説明

エレベーターにおけるパラメータおよび機器の推薦装置

【課題】本発明は、ビルオーナーの要望を反映した的確な推薦を行うことが可能なエレベーターにおけるパラメータおよび機器の推薦装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明によるエレベーターにおけるパラメータおよび機器の推薦装置は、候補選択受付部110にて受け付けた第一次推薦候補に基づいて、ビル設備情報データあるいは稼動履歴データを一時的に補正するデータ補正部111と、ビル設備パラメータオプション情報と、データ補正部111にて補正されたビル設備情報データおよび稼動履歴データとに基づいて、推薦対象エレベーター102に適切なパラメータやオプション機器を第二次推薦候補として抽出する第二次推薦候補抽出部112とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベーターの適切な制御パラメータやオプション装置の推奨や、当該推奨された制御パラメータやオプション装置の追加・変更を判断するために必要な情報を提供するエレベーターにおけるパラメータおよび機器の推薦装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、社会の情報化が進むにつれて、人が触れることが可能な情報の量が膨大になってきた。このような膨大な情報の中から、必要な情報を得るための手段の一つに「情報検索」がある。しかし、情報検索は検索キーワードに一致するか否かを判定するのみで、検索の結果得られた情報が検索利用者にとって有益なものであるか否かを考慮することができない。
【0003】
上記に対して、利用者のコンテンツ閲覧履歴や商品の購買履歴を収集し、収集した履歴に基づいて、嗜好が類似する他の利用者を類似利用者として抽出し、類似利用者が当該コンテンツ以外に閲覧して有益と判定したコンテンツや当該商品以外に購入した商品の情報に基づいて、利用者に対して未知のコンテンツや商品を推薦する「協調フィルタリング技術(以下、単に協調フィルタリングとも称する)」がある。協調フィルタリングは、ショッピングサイトなどで多く利用されている。
【0004】
例えば、従来では、ネットニュースの記事を閲覧した利用者に対して、記事に対する評価を5段階で入力させ、その評価値を蓄積しておく。記事を閲覧しようとする利用者に対して、その利用者が過去に評価した記事に対する評価値と類似した評価を行った他の利用者の評価値とに基づいて、その利用者が未評価の記事の評価値を予測して高い評価値を付けるであろうと予測された記事を推薦するものがある(例えば、非特許文献1参照)。
【0005】
また、商品および水準を格納した商品データベースを備え、ユーザに対して商品の属性に対する重要度を入力させ、水準に重要度を乗算して重み付き指数化水準を算出し、その重み付き指数化水準に一致する仮想の商品と実際の各商品との距離を算出して、当該距離が小さい順に商品をユーザに対して表示するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
また、ユーザにカテゴリを選択させ、当該ユーザが過去にアクセスした情報と同じ情報にアクセスしたことのある他のユーザを抽出し、当該カテゴリの情報群の中から、当該他のユーザがアクセスしたことのある情報を抽出して推薦するものがある(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
また、ユーザが利用あるいは閲覧した静止画、動画、記事、アプリケーションなどのユーザコンテンツ項目に基づいて、ユーザからの肯定的または否定的なフィードバックを受け取って、ユーザコンテンツ項目の特性情報と、サーバ上のコンテンツ項目の特性情報とを比較し、興味のあるジャンル等を定義したユーザプロフィールを自動的に更新するものがある(例えば、特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−41971号公報
【特許文献2】特許第3443090号公報
【特許文献3】特表2009−527831号公報
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Rensnick,P.et al.、GroupLens、“An Architecture for Collaborative Filtering of Netnews,Proceeding of CSCW‘94’”、1994、pp.175−186
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
非特許文献1では、利用者が興味を有するジャンルやカテゴリを考慮していないため、利用者の評価値が低くても、そもそもそのジャンルに興味がなかったのか、あるいはジャンルには興味があったが記事の内容が面白くなかったのかを区別することができない。
【0011】
また、特許文献1では、複数の競合商品からなる商品群の中からユーザの要望に適した商品を推薦することはできるが、ユーザ自身が希望する属性や重要度などを設定しなければならず、推薦商品を得るまでの手続きが煩雑である。
【0012】
また、特許文献2では、ユーザが最初にカテゴリを選択しなければならないため、ユーザ自身が情報のカテゴリを理解していなければ適切な情報を推薦することができない。
【0013】
また、特許文献3では、自動的にユーザが興味を有するジャンルを推定して、ユーザの要望に適した情報を提供することができるが、ユーザプロフィール自体を更新してしまうため、ユーザの恒常的な興味と一時的な興味とを区別することができない。
【0014】
エレベーターの制御パラメータの適正値やオプション機器の要/不要は、各ビルあるいはエレベーターの利用状況や保守状況により異なる。例えば、子供や高齢者が多いマンションや商業施設では、利用者災害を低減する目的で、ドア周りのセンサを追加したり、戸開閉速度を遅くしたりすることは一般的に有効であるが、オフィス内のエレベーターでは、輸送効率を優先し、待ち時間が増加するような制御パラメータの変更は敬遠されることがある。一方で、オフィス内のエレベーターであっても、省エネに対する関心が高い場合は、待ち時間が多少増加しても機器効率の高い運転が好まれる。このような制御パラメータやオプション機器の要/不要は、ビルの用途や立地条件ばかりではなく、ビルオーナーの意向によっても変化する。
【0015】
しかしながら、上記の従来の協調フィルタリングを用いた推薦装置では、エレベーター設備状況や稼動履歴などに基づいて、利用状況が類似する他のエレベーターを抽出し、多様な機能が用意されているエレベーターの制御パラメータの調整や後付のオプション機器の中から、抽出された類似エレベーターが採用する制御パラメータの調整や後付のオプション機器を提案する場合において、他のエレベーターでの適用状況を反映した推薦を行うことはできるが、ビルオーナーの意向を反映した推薦結果やそのビル固有の課題を解決するような推薦結果を得るためには、予めビルオーナー自身が興味のあるカテゴリを入力しておく必要があった。
【0016】
