説明

エンジン発電装置

【課題】塵埃の多い劣悪な環境下にエンジン発電装置を設置した場合、吸気ダクトから空気と共に塵埃を吸引し易く、塵埃を含む汚れた空気をパッケージ室ひいてはエンジンに取り込んで、エンジンの性能劣化や故障を招来し易いという問題を解消する。
【解決手段】本願発明のエンジン発電装置1は、エンジン21と、前記エンジン21の駆動にて発電する発電機38と、前記エンジン21及び前記発電機38を収容するパッケージ室2と、空気浄化用のフィルタ部材9を有する換気室3と、前記換気室3と前記パッケージ室2とを連通させる連通ダクト11と、前記換気室3から前記連通ダクト11経由で前記パッケージ室2に空気を供給する送風ファン12とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、エンジン発電装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、エンジンと発電機とをパッケージ室に収容したパッケージ型のエンジン発電装置は、その使用目的に応じて、各種施設等の常用電源や非常用電源として用いられている。この種のエンジン発電装置では、パッケージ室に吸気ダクトを設け、当該吸気ダクトを介してパッケージ室内に導入した外気をエンジンに供給するように構成されている(例えば特許文献1及び2等参照)。
【0003】
一方、エンジン発電装置のエンジンには、ターボ過給機及びインタークーラを搭載したものも多い。この場合、ターボ過給機にて圧縮した圧縮空気をインタークーラにて冷却し、密度を高めた圧縮空気を各気筒内に供給することによって、各気筒内の圧縮空気の充填効率を高めてエンジンの燃焼効率を向上させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実公平2−32836号公報
【特許文献2】実開平4−125620号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、前記従来の技術では、塵埃の多い劣悪な環境下にエンジン発電装置を設置した場合、吸気ダクトから空気と共に塵埃を吸引し易い。このため、塵埃を含む汚れた空気をパッケージ室ひいてはエンジンに取り込んで、エンジンの性能劣化や故障を招来し易いという問題があった。しかも、パッケージ室ひいてはエンジンに塵埃を取り込み易いので、清掃等のメンテナンス作業の頻度を高くせざるを得ず、メンテナンス作業の負担が大きいという問題もあった。
【0006】
一方、エンジンに取り込まれる圧縮空気(吸気)の温度が変動すると、エンジンの吸気量が変動して、燃料流量に対する吸気流量の比である空燃比が変動する。空燃比の変動はエンジンでの燃焼に悪影響を及ぼすから、エンジン発電装置の運転時はできるだけ吸気温度の変動を抑制するのが好ましい。しかし、前記従来の技術では、例えば年間や日間の気温変化が激しい環境下で、エンジン発電装置を使用することを想定しておらず、吸気温度の変動を抑制することまで対処できていなかった。
【0007】
そこで、本願発明は、上記のような現状を検討して改善を施したエンジン発電装置を提供することを技術的課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明に係るエンジン発電装置は、エンジンと、前記エンジンの駆動にて発電する発電機と、前記エンジン及び前記発電機を収容するパッケージ室と、空気浄化用のフィルタ部材を有する換気室と、前記換気室と前記パッケージ室とを連通させる連通ダクトと、前記換気室から前記連通ダクト経由で前記パッケージ室に空気を供給する送風ファンとを備えているというものである。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1に記載したエンジン発電装置において、前記送風ファンにて取り込まれる前記空気を受けて、前記空気とエンジン冷却水との熱交換を行うラジエータを更に備えているというものである。
【0010】
請求項3の発明は、請求項2に記載したエンジン発電装置において、前記ラジエータは前記フィルタ部材よりも下流側に配置されているというものである。
【0011】
請求項4の発明は、請求項2又は3に記載したエンジン発電装置において、前記フィルタ部材、前記送風ファン及び前記ラジエータは前記換気室側に設けられており、前記換気室は前記パッケージ室とは別個独立して配置されているというものである。
【0012】
請求項5の発明は、請求項2〜4のうちいずれかに記載したエンジン発電装置において、前記パッケージ室の外部には、前記ラジエータと別個にエンジン冷却水用の熱交換器を備えており、前記エンジンと前記熱交換器とをつなぐ冷却水系統中に前記ラジエータが配置されているというものである。
【発明の効果】
【0013】
