説明

エレベータ制御装置

【課題】周囲に雑音があっても誤検出することなく乗りかごに設置されたマイクロホンで収集した異常音を適確に検出できる機能を持つエレベータ制御装置を提供する。
【解決手段】このエレベータ制御装置には、建物に設備された昇降路のレール1に沿って多階床間で乗りかご2を昇降させる乗りかご用電動機3と、乗りかご用電動機3を制御する制御装置4と、乗りかご2に設置されて乗りかご2のかご扉5を開閉するかご扉用電動機6と、乗りかご2に設置されて制御装置4と接続されると共に、かご扉用電動機6を制御するかご制御装置7と、乗りかご2内に設置されて昇降運転時の音を収集するマイクロホン8と、が備えられ、乗りかご2に設置されてマイクロホン8と接続されると共に、マイクロホン8により収集された音を分析して異常音発生の判定を含む分析結果を生成して保持する異常音分析装置9が備えられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物に設備された昇降路の多階床間で乗りかごを昇降運転させるエレベータ設備に異常音検出機能を持たせ、保守点検時に故障要因の発見を容易にして故障発生を未然に防止するために好適なエレベータ制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、エレベータ設備は、構造上において複数の摺動部分を有しており、乗りかごの昇降時にかご扉、並びに乗場扉の開閉動作を繰り返し行っている。このため、こうした摺動部分に油切れや変形が生じたり、或いは異物が挟まる等のトラブルを起こすと、異常音を発生することがある。
【0003】
通常エレベータ設備で異常音が発生すると、使用者や管理者から通報を受けた保守点検業者が現場に赴いて対処している。通報者である使用者や管理者は殆ど専門知識を持たないため、事前情報が適確に与えられる場合が乏しく、現地で保守点検作業を開始するまでに異常原因を推定し難い場合も少なくない。また、通報者から提供される情報が曖昧であったり、或いは保守点検業者が現場に赴いたときに通報者が不在であると、実際にエレベータ設備を稼動させて通報された内容の異常音の発生要因を最初から細かく点検して確認しなければならず、対処に手間が掛かるだけでなく、多大な時間や労力を要し、対応が遅れてしまう傾向にある。
【0004】
そこで、エレベータ設備で異常音が発生したときに保守点検業者が点検し易くするための機能を持たせるような提案もなされている。例えば、ドア開閉音の異常を遠隔監視装置から確認できるようにしたエレベータ遠隔監視システム(特許文献1参照)、エレベータ走行運転中に発生する異常音を録音して異常音の発生原因及び発生場所を特定するのに役立つエレベータの運転時録音装置(特許文献2参照)が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−203745号公報
【特許文献2】特開平11−49444号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した特許文献1に係る技術は、乗りかご内に設置したマイクロホンによりドア(かご扉)の開閉音を収集し、電話回線に通じた遠隔監視装置により予め記憶させておいた基準音と比較して異常を検出するようにしたものであるが、特にインターホンに付設されるマイクロホンの場合には集音性能が低い上、周囲に雑音(ノイズ)が発生していると、検出すべき異常音とそれ以外の雑音との区別をし難く、ドア(かご扉)が正常であるにも拘わらず、異常音を発生していると誤検出してしまうのを回避できないという問題がある。
【0007】
また、特許文献2に係る技術は、管制センタからの異常音確認運転指令に基づいて乗りかごを最上階と最下階との間で往復運転させ、中間階の乗場通過時に特定の発信音を発して録音し、異常場所(箇所)を特定するものであり、録音結果を再生しながら点検者が耳で発信音の回数を計数(カウント)して異常音の発生場所を特定する必要がある。このため、階床数が多い高層な建物に設備された場合には録音時間が長時間に及んでしまい、異常場所が乗りかごの走行に係るものか、ドア(かご扉)の開閉に係るものかといった特定に時間が掛かってしまう上、正確に特定するためには熟練を要するものであることにより、簡易にして適確に異常場所を特定し難いという不便さの問題がある。
【0008】
