エレベーター用つり合おもりの案内装置
【課題】 簡易な構成によって所要の案内作用を得ることができるエレベーター用つり合おもりの案内装置を得る。
【解決手段】 昇降路1の固定体2に多数個の案内具10を鉛直方向に互いに離れて装着する。そして、つり合おもり3の案内条体6が案内具10の案内溝11に摺動自在に嵌合し、つり合おもり3の昇降により案内溝10に順次嵌合すると共につり合おもり3の昇降位置に関わらず案内条体6に互いに隣り合う案内具10の少なくとも二つが嵌合する。
これによって、安定した状態で案内具10の列によってつり合おもり3を案内し、所要の昇降案内作用を実現する。これにより、つり合おもり3の昇降を案内する部材構成を簡易化することができ工程を短縮できて費用を低減する。
【解決手段】 昇降路1の固定体2に多数個の案内具10を鉛直方向に互いに離れて装着する。そして、つり合おもり3の案内条体6が案内具10の案内溝11に摺動自在に嵌合し、つり合おもり3の昇降により案内溝10に順次嵌合すると共につり合おもり3の昇降位置に関わらず案内条体6に互いに隣り合う案内具10の少なくとも二つが嵌合する。
これによって、安定した状態で案内具10の列によってつり合おもり3を案内し、所要の昇降案内作用を実現する。これにより、つり合おもり3の昇降を案内する部材構成を簡易化することができ工程を短縮できて費用を低減する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、昇降路の所定経路を昇降するエレベーター用つり合おもりの案内装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のエレベーター用つり合おもりの案内装置においては、昇降路に水平方向に互いに離れてガイドレールが立設されて、これらガイドレールの間に昇降路を昇降するつり合おもりが配置される。そして、つり合おもりの立面における四隅にそれぞれシューが装着されて対向したガイドレールに摺動自在に係合される。このような構成によって、つり合おもりがシューを介してガイドレールに案内されて昇降路の所定経路を昇降するように構成されている。(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開昭61−166482号公報(第1頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のエレベーター用つり合おもりの案内装置では、昇降路の全高にわたってガイドレールが立設される。このためガイドレールの製作、ガイドレールの取付用部材の製作、ガイドレールの搬送及びガイドレールの据付作業に煩雑を手数が掛かったり、長期間の工程を要したりして費用が嵩むという問題点があった。また展望用エレベーターの場合には立設されたガイドレールのために視界が妨げられることになる。
【0005】
この発明は、かかる問題点を解消するためになされたものであり、簡易な構成によって所要の案内作用を得ることができるエレベーター用つり合おもりの案内装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係るエレベーター用つり合おもりの案内装置においては、昇降路の所定経路を昇降するつり合おもりの水平投影面における両側にそれぞれ装着されて長手が鉛直方向に配置された案内条体と、昇降路の内面を形成する固定体に多数個が鉛直方向に互いに離れて装着されて案内条体と対向する位置に配置され、案内条体側に開口して案内条体が嵌合する案内溝が設けられると共に、つり合おもりの昇降位置に関わらず鉛直方向において案内条体に対して互いに隣り合う少なくとも二つが嵌合する間隔に配置された案内具とが設けられる。
【発明の効果】
【0007】
この発明によるエレベーター用つり合おもりの案内装置は、昇降路の固定体に多数個の案内具が鉛直方向に互いに離れて装着されて案内具列が形成される。そして、つり合おもりに設けられた案内条体が案内具の案内溝に摺動自在に嵌合し、つり合おもりの昇降によって案内条体が、案内具の案内溝に順次嵌合する。そして、つり合おもりの昇降位置に関わらず鉛直方向において、案内条体に対して互いに隣り合う案内具の少なくとも二つが嵌合する。
【0008】
これによって、昇降するつり合おもりが安定した状態で案内具列によって案内されて昇降路における所定経路を昇降して所要のつり合おもりの昇降案内作用を得ることができる。このため、昇降路の全高にわたってガイドレールを立設する必要がなく、ガイドレールの製作、ガイドレールの据付作業を省くことができる。そして、つり合おもりの昇降を案内する部材の構成を簡易化できて工程を短縮でき、エレベーター用つり合おもりの案内装置の費用を低減する効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
実施の形態1.
図1〜図4は、この発明の実施の形態を示す図で、図1は昇降路の要部立面図、図2は図1の平面図、図3は図2の要部拡大図、図4は図1のA部における右側面拡大図である。図において、昇降路1の内面を形成する壁からなる固定体2が設けられる。そして昇降路1に、これの中の所定経路を昇降するつり合おもり3が配置される。なお、つり合おもり3は枠内に多数の重り片4が積載され、また駆動機(図示しない)に巻掛けられた主索5に吊持される。
【0010】
また、つり合おもり3の水平投影面における両側に橇形状をなす案内条体6がそれぞれ装着されて長手が鉛直方向に配置される。また、案内条体6は上下端がそれぞれ対向したつり合おもり3の上下端よりも突出して設けられる。そして、それぞれの突出端には先端側が固定体2から後退する方向に傾斜した第一種斜面7及び案内条体6の幅方向の側面が互いに接近する方向に傾斜した第二種斜面8からなる先細部9が構成されている。
【0011】
そして、固定体2の要部を構成する案内具10の多数個が、鉛直方向に互いに離れて固定体2に装着されて案内条体6と対向する位置に配置される。また、案内具10には案内条体6側に開口して水平投影面において底面及び両側壁によって形成されて溝形をなし、案内条体6が摺動自在に嵌合する案内溝11が形成されると共に、つり合おもり3の昇降位置に関わらず鉛直方向において、案内条体6に対して互いに隣り合う少なくとも二つが嵌合する間隔に配置される。
【0012】
なお、案内具10は基板12、基板12に互いに離れて設けられて相互間に案内溝11を形成するL字状金具13並びに基板12及びL字状金具13の基部に挿通されて固定体2にねじ込まれたボルトからなる締結具14によって構成される。また、つり合おもり3の下端面に緩衝器当て台15が設けられる。
【0013】
上記のように構成されたエレベーター用つり合おもりの案内装置において、昇降路1の固定体2に多数個の案内具10が鉛直方向に互いに離れて装着されて案内具10列が形成される。そして、つり合おもり3に設けられた案内条体6が案内具10の案内溝11に摺動自在に嵌合され、つり合おもり3の昇降によって案内条体6が、案内具10の案内溝11に先細部9を介して順次嵌合する。
【0014】
また、つり合おもり3の昇降位置に関わらず鉛直方向において、案内条体6に対して互いに隣り合う案内具10の少なくとも二つが嵌合する。これによって、昇降するつり合おもり3が安定した状態により案内具10列によって案内されて昇降路1における所定経路を昇降する。これにより所要のつり合おもり3の昇降案内作用を得ることができる。
【0015】
このため、昇降路1の全高にわたって前述のガイドレールを立設する必要がなく、ガイドレールの製作、ガイドレールの据付作業を省くことができる。そして、つり合おもり3の昇降を案内する部材の構成を簡易化できて工程を短縮でき、エレベーター用つり合おもりの案内装置の費用を低減することができる。また、昇降路1の全高にわたる前述のガイドレールの立設を省略することができ、展望用エレベーターの場合において良好な視界を得ることができる。
【0016】
実施の形態2.