本願発明に係るエンジン発電装置によると、エンジンと、前記エンジンの駆動にて発電する発電機と、前記エンジン及び前記発電機を収容するパッケージ室と、空気浄化用のフィルタ部材を有する換気室と、前記換気室と前記パッケージ室とを連通させる連通ダクトと、前記換気室から前記連通ダクト経由で前記パッケージ室に空気を供給する送風ファンとを備えているから、前記フィルタ部材にて除塵・浄化された空気を前記換気室から前記パッケージ室に送り込めることになる。従って、例えば空気(外気)が汚れた劣悪な環境下に前記エンジン発電装置を設置したとしても、常に清浄な空気を前記エンジンに供給でき、エンジン性能を長期に亘って良好な状態に維持し易くなるという効果を奏する。
【0014】
請求項2の発明によると、前記送風ファンにて取り込まれる前記空気を受けて、前記空気とエンジン冷却水との熱交換を行うラジエータを更に備えているから、例えば年間や日間の気温変化の激しい環境下に前記エンジン発電装置を設置したとしても、気温の高低に拘らず、前記ラジエータに対する冷却水系統を変更したりせずにそのままの構成で、好適な温度の空気を前記パッケージ室ひいては前記エンジンに供給できる。従って、気温の高低に拘らず、前記エンジンの吸気温度変動を簡単に抑制でき、空燃比変動を回避して前記エンジンの燃焼を安定化できるという効果を奏する。
【0015】
請求項3の発明によると、前記ラジエータは前記フィルタ部材よりも下流側に配置されているから、前記ラジエータには、塵埃を含む空気(外気)が直接吹き付けられるのではなく、前記フィルタ部材にて除塵・浄化された空気が吹き付けられることになる。従って、前記ラジエータの目詰まり防止に効果を発揮できるのである。
【0016】
請求項4の発明によると、前記フィルタ部材、前記送風ファン及び前記ラジエータは前記換気室側に設けられており、前記換気室は前記パッケージ室とは別個独立して配置されているから、前記エンジン発電装置の設置場所に応じて、前記パッケージ室と前記換気室とを横並びに設置したり縦並びに設置したりできる。従って、前記パッケージ室と前記換気室との設置レイアウトの自由度を向上できるという効果を奏する。
【0017】
請求項5の発明によると、前記パッケージ室の外部には、前記ラジエータと別個にエンジン冷却水用の熱交換器を備えており、前記エンジンと前記熱交換器とをつなぐ冷却水系統中に前記ラジエータが配置されているから、前記ラジエータ用の冷却水系統が、前記エンジンと前記熱交換器とをつなぐ前記冷却水系統に含められることになる。従って、前記エンジン冷却水の冷却効率を高い状態に維持しつつ、前記エンジン発電装置の冷却水系統の全般構造を簡素化できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】エンジン発電装置の全体側面図である。
【図2】エンジン発電装置の全体平面図である。
【図3】エンジンの拡大平面図である。
【図4】エンジン発電装置の冷却水系統図である。
【図5】第1例におけるコントローラの機能ブロック図である。
【図6】第1例の空気温度制御(エンジン冷却水温制御)を説明するフローチャートである。
【図7】空気温度制御(エンジン冷却水温制御)実行時のラジエータ前後の空気温度の推移を示すグラフである。
【図8】第2例におけるコントローラの機能ブロック図である。
【図9】第2例の空気温度制御を説明するフローチャートである。
【図10】空気温度制御実行時のラジエータ前後の空気温度の推移を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本願発明を具体化した実施形態を、エンジン21と発電機38とを有するエンジン発電装置1に適用した場合の図面に基づいて説明する。
【0020】
まず始めに、図1及び図2を参照しながら、実施形態におけるエンジン発電装置1の概要について説明する。エンジン発電装置1は、エンジン21及び当該エンジン21の駆動にて発電する発電機38を収容するパッケージ室2と、パッケージ室2内に導入される空気(外気)を取り込むための換気室3と、エンジン冷却水を温度調節する温度調節水を冷却するための冷却塔4と、温度調節水とエンジン冷却水との間で熱交換を行うための熱交換器5とを備えている。当該構成機器2〜5、すなわちパッケージ室2、換気室3、冷却塔4及び熱交換器5は接地用の基台8上に配置されている。実施形態の構成機器2〜5群は、図1及び図2の左側から冷却塔4、熱交換器5、パッケージ室2及び換気室3の順で一列状(直列状)に並べられた状態で、基台8上に据え付けられている。
【0021】
詳細は後述するが、熱交換器5は、エンジン冷却水の冷却効率向上のために複数台配置されている。実施形態の熱交換器5はメインとサブとの2台配置されている。メイン熱交換器5aはオイルクーラ29及び冷却水ジャケット30に対するものであり、サブ熱交換器5bはインタークーラ31に対するものである。
【0022】
次に、図1及び図2を参照しながら、エンジン発電装置1の空気系統について説明する。図1及び図2に示すように、換気室3のうちパッケージ室2と反対側の外側面には、空気浄化用のフィルタ部材9が配置されている。パッケージ室2の周囲空間(外部)がフィルタ部材9を介して換気室3に連通している。図示は省略するが、実施形態のフィルタ部材9は、オイル溜りとラビリンス状(トラップ状)の内部経路とを有するオイルバス式のものである。ラビリンス状の内部経路によって空気の流れが急激に屈曲する際に、空気より質量の大きい塵埃が慣性にてオイルの表面に落下し、当該オイルの粘性によって捕捉される。つまり、パッケージ室2の周囲空間から換気室3に向けて取り込まれる空気は、フィルタ部材9によって除塵・浄化される。