本発明は、このような問題点を解決すべくなされたもので、その技術的課題の1つは、周囲に雑音があっても誤検出することなく乗りかごに設置されたマイクロホンで収集した異常音を適確に検出できる機能を持つエレベータ制御装置を提供することにある。
【0009】
本発明の技術的課題のもう1つは、階床数が多い高層な建物に設備された場合にも乗りかごに設置されたマイクロホンで収集した異常音に基づいて迅速にして適確に異常場所を特定し得る機能を持つエレベータ制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記技術的課題を達成するため、本発明の第1の手段は、建物に設備された昇降路のレールに沿って多階床間で乗りかごを昇降させる乗りかご用電動機と、乗りかご用電動機を制御する制御装置と、乗りかごに設置されて当該乗りかごのかご扉を開閉するかご扉用電動機と、乗りかごに設置されて制御装置と接続されると共に、かご扉用電動機を制御するかご制御装置と、を備えたエレベータ制御装置において、乗りかご内に設置されて昇降運転時の音を収集するマイクロホンと、乗りかごに設置されてマイクロホンと接続されると共に、当該マイクロホンにより収集された音を分析して異常音発生の判定を含む分析結果を生成して保持する異常音分析装置と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
第2の手段は、第1の手段において、異常音分析装置は、分析結果として、かご扉用電動機により駆動されるかご扉開閉機構に備えられるプーリの半径と当該かご扉用電動機の回転速度との関係で得られる予め算出した当該プーリの一回転時間と、マイクロホンにより収集された音における異常音発生周期とを比較した結果に基づいて異常音発生の判定を行うことを特徴とする。
【0012】
第3の手段は、第1の手段において、異常音分析装置は、分析結果として、予め記憶したかご扉用電動機により駆動されるかご扉が開き始めてから開き切るまでの時間、又は閉じ始めてから閉じ切るまでの時間と、マイクロホンにより収集された音における異常音発生周期とを比較した結果に基づいて異常音発生の判定を行うことを特徴とする。
【0013】
第4の手段は、第1の手段において、異常音分析装置は、分析結果として、乗りかご用電動機に備えられるエンコーダから得られる乗りかごのかご位置情報に基づいてマイクロホンにより収集された音の異常音発生位置が当該乗りかごの昇降走行中に決まった位置で発生すると認識した場合に異常音発生の判定を行うものであることを特徴とする。
【0014】
第5の手段は、第1の手段〜第4の手段の何れか1つの手段において、異常音分析装置は、分析結果として、異常音発生の判定に際してかご制御装置の制御指令を受けてかご扉用電動機により駆動されるかご扉の開閉速度、又は制御装置の制御指令を受けて乗りかご用電動機により駆動される乗りかごの昇降の走行速度を変化させ、当該速度変化に合わせて可変するマイクロホンにより収集された音における異常音発生周期に基づいて当該異常音発生の判定を重畳して行うことを特徴とする。
【0015】
第6の手段は、第1の手段〜第5の手段の何れか1つの手段において、異常音分析装置は、分析結果として、乗りかごの昇降の走行運転停止時に得られた異常音発生の判定についてはかご扉での異常とみなし、当該乗りかごの昇降の走行運転時に得られた当該異常音発生の判定についてはレールを含む昇降路での異常とみなすことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明のエレベータ制御装置によれば、乗りかごに設置した異常音分析装置が乗りかご内に設置されたマイクロホンにより収集された音を分析して精度良く異常音発生の判定を含む分析結果を生成して保持するため、周囲に雑音があっても誤検出することがなく、しかも階床数が多い高層な建物に設備されたエレベータ設備であっても、迅速にして適確に摺動部分の異常場所を特定することができ、保守点検業者が現場に赴いて対処する際の効率を向上させることができる。特に異常音発生の判定については、マイクロホンにより収集された音がエレベータ設備の可動部の動作に同期して発生しているか否かを比較照合して行っているため、周囲の雑音等と区別して確実に異常音発生を検出することができる。結果として、エレベータ設備の保守点検業務上で有益となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施例1に係るエレベータ制御装置の全体的構成を示した概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明のエレベータ制御装置について、図面を参照して詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明の実施例1に係るエレベータ制御装置の全体的構成を示した概略図である。