説明

エンジニアリングツール

【課題】監視制御対象をリストアップした機器リストに、この監視制御対象に対する監視制御用の部品を定義するだけで、自動的に信号定義を生成し、エンジニアリングの作業を効率化するエンジニアリングツールを得る。
【解決手段】部品管理11により、OPS画面部品及びCNSロジック部品を生成するとともにこれらの部品で使用される部品信号を定義して部品26を生成する。監視制御対象と部品とを対応付けた機器リスト12を作成すれば、アプリケーション自動生成機能13が機器リスト12に基づき、部品26からOPS画面部品及びCNSロジック部品を抽出して各部品で使用される信号を定義した信号定義15を生成し、この信号定義15を用いて、監視画面32及びCNSロジック42を作成するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、監視制御システムの監視制御対象を監視する監視画面及び監視制御対象を制御するCNS(コントローラ)ロジックを作成するエンジニアリングツールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の監視制御システムのエンジニアリングツールとしては、例えば、特許文献1に、簡易言語を使用して画面上に表示される監視制御対象の設備部品を種類ごとにオフラインで作成する部品クラスエディタと、監視制御対象の設備部品を状態表示する画面及び操作する画面を作成する設備画面エディタとを有する構成で、部品クラスエディタにより、部品クラスの接続方法や図形表示方法を定義し、この定義された部品クラスを設備画面エディタにより画面上に配置するようにしたものが記載されている。
これによれば、専門的な知識をもったものが画面の表示ロジックを作成しなくても、視覚的方法によって新規のマンマシン仕様を簡単に作成でき、容易に画面を作成することが可能である。
【0003】
【特許文献1】特開平6−215057号公報(第3〜4頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の監視制御システムのエンジニアリングツールでは、監視画面を作成する手順は効率化されるが、監視制御システムで必須なエンジニアリング作業であるコントローラのロジック作成や、コントローラとインタフェースするための信号定義については考慮されていないので、監視画面を作成するためには、画面のロジックの作成や、コントローラとインタフェースするための信号を定義しなければならないという、エンジニアリングで最も手間のかかる作業については、全く改善されない。
すなわち、同じ機器で、同じ画面と同じCNSロジックを使用する場合でも、使用される信号を1点ずつ手動で定義し(信号名はプラントでユニークであり、また信号の値を格納するコントローラのメモリ位置(アドレス)も指定する必要がある)、監視画面とCNSロジックにこの信号を割付けるという作業が必要となる。
この信号定義の監視画面、CNSロジックへの割付と言う作業は、同じような画面やCNSロジックを作成する場合でも、必要であり、機器が多いときには、大変な作業量となる。
【0005】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、監視制御対象のプラント機器をリストアップした機器リストに、この機器に対する監視制御用の部品を定義するだけで、自動的に信号定義など生成し、信号を一点ずつ監視画面、CNSロジックへ割付ける必要をなくし、エンジニアリングの作業を効率化するエンジニアリングツールを得ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係わるエンジニアリングツールにおいては、監視制御対象を監視する監視装置の監視画面及び監視制御対象を制御するコントローラで用いられるコントローラ(以下、CNSという)ロジックを作成するエンジニアリングツールにおいて、監視画面及びCNSロジックで用いられる部品を管理し、監視画面を構成するオペレータステーション(以下、OPSという)画面部品及びCNSロジックを構成するCNSロジック部品を生成するとともにOPS画面部品及びCNSロジック部品で使用される部品信号を定義する部
品管理部、監視制御対象と部品管理部により管理された部品とを対応付けた機器リスト、この機器リストに基づき、部品管理部により生成されたOPS画面部品及びCNSロジック部品を抽出して形成されたオーダ部品リスト、このオーダ部品リストのOPS画面部品及びCNSロジック部品で使用される信号を定義した信号定義部、部品管理部により生成されたOPS画面部品及びCNSロジック部品並びに部品管理部により定義された部品信号を用いて、オーダ部品リスト及び信号定義部を生成するアプリケーション自動生成手段、オーダ部品リスト及び信号定義部を用いて監視画面を生成するグラフィックビルダ、及びオーダ部品リスト及び信号定義部を用いてCNSロジックを生成するロジックエディタを備えたものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