図5は、この発明の他の実施の形態を示す昇降路の要部立面図である。なお図5の他は前述の図1〜図4と同様にエレベーター用つり合おもりの案内装置が構成される。図において、図1〜図4と同符号は相当部分を示し、つり合おもり3に対する一側の案内具10列における案内具10の上下方向の相互間隔の中心位置に、つり合おもり3に対する他側の案内具10列における案内具10が配置される。
【0017】
上記のように構成されたエレベーター用つり合おもりの案内装置においても、つり合おもり3の一側の案内条体6が、つり合おもり3の昇降位置に関わらず案内条体6に対向した案内具10列の鉛直方向において互いに隣り合う案内具10の少なくとも二つに嵌合する。また、つり合おもり3の他側の案内条体6は、つり合おもり3の昇降位置に関わらず対向した案内具10列の少なくとも一つの案内具10に嵌合する。
【0018】
これにより昇降時のつり合おもり3が、立面において一側が二箇所により、他側は一箇所によってそれぞれ対応した案内具10列に嵌合して案内される。したがって、詳細な説明を省略するが図5の実施の形態においても図1〜図4の実施の形態と同様な作用が得られる。また、図5の実施の形態において昇降路1の全高における案内具10数が減少するので、製作、据付等の所要の費用を節減することができる。
【0019】
実施の形態3.
図6〜図8も、この発明の他の実施の形態を示す図で、図6は前述の図1に相当する昇降路の要部立面図、図7は図6のB部拡大図、図8は図7の平面図である。なお図6〜図8の他は前述の図1〜図4と同様にエレベーター用つり合おもりの案内装置が構成される。図において、図1〜図4と同符号は相当部分を示し、案内具16が前述の案内具10と同様に配置される。
【0020】
そして案内具16は、相互間に空所を形成して配置されたL字状金具17、L字状金具17の相互間に配置された水平軸18、L字状金具17の相互間の空所に配置されて水平軸18に枢着された鍔付き転輪19及びL字状金具17の基部を固定体2に締結する締結具14によって構成されている。なお、鍔付き転輪19の鍔の相互間に案内溝20が形成され、またL字状金具17のつり合おもり4側の先端には、案内溝20の側壁に対向した位置に配置されて案内条体6の側面に接近して形成された外れ止め部21が形成されている。
【0021】
上記のように構成されたエレベーター用つり合おもりの案内装置においても、昇降路1の固定体2に多数個の案内具16が鉛直方向に互いに離れて装着されて案内具16列が形成される。また、つり合おもり3の案内条体6が案内具16の鍔付き転輪19の案内溝20に移動自在に嵌合され、つり合おもり3の昇降によって案内条体6が、案内具16の案内溝20に先細部9を介して順次嵌合する。
【0022】
そして、つり合おもり3の昇降位置に関わらず鉛直方向において、案内条体6に対して互いに隣り合う案内具16の少なくとも二つが嵌合する。したがって、詳細な説明を省略するが図3〜図8の実施の形態においても図1〜図4の実施の形態と同様な作用が得られる。また、L字状金具17に外れ止め部21が形成されるので、案内条体6のつり合おもり4における間口方向への過大変位に対して、案内具16からの案内条体6の逸脱を未然に防ぐことができる。
【0023】
また案内条体6の移動が、鍔付き転輪19が回転することによって案内されるので、案内条体6が案内具16を円滑に通過する。そして、鍔付き転輪19の外周部を軟質材で製作することによって案内条体6が案内具16を通過するときの騒音、振動を少なくすることができつり合おもり4を昇降動作を静穏化することができる。また、鍔付き転輪19の外周部を軟質材とすることによって案内条体6の損耗を少なくすることができる。
【0024】
実施の形態4.
図9も、この発明の他の実施の形態を示す図で、前述の図3相当図である。なお図9の他は前述の図1〜図4と同様にエレベーター用つり合おもりの案内装置が構成される。図において、図1〜図4と同符号は相当部分を示し、案内具22が前述の案内具10と同様に配置される。
【0025】
そして案内具22は、相互間に空所を形成して配置されて互いに対向する一辺に凹所23が形成されたL字状金具24、L字状金具24の相互間に配置された水平軸25、L字状金具24の相互間の空所に配置されて水平軸25に枢着された端面転輪26、L字状金具24の凹所23を横切って水平に配置された側面軸27、側面軸27に枢着されて凹所23内に配置された側面転輪28によって構成されている。なお、端面転輪26及び両側の側面転輪28によって案内溝29が形成される。
【0026】
上記のように構成されたエレベーター用つり合おもりの案内装置においても、昇降路1の固定体2に多数個の案内具22が鉛直方向に互いに離れて装着されて案内具22列が形成される。また、つり合おもり3の案内条体6が端面転輪26及び両側の側面転輪28による案内溝29に移動自在に嵌合され、つり合おもり3の昇降によって案内条体6が、案内具16の案内溝29に先細部9を介して順次嵌合する。
【0027】
そして、つり合おもり3の昇降位置に関わらず鉛直方向において、案内条体6に対して互いに隣り合う案内具22の少なくとも二つが嵌合する。したがって、詳細な説明を省略するが図9の実施の形態においても図1〜図4の実施の形態と同様な作用が得られる。また案内条体6の移動が、端面転輪26及び側面転輪28が回転することによって案内されるので、案内条体6が案内具22を円滑に通過する。
【0028】
そして、端面転輪26及び側面転輪28を軟質材で製作するか又は少なくとも転動外周面を軟質材によって形成する。これによって案内条体6が案内具22を通過するときの騒音、振動を少なくすることができ、つり合おもり4を昇降動作を静穏化することができる。また、端面転輪26及び側面転輪28の外周部を軟質材とすることによって案内条体6の損耗を少なくすることができる。
【0029】
実施の形態5.
図10も、この発明の他の実施の形態を示す図で、前述の図3相当図である。なお図10の他は前述の図1〜図4と同様にエレベーター用つり合おもりの案内装置が構成される。図において、図1〜図4と同符号は相当部分を示し、案内具30が前述の案内具10と同様に配置される。
【0030】
そして案内具30は、基板12、基板12に互いに離れて設けられて相互間に案内溝11を形成すると共につり合おもり3側の先端が案内溝11幅内方向に屈折されて案内溝11の開口部幅を狭幅化する屈折部31が設けられたL字状金具32並びに基板12及びL字状金具32の基部に挿通されて固定体2にねじ込まれたボルトからなる締結具14によって構成される。
【0031】
そして、つり合おもり3に前述の案内条体6と同様な案内条体33が設けられ、案内条体33のつり合おもり3側は案内条体33の突出端側幅よりも狭幅に形成されて、案内具30の屈折部31の相互間に空隙を形成して通過可能な狭幅部34が設けられる。
【0032】
上記のように構成されたエレベーター用つり合おもりの案内装置においても、昇降路1の固定体2に多数個の案内具30が鉛直方向に互いに離れて装着されて案内具30列が形成される。また、つり合おもり3の案内条体33が案内具30の案内溝11に移動自在に嵌合され、つり合おもり3の昇降によって案内条体33が、案内具30の案内溝11に先細部9を介して順次嵌合する。
【0033】
そして、つり合おもり3の昇降位置に関わらず鉛直方向において、案内条体33に対して互いに隣り合う案内具30の少なくとも二つが嵌合する。したがって、詳細な説明を省略するが図9の実施の形態においても図1〜図4の実施の形態と同様な作用を得ることができる。
【0034】
また、案内具30に屈折部31が設けられ、案内条体33に屈折部31相互間を空隙を形成して通過可能な狭幅部34が設けられる。このため、地震時につり合おもり3がそれの間口方向に過変位したときに、案内条体33の突出部における基部が屈折部31に掛合する。これによって、案内条体33が案内具30から外れる不具合の発生を未然に防止することができる。
【0035】
実施の形態6.
