものでなく、且つ他の層を支持することができるものであれば、他の基体を選択してもよい。基体の厚みは例えば約25〜1,000ミクロンを超えてもよいし、約50〜約1,000であってもよいし、例えばそのデバイスの構造的需要によって異なっても良い。
【0013】
本発明の有機材料ELデバイスにおける基体に隣接する陽極は、好ましくは4電子ボルトに等しい又はこれより大きい仕事関数、例えば約4〜約7電子ボルトの仕事関数を有する金属、合金、導電性化合物、又はこれらの混合物からなってもよい。陽極の具体的な例としては、酸化インジウム錫、酸化錫、酸化亜鉛、金、白金、又は導電性カーボン及び複合ポリマー(例えばポリアニリンやポリピロール等)を含む他の物質等のような、正電荷を注入する電極が含まれる。陽極の厚みは約10ナノメーター〜1ミクロンであってもよく、好適な範囲は陽極の材料の光学定数によって表される。厚みの1つの好適な範囲は約10〜200ナノメーターである。
【0014】
本発明のELデバイスの正孔注入及び輸送ゾーン4は、多くの便利な形態であることが可能である。例えば、基体は1つ、2つ、又はそれ以上の正孔輸送成分を含む1つの層からなっていてもよい。他の好適な形態において、正孔注入成分を含む陽極に接触する層と、正孔注入層と電子注入及び輸送ゾーンとの間にある正孔輸送成分を含む層とを積層して形成されてもよい。正孔注入及び輸送ゾーンの厚みは5ナノメーター〜500ナノメータ、好ましくは10ナノメーター〜100ナノメーターであってもよい。正孔注入及び輸送ゾーンを形成するために、低電界で発光ゾーンに正孔を注入及び輸送することができるあらゆる従来の材料を使用してもよい。好適な正孔注入及び輸送材料は、ポルフィリン誘導体及び芳香族第三アミンを含む(米国特許第4,720,432号に開示されている)。
【0015】
ポルフィリン誘導体の代表的な例は、ポルフィリン、1,10,15,20−テトラフェニル−21H,23H−ポルフィリン銅(II)、銅フタロシアニン、銅テトラメチルフタロシアニン、亜鉛フタロシアニン、酸化チタニウムフタロシアニン、マグネシウムフタロシアニン等である。
【0016】
芳香族第三アミンの代表的な例は、ビス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタン、N,N,N−トリ(p−トリル)アミン、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ジ−p−トリアミノフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン、N,N'−ジフェニル−N,N'−ビス(3−メチルフェニル)−1,1'−ビフェニル−4,4'−ジアミン、N,N'−ジフェニル−N,N'−ビス(3−メチルフェニル)−1,1'−ビフェニル−4,4'−ジアミン、N,N'−ジフェニル−N,N'−ビス(4−メトキシフェニル)−1,1'−ビフェニル−4,4'−ジアミン、N,N,N',N'−テトラ−p−トリル−1,1'−ビフェニル−4,4'−ジアミン、N,N'−ジ−1−ナフチル−N,N'−ジフェニル−1,1'−ビフェニル−4,4'−ジアミン等である。
【0017】
正孔輸送層またはゾーンに特に好適な芳香族第三アミン(このアミンはまた正孔を注入してもよい)は、本明細書中に記載された化学式(II)の多環芳香族アミンから選択することができる。具体的な例としては、N,N−ビス−[4'−(N−フェニル−N−m−トリルアミノ)−4−ビフェニリル]アニリン、N,N−ビス−[4'−(N−フェニル−N−m−トリルアミノ)−4−ビフェニリル]−m−トルイジン、N,N−ビス−[4'−(N−フェニル−N−m−トリルアミノ)−4−ビフェニリル]−p−トルイジン、N,N−ビス−[4'−(N−フェニル−N−p−トリルアミノ)−4−ビフェニリル]アニリン、N,N−ビス−[4'−(N−フェニル−N−p−トリルアミノ)−4−ビフェニリル]−m−トルイジン、N,N−ビス−[4'−(N−フェニル−N−p−トリルアミノ)−4−ビフェニリル]−p