このエレベータ制御装置は、建物に設備された昇降路のレール1に沿って多階床間で乗りかご2を昇降させる乗りかご用電動機3と、乗りかご用電動機3を制御する制御装置4と、乗りかご2に設置されて乗りかご2のかご扉5を開閉するかご扉用電動機6と、乗りかご2に設置されて制御装置4と接続されると共に、かご扉用電動機6を制御するかご制御装置7と、乗りかご2内に設置されて昇降運転時の音を収集するマイクロホン8と、乗りかご2に設置されてマイクロホン8及びかご制御装置7と接続されると共に、マイクロホン8により収集された音を分析して異常音発生の判定を含む分析結果を生成して保持してかご制御装置7へ送出する異常音分析装置9と、を備えたエレベータ設備として構成されている。
【0020】
このうち、乗りかご2については、乗りかご用電動機3のモータ軸に設けられたシーブ10並びにそらせ車15に巻き掛けられたロープ16を介してカウンタウェイト11と連結される。乗りかご2は、動作上において乗りかご用電動機3の駆動によるシーブ10の回転に伴い、カウンタウェイト11と共に互いに上下反対方向に昇降するシーソー方式が採用されている。このとき、乗りかご2の昇降走行運転に伴うかご位置情報は、乗りかご用電動機3のモータ軸に設けられたエンコーダ12によって検出される。因みに、乗りかご2の駆動方式は、油圧方式等の他の方式を採用しても良い。
【0021】
乗りかご2のかご扉5に対する開閉動作は、かご扉用電動機6に付設されると共に、それにより駆動されるかご扉開閉機構を成す構成部、即ち、かご扉用電動機6のモータ軸に設けられたプーリ13に巻き掛けられたベルト14を介して左右開閉動作が行われる。かご扉5の開閉動作は、左右開閉動作が基本であるが、上下開閉等のその他の方式を採用することも可能である。
【0022】
実施例1に係るエレベータ制御装置では、乗りかご2の昇降走行やかご扉5の開閉に伴う摺動によって発生する音を乗りかご2内に設置されたマイクロホン8により収集し、乗りかご2に設置した異常音分析装置9が収集された音を分析して精度良く異常音発生の判定を含む分析結果を生成して保持するため、周囲に雑音(ノイズ)があっても誤検出することがなく、しかも階床数が多い高層な建物に設備されたエレベータ設備であっても、迅速にして適確に摺動部分の異常場所を特定することができる。この結果として、保守点検業者が現場に赴いて対処する際の効率を向上させることができる。
【0023】
因みに、異常音分析装置9によって異常音発生の判定が行われた場合には、その旨を略図する監視装置により電話回線等を通じて遠隔地のセンタに発報したり、或いは無線通信により保守点検業者が携帯する携帯端末の表示部に表示させることも可能である。
【0024】
ところで、異常音分析装置9による音の分析結果で得られる異常音発生の判定には、エレベータ設備の可動部の動作に同期して発生しているか否かを比較照合して行うための幾つかの手法が挙げられる。
【0025】
第1の手法は、異常音分析装置9による分析結果として、かご扉用電動機6により駆動されるかご扉開閉機構に備えられるプーリ13の半径rとかご扉用電動機6の回転速度vとの関係で得られる予め算出したプーリ13の一回転時間Tと、マイクロホン8により収集された音の異常音発生周期とを比較した結果に基づいて異常音発生の判定を行うものである。尚、プーリ13の一回転時間Tは、プーリ13の半径rとかご扉用電動機6の回転速度vとの間において、T=2π(|r|/|v|)なる関係が成立するものである。
【0026】
ここで、例えばプーリ13に油と埃とが混ざった異物が付着していた場合を想定すると、プーリ13がベルト14との接触面でプーリ13の回転と同期した周期的な異常音(ゴトゴト音)が発生するため、異常音分析装置9では予め算出したプーリ13の一回転時間Tとマイクロホン8からの音の異常音発生周期(ゴトゴト音発生周期)とを比較照合することにより、一回転時間T内で発生するゴトゴト音発生周期を検出した場合に異常音発生の判定を自動的に行うことができる。ここでの周期的に発生する異常音(ゴトゴト音)は雑音(ノイズ)となるその他の背景音源とは明確に区別され得るため、異常音発生を適確に検出することができる。
【0027】