図11〜図14も、この発明の他の実施の形態を示す図で、図11は前述の図1に相当する図、図12は図11における矢印Cから見た要部を拡大して示す図、図13は図11における矢印Dから見た要部を拡大して示す図、図14は図11のE部を拡大して示す斜視図である。なお図11〜図14の他は前述の図1〜図4と同様にエレベーター用つり合おもりの案内装置が構成される。図において、図1〜図4と同符号は相当部分を示す。
【0036】
そして、つり合おもり3に対応して設けられた調速機(図示しない)の調速機ロープ35が昇降路1内のつり合おもり3の間口方向の端部寄りに吊設される。また、つり合おもり3の上縁部における間口方向の両側にそれぞれ上部軸36が設けられて長手がつり合おもり3の奥行き方向に貫通した状態に配置される。そして、それぞれの上部軸36のつり合おもり3の奥行き方向における前側にL字腕37が設けられてL字の屈折部が上部軸36に固定される。
【0037】
また調速機ロープ35側、すなわちつり合おもり2の間口方向の一側の上部軸36に設けられたL字腕37はL字の長辺が固定体2方向に、短辺は下向きに配置される。そして、つり合おもり2の間口方向の他側の上部軸36に設けられたL字腕37はL字の長辺が固定体2方向に、短辺は上向きに配置される。そして、それぞれの上部軸36のつり合おもり3の奥行き方向における後側に上部腕38が固定され長手がL字腕37の長辺と平行に配置される。
【0038】
そして、つり合おもり3の上下方向の中間部における間口方向の両側にそれぞれ中部軸39が設けられて長手がつり合おもり3の奥行き方向に貫通した状態に配置される。そして、それぞれの中部軸39のつり合おもり3の奥行き方向における前側及び後側にそれぞれ中部腕40が設けられて固定体2方向に突出して配置され、前側及び後側の中部腕40は長手が互いに平行状態に保持される。
【0039】
また、つり合おもり3の下縁部における間口方向の両側にそれぞれ下部軸41が設けられて長手がつり合おもり3の奥行き方向に貫通した状態に配置される。そして、それぞれの下部軸41のつり合おもり3の奥行き方向における前側及び後側にそれぞれ下部腕42が設けられて固定体2方向に突出して配置され、前側及び後側の下部腕42は長手が互いに平行状態に保持される。
【0040】
なお、L字腕37長辺の回動端、中部腕40の回動端及び下部腕42の回動端には、案内具10の案内溝11側壁の外面に対向する位置にそれぞれボール422が設けられている。そして、つり合おもり2の間口方向の一側におけるL字腕37長辺の回動端、中部腕40の回動端及び下部腕42の回動端を連結し、それぞれの回動端を枢着した左連結リンク43が設けられる。
【0041】
また、つり合おもり2の間口方向の他側におけるL字腕37長辺の回動端、中部腕40の回動端及び下部腕42の回動端を連結し、それぞれの回動端を枢着した右連結リンク44が設けられる。また、つり合おもり2の間口方向の両側のL字腕37の短辺の回動端を連結する左右連結リンク45が設けられて、両端がそれぞれL字腕37の短辺に枢着される。
【0042】
そして、つり合おもり2の間口方向の一側におけるL字腕37長辺の回動端と調速機ロープ35に締結された装着具とを連結する調速機ロープ連結リンク46が設けられ、両端がそれぞれL字腕37長辺の回動端、調速機ロープ35の装着具に枢着される。そして、水平投影面における案内具10の案内溝11側壁の外面と、L字腕37長辺、中部腕40及び下部腕42との間に制動板47が配置される。
【0043】
また、制動板47は上下方向において案内条体6の高さとほぼ同様に形成され、案内具10に対してつり合おもり3の奥行き方向における前側及び後側にそれぞれ配置される。そして、制動板47の上下端部にはそれぞれ先端側が案内具10の案内溝11側壁の外面から離れる方向に傾斜した斜面48が形成されている。
【0044】
また、制動板47のつり合おもり3側の縁部は、つり合おもり3に設けられた鉛直軸49を介してつり合おもり3に枢着され、また制動板47のつり合おもり3側の縁部から突出した屈折部50が形成されている。そして、屈折部50とつり合おもり3の固定部との間に圧縮コイルばねからなる付勢体51が設けられる。これにより、制動板47は水平投影面において案内具10の案内溝11側壁の外面から離れる方向に付勢される。
【0045】
そして、制動板47のL字腕37長辺等との対向面に、傾斜板52が装着されてL字腕37長辺の回動端、中部腕40の回動端及び下部腕42の回動端におけるボール422と対応した位置にそれぞれ配置される。また、傾斜板52におけるボール422との対向面には上端が制動板47から離れる方向に傾斜した傾斜面53が形成される。
【0046】
なお、L字腕37、上部腕38、中部腕40、下部腕42、左連結リンク43、右連結リンク44、左右連結リンク45、調速機ロープ連結リンク46、屈折部50、付勢体51及び傾斜板52を主要部材として作動機構54が構成される。そして、作動機構54及び作動機構54によって作動する制動板47を主要部材として非常止め装置55が構成される。
【0047】
上記のように構成されたエレベーター用つり合おもりの案内装置においても、昇降路1の固定体2に多数個の案内具10が鉛直方向に互いに離れて装着されて案内具10列が形成される。そして、つり合おもり3の案内条体6が、つり合おもり3の昇降位置に関わらず案内条体6に対向した案内具10列の鉛直方向において互いに隣り合う案内具10の少なくとも二つに嵌合する。したがって、詳細な説明を省略するが図11〜図14の実施の形態においても図1〜図4の実施の形態と同様な作用が得られる。
【0048】
また、図11〜図14の実施の形態において通常時、すなわち、つり合おもり3の昇降と共に調速機ロープ35が循環移動している場合には、付勢体51の付勢力によって制動板47が案内具10の案内溝11側壁の外面から離れた位置に保持される。すなわち図12に示す状態で、案内条体6が案内具10に案内されてつり合おもり3が昇降する。また、つり合おもり3が異常速度で下降したときには調速機が動作する。
【0049】
このときには、調速機ロープ35の循環移動が拘束されるので、調速機ロープ連結リンク46がつり合おもり3に対して上昇して左連結リンク43が上昇し、また左右連結リンク45を介して右連結リンク44も上昇する。これによって、L字腕37、上部腕38、中部腕40、下部腕42の回動端が上昇し、ボール422によって傾斜板52の傾斜面53が押圧される。
【0050】
そして、傾斜板52の傾斜面53がボール422によって押圧されることにより、制動板47が案内具10の案内溝11側壁の外面に押し付けられ、制動板47と案内具10の摩擦抵抗によってつり合おもり3が異常速度下降が制動される。したがって、非常止め装置55の装備が必要なつり合おもり3に容易に対応することができる。
【0051】
実施の形態7.