明は、以上説明したように、監視制御対象を監視する監視装置の監視画面及び監視制御対象を制御するコントローラで用いられるコントローラ(以下、CNSという)ロジックを作成するエンジニアリングツールにおいて、監視画面及びCNSロジックで用いられる部品を管理し、監視画面を構成するオペレータステーション(以下、OPSという)画面部品及びCNSロジックを構成するCNSロジック部品を生成するとともにOPS画面部品及びCNSロジック部品で使用される部品信号を定義する部品管理部、監視制御対象と部品管理部により管理された部品とを対応付けた機器リスト、この機器リストに基づき、部品管理部により生成されたOPS画面部品及びCNSロジック部品を抽出して形成されたオーダ部品リスト、このオーダ部品リストのOPS画面部品及びCNSロジック部品で使用される信号を定義した信号定義部、部品管理部により生成されたOPS画面部品及びCNSロジック部品並びに部品管理部により定義された部品信号を用いて、オーダ部品リスト及び信号定義部を生成するアプリケーション自動生成手段、オーダ部品リスト及び信号定義部を用いて監視画面を生成するグラフィックビルダ、及びオーダ部品リスト及び信号定義部を用いてCNSロジックを生成するロジックエディタを備えたので、機器リストに各監視制御対象に対応する部品を定義すれば、OPS画面部品やCNSロジック部品及びこれらの部品で使用される信号を自動生成することができ、ユーザは信号を一点ずつ割付ける必要がなくなり、エンジニアリングを効率化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1を説明する。
なお、この発明で使用されるエンジニアリングとは、プラントを監視制御するためのプログラム及びデータを作成する作業全てをいう。
図1は、この発明の実施の形態1によるエンジニアリングツールを示すシステム構成図である。
図1において、エンジニアリングツール1は、エンジニアリング機能を格納するプログラムメモリ101と、機能を呼び出して実行するCPU100と、演算用の一時記憶装置RAM102と、エンジニアリングで生成される情報を半永久的に格納する外部記憶装置103から構成される。
エンジニアリングツール1で作成され、外部記憶装置103に格納された監視画面は、汎用ネットワークを経由してOPS(オペレータステーション:監視装置)2に転送され、監視用画面として使用される。OPS2は、監視機能を格納するプログラムメモリ201と、機能を呼び出して実行するCPU200と、監視画面などを格納する外部記憶装置203と、演算用の一時記憶装置RAM202から構成される。
エンジニアリングツール1で作成され、外部記憶装置103に格納されたCNSロジックは、汎用ネットワーク及び制御ネットワーク3を経由してCNS(コントローラ)4に転送され、コントローラの制御用ロジックとして使用される。CNS4は、エンジニアリングツール1で作成されたCNSロジックを格納する不揮発性メモリ404と、演算用プログラムを格納するプログラムメモリ401と、プログラムを読み出して実行するCPU4
00から構成される。CNS4にはプラント機器5が接続され、CPU400で実行されるプログラムは、プラント機器5からの入力を受けて演算を行い、その結果をプラント機器5に出力したり、OPS2に送信して、監視画面に表示するなどの制御を行う。
【0009】
図2は、この発明の実施の形態1によるエンジニアリングツールを示す構成図である。
図2において、エンジニアリングツール1は、監視画面とCNSロジックと両者で使用される部品信号をまとめた部品26を作成する部品管理11(部品管理部)と、OPS2で監視するための監視画面を製作するOPSエンジ16と、CNS4で監視制御対象のプラント機器5を制御するためのプログラムであるCNSロジックを製作するCNSエンジ17と、監視制御対象の各プラント機器に対応する部品を定義した機器リスト12と、部品26及び監視制御用の全部品のリストである部品リスト22を入力として、オーダ部品リスト14及び信号定義15(信号定義部)を自動生成するアプリケーション自動生成機能13(アプリケーション自動生成手段)とにより構成される。
ここで、自動生成されたオーダ部品リスト14及び信号定義15は、OPSエンジ16及びCNSエンジ17に入力されて利用される。オーダ部品リスト14は、部品26から生成されたOPS画面部品及びCNSロジック部品である。信号定義15は、監視画面及びCNSロジック間の信号を定義したもので、つまりOPS2及びCNS4間でやりとりされる信号を定義したものであり、メモリのアドレスが含まれる。
【0010】
部品管理11は、部品管理機能21と、グラフィック部品ビルダ23と、部品信号定義24と、CNSロジック部品エディタ25と部品リスト22と部品26とを有している。部品管理機能21は、新しい部品を作成するのにユーザによって使用され、ユーザが新規部品生成を行い、新しい部品の名称を入力すると、部品を生成して部品リスト22にこれを追加する。