本発明は、これらの問題を解決するためになされたものであり、ビルオーナーの要望を反映した的確な推薦を行うことが可能なエレベーターにおけるパラメータおよび機器の推薦装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記の課題を解決するために、本発明によるエレベーターにおけるパラメータおよび機器の推薦装置は、エレベーターの稼動履歴データを蓄積する稼動履歴データ蓄積部と、エレベーターに設定可能なパラメータや採用可能なオプション機器の情報であるビル設備パラメータオプション情報を蓄積するビル設備パラメータオプション情報蓄積部と、エレベーターに設定済みのパラメータや採用済みのオプション機器の情報であるビル設備情報データを蓄積するビル設備情報データ蓄積部と、稼動履歴データ、ビル設備パラメータオプション情報、およびビル設備情報データに基づいて、推薦対象エレベーターに適切なパラメータやオプション機器、あるいは当該パラメータやオプション機器を含むカテゴリを第一次推薦候補として抽出する第一次推薦候補抽出部と、第一次推薦候補抽出部にて抽出された第一次推薦候補を第一次推薦結果として出力してユーザに提示する第一次推薦結果出力部と、第一次推薦結果出力部によって提示された第一次推薦結果のうち、ユーザが選択した第一次推薦候補を受け付ける候補選択受付部と、候補選択受付部にて受け付けた第一次推薦候補に基づいて、ビル設備情報データあるいは稼動履歴データを一時的に補正するデータ補正部と、ビル設備パラメータオプション情報と、データ補正部にて補正されたビル設備情報データおよび稼動履歴データとに基づいて、推薦対象エレベーターに適切なパラメータやオプション機器を第二次推薦候補として抽出する第二次推薦候補抽出部と、第二次推薦候補抽出部にて抽出された第二次推薦候補を第二次推薦結果として出力してユーザに提示する第二次推薦結果出力部とを備える。
【発明の効果】
【0018】
本発明によると、エレベーターの稼動履歴データを蓄積する稼動履歴データ蓄積部と、エレベーターに設定可能なパラメータや採用可能なオプション機器の情報であるビル設備パラメータオプション情報を蓄積するビル設備パラメータオプション情報蓄積部と、エレベーターに設定済みのパラメータや採用済みのオプション機器の情報であるビル設備情報データを蓄積するビル設備情報データ蓄積部と、稼動履歴データ、ビル設備パラメータオプション情報、およびビル設備情報データに基づいて、推薦対象エレベーターに適切なパラメータやオプション機器、あるいは当該パラメータやオプション機器を含むカテゴリを第一次推薦候補として抽出する第一次推薦候補抽出部と、第一次推薦候補抽出部にて抽出された第一次推薦候補を第一次推薦結果として出力してユーザに提示する第一次推薦結果出力部と、第一次推薦結果出力部によって提示された第一次推薦結果のうち、ユーザが選択した第一次推薦候補を受け付ける候補選択受付部と、候補選択受付部にて受け付けた第一次推薦候補に基づいて、ビル設備情報データあるいは稼動履歴データを一時的に補正するデータ補正部と、ビル設備パラメータオプション情報と、データ補正部にて補正されたビル設備情報データおよび稼動履歴データとに基づいて、推薦対象エレベーターに適切なパラメータやオプション機器を第二次推薦候補として抽出する第二次推薦候補抽出部と、第二次推薦候補抽出部にて抽出された第二次推薦候補を第二次推薦結果として出力してユーザに提示する第二次推薦結果出力部とを備えるため、ビルオーナーの要望を反映した的確な推薦を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態1による推薦装置の構成図である。
【図2】本発明の実施形態1によるビル設備情報データ蓄積部に蓄積されるビル設備情報データの一例を示す図である。
【図3】本発明の実施形態1によるビル設備パラメータオプション蓄積部に蓄積されるビル設備パラメータオプション情報の一例を示す図である。
【図4】本発明の実施形態1による稼動履歴データ蓄積部に蓄積される稼動履歴データの一例を示す図である。
【図5】本発明の実施形態1による第一次推薦候補抽出部の動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態1による第一次推薦候補抽出部にて生成されるビル設備マトリックスの一例を示す図である。
【図7】本発明の実施形態1による第一次推薦候補抽出部における第一次推薦候補の抽出の動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施形態1によるユーザに対して第一次推薦結果を提示する画面の一例を示す図である。
【図9】本発明の実施形態1による第一次推薦候補抽出部にて生成されるビル設備マトリックスの一例を示す図である。
【図10】本発明の実施形態1によるデータ補正部の動作を示すフローチャートである。
【図11】本発明の実施形態1による第二次推薦候補抽出部の動作を示すフローチャートである。
【図12】本発明の実施形態1によるユーザに対して第二次推薦結果を提示する画面の一例を示す図である。
【図13】本発明の実施形態2による推薦装置の構成図である。
【図14】本発明の実施形態2による候補選択履歴データ蓄積部に蓄積される候補選択履歴データの一例を示す図である。
【図15】本発明の実施形態2による第一次推薦候補抽出部の動作を示すフローチャートである。
【図16】本発明の実施形態2による第一次推薦候補抽出部にて生成されるビル設備マトリックスの一例を示す図である。
【図17】本発明の実施形態2によるデータ補正部の動作を示すフローチャートである。
【図18】本発明の実施形態3による推薦装置の構成図である。
【図19】本発明の実施形態3による購入履歴データ蓄積部に蓄積される購入履歴データの一例を示す図である。
【図20】本発明の実施形態3による購入履歴データ蓄積部に蓄積される工期履歴データの一例を示す図である。
【図21】本発明の実施形態3による第一次推薦候補抽出部の動作を示すフローチャートである。
【図22】本発明の実施形態3による第一次推薦候補抽出部にて生成されるビル設備マトリックスの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施形態について、図面に基づいて以下に説明する。
【0021】
〈実施形態1〉
図1は、本実施形態1による推薦装置101の構成図である。図1に示すように、各ビルに設置されたエレベーター102a〜102c(以下、単にエレベーター102とも称する)から、稼動履歴であるエレベーター信号のデータを集計して、後述の稼動履歴データ(図4参照)として稼動履歴データ蓄積部107に蓄積する。なお、エレベーター信号のデータには、日時、かご位置、走行状態(走行中/停止中)、かご負荷、戸開ボタン押下状態、戸閉ボタン押下状態、乗場ボタン押下状態、ドアセンサ感知状態などが含まれる。また、エレベーター信号を受信して、稼動履歴データ蓄積部107に蓄積する方法は、エレベーター102の制御装置(図示せず)に搭載された通信ソフトウェアにより、電話回線やインターネット回線を経由してオンラインで収集する方法や、ビルを訪問した保守作業者がエレベーター102に接続して、エレベーター信号の履歴を蓄積する信号蓄積装置からデータを抽出して持ち帰るオフラインによる収集方法などがある。
【0022】
図2は、本実施形態1によるビル設備情報データ蓄積部106に蓄積されるビル設備情報データの一例を示す図である。図2に示すように、ビル設備情報データ蓄積部106は、エレベーター102に設定済みのパラメータや採用済みのオプション機器の情報であるビル設備情報データを蓄積している。ビル設備情報データ蓄積部106に蓄積されるビル設備情報データは、エレベーター仕様情報とエレベーター設定情報とを含んでいる。
【0023】
エレベーター仕様情報は、ビルやエレベーターにおける、仕様や利用状況に関する情報であり、エレベーター番号フィールド201、ビル用途フィールド202、居住人数フィールド203などを含む。これらの情報は、エレベーターの利用者層、利用率、混雑度、待ち時間に関連する。なお、エレベーター仕様情報は、上記の他に、機種、住所、エレベーター用途、テナント数、起動回数、定員、竣工日付、階床数、エレベーター速度、走行時間、マンションにおけるペット飼育の可否などの情報を含んでもよい。
【0024】
また、エレベーター設定情報は、エレベーター102の制御に関わる設定可能なパラメータやオプションとして付加される機器の情報であり、ドアセンサフィールド204、戸開閉時間フィールド205、不干渉時間フィールド206などを含む。なお、オプション機器情報は、ドアセンサフィールド204のように、機器のタイプを入力してもよいし、単にオプション機器の有無の情報を「1」、「0」などで入力してもよい。
【0025】