−トルイジン、N,N−ビス−[4'−(N−フェニル−N−p−クロロフェニルアミノ)−4−ビフェニリル]−m−トルイジン、N,N−ビス[4'−(N−フェニル−N−m−クロロフェニルアミノ)−4−ビフェニリル]−m−トルイジン、N,N−ビス[4'−(N−フェニル−N−m−クロロフェニルアミノ)−4−ビフェニリル]−p−トルイジン、N,N−ビス[4'−(N−フェニル−N−m−トリルアミノ)−4−ビフェニリル]−p−クロロアニリン、N,N−ビス[4'−(N−フェニル−N−p−トリルアミノ)−4−ビフェニリル]−m−クロロアニリン、N,N−ビス[4'−(N−フェニル−N−m−トリルアミノ)−4−ビフェニリル]−1−アミノナフタレン等が挙げられる。
【0018】
本発明の有機材料ELデバイスの電子注入ゾーン又は層(この層はまた電子を輸送してもよい)は、以下の化学式(I)で表されたような金属チオキシノイド化合物からなる新しいクラスの電子注入及び輸送成分からなる。
【化4】

式中Mは金属を表し、各nは1〜3の整数であり、Sは硫黄、Nは窒素であり、Zは少なくとも2つ、そして例によっては10個までの縮合芳香環を有する複素環式構造を含む芳香族成分からなる構造残基を表す。より具体的には、Zは例えばキノリン、置換キノリン、ベンゾ{f}−キノリン、置換ベンゾ{f}−キノリン、ベンゾ{h}−キノリン、置換ベンゾ{h}−キノリン、キノキサリン、2−フェニルベンゾオキサゾール、又は2−フェニルベンゾチアゾール等を含む芳香族系等を完成させる構造残基の一部である。これらの金属は既知のものであり、1価、2価、又は3価であってもよい。金属の具体的な例には、チオキシンとキレート化合物を形成する金属(好ましくはこれらの金属は亜鉛、カドミウム、ガリウム、インジウム等である)等が含まれる。
【0019】
金属チオキシノイドの代表的な例として、(1)ビス(8−キノリンチオラート(thiolato))亜鉛、(2)ビス(8−キノリンチオラート)カドミウム、(3)トリス(8−キノリンチオラート)ガリウム、(4)トリス(8−キノリンチオラート)インジウム、(5)ビス(5−メチルキノリンチオラート)亜鉛、(6)トリス(5−メチルキノリンチオラート)ガリウム、(7)トリス(5−メチルキノリンチオラート)インジウム、(8)ビス(5−メチルキノリンチオラート)カドミウム、(9)ビス(3−メチルキノリンチオラート)カドミウム、(10)ビス(5−メチルキノリンチオラート)亜鉛、(11)ビス[ベンゾ{f}−8−キノリンチオラート]亜鉛、(12)ビス[3−メチルベンゾ{f}−8−キノリンチオラート]亜鉛、(13)ビス[3,7−ジメチルベンゾ{f}−8−キノリンチオラート]亜鉛、(14)ビス(4−キノキサリンチオラート)亜鉛、(15)ビス[2−(2−メルカプトフェニル)ベンゾチアゾレート]亜鉛、及び(16)ビス[2−(2−メルカプトフェニル)ベンゾオキシアゾレート]亜鉛等が挙げられる。
【化5】

【化6】

【化7】

【化8】

【化9】

【化10】

【化11】

【化12】

【0020】
金属チオキシノイド化合物は例えば8−キノリンチオール又はその誘導体を対応する金属塩と反応させて精製することによって調製することができる。一般的な反応において、チオキシン及び金属塩(1/2当量の二価金属塩又は1/3当量の三価金属塩が使用される)をメタノールやエタノール等の脂肪族アルコール溶剤中で懸濁する。攪拌しながら、この懸濁液を1当量の塩基(例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムエトキシド等)を用いて不活性雰囲気下で室温で処理する。沈殿した固体を濾過して収集し、昇華して更に精製する。この金属キレート化合物の構造及び成分を、紫外−可視線及び赤外線分光分析や元素分析等の従来の分析技術によって確認する。
【0021】
