説明

エレベータのかご保持装置

【課題】エレベータの保守作業時に、かごの自走による上昇を速やかに停止させることのできるエレベータのかご保持装置を得ることを目的とする。
【解決手段】かごガイドレール7aとの間に楔状空間19を形成する傾斜壁面17aを有する基台17と、第1のガイド部材27の第1の支持面27c及び第2のガイド部材30の第2の支持面30cに係合可能に配設された可動鉄板35と、第1のコイルばね40と、電磁石41と、回動部材45a,45bに固定された保持部材46と、可動鉄板35が保守作業モード位置に保持されたときとかご昇降許可位置に保持されたときとで、保持部材46をかごガイドレール7aに接離させる浮かせ部材34a,34bと、電磁石41に通電する保守運転制御盤60と、を備え、可動鉄板35が保守作業モード位置にあるときにかご4が上昇すると、保持部材46がかごガイドレール7aと傾斜壁面17aとの間に食い込むようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、エレベータの保守作業時、かごの自走による上昇を速やかに停止させるエレベータのかご保持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のエレベータのかご保持装置は、保守員がかご上で保守作業を行う際に主ガイドレールと対向するかご上部の位置に設置された頂部ストッパーと、頂部ストッパーと主ガイドレールとの間に形成される隙間に上方からセットされるかごロックキーと、かごロックキーの上部と対向するように主ガイドレールの上端部に固定された作動アームと、を備えている(例えば、特許文献1参照)。
このとき、頂部ストッパーと主ガイドレールとの間には、テーパ状の隙間が上方に向かって幅広になるように形成され、楔状のかごロックキーがテーパ状の隙間に主ガイドレールから隙間をあけてセットされている。
【0003】
ここで、保守員が、かごを昇降路内の所定位置に停止させてかご上で保守作業を行う際、かごを昇降路内の所定位置に停止させておくためのブレーキが故障したりすると、かごは昇降路の最上部に向かって自走する。そして、かごロックキーが作動アームの位置までくると、かごロックキーの頂部が作動アームに当接して、頂部ストッパーと主ガイドレールとの間に食い込むようになっている。これにより、かごの自走による上昇が停止され、このとき、かごの上面と昇降路の頂部との間には保守時頂部安全スペースが確保されていた。即ち、かご上で保守作業を行っていた保守員のかご上での居場所が確保されていた。
【0004】
【特許文献1】特開2005−343579号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のエレベータのかご保持装置では、かごロックキーの頂部が作動アームに当接されるまでの間かごの自走による上昇を停止させることができない。従って、かごの自走による上昇が停止するまでの間、かご上の保守員に計り知れない緊張感を与えるという問題があった。
【0006】
この発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、エレベータの保守作業時に、かごの自走による上昇を速やかに停止させることのできるエレベータのかご保持装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明によるエレベータのかご保持装置は、かごの上部に着脱自在に配設され、かごガイドレールとの間に上方から下方に向かって漸次狭くなる楔状空間を形成する傾斜壁面を有する基台と、かごガイドレールと離反する方向に楔状空間から第1の距離離れた位置に、かつ基台から上方に第1の高さの位置に、下方に向けて配置された水平な第1の支持面を有する第1のガイド部材と、第1の支持面から楔状空間側に第2の距離近づいた位置に、かつ基台から上方に第1の高さ位置より低い第2の高さの位置に、下方に向けて配置された水平な第2の支持面を有する第2のガイド部材と、一端が楔状空間上に位置し、他端側が第1の支持面及び第2の支持面に係合可能に配設された可動部材と、可動部材の他端側を第1の支持面及び第2の支持面に当接する方向に付勢するように配設され、可動部材の他端側が第1の支持面及び第2の支持面に当接する保持作業モード位置に可動部材を保持する第1の弾性部材と、第1の弾性部材の付勢力に抗して第2の支持面を支点として可動部材の他端側を第1の支持面から下方に離反させるように可動部材を回動させる電磁力を発生し、可動部材の他端側が第2の支持面に当接し、かつ第1の支持面から離反するかご昇降許可位置に可動部材を保持する電磁石と、一端が可動部材の一端に軸まわりに回動可能に取り付けられ、他端側が楔状空間に配置されて、他端が軸周りの回動動作に連動してかごガイドレールと傾斜壁面との間を移動する回動部材と、回動部材の他端に取り付けられた保持部材と、回動部材と可動部材との間に配設され、保持部材をかごガイドレールに当接させる方向に回動部材を付勢する第2の弾性部材と、可動部材が保守作業モード位置に保持された状態では、第2の弾性部材の付勢力により保持部材をかごガイドレールに当接させ、可動部材がかご昇降許可位置に保持された状態では、第2の弾性部材の付勢力に抗して保持部材をかごガイドレールから離反させるように、回動部材を軸まわりに回動させる浮かせ部材と、電磁石に通電して電磁力を発生させて、可動部材をかご昇降許可位置に保持させる保守運転制御盤と、を備え、可動部材が保守作業モード位置に保持された状態でかごが上昇すると、第2の弾性部材の付勢力により当接する保持部材とかごガイドレールとの間の摩擦力により、可動部材が第1の弾性部材の付勢力に抗して第1の支持面を支点として、第2の支持面から離反するように回動し、保持部材がかごガイドレールと傾斜壁面との間に食い込み、かごの上昇を停止させるように構成されている。