ビル設備パラメータオプション蓄積部105は、エレベーターの制御パラメータやオプション機器(以下、「サービス」とも称する)に関するビル設備パラメータオプション情報(すなわち、エレベーター102に設定可能な制御パラメータや採用可能なオプション機器の情報)を蓄積している。図3は、本実施形態1によるビル設備パラメータオプション蓄積部105に蓄積されるビル設備パラメータオプション情報の一例を示す図である。
【0026】
図3に示すように、サービス名称フィールド303はサービスの名称を示し、カテゴリフィールド302はサービス名称フィールド303に示されるサービスを機能などにより分類したカテゴリを示している。カテゴリは、ビルオーナーや利用者がエレベーター102に対して関心のある項目を示しており、利用者安全、防犯、利用者サービス、防災、省エネなどがある。サービス番号フィールド301は、サービスごとに一意に付けられた識別番号であるが、図3に示される「乗場モニタ」のように、同じサービスであってもカテゴリが異なる場合は、異なるサービスとして扱って異なるサービス番号を付してもよく、カテゴリフィールドに複数のカテゴリを併記してもよい。最大値定義フィールド304および最小値定義フィールド305では、制御パラメータについて設定可能な最大値と最小値とをそれぞれ定義している。必須条件フィールド306は、サービスを適用する際に必須となる他のサービスを示しており、必須条件フィールド306で定義されたサービスを適用していないエレベーター102については、推薦対象から除く、あるいは同時に推薦されるようにする、あるいは単に他のサービスも適用する必要があることをユーザに示す。組合せ不可フィールド307は、同時に適用できないサービスのサービス番号を表し、すでに導入されているサービスと組み合わせできないサービスを推薦されにくくしたり、すでに導入されているサービスと組み合わせできないサービスを推薦する場合にユーザに注意を促したりするために用いる。また、必須条件フィールドを設けて、サービスを導入するには他のサービスがすでに導入されていることが必要条件であることを表してもよい。価格フィールド308と工期フィールド309は、それぞれサービスを適用するのに必要な価格と工期を示している。なお、ビル設備パラメータオプション情報は、上記の他に、制御パラメータの一般的な値や出荷時の値を示すデフォルト値フィールドなどを含んでもよい。
【0027】
稼動履歴データ蓄積部107は、エレベーター信号を集計した稼動履歴データを蓄積している。図4は、本実施形態1による稼動履歴データ蓄積部107に蓄積される稼動履歴データの一例を示す図である。
【0028】
図4に示すように、エレベーター番号フィールド401は、エレベーター102ごとに一意に付与された識別番号であり、図2のエレベーター番号フィールド201を参照することにより、各エレベーター仕様情報を得ることができる。なお、エレベーター番号フィールド401に示されるエレベーター識別番号は、図4に示される形式に限らず、建物識別番号とエレベーター号機とを組み合わせたものや、建物の緯度経度とエレベーター号機とを組み合わせたものであってもよい。また、建物を表す識別番号や緯度経度などの建物番号とエレベーター号機とをそれぞれ別のフィールドで定義してもよい。また、エレベーター番号フィールド401を持たず、エレベーター番号ごとに稼動履歴データのテーブルを生成してもよい。
【0029】
集計期間フィールド402は、稼動履歴データの集計対象期間を示しており、集計期間よりも新しいデータが収集されたときに稼動履歴データを更新する。
【0030】
起動回数フィールド403、戸開ボタン操作回数フィールド404、戸閉ボタン操作回数フィールド405、駆け込み回数フィールド406、平均乗車率フィールド407は、集計期間に含まれる日数による影響を排除するため、それぞれ1日ごとに平均した集計結果を示している。なお、曜日や平日/休日、利用階床による差を考慮するため、これらのフィールドを追加してもよい。
【0031】
次に、第一次推薦候補抽出部108の動作について説明する。図5は、本実施形態1による第一次推薦候補抽出部108の動作を示すフローチャートである。図5に示すように、第一次推薦候補抽出部108は、ビル設備パラメータオプション蓄積部105からビル設備パラメータオプション情報を取得し(ステップS501)、ビル設備情報データ蓄積部106からビル設備情報データを取得し(ステップS502)、稼動履歴データ蓄積部107から稼動履歴データを取得する(ステップS503)。次に、取得したビル設備パラメータオプション情報、ビル設備情報データ、および稼動履歴データに基づいてビル設備マトリックスを生成する(ステップS504)。ステップS504にて生成したビル設備マトリックスに対して、商品購買サイト等でよく利用されている協調フィルタリングを適用するために、当該ビル設備マトリックスを正規化する(ステップS505)。ステップS505にてビル設備マトリックスを正規化した後、協調フィルタリングを適用して第一次推薦候補(推薦対象エレベーター102に適切なパラメータやオプション機器、あるいは当該パラメータやオプション機器を含むカテゴリ)を抽出する(ステップS506)。第一次推薦候補の抽出については、協調フィルタリングによる予測値の高いものを上位候補として抽出する。
【0032】
次に、図5のステップS504における、ビル設備マトリックスの生成について説明する。図6は、本実施形態1による第一次推薦候補抽出部108にて生成されるビル設備マトリックスの一例を示す図である。図6に示すように、オフィスデータフィールド602、マンションデータフィールド603、病院データフィールド604は、図2に示すビル用途フィールド202に記憶されたデータであり、該当するビル用途のデータフィールドに「1」、非該当のデータフィールドに「0」を入力したものである。
【0033】
また、光電式ドアセンサデータフィールド606、ラインシグナルドアセンサデータフィールド607、マルチビームドアセンサデータフィールド608は、図2に示すドアセンサフィールド204に記憶されたデータであり、各エレベーターが採用しているドアセンサのうち、該当するデータフィールドに「1」を入力したものである。なお、現在、設置されているドアセンサは、ビルオーナーが積極的に選択したものであるのか、または据付時点で他のドアセンサが販売されていなかったために当該ドアセンサを選択したのかが不明であるため、設置されていないドアセンサの欄を空白にしている。例えば、エレベーター番号「268004−001」の据付時点で、光電式ドアセンサは販売されていたが、ラインシグナルドアセンサは未販売だった場合は、光電式ドアセンサをユーザが選択しなかった意図を明確化するために、当該エレベーターの光電式ドアセンサデータフィールド606に「0」を入力し、ラインシグナルドアセンサはユーザが意図的に導入しなかったかどうか不明であることを示すために、ラインシグナルドアセンサデータフィールド607を空白にしてもよい。
【0034】
また、戸開閉時間設定値フィールド609は、図2に示す戸開閉時間フィールド205に記憶されたデータであり、設定されている戸開閉時間の値を入力する。なお、出荷時の値から変更されていない場合は、図6に示すように空白としてもよい。防犯カメラデータフィールド610、乗場モニタデータフィールド611は、それぞれのサービスが採用されている場合に「1」を入力する。戸開ボタン操作回数履歴データフィールド612、駆け込み回数履歴データフィールド613は、図4に示す戸開ボタン操作回数フィールド405、駆け込み回数データフィールド406に記憶された値であり、各履歴の集計値を入力する。
【0035】
なお、図6に示すビル設備マトリックスは一例であり、ビル設備パラメータオプション蓄積部105、ビル設備情報データ蓄積部106、稼動履歴データ蓄積部107のそれぞれに蓄積されたデータを組み合わせて作成されるマトリックスであればよい。
【0036】
次に、図5のステップS505における、ビル設備マトリックスの正規化について説明する。図6に示されるようなビル設備マトリックスにおいて、他の列よりも突出した大きい値を持つ列があると、当該列に対して不正に大きな重みを与えて、その列の影響を大きく受けた推薦候補を抽出してしまう。従って、正規化は、協調フィルタリングを適用する際に一般的に行われている。