第2の手法は、異常音分析装置9による分析結果として、予め記憶したかご扉5が開き始めてから開き切るまでの時間、又は閉じ始めてから閉じ切るまでの時間(即ち、かご扉5の開閉時間)と、マイクロホン8により収集された音の異常音発生周期とを比較した結果に基づいて異常音発生の判定を行うものである。
【0028】
ここで、例えばかご扉5のガイドレールに小石が挟まり、かご扉5の開閉動作時に引きずり音が発生する場合を想定すると、かご扉5の開閉動作時について、閉端から開端までの所要時間が2秒、開状態の所要時間が5秒、開端から閉端までの所要時間が3秒であれば、かご扉5の一往復の戸開方向では2秒以内、戸閉方向で3秒以内の決まったタイミングで異常音(引きずり音)が発生するため、異常音分析装置9では予め記憶したかご扉5の開閉時間(閉端から開端までの2秒、開端から閉端までの3秒)とマイクロホン8からの音の異常音発生周期(2秒以内、3秒以内に発生する引きずり音)とを比較照合することにより、かご扉5の開閉時間内で発生する引きずり音を検出した場合に異常音発生の判定を自動的に行うことができる。ここでの周期的に発生する異常音(引きずり音)は、雑音(ノイズ)となるその他の背景音源とは明確に区別され得るため、異常音発生を適確に検出することができる。
【0029】
第3の手法は、異常音分析装置9による分析結果として、乗りかご用電動機3に備えられるエンコーダ12から得られる乗りかご2のかご位置情報に基づいてマイクロホン8により収集された音の異常音発生位置が乗りかご2の昇降走行中に決まった位置(箇所、場所)で発生すると認識した場合に異常音発生の判定を行うものである。
【0030】
ここで、例えば乗りかご2のレール1に沿った昇降走行運転時にレール1の油切れにより所定箇所で摩擦音が発生する場合を想定すると、異常音分析装置9ではエンコーダ12からのパルス信号が乗りかご用電動機3と制御装置4及びかご制御装置7とを経由してかご位置情報として入力されているため、マイクロホン8により収集された音の異常音発生位置(摩擦音発生位置)に対してかご位置情報を対応させることにより、摩擦音が毎回発生するときのかご位置情報について、音の異常音発生位置(摩擦音発生位置)とみなして異常音発生の判定(異常音発生の位置の特定)を自動的に行うことができる。ここでの周期的に発生する異常音(摩擦音)は、雑音(ノイズ)となるその他の背景音源とは明確に区別され得るため、異常音発生を適確に検出することができる。
【0031】
第4の手法は、上記第1の手法〜第3の手法において適用可能なもので、異常音分析装置9による分析結果として、上記異常音発生の判定に際してかご制御装置7の制御指令を受けてかご扉用電動機6により駆動されるかご扉5の開閉速度、又は制御装置4の制御指令を受けて乗りかご用電動機3により駆動される乗りかご2の昇降の走行速度を変化させ、速度変化に合わせて可変するマイクロホン8により収集された音における異常音発生周期に基づいて異常音発生の判定を重畳して行うものである。
【0032】
ここで、例えば最初の異常音発生の判定をした異常音発生の検出時にかご制御装置7の制御指令によりかご扉用電動機6を駆動してかご扉5の開閉速度を遅くした場合を想定すると、マイクロホン8により収集された音における異常音発生周期が長くなる。このように異常音発生周期を変化させて異常音発生の判定を重畳して行うことによって、偶発的に生じ得る雑音(ノイズ)の異常音発生周期との重なりをずらして異常音を偶発的雑音(ノイズ)とは明確に区別させて異常音発生の誤検出を回避させることができるため、異常音発生を一層適確に検出することができる。
【0033】
第5の手法は、上記第1の手法〜第4の手法において適用可能なもので、異常音分析装置9による分析結果として、乗りかご2の昇降の走行運転停止時に得られた異常音発生の判定についてはかご扉5での異常とみなし、乗りかご2の昇降の走行運転時に得られた異常音発生の判定についてはレール1を含む昇降路での異常とみなすものである。こうした異常音発生の判定時に具体的な摺動部の特定を行えば、保守点検業者が現場に赴いたときに点検箇所(場所、位置)の絞り込みを行うことができ、異常箇所(場所、位置)の発見を早期に行うことができるため、対処する際に有効となり、エレベータ設備の保守点検業務上で有益となる。
【0034】