【0023】
換気室3の内部は、空冷式のラジエータ10を挟んで吸入室3aと排出室3bとの二室に区画されている。ラジエータ10は、フィルタ部材9を経由した空気とエンジン冷却水との間で熱交換するためのものである。換気室3の吸入室3aはフィルタ部材9に連通している。換気室3の排出室3bは、連通ダクト11を介してパッケージ室2に連通している。ラジエータ10はフィルタ部材9よりも下流側に位置している。この場合、換気室3の上面側のうち排出室3b寄りの部位に、連通ダクト11の吸入側が連結されている。連通ダクト11の排出側は、パッケージ室2の上面側のうち換気室3(排出室3b)寄りの部位に連結されている。
【0024】
連通ダクト11の吸入側(排出室3bの排出側とも言える)には、パッケージ室2外の空気を換気室3から連通ダクト11経由でパッケージ室2に強制的に送り込む送風ファン12が配置されている。上記の説明から分かるように、換気室3はパッケージ室2とは別個独立して設けられており、フィルタ部材9、ラジエータ10及び送風ファン12は、パッケージ室2側ではなく換気室3側に設けられている。
【0025】
エンジン21及び発電機38を収容するパッケージ室2は、排出ダクト13を介して外部空間にも連通している。排出ダクト13の吸入側はパッケージ室2の上面側のうち熱交換器5寄りの部位に連結されている。排出ダクト13は上向きに延びていて、その上端部が排出ダクト13の排出側になっている。パッケージ室2外の空気は、送風ファン12の回転駆動によってフィルタ部材9に吸い込まれて除塵・浄化され、換気室3の吸入室3aに送り込まれる。そして、吸入室3a内の空気がラジエータ10、排出室3b及び連通ダクト11を通過して、パッケージ室2の内部空間Spに流入する。パッケージ室2の内部空間Sp内の空気は、排出ダクト13を経てパッケージ室2外に排出される。詳細は後述するが、パッケージ室2の内部空間Spに流入した空気がエンジン21の吸気側に送り込まれる。エンジン21の排気側からの排気ガスはパッケージ室2外に排出される。
【0026】
次に、図1〜図3を参照しながら、パッケージ室2内のエンジン21及び発電機38について説明する。パッケージ室2内に配置されたエンジン21は、天然ガスといった燃料ガスを用いて動力を発生させるいわゆるガスエンジンである。エンジン21は、出力軸(クランク軸と言ってもよい、図示省略)を有するシリンダブロック22と、シリンダブロック22上に搭載されたシリンダヘッド23とを備えている。シリンダヘッド23の一側面に吸気マニホールド24が設けられ、他側面には排気マニホールド25が設けられている。
【0027】
エンジン21の出力軸は、構成機器2〜5群の並び方向に沿う向きに延びている。換言すると、エンジン21は、出力軸の向きを構成機器2〜5群の並び方向に沿わせた状態でパッケージ室2内に配置されている。実施形態では、基台8の中央付近に、構成機器2〜5群の並び方向に長いコモンベース26が固定されている。コモンベース26上のうち熱交換器5寄りの半部に、防振体27を介してエンジン21のシリンダブロック22が取り付けられている。従って、エンジン21は防振体27を介してコモンベース26に防振支持されている。
【0028】
発電機38はエンジン21よりも換気室3寄りに配置されている。シリンダブロック22のうち換気室3寄りの側面から出力軸の先端側が突出している。当該先端側に発電機38が動力伝達可能に連結されている。エンジン21の定速動力によって発電機38が発電駆動する。発電機38の駆動によって生じた発電電力が任意の電気系統に供給される。実施形態では、コモンベース26のうち換気室3寄りの半部に、箱枠状のフレーム枠39が設けられている。フレーム枠39の内部側に発電機38が据え付けられている。
【0029】
エンジン21におけるシリンダブロック22の下面には、潤滑油を貯留するオイルパン28が配置されている。オイルパン28内の潤滑油は、出力軸の回転で駆動するオイルポンプ(図示省略)によって吸引され、エンジン冷却水にて潤滑油を冷却するオイルクーラ29(図4参照)等を介して、エンジン21の各潤滑部に供給される。各潤滑部に供給された潤滑油はその後オイルパン28に戻される。図示は省略するが、オイルポンプ及びオイルクーラ29はシリンダブロック22に取り付けられている。
【0030】
詳細は省略するが、シリンダヘッド23及びシリンダブロック22の内部側には、冷却水ジャケット30(図4参照)が形成されている。メイン熱交換器5a側にあるメイン冷却水ポンプ57の駆動によって、メイン熱交換器5a内のエンジン冷却水がオイルクーラ29と冷却水ジャケット30とに供給され、潤滑油及びエンジン21自体を水冷する。これらの水冷に寄与した冷却水はメイン熱交換器5aに戻される。
【0031】