【0037】
例えば、図6に示すビル設備マトリックスでは、居住人数データフィールド605が他の列と比較して非常に大きな値となっている。この場合、他の列がほとんど類似していなくても、居住人数の値が近いエレベーターを類似エレベーターとして抽出してしまうことになる。そこで、列xに入力されている値の最大値max(x)と最小値min(x)とを求め、以下の式(1)によって0〜1の値となるように、列xの値を正規化したx’を算出する。
【0038】
x’=x/(max(x)−min(x))・・・(1)
なお、式(1)は、正規化を行うための式の一例であり、このような線形関数による正規化でなくてもよい。同様に、戸開閉時間データフィールド609、戸開ボタン操作回数フィールド612、駆け込み回数フィールド613に対しても、0〜1の値となるように正規化する。なお、戸開閉時間設定値フィールド609は、ビル設備パラメータオプション情報に設定可能な値の範囲が定義されているので、max(x)およびmin(x)の代わりに、最大値定義フィールド304および最小値定義フィールド305の値(図3参照)を使用してもよい。
【0039】
次に、図5のステップS506における、第一次推薦候補の抽出について説明する。図7は、本実施形態1による第一次推薦候補抽出部108における第一次推薦候補の抽出の動作を示すフローチャートである。図7に示すように、ビル設備マトリックスの推薦対象エレベーター102(ここでは、図6に示すエレベーター番号「268001−001」として説明する)におけるサービスのうち、まず1つめのカテゴリ、例えば、利用者安全のカテゴリに関するサービスにおいて、値を入力済みの少なくとも1つ以上のサービス、すなわち、光電式ドアセンサフィールド606の欄を空白にする(ステップS701)。次に、利用者安全のカテゴリに関するサービス、すなわち、光電式ドアセンサフィールド606、ラインシグナルドアセンサデータフィールド607、マルチビームドアセンサデータフィールド608、戸開閉時間フィールド609の各値(空白部分の値)を協調フィルタリングにより予測する(ステップS702)。ここで予測された値は、ユーザがオプション装置を導入する確率、あるいは設定パラメータの適正値を表すと考えられる。そして、最大値を持つサービス、あるいは戸開閉時間などのように値を設定する場合は、デフォルト値または現状の値との差が最大のサービスを抽出して出力する(ステップS703)。続いて、上記の動作を他のカテゴリに対しても同様に実行していき、すべてのカテゴリに対して実行する。すなわち、第一次推薦候補抽出部108は、カテゴリごとに、ビル設備マトリックスの各カテゴリに属する少なくとも1つ以上の制御パラメータやオプション機器の情報を空白として第一次推薦候補の抽出を行う。
【0040】
例えば、光電式ドアセンサとマルチビームドアセンサとは同時に設置できない。従来の協調フィルタリングのように、採用されているサービスを「1」とすると、光電式ドアセンサとマルチビームドアセンサは同時に設置できないので、光電式ドアセンサが採用されているエレベーターの場合は、光電式ドアセンサの値が「1」、マルチビームドアセンサの値が「0」となる。したがって、光電式ドアセンサが設置され、マルチビームドアセンサが設置されていないビルが類似ビルとして抽出されることになるので、マルチビームドアセンサに対する予測値が非常に低くなり、推薦される可能性が非常に低くなる。上記の動作を実行することによって、採用済みのサービスを一旦、空白にするので、本実施形態1によれば、現在、採用済みか否かに関わらず、カテゴリごとに最も適切と推測されるサービスを出力することができる。
【0041】
推薦結果出力部109(第一次推薦結果出力部)は、第一次推薦候補抽出部108にて抽出された第一次推薦候補を推薦結果(第一次推薦結果)としてユーザ端末103に出力し、ユーザに提示する。図8は、本実施形態1によるユーザに対して第一次推薦結果を提示する画面の一例を示す図である。図8に示すように、推薦サービス表示801には、推薦結果を示すメッセージ(推薦サービス)が表示される。推薦サービスは、協調フィルタリングによる予測値の大きい順、すなわちユーザにとって適切とされる順に表示される。
【0042】
推薦サービス表示801は、図8に示すようなパラメータやオプション機器のカテゴリ、すなわち「利用者が安全に利用できるようにしたい」などの効果を表すメッセージでもよいし、「マルチビームドアセンサ」などの推薦サービス名(パラメータやオプション機器の名称)でもよいし、「お客様のビルは類似ビルと比べて駆け込み乗車が多いです」などの課題を表すメッセージでもよい。ユーザが詳細リクエストボタン802a〜802e(以下、単に詳細リクエストボタン802とも称する)を押下すると、候補選択受付部110がユーザ端末103で選択された項目を受信して、選択されたサービス項目をデータ補正部111に送信する。すなわち、候補選択受付部110は、推薦結果出力部109によって提示された推薦結果のうち、ユーザが選択した第一次推薦候補を受け付ける。また、終了ボタン803を押下すると、推薦サービスの表示を終了する。
【0043】
図9は、本実施形態1による第一次推薦候補抽出部108にて生成されるビル設備マトリックスの一例を示す図である。
【0044】
図6に示すビル設備マトリックスに代えて、図9に示すようにサービス項目をカテゴリごととしてもよい。このようにする場合、各カテゴリのサービスのうち、いずれか1つでも採用されていれば「1」を入力し、いずれも採用されていなければ空欄とする。あるいは、採用されているサービス数を集計してもよい。例えば、エレベーター番号「268003−001」は、利用者安全のカテゴリに関するサービスのうち、ラインシグナルドアセンサおよび戸開閉時間調整を採用しているので、「2」を入力してもよい。また、サービス数を集計してビル設備マトリックスを生成する場合は、カテゴリやエレベーターによって最大値が大きく異なる場合があるので、前述(図5のステップS505参照)と同様の方法で正規化を行う。このようにすることにより、ビル設備マトリックスの列数を少なくできるので、協調フィルタリングにおける行列の計算量を少なくでき、計算時間を短くすることができる。図9に示すビル設備マトリックスを用いて第一次推薦候補抽出部108にて推薦された結果は、図8に示すような画面をユーザに対して提示され、ユーザが詳細リクエストボタン802を押下すると、候補選択受付部110がユーザ端末103で選択された項目を受信して、選択されたカテゴリをデータ補正部111に送信する。
【0045】
データ補正部111は、ユーザが選択した項目に基づいて、蓄積されたデータを補正して、第二次推薦候補抽出部112に送信する。すなわち、データ補正部111は、候補選択受付部110にて受け付けた第一次推薦候補に基づいて、ビル設備情報データあるいは稼動履歴データを一時的に補正する。図10は、本実施形態1によるデータ補正部111の動作を示すフローチャートである。図10に示すように、まず、ビル設備パラメータオプション蓄積部105からビル設備パラメータオプション情報を取得し(ステップS1001)、ビル設備情報データ蓄積部106からビル設備情報データを取得し(ステップS1002)、稼動履歴データ蓄積部107から稼動履歴データを取得する(ステップS1003)。なお、図10のステップS1001〜ステップS1003は、図5のステップS501〜ステップS503の動作と同様である。
【0046】
次に、選択されたカテゴリの値(指標値)を改善するように、ステップS1003にて取得した稼動履歴データを修正する(ステップS1004)。すなわち、データ補正部111は、候補選択受付部110がユーザの選択をカテゴリで受け付けたときに、当該カテゴリに関連する稼動履歴データを修正する。例えば、「待ち時間を短くしたい」という要望がユーザからある場合は、関連する稼動履歴データである「待ち時間」の指標値を例えば、実際は「30秒」である場合に、「20秒」などと、実際よりも改善されるような値に一時的に修正する。なお、指標値をどの程度改善するかは、一律でX%改善するように修正してもよいし、他の類似ビルの平均値よりも大きければ平均値となるように修正するなどしてもよい。
