説明

エレベータシステム

【課題】人手を掛けずにエレベータの利便性を向上させることを実現したエレベータシステムを提供する。
【解決手段】複数階の建物に設けられ、各階において人や物資を乗降させて、各階を移動させるエレベータ50と、各階のエレベータホール40に設けられ、利用者による操作パネル30の操作によって、エレベータ50をエレベータホール40に移動させる指示入力を行う呼び装置12と、各階の呼び装置12からの指示入力の有無を監視し、指示入力があった呼び装置12に対応する階にエレベータ50を移動させる制御を行う駆動制御装置55とを備えたエレベータシステム1において、所定階のエレベータホール40近傍の部屋に、当該部屋にいる人を検知する人感センサ10と、人感センサ10の出力から部屋に人がいるか否かを判定し、部屋に人がいると判定した場合に呼び装置12を自動制御して指示入力を発生させるコントローラ20を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数階の建物に設けられ、エレベータを昇降させるエレベータシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数階の建物における各階毎の移動手段として、従来より、エレベータが用いられている。エレベータには、高い利便性が要求されており、その要求に応えるために、様々な提案がなされている。
【0003】
例えば、特定時間帯だけ、所定階のエレベータホールにおけるボタン操作を禁止して、それ以外の階で乗降できるようにするという、エレベータ呼び禁止機能が知られている。
【0004】
このようなエレベータ呼び禁止機能を有するエレベータシステムについて、特許文献1には、エレベータ付近の映像を管理室のテレビモニタに映し出すことで、管理者によるエレベータ呼び禁止機能の解除を受け付けるエレベータシステムが開示されている。このエレベータシステムによれば、エレベータ付近に乗客センサを設け、エレベータ呼びが禁止されている時間帯にエレベータ付近に訪れた乗客を乗客センサが感知すると、テレビカメラが自動的に作動するとともに、その映像を管理室のテレビモニタに映し出す。そして、管理者はテレビモニタの内容を判断し、乗客であればエレベータ呼び禁止を解除する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−278956号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
発電所施設において業務に従事する施設員は、出社後、更衣室で作業着に着替えてから、各自の作業場所に移動する。ここで、作業場所が複数階の建物の上階にある場合には、施設員はエレベータを利用して上階に移動する。
【0007】
例えば、更衣室が1階にあり、作業場が3階にある場合、施設員は、着替え終了後、更衣室から1階のエレベータホールに移動して、ボタン操作を行ってエレベータを呼び、エレベータに乗って3階に移動する。
【0008】
この場合、3階に到着したエレベータは、他の階のエレベータホールでボタン操作がされてなければそのまま3階に待機することになる。このため、施設員が、更衣室から1階のエレベータホールに移動した時点で、エレベータは3階に停止している可能性が高くなる。その結果、施設員は、1階の利用ボタンを押した後に、エレベータが1階に降りてくるまで暫く待ってから、エレベータに乗り込んで上階に移動する。
【0009】
しかし、出勤時間帯において施設員は、次々と更衣室に入って作業着に着替えた上で1階から3階にエレベータで移動する。この際、3階に停止したエレベータは、次の施設員が1階のエレベータホールでボタン操作することによって1階に降りてくるため、次に来た施設員も1階でしばらくの間エレベータの到着を待つことになる。
【0010】
ところで、作業着に着替えた施設員にとっては、1階のエレベータホールに移動した時点で、1階にエレベータが待機しているのが最も好ましい状態である。そこで、更衣室とエレベータとを管理する管理人をおいて、エレベータを遠隔操作させることが考えられるが、管理人をおくことはそれだけ人件費がかかるため、コスト高になるおそれがある。
【0011】
本発明は、このような問題点を解決し、人手を掛けずにエレベータの利便性を向上させることを実現したエレベータシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記目的を達成するため、本発明は、次に記載する構成を備えている。
【0013】
(1) 複数階の建物に設けられ、各階において人や物資を乗降させて、各階を移動させるエレベータと、各階のエレベータホールに設けられ、利用者による操作パネルの操作によって、前記エレベータを前記エレベータホールに移動させる指示入力を発生させる呼び装置と、各階の前記呼び装置からの指示入力の有無を監視し、指示入力があった前記呼び装置に対応する階に前記エレベータを移動させる制御を行う駆動制御装置とを備えたエレベータシステムにおいて、所定階のエレベータホール近傍の部屋に、当該部屋にいる人を検知する検知手段と、前記検知手段の出力から前記部屋に人がいるか否かを判定する在室判定手段と、当該在室判定手段が、前記部屋に人がいると判定した場合に前記呼び装置を自動制御して指示入力を発生させる呼び制御手段とを備えたことを特徴とするエレベータシステム。
【0014】
(1)によれば、エレベータホール近傍の部屋(例えば、更衣室)に、人(例えば、発電所の施設員)が在室している場合に、呼び装置を自動制御して、操作パネルを操作した場合に発生する指示入力と同じ指示入力を発生させ、その部屋の階にエレベータを自動的に移動させておく。これにより、部屋を出た人が、エレベータをあまり待つことがなく、早めにエレベータに乗り込み、目的の階に移動することが可能となる。このように、人手を掛けずにエレベータの利便性を向上させることが可能となる。