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、かごが保守員による保守作業中に自走によって上昇しても、かごが微小距離移動しただけで保持部材がかごガイドレールと基台の傾斜壁面との間に食い込まれるので、かごの自走による上昇を速やかに停止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、この発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。
図1はこの発明に係るかご保持装置が配設されたエレベータの模式図、図2は図1のII−II矢視断面図であり、可動鉄板が保守作業モード位置にあるときを示している。図3は図2のA部拡大断面図、図4は図3のB方向から見た正面図、図5は図3のV−V矢視断面図、図6はこの発明に係るかご保持装置のシステム構成図、図7はこの発明に係るかご保持装置の断面図であり、可動鉄板がかご保持位置にあるときを示している。図8はこの発明に係るかご保持装置の断面図であり、可動鉄板がかご昇降許可位置にあるときを示している。
【0010】
図1において、エレベータ1は機械室レスタイプのものであり、昇降路壁2に囲まれた昇降路3内を昇降自在に配設されたかご4、駆動綱車6と電動機(図示せず)を有する巻上機5、一対のかごガイドレール7a,7b、メインロープ8、つり合いおもり9、及びエレベータ制御盤10などを備えている。
【0011】
巻上機5は、昇降路3のピット3aに配設されている。そして、駆動綱車6は電動機の回転に連動して軸まわりに回転するようになっている。
また、メインロープ8は、その一端が昇降路3の天井に固着されて天井から垂下され、かご4の下部に設けられている一対の転向プーリ11a,11bに掛け渡されて反転している。さらに、メインロープ8は、昇降路3の天井に設置されたプーリ12aに掛け渡されて再び反転し、駆動綱車6に巻きかけられて再び反転し、さらに、昇降路3の天井に設置されたプーリ12bに掛け渡されて再び反転し、つり合いおもり9に固着されたプーリ12cに掛け渡されて再び反転している。そして、メインロープ8の他端が昇降路3の天井に固定されている。
【0012】
また、一対のかごガイドレール7a,7bのそれぞれが、長手方向を鉛直方向に一致させ、かご4の両側壁面4a,4bのそれぞれと所定の間隔をあけてピット3aの床から昇降路3の天井近傍に至るまで延設されている。なお、側壁面4a,4bに垂直な方向を幅方向とし、幅方向に垂直かつ水平な方向を奥行き方向とする。即ち、かご4の側壁面4a,4bの上縁の長さ方向は、奥行き方向に一致している。
【0013】
また、エレベータ制御盤10は、昇降路壁2に固定されている。そして、エレベータ制御盤10は、エレベータ1の運行を制御するためのプログラムが書き込まれたROM(図示せず)や当該プログラムの内容に従ってエレベータ1の運行を制御するためのCPU(図示せず)等を有し、プログラムに基づいたエレベータ1の運行制御を行っている。そして、エレベータ制御盤10は、電動機を介した駆動綱車6の回転を任意に制御することが可能になっている。そして、駆動綱車6とメインロープ8との間には摩擦力が働いているので、メインロープ8は駆動綱車6の回転に応じて移動される。これにより、かご4及びつり合いおもり9が昇降路3内を昇降するようになっている。また、図示しないが、ブレーキが駆動綱車6の回転を停止可能に配設されている。そして、エレベータ制御盤10は、任意にかご4の昇降移動とその停止を制御することができるようになっている。
【0014】
さらに、かご保持装置15の主要部が、かご4の上部外壁面に配設されている。
また、かご保持装置15は、図2に示されるように、本体部16、及び保守運転制御盤60を有している。そして、本体部16は、かご4の上部外壁面に一方のかごガイドレール7aの位置に合わせて配設されている。また、かごガイドレール7aは、図4及び図5に示されるように断面T字状に形成され、図4に示されるように断面T字状の頂部からの突出端を側壁面4aに向けて配置されている。以降、かごガイドレール7aとは、断面T字状の頂部から突出された部位を意味するものとする。
【0015】
次いで、本体部16の詳細について説明する。
図2〜図5において、本体部16は、基台17、ケース本体20、支持ガイド体25、可動部材としての可動鉄板35、コイルばね40、電磁石41、回動部材45a,45b、保持部材46、第2の弾性部材としての板ばね47a,47b、及びかご昇降許可手段48を有している。