シリンダヘッド23のうち換気室3寄りの側面にはインタークーラ31が取り付けられている。インタークーラ31の吸入側は、ターボ過給機32のコンプレッサ32a及びミキサ33を介して、パッケージ室2の内部空間Sp内の空気を除塵・浄化して取り込むエアクリーナ34に連結されている。ミキサ33には、燃料ガスを供給するためのガス供給装置35も連結されている。インタークーラ31の排出側は、吸気スロットル弁36を介して吸気マニホールド24に連結されている。
【0032】
燃料ガスと空気とをミキサ33にて混合撹拌して得られた混合ガスは、ターボ過給機32のコンプレッサ32aにて圧縮され高圧高温になる。そして、高温高圧の混合ガスがインタークーラ31にて冷却されてから、吸気スロットル弁36を介して吸気マニホールド24に送られ、エンジン21の各気筒に供給される。実施形態では、ターボ過給機32が排気マニホールド25の近傍に配置され、フレーム枠39の上面側にミキサ33とエアクリーナ34とが設けられている。フレーム枠39の一側面側にガス供給装置35が設けられている。
【0033】
ターボ過給機32は、ブロアホイールを内蔵した前述のコンプレッサ32aと、タービンホイールを内蔵した排気タービン32bとを有している。排気タービン32bの吸入側はエンジン21の排気マニホールド25に連結されている。排気タービン32bの排出側は排気ベンド37に連結されている。排気ベンド37の排出側は、パッケージ室2の上面側を貫通してパッケージ室2外に突出している。エンジン21の各気筒から排気マニホールド25に排出された排気ガスは、ターボ過給機32を経由して、排気ベンド37からパッケージ室2外に排出される。
【0034】
次に、図4を参照しながら、エンジン発電装置1の冷却水系統について説明する。図4に示すように、冷却塔4と熱交換器5とは、これらの間で温度調節水を循環させる温度調節水循環管路41にて接続されている。温度調節水循環管路41は、冷却塔4の下部からサブ熱交換器5bの二次側42bにつながる送り側管路43と、サブ熱交換器5bの二次側42bからメイン熱交換器5aの二次側42aにつながる中継管路44と、メイン熱交換器5aの二次側42aから冷却塔4の上部につながる戻り側管路45とを連接した構成になっている。送り側管路43中に、熱交換器5群の各二次側42a,42bに温度調節水を供給する温度調節水ポンプ46が設けられている。なお、冷却塔4には、その内部に注水するための注水管47も接続されている。
【0035】
実施形態では、エンジン冷却水の冷却効率向上のために、エンジン21の冷却水系統が二系統に分かれている。これら冷却水系統は独立していて、それぞれがエンジン冷却水を循環させる閉回路に構成されている。
【0036】
メイン熱交換器5a側の冷却水系統において、メイン熱交換器5aとオイルクーラ29及び冷却水ジャケット30とはメイン側循環管路51にて接続されている。メイン側循環回路51は、メイン熱交換器5aの一次側52aからオイルクーラ29につながる送り側管路53と、冷却水ジャケット30からメイン熱交換器5aの一次側52aにつながる戻り側管路54とを連接した構成になっている。
【0037】
送り側管路53と戻り側管路54とはバイパス管路55によってもつながっている。すなわち、バイパス管路55はメイン熱交換器5aを迂回するように設けられている。戻り側管路54とバイパス管路55との接続部に、バイパス管路55へのエンジン冷却水の流れを調節する温度調節弁56が設けられている。送り側管路53中には、オイルクーラ29及び冷却水ジャケット30に向けてエンジン冷却水を供給するメイン冷却水ポンプ57が設けられている。送り側管路53のうちメイン熱交換器5aの一次側52aとメイン冷却水ポンプ57との間には、膨張タンク58が分岐接続されている。
【0038】
メイン熱交換器5aでは、二次側42aの温度調節水と一次側52aのエンジン冷却水との間で熱交換が行われる。その結果、一次側52aのエンジン冷却水が冷却され、当該エンジン冷却水によって、潤滑油及びエンジン21自体が水冷される。
【0039】
サブ熱交換器5b側の冷却水系統において、サブ熱交換器5bとインタークーラ31とはサブ側循環管路61にて接続されている。サブ側循環回路61は、サブ熱交換器5bの一次側62bからラジエータ10の熱交換パイプ63につながる第1送り側管路64と、熱交換パイプ63からインタークーラ31につながる第2送り側管路65と、インタークーラ31からサブ熱交換器5bの一次側62bにつながる戻り側管路66とを連接した構成になっている。
【0040】
第1送り側管路64と戻り側管路66とはバイパス管路67によってもつながっている。すなわち、バイパス管路67はサブ熱交換器5bを迂回するように設けられている。第1送り側管路64とバイパス管路67との接続部に、バイパス管路67へのエンジン冷却水の流れを調節する温度調節弁68が設けられている。第1送り側管路53中には、ラジエータ10やインタークーラ31に向けてエンジン冷却水を供給するサブ冷却水ポンプ69が設けられている。第1送り側管路64のうち温度調節弁68とサブ冷却水ポンプ69との間には、膨張タンク70が分岐接続されている。