【0015】
(2) (1)において、現在時刻が予め設定された時間帯にあるか否かを判定する時間帯判定手段を備え、前記在室判定手段は、現在時刻が第1時間帯にあると前記時間帯判定手段が判定した場合に、前記部屋に人がいるか否かの判定を行うことを特徴とするエレベータシステム。
【0016】
(2)によれば、例えば、部屋の利用が多い時間帯(例えば、出勤時間帯)を第1時間帯とし、この第1時間帯において、部屋(例えば、更衣室)に、人(例えば、発電所の施設員)が在室している場合に、呼び装置を自動制御して指示入力を発生させ、部屋の階にエレベータを自動的に移動させておく。これにより、エレベータの利便性を向上させることが可能となる。
【0017】
(3) (2)において、前記検知手段は、前記部屋の入口に設けられ、前記入口を人が通ったことを検知する第1センサと、前記部屋の出口に設けられ、前記出口を人が通ったことを検知する第2センサと、前記第1センサが前記入口を人が通ったことを検知した場合に計時を開始し、前記第2センサが前記出口を人が通ったことを検知した場合に計時を停止するタイマ手段とを備え、前記呼び制御手段は、現在時刻が前記第1時間帯とは異なる第2時間帯にあると、時間帯判定手段が判定し、かつ前記タイマ手段の計時値が所定時間以内の場合に、前記呼び装置を自動制御して指示入力を発生させることを特徴とするエレベータシステム。
【0018】
(3)によれば、入口から部屋(例えば、更衣室)に入って所定時間内に出口から出た人(例えば、発電所の施設員)は、エレベータを利用する可能性が高いと推定して、呼び装置を自動制御して指示入力を発生させる。これにより、エレベータを部屋の階に自動的に移動させておくことが可能になり、エレベータの利便性を向上させることが可能となる。
【0019】
(4) (1)において、前記検知手段は、前記部屋の映像を取得する映像取得部を備え、当該映像取得部が取得した映像を解析して、前記部屋の中にいる人の着衣の色情報を求める映像解析手段を備え、前記在室判定手段は、前記映像解析手段が求めた色情報が所定の色情報であるか否かを判定し、前記呼び制御手段は、前記在室判定手段が、特定の色であると判定した場合に前記呼び装置を制御して指示入力を発生させることを特徴とするエレベータシステム。
【0020】
(4)によれば、例えば、部屋が、作業着に着替える更衣室である場合には、作業着を着ている人はエレベータを利用する可能性が高く、作業着を着ていない人はエレベータを利用する可能性が低いと推定することができる。そこで、映像解析手段が作業着の色の識別を行い、映像解析手段が識別した色と作業着の色とが同じ場合に、呼び装置を自動制御して指示入力を発生させる。これにより、エレベータを部屋の階に自動的に移動させておくことにより、エレベータの利便性を向上させることが可能となる。
【0021】
(5) (4)において、現在時刻が予め設定された時間帯にあるか否かを判定する時間帯判定手段を備え、前記呼び制御手段は、現在時刻が第1時間帯にあると前記時間帯判定手段が判定し、かつ前記在室判定手段が、前記部屋に人がいると判定した場合に、前記呼び装置を自動制御して指示入力を出力させ、前記時間帯判定手段が、現在時刻が前記第1時間帯とは異なる第2時間帯にあると判定し、かつ前記在室判定手段が、前記部屋の人の着衣の色が特定の色であると判定した場合に、前記呼び装置を自動制御して指示入力を発生させることを特徴とするエレベータシステム。
【0022】
(5)によれば、例えば、出勤時間帯のように部屋(例えば、更衣室)への人の出入りが多い第1時間帯においては、部屋の中にエレベータを利用する人が多いことから、部屋に人がいる場合にはエレベータを部屋の階に移動させておくようにする。また、例えば、業務時間帯のように部屋への人の出入りが少ない第1時間帯においては、作業着を着ている人であれば、呼び装置を自動制御して指示入力を発生させ、エレベータを部屋の階に移動させておく。このように、部屋の利用状況に合わせて、必要にエレベータを部屋の階に移動させておくことが可能になり、エレベータの利便性を向上させることが可能となる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、人手を掛けずにエレベータの利便性を向上させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第1実施形態におけるエレベータシステムの概要を示す説明図である。
【図2】本発明の第1実施形態におけるエレベータシステムの制御系を示すブロック図である。
【図3】コントローラにおいて実行される運転切換処理を示すフローチャートである。
【図4】建物の1階における更衣室やエレベータホールの配置例を示すフロア図である。
【図5】本発明の第2実施形態におけるエレベータシステムの制御系を示すブロック図である。
【図6】本発明の第2実施形態におけるエレベータシステムの概要を示すフロア図である。
【図7】第2実施形態に係るコントローラにおいて実行される運転切換処理を示すフローチャートである。
【図8】図7に示す運転切換処理において実行されるサブルーチンを示すフローチャートである。
【図9】本発明の第3実施形態におけるエレベータシステムの制御系を示すブロック図である。
【図10】第3実施形態に係るコントローラにおいて実行される運転切換処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0026】