【0047】
次に、ビル設備パラメータオプション情報、ビル設備データ、および補正した稼動履歴データに基づいてビル設備マトリックスを生成する(ステップS1005)。なお、ビル設備マトリックスの生成方法については、図5のステップS504の方法と同じであるため、ここでは説明を省略する。
【0048】
次に、ユーザが選択したカテゴリに基づいて、ビル設備マトリックスを補正する。具体的には、ユーザは当該カテゴリに興味を持っている可能性があることを反映して、ユーザが選択したカテゴリに属するサービスに対して値が入力されている場合は、当該カテゴリのサービスを推薦対象とするために、マトリックスの当該カテゴリの少なくとも1つのセルを空欄にする(ステップS1006)。そして、ユーザは当該カテゴリ以外には興味を持っていないことを反映して、推薦対象から除外するために、ユーザが選択したカテゴリ以外のカテゴリに属するサービスに対して値が入力されていない場合、つまりマトリックスのセルが空欄の場合は「0」を入力する(ステップS1007)。すなわち、データ補正部111は、候補選択受付部110がユーザの選択をカテゴリで受け付けたときに、ビル設備マトリックスのカテゴリに属する少なくとも1つ以上の制御パラメータやオプション機器の情報を空白とし、ビル設備マトリックスのカテゴリに属さない少なくとも1つ以上の制御パラメータやオプション機器の情報をゼロとする。このようにすることにより、ユーザが興味のないカテゴリのサービスが推薦されるのを防止し、当該カテゴリには興味がないことを反映した推薦を行うことができる。また、興味のあるカテゴリについては、現在、採用されているか否かに関わらず推薦対象とすることにより、より適切なサービスを推薦することができる。
【0049】
次に、第二次推薦候補抽出部112の動作について説明する。図11は、本実施形態1による第二次推薦候補抽出部112の動作を示すフローチャートである。図11に示すように、まず、補正されたビル設備マトリックスを正規化する(ステップS1101)。なお、ステップS1101における正規化の方法は、図5のステップS505と同様であるため、ここでは説明を省略する。次に、協調フィルタリングを適用して、空欄となっているセルの値を予測し、予測値の大きい順に少なくとも1つ以上のサービスを第二次推薦候補として抽出する(ステップS1102)。すなわち、第二次推薦候補抽出部112は、ビル設備パラメータオプション情報と、データ補正部111にて補正されたビル設備情報データおよび稼動履歴データとに基づいて、推薦対象エレベーター102に適切な制御パラメータやオプション機器を第二次推薦候補として抽出する。
【0050】
推薦結果出力部109(第二次推薦結果出力部)は、第二次推薦候補抽出部112が抽出した第二次推薦候補を推薦結果(第二次推薦結果)としてユーザ端末103に出力し、ユーザに提示する。図12は、本実施形態1によるユーザに対して第二次推薦結果を提示する画面の一例を示す図である。図12に示すように、推薦サービス表示1201には、推薦結果のサービス名が表示される。推薦されるサービスは、オプション装置の場合は協調フィルタリングによる予測値の大きい順、すなわちユーザにとって適切とされる順に、設定パラメータの場合は現状あるいはデフォルトとの差が大きい順に表示する。ユーザが詳細リクエストボタン1202a,1202b(以下、単に詳細リクエストボタン1202とも称する)を押下すると、図示しない詳細表示部が、ビル設備パラメータオプション蓄積部105に蓄積されたサービスの情報あるいはカタログなどの詳細をユーザに提示する。あるいは、保守作業者や保守会社のサーバに対して、ユーザがサービスを選択した旨のメッセージを送信したり、保守作業者や保守会社のサーバに問い合わせを行うようユーザ端末103でメール作成画面を開いたりするようにしてもよい。なお、図12は、ユーザに対する推薦結果の表示の一例であり、他に、定期点検の結果報告書の一部や付録として記載したり、かご内や乗場に搭載されたモニタに配信したりしてもよい。
【0051】
以上のことから、本実施形態1によれば、他の類似ビルでの採用実績だけでなく、ビルオーナーの要望(意向)を反映した的確な推薦を行うことが可能となる。
【0052】
〈実施形態2〉
図13は、本実施形態2による推薦装置1301の構成図である。図13に示すように、本実施形態2では、候補選択履歴データ蓄積部1302を備えていることを特徴としている。なお、図13において、図1と同じ符号を付与した構成要素は実施形態1と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0053】
候補選択履歴データ蓄積部1302は、過去にユーザに提示された推薦結果に対して、ユーザが選択したサービス、および選択しなかったサービスの履歴を記録した候補選択履歴データを蓄積している。すなわち、候補選択履歴データ蓄積部1302は、推薦結果出力部109にて提示された推薦結果のうち、ユーザが選択した第一次推薦候補、あるいはユーザが選択しなかった第一次推薦候補を候補選択履歴データとして蓄積している。
【0054】
図14は、本実施形態2による候補選択履歴データ蓄積部1302に蓄積される候補選択履歴データの一例を示す図である。図14に示すように、エレベーター番号フィールド1401は、推薦結果を提示した相手を示しており、例えば、エレベーターごとに固有のエレベーター番号、建物ごとに固有の建物番号、ビルオーナー等のユーザごとに固有のユーザ番号などであってもよい。サービス番号フィールド1402は、ユーザに提示したサービスを示しており、例えば、サービスごとに固有のサービス番号やカテゴリなどであってもよい。選択/非選択フィールド1403は、提示した推薦結果をユーザが選択したか否かを示しており、選択した場合は「1」、選択しなかった場合は「0」が記録される。
【0055】
なお、選択/非選択フィールド1403は、ユーザが興味を持ったか否か、あるいは興味の程度を示すものであればよく、例えば、ユーザが選択した回数や詳細情報を閲覧した時間などを記録してもよい。このように、候補選択履歴データ蓄積部1302を設けることにより、過去に関心を持ったサービスや関心を持たなかったサービスを推薦結果に反映させることができるため、よりユーザの興味を反映した適切なサービスを推薦することができる。また、既に問い合わせを行うなどの詳細情報を入手済みのサービスや関心のないサービスを、何度も繰り返し推薦することを防止することができる。
【0056】
また、候補選択履歴データ蓄積部1302に蓄積されたデータは、定期的に廃棄してもよい。例えば、1年以上経過した候補選択履歴データを廃棄するようにする。このようにすることにより、過去に問い合わせを行ったが採用しなかったサービスや関心がないとしたサービスも推薦対象とすることができるので、採用を検討しながらも時間が経過して忘れてしまった場合や時間の経過とともに要求が変化した場合に、時宜にかなったサービスを推薦することができる。
【0057】
次に、第一次推薦候補抽出部1308の動作について説明する。図15は、本実施形態2による第一次推薦候補抽出部1308の動作を示すフローチャートである。図15に示すように、第一次推薦候補抽出部1308は、ビル設備パラメータオプション蓄積部105からビル設備パラメータオプション情報を取得し(ステップS1501)、ビル設備情報データ蓄積部106からビル設備情報データを取得し(ステップS1502)、稼動履歴データ蓄積部107から稼動履歴データを取得する(ステップS1503)。また、候補選択履歴データ蓄積部1302から候補選択履歴データを取得する(ステップS1504)。次に、ステップS1501〜ステップS1504にて取得した各データに基づいて、ビル設備マトリックスを生成する(ステップS1505)。ステップS1505の後、協調フィルタリングをビル設備マトリックスに適用するために、当該ビル設備マトリックスを正規化する(ステップS1506)。ステップS1506の後、協調フィルタリングを適用して、第一次推薦候補を抽出する(ステップS1507)。なお、図15のステップS1501〜ステップS1503は、図5のステップS501〜ステップS503の動作と同様である。また、図15のステップS1506およびステップS1507は、図5のステップS505およびステップS506の動作と同様である。