【0016】
基台17は、直方体状に形成され、凹部18が直方体の一面に開口するように、かつ、当該一面を形成する4辺のうち、平行な2辺間を接続するように形成されている。そして、基台17は、凹部18の溝方向を鉛直方向(かごガイドレール7aの長さ方向)に一致させ、凹部18を形成する両側壁面17a,17bと底面17cとで、かごガイドレール7aを囲むようにかご4の上部外壁面に着脱自在に固定されている。
【0017】
このとき、凹部18の一方の側壁面17aは、図2及び図3に示されるように、かごガイドレール7aの上方から下方に向かうにつれてかごガイドレール7aとの間の距離が漸次短くなるように傾斜されている。つまり、楔状空間19が、かごガイドレール7aの上方から下方に向かって間隔が漸次狭くなるように、かごガイドレール7aと側壁面17aとの間に形成されている。ここで、一方の側壁面17aを傾斜壁面と定義する。また、他方の側壁面17bとかごガイドレール7aとの間の隙間は均一になっている。
【0018】
ケース本体20は、底辺20cと、底辺20cの両端から垂直に突出する側辺20a,20bとを有し、長手方向に垂直な断面がコ字状に形成されている。さらに、固定辺20d,20eが、それぞれの側辺20a,20bの先端を相反する方向に垂直に折り曲げられて形成されている。
そして、ケース本体20は、断面コ字の開口を基台17の上面に向け、固定辺20d,20eのそれぞれを基台17の上面に合わせて固定されている。このとき、ケース本体20の長手方向は、奥行き方向に一致している。
【0019】
支持ガイド体25は、上部支持板26、第1のガイド部材27、第2のガイド部材30、及び保持部材移動制限手段32を有している。
上部支持板26は、矩形平板状に形成され、長手方向を奥行き方向に一致させ、かつ、その一面をケース本体20の底辺20cに合わせて固定されている。このとき、上部支持板26の長手方向の一端側は、楔状空間19の上方に配置されている。
【0020】
そして、第1のガイド部材27は矩形平板状に形成され、上部支持板26の長手方向の他端側から上部支持板26の長手方向に対して垂直に突出するように上部支持板26に固定されている。即ち、第1のガイド部材27は、上部支持板26から鉛直方向の下方に突出している。このとき、第1のガイド部材27は、楔状空間19からかごガイドレール7aと離反する方向に第1の距離離れた位置に配置されている。また、下方に開口する第1の嵌合凹部28が、第1のガイド部材27の突出端側を所定の深さに切り欠いて形成され、図4及び図5に示されるように、切り欠きの両側に第1の差込部27a,27bが形成されている。また、第1の嵌合凹部28の底面が、基台17から上方に第1の高さ位置で、下方に向けて水平に配置されて第1の支持面27cを構成している。
【0021】
また、第2のガイド部材30は矩形平板状に形成され、第1のガイド部材27から楔状空間19側に第2の距離近づいた位置で、基台17の上面に向けて上部支持板26から鉛直方向の下方に突出するように上部支持板26に固定されている。また、下方に開口する第2の嵌合凹部31が、第2のガイド部材30の突出端側を所定の深さに切り欠いて形成され、図4及び図5に示されるように切り欠きの両側に第2の差込部30a,30bが形成されている。このとき、第2の嵌合凹部31の底面が、第1の高さ位置より低い第2の高さ位置に、下方に向けて水平に配置された第2の支持面30cを構成している。
【0022】
保持部材移動制限手段32は、図3及び図5に示されるように側部支持板33、及び浮かせ部材34a,34bを有している。側部支持板33は、上部支持板26の長手方向の一端側で、かごガイドレール7aと対面するように、上部支持板26から鉛直方向の下方に突出している。このとき、側部支持板33は、楔状空間19の上方に配置されている。また、浮かせ部材34a,34bは、その外形が半円状に形成されている。そして、浮かせ部材34a,34bのそれぞれは、その弦の長さ方向を鉛直方向に合わせ、側部支持板33の突出端側の両側近傍のそれぞれから、かごガイドレール7aと反対側に垂直に突出するように、側部支持板33に楔状空間19の上方で固定されている。
【0023】
また、可動鉄板35は矩形平板状に形成されている。そして、可動鉄板35は、その一面を上部支持板26の他面(下面)に向けて、第1のガイド部材27、第2のガイド部材30、及び側部支持板33の延出端側に配置されている。このとき、可動鉄板35の長手方向の一端側は、側部支持板33からかごガイドレール7aとは反対側に所定距離離間した位置に、かつ、楔状空間19の上方に配置されている。
【0024】
そして、第1の弾性部材としてのコイルばね40が、奥行き方向、即ち、第1のガイド部材27と第2のガイド部材30との離間方向に関して、第1の支持面27cと第2の支持面30cとの間に位置するように配設されている。そして、コイルばね40の両端のそれぞれが、上部支持板26の他面及び基台17の上面のそれぞれに固定されている。このとき、コイルばね40の付勢力は、可動鉄板35の長手方向の他端側を上方に引き上げて第1の支持面27c及び第2の支持面30cに当接させる方向に働いている。
【0025】