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態におけるエレベータシステムの概要を示す説明図である。エレベータシステム1は、検知手段に相当する人感センサ10、呼び装置12及びエレベータ50を備えている。
【0027】
エレベータ50は、発電所施設における複数階の建物に設けられ、発電所施設の施設員や物資を乗降させて、各階を移動させるものである。なお、本実施形態においては、最下階が1階で最上階が5階の5階建ての建物にエレベータ50が設置されている場合を例として説明する。
【0028】
人感センサ10は、更衣室100に設けられ、更衣室100内にいる人を検知するものである。人感センサ10としては、例えば、周囲の温度変化を感知して検知信号を出力するPIR(Passive Infra Red)センサが適用可能である。
【0029】
呼び装置12は、エレベータ50を呼ぶためのものであり、建物の各階に備えられている。本実施形態においては、1階のエレベータホール40に設けた呼び装置12にのみ、操作パネル30及びコントローラ20の両方が備えられており、他の階には、操作パネル30のみが備えられている。
【0030】
操作パネル30は、施設員あるいは施設の訪問者等の利用者によって操作可能な昇降ボタン32を備えている。施設員が、昇降ボタン32を押下することによって、指示入力が発生して、エレベータ50の駆動制御装置55に送信される。駆動制御装置55は、指示入力を受信するとエレベータ50の駆動装置(図示せず)を作動させ、指示入力が送信された階にエレベータ50を移動させる制御を行う。このように、施設員による操作パネル30による指示入力が行われた階のエレベータホール40に、エレベータ50を呼ぶことができる。また、昇降ボタン32は、内部に電気的な発光部材(例えば、豆電球)を備えており、昇降ボタン32を押下することによって発光部材が点灯する。このため、発光部材の点灯状態によって、昇降ボタン32が押下されたか否かが識別可能になる。なお、昇降ボタン32には、昇りボタンと降りボタンとがあり、1階の操作パネル30には昇りボタンのみが備えられており、5階の操作パネル30には降りボタンのみが備えられており、2階から4階までの操作パネル30には、昇りボタンと降りボタンが備えられている。また、昇降ボタン32に備えた発光部材は、昇降ボタン32の押下によって発光した後、エレベータ50がエレベータホール40に到着して時点で消灯する。
【0031】
コントローラ20は、施設員による操作パネル30の操作によらず、自動的にエレベータ50を呼ぶためのものである。詳細については後述するが、コントローラ20は、人感センサ10が更衣室100に人がいることを検知した場合に、指示入力を駆動制御装置55に送信するように呼び装置12を自動制御する。この時、駆動制御装置55は、施設員が操作パネル30を操作することによって呼び装置12から送信される指示入力と、コントローラ20による制御によって呼び装置12から送信される指示入力とを、同一の信号として認識する。
【0032】
図2は、本発明の第1実施形態におけるエレベータシステムの制御系を示すブロック図である。エレベータ50は、駆動制御装置55による制御によって、昇降、停止、扉の開閉等の動作が行われる。駆動制御装置55には、各階に備えた呼び装置12が接続されている。なお、各階の呼び装置12において、1Fの呼び装置12を1F呼び装置12a、2Fの呼び装置12を2F呼び装置12b、3Fの呼び装置12を3F呼び装置12c、4Fの呼び装置12を4F呼び装置12d、5Fの呼び装置12を5F呼び装置12eと称する。
【0033】
1F呼び装置12aは、昇降ボタン32とコントローラ20を備えている。コントローラ20は、CPU22、RAM24、インターフェース26及び時計28を備えている。CPU22には、RAM24、インターフェース26及び時計28が接続されている。また、インターフェース26には、人感センサ10が接続されている。
【0034】
CPU22は、コントローラ20全体を制御するものであり、在室判定手段、呼び制御手段及び時間帯制御手段として機能する。
【0035】
在室判定手段(CPU22)は、人感センサ10から出力された検知信号に基づいて、更衣室100に人がいるか否かを判定する。具体的には、人感センサ10から出力された検知信号を受信した場合に、更衣室100に人がいると判定し、人感センサ10から検知信号を受信しない場合に、更衣室100に人がいないと判定する。
【0036】
呼び制御手段(CPU22)は、在室判定手段(CPU22)が、更衣室100に人がいると判定した場合に、昇降ボタン32を押した場合と同じ指示入力を駆動制御装置55に送信させるものである。
【0037】
具体的に、呼び装置12aには、昇降ボタン32を押下することによって導通状態となり、昇降ボタン32の押下状態を解除することによって、非導通状態となる2つの接点が備えられている。そして、昇降ボタン32を押下、押下解除することによって生成されるオン、オフ信号が指示入力として駆動制御装置55に送信される。また、この2つの接点間にスイッチング素子が接続されており、このスイッチング素子に、呼び制御手段(CPU22)の制御によって電圧が印加されることによってスイッチング素子がオンオフする。これにより、昇降ボタン32を押した場合と同じ指示入力が駆動制御装置55に送信される。
【0038】
時間帯制御手段(CPU22)は、予め設定された時間帯において、在室判定手段(CPU22)及び呼び制御手段(CPU22)の機能を実行させるものである。
【0039】
また、RAM24には、人感センサ10を作動させ、人を感知する感知状態にする時間帯が記憶されている。具体的に、時間帯として朝の出勤時間帯、例えば、午前9時が始業時間の場合には、午前8時〜午前9時30分までが記憶される。