電子注入及び輸送層又はゾーンは、種々の都合のよい形態をとりうる。例えば、少なくとも1つの金属チオキシノイド化合物、及びこれと他の既知の電子輸送材料との混合物を含む1つの層からなってもよく、この混合物は各成分を有効量、例えば約5〜95重量%の金属チオキシノイド複合物及び約95〜約5重量%の既知の電子輸送材料等を含む。また、電子注入及び輸送ゾーンは電子注入金属チオキシノイド化合物を含む陰極に接触する層と、電子注入層と正孔注入及び輸送ゾーンとの間にある既知の電子輸送化合物を含む層と、からなってもよい。金属チオキシノイドキレート化合物以外の既知の電子輸送材料の例には以下のものが含まれる。例えば米国特許第3,172,862号(当該特許の開示内容は本明細書中に参考として組み入れられる)に開示されたようなアントラセン、フェナトレセン(phenathrecene )、ピレン、ペリレン等の縮合環発光材料。米国特許第4,356,429号及び第5,516,577号に記載されたような1,4−ジフェニルブタジエン及びテトラフェニルブタジエン等のブタジエン及びスチルベン等。米国特許第4,539,507号に記載されたような光増白剤(optical brightness)。好適な電子輸送材料は米国特許第4,539,507号、第5,151,629号及び第5,150,006号に開示された8−ヒドロキシキノリンの金属キレートである。金属キレート化合物の例としては、トリス(8−ヒドロキシキノリネート)アルミニウム(AlQ3)、ビス(8−ヒドロキシキノリネート)マグネシウム、トリス(7−プロピル−8−キノリノラート)アルミニウム、ビス(2−メチルキノリノラート)アルミニウム(III )−μ−オキソ−ビス(2−メチル−8−キノリノラート)アルミニウム(III )、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(フェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(パラ−フェニルフェノラート)アルミニウム、及びビス(2−メチル−8−キノリノラート)(2−ナフタロラート)アルミニウムが挙げられる。
【0022】
本明細書に表されたELデバイスのためには様々な有効層厚を選択できる。例えばより具体的には正孔注入及び輸送層、及び電子注入層はそれぞれ約50〜約2,000、好ましくは約400〜約1,000オングストロームの厚みである。他の特定の厚みを選択してもよく、この厚みは他の層の厚みや各層の成分等の様々な因子によって異なる。
【0023】
ELデバイスの電荷輸送層に蛍光染料(米国特許第4,769,292号の染料を参照)を組み込んでデバイスの性能を改良することは望ましい。本発明のELデバイスに使用できる蛍光材料の例には、受容材料とブレンドして共通位相を形成できる蛍光材料が含まれる。受容材料の中に蛍光剤を拡散するためにはいかなる従来技術を用いても良いが、好適な技術は真空蒸着によるものであり、これは蛍光剤及びホスト材料の両方を同時に蒸着することができる。蛍光材料の1つの好適なクラスとしては蛍光染料が挙げられる。蛍光染料の例としては、米国特許第4,769,292号に開示されており、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン、4,6−ジメチル−7−エチルアミノクマリン、4−メチルウンベリフェロン等のクマリン染料、4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン等の蛍光4−ジシアノメチレン−4H−ピラン等の既知の化合物が含まれる。発光蛍光材料は例えば受容輸送層の約0.01〜約10重量%、好ましくは約1〜約5重量%存在する。
【0024】
陰極6は電子注入層5の表面上に付着されて形成される。陰極6はこの目的のために有効なあらゆる低仕事関数金属を含むどの金属を含有していてもよい。陰極はまた低仕事関数金属と、少なくとも他の1つの金属とを組わ合せて形成することができる。低仕事関数金属は約4.0eV以下の、例えば約1〜約4eVの仕事関数を有する金属である。金属の仕事関数が低ければ低い程、層5又は7に電子を注入するのに必要な電圧は低い。陰極6の厚みは例えば約10〜5、000オングストロームである。