図15〜図18も、この発明の他の実施の形態を示す図で、図15は前述の図11に相当する図、図16は図15のF−F線断面拡大図、図17は図15の非常止め装置の動作状態を示す図、図18は図17に対応した図16相当図である。なお図15〜図18の他は前述の図11〜図14と同様にエレベーター用つり合おもりの案内装置が構成されている。図において、図1、図11〜図14と同符号は相当部分を示す。
【0052】
そして、つり合おもり3の奥行き方向の前側におけるつり合おもり3の間口方向の両側にそれぞれ制動板56が配置され、長手が鉛直方向に配置されて昇降路1の内面を形成する壁からなる固定体2と対面して配置される。また、制動板56は上下方向において案内条体6の高さに準じた高さに形成され、制動板56の反固定体2側には溝形材57が装着されて上下端にはそれぞれ先端が固定体2から離れる方向に傾斜した斜面58が形成されている。
【0053】
また、つり合おもり3の上縁部側における間口方向の両側にそれぞれ上部軸59が、つり合おもり3の下縁部側における間口方向の両側にそれぞれ下部軸60が設けられて長手がつり合おもり3の奥行き方向に貫通した状態に配置される。そして、それぞれの上部軸59に第一リンク61の一端が枢着され、他端は溝形材57内に配置されて溝形材57の上部ピン62に枢着される。
【0054】
そして、それぞれの下部軸60に第二リンク63の一端が枢着され、他端は溝形材57内に配置されて溝形材57の下部ピン64に枢着される。また、上部左リンク65が図15における左側の溝形材57内に配置されて溝形材57の上部ピン62に枢着され、上部右リンク66が図15における右側の溝形材57内に配置されて溝形材57の上部ピン62に枢着される。
【0055】
そして、上部左リンク65の他端と上部右リンク66の他端が相互に上部中央ピン67に枢着される。また、調速機ロープ連結リンク46の一端が調速機ロープ35の装着具に枢着され、他端は上部左リンク65の長手中間位置に枢着される。また、下部左リンク68が図15における左側の溝形材57内に配置されて溝形材57の下部ピン64に枢着され、下部右リンク69が図15における右側の溝形材57内に配置されて溝形材57の下部ピン64に枢着される。
【0056】
そして、下部左リンク68の他端と下部右リンク69の他端が相互に下部中央ピン69に枢着される。また、上下連結リンク70の長手が鉛直方向に配置されて、両端がそれぞれ上部中央ピン67、下部中央ピン69に枢着される。なお、調速機ロープ連結リンク46、第一リンク61、第二リンク63、上部左リンク65、上部右リンク66、下部左リンク68、下部右リンク69及び上下連結リンク70を主要部材として作動機構71が構成される。そして、作動機構71及び作動機構71によって作動する制動板56及び溝形材57を主要部材として非常止め装置72が構成される。
【0057】
上記のように構成されたエレベーター用つり合おもりの案内装置においても、昇降路1の固定体2に多数個の案内具10が鉛直方向に互いに離れて装着されて案内具10列が形成される。そして、つり合おもり3の案内条体6が、つり合おもり3の昇降位置に関わらず案内条体6に対向した案内具10列の鉛直方向において互いに隣り合う案内具10の少なくとも二つに嵌合する。したがって、詳細な説明を省略するが図15〜図18の実施の形態においても図1〜図4の実施の形態と同様な作用が得られる。
【0058】
また、図15〜図18の実施の形態において通常時、すなわち、つり合おもり3の昇降と共に調速機ロープ35が循環移動している場合には、調速機ロープ連結リンク46がつり合おもり3に対して所定位置に保持される。すなわち図15に示す状態で、案内条体6が案内具10に案内されてつり合おもり3が昇降する。また、つり合おもり3が異常速度で下降したときには調速機が動作する。
【0059】
このときには、調速機ロープ35の循環移動が拘束されるので、調速機ロープ連結リンク46がつり合おもり3に対して上昇して上部左リンク65及び上部右リンク66の枢着箇所が上昇する。そして、上下連結リンク70を介して、下部左リンク68及び下部右リンク69の枢着箇所も上昇する。
【0060】
この上部左リンク65及び上部右リンク66並びに下部左リンク68及び下部右リンク69の上昇動作によって、両側の制動板56が昇降路1の固定体2に押し付けられ、制動板47と固定体2の摩擦抵抗によってつり合おもり3が異常速度下降が制動される。したがって、非常止め装置72の装備が必要なつり合おもり3に容易に対応することができる。また、制動板56が固定体2に押し付けられるので、制動面積を広くすることができて所要の制動作用を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】この発明の実施の形態1を示す図で、昇降路の要部立面図。
【図2】図1の平面図。
【図3】図2の要部拡大図。
【図4】図1のA部における右側面拡大図。
【図5】この発明の実施の形態2を示す図で、昇降路の要部立面図。
【図6】この発明の実施の形態3を示す図であり、図1に相当する昇降路の要部立面図。
【図7】図6のB部拡大図。
【図8】図7の平面図。
【図9】この発明の実施の形態4を示す図で、図3相当図。
【図10】この発明の実施の形態5を示す図で、図3相当図。
【図11】この発明の実施の形態6を示す図で、図1に相当する図。
【図12】図11における矢印Cから見た要部を拡大して示す図。
【図13】図11における矢印Dから見た要部を拡大して示す図。
【図14】図11のE部を拡大して示す斜視図。
【図15】この発明の実施の形態7を示す図で、図11に相当する図。
【図16】図15のF−F線断面拡大図。
【図17】図15の非常止め装置の動作状態を示す図。
【図18】図17に対応した図16相当図。
【符号の説明】
【0062】
1 昇降路、2 固定体、3 つり合おもり、6 案内条体、7 第一種斜面、8 第二種斜面、9 先細部、10 案内具、11 案内溝、16 案内具、18 水平軸、19 鍔付き転輪、20 案内溝、22 案内具、25 水平軸、26 端面転輪、27
側面軸、28 側面転輪、29 案内溝、30 案内具、31 屈折部、33 案内条体、34 狭幅部、47 制動板、54 作動機構、55 非常止め装置、56 制動板、71 作動機構、72 非常止め装置。
【技術分野】
【0001】
この発明は、昇降路の所定経路を昇降するエレベーター用つり合おもりの案内装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のエレベーター用つり合おもりの案内装置においては、昇降路に水平方向に互いに離れてガイドレールが立設されて、これらガイドレールの間に昇降路を昇降するつり合おもりが配置される。そして、つり合おもりの立面における四隅にそれぞれシューが装着されて対向したガイドレールに摺動自在に係合される。このような構成によって、つり合おもりがシューを介してガイドレールに案内されて昇降路の所定経路を昇降するように構成されている。(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開昭61−166482号公報(第1頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のエレベーター用つり合おもりの案内装置では、昇降路の全高にわたってガイドレールが立設される。このためガイドレールの製作、ガイドレールの取付用部材の製作、ガイドレールの搬送及びガイドレールの据付作業に煩雑を手数が掛かったり、長期間の工程を要したりして費用が嵩むという問題点があった。また展望用エレベーターの場合には立設されたガイドレールのために視界が妨げられることになる。
【0005】
この発明は、かかる問題点を解消するためになされたものであり、簡易な構成によって所要の案内作用を得ることができるエレベーター用つり合おもりの案内装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係るエレベーター用つり合おもりの案内装置においては、昇降路の所定経路を昇降するつり合おもりの水平投影面における両側にそれぞれ装着されて長手が鉛直方向に配置された案内条体と、昇降路の内面を形成する固定体に多数個が鉛直方向に互いに離れて装着されて案内条体と対向する位置に配置され、案内条体側に開口して案内条体が嵌合する案内溝が設けられると共に、つり合おもりの昇降位置に関わらず鉛直方向において案内条体に対して互いに隣り合う少なくとも二つが嵌合する間隔に配置された案内具とが設けられる。
【発明の効果】
【0007】
この発明によるエレベーター用つり合おもりの案内装置は、昇降路の固定体に多数個の案内具が鉛直方向に互いに離れて装着されて案内具列が形成される。そして、つり合おもりに設けられた案内条体が案内具の案内溝に摺動自在に嵌合し、つり合おもりの昇降によって案内条体が、案内具の案内溝に順次嵌合する。そして、つり合おもりの昇降位置に関わらず鉛直方向において、案内条体に対して互いに隣り合う案内具の少なくとも二つが嵌合する。
【0008】
これによって、昇降するつり合おもりが安定した状態で案内具列によって案内されて昇降路における所定経路を昇降して所要のつり合おもりの昇降案内作用を得ることができる。このため、昇降路の全高にわたってガイドレールを立設する必要がなく、ガイドレールの製作、ガイドレールの据付作業を省くことができる。そして、つり合おもりの昇降を案内する部材の構成を簡易化できて工程を短縮でき、エレベーター用つり合おもりの案内装置の費用を低減する効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
実施の形態1.