【0040】
インターフェース26は、コントローラ20と外部機器とを送受信可能に接続するものである。人感センサ10とコントローラ20とは、インターフェース26を介して有線又は無線接続されている。
【0041】
時計28は、現在の時刻を計時するものである。時間帯制御手段(CPU22)は、時計28が計数している現在時刻が、RAM24に記憶されている出勤時間帯の範囲内である場合に、在室判定手段及び呼び制御手段の機能を実行させ、出勤時間帯の範囲外の場合には、在室判定手段及び呼び制御手段の機能を停止させる。すなわち、RAM24に記憶されている出勤時間帯以外の時間帯においては、通常通り、昇降ボタン32を押下して、エレベータ50を呼ぶことになる。
【0042】
また、時間帯制御手段(CPU22)は、時計28が計数している現在時刻がRAM24に記憶されている出勤時間帯の開始時刻に到達した場合には、人感センサ10に検出モードを開始させる信号を送信する制御を行う。人感センサ10は、時間帯制御手段(CPU22)から検出モードを開始させる信号を受信した場合に、人感センサ10の状態を、更衣室100内の人を感知する検出モードに切り換える。さらに、時間帯制御手段(CPU22)は、時計28が計数している現在時刻がRAM24に記憶されている出勤時間帯の終了時刻に到達した場合には、人感センサ10に休止モードを開始させる信号を送信する制御を行う。人感センサ10は、時間帯制御手段(CPU22)から休止モードを開始させる信号を受信した場合に、人感センサ10の状態を、検出モードから更衣室100内の人の感知を休止する休止モードに切り換える。人感センサ10は、休止モードにおいて、更衣室100内の人の感知を実行しない。
【0043】
図3は、コントローラにおいて実行される運転切換処理を示すフローチャートである。コントローラ20のCPU22は、所定時間毎(例えば、5秒毎)に、図3に示す運転切換処理を実行する。
【0044】
まず、ステップS10において、CPU22は、時計28の計時値、すなわち現在時間が、RAM24に記憶されている出勤時間帯の範囲内であるか否かを判定し、範囲内であると判定した場合にはステップS12に処理を移す。範囲内であると判定しない場合にはステップS22に処理を移す。
【0045】
ステップS12において、CPU22は、人感センサ10が休止モードになっているか否かを判定し、休止モードになっていると判定した場合にはステップS14に処理を移す。休止モードになっていると判定しない場合にはステップS16に処理を移す。
【0046】
ステップS14において、CPU22は、人感センサ10に、検出モードを開始させる信号を送信する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS16に処理を移す。
【0047】
ステップS16において、CPU22は、人感センサ10の検知結果に基づいて、更衣室100に人がいるか否かを判定する処理を行う。具体的に、CPU22は、人感センサ10から検知信号を受信した場合に、更衣室100に人がいると判定し、人感センサ10から検知信号を受信しない場合に、更衣室100に人がいない判定する。更衣室100に人がいると判定した場合にはステップS18に処理を移す。更衣室100に人がいると判定しない場合には、運転切換処理を終了する。
【0048】
ステップS18において、CPU22は、エレベータ50が1階に停止中であるか否かを判定する処理を行う。エレベータ50が1階に停止中であると判定した場合には、運転切換処理を終了する。エレベータ50が1階に停止中であると判定しない場合には、ステップS20に処理を移す。
【0049】
ステップS20において、CPU22は、呼び装置12において指示入力を発生させ、駆動制御装置55に送信する処理を行う。また、CPU22は、昇降ボタン32に設けられている発光部材(例えば、豆電球)を発光させる処理を行う。この処理が終了した場合には、運転切換処理を終了する。
【0050】
ステップS22において、CPU22は、人感センサ10に、休止モードを開始させる信号を送信する処理を行う。人感センサ10は、休止モードを開始させる信号を受信することにより、検出モードから休止モードに切り換わり、更衣室100内の人の検知を休止する。この処理が終了した場合には、運転切換処理を終了する。
【0051】
このように、本実施形態によれば、RAM24に記憶されている出勤時間帯として、例えば、午前8時〜午前9時30分までが記憶されている場合には、午前8時〜午前9時30分までの間に、施設員が更衣室100に入室した場合に、自動的に1F呼び装置12aの昇降ボタン32が押下された場合と同じになり、エレベータ50が1階のエレベータホール40に移動する。そして、1階のエレベータホール40からエレベータ50に乗った施設員が、エレベータ50内に設けられた操作パネル(図示せず)を操作して、移動階を指定することにより、エレベータ50は指定された移動階(例えば、3F)に移動する。3Fにエレベータ50が移動した後、3階以外の他の階で操作パネル30が操作されておらず、かつ更衣室100に人がいる場合には、1F呼び装置12aから指示入力が発生しているため、3階のエレベータ50は1階に移動する。
【0052】
また、エレベータ50が1階に到着して停止状態にある場合には、コントローラ20は、人感センサ10から検知信号を受信したとしても、指示入力を発生しない。このため、例えば、エレベータ50の扉が開放状態から閉鎖状態に移行する間に、昇降ボタン32を押下すると、エレベータ50の扉は再び開放されるが、エレベータ50の扉が開放状態から閉鎖状態に移行する間に、コントローラ20が人感センサ10から検知信号を受信しても、エレベータ50の扉は閉鎖する。