【0058】
次に、図15のステップS1505における、ビル設備マトリックスの生成について説明する。図16は、本実施形態2による第一次推薦候補抽出部1308にて生成されるビル設備マトリックスの一例を示す図である。図16に示すように、まず、図6と同様に、ビル設備パラメータオプション蓄積部105に蓄積されたビル設備パラメータオプション情報、ビル設備情報データ蓄積部106に蓄積されたビル設備情報データ、および稼動履歴データ蓄積部107に蓄積された稼動履歴データを組み合わせてビル設備マトリックスを生成する。
【0059】
次に、図15のステップS1504において取得した候補選択履歴データに基づいて、ビル設備マトリックスを更新する。例えば、過去に、エレベーター番号「268001−001」のオーナーであるユーザに対して、マルチビームドアセンサと乗場モニタを推薦した際、ユーザはマルチビームドアセンサの詳細情報を閲覧したが、乗場モニタの詳細情報は閲覧しなかったとする。この場合、ビル設備マトリックスにおいて、ユーザは乗場モニタには興味がないことを反映して、乗場モニタフィールド1611に「0」を入力する。なお、「0」という数値は、設置する可能性がない、または非常に低いことを意味する値であればよく、「0.1」などでもよい。一方、マルチビームドアセンサフィールド1608に「0.5」など、「0」より大きく、「1」に近い値を入力することにより、興味はあるが採用しないというユーザの意志(意向)を反映することができる。
【0060】
また、図9に示すように、サービス項目をカテゴリごととして生成したビル設備マトリックスの場合も同様に、例えば、ユーザが過去に閲覧したサービスのカテゴリに対しては1以上の重みを与えて元の値に掛けたり、正数を加えたりし、閲覧しなかったサービスのカテゴリに対しては1未満の重みを与えて元の値に掛けたり、負数を加えたりするなどの方法により、過去の推薦結果に対するユーザの反応を反映したビル設備マトリックスを生成する。
【0061】
このようにすることにより、ユーザの興味を反映した推薦を行うことができる。また、未採用のサービスのうち、採用する見込みがない、あるいは非常に少ないサービスに対しては、確定した値を一時的に入力することにより、推薦対象から除外するようにして、再度、同じサービスが推薦されることがないようにすることができる。
【0062】
推薦結果出力部109は、第一次推薦候補抽出部1308で抽出された推薦候補をユーザ端末103に出力し、例えば、図8に示すような画面を用いてユーザに提示する。この際、第一次推薦候補抽出部1308における協調フィルタリングによる予測値に対して、過去に興味を持ったカテゴリには1以上の重みを与えたり、正数を加えたりするなどの補正を行って、補正後の予測値の大きい順、すなわちユーザにとって適切とされる順に表示する。
【0063】
候補選択受付部1303は、推薦結果出力部109がユーザ端末103に出力した推薦結果の中からユーザが選択した候補を受信して、当該選択結果を候補選択履歴データ蓄積部1302に蓄積するとともに、データ補正部1304にも選択結果を送信する。
【0064】
データ補正部1304は、ユーザが選択した項目に基づいて、蓄積されたデータを補正して、第二次推薦候補抽出部112に送信する。図17は、本実施形態2によるデータ補正部1304の動作を示すフローチャートである。図17に示すように、まず、ビル設備パラメータオプション蓄積部105からビル設備パラメータオプション情報を取得し(ステップS1701)、ビル設備情報データ蓄積部106からビル設備情報データを取得し(ステップS1702)、候補選択履歴データ蓄積部1302から候補選択履歴データを取得し(ステップS1703)、稼動履歴データ蓄積部107から稼動履歴データを取得する(ステップS1704)。なお、図17のステップS1701、ステップS1702、ステップS1704は、図5のステップS501、ステップS502、ステップS503の動作と同様である。
【0065】
次に、図10のステップS1004と同様に、選択されたカテゴリの指標値を改善するように修正する(ステップS1705)。
【0066】
次に、ビル設備パラメータオプション情報、ビル設備情報、候補選択履歴データ、および補正された稼動履歴データに基づいてビル設備マトリックスを生成する(ステップS1706)。
【0067】
次に、ユーザが選択したカテゴリに基づいて、ビル設備マトリックスを補正する。具体的には、ユーザは当該カテゴリに興味を持っている可能性があることを反映して、ユーザが選択したカテゴリに属するサービスに対して値が入力されている場合は、当該カテゴリのサービスを推薦対象とするために、マトリックスの当該カテゴリの少なくとも1つのセルを空欄にする(ステップS1707)。そして、ユーザは当該カテゴリ以外には興味を持っていないことを反映して、推薦対象から除外するために、ユーザが選択したカテゴリ以外のカテゴリに属するサービスに対する値が入力されていない場合、すなわちビル設備マトリックスのセルが空欄の場合は「0」を入力する(ステップS1708)。
【0068】
なお、図17のステップS1706〜ステップS1708は、図10のステップS1005〜ステップS1007の動作と同様であるため説明を省略する。
【0069】
このようにすることにより、過去に推薦したが選択されなかった候補、すなわちユーザが興味のないカテゴリのサービスが推薦されることを防止しつつ、当該カテゴリには興味がないことを反映した推薦を行うことができる。また、興味のあるカテゴリについては、現在、採用されているか否かに関わらず、推薦対象とすることにより、当該カテゴリ内のより適切なサービスを推薦することができる。
【0070】
第二次推薦候補抽出部112の動作は、図11に示すフローチャートと同様であるため、ここでは説明を省略する。すなわち、本実施形態2による第二次推薦候補抽出部112は、ビル設備パラメータオプション情報と、候補選択履歴データと、データ補正部1304にて補正されたビル設備情報データおよび稼動履歴データとに基づいて第二次推薦候補を抽出する。
【0071】
推薦結果出力部109は、第二次推薦候補抽出部112が抽出した推薦結果をユーザ端末103に出力し、例えば、図12に示すような画面をユーザに提示する。
【0072】
以上のことから、本実施形態2によれば、候補選択履歴データ蓄積部1302を設けることにより、ユーザが過去に関心を持ったサービスや関心を持たなかったサービスを推薦結果に反映させることができるため、よりユーザの興味を反映した適切なサービスを推薦することができる。また、既に問い合わせを行うなどの詳細情報を入手済みのサービスや、関心のないサービスを何度も繰り返して推薦することをなくすことができる。
【0073】
〈実施形態3〉
図18は、本実施形態3による推薦装置1801の構成図である。図18に示すように、本実施形態3では、購入履歴データ蓄積部1802を備えていることを特徴としている。なお、図18において、図1と同じ符号を付与した構成要素は実施形態1と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0074】
購入履歴データ蓄積部1802は、ビルオーナー等が購入し、エレベーターに適用したサービスの価格、すなわち購入履歴データを蓄積したデータベースである。すなわち、購入履歴データ蓄積部1802は、ユーザが制御パラメータやオプション機器を過去に設定、購入、あるいは契約した履歴を購入履歴データとして蓄積している。
【0075】