図1〜図4は、この発明の実施の形態を示す図で、図1は昇降路の要部立面図、図2は図1の平面図、図3は図2の要部拡大図、図4は図1のA部における右側面拡大図である。図において、昇降路1の内面を形成する壁からなる固定体2が設けられる。そして昇降路1に、これの中の所定経路を昇降するつり合おもり3が配置される。なお、つり合おもり3は枠内に多数の重り片4が積載され、また駆動機(図示しない)に巻掛けられた主索5に吊持される。
【0010】
また、つり合おもり3の水平投影面における両側に橇形状をなす案内条体6がそれぞれ装着されて長手が鉛直方向に配置される。また、案内条体6は上下端がそれぞれ対向したつり合おもり3の上下端よりも突出して設けられる。そして、それぞれの突出端には先端側が固定体2から後退する方向に傾斜した第一種斜面7及び案内条体6の幅方向の側面が互いに接近する方向に傾斜した第二種斜面8からなる先細部9が構成されている。
【0011】
そして、固定体2の要部を構成する案内具10の多数個が、鉛直方向に互いに離れて固定体2に装着されて案内条体6と対向する位置に配置される。また、案内具10には案内条体6側に開口して水平投影面において底面及び両側壁によって形成されて溝形をなし、案内条体6が摺動自在に嵌合する案内溝11が形成されると共に、つり合おもり3の昇降位置に関わらず鉛直方向において、案内条体6に対して互いに隣り合う少なくとも二つが嵌合する間隔に配置される。
【0012】
なお、案内具10は基板12、基板12に互いに離れて設けられて相互間に案内溝11を形成するL字状金具13並びに基板12及びL字状金具13の基部に挿通されて固定体2にねじ込まれたボルトからなる締結具14によって構成される。また、つり合おもり3の下端面に緩衝器当て台15が設けられる。
【0013】
上記のように構成されたエレベーター用つり合おもりの案内装置において、昇降路1の固定体2に多数個の案内具10が鉛直方向に互いに離れて装着されて案内具10列が形成される。そして、つり合おもり3に設けられた案内条体6が案内具10の案内溝11に摺動自在に嵌合され、つり合おもり3の昇降によって案内条体6が、案内具10の案内溝11に先細部9を介して順次嵌合する。
【0014】
また、つり合おもり3の昇降位置に関わらず鉛直方向において、案内条体6に対して互いに隣り合う案内具10の少なくとも二つが嵌合する。これによって、昇降するつり合おもり3が安定した状態により案内具10列によって案内されて昇降路1における所定経路を昇降する。これにより所要のつり合おもり3の昇降案内作用を得ることができる。
【0015】
このため、昇降路1の全高にわたって前述のガイドレールを立設する必要がなく、ガイドレールの製作、ガイドレールの据付作業を省くことができる。そして、つり合おもり3の昇降を案内する部材の構成を簡易化できて工程を短縮でき、エレベーター用つり合おもりの案内装置の費用を低減することができる。また、昇降路1の全高にわたる前述のガイドレールの立設を省略することができ、展望用エレベーターの場合において良好な視界を得ることができる。
【0016】
実施の形態2.
図5は、この発明の他の実施の形態を示す昇降路の要部立面図である。なお図5の他は前述の図1〜図4と同様にエレベーター用つり合おもりの案内装置が構成される。図において、図1〜図4と同符号は相当部分を示し、つり合おもり3に対する一側の案内具10列における案内具10の上下方向の相互間隔の中心位置に、つり合おもり3に対する他側の案内具10列における案内具10が配置される。
【0017】
上記のように構成されたエレベーター用つり合おもりの案内装置においても、つり合おもり3の一側の案内条体6が、つり合おもり3の昇降位置に関わらず案内条体6に対向した案内具10列の鉛直方向において互いに隣り合う案内具10の少なくとも二つに嵌合する。また、つり合おもり3の他側の案内条体6は、つり合おもり3の昇降位置に関わらず対向した案内具10列の少なくとも一つの案内具10に嵌合する。
【0018】
これにより昇降時のつり合おもり3が、立面において一側が二箇所により、他側は一箇所によってそれぞれ対応した案内具10列に嵌合して案内される。したがって、詳細な説明を省略するが図5の実施の形態においても図1〜図4の実施の形態と同様な作用が得られる。また、図5の実施の形態において昇降路1の全高における案内具10数が減少するので、製作、据付等の所要の費用を節減することができる。
【0019】
実施の形態3.
図6〜図8も、この発明の他の実施の形態を示す図で、図6は前述の図1に相当する昇降路の要部立面図、図7は図6のB部拡大図、図8は図7の平面図である。なお図6〜図8の他は前述の図1〜図4と同様にエレベーター用つり合おもりの案内装置が構成される。図において、図1〜図4と同符号は相当部分を示し、案内具16が前述の案内具10と同様に配置される。
【0020】
そして案内具16は、相互間に空所を形成して配置されたL字状金具17、L字状金具17の相互間に配置された水平軸18、L字状金具17の相互間の空所に配置されて水平軸18に枢着された鍔付き転輪19及びL字状金具17の基部を固定体2に締結する締結具14によって構成されている。なお、鍔付き転輪19の鍔の相互間に案内溝20が形成され、またL字状金具17のつり合おもり4側の先端には、案内溝20の側壁に対向した位置に配置されて案内条体6の側面に接近して形成された外れ止め部21が形成されている。
【0021】
上記のように構成されたエレベーター用つり合おもりの案内装置においても、昇降路1の固定体2に多数個の案内具16が鉛直方向に互いに離れて装着されて案内具16列が形成される。また、つり合おもり3の案内条体6が案内具16の鍔付き転輪19の案内溝20に移動自在に嵌合され、つり合おもり3の昇降によって案内条体6が、案内具16の案内溝20に先細部9を介して順次嵌合する。
【0022】
そして、つり合おもり3の昇降位置に関わらず鉛直方向において、案内条体6に対して互いに隣り合う案内具16の少なくとも二つが嵌合する。したがって、詳細な説明を省略するが図3〜図8の実施の形態においても図1〜図4の実施の形態と同様な作用が得られる。また、L字状金具17に外れ止め部21が形成されるので、案内条体6のつり合おもり4における間口方向への過大変位に対して、案内具16からの案内条体6の逸脱を未然に防ぐことができる。
【0023】
また案内条体6の移動が、鍔付き転輪19が回転することによって案内されるので、案内条体6が案内具16を円滑に通過する。そして、鍔付き転輪19の外周部を軟質材で製作することによって案内条体6が案内具16を通過するときの騒音、振動を少なくすることができつり合おもり4を昇降動作を静穏化することができる。また、鍔付き転輪19の外周部を軟質材とすることによって案内条体6の損耗を少なくすることができる。
【0024】
実施の形態4.