また、一対の第1の差込凹部36a,36bのそれぞれが、図5に示されるように、可動鉄板35の両長辺のそれぞれの他端側近傍で開口するように可動鉄板35の長手方向の位置を一致させて形成されている。さらに、一対の第2の差込凹部37a,37bのそれぞれが、第1の差込凹部36a,36bのそれぞれから楔状空間19側(かごガイドレール7a側)に所定の距離をあけ、両長辺のそれぞれに開口するように可動鉄板35の長手方向の位置を一致させて形成されている。
【0026】
このとき、第1の差込部27a,27bのそれぞれ及び第2の差込部30a,30bのそれぞれが、第1の差込凹部36a,36bのそれぞれ及び第2の差込凹部37a,37bのそれぞれに遊嵌状態に差し込まれている。そして、可動鉄板35は、第1の嵌合凹部28及び第2の嵌合凹部31のそれぞれに遊嵌されて、第1の支持面27c及び第2の支持面30cに係合可能となっている。
これにより、可動鉄板35の水平方向のがたつきが規制され、可動鉄板35の他端側は、第1の差込部27a,27b及び第2の差込部30a,30bにガイドされて移動する。
【0027】
電磁石41は鉄心42及びリレーコイル43を有し、第1のガイド部材27と第2のガイド部材30との離間方向に関して、第2の支持面30cと可動鉄板35の一端との間に位置するように配設されている。
鉄心42は、第2のガイド部材30のかごガイドレール7a側で軸方向を鉛直方向に一致させて配置されている。そして、鉄心42の一端面が上部支持板26に固定されている。また、鉄心42の他端面の高さ位置が、第2のガイド部材30の第2の支持面30cに一致している。さらに、リレーコイル43が、鉄心42の外周面に巻回されている。
【0028】
また、回動部材45a,45bが棒状に形成され、回動部材45a,45bのそれぞれの一端は、可動鉄板35の長手方向の一端側、かつ短手方向に垂直な端面のそれぞれに水平軸まわりに回動自在に取り付けられている。また、回動部材45a,45bのそれぞれの他端側は楔状空間19内に配置され、回動部材45a,45bのそれぞれの他端は、軸周りの回動動作に連動してかごガイドレール7aと側壁面17aとの間を移動可能になっている。
そして、保持部材46は、円柱状であり、その外周面から突出するのこぎり状の凸部が周方向に形成されているものが用いられている。そして、保持部材46は、凸部の先端がかごガイドレール7aと側壁面17aのそれぞれと相対するように楔状空間19に配置されて、保持部材46の両端面の中心部が、回動部材45a,45bのそれぞれの他端側に固定されている。
【0029】
また、板ばね47a,47bのそれぞれが、可動鉄板35のかごガイドレール7a側の他面(下面)と、回動部材45a,45bのそれぞれの一端側の部位との間に固定されている。このとき、板ばね47a,47bは、保持部材46をかごガイドレール7aに当接させる方向に回動部材45a,45bの長手方向の他端側を付勢している。
【0030】
かご昇降許可手段48は、図3及び図5に示されるように、上昇許可手段50、及び下降許可手段55を有している。
上昇許可手段50は、接点保持板49a、一対の上昇用接点51a,51b、及び接点接続部材52aを有している。接点保持板49aは、側部支持板33から可動鉄板35の上方に突出するように側部支持板33に固定されている。そして、一対の上昇用接点51a,51bは、互いに微小距離だけ離反するように、可動鉄板35と対面する接点保持板49aの壁面に固定されている。また、接点接続部材52aは、断面T字状に形成され、T字の頂部が上昇用接点51a,51bの下方で上昇用接点51a,51bと相対するように可動鉄板35に固定されている。
【0031】
また、下降許可手段55は、接点保持板49b、下降用接点56a,56b、及び接点接続部材52bを有している。そして、下降許可手段55は、図5に示されるように、上昇許可手段50に対して可動鉄板35の短辺の長さ方向に位置をずらし、接点保持板49b、下降用接点56a,56b、及び接点接続部材52bのそれぞれと同様に配設されている。
【0032】
次いで、保守運転制御盤60の構成、及びかご保持装置15と保守運転制御盤60との電気的な接続について図2及び図6を参照しつつ説明する。
保守運転制御盤60は、モード切替スイッチ61、上昇用スイッチ70、下降用スイッチ71、出力ポート73a〜73c、図示しない電源の高圧側端子76と低圧側端子77、及び第1のダイオード75a及び第2のダイオード75bを有している。
【0033】
そして、モード切替スイッチ61は、高圧側端子76に接続された可動接点62、及び固定接点63a,63bを有している。そして、可動接点62は、固定接点63aまたは固定接点63bとの接続を手動にて任意に切り替えることができるようになっている。そして、固定接点63aが出力ポート73aに接続されている。
【0034】
また、上昇用スイッチ70は、上昇用釦66、入力端子67a及び出力端子68aを有し、下降用スイッチ71は、下降用釦69、入力端子67b及び出力端子68bを有している。
そして、固定接点63bが、入力端子67a,67bのそれぞれに接続されている。さらに、出力端子68aが、一方の上昇用接点51aに接続され、また、出力端子68bが、一方の下降用接点56aに接続されている。