【0053】
図4は、建物の1階における更衣室100やエレベータホールの配置例を示すフロア図である。建物の1階には中央部にエレベータ50が設置されており、このエレベータ50の側方にエレベータホール40が設けられている。また、屋外から直接出入り可能な領域に更衣室100が設けられている。更衣室100には、屋外から更衣室100内に又は更衣室100内から屋外に出入り可能な第1出入り口102と、更衣室100内から屋内通路106に又は屋内通路106から更衣室100内に出入り可能な第2出入り口104とが設けられている。屋内通路106はエレベータホール40に向かって延びており、施設員は、屋内通路106を通ってエレベータホール40に移動することが可能である。また、更衣室100の側方に、屋外から建物内に又は建物内から屋外に出入り可能な第3出入り口108が設けられている。
【0054】
施設員には、所定の業務を開始する前に、更衣室100で作業服に着替えることが義務付けられている。このため、朝の出勤時間帯において、多くの施設員が、第1出入り口102から更衣室100に入り、作業服に着替える。作業服に着替えた後に、施設員は、建物の階上で業務を行う場合には、エレベータ50を利用するかあるいは階段110を通って仕事場に移動する。屋外で業務を行う施設員は、第1出入り口102から屋外に移動する。あるいは、第2出入り口104から屋内通路106を通り、第3出入り口108から屋外に移動する。
【0055】
このように第1実施形態によれば、午前8時〜午前9時30分までの間に、施設員が更衣室100に入室した場合には、1F呼び装置12aから指示入力が発生して、上階のエレベータ50は1階に移動する。この場合、施設員が更衣室100に第1出入り口102から入って第1出入り口102から出たり、エレベータ50で1階に降りてきた施設員が屋内通路106を通り、第2出入り口104から更衣室100に入室したりした場合のように、エレベータ50を利用しない場合であっても、エレベータ50は1階に移動するようになる。しかし、第1実施形態においては、多くの施設員が、更衣室100を利用して作業着に着替え、エレベータ50を利用して建物の階上に移動することから、エレベータ50を利用しない施設員を人感センサ10が検知することによって、エレベータ50が1階に移動したとしても、エレベータ50を利用する施設員が更衣室100に在室している可能性が高い。このため、エレベータ50を無駄に移動させる結果となることはほとんどない。
【0056】
[第2実施形態]
次に記載する第2実施形態は、出勤時間帯(午前8時〜午前9時30分)以外の時間帯において、更衣室100に入室した施設員が、エレベータホール40に移動する可能性が高い施設員であるとコントローラ20が判定した場合に、エレベータ50を1階に移動させておくものである。
【0057】
図5は、本発明の第2実施形態におけるエレベータシステムの制御系を示すブロック図である。図6は、本発明の第2実施形態におけるエレベータシステムの概要を示す説明図である。なお、図1、図2に示す第1実施形態における部材と同一の部材又は同一機能の部材については、同一の符号を付して、詳細な説明は省略する。第2実施形態のエレベータシステム1は、第1実施形態におけるエレベータシステム1に対して、さらに第1通過センサ60及び第2通過センサ62を更衣室100に設置したものである。
【0058】
第1通過センサ60は、更衣室100における第1出入り口102の近傍に設けられており、第1出入り口102を通過した人を検知するものである。第2通過センサ62は、更衣室100における第2出入り口104の近傍に設けられており、第2出入り口104を通過した人を検知するものである。なお、第1通過センサ60及び第2通過センサ62は、人感センサ10のようにPIRセンサを適用してもよいが、第1通過センサ60及び第2通過センサ62は施設員の通過を検知できればよいため、人感センサ10のように広いエリアを検知対象とするPIRセンサを用いる必要はない。また。第1通過センサ60及び第2通過センサ62は、PIRセンサでなくてもよい。
【0059】
第2実施形態のRAM24の所定の記憶領域には、CPU22が一定時間毎に1加算した値を記憶、更新することによってタイマとして機能させるタイマ領域がある。このRAM24によるタイマとしての機能がタイマ手段に相当する。また、RAM24には、出勤時間帯の他に業務時間帯が記憶されている。業務時間帯としては、例えば、午前9時半から午後4時までが設定されている。ここで、出勤時間帯は第1時間帯に相当し、業務時間帯は第2時間帯に相当する。
【0060】
図7は、第2実施形態に係るコントローラにおいて実行される運転切換処理を示すフローチャートである。コントローラ20のCPU22は、所定時間毎(例えば、5秒毎)に、図7に示す運転切換処理を実行する。
【0061】
図7に示す運転切換処理を開始してから、ステップS10〜ステップS22の処理は、図3に示す第1実施形態のフローチャートと同一であるため、説明は省略する。ステップS22の処理が終了した場合には、ステップS24の処理を移す。
【0062】
ステップS24において、CPU22は、業務時間帯運転切換処理を実行する。業務時間帯運転切換処理については、図8を用いて後述する。この処理が終了した場合には、運転切換処理を終了する。
【0063】
図8は、図7に示す運転切換処理において実行されるサブルーチンを示すフローチャートである。図7に示すステップS24において図7に示す業務時間帯運転切換処理が実行される。
【0064】
まず、ステップS30において、CPU22は、時計28の計時値、すなわち現在時間が、RAM24に記憶されている業務時間帯の範囲内であるか否かを判定し、範囲内であると判定した場合にはステップS32に処理を移す。範囲内であると判定しない場合にはステップS52に処理を移す。