部品信号定義24は、部品管理機能21によって起動され、新規生成された部品で使用する部品信号(図3参照)を定義する。グラフィック部品ビルダ23は、部品管理機能21によって起動され、新規生成された部品のOPS画面部品(図3参照)を作図する。CNSロジック部品エディタ25は、部品管理機能21によって起動され、新規生成された部品のCNSロジック部品(図3参照)を作成する。これらの部品は、部品が複数登録された部品庫として、エンジニアリングツール1に接続された外部記憶装置103に格納される。
部品リスト22は、部品管理機能21により管理される監視制御用の全部品のリストである。部品26は、図3の構成の部品が多数登録された部品庫となっている。
【0011】
機器リスト12は、監視制御対象の各プラント機器に対応する部品を定義したものであり、工事用のエンジニアリングを行う際、ユーザによって最初に作成されて、外部記憶装置103に格納されている。機器リスト12には、ユニークな機器番号と、機器名称、当該機器用の部品を割り付けるための部品番号が定義される。
アプリケーション自動生成機能13は、機器リスト12に機器毎に定義された部品番号を参照して、必要な情報を部品26から取り出して、OPS画面部品27とCNSロジック部品29よりオーダ部品リスト14を自動生成し、部品信号28より、メモリのアドレスなどを与えて信号定義15を自動生成し、外部記憶装置103に格納する。
【0012】
OPSエンジ16のグラフィックビルダ31は、オーダ部品リスト14から部品を選択して監視画面32に配置するのに使用される。この場合、各表示項目の属性の信号が、信号定義15に自動生成された信号と一致するよう同じ規則で自動変換される。自動変換された監視画面32は、外部記憶装置103に格納される。この監視画面32はバインド33によってバイナリに変換されて監視画面オブジェクト34に形成され、OPS転送35によってOPS2に転送される。
CNSエンジ17のロジックエディタ41は、オーダ部品リスト14から部品を選択して
CNSロジックに配置するのに使用される。この場合にも、ロジック内の信号が、信号定義15に自動生成された信号と一致するよう同じ規則で自動変換される。自動変換されたCNSロジック42は、外部記憶装置103に格納される。コンパイラ43は、CNSロジック42をコンパイルして、CNS実行オブジェクト44にし、CNS転送45によりCNS4にこれを転送する。
【0013】
図3は、この発明の実施の形態1によるエンジニアリングツールの部品の内容を示す図である。
図3において、部品26は、OPS画面部品27と、CNSロジック部品29と、OPS画面部品27及びCNSロジック部品29間の信号である部品信号28とから構成される。
【0014】
図4は、この発明の実施の形態1によるエンジニアリングツールの機器リストを示す図である。
図4において、機器リスト12は、機器番号と、機器名称と、部品番号とその他情報から構成される。
図5は、この発明の実施の形態1によるエンジニアリングツールの信号定義を示す図である。
図5において、信号定義15は、ラベル、タグ、アラームとそのアドレスが示されている。ラベル・タグ・アラームは、信号の属性であり、信号がどのように使われるかを示したものである。例えば、アラームはCNS4で検出した機器故障などのエラーを、OPS2にアラーム表示するために用いられる。
【0015】
図6は、この発明の実施の形態1によるエンジニアリングツールの監視画面を示す図である。
図6において、監視画面32は、工程系統図として表現されている。
【0016】
図7は、この発明の実施の形態1によるエンジニアリングツールのCNSロジックを示す図である。
図7において、CNSロジック42は、監視制御対象の制御ロジックが示されている。
【0017】
図8は、この発明の実施の形態1によるエンジニアリングツールのエンジニアリングフローを示す図である。
【0018】
次に、動作について説明する。
この発明では、OPS画面部品とCNSロジック部品と部品信号をまとめた部品の概念を導入し、機器リスト12に各機器に対応する部品を定義すれば、アプリケーション自動生成機能13が必要な信号や、OPS画面部品やCNSロジック部品を自動生成する。OPS画面部品やCNSロジック部品では、信号が部品から自動変換されるので、ユーザは信号を一点ずつ割付ける必要がなくなり、エンジニアリングを効率化することができる。
【0019】
以下、詳細に説明する。
エンジニアリングツール1では、部品管理11を用いて、OPS画面部品と、CNSロジック部品と、両者で使用される部品信号をまとめた部品26が作成される。部品26の構成は、図3に示すとおりである。
図3のように、部品26では、OPS画面部品27、CNSロジック部品29、両者で使用される部品信号28から1つの部品が構成され、この部品がポンプ制御用、弁制御用などの単位で複数登録されている。部品信号28は、例えば「機器故障」などの信号を定義し、CNSロジック部品29ではプラント機器の状態から「機器故障」をONするロジックを記述し、OPS画面部品27では、「機器故障」信号がONしたら、ポンプを赤色に