図9も、この発明の他の実施の形態を示す図で、前述の図3相当図である。なお図9の他は前述の図1〜図4と同様にエレベーター用つり合おもりの案内装置が構成される。図において、図1〜図4と同符号は相当部分を示し、案内具22が前述の案内具10と同様に配置される。
【0025】
そして案内具22は、相互間に空所を形成して配置されて互いに対向する一辺に凹所23が形成されたL字状金具24、L字状金具24の相互間に配置された水平軸25、L字状金具24の相互間の空所に配置されて水平軸25に枢着された端面転輪26、L字状金具24の凹所23を横切って水平に配置された側面軸27、側面軸27に枢着されて凹所23内に配置された側面転輪28によって構成されている。なお、端面転輪26及び両側の側面転輪28によって案内溝29が形成される。
【0026】
上記のように構成されたエレベーター用つり合おもりの案内装置においても、昇降路1の固定体2に多数個の案内具22が鉛直方向に互いに離れて装着されて案内具22列が形成される。また、つり合おもり3の案内条体6が端面転輪26及び両側の側面転輪28による案内溝29に移動自在に嵌合され、つり合おもり3の昇降によって案内条体6が、案内具16の案内溝29に先細部9を介して順次嵌合する。
【0027】
そして、つり合おもり3の昇降位置に関わらず鉛直方向において、案内条体6に対して互いに隣り合う案内具22の少なくとも二つが嵌合する。したがって、詳細な説明を省略するが図9の実施の形態においても図1〜図4の実施の形態と同様な作用が得られる。また案内条体6の移動が、端面転輪26及び側面転輪28が回転することによって案内されるので、案内条体6が案内具22を円滑に通過する。
【0028】
そして、端面転輪26及び側面転輪28を軟質材で製作するか又は少なくとも転動外周面を軟質材によって形成する。これによって案内条体6が案内具22を通過するときの騒音、振動を少なくすることができ、つり合おもり4を昇降動作を静穏化することができる。また、端面転輪26及び側面転輪28の外周部を軟質材とすることによって案内条体6の損耗を少なくすることができる。
【0029】
実施の形態5.
図10も、この発明の他の実施の形態を示す図で、前述の図3相当図である。なお図10の他は前述の図1〜図4と同様にエレベーター用つり合おもりの案内装置が構成される。図において、図1〜図4と同符号は相当部分を示し、案内具30が前述の案内具10と同様に配置される。
【0030】
そして案内具30は、基板12、基板12に互いに離れて設けられて相互間に案内溝11を形成すると共につり合おもり3側の先端が案内溝11幅内方向に屈折されて案内溝11の開口部幅を狭幅化する屈折部31が設けられたL字状金具32並びに基板12及びL字状金具32の基部に挿通されて固定体2にねじ込まれたボルトからなる締結具14によって構成される。
【0031】
そして、つり合おもり3に前述の案内条体6と同様な案内条体33が設けられ、案内条体33のつり合おもり3側は案内条体33の突出端側幅よりも狭幅に形成されて、案内具30の屈折部31の相互間に空隙を形成して通過可能な狭幅部34が設けられる。
【0032】
上記のように構成されたエレベーター用つり合おもりの案内装置においても、昇降路1の固定体2に多数個の案内具30が鉛直方向に互いに離れて装着されて案内具30列が形成される。また、つり合おもり3の案内条体33が案内具30の案内溝11に移動自在に嵌合され、つり合おもり3の昇降によって案内条体33が、案内具30の案内溝11に先細部9を介して順次嵌合する。
【0033】
そして、つり合おもり3の昇降位置に関わらず鉛直方向において、案内条体33に対して互いに隣り合う案内具30の少なくとも二つが嵌合する。したがって、詳細な説明を省略するが図9の実施の形態においても図1〜図4の実施の形態と同様な作用を得ることができる。
【0034】
また、案内具30に屈折部31が設けられ、案内条体33に屈折部31相互間を空隙を形成して通過可能な狭幅部34が設けられる。このため、地震時につり合おもり3がそれの間口方向に過変位したときに、案内条体33の突出部における基部が屈折部31に掛合する。これによって、案内条体33が案内具30から外れる不具合の発生を未然に防止することができる。
【0035】
実施の形態6.
図11〜図14も、この発明の他の実施の形態を示す図で、図11は前述の図1に相当する図、図12は図11における矢印Cから見た要部を拡大して示す図、図13は図11における矢印Dから見た要部を拡大して示す図、図14は図11のE部を拡大して示す斜視図である。なお図11〜図14の他は前述の図1〜図4と同様にエレベーター用つり合おもりの案内装置が構成される。図において、図1〜図4と同符号は相当部分を示す。
【0036】
そして、つり合おもり3に対応して設けられた調速機(図示しない)の調速機ロープ35が昇降路1内のつり合おもり3の間口方向の端部寄りに吊設される。また、つり合おもり3の上縁部における間口方向の両側にそれぞれ上部軸36が設けられて長手がつり合おもり3の奥行き方向に貫通した状態に配置される。そして、それぞれの上部軸36のつり合おもり3の奥行き方向における前側にL字腕37が設けられてL字の屈折部が上部軸36に固定される。
【0037】
また調速機ロープ35側、すなわちつり合おもり2の間口方向の一側の上部軸36に設けられたL字腕37はL字の長辺が固定体2方向に、短辺は下向きに配置される。そして、つり合おもり2の間口方向の他側の上部軸36に設けられたL字腕37はL字の長辺が固定体2方向に、短辺は上向きに配置される。そして、それぞれの上部軸36のつり合おもり3の奥行き方向における後側に上部腕38が固定され長手がL字腕37の長辺と平行に配置される。
【0038】
そして、つり合おもり3の上下方向の中間部における間口方向の両側にそれぞれ中部軸39が設けられて長手がつり合おもり3の奥行き方向に貫通した状態に配置される。そして、それぞれの中部軸39のつり合おもり3の奥行き方向における前側及び後側にそれぞれ中部腕40が設けられて固定体2方向に突出して配置され、前側及び後側の中部腕40は長手が互いに平行状態に保持される。
【0039】
また、つり合おもり3の下縁部における間口方向の両側にそれぞれ下部軸41が設けられて長手がつり合おもり3の奥行き方向に貫通した状態に配置される。そして、それぞれの下部軸41のつり合おもり3の奥行き方向における前側及び後側にそれぞれ下部腕42が設けられて固定体2方向に突出して配置され、前側及び後側の下部腕42は長手が互いに平行状態に保持される。
【0040】
なお、L字腕37長辺の回動端、中部腕40の回動端及び下部腕42の回動端には、案内具10の案内溝11側壁の外面に対向する位置にそれぞれボール422が設けられている。そして、つり合おもり2の間口方向の一側におけるL字腕37長辺の回動端、中部腕40の回動端及び下部腕42の回動端を連結し、それぞれの回動端を枢着した左連結リンク43が設けられる。
【0041】
また、つり合おもり2の間口方向の他側におけるL字腕37長辺の回動端、中部腕40の回動端及び下部腕42の回動端を連結し、それぞれの回動端を枢着した右連結リンク44が設けられる。また、つり合おもり2の間口方向の両側のL字腕37の短辺の回動端を連結する左右連結リンク45が設けられて、両端がそれぞれL字腕37の短辺に枢着される。
【0042】
そして、つり合おもり2の間口方向の一側におけるL字腕37長辺の回動端と調速機ロープ35に締結された装着具とを連結する調速機ロープ連結リンク46が設けられ、両端がそれぞれL字腕37長辺の回動端、調速機ロープ35の装着具に枢着される。そして、水平投影面における案内具10の案内溝11側壁の外面と、L字腕37長辺、中部腕40及び下部腕42との間に制動板47が配置される。
【0043】
また、制動板47は上下方向において案内条体6の高さとほぼ同様に形成され、案内具10に対してつり合おもり3の奥行き方向における前側及び後側にそれぞれ配置される。そして、制動板47の上下端部にはそれぞれ先端側が案内具10の案内溝11側壁の外面から離れる方向に傾斜した斜面48が形成されている。
【0044】