上述した実施例1に係るエレベータ制御装置の特徴的機能、即ち、異常音分析装置9に係る異常音発生の判定を含む異常音分析を行う機能は、図1に開示した乗りかご2の昇降路が単一系統のエレベータ設備構成の他、複数の昇降路が併設された号機系統別のエレベータ設備構成においても適用可能なものであり、こうした場合には乗りかご2の号機系統別に異常音分析装置9を配備した構成とすれば良く、単一系統の場合と同等な作用効果を奏する。
【符号の説明】
【0035】
1 レール
2 乗りかご
3 乗りかご用電動機
4 制御装置
5 かご扉
6 かご扉用電動機
7 かご制御装置
8 マイクロホン
9 異常音判定装置
10 シーブ
11 カウンタウェイト
12 エンコーダ
13 プーリ
14 ベルト
15 そらせ車
16 ロープ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物に設備された昇降路のレールに沿って多階床間で乗りかごを昇降させる乗りかご用電動機と、前記乗りかご用電動機を制御する制御装置と、前記乗りかごに設置されて当該乗りかごのかご扉を開閉するかご扉用電動機と、前記乗りかごに設置されて前記制御装置と接続されると共に、前記かご扉用電動機を制御するかご制御装置と、を備えたエレベータ制御装置において、
前記乗りかご内に設置されて昇降運転時の音を収集するマイクロホンと、前記乗りかごに設置されて前記マイクロホンと接続されると共に、当該マイクロホンにより収集された前記音を分析して異常音発生の判定を含む分析結果を生成して保持する異常音分析装置と、を備えたことを特徴とするエレベータ制御装置。
【請求項2】
請求項1記載のエレベータ制御装置において、前記異常音分析装置は、前記分析結果として、前記かご扉用電動機により駆動されるかご扉開閉機構に備えられるプーリの半径と当該かご扉用電動機の回転速度との関係で得られる予め算出した当該プーリの一回転時間と、前記マイクロホンにより収集された前記音における異常音発生周期とを比較した結果に基づいて前記異常音発生の判定を行うことを特徴とするエレベータ制御装置。
【請求項3】
請求項1記載のエレベータ制御装置において、前記異常音分析装置は、前記分析結果として、予め記憶した前記かご扉用電動機により駆動される前記かご扉が開き始めてから開き切るまでの時間、又は閉じ始めてから閉じ切るまでの時間と、前記マイクロホンにより収集された前記音における異常音発生周期とを比較した結果に基づいて前記異常音発生の判定を行うことを特徴とするエレベータ制御装置。
【請求項4】
請求項1記載のエレベータ制御装置において、前記異常音分析装置は、前記分析結果として、前記乗りかご用電動機に備えられるエンコーダから得られる前記乗りかごのかご位置情報に基づいて前記マイクロホンにより収集された前記音の異常音発生位置が当該乗りかごの昇降走行中に決まった位置で発生すると認識した場合に前記異常音発生の判定を行うことを特徴とするエレベータ制御装置。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか1項記載のエレベータ制御装置において、前記異常音分析装置は、前記分析結果として、前記異常音発生の判定に際して前記かご制御装置の制御指令を受けて前記かご扉用電動機により駆動される前記かご扉の開閉速度、又は前記制御装置の制御指令を受けて前記乗りかご用電動機により駆動される前記乗りかごの昇降の走行速度を変化させ、当該速度変化に合わせて可変する前記マイクロホンにより収集された前記音における前記異常音発生周期に基づいて当該異常音発生の判定を重畳して行うことを特徴とするエレベータ制御装置。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか1項記載のエレベータ制御装置において、前記異常音分析装置は、前記分析結果として、前記乗りかごの昇降の走行運転停止時に得られた前記異常音発生の判定については前記かご扉での異常とみなし、当該乗りかごの昇降の走行運転時に得られた当該異常音発生の判定については前記レールを含む前記昇降路での異常とみなすことを特徴とするエレベータ制御装置。

【図1】
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【公開番号】特開2012−218925(P2012−218925A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−89149(P2011−89149)
【出願日】平成23年4月13日(2011.4.13)
【出願人】(000232955)株式会社日立ビルシステム (895)
【Fターム(参考)】