する、といった画面の定義を行う。すなわち、部品信号の「機器故障」信号によって、CNSロジック部品の演算と、OPS画面部品の表示がひもづけられる。この信号は、図1の制御ネットワーク3を経由して、CNS4からOPS2へ送信、またはその逆の通信によって、受け渡しされる。
ユーザは、部品管理機能21を使用して、新しい部品を作成する。部品管理機能21で、ユーザが新規部品生成を行い、新しい部品の名称を入力すると、部品管理機能21は、部品を生成して部品リスト22にこれを追加する。部品リスト22は、エンジニアリングツール1に接続された外部記憶装置103に格納される。続いてユーザは、部品管理機能21から、部品信号定義24を起動して、部品で使用する信号定義の部品信号28(図3参照)を定義する。次に、部品のOPS画面部品27作成用のグラフィックビルダ23を起動し、OPS画面部品27を作図する。次に、CNSロジック部品エディタ25を起動し、CNSロジック部品29を作成する。そして、OPS画面部品27とCNSロジック部品29では、部品信号28が使用される。
【0020】
ユーザは、工事用のエンジニアリングを行う際、最初に図4の機器リスト12を作成する。この機器リスト12には、ユニークな機器番号と、機器名称、当該機器用の部品を割り付けるための部品番号が定義される。アプリケーション自動生成機能13は、機器リスト12に機器毎に定義された部品番号を参照して、必要な情報を部品26から取り出して、OPS画面部品及びCNSロジック部品のオーダ部品リスト14を自動生成するとともに、図5の信号定義15を自動生成する。信号定義15は、外部記憶装置103に格納される。
図5の信号定義15でのラベル・タグ・アラームは、信号の属性であり、信号がどのように使われるかを示したものである。例えば、アラームはCNS4で検出した機器故障などのエラーを、OPS2にアラーム表示するために用いられる。信号定義15に自動生成される信号の名称は、「機器番号:部品信号28の信号名」の規則で自動生成される。アドレスは、CNS4上でCNSロジックを実行するときに、CNS4のどのメモリに値を格納するかを定義する。信号毎に異なるアドレスを割当てる必要があるが、この割り当てはアプリケーション自動生成機能13にて自動で実行される。
【0021】
OPSエンジ16のグラフィックビルダ31で、オーダ部品リスト14から部品を選択して図6の監視画面32に配置すると、各表示項目の属性の信号が、信号定義15に自動生成された信号と一致するよう同じ規則で自動変換される。自動変換された監視画面32は、エンジニアリングツール1に接続された外部記憶装置103に格納される。
また、CNSエンジ17のロジックエディタ41で、オーダ部品リスト14から部品を選択して配置すると、CNSロジック内の信号が、信号定義15に自動生成された信号と一致するよう同じ規則で自動変換される。自動変換されたCNSロジック42は、エンジニアリングツール1に接続された外部記憶装置103に格納される。
これによって、CNSのロジック上の信号と、OPSの監視画面の信号が自動的に紐付けられる。
【0022】
次に、図8を用いてエンジニアリングフローについて順を追って説明する。
ステップS1で、ユーザは機器リスト12を作成する。機器リスト12には、プラントで使用される機器が全てリストアップされ、ユーザは機器毎にどの部品を使用するかを、「ポンプA」などの部品番号で、リストの部品番号の列に入力する。ステップS2で、アプリケーション自動生成を行う。機器リスト12に定義された機器番号と、部品番号に対応する部品の信号を部品26から取り出し、信号定義15が自動生成される。アプリケーション自動生成機能23は、オーダ部品リスト14も合わせて自動生成する。
ステップS3で、グラフィックビルダ31で、監視画面を作成する。このとき、オーダ部品リスト14から部品を選んで図6の監視画面上に配置すると、属性32aのように、自動的に画面の属性が設定される。
ステップS4で、ロジックエディタ41で、CNSロジックを作成して、オーダ部品リスト14から、ロジック部品32bを貼り付けると、中のロジックで使用されている信号32cが、自動的に変換される。
画面の信号32cと、CNSロジック42の信号は、信号定義15に既に自動登録されており、信号名が一致する状態となっている。つまり、手動で信号定義15を入力し、この信号定義15の信号を用いて、信号32cやCNSロジック42を定義した場合と同じ状態となっている。
【0023】
以上のように、実施の形態1によれば、OPS画面とCNSロジックで使用する信号が自動生成され、監視画面とCNSロジック内で使用されている信号については、自動生成された信号と名称が一致するように自動変換されるので、ユーザはバルブ制御といった同じ監視画面、ロジックを作成する場合、部品を選択するのみで、従来の技術で必要だった毎度信号を定義、割付する必要がなくなり、エンジニアリングの手間を大幅に削減することができる。
【0024】
実施の形態2.