【0041】
サブ熱交換器5bでは、二次側42bの温度調節水と一次側52bのエンジン冷却水との間で熱交換が行われる。その結果、一次側52bのエンジン冷却水が冷却され、当該エンジン冷却水がインタークーラ31に送られることによって、高温高圧の混合ガスが冷却される。
【0042】
一方、換気室3側にある送風ファン12の回転駆動によって、ラジエータ10には、フィルタ部材9を経由した空気(除塵・浄化された空気)が吹き付けられる。フィルタ部材9経由の空気と、熱交換パイプ63内のエンジン冷却水との間では、熱交換が行われる。
【0043】
夏季のように気温の高い環境下では、フィルタ部材9経由の空気温度と熱交換パイプ63内のエンジン冷却水温度とを比べてみると、フィルタ部材9経由の空気温度の方が高い傾向にある。このような場合に、フィルタ部材9経由の空気と熱交換パイプ63内のエンジン冷却水との間で熱交換が行われると、フィルタ部材9経由の空気は冷却され、当該冷却された空気がパッケージ室2内に送り込まれる。例えばフィルタ部材9経由の空気温度が55℃で、熱交換パイプ63内のエンジン冷却水温度が36℃であれば、空気温度はラジエータ10を通過することによって55℃から40℃にまで冷却される。
【0044】
逆に、冬季のように気温の低い環境下では、熱交換パイプ63内のエンジン冷却水温度の方がフィルタ部材9経由の空気温度よりも高い傾向にある。このような場合に、フィルタ部材9経由の空気と熱交換パイプ63内のエンジン冷却水との間で熱交換が行われると、フィルタ部材9経由の空気は加温され、当該加温された空気がパッケージ室2内に送り込まれる。例えばフィルタ部材9経由の空気温度が10℃で、熱交換パイプ63内のエンジン冷却水温度が36℃であれば、空気温度はラジエータ10を通過することによって10℃から25℃にまで加温されるのである。
【0045】
つまり、例えば年間や日間の気温変化の激しい環境下にエンジン発電装置1を設置したとしても、気温の高低に拘らず、ラジエータ10に対する冷却水系統を変更したりせずにそのままの構成で、好適な温度の空気をパッケージ室2ひいてはエンジン21に供給できる。従って、気温の高低に拘らず、エンジン21の吸気温度変動を簡単に抑制でき、空燃比変動を回避してエンジン21の燃焼を安定化できるのである。
【0046】
上記の説明及び図1〜図3から明らかなように、実施形態のエンジン発電装置1は、エンジン21と、前記エンジン21の駆動にて発電する発電機38と、前記エンジン21及び前記発電機38を収容するパッケージ室2と、空気浄化用のフィルタ部材9を有する換気室3と、前記換気室3と前記パッケージ室2とを連通させる連通ダクト11と、前記換気室3から前記連通ダクト11経由で前記パッケージ室2に空気を供給する送風ファン12とを備えているから、前記フィルタ部材9にて除塵・浄化された空気を前記換気室3から前記パッケージ室2に送り込めることになる。従って、例えば空気(外気)が汚れた劣悪な環境下に前記エンジン発電装置1を設置したとしても、常に清浄な空気を前記エンジン21に供給でき、エンジン性能を長期に亘って良好な状態に維持し易くなるという効果を奏する。
【0047】
また、上記の説明並びに図1、図2及び図4から明らかなように、実施形態のエンジン発電装置1は、前記送風ファン12にて取り込まれる前記空気を受けて、前記空気とエンジン冷却水との熱交換を行うラジエータ10を更に備えているから、例えば年間や日間の気温変化の激しい環境下に前記エンジン発電装置1を設置したとしても、気温の高低に拘らず、前記ラジエータ10に対する冷却水系統を変更したりせずにそのままの構成で、好適な温度の空気を前記パッケージ室2ひいては前記エンジン21に供給できる。従って、気温の高低に拘らず、前記エンジン21の吸気温度変動を簡単に抑制でき、空燃比変動を回避して前記エンジン21の燃焼を安定化できるという効果を奏する。
【0048】
上記の説明並びに図1及び図2から明らかなように、前記ラジエータ10は前記フィルタ部材9よりも下流側に配置されているから、前記ラジエータ10には、塵埃を含む空気(外気)が直接吹き付けられるのではなく、前記フィルタ部材9にて除塵・浄化された空気が吹き付けられることになる。従って、前記ラジエータ10の目詰まり防止に効果を発揮できるのである。
【0049】
上記の説明並びに図1及び図2から明らかなように、前記フィルタ部材9、前記送風ファン12及び前記ラジエータ10は前記換気室3側に設けられており、前記換気室3は前記パッケージ室2とは別個独立して配置されているから、前記エンジン発電装置1の設置場所に応じて、前記パッケージ室2と前記換気室3とを横並びに設置したり縦並びに設置したりできる。従って、前記パッケージ室2と前記換気室3との設置レイアウトの自由度を向上できるという効果を奏する。
【0050】