【0025】
適切な低仕事関数金属には、アルカリ性金属、第2A族即ちアルカリ土類金属、及び第III 族金属(希土類金属及びアクチニド族金属を含む)が含まれる。リチウム、マグネシウム及びカルシウムが特に好ましい。従って、例えば約2.8〜約4.0eVの仕事関数を示す低仕事関数金属の方が、これより低い又はこれより高い仕事関数を示す金属よりも安定しており、従ってより好ましい。
【0026】
陰極6は保管中及び操作中の両方において安定性を向上するために第二の金属を含んでも良い。この第二の金属はアルカリ金属以外のあらゆる金属より選択することができる。第二の金属自体は低仕事関数金属であってもよく、第二の金属の好適な例は、第一金属の例の中の約4eV未満の仕事関数を有する金属を含む。或いは、第二金属は例えば約4.0〜約5.5eVより大きい仕事関数を有する様々な金属より選択できる。第二金属は酸化に対してより抵抗性のある元素を含み、従って金属元素としてより一般的に製造される。第二金属は陰極6の安定性に貢献する。
【0027】
4eV又はこれより大きい仕事関数を有する好適な金属は、アルミニウム、インジウム、第IB族金属、第IV、V及びVI族の中の金属及び第VIII 族遷移金属、特に貴金属を含む。アルミニウム、インジウム、銅、銀、金、錫、レド(led )、ビスマス、テルリウム、及びアンチモンが、陰極6に組み入れられるのに特に好適な高仕事関数第二金属である。
【0028】
第二金属の主な役割は、低仕事関数である第一金属を安定化することである。第二の機能は、陰極6の面積抵抗を陰極の厚みの関数として低減させることである。これにより、許容可能な程に抵抗が低く且つ電子注入効率の高い、非常に安定した陰極6ができる。第二金属の第三の機能は、第一金属の真空蒸着を簡単にすることである。
【0029】
第二金属、好ましくは約4.0eVより大きな仕事関数を有する金属に対する低仕事関数金属の好適な割合は、約1重量%〜約99重量%より小さい範囲である。陰極6の厚みは例えば約10〜約5,000オングストロームである。米国特許第4,885,211号のMg:Ag陰極は、1つの好適な陰極構成を示す。他の好適な陰極構成は、米国特許第5,429,884号に開示されたような構成でたってもよく、この中で、陰極は他の高仕事関数金属(例えばアルミニウム及びインジウム)とリチウムとの合金で形成されている。これらの上記の各特許の開示内容は、本明細書中に参考として組み入れられる。
【0030】
本発明の有機材料ELデバイスの陽極3及び陰極6はあらゆる都合のよい形態をとりうる。例えば約200〜約500オングストロームの薄い導電性層を光透過性基体、例えば透明又は実質的に透明なガラス板又はプラスチックフィルムの上に被覆することができる。ELデバイスは酸化錫又は酸化インジウム錫をガラス板にコーティングさせて形成された光透過性陽極3を含んでも良い。また、例えば約100〜約400オングストロームの非常に薄い光透過性金属陽極、例えば金、パラジウム等を使用することもできる。更に、導電性カーボン又はポリアニリンやポリピロール等の複合ポリマーの透明又は半透明の薄い層を陽極として使用することもできる。基体としてあらゆる光透過性重合フィルムを使用することができる。陽極3及び陰極6の更に適切な形態は、米国特許第5,429,884号に表されている。
【0031】
更に実施の形態において、本発明は以下のようなELデバイス(エレクトロルミネッセント・デバイス)に関する。ガラス等の本明細書に記載されたような支持基体、例えば酸化インジウムや酸化錫でできた半透明層、本明細書に記載されたような多環アリールアミン、エミッター化合物、チオキシノイド金属複合電子輸送化合物からなる活性単一層、及び最上層として低仕事関数電極を含む、有機層ELデバイス。正孔注入及び輸送層が正孔輸送組成物からなる有機受容材料と、受容材料のバンドギャップよりも大きくないバンドギャップを有し且つ受容材料の縮小電位よりもより小さな負の縮小電位を有する蛍光染料と、の混合物からなるか、電子輸送層が電子輸送成分からなる有機受容材料と、受容材料のバンドギャップよりも大きくないバンドギャップを有し且つ受容材料の縮小電位よりもより小さい負の縮小電位を有する蛍光染料と、の混合物からなる、ELデバイス。