以下、この発明の実施の形態2を図に基づいて説明する。
図9は、この発明の実施の形態2によるエンジニアリングツールを示す構成図である。
図9において、図2の構成に加えて、監視画面32の画面部品やCNSロジック42のロジック部品を最新の部品に置き換えるアプリケーション置換機能18(アプリケーション置換手段)が設けられている。
【0025】
エンジニアリングツールを使用した監視画面やCNSロジックの作成においては、アプリケーション自動生成機能13で、監視画面32、CNSロジック42、信号定義15を生成した後で、OPS画面部品27の絵や信号、CNSロジック部品29のロジックや信号を変更するなどの部品の変更が、通常でも頻繁に発生する。
実施の形態1では、部品が変更された場合、ユーザは、グラフィックビルダ31で監視画面32の画面部品を置き換えたり、ロジックエディタ41でCNSロジック42のロジック部品を置き換えることが必要となる。
実施の形態2は、このような問題に対処するもので、アプリケーション置換機能18が、OPSエンジ16の監視画面32、CNSロジック42、信号定義15で使用されている部品を参照し、機器番号をキーとして、部品26及びオーダ部品リスト14を用いて、最新の部品で自動的に置き換えるようにした。
【0026】
実施の形態2によれば、これによって、ユーザは変更された部品を手動で置き換える必要がなくなり、エンジニアリング作業を効率化することができる。
【0027】
実施の形態3.
以下、この発明の実施の形態3を図に基づいて説明する。
図10は、この発明の実施の形態3によるエンジニアリングツールを示す構成図である。図10において、図2の構成に加えて、複数機器の出力に基づく警報の信号を含む入出力リスト51と、入出力リスト51から信号定義15を自動生成する信号自動生成機能19(信号自動生成手段)を設けたものである。
図11は、この発明の実施の形態3によるエンジニアリングツールの入出力リストを示す図である。
図11において、警報やI/F信号などについて、警報やI/F信号などの種別と、信号名称と、型と、その他情報が示されている。
【0028】
通常のエンジニアリングツールを使用した監視画面やCNSロジックの作成では、機器毎の信号のほかに、プラント特有の信号が監視画面やCNSロジックに必要になる場合が殆
どである。例えば、複数機器の出力のORから、1つの警報を生成してOPS2に表示する場合などである。
このような場合、実施の形態1、実施の形態2では、管理のために入出力リスト51に警報の信号を追加して、その後、信号定義15に手動で信号を追加する必要があるが、実施の形態3では、信号自動生成機能19が入出力リスト51から自動的に信号定義15を生成するようにしたので、信号定義入力の手間を省くことができ、エンジニアリング作業を効率化することができる。
信号定義15に自動追加された信号は、従来どおり、OPSエンジ16のグラフィックビルダ31や、CNSエンジ17のロジックエディタ41から参照され、監視画面32、CNSロジック42に貼り付けられる。
【0029】
実施の形態3によれば、警報などについて、信号定義の自動生成機能を追加したので、信号定義入力の手間を省くことができ、エンジニアリング作業を効率化することができる。
【0030】
実施の形態4.