上記の説明並びに図1、図2及び図4から明らかなように、前記パッケージ室2の外部には、前記ラジエータ10と別個にエンジン冷却水用の熱交換器5を備えており、前記エンジン21と前記熱交換器5とをつなぐ冷却水系統61中に前記ラジエータ10が配置されているから、前記ラジエータ10用の冷却水系統が、前記エンジン21と前記熱交換器5とをつなぐ前記冷却水系統61に含められることになる。従って、前記エンジン冷却水の冷却効率を高い状態に維持しつつ、前記エンジン発電装置1の冷却水系統の全般構造を簡素化できるという効果を奏する。
【0051】
次に、図1、図2及び図5を参照しながら、エンジン発電装置1の空気温度制御(エンジン冷却水温制御)を実行する構造の第1例について説明する。当該第1例においてエンジン発電装置1は、弁制御装置としてのコントローラ81を有している。コントローラ81は、後述する冷却水温検出体としての冷却水温センサ86a,86bの検出結果に基づき、各温度調節弁56,68の開度を調節するように構成されている。メイン側循環管路51aに対応するのが冷却水温センサ86aであり、サブ側循環管路61に対応するのが冷却水温センサ86bである。
【0052】
第1例では、サブ側循環管路61において、サブ側の冷却水温センサ86bの検出結果Twが予め設定された設定温度To(例えば36℃程度)よりも高い場合は、サブ側の温度調節弁68によってバイパス管路67経由のエンジン冷却水の水量を絞り、サブ熱交換器経由のエンジン冷却水をラジエータ10に多く流入させ、ラジエータ10に送られるエンジン冷却水の温度を下げる。サブ側の冷却水温センサ86bの検出結果Twが設定温度To以下の場合は、サブ側の温度調節弁68によってバイパス管路67経由のエンジン冷却水の水量を増やし、ラジエータ10に流入するエンジン冷却水の温度を上げる。このようにして、ラジエータ10に流入するエンジン冷却水の温度が設定温度Toに保持されることになる。
【0053】
第1例のコントローラ81は、各種演算処理を実行するCPU82のほか、制御プログラムやデータを記憶させるROM83、制御プログラムやデータを一時的に記憶するRAM84、タイマー機能としてのクロック、センサやアクチュエータ等との間でデータのやり取りをする入出力インターフェイス等を有している。コントローラ81の入出力インターフェイスには、ラジエータ10の熱交換パイプ63に入るエンジン冷却水の温度Tw(以下、冷却水温という)を検出する冷却水温検出体としての冷却水温センサ86a,86b、メイン側及びサブ側の温度調節弁56,68、並びに、エンジン発電装置1全体の電源をオンオフ操作する主スイッチ89等が電気的に接続されている。
【0054】
次に、図6及び図7を参照しながら、第1例の空気温度制御(エンジン冷却水温制御)について説明する。なお、図6のフローチャートにて示されるアルゴリズムは、コントローラ81のROM83にプログラムとして記憶されており、RAM84に読み出されてからCPU82にて実行される。第1例の空気温度制御は、サブ側循環管路61において適用されるものである。
【0055】
図6のフローチャートに示すように、コントローラ81は、スタートに続き、サブ側の冷却水温センサ86bの検出結果Tw(冷却水温)を読み込み(S01)、当該冷却水温Twが予め設定された設定温度To(例えば36℃程度)よりも高いか否かを判別する(S02)。冷却水温Twが設定温度Toよりも高い場合は(Tw>To、S02:YES)、サブ側の温度調節弁68を閉じて、バイパス管路67経由のエンジン冷却水の水量を絞る(S03)。冷却水温Twが設定温度To以下の場合は(Tw≦To、S02:NO)、サブ側の温度調節弁68を開いて、バイパス管路67経由のエンジン冷却水の水量を増やす(S04)。このようにして、ラジエータ10に流入するエンジン冷却水の温度Twは、ほぼ設定温度Toに保持される。
【0056】
そうすると、ラジエータ10では、送風ファン12にて取り込まれる空気とエンジン冷却水との熱交換を実行するため(S05)、吸入室3a内の空気温度Taの方が冷却水温Twよりも高い環境下(夏季のように気温の高い環境下)では、ラジエータ10での熱交換によってラジエータ10通過後の空気が冷却される。逆に、冷却水温Twの方が吸入室3a内の空気温度Taよりも高い環境下(冬季のように気温の低い環境下)では、ラジエータ10での熱交換によってラジエータ10通過後の空気が加温される。つまり、ラジエータ10通過後の空気温度Tbが所定温度範囲に維持されることになる。なお、当該制御は、主スイッチ89がオフ(S06:NO)になると終了する。
【0057】
従って、例えば年間や日間の気温変化の激しい環境下にエンジン発電装置1を設置したとしても、気温の高低に拘らず、ラジエータ10に対する冷却水系統を変更したりせずにそのままの構成で、好適な温度の空気をパッケージ室2ひいてはエンジン21に供給できる。気温の高低に拘らず、エンジン21の吸気温度変動を簡単に抑制でき、空燃比変動を回避してエンジン21燃焼の安定化を促進できるのである。
【0058】
図7はコントローラ81による空気温度制御(エンジン冷却水温制御)の結果である。図7に示すように、吸入室3a内の空気温度Taが20℃〜50℃程度の範囲内にある場合は、ラジエータ10での熱交換によって、ラジエータ10通過後の空気温度Tbを略36℃(規定温度)に維持するのが見て取れる。また、吸入室3a内の空気温度Taが略50℃以上か又は略20℃以下の場合は、空気温度Taの影響がラジエータ10での熱交換の作用を凌駕するものの、ラジエータ10通過後の空気温度Tbを略36℃(規定温度)に近付ける結果になっていることが分かる。