図19は、本実施形態3による購入履歴データ蓄積部1802に蓄積される購入履歴データの一例を示す図である。図19に示すように、エレベーター番号フィールド1901は、推薦結果を提示した相手を示しており、エレベーター102ごとに固有のエレベーター番号、建物ごとに固有の建物番号、ビルオーナー等のユーザごとに固有のユーザ番号などであってもよい。サービス番号フィールド1902は、ユーザに提示したサービスを示しており、サービスごとに固有のサービス番号や、カテゴリなどでもよい。購入価格フィールド1903は、エレベーター102が設置されたビルのビルオーナーがサービスを購入した価格あるいは契約サービスの月額等に関する情報を示しており、価格に限らず、定価からの値引率などであってもよい。また、他に購入日や契約日、契約期間等の情報を含んでもよい。
【0076】
また、購入履歴データ蓄積部1802は、図20に示すような工期履歴データを蓄積してもよい。図20は、本実施形態3による購入履歴データ蓄積部1802に蓄積される工期履歴データの一例を示す図である。図20に示すように、エレベーター番号フィールド2001は、推薦結果を提示した相手を示しており、エレベーター102ごとに固有のエレベーター番号、建物ごとに固有の建物番号、ビルオーナー等のユーザごとに固有のユーザ番号などであってもよい。サービス番号フィールド2002は、ユーザに提示したサービスを示しており、サービスごとに固有のサービス番号や、カテゴリなどでもよい。工期フィールド2003は、エレベーター102にサービスを適用する工事等に要した時間あるいは期間、すなわち工期に関する情報であり、工期そのものでなく、標準工期に対する時間の比などであってもよい。
【0077】
なお、購入履歴データ蓄積部1802は、図19に示すような購入価格履歴と図20に示すような工期履歴との両方を含んでもよい。
【0078】
次に、第一次推薦候補抽出部1804の動作について説明する。図21は、本実施形態3による第一次推薦候補抽出部1804の動作を示すフローチャートである。図21に示すように、第一次推薦候補抽出部1802は、ビル設備パラメータオプション蓄積部105からビル設備パラメータオプション情報を取得し(ステップS2101)、ビル設備情報データ蓄積部106からビル設備情報データを取得し(ステップS2102)、稼動履歴データ蓄積部107から稼動履歴データを取得する(ステップS2103)。また、購入履歴データ蓄積部1802から購入履歴データを取得する(ステップS2104)。次に、ステップS2101〜ステップS2104にて取得した各データに基づいて、ビル設備マトリックスを生成する(ステップS2105)。ステップS2105の後、協調フィルタリングをビル設備マトリックスに適用するために、当該ビル設備マトリックスを正規化する(ステップS2106)。ステップS2106の後、協調フィルタリングを適用して、第一次推薦候補を抽出する(ステップS2107)。ここで予測される購入価格はユーザにとって支出可能な適正価格、予測される工期は許容可能な適正工期、すなわち当該カテゴリをどの程度重要視しているかを表す基準であると考えられる。したがって、第一次推薦候補の抽出に関しては、購入価格の予測値が購入済みの価格の合計を上回って、その差が大きいものを上位候補として抽出する。購入履歴データが工期である場合は、工期の予測値が設置済みの工期の合計を上回って、その差が大きいものを上位候補として抽出する。すなわち、より多くの価格あるいは工期を費やしてでも採用するほど関心が高いと予想される機器やサービスを含むカテゴリを抽出する。なお、図21のステップS2101〜ステップS2103は、図5のステップS501〜ステップS503の動作と同様である。また、図21のステップS2106およびステップS2107は、図5のステップS505およびステップS506の動作と同様である。
【0079】
次に、図21のステップS2105における、ビル設備マトリックスの生成について説明する。図22は、本実施形態3による第一次推薦候補抽出部1804にて生成されるビル設備マトリックスの一例を示す図である。図22に示すように、601〜605および612、613は、図6と同様であるため説明を省略する。光電式ドアセンサ購入履歴フィールド2201、ラインシグナルドアセンサ購入履歴フィールド2202、マルチビームドアセンサ購入履歴フィールド2203、戸開閉時間契約履歴フィールド2204、防犯カメラ購入履歴フィールド2205、乗場モニタ購入履歴フィールド2206は、購入履歴データ蓄積部1802に蓄積された購入履歴データに基づいて生成されたデータであり、各エレベーター102が設置されたビルのオーナーがサービスを購入した価格、契約サービスの月額等、あるいはそれらの工事に要した工期を示している。なお、図22に示すビル設備マトリックスに代えて、図9に示すようなサービス項目をカテゴリごととして、各セルの値を各カテゴリで採用されたサービスの価格の合計、あるいは各セルの値を各カテゴリで採用されたサービスの工期の合計などとしてもよい。
【0080】
推薦結果出力部109は、第一次推薦候補抽出部1804で抽出された推薦候補をユーザ端末103に出力し、例えば、図8に示すような画面を用いてユーザに提示する。
【0081】
候補選択受付部110は、推薦結果出力部109がユーザ端末103に出力した推薦結果の中からユーザが選択した候補を受信して、当該選択結果をデータ補正部1803に送信する。
【0082】
データ補正部1803は、ユーザが選択した項目に基づいて、蓄積されたデータを補正して、第二次推薦候補抽出部112に送信する。データ補正部1803は、図17に示すフローチャートのステップS1703において、候補選択履歴データに代えて、購入履歴データ蓄積部1802から購入履歴データを取得し、ビル設備マトリックスを生成する。
【0083】
データ補正部1803における他の動作は図17と同様であるため、ここでは説明を省略する。なお、ステップS1703における購入履歴データの取得は、図21のステップS2104と同様である。
【0084】
第二次推薦候補抽出部112の動作は、図11のステップS1101およびステップS1102と同様の動作を行うため、ここでは説明を省略する。すなわち、本実施形態3による第二次推薦候補抽出部112は、ビル設備パラメータオプション情報と、購入履歴データと、データ補正部1803にて補正されたビル設備情報データおよび稼動履歴データに基づいて第二次推薦候補を抽出する。
【0085】
推薦結果出力部109は、第二次推薦候補抽出部112が抽出した推薦結果をユーザ端末103に出力し、例えば、図12に示すような画面をユーザに提示する。
【0086】
以上のことから、本実施形態3によれば、購入履歴データ蓄積部1802を設けることにより、ユーザがサービスやカテゴリに対して支出できる価格や許容できる工期、すなわちユーザがどの程度重要視しているかを考慮した推薦を行うことができる。
【0087】
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
【符号の説明】
【0088】