以下、この発明の実施の形態4を図に基づいて説明する。
図12は、この発明の実施の形態4によるエンジニアリングツールを示す構成図である。図12において、図9の構成に加えて、監視画面の作成時にカスタマイズされた情報を有する画面変更部52と、CNSロジックの作成時にカスタマイズされた情報を有するロジック変更部53と、この図面変更部52及びロジック変更部53から、部品置換時に変更してはならない監視画面とCNSロジックの情報を抽出してアプリケーション置換機能18に渡すカスタマイズ部抽出機能54(カスタマイズ部抽出手段)を設けたものである。
【0031】
通常のエンジニアリングツールを使用した監視画面やCNSロジックの作成では、実施の形態1に示した自動生成後、実施の形態3で示したような部品以外の監視画面修正やCNSロジック修正が行われ、さらに実施の形態2で示したような部品の変更が行われることがある。
このような変更の場合、実施の形態1〜実施の形態3では、ユーザにて、機器リスト12からの自動生成後に修正した監視画面やCNSロジックを残したまま、部品から再度、オーダ部品リスト14及び信号定義15を自動生成する必要がある。
これに対処するために、実施の形態4では、次のようにする。
グラフィックビルダ31で、監視画面32を作成するときに、ユーザによってカスタマイズされた情報を、画面変更部52に残す。ロジックエディタ41も同様に、CNSロジック42を作成するときに、ユーザによってカスタマイズされた情報を、ロジック変更部53に残す。
カスタマイズ部抽出機能54は、画面変更部52と、ロジック変更部53と、信号定義15から、部品置換時に変更してはならない監視画面とCNSロジックの情報をアプリケーション置換機能18に渡す。アプリケーション置換機能18は、カスタマイズされた監視画面、CNSロジックを残したまま、変更された部品を自動置換する。
【0032】
実施の形態4によれば、これによって、ユーザは部品置換時に、カスタマイズされた場所をチェックすることなく、部品の自動置換を行え、置換のフローを減らすことができる。
【0033】
実施の形態5.
以下、この発明の実施の形態5を図に基づいて説明する。
図13は、この発明の実施の形態5によるエンジニアリングツールを示す構成図である。図13において、図2の構成に加えて、機器リスト12を生成する機器リスト生成機能55(機器リスト生成手段)を設けたものである。
通常のエンジニアリングツールを使用した監視画面やCNSロジックの作成では、実施の
形態1に示した自動生成後、実施の形態3で示したような部品以外の監視画面修正やCNSロジック修正が行われる。
このときに、監視画面やCNSロジックで、機器リスト12に無い画面やCNSロジックが追加されることがある。このような場合、実施の形態1では、OPS画面部品やCNSロジック部品でどのような信号が追加されたかを逆出力して、機器リスト12で比較する必要がある。
【0034】
実施の形態5は、このような要求に対処するものであり、機器リスト生成機能55は、監視画面32やCNSロジック42の情報から、機器リスト12に相当する情報を読み出して、機器リストを逆生成する。
ユーザは、機器リスト生成機能55によって生成された機器リストと、ユーザが作成した機器リスト12を比較することで、機器リストへのカスタマイズの影響をすぐに検出できるので、変更作業を容易に実施できる。
【0035】
実施の形態5によれば、監視画面修正やCNSロジック修正が行われたときに、機器リスト生成機能により監視画面やCNSロジックの情報から機器リストを生成し、これとユーザが作成した機器リストとを比較することにより、機器リストへのカスタマイズの影響をすぐに検出できるので、変更作業を容易に実施できる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】この発明の実施の形態1によるエンジニアリングツールを示すシステム構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1によるエンジニアリングツールを示す構成図である。
【図3】この発明の実施の形態1によるエンジニアリングツールの部品の内容を示す図である。
【図4】この発明の実施の形態1によるエンジニアリングツールの機器リストを示す図である。
【図5】この発明の実施の形態1によるエンジニアリングツールの信号定義を示す図である。
【図6】この発明の実施の形態1によるエンジニアリングツールの監視画面を示す図である。
【図7】この発明の実施の形態1によるエンジニアリングツールのCNSロジックを示す図である。
【図8】この発明の実施の形態1によるエンジニアリングツールのエンジニアリングフローを示す図である。
【図9】この発明の実施の形態2によるエンジニアリングツールを示す構成図である。
【図10】この発明の実施の形態3によるエンジニアリングツールを示す構成図である。
【図11】この発明の実施の形態3によるエンジニアリングツールの入出力リストを示す図である。
【図12】この発明の実施の形態4によるエンジニアリングツールを示す構成図である。