蛍光染料がクマリン、ジシアノメチレンピラン、ポリメチン、オキサベンザンスレン、キサンテン、ピリリウム、カルボスチル、ペリレン、キナクリドン、及び縮合芳香環蛍光染料からなる群から選択される、ELデバイス。支持基体が約25〜約1,000ミクロンの厚さであり、陽極が約10〜約500ナノメーターの厚さであり、発光層が約5〜約5,000ナノメーターの厚さであり、陰極が約5ナノメーター〜約5マイクロメーターの厚さである、エレクトロルミネッセント・デバイス。
【実施例】
【0032】
実施例I
・ビス(8−キノリンチオラート)亜鉛の合成:電磁攪拌機を備えた容量250mlのフラスコにキノリンチオール塩化水素酸塩(5.0g、25.3mmol)、エタノール(100ml)、及び塩化亜鉛(1.75g、12.8mmol)を入れた。アルゴン雰囲気下においてこの混合物を常に約25℃の室温で10分間攪拌した。この混合物に水酸化ナトリウムの10%水溶液(20ml)を滴下して加えた。滴下し終わった後、この反応混合物を0.5時間かけて50℃まで加熱し、続いて約25℃の室温にまで冷ました。得られた黄色い沈殿物を濾過により収集し、続いて水及びメタノールで洗浄して真空オーブンのなかで乾燥すると、4.15gのビス(8−キノリンチオラート)亜鉛ができた(m.p.287.0℃)。
【0033】
実施例II
・トリス(8−キノリンチオラート)ガリウムの合成:電磁攪拌機を備えた容量250mlのフラスコにキノリンチオール塩化水素酸塩(3.0g、15.2mmol)、エタノール(50ml)、及び塩化ガリウム(0.9g、5.1mmol)を入れた。アルゴン雰囲気下においてこの混合物を室温で10分間攪拌した。この混合物に水酸化ナトリウムの10%水溶液(12ml)を滴下した。滴下し終わった後、この反応混合物を1.0時間かけて50℃にまで加熱し、続いて室温にまで冷ました。得られた黄色い沈殿物を濾過により収集し、続いて水及びメタノールで洗浄して真空オーブンのなかで乾燥すると、2.25gのトリス(8−キノリンチオラート)ガリウムができた(m.p.351.9.0℃)。
【0034】
実施例III
・以下のように有機材料ELデバイスを調製した:1.厚さ500オングストロームの酸化インジウム錫(ITO)でコーティングした厚さ約1mmのガラスを市販の洗浄剤を用いてクリーニングし、脱イオン水でリンスした後、真空オーブンの中で1時間のあいだ60℃で乾燥した。使用する直前に、このガラスをUVオゾンを用いて0.5時間処理した。
【0035】
2.TIO基体を真空蒸着チェンバー内に入れた。融着速度及び層の厚みはInficon モデルIC/5コントローラによって制御した。約5×10-6トルより小さな圧力下で正孔輸送化合物、N,N'−ジフェニル−N,N'−ビス(3−メチルフェニル)−1,1'−ビフェニル−4,4'−ジアミン(TBD)及びルブレンを別々に電気加熱された2つのタンタル容器から同時に蒸発させ、ITOガラス上に80ナノメーターの厚い層を付着させた。正孔輸送化合物及びルブレンの融着速度を0.6ナノメーター/秒及び0.03ナノメーター/秒にそれぞれ制御した。
【0036】
3.正孔輸送層2の上にトリス(8−キノリンチオラート)亜鉛を0.6ナノメーター/秒の蒸発率で付着させて80ナノメーターの約800オングストロームの電子注入及び輸送層を形成した。
【0037】
4.それぞれMg及びAgを含む2つの別々に制御されたタンタル容器から同時に蒸発させることによって、100ナノメータのマグネシウム銀合金をトータル融着速度0.5ナノメーター/秒で電子注入及び輸送層上に付着させた。典型的な構成はMg対Agの原子比率が9:1である。最後に、周囲の湿気から反応性Mgを保護することを主な目的として、200ナノメーターの銀層をこのMg:Ag陰極に被覆した。
【0038】