【0065】
ステップS32において、CPU22は、第1通過センサ60及び第2通過センサ62が休止モードになっているか否かを判定する。ここで、休止モードとは、第1通過センサ60及び第2通過センサ62を施設員が通過しても、第1通過センサ60及び第2通過センサ62から検知信号が出力されないモードである。休止モードになっていると判定した場合にはステップS34に処理を移す。休止モードになっていると判定しない場合にはステップS36に処理を移す。
【0066】
ステップS34において、CPU22は、第1通過センサ60及び第2通過センサ62を検出モードにする処理を行う。ここで、検出モードとは、第1通過センサ60及び第2通過センサ62を施設員が通過した場合に、第1通過センサ60及び第2通過センサ62から検知信号が出力されるモードである。この処理が終了した場合には、ステップS36に処理を移す。
【0067】
ステップS36において、CPU22は、第1通過センサ60の検知結果に基づいて、第1出入り口102を人が通過したか否かを判定する処理を行う。第1出入り口102を人が通過したと判定した場合にはステップS38に処理を移す。第1出入り口102を人が通過したと判定しない場合には、ステップS40に処理を移す。
【0068】
ステップS38において、CPU22は、タイマを起動する処理を行う。具体的には、RAM24のタイマ領域に記憶されているカウント値を、一定時間毎に1加算した値に更新する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS40に処理を移す。
【0069】
ステップS40おいて、CPU22は、第2通過センサ62の検知結果に基づいて、第2出入り口104を人が通過したか否かを判定する処理を行う。第2出入り口104を人が通過したと判定した場合にはステップS42に処理を移す。第2出入り口104を人が通過したと判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
【0070】
ステップS42において、CPU22は、タイマを停止する処理を行う。具体的には、RAM24のタイマ領域に記憶されているカウント値の更新を停止する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS44に処理を移す。
【0071】
ステップS44において、CPU22は、タイマ値と設定値とを比較する処理を行う。設定値は、RAM24の所定領域に予め記憶された値であり、施設員が第1出入り口102から更衣室100に入室してから、作業着に着替えて第2出入り口104から更衣室100を出るまでの時間が記憶されている。CPU22は、タイマ値と設定値とを比較して、タイマ値が設定値より大きいと判定した場合に、ステップS46に処理を移す。タイマ値と設定値とを比較して、タイマ値が設定値より大きいと判定しない場合に、ステップS50に処理を移す。
【0072】
ステップS46において、CPU22は、エレベータ50が1階に停止中であるか否かを判定する処理を行う。エレベータ50が1階に停止中であると判定した場合には、ステップS50に処理を移す。エレベータ50が1階に停止中であると判定しない場合には、ステップS48に処理を移す。
【0073】
ステップS48において、CPU22は、呼び装置12において指示入力を発生させ、駆動制御装置55に送信する処理を行う。また、CPU22は、昇降ボタン32に設けられている発光部材(例えば、豆電球)を発光させる処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS50に処理を移す。
【0074】
ステップS50において、CPU22は、RAM24のタイマ領域に記憶されているカウント値をクリア(0を記憶)する処理を行う。この処理が終了した場合に、本サブルーチンを終了する。
【0075】
ステップS52において、CPU22は、第1通過センサ60及び第2通過センサ62を休止モードにする処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0076】
このように第2実施形態によれば、更衣室100の利用が少ない時間帯、例えば、出勤時間帯後の業務時間帯において、第1通過センサ60が施設員を検出してから、第2通過センサ62が施設員を検出するまでの時間を計測する。この計測時間が設定時間以上の場合には、施設員が更衣室100を通ってエレベータホール40に移動する可能性が高いと推定して、エレベータ50を1階に移動させておく。これにより、業務時間帯においても、施設員がエレベータ50まで移動した際に、エレベータ50を1階に到着した状態、あるいは1階に移動させている状態にすることが可能になるため、エレベータ50の利便性が向上する。
【0077】
[第3実施形態]
図9は、本発明の第3実施形態におけるエレベータシステムの制御系を示すブロック図である。なお、図1、図2に示す第1実施形態における部材と同一の部材又は同一機能の部材については、同一の符号を付して、詳細な説明は省略する。第3実施形態のエレベータシステム1は、図1、図2に示す第1実施形態におけるエレベータシステム1の人感センサ10に代わって、撮像カメラ70を更衣室100に設置したものである。
【0078】
また、コントローラ20のCPU22は、映像解析手段、在室判定手段、色情報判定手段、呼び制御手段、及び時間帯制御手段として機能する。
【0079】
映像解析手段(CPU22)は、撮像カメラ70の撮像データを解析し、更衣室100の映像において大きく動いている領域を検出し、この領域の色の分布を求めるものである。