【0035】
そして、上昇用釦66が押されると入力端子67aと出力端子68aが接続され、下降用釦69が押されると入力端子67bと出力端子68bが接続されるようになっている。
さらに、他方の上昇用接点51bが出力ポート73bに接続され、他方の下降用接点56bは出力ポート73cに接続されている。
【0036】
また、出力ポート73a〜73cは、それぞれエレベータ制御盤10に設けられた別々の入力ポート(図示せず)に接続されている。これにより、前述したエレベータ制御盤10のCPUは、出力ポート73a〜73cに印加される電圧の状態を判断することが出来るようになっている。
【0037】
また、第1のダイオード75aのアノード側が、出力端子68aと上昇用接点51aとの間に接続され、第2のダイオード75bのアノード側が出力端子68bと下降用接点56aとの間に接続されている。
出力端子68aと上昇用接点51aとの間に接続され、第2のダイオード75bのアノード側が出力端子68bと下降用接点56aとの間に接続されている。そして、第1のダイオード75a及び第2のダイオード75bのカソード側は短絡された後、リレーコイル43の一端に接続されている。また、リレーコイル43の他端は電源の低圧側端子77に接続されている。
【0038】
従って、出力端子68a及び出力端子68bのそれぞれは、第1のダイオード75a及び第2のダイオード75bのそれぞれを介してリレーコイル43の一端に接続されているので、上昇用スイッチ70及び下降用スイッチ71のそれぞれは、上昇用釦66及び下降用釦69のそれぞれを用いてリレーコイル43への通電のON/OFFを切り替えることができるようになっている。
【0039】
上記のように構成されたかご保持装置15において、リレーコイル43が通電されていないときは、可動鉄板35の長手方向の他端側がコイルばね40の付勢力により上方に引き上げられる。これにより、可動鉄板35は、第2の支持面30cとの接点を支点として長手方向の他端側が第1の支持面27cに当接するまで回動する。そして、可動鉄板35はコイルばね40の付勢力によって、図3に示されるように、第1の支持面27cと第2の支持面30cとに当接して、かごガイドレール7aに向かって下方に傾斜した保守作業モード位置に安定保持される。
【0040】
このとき、回動部材45a,45bは、浮かせ部材34a,34bの最も突出した部位より下方の部位に当接している。これにより、回動部材45a,45bは、板ばね47a,47bの付勢力により回動し、その他端側がかごガイドレール7aに向かって接近するように傾斜している。このとき、保持部材46の外周面の凸部がかごガイドレール7aに押圧状態に接するようになっている。即ち、浮かせ部材34a,34bは、可動鉄板35が保守作業モード位置で保持された状態では、板ばね47a,47bの付勢力により保持部材46をかごガイドレール7aに当接させるように回動部材45a,45bを軸周りに回動させるように構成されている。なお、保持部材46の外周面の凸部は、基台17の側壁面17aから所定の距離だけ離反されている。
【0041】
また、可動鉄板35が保守作業モード位置にあるときには、接点接続部材52a,52bのそれぞれは、上昇用接点51a,51b及び下降用接点56a,56bのそれぞれから所定の距離だけ離間した位置にある。
【0042】
また、可動鉄板35が保守作業モード位置にあるときにかご4が上昇すると、可動鉄板35も上昇するが、保持部材46の外周面の凸部とかごガイドレール7aとの間には摩擦力が働いているので、保持部材46はかご4に連動せずに同じ場所に留まる。このため、保持部材46に回動部材45a,45bを介して接続された可動鉄板35の長手方向の一端側が下方に引っ張られる。
従って、保持部材46とかごガイドレール7aとの間の摩擦力により、可動鉄板35がコイルばね40の付勢力に抗して、第1の支持面27cを支点として、第2の支持面30cから離反するように回動する。
【0043】
このとき、基台17がかご4とともに上昇するにつれて、側壁面17aも上方に移動する。側壁面17aは、下方に向かうにつれてかごガイドレール7aとの間の距離が漸次短くなるように傾斜しているので、保持部材46は、図7に示されるように、かご4が微小距離上昇しただけで、かごガイドレール7aと傾斜壁面17aとの間に食い込む。これにより、かご4の自走による上昇は速やかに停止する。
【0044】
また、可動鉄板35が保守作業モード位置にあるときに、リレーコイル43に通電すると、電磁石41は、可動鉄板35の長手方向の一端側を引き上げるように付勢する電磁力を発生する。即ち、電磁石41は、コイルばね40の付勢力に抗して可動鉄板35と第2の支持面30cとの接点を支点として可動鉄板35の他端側を第1の支持面27cから下方に離反させるように可動鉄板35を回動させる電磁力を発生する。そして、可動鉄板35の回動は、図8に示されるように、鉄心42の下端面に当接したところで停止されて、可動鉄板35は第1の支持面27cから離反したかかご昇降許可位置で電磁石41の吸引力により保持される。
【0045】