常に窒素ガスを充填させた乾燥ボックスの中に、上記のように調製されたデバイスを保持した。直流測定のもとでその電流−電圧特性及び光の出力を測定することによってこの性能を査定した。ケイスリーモデル(Keithley Model)238高電流源測定ユニットを用いて電流−電圧特性を測定した。ITO電極を常に電流源の陽端子に接続した。同時に、このデバイスからの光出力をシリコン光ダイオードによってモニターした。
【0039】
検査において、このデバイスは19.0Vで565ナノメーターにおけるピーク発光及び17,000cd/cm2 の最大光強度を有する黄緑色の光を発光した。電界発光効率を測定すると電流密度33mA/cm2 で4.25cd/Aであり、電流密度33mA/cm2 での操作電圧は9.2Vであった。
【0040】
実施例IV
ビス(8−キノリンチオラート)亜鉛を付着させる前に80ナノメーターのトリス(8−ヒドロキシキノリネート)アルミニウムを正孔輸送層上に更に付着させて電子輸送層を形成させることを除き、実施例III の手順に従って有機材料ELデバイスを調製した。電子注入層としてビス(8−キノリンチオラート)亜鉛を付着させ、次に実施例III に記載したように陰極としてマグネシウム銀合金を付着させることによってデバイスを完成させた。
【0041】
光−電圧特性検査において、このデバイスは17.0Vで565ナノメーターにおけるピーク発光及び24,000cd/cm2 の最大光強度を有する黄緑色の光を発光した。電界発光効率を測定すると電流密度33mA/cm2 で5.69cd/Aであり、電流密度33mA/cm2 での操作電圧は8.0Vであった。
【0042】
実施例V
実施例III を修正した手順に従って有機材料ELデバイスを調製した。清浄なITO基体上にN,N'−ジフェニル−N,N'−ビス(3−メチルフェニル)−1,1'−ビフェニル−4,4'−ジアミンの80ナノメーターの正孔輸送層を付着させ、次に2つの別々に制御されたタンタル容器からビス(8−キノリンチオラート)亜鉛及びルブレンを同時に蒸発させて80ナノメーターの電子注入及び輸送層を付着させた。ビス(8−キノリンチオラート)亜鉛及びルブレンの融着速度を0.6ナノメーター/秒及び0.03ナノメーター/秒にそれぞれ制御した。実施例III で記載したように陰極としてMg:Ag合金を付着させることによってこのデバイスを完成した。
【0043】
実施例を通して行われる光−電圧特性検査(以下「検査」と称する)の際、このデバイスは17.0Vで550ナノメーターにおけるピーク発光及び10,160cd/cm2 の最大光強度を有する黄緑色の光を発光した。電界発光効率を測定すると電流密度33mA/cm2 で2.05cd/Aであり、電流密度33mA/cm2 での操作電圧は6.5Vであった。
【0044】
実施例VI
実施例III の手順を修正した手順に従って有機材料ELデバイスを調製した。清浄なITO基体上にN,N'−ジ−1−ナフチル−N,N'−ジフェニル−1,1'−ビフェニル−4,4'−ジアミンからなる80ナノメーターの正孔輸送層を付着させ、続いて2つの別々に制御されたタンタル容器からビス(8−キノリンチオラート)亜鉛及びN,N'−ジメチル−2,9−ジメチルキナクリドンを同時に蒸発させることによって80ナノメーターの電子注入及び輸送層を付着させた。ビス(8−キノリンチオラート)亜鉛及びN,N'−ジメチル−2,9−ジメチルキナクリドンの融着速度を0.6ナノメーター/秒及び0.006ナノメーター/秒にそれぞれ制御した。実施例III で記載したように陰極としてMg:Ag合金を付着させることによってこのデバイスを完成した。
【0045】
検査の際、このデバイスは19.0Vで550ナノメーターにおけるピーク発光及び12,500cd/cm2 の最大光強度を有する黄緑色の光を発光した。電界発光効率を測定すると電流密度33mA/cm2 で3.05cd/Aであり、電流密度33mA/cm2での操作電圧は9.5Vであった。
【0046】
実施例VII