【0080】
在室判定手段(CPU22)は、映像解析手段(CPU22)が更衣室100の映像に大きく動いている領域を検出した場合に、更衣室100に人がいると判定し、更衣室100の映像において動きが検出されない場合に、更衣室100に人がいないと判定するものである。
【0081】
色情報判定手段(CPU22)は、映像解析手段(CPU22)が求めた色分布の中に、特定の色が含まれているか否かを判定するものである。具体的に、特定の色として作業着の色が設定されている。したがって、色情報判定手段(CPU22)が、色分布の中に、特定の色が含まれていると判定することは、更衣室100に、作業着に着替えた施設員がいると判定することに相当する。
【0082】
呼び制御手段(CPU22)は、在室判定手段(CPU22)及び色情報判定手段(CPU22)の判定結果が所定条件を満たした場合に、昇降ボタン32を押した場合と同じ指示入力を駆動制御装置55に送信するように、呼び装置12aを制御するものである。
【0083】
時間帯制御手段(CPU22)は、予め設定された時間帯において、在室判定手段(CPU22)、色情報判定手段(CPU22)及び呼び制御手段(CPU22)の機能を実行させるものである。
【0084】
図10は、第3実施形態に係るコントローラにおいて実行される運転切換処理を示すフローチャートである。コントローラ20のCPU22は、所定時間毎(例えば、5秒毎)に、図10に示す運転切換処理を実行する。
【0085】
まず、ステップS60において、CPU22は、時計28の計時値、すなわち現在時間が、RAM24に記憶されている出勤時間帯の範囲内であるか否かを判定し、範囲内であると判定した場合にはステップS62に処理を移す。範囲内であると判定しない場合にはステップS70に処理を移す。
【0086】
ステップS62において、CPU22は、撮像カメラ70の撮像データを解析し、更衣室100内の動きを検出することにより、更衣室100に人がいるか否かを判定する処理を行う。具体的に、CPU22は、映像解析手段(CPU22)及び在室判定手段(CPU22)としての機能を実行し、撮像カメラ70の撮像データから大きな動きを検出した場合に、更衣室100に人がいると判定し、撮像カメラ70の撮像データから大きな動きを検出しない場合に、更衣室100に人がいないと判定する。更衣室100に人がいると判定した場合にはステップS64に処理を移す。更衣室100に人がいると判定しない場合には、運転切換処理を終了する。なお、ステップS62において、CPU22は、映像解析手段としての機能において、動いている映像の色の分布を解析する機能は実行しない。また、色情報判定手段としての機能は実行しない。
【0087】
ステップS64において、CPU22は、エレベータ50が1階に停止中であるか否かを判定する処理を行う。エレベータ50が1階に停止中であると判定した場合には、運転切換処理を終了する。エレベータ50が1階に停止中であると判定しない場合には、ステップS66に処理を移す。
【0088】
ステップS66において、CPU22は、呼び装置12において指示入力を発生させ、駆動制御装置55に送信する処理を行う。また、CPU22は、昇降ボタン32に設けられている発光部材(例えば、豆電球)を発光させる処理を行う。この処理が終了した場合には、運転切換処理を終了する。
【0089】
また、ステップS70において、CPU22は、時計28の計時値、すなわち現在時間が、RAM24に記憶されている業務時間帯の範囲内であるか否かを判定し、範囲内であると判定した場合にはステップS72に処理を移す。範囲内であると判定しない場合には運転切換処理を終了する。
【0090】
ステップS72において、CPU22は、撮像カメラ70の撮像データを解析し、更衣室100内の動きを検出することにより、更衣室100に人がいるか否かを判定する処理を行う。具体的に、CPU22は、映像解析手段(CPU22)及び在室判定手段(CPU22)としての機能を実行し、撮像カメラ70の撮像データから大きな動きを検出した場合に、更衣室100に人がいると判定し、撮像カメラ70の撮像データから大きな動きを検出しない場合に、更衣室100に人がいないと判定する。ステップS74に処理を移す。更衣室100に人がいると判定しない場合には運転切換処理を終了する。
【0091】
ステップS74において、CPU22は、施設員が作業着を着用しているか否かを判定する処理を行う。具体的に、CPU22は、映像解析手段(CPU22)及び色情報判定手段(CPU22)としての機能を実行し、撮像カメラ70の撮像データにおいて大きく動いた領域の色分布を求め、その色分布の中に作業着の色が含まれている場合には、施設員が作業着を着用していると判定する。色分布の中に作業着の色が含まれていない場合には、施設員が作業着を着用していないと判定する。施設員が作業着を着用していると判定した場合には、ステップS76に処理を移す。施設員が作業着を着用していると判定しない(作業着を着用していない)場合には運転切換処理を終了する。
【0092】
ステップS76において、CPU22は、エレベータ50が1階に停止中であるか否かを判定する処理を行う。エレベータ50が1階に停止中であると判定した場合には、運転切換処理を終了する。エレベータ50が1階に停止中であると判定しない場合には、ステップS78に処理を移す。
【0093】
ステップS78において、CPU22は、呼び装置12において指示入力を発生させ、駆動制御装置55に送信する処理を行う。また、CPU22は、昇降ボタン32に設けられている発光部材(例えば、豆電球)を発光させる処理を行う。この処理が終了した場合には、運転切換処理を終了する。
【0094】