【0059】
上記の説明並びに図5〜図7から明らかなように、第1例によると、エンジン21と、前記エンジン21の駆動にて発電する発電機38と、前記エンジン21及び前記発電機38を収容するパッケージ室2と、エンジン冷却水が循環する循環管路61中に配置された熱交換器5b及びラジエータ10と、前記熱交換器5bを迂回させるバイパス管路67へのエンジン冷却水の流れを調節する温度調節弁68と、前記ラジエータ10に流入するエンジン冷却水の温度Twを検出する冷却水温検出体86bと、前記冷却水温検出体86bの検出結果に基づき前記温度調節弁68の開度を調節する弁制御装置81と、前記パッケージ室2に空気を供給する送風ファン12とを備えており、前記ラジエータ10は、前記送風ファン12にて取り込まれる空気とエンジン冷却水との熱交換を実行するように構成されており、前記ラジエータ10に流入するエンジン冷却水の温度Twを前記温度調節弁68の開度調節にて設定温度Toに保持する結果、前記ラジエータ10通過後の空気温度Tbが所定温度範囲に維持されるから、例えば年間や日間の気温変化の激しい環境下に前記エンジン発電装置1を設置したとしても、気温の高低に拘らず、好適な温度の空気を前記パッケージ室2ひいては前記エンジン21に効率よく供給できる。従って、気温の高低に拘らず、前記エンジン21の吸気温度変動を簡単に抑制でき、空燃比変動を回避して前記エンジン21燃焼の安定化を促進できるという効果を奏する。
【0060】
また、第1例では、前記ラジエータ10及び前記送風ファン12が、前記パッケージ室とは別個独立して配置された換気室3側に設けられているから、前記エンジン発電装置1の設置場所に応じて、前記換気室3と前記パッケージ室2とを横並びに設置したり縦並びに設置したりできる。従って、前記パッケージ室2と前記換気室3との設置レイアウトの自由度を向上できるという効果を奏する。
【0061】
次に、図1、図2及び図8を参照しながら、エンジン発電装置1の空気温度制御を実行する構造の第2例について説明する。図1及び図2に示すように、換気室3の外側面には、ファン制御装置としてのコントローラ91等を有する制御盤90が取り付けられている。制御盤90内のコントローラ91は、後述する温度センサ95及び冷却水温センサ96bの検出結果に基づき送風ファン12を駆動させて、パッケージ室2ひいてはエンジン21に供給される空気の温度変動を抑制する空気温度制御を実行するものである。なお、実施形態の送風ファン12には、送風方向と回転軸方向とが一致するいわゆる軸流ファンが採用されている。
【0062】
第2例のコントローラ91は、各種演算処理を実行するCPU92のほか、制御プログラムやデータを記憶させるROM93、制御プログラムやデータを一時的に記憶するRAM94、タイマー機能としてのクロック、センサやアクチュエータ等との間でデータのやり取りをする入出力インターフェイス等を有している。コントローラ91の入出力インターフェイスには、吸入室3a内の空気温度Ta(ラジエーター10通過前の空気温度)を検出する空気温度検出体としての温度センサ95、ラジエータ10の熱交換パイプ63に入るエンジン冷却水の温度Tw(以下、冷却水温という)を検出する冷却水温検出体としてのサブ側の冷却水温センサ96b、送風ファン12を回転駆動させるファンモータ97に対するモータ制御部98、エンジン発電装置1全体の電源をオンオフ操作する主スイッチ99等が電気的に接続されている。第2例の温度センサ95は吸入室3aの内部に配置されている。なお、温度センサ85はラジエータ10よりも上流側の適宜箇所に配置されていればよい。
【0063】
次に、図9及び図10を参照しながら、空気温度制御の第2例について説明する。図9のフローチャートに示すように、コントローラ91は、空気温度制御のスタートに続き、温度センサ95の検出結果Ta(吸入室3a内の空気温度)、及び冷却水温センサ96bの検出結果Tw(冷却水温)を読み込んで(S11)、空気温度Taと冷却水温Twとの温度差Diを演算する(S12)。この場合、冷却水温Twがラジエータ10通過後の空気温度Tbの基準値(境界値、図10参照)になる。そして、ステップS12で求めた温度差Diに基づき、ラジエータ10通過後の空気温度Tbが冷却水温Twと同じになるように、ファンモータ97の回転速度を設定して、送風ファン12を回転駆動させる(S13)。当該制御は、主スイッチ99がオフ(S14:NO)になると終了する。
【0064】