101 推薦装置、102 エレベーター、103 ユーザ端末、105 ビル設備パラメータオプション蓄積部、106 ビル設備情報データ蓄積部、107 稼動履歴データ蓄積部、108 第一次推薦候補抽出部、109 推薦結果出力部、110 候補選択受付部、111 データ補正部、112 第二次推薦候補抽出部、201 エレベーター番号フィールド、202 ビル用途フィールド、203 居住人数フィールド、204 ドアセンサフィールド、205 戸開閉時間フィールド、206 不干渉時間フィールド、301 サービス番号フィールド、302 カテゴリフィールド、303 サービス名称フィールド、304 最大値定義フィールド、305 最小値定義フィールド、306 必須条件フィールド、307 組合せ不可フィールド、308 価格フィールド、309 工期フィールド、401 エレベーター番号フィールド、402 集計期間フィールド、403 起動回数フィールド、404 戸開ボタン操作回数フィールド、405 戸閉ボタン操作回数フィールド、406 駆け込み回数フィールド、407 平均乗車率フィールド、601 エレベーター番号フィールド、602 オフィスデータフィールド、603 マンションデータフィールド、604 病院データフィールド、605 居住人数フィールド、606 光電式ドアセンサデータフィールド、607 ラインシグナルドアセンサデータフィールド、608 マルチビームドアセンサデータフィールド、609 戸開閉時間設定値フィールド、610 防犯カメラデータフィールド、611 乗場モニタデータフィールド、612 戸開ボタン操作回数履歴データフィールド、613 駆け込み回数履歴データフィールド、901 利用者安全フィールド、902 防犯フィールド、903 利用者サービスフィールド、904 省エネフィールド、1301 推薦装置、1302 候補選択履歴データ蓄積部、1303 候補選択受付部、1304 データ補正部、1606 光電式ドアセンサデータフィールド、1607 ラインシグナルドアセンサデータフィールド、1608 マルチビームドアセンサデータフィールド、1609 戸開閉時間設定値フィールド、1610 防犯カメラデータフィールド、1611 乗場モニタデータフィールド、1801 推薦装置、1802 購入履歴データ蓄積部、1803 データ補正部、1804 第一次推薦候補抽出部、1901 エレベーター番号フィールド、1902 サービス番号フィールド、1903 購入価格フィールド、2001 エレベーター番号フィールド、2002 サービス番号フィールド、2003 工期フィールド、2201 光電式ドアセンサ購入履歴フィールド、2202 ラインシグナルドアセンサ購入履歴フィールド、2203 マルチビームドアセンサ購入履歴フィールド、2204 戸開閉時間契約履歴フィールド、2205 防犯カメラ購入履歴フィールド、2206 乗り場モニタ購入履歴フィールド。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベーターの稼動履歴データを蓄積する稼動履歴データ蓄積部と、
前記エレベーターに設定可能なパラメータや採用可能なオプション機器の情報であるビル設備パラメータオプション情報を蓄積するビル設備パラメータオプション情報蓄積部と、
前記エレベーターに設定済みのパラメータや採用済みのオプション機器の情報であるビル設備情報データを蓄積するビル設備情報データ蓄積部と、
前記稼動履歴データ、前記ビル設備パラメータオプション情報、および前記ビル設備情報データに基づいて、推薦対象エレベーターに適切なパラメータやオプション機器、あるいは当該パラメータやオプション機器を含むカテゴリを第一次推薦候補として抽出する第一次推薦候補抽出部と、
前記第一次推薦候補抽出部にて抽出された前記第一次推薦候補を第一次推薦結果として出力してユーザに提示する第一次推薦結果出力部と、
前記第一次推薦結果出力部によって提示された前記第一次推薦結果のうち、前記ユーザが選択した前記第一次推薦候補を受け付ける候補選択受付部と、
前記候補選択受付部にて受け付けた前記第一次推薦候補に基づいて、前記ビル設備情報データあるいは前記稼動履歴データを一時的に補正するデータ補正部と、
前記ビル設備パラメータオプション情報と、前記データ補正部にて補正された前記ビル設備情報データおよび前記稼動履歴データとに基づいて、前記推薦対象エレベーターに適切なパラメータやオプション機器を第二次推薦候補として抽出する第二次推薦候補抽出部と、
前記第二次推薦候補抽出部にて抽出された前記第二次推薦候補を第二次推薦結果として出力してユーザに提示する第二次推薦結果出力部と、
を備える、エレベーターにおけるパラメータおよび機器の推薦装置。
【請求項2】
前記第一次推薦結果出力部にて提示された前記第一次推薦結果のうち、前記ユーザが選択した前記第一次推薦候補を候補選択履歴データとして蓄積する候補選択履歴データ蓄積部をさらに備え、
前記第一次推薦候補抽出部は、前記稼動履歴データ、前記ビル設備パラメータオプション情報、前記ビル設備情報データ、および前記候補選択履歴データに基づいて、前記第一次推薦候補を抽出し、
前記第二次推薦候補抽出部は、前記ビル設備パラメータオプション情報と、前記候補選択履歴データと、前記データ補正部にて補正された前記ビル設備情報データおよび前記稼動履歴データとに基づいて、前記第二次推薦候補を抽出することを特徴とする、請求項1に記載のエレベーターにおけるパラメータおよび機器の推薦装置。
【請求項3】
前記ユーザが前記パラメータや前記オプション機器を過去に設定、購入、あるいは契約した履歴を購入履歴データとして蓄積する購入履歴データ蓄積部をさらに備え、
前記第一次推薦候補抽出部は、前記稼動履歴データ、前記ビル設備パラメータオプション情報、前記ビル設備情報データ、および前記購入履歴データに基づいて、前記第一次推薦候補を抽出し、
前記第二次推薦候補抽出部は、前記ビル設備パラメータオプション情報と、前記購入履歴データと、前記データ補正部にて補正された前記ビル設備情報データおよび前記稼動履歴データとに基づいて、前記第二次推薦候補を抽出することを特徴とする、請求項1に記載のエレベーターにおけるパラメータおよび機器の推薦装置。
【請求項4】
前記第一次推薦候補抽出部は、前記パラメータおよび前記オプション機器のカテゴリごとに、ビル設備マトリックスの各前記カテゴリに属する少なくとも1つ以上の前記パラメータや前記オプション機器の情報を空白として前記第一次推薦候補の抽出を行うことを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載のエレベーターにおけるパラメータおよび機器の推薦装置。
【請求項5】
前記候補選択受付部が前記ユーザの選択を前記パラメータおよび前記オプション機器のカテゴリで受け付けたときに、
前記データ補正部は、ビル設備マトリックスの前記カテゴリに属する少なくとも1つ以上の前記パラメータや前記オプション機器の情報を空白とすることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載のエレベーターにおけるパラメータおよび機器の推薦装置。
【請求項6】
前記候補選択受付部が前記ユーザの選択を前記パラメータおよび前記オプション機器のカテゴリで受け付けたときに、
前記データ補正部は、ビル設備マトリックスの前記カテゴリに属さない少なくとも1つ以上の前記パラメータや前記オプション機器の情報をゼロとすることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれかに記載のエレベーターにおけるパラメータおよび機器の推薦装置。
【請求項7】
前記候補選択受付部が前記ユーザの選択を前記パラメータおよび前記オプション機器のカテゴリで受け付けたときに、
前記データ補正部は、前記カテゴリに関連する前記稼動履歴データが実際よりも改善されるように値を一時的に修正することを特徴とする、請求項1ないし6のいずれかに記載のエレベーターにおけるパラメータおよび機器の推薦装置。
【請求項8】
前記第一次推薦候補抽出部は、ビル設備マトリックスにおいて、前記エレベーターの据付時点で発売あるいは適用開始されていなかった前記パラメータや前記オプション機器の情報を空白とし、販売あるいは適用開始されているが、当該エレベーターに導入してない前記パラメータや前記オプション機器の情報をゼロとすることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載のエレベーターにおけるパラメータおよび機器の推薦装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2012−214293(P2012−214293A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−20800(P2012−20800)
【出願日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(000236056)三菱電機ビルテクノサービス株式会社 (1,792)
【Fターム(参考)】