また、制動板47のつり合おもり3側の縁部は、つり合おもり3に設けられた鉛直軸49を介してつり合おもり3に枢着され、また制動板47のつり合おもり3側の縁部から突出した屈折部50が形成されている。そして、屈折部50とつり合おもり3の固定部との間に圧縮コイルばねからなる付勢体51が設けられる。これにより、制動板47は水平投影面において案内具10の案内溝11側壁の外面から離れる方向に付勢される。
【0045】
そして、制動板47のL字腕37長辺等との対向面に、傾斜板52が装着されてL字腕37長辺の回動端、中部腕40の回動端及び下部腕42の回動端におけるボール422と対応した位置にそれぞれ配置される。また、傾斜板52におけるボール422との対向面には上端が制動板47から離れる方向に傾斜した傾斜面53が形成される。
【0046】
なお、L字腕37、上部腕38、中部腕40、下部腕42、左連結リンク43、右連結リンク44、左右連結リンク45、調速機ロープ連結リンク46、屈折部50、付勢体51及び傾斜板52を主要部材として作動機構54が構成される。そして、作動機構54及び作動機構54によって作動する制動板47を主要部材として非常止め装置55が構成される。
【0047】
上記のように構成されたエレベーター用つり合おもりの案内装置においても、昇降路1の固定体2に多数個の案内具10が鉛直方向に互いに離れて装着されて案内具10列が形成される。そして、つり合おもり3の案内条体6が、つり合おもり3の昇降位置に関わらず案内条体6に対向した案内具10列の鉛直方向において互いに隣り合う案内具10の少なくとも二つに嵌合する。したがって、詳細な説明を省略するが図11〜図14の実施の形態においても図1〜図4の実施の形態と同様な作用が得られる。
【0048】
また、図11〜図14の実施の形態において通常時、すなわち、つり合おもり3の昇降と共に調速機ロープ35が循環移動している場合には、付勢体51の付勢力によって制動板47が案内具10の案内溝11側壁の外面から離れた位置に保持される。すなわち図12に示す状態で、案内条体6が案内具10に案内されてつり合おもり3が昇降する。また、つり合おもり3が異常速度で下降したときには調速機が動作する。
【0049】
このときには、調速機ロープ35の循環移動が拘束されるので、調速機ロープ連結リンク46がつり合おもり3に対して上昇して左連結リンク43が上昇し、また左右連結リンク45を介して右連結リンク44も上昇する。これによって、L字腕37、上部腕38、中部腕40、下部腕42の回動端が上昇し、ボール422によって傾斜板52の傾斜面53が押圧される。
【0050】
そして、傾斜板52の傾斜面53がボール422によって押圧されることにより、制動板47が案内具10の案内溝11側壁の外面に押し付けられ、制動板47と案内具10の摩擦抵抗によってつり合おもり3が異常速度下降が制動される。したがって、非常止め装置55の装備が必要なつり合おもり3に容易に対応することができる。
【0051】
実施の形態7.
図15〜図18も、この発明の他の実施の形態を示す図で、図15は前述の図11に相当する図、図16は図15のF−F線断面拡大図、図17は図15の非常止め装置の動作状態を示す図、図18は図17に対応した図16相当図である。なお図15〜図18の他は前述の図11〜図14と同様にエレベーター用つり合おもりの案内装置が構成されている。図において、図1、図11〜図14と同符号は相当部分を示す。
【0052】
そして、つり合おもり3の奥行き方向の前側におけるつり合おもり3の間口方向の両側にそれぞれ制動板56が配置され、長手が鉛直方向に配置されて昇降路1の内面を形成する壁からなる固定体2と対面して配置される。また、制動板56は上下方向において案内条体6の高さに準じた高さに形成され、制動板56の反固定体2側には溝形材57が装着されて上下端にはそれぞれ先端が固定体2から離れる方向に傾斜した斜面58が形成されている。
【0053】
また、つり合おもり3の上縁部側における間口方向の両側にそれぞれ上部軸59が、つり合おもり3の下縁部側における間口方向の両側にそれぞれ下部軸60が設けられて長手がつり合おもり3の奥行き方向に貫通した状態に配置される。そして、それぞれの上部軸59に第一リンク61の一端が枢着され、他端は溝形材57内に配置されて溝形材57の上部ピン62に枢着される。
【0054】
そして、それぞれの下部軸60に第二リンク63の一端が枢着され、他端は溝形材57内に配置されて溝形材57の下部ピン64に枢着される。また、上部左リンク65が図15における左側の溝形材57内に配置されて溝形材57の上部ピン62に枢着され、上部右リンク66が図15における右側の溝形材57内に配置されて溝形材57の上部ピン62に枢着される。
【0055】
そして、上部左リンク65の他端と上部右リンク66の他端が相互に上部中央ピン67に枢着される。また、調速機ロープ連結リンク46の一端が調速機ロープ35の装着具に枢着され、他端は上部左リンク65の長手中間位置に枢着される。また、下部左リンク68が図15における左側の溝形材57内に配置されて溝形材57の下部ピン64に枢着され、下部右リンク69が図15における右側の溝形材57内に配置されて溝形材57の下部ピン64に枢着される。
【0056】
そして、下部左リンク68の他端と下部右リンク69の他端が相互に下部中央ピン69に枢着される。また、上下連結リンク70の長手が鉛直方向に配置されて、両端がそれぞれ上部中央ピン67、下部中央ピン69に枢着される。なお、調速機ロープ連結リンク46、第一リンク61、第二リンク63、上部左リンク65、上部右リンク66、下部左リンク68、下部右リンク69及び上下連結リンク70を主要部材として作動機構71が構成される。そして、作動機構71及び作動機構71によって作動する制動板56及び溝形材57を主要部材として非常止め装置72が構成される。
【0057】
上記のように構成されたエレベーター用つり合おもりの案内装置においても、昇降路1の固定体2に多数個の案内具10が鉛直方向に互いに離れて装着されて案内具10列が形成される。そして、つり合おもり3の案内条体6が、つり合おもり3の昇降位置に関わらず案内条体6に対向した案内具10列の鉛直方向において互いに隣り合う案内具10の少なくとも二つに嵌合する。したがって、詳細な説明を省略するが図15〜図18の実施の形態においても図1〜図4の実施の形態と同様な作用が得られる。
【0058】
また、図15〜図18の実施の形態において通常時、すなわち、つり合おもり3の昇降と共に調速機ロープ35が循環移動している場合には、調速機ロープ連結リンク46がつり合おもり3に対して所定位置に保持される。すなわち図15に示す状態で、案内条体6が案内具10に案内されてつり合おもり3が昇降する。また、つり合おもり3が異常速度で下降したときには調速機が動作する。
【0059】
このときには、調速機ロープ35の循環移動が拘束されるので、調速機ロープ連結リンク46がつり合おもり3に対して上昇して上部左リンク65及び上部右リンク66の枢着箇所が上昇する。そして、上下連結リンク70を介して、下部左リンク68及び下部右リンク69の枢着箇所も上昇する。
【0060】
この上部左リンク65及び上部右リンク66並びに下部左リンク68及び下部右リンク69の上昇動作によって、両側の制動板56が昇降路1の固定体2に押し付けられ、制動板47と固定体2の摩擦抵抗によってつり合おもり3が異常速度下降が制動される。したがって、非常止め装置72の装備が必要なつり合おもり3に容易に対応することができる。また、制動板56が固定体2に押し付けられるので、制動面積を広くすることができて所要の制動作用を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】この発明の実施の形態1を示す図で、昇降路の要部立面図。
【図2】図1の平面図。
【図3】図2の要部拡大図。
【図4】図1のA部における右側面拡大図。
【図5】この発明の実施の形態2を示す図で、昇降路の要部立面図。
【図6】この発明の実施の形態3を示す図であり、図1に相当する昇降路の要部立面図。
【図7】図6のB部拡大図。
【図8】図7の平面図。
【図9】この発明の実施の形態4を示す図で、図3相当図。
【図10】この発明の実施の形態5を示す図で、図3相当図。
【図11】この発明の実施の形態6を示す図で、図1に相当する図。