実施例III を修正した手順に従って有機材料ELデバイスを調製した。清浄なITO基体上にN,N'−ジフェニル−N,N'−ビス(3−メチルフェニル)−1,1'−ビフェニル−4,4'−ジアミンからなる80ナノメーターの正孔輸送層を付着させ、続いて2つの別々に制御されたタンタル容器からトリス(8−ヒドロキシキノリネート)アルミニウム及びルブレンを同時に蒸発させることによって80ナノメーターの電子注入及び輸送層を付着させた。トリス(8−ヒドロキシキノリネート)アルミニウム及びルブレンの融着速度を0.6ナノメーター/秒及び0.003ナノメーター/秒にそれぞれ制御した。実施例III で記載したように電子注入層として80ナノメーターのビス(8−キノリンチオラート)亜鉛を、及び陰極としてマグネシウム銀合金を付着させることによってこのデバイスを完成した。
【0047】
検査の際、このデバイスは15.0Vで565ナノメーターにおけるピーク発光及び12,300cd/cm2 の最大光強度を有する黄緑色の光を発光した。電界発光効率を測定すると電流密度33mA/cm2 で2.58cd/Aであり、電流密度33mA/cm2 での操作電圧は9.5Vであった。
【0048】
実施例VIII
N,N'−ジフェニル−N,N'−ビス−(3−メチルフェニル)−1,1'−ビフェニル−4,4'−ジアミンの代わりにN,N−ビス−[4'−(N−フェニル−N−m−トリルアミノ)−4−ビフェニリル]−m−トルイジンを正孔輸送成分として使用する以外は、実施例III の手順に従って有機材料ELデバイスを調製した。
【0049】
検査の際、このデバイスは18.0Vで565ナノメーターにおけるピーク発光及び18,250cd/cm2 の最大光強度を有する黄緑色の光を発光した。電界発光効率を測定すると電流密度33mA/cm2 で4.35cd/Aであり、電流密度33mA/cm2 での操作電圧は9.5Vであった。33mA/cm2 の一定電流密度のもとで20℃におけるデバイスの動作安定性を評価した。最初の光強度は1,450cd/cm2 であり、この強度レベルは実用的な用途に必要なレベルをはるかに超えるものである。この光強度は時間が経つにつれゆっくりと減少していき、250時間連続的に動作した後に観測すると光強度が50%減少していた。更に、デバイスを72時間の間40℃の温度にさらした後でも、このデバイスの電流−光強度には変化が見られなかった。
【0050】
実施例IX
ビス(8−キノリンチオラート)亜鉛の代わりにトリス(8−キノリンチオラート)ガリウムを使用した以外は、実施例IVの手順に従って有機材料ELデバイスを調製した。
【0051】
検査の際、このデバイスは19.5Vで565ナノメーターにおけるピーク発光及び11,000cd/cm2 の最大光強度を有する黄緑色の光を発光した。電界発光効率を測定すると電流密度33mA/cm2 で1.35cd/Aであり、電流密度33mA/cm2 での操作電圧は7.0Vであった。
【符号の説明】
【0052】
2 基体
3 陽極
4 正孔注入及び輸送層
5 電子注入及び輸送層
6 陰極
7 発光ゾーン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の構造式を有する金属チオキシノイドからなるエレクトロルミネッセント・デバイス。
【化1】

式中Mは金属を表し、各nは1〜3の数であり、Nは窒素、Sは硫黄であり、Zは芳香族成分を表す。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−105460(P2009−105460A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−29761(P2009−29761)
【出願日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【分割の表示】特願平10−37084の分割
【原出願日】平成10年2月19日(1998.2.19)
【出願人】(501426046)エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド (732)
【Fターム(参考)】