また、回動部材45a,45bと浮かせ部材34a,34bとの接点は、可動鉄板35の長手方向の一端側の上昇に連動して回動部材45a,45bが上昇するにつれ、浮かせ部材34a,34bが最も突出する部位に向けて徐々に移動する。このため、回動部材45a,45bの他端側は、板ばね47a,47bの付勢力に抗してかごガイドレール7aから離反するように回動する。
【0046】
即ち、浮かせ部材34a,34bは、可動鉄板35がかご昇降許可位置に保持された状態では、板ばね47a,47bの付勢力に抗して保持部材46をかごガイドレール7aから離反させるように回動部材45a,45bを軸周りに回動させるようになっている。可動鉄板35がかご昇降許可位置に保持されると同時に、可動鉄板35に連動して上昇した接点接続部材52a,52bのそれぞれが、上昇用接点51a,51b及び下降用接点56a,56bのそれぞれに接触するようになっている。
【0047】
次いで、かご保持装置15の全体動作について説明する。
かご保持装置15の本体部16は、保守員がかご4上で保守作業を行うときに設置すればよい。即ち、保守員がかご4上での保守作業を行うときに、基台17をその凹部18でかごガイドレール7aを囲むように、かご4の上部外壁面に強固に固定する。なお、本体部16の他の構成は、予め基台17に取り付けておいてもよいし、基台17をかご4の上部外壁面に設置した後に基台17に取り付けてもよい。
さらに、モード切替スイッチ61の可動接点62を、固定接点63bに接続するように切り替える。
なお、可動接点62が固定接点63aに接続されている場合には、出力ポート73aに電圧が印加され、エレベータ制御盤10は、出力ポート73aに電圧が印加されたと判断すると、通常のかご4の昇降運転を行うようになっている。
【0048】
可動接点62が固定接点63bに接続されても、上昇用釦66及び下降用釦69が共に押されていないときにはリレーコイル43は通電されていない。このとき、可動鉄板35の他端側が、コイルばね40の付勢力によって引き上げられ、前述の説明のように可動鉄板35が、図3に示される保守作業モード位置に配置され、保持部材46がかごガイドレール7aに当接する。
【0049】
この状態で、前述のかご4を停止させるブレーキが故障したり、メインロープ8と駆動綱車6との間の摩擦力が低下したりするとかご4は自走し始める。
ここで、つり合いおもり9の質量は、かご4の質量及びかご4に配設された各種機器の質量を合わせたものに、かご4の定格積載量の半分の質量を加えた値に調整されることが一般的である。従って、保守作業時には、かご4内に乗客はいないので、かご4の質量、かご4に配設された各種機器の質量、及び保守作業を行う保守員の質量の総和は、つり合いおもり9の質量より小さい。従って、かご4が保守作業時に自走するときは、昇降路3の頂部に向けて上方に自走する。
【0050】
上述したように、可動鉄板35が保守作業モード位置にあるときにかご4が上昇しても、摩擦力が保持部材46の外周面の凸部がとかごガイドレール7aとの間に働いているので、保持部材46は同じ場所に留まる。そして、保持部材46は、図7に示されるように、かご4が微小距離上昇しただけで、かごガイドレール7aと傾斜壁面17aとの間に食い込むので、かご4の自走による上昇は速やかに停止される。
【0051】
また、可動鉄板35が、図3に示した保守作業モード位置にあるときに保守運転制御盤60の上昇用釦66及び下降用釦69のいずれか一方が押されると、リレーコイル43に通電する。上述したように、リレーコイル43に通電すると同時に、電磁力がコイルばね40の付勢力に抗して第2の支持面30cを支点として可動鉄板35の他端側を第1の支持面27cから下方に離反させるように発生する。また、回動部材45a,45bは、その他端側が可動鉄板35の長手方向の一端側の上昇に連動してかごガイドレール7aから離反されるように回動する。そして、回動部材45a,45bの回動は、可動鉄板35が図8に示されるかご昇降許可位置に移動したところで停止される。即ち、保守運転制御盤60により任意に電磁石41に通電して、可動鉄板35をかご昇降許可位置に保持させることができる。従って、かご4の昇降移動は、保持部材46により規制されなくなる。
【0052】
また、可動鉄板35がかご昇降許可位置に移動すると同時に、接点接続部材52a,52bのそれぞれが上昇用接点51a,51b及び下降用接点56a,56bに接触するので、図6からわかるように、上昇用釦66が押された場合には、出力ポート73bに電圧が印加される。即ち、上昇許可手段50は、上昇用釦66が押されたことにより可動鉄板35がかご昇降許可位置にむけて回動すると、上昇運転信号として出力ポート73bに印加された電圧をエレベータ制御盤10に送信するようになっている。
また、下降用釦69が押された場合には出力ポート73cに電圧が印加される。即ち、下降許可手段55は、下降用釦69が押されたことにより可動鉄板35がかご昇降許可位置にむけて回動すると、下降運転信号として出力ポート73cに印加された電圧をエレベータ制御盤10に送信するようになっている。
【0053】