【図12】図11における矢印Cから見た要部を拡大して示す図。
【図13】図11における矢印Dから見た要部を拡大して示す図。
【図14】図11のE部を拡大して示す斜視図。
【図15】この発明の実施の形態7を示す図で、図11に相当する図。
【図16】図15のF−F線断面拡大図。
【図17】図15の非常止め装置の動作状態を示す図。
【図18】図17に対応した図16相当図。
【符号の説明】
【0062】
1 昇降路、2 固定体、3 つり合おもり、6 案内条体、7 第一種斜面、8 第二種斜面、9 先細部、10 案内具、11 案内溝、16 案内具、18 水平軸、19 鍔付き転輪、20 案内溝、22 案内具、25 水平軸、26 端面転輪、27
側面軸、28 側面転輪、29 案内溝、30 案内具、31 屈折部、33 案内条体、34 狭幅部、47 制動板、54 作動機構、55 非常止め装置、56 制動板、71 作動機構、72 非常止め装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
昇降路の所定経路を昇降するつり合おもりの水平投影面における両側にそれぞれ装着されて長手が鉛直方向に配置された案内条体と、上記昇降路の内面を形成する固定体に多数個が鉛直方向に互いに離れて装着されて上記案内条体と対向する位置に配置され、上記案内条体側に開口して上記案内条体が嵌合する案内溝が設けられると共に、上記つり合おもりの昇降位置に関わらず鉛直方向において上記案内条体に対して互いに隣り合う少なくとも二つが嵌合する間隔に配置された案内具とを備えたエレベーター用つり合おもりの案内装置。
【請求項2】
案内条体を、長手端に形成されて先端側が固定体から後退する方向に傾斜した第一種斜面及び案内条体の幅方向の側面が互いに接近する方向に傾斜した第二種斜面によって形成された先細部を有するものとしたことを特徴とする請求項1記載のエレベーター用つり合おもりの案内装置。
【請求項3】
案内具の案内溝を、水平投影面において底面及び両側壁によって形成されたものとしたことを特徴とする請求項1記載のエレベーター用つり合おもりの案内装置。
【請求項4】
案内条体を、水平投影面におけるつり合おもり側に突出端側幅よりも狭幅に形成された狭幅部を有するものとし、案内具を、案内溝の開口部幅を狭幅化して上記案内条体の狭幅部が通過可能に形成された屈折部を有するものとしたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一つに記載のエレベーター用つり合おもりの案内装置。
【請求項5】
案内具の案内溝を、上記案内溝の水平投影面における底面に沿う方向に配置された水平軸に枢着され鍔付き転輪の鍔の相互によって形成されたものとしたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一つに記載のエレベーター用つり合おもりの案内装置。
【請求項6】
案内具の案内溝を、水平投影面における底面に水平軸によって端面転輪が枢着され、水平投影面における両側壁にそれぞれ側面軸によって側面転輪が枢着されて形成されたものとしたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一つに記載のエレベーター用つり合おもりの案内装置。
【請求項7】
端面転輪及び側面転輪を、少なくとも転動外周面が軟質材によって形成されたものとしたことを特徴とする請求項6記載のエレベーター用つり合おもりの案内装置。
【請求項8】
エレベーターの調速機に巻掛けられた調速機ロープに連結された作動機構及び上記調速機の動作時に上記作動機構によって作動して案内具の案内溝側壁の外面に押圧される制動板を要部として形成された非常止め装置を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか一つに記載のエレベーター用つり合おもりの案内装置。
【請求項9】
エレベーターの調速機に巻掛けられた調速機ロープに連結された作動機構及び上記調速機の動作時に上記作動機構によって作動して昇降路の固定体に押圧される制動板を要部として形成された非常止め装置を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか一つに記載のエレベーター用つり合おもりの案内装置。
【請求項1】
昇降路の所定経路を昇降するつり合おもりの水平投影面における両側にそれぞれ装着されて長手が鉛直方向に配置された案内条体と、上記昇降路の内面を形成する固定体に多数個が鉛直方向に互いに離れて装着されて上記案内条体と対向する位置に配置され、上記案内条体側に開口して上記案内条体が嵌合する案内溝が設けられると共に、上記つり合おもりの昇降位置に関わらず鉛直方向において上記案内条体に対して互いに隣り合う少なくとも二つが嵌合する間隔に配置された案内具とを備えたエレベーター用つり合おもりの案内装置。
【請求項2】
案内条体を、長手端に形成されて先端側が固定体から後退する方向に傾斜した第一種斜面及び案内条体の幅方向の側面が互いに接近する方向に傾斜した第二種斜面によって形成された先細部を有するものとしたことを特徴とする請求項1記載のエレベーター用つり合おもりの案内装置。
【請求項3】
案内具の案内溝を、水平投影面において底面及び両側壁によって形成されたものとしたことを特徴とする請求項1記載のエレベーター用つり合おもりの案内装置。
【請求項4】
案内条体を、水平投影面におけるつり合おもり側に突出端側幅よりも狭幅に形成された狭幅部を有するものとし、案内具を、案内溝の開口部幅を狭幅化して上記案内条体の狭幅部が通過可能に形成された屈折部を有するものとしたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一つに記載のエレベーター用つり合おもりの案内装置。
【請求項5】
案内具の案内溝を、上記案内溝の水平投影面における底面に沿う方向に配置された水平軸に枢着され鍔付き転輪の鍔の相互によって形成されたものとしたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一つに記載のエレベーター用つり合おもりの案内装置。
【請求項6】
案内具の案内溝を、水平投影面における底面に水平軸によって端面転輪が枢着され、水平投影面における両側壁にそれぞれ側面軸によって側面転輪が枢着されて形成されたものとしたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一つに記載のエレベーター用つり合おもりの案内装置。
【請求項7】
端面転輪及び側面転輪を、少なくとも転動外周面が軟質材によって形成されたものとしたことを特徴とする請求項6記載のエレベーター用つり合おもりの案内装置。
【請求項8】
エレベーターの調速機に巻掛けられた調速機ロープに連結された作動機構及び上記調速機の動作時に上記作動機構によって作動して案内具の案内溝側壁の外面に押圧される制動板を要部として形成された非常止め装置を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか一つに記載のエレベーター用つり合おもりの案内装置。
【請求項9】
エレベーターの調速機に巻掛けられた調速機ロープに連結された作動機構及び上記調速機の動作時に上記作動機構によって作動して昇降路の固定体に押圧される制動板を要部として形成された非常止め装置を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか一つに記載のエレベーター用つり合おもりの案内装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2006−82934(P2006−82934A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−270172(P2004−270172)
【出願日】平成16年9月16日(2004.9.16)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年9月16日(2004.9.16)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]