【図13】この発明の実施の形態5によるエンジニアリングツールを示す構成図である。
【符号の説明】
【0037】
1 エンジニアリングツール、2 OPS、3 制御ネットワーク、4 CNS、
5 プラント機器、11 部品管理、12 機器リスト、
13 アプリケーション自動生成機能、14 オーダ部品リスト、15 信号定義、
16 OPSエンジ、17 CNSエンジ、18 アプリケーション置換機能、
19 信号自動生成機能、21 部品管理機能、22 部品リスト、
23 グラフィック部品ビルダ、24 部品信号定義、
25 CNSロジック部品エディタ、26 部品、27 OPS画面部品、
28 部品信号、29 CNSロジック部品、31 グラフィックビルダ、
32 監視画面、33 バインド、34 監視画面オブジェクト、35 OPS転送、
41 ロジックエディタ、42 CNSロジック、43 コンパイラ、
44 CNS実行オブジェクト、45 CNS転送、51 入出力リスト、
52 画面変更部、53 ロジック変更部、54 カスタマイズ部抽出機能、
55 機器リスト生成機能、100 CPU、101 プログラムメモリ、
102 RAM、103 外部記憶装置、200 CPU、
201 プログラムメモリ、202 RAM、203 外部記憶装置、
400 CPU、401 プログラムメモリ、404 不揮発性メモリ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視制御対象を監視する監視装置の監視画面及び上記監視制御対象を制御するコントローラで用いられるコントローラ(以下、CNSという)ロジックを作成するエンジニアリングツールにおいて、上記監視画面及びCNSロジックで用いられる部品を管理し、監視画面を構成するオペレータステーション(以下、OPSという)画面部品及びCNSロジックを構成するCNSロジック部品を生成するとともに上記OPS画面部品及びCNSロジック部品で使用される部品信号を定義する部品管理部、上記監視制御対象と上記部品管理部により管理された部品とを対応付けた機器リスト、この機器リストに基づき、上記部品管理部により生成されたOPS画面部品及びCNSロジック部品を抽出して形成されたオーダ部品リスト、このオーダ部品リストのOPS画面部品及びCNSロジック部品で使用される信号を定義した信号定義部、上記部品管理部により生成されたOPS画面部品及びCNSロジック部品並びに上記部品管理部により定義された部品信号を用いて、上記オーダ部品リスト及び上記信号定義部を生成するアプリケーション自動生成手段、上記オーダ部品リスト及び信号定義部を用いて上記監視画面を生成するグラフィックビルダ、及び上記オーダ部品リスト及び信号定義部を用いて上記CNSロジックを生成するロジックエディタを備えたことを特徴とするエンジニアリングツール。
【請求項2】
上記部品管理部により管理される部品が変更されたとき、上記グラフィックビルダにより生成された監視画面及び上記ロジックエディタにより生成されたCNSロジックを変更するアプリケーション置換手段を備えたことを特徴とする請求項1記載のエンジニアリングツール。
【請求項3】
上記部品管理部により定義されていない信号を記載した入出力リスト、及びこの入出力リストに記載された信号を上記信号定義部に追加する信号自動生成手段を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2記載のエンジニアリングツール。
【請求項4】
上記グラフィックビルダによる監視画面の生成時にユーザによってカスタマイズされた箇所を記憶する画面変更部、上記ロジックエディタによるCNSロジック生成時にユーザによってカスタマイズされた箇所を記憶するロジック変更部、及び上記画面変更部及び上記ロジック変更部により記憶された上記カスタマイズされた箇所を抽出し、上記アプリケーション置換手段に伝えるカスタマイズ部抽出手段を備え、上記アプリケーション置換手段は、上記カスタマイズされた箇所を避けて上記監視画面及びCNSロジックを変更することを特徴とする請求項2記載のエンジニアリングツール。
【請求項5】
上記グラフィックビルダにより生成された監視画面または上記ロジックエディタにより生成されたCNSロジックが変更されたとき、上記変更された監視画面及びCNSロジックから、上記監視制御対象と上記部品管理部により管理された部品とを対応付けた機器リストを抽出する機器リスト生成手段を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のエンジニアリングツール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−97424(P2008−97424A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−280000(P2006−280000)
【出願日】平成18年10月13日(2006.10.13)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】