そして、エレベータ制御盤10のCPUは、上昇運転信号を受信している間はかご4を上昇させ、下降運転信号を受信している間はかご4を下降させる。これにより、エレベータ制御盤10のCPUは、上昇用釦66及び下降用釦69が押されている間は、押された釦に応じてかご4を上昇または下降させるようになっている。
【0054】
そして、保守員はかご4が所望の高さ位置に配置されたところで上昇用釦66または下降用釦69を離せばリレーコイル43への通電が遮断される。このとき、可動鉄板35の他端側を第1の支持面27cから下方に離反させるように働いていた電磁力が消失し、可動鉄板35の他端側が、コイルばね40の付勢力によって引き上げられ、可動鉄板35が、図3に示される保守作業モード位置に再び配置され、保持部材46がかごガイドレール7aに当接する。
【0055】
一方、可動鉄板35の一端側が下方に向かうので、接点接続部材52a,52bが上昇用接点51a,51b及び下降用接点56a,56bから離反される。これにより、出力ポート73bまたは73cに印加されていた電圧が遮断され、エレベータ制御盤10のCPUは、上昇用釦66または下降用釦69の押圧が解除されたと判断してかご4の昇降移動を停止するようになっている。
【0056】
この実施の形態によれば、保守作業時に、保持部材46がかごガイドレール7aと基台17の側壁面17aとの間に形成される楔状空間19に配置されるように、かご4上に本体部16を設置している。そして、保守員がかご4を停止して保守作業を行うときには、可動鉄板35が第1の支持面27cと第2の支持面30cとに当接した状態で保持される保守作業モード位置をとり、保守員がかご4を昇降移動させるときには、可動鉄板35は、その他端側が第2の支持面30cに当接し、かつ第1の支持面27cから離反するかご昇降許可位置で保持されるようになっている。
【0057】
そして、浮かせ部材34a,34bが、可動鉄板35が保守作業モード位置に保持された状態では、板ばね47a,47bの付勢力により保持部材46をかごガイドレール7aに当接させるように回動部材45a,45bを軸周りに回動させるように配設されている。これとともに、浮かせ部材34a,34bは、可動鉄板35がかご昇降許可位置に保持された状態では、板ばね47a,47bの付勢力に抗して保持部材46をかごガイドレール7aから離反させるように、回動部材45a,45bを軸まわり回動させるように配設されている。
【0058】
これにより、万一、かご4が保守員による保守作業中に自走によって上昇したときには、保持部材46がかごガイドレール7aと基台17の側壁面17aとの間に食い込まれるので、かご4の自走による上昇を速やかに停止することができる。
また、保守員が上昇用釦66および下降用釦69のいずれか一方を押したときに、可動鉄板35が保守作業モード位置からかご昇降許可位置に強制的に移動され、エレベータ制御盤10がかご4を昇降させるようになっている。従って、エレベータ1の保守作業時にかご4を昇降移動させる際、保守員が保持部材46を引き抜いたりする手間が省けるので、保守作業にかかる労力を軽減することができる。
【0059】
なお、上記実施の形態では、保持部材46の外周面はのこぎり状に形成されるものとして説明したが、保持部材46の外周面はのこぎり状に形成されるものに限定されない。保持部材46の外周面がかごガイドレール7aに押圧状態に接したときに十分な摩擦力があり、保持部材46がかご4の上昇に連動して移動しないものであれば、保持部材46の外周形状は平坦なものなどでもよい。また、保持部材46が、かごガイドレール7aに押圧状態に接したときに十分な摩擦力があり、保持部材46がかご4の上昇に連動して移動しないものであれば、保持部材46は円柱状に形成する必要はなく、楔型などでもよい。
【0060】
また、かごガイドレール7a,7bは長手方向を鉛直方向に一致させて設置するものとして説明したが、かごガイドレール7a,7bの長手方向は鉛直方向に一致させるものに限定されず、鉛直方向から所定角度傾くように設置されたかごガイドレール7a,7bに対しても本発明を適用できる。
【0061】
第1の弾性部材はコイルばね40であるものとして説明したが、第1の弾性部材はコイルばね40であるものに限定されず、板ばねを用いてもよい。
また第2の弾性部材は、板ばね47a,47bであるものとして説明したが、第2の弾性部材は、板ばね47a,47bであるものに限定されず、コイルばねなどであってもよい。
【0062】
また、電磁石41は、鉄心42の下端面が可動鉄板35の上面と相対するように配置されて、通電したときに可動鉄板35の一端側を引き上げる電磁力を発生するものとして説明したが、電磁石41は、鉄心42の上端面が可動鉄板35の下面と相対するように基台17上に配設されているものでもよい。このとき、電磁石41は、通電したときに可動鉄板35の一端側を鉄心42と離反させる方向に向かわせる電磁力を発生させるように構成すればよい。
【0063】
また、上記実施の形態では、可動部材は磁性材料の鉄により形成された可動鉄板35であるものとして説明したが、可動部材は可動鉄板35を用いるものに限定されない。可動部材には、ニッケルなどの他の磁性材料を用いて形成したものや、可動鉄板35と同様の形状を有する非磁性体に対し、電磁石41との間に電磁力が働くように永久磁石を部分的に固定したものなどを用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】この発明に係るかご保持装置が配設されたエレベータの模式図である。