このように第3実施形態によれば、出勤時間帯である午前8時〜午前9時30分までの間に、施設員が更衣室100に入室した場合には、1F呼び装置12aから指示入力が発生して、上階のエレベータ50は1階に移動する。これにより、出勤時間帯においては、施設員が更衣室100に在室している場合に、自動的にエレベータ50を1階に呼ぶことにより、施設員がエレベータホール40でエレベータ50を待っている時間を短縮させることができる。したがって、エレベータ50の利便性が向上する。
【0095】
また、業務時間帯である午前9時30分〜午後4時までの間に、更衣室100の中に作業着を着用した作業員がいる場合に、1F呼び装置12aから指示入力が発生し、上階のエレベータ50が1階に移動する。これにより、業務時間帯においては、更衣室100の中に作業着を着用した作業員が在室している場合に、施設員は更衣室100を通ってエレベータホール40に移動する可能性が高いとみなして、エレベータ50を1階に移動させておく。これにより、施設員がエレベータホール40でエレベータ50を待っている時間を短縮させることが可能となり、エレベータ50の利便性が向上する。
【0096】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限るものではない。例えば、上述した実施形態においては、出勤時間帯は午前8時〜午前9時30分、業務時間帯は午前9時30分〜午後4時に設定しているが、出勤時間帯及び業務時間帯は適宜設定可能である。また、コントローラ20のCPU22は、図3、図7及び10に示す運転切換処理は5秒毎に実行しているが、運転切換処理を実行するタイミングは適宜設定可能である。
【符号の説明】
【0097】
1 エレベータシステム
10 人感センサ
12、12a、12b、12c、12d、12e 呼び装置
20 コントローラ
22 CPU
24 RAM
26 インターフェース
28 時計
30 操作パネル
32 昇降ボタン
40 エレベータホール
50 エレベータ
55 駆動制御装置
60 第1通過センサ
62 第2通過センサ
70 撮像カメラ
100 更衣室
102 第1出入り口
104 第2出入り口
106 屋内通路
108 第3出入り口
110 階段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数階の建物に設けられ、各階において人や物資を乗降させて、各階を移動させるエレベータと、
各階のエレベータホールに設けられ、利用者による操作パネルの操作によって、前記エレベータを前記エレベータホールに移動させる指示入力を発生させる呼び装置と、
各階の前記呼び装置からの指示入力の有無を監視し、指示入力があった前記呼び装置に対応する階に前記エレベータを移動させる制御を行う駆動制御装置とを備えたエレベータシステムにおいて、
所定階のエレベータホール近傍の部屋に、当該部屋にいる人を検知する検知手段と、
前記検知手段の出力から前記部屋に人がいるか否かを判定する在室判定手段と、
当該在室判定手段が、前記部屋に人がいると判定した場合に前記呼び装置を自動制御して指示入力を発生させる呼び制御手段とを備えたことを特徴とするエレベータシステム。
【請求項2】
現在時刻が予め設定された時間帯にあるか否かを判定する時間帯判定手段を備え、
前記在室判定手段は、現在時刻が第1時間帯にあると前記時間帯判定手段が判定した場合に、前記部屋に人がいるか否かの判定を行うことを特徴とする請求項1記載のエレベータシステム。
【請求項3】
前記検知手段は、前記部屋の入口に設けられ、前記入口を人が通ったことを検知する第1センサと、前記部屋の出口に設けられ、前記出口を人が通ったことを検知する第2センサと、
前記第1センサが前記入口を人が通ったことを検知した場合に計時を開始し、前記第2センサが前記出口を人が通ったことを検知した場合に計時を停止するタイマ手段とを備え、
前記呼び制御手段は、現在時刻が前記第1時間帯とは異なる第2時間帯にあると、時間帯判定手段が判定し、かつ前記タイマ手段の計時値が所定時間以内の場合に、前記呼び装置を自動制御して指示入力を発生させることを特徴とする請求項2記載のエレベータシステム。
【請求項4】
前記検知手段は、前記部屋の映像を取得する映像取得部を備え、
当該映像取得部が取得した映像を解析して、前記部屋の中にいる人の着衣の色情報を求める映像解析手段を備え、
前記在室判定手段は、前記映像解析手段が求めた色情報が所定の色情報であるか否かを判定し、
前記呼び制御手段は、前記在室判定手段が、特定の色であると判定した場合に前記呼び装置を制御して指示入力を発生させることを特徴とする請求項1記載のエレベータシステム。
【請求項5】
現在時刻が予め設定された時間帯にあるか否かを判定する時間帯判定手段を備え、
前記呼び制御手段は、
現在時刻が第1時間帯にあると前記時間帯判定手段が判定し、かつ前記在室判定手段が、前記部屋に人がいると判定した場合に、前記呼び装置を自動制御して指示入力を発生させ、
前記時間帯判定手段が、現在時刻が前記第1時間帯とは異なる第2時間帯にあると判定し、かつ前記在室判定手段が、前記部屋の人の着衣の色が特定の色であると判定した場合に、前記呼び装置を自動制御して指示入力を発生させることを特徴とする請求項4記載のエレベータシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−148837(P2012−148837A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−7214(P2011−7214)
【出願日】平成23年1月17日(2011.1.17)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】