第2例では冷却水温Twが略36℃程度なので、36℃を境界(規定温度)として、吸入室3a内の空気温度Taが36℃(規定温度)を離れるほど、ファンモータ87ひいては送風ファン12の回転速度を速めるように設定されている。図10はコントローラ91による空気温度制御の結果である。図10に示すように、吸入室3a内の空気温度Taが20℃〜50℃程度の範囲内にある場合は、送風ファン12の回転駆動の方が温度差Diの影響を凌駕し、ラジエータ10通過後の空気温度Tbを略36℃(規定温度)に維持するのを見て取れる。また、吸入室3a内の空気温度Taが略50℃以上か又は略20℃以下の場合は、温度差Diの影響が送風ファン12の回転駆動を凌駕するものの、ラジエータ10通過後の空気温度Tbを略36℃(規定温度)に近付ける結果になっていることが分かる。
【0065】
上記の説明並びに図8〜図10から明らかなように、第2例によると、エンジン21と、前記エンジン21の駆動にて発電する発電機38と、前記エンジン21及び前記発電機38を収容するパッケージ室2と、前記パッケージ室2に空気を供給する送風ファン12と、前記送風ファン12にて取り込まれる空気を受けて、前記空気とエンジン冷却水との熱交換を行うラジエータ10と、前記送風ファン12の駆動を制御するファン制御装置81とを備えており、前記ファン制御装置81は、前記ラジエータ10通過後の空気温度Tbが規定温度Twになるように前記送風ファン12の駆動を制御するから、この場合も前記第1例と同様に、気温の高低に拘らず、前記エンジン21の吸気温度変動を簡単に抑制でき、空燃比変動を回避して前記エンジン21燃焼の安定化を促進できるという効果を奏する。
【0066】
また、第2例の場合、前記ファン制御装置81は、前記ラジエータ10通過前の空気温度Taが前記規定温度Twと一致する場合を境界として、前記ラジエータ10通過前の空気温度Taが前記規定温度Twから離れるほど前記送風ファン12の回転速度を速めるから、前記ラジエータ10を通過する空気とエンジン冷却水との熱交換を効率よく実行して、前記ラジエータ10通過後の空気温度Tbを的確に調節できるという効果を奏する。
【0067】
更に、第2例の場合、前記ラジエータ10及び前記送風ファン12は、前記パッケージ室とは別個独立して配置された換気室3側に設けられており、前記ファン制御装置81が前記換気室3側に配置されているから、前記エンジン発電装置1の設置場所に応じて、前記ファン制御装置81を含む前記換気室3と前記パッケージ室2とを横並びに設置したり縦並びに設置したりできる。従って、前記パッケージ室2と前記換気室3との設置レイアウトの自由度を向上できるという効果を奏する。特に第2例では、前記ファン制御装置81が前記換気室3に含められユニットとして扱えるから、設置レイアウトの自由度向上に効果的である。
【0068】
第2例では、前記換気室3と前記パッケージ室2とをつなぐ連通ダクト11の吸入側に、前記送風ファン12としての軸流ファンが配置されているから、前記送風ファン12(軸流ファン)によって前記パッケージ室2内の静圧調節(静圧コントロール)を図り易いという利点もある。
【0069】
その他、各部の構成は図示の実施形態に限定されるものではなく、本願発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。
【符号の説明】
【0070】
Sp 内部空間(パッケージ室)
1 エンジン発電装置
2 パッケージ室
3 換気室
5 熱交換器
9 フィルタ部材
10 ラジエータ
11 連通ダクト
12 送風ファン
21 エンジン
38 発電機
51 メイン側循環管路
61 サブ側循環管路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンと、
前記エンジンの駆動にて発電する発電機と、
前記エンジン及び前記発電機を収容するパッケージ室と、
空気浄化用のフィルタ部材を有する換気室と、
前記換気室と前記パッケージ室とを連通させる連通ダクトと、
前記換気室から前記連通ダクト経由で前記パッケージ室に空気を供給する送風ファンと
を備えている、
エンジン発電装置。
【請求項2】
前記送風ファンにて取り込まれる前記空気を受けて、前記空気とエンジン冷却水との熱交換を行うラジエータを更に備えている、
請求項1に記載したエンジン発電装置。
【請求項3】
前記ラジエータは前記フィルタ部材よりも下流側に配置されている、
請求項2に記載したエンジン発電装置。
【請求項4】
前記フィルタ部材、前記送風ファン及び前記ラジエータは前記換気室側に設けられており、前記換気室は前記パッケージ室とは別個独立して配置されている、
請求項2又は3に記載したエンジン発電装置。
【請求項5】
前記パッケージ室の外部には、前記ラジエータと別個にエンジン冷却水用の熱交換器を備えており、前記エンジンと前記熱交換器とをつなぐ冷却水系統中に前記ラジエータが配置されている、
請求項2〜4のうちいずれかに記載したエンジン発電装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−60935(P2013−60935A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−201658(P2011−201658)
【出願日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)