【図2】図1のII−II矢視断面図である。
【図3】図2のA部拡大断面図である。
【図4】図3のB方向から見た正面図である。
【図5】図3のV−V矢視断面図である。
【図6】この発明に係るかご保持装置のシステム構成図である。
【図7】この発明に係るかご保持装置の断面図である。
【図8】この発明に係るかご保持装置の断面図である。
【符号の説明】
【0065】
4 かご、7a,7b かごガイドレール、10 エレベータ制御盤、15 かご保持装置、17 基台、17a 側壁面(傾斜壁面)、19 楔状空間、27 第1のガイド部材、27c 第1の支持面、30 第2のガイド部材、30c 第2の支持面、34a,34b 浮かせ部材、35 可動鉄板(可動部材)、40 コイルばね(第1の弾性部材)、41 電磁石、45a,45b 回動部材、46 保持部材、47a,47b 板ばね(第2の弾性部材)、50 上昇許可手段、55 下降許可手段、60 保守運転制御盤、70 上昇用スイッチ、71 下降用スイッチ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
かごの上部に着脱自在に配設され、かごガイドレールとの間に上方から下方に向かって漸次狭くなる楔状空間を形成する傾斜壁面を有する基台と、
上記かごガイドレールと離反する方向に上記楔状空間から第1の距離離れた位置に、かつ上記基台から上方に第1の高さの位置に、下方に向けて配置された水平な第1の支持面を有する第1のガイド部材と、
上記第1の支持面から上記楔状空間側に第2の距離近づいた位置に、かつ上記基台から上方に上記第1の高さ位置より低い第2の高さの位置に、下方に向けて配置された水平な第2の支持面を有する第2のガイド部材と、
一端が上記楔状空間上に位置し、他端側が上記第1の支持面及び第2の支持面に係合可能に配設された可動部材と、
上記可動部材の他端側を上記第1の支持面及び第2の支持面に当接する方向に付勢するように配設され、上記可動部材の他端側が上記第1の支持面及び上記第2の支持面に当接する保持作業モード位置に該可動部材を保持する第1の弾性部材と、
上記第1の弾性部材の付勢力に抗して上記第2の支持面を支点として上記可動部材の他端側を上記第1の支持面から下方に離反させるように上記可動部材を回動させる電磁力を発生し、上記可動部材の他端側が上記第2の支持面に当接し、かつ上記第1の支持面から離反するかご昇降許可位置に該可動部材を保持する電磁石と、
一端が上記可動部材の一端に軸まわりに回動可能に取り付けられ、他端側が上記楔状空間に配置されて、該他端が上記軸周りの回動動作に連動して上記かごガイドレールと上記傾斜壁面との間を移動する回動部材と、
上記回動部材の他端に取り付けられた保持部材と、
上記回動部材と上記可動部材との間に配設され、上記保持部材を上記かごガイドレールに当接させる方向に上記回動部材を付勢する第2の弾性部材と、
上記可動部材が上記保守作業モード位置に保持された状態では、上記第2の弾性部材の付勢力により上記保持部材を上記かごガイドレールに当接させ、上記可動部材が上記かご昇降許可位置に保持された状態では、上記第2の弾性部材の付勢力に抗して上記保持部材を上記かごガイドレールから離反させるように、上記回動部材を上記軸まわりに回動させる浮かせ部材と、
上記電磁石に通電して電磁力を発生させて、上記可動部材を上記かご昇降許可位置に保持させる保守運転制御盤と、を備え、
上記可動部材が上記保守作業モード位置に保持された状態で上記かごが上昇すると、上記第2の弾性部材の付勢力により当接する上記保持部材と上記かごガイドレールとの間の摩擦力により、上記可動部材が上記第1の弾性部材の付勢力に抗して上記第1の支持面を支点として、上記第2の支持面から離反するように回動し、上記保持部材が上記かごガイドレールと上記傾斜壁面との間に食い込み、上記かごの上昇を停止させるように構成されている
ことを特徴とするエレベータのかご保持装置。
【請求項2】
上記電磁石への通電のON/OFFをそれぞれ切替可能に配設された上昇用スイッチ及び下降用スイッチと、
上記上昇用スイッチによって上記電磁石への通電がONに切り替えられたときに上記かごの昇降を制御するエレベータ制御盤に上記かごの上昇運転信号を送信する上昇許可手段と、
上記下降用スイッチによって上記電磁石への通電がONに切り替えられたときに上記エレベータ制御盤に上記かごの下降運転信号を送信する下降許可手段と、
を備えることを特徴とする請求項1記載のエレベータのかご保持装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−67492(P2009−67492A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−235145(P2007−235145)
【出願日】平成19年9月11日(2007.9.11)
【出願人】(000236056)三菱電機ビルテクノサービス株式会社 (1,792)
【Fターム(参考)】