エンボスキャリアテープ
【課題】 再利用が可能であり、しかも物品収容用凹部内に電子部品などの物品を容易且つ安定的に収容することができるようにする。
【解決手段】 長さ方向に一定間隔をあけて多数の物品収納用凹部2が形成されたテープ本体3と、テープ本体3の両側縁部または片側縁部3aに延長状に且つ折り畳み自在に設けられたフラップ4とを有するエンボスキャリアテープ1であって、フラップ4は物品収容用凹部2における開口部の全部または一部を閉止して物品収容用凹部2内に物品Pを保持し得る幅となされ、且つフラップ4には物品収容用凹部2内へ突出して物品を固定する凸部5が形成されており、またフラップには物品収容用凹部と反対方向へ突出した物品収容用逆凹部が形成されている。
【解決手段】 長さ方向に一定間隔をあけて多数の物品収納用凹部2が形成されたテープ本体3と、テープ本体3の両側縁部または片側縁部3aに延長状に且つ折り畳み自在に設けられたフラップ4とを有するエンボスキャリアテープ1であって、フラップ4は物品収容用凹部2における開口部の全部または一部を閉止して物品収容用凹部2内に物品Pを保持し得る幅となされ、且つフラップ4には物品収容用凹部2内へ突出して物品を固定する凸部5が形成されており、またフラップには物品収容用凹部と反対方向へ突出した物品収容用逆凹部が形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品、精密機械部品および複合部品などの各種物品を多数収容するエンボスキャリアテープに関する。
【背景技術】
【0002】
エンボスキャリアテープは、長さ方向に一定間隔をあけて多数の物品収納用凹部が形成されたテープ本体と、テープ本体の上面側に接着されて、前記物品収納用凹部を閉止するカバーテープとで構成されている。そして、かかるエンボスキャリアテープは、そのテープ本体における各凹部に電子部品等の物品を入れた後、テープ本体の上面にカバーテープを接着剤で接合することにより物品の装填を行うものである。また、物品の装填後においては、当該キャリアテープを所定長ずつリールに巻き取って、該リールごと物品供給場所へ搬送するのである。
【特許文献1】特開2003−261173号公報
【特許文献2】特開2005−212810号公報
【特許文献3】特願2009−16093号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前述した構造のエンボスキャリアテープの場合、物品の使用場所において、前記リールから順次繰り出された当該テープについて、そのカバーテープを機械的に剥離させて収容用凹部内の物品を順次取り出してゆくのであるが、その取り出し後のテープ本体の上面には前記カバーテープを接合していた接着剤の一部が残存していることから、使用後のテープ本体の収容凹部に再び物品を充填して新たなカバーテープを再度接着剤で接合させようとしても不完全な接合となってしまい、そのため前記物品取り出し後においては、カバーテープは勿論、テープ本体についてもすべて廃棄していた。
【0004】
しかし近年、原油価格の上昇に伴ってプラスチック材料価格が高騰する一方、資源の有効利用や地球温暖化防止が一層重要視されているなかで、前記使用後のテープ本体やカバーテープを使い捨てにして大量の産業廃棄物を発生させることは好ましくない。
【0005】
そこで、本願の出願人は、長さ方向に一定間隔をあけて多数の物品収納用凹部が形成されたテープ本体と、テープ本体の両側縁部または片側縁部に延長状に且つ折り畳み自在に設けられたフラップとを有するエンボスキャリアテープを提案している。このテープによれば、前記カバーテープを用いることなく、前記フラップの開閉によって凹部内への収納物品の出し入れが行えるため、当該テープ自体の再利用が可能となるが、ICチップ等の薄い物品を収納する場合には該物品が凹部内で若干移動したり、回ったりする場合があった。
【0006】
本発明の目的は、前述した問題を一挙に解決することができるエンボスキャリアテープを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の本発明は、長さ方向に一定間隔をあけて多数の物品収納用凹部が形成されたテープ本体と、テープ本体の両側縁部または片側縁部に延長状に且つ折り畳み自在に設けられたフラップとを有し、フラップは物品収容用凹部における開口部の全部または一部を閉止して物品収容用凹部内に物品を保持し得る幅となされ、且つフラップには物品収容用凹部内へ突出して物品を固定する凸部が形成されている、エンボスキャリアテープである。
【0008】
請求項2記載の本発明は、長さ方向に一定間隔をあけて多数の物品収納用凹部が形成されたテープ本体と、テープ本体の両側縁部または片側縁部に延長状に且つ折り畳み自在に設けられたフラップとを有し、フラップは物品収容用凹部における開口部の全部または一部を閉止して物品収容用凹部内に物品を保持し得る幅となされ、且つフラップには物品収容用凹部と反対方向へ突出した物品収容用逆凹部が形成されている、エンボスキャリアテープである。なお、本発明において、フラップを折り畳み自在とする手段としては、例えばフラップとテープ本体の境界部分に溝を設けることが考えられるが、本発明はこれに限定されず、透孔をミシン目状に設けるなど、別の構成であっても良い。またこの点は、前記請求項1記載のエンボスキャリアテープについても同様である。
【発明の効果】
【0009】
請求項1記載のエンボスキャリアテープによれば、テープ本体の両側縁部または片側縁部に設けられたフラップを物品収容用凹部の開口部へ折り曲げることによって、前記凹部内に物品を保持することができる一方、前記フラップを反対側へ戻すことで凹部の開口部が開放されて凹部内の物品を取り出すことができる。そして、物品の取り出し後において、凹部内に再び新たな物品を収納した後、フラップを再び凹部の開口部へ折り曲げることによって、新たな物品が凹部内に保持されるため、当該テープの再利用が可能となる。そして、更に本発明では、フラップの凹部内へ突出して物品を固定する凸部が形成されているため、薄い厚みの物品であっても凹部内に安定に保持されるという格別の効果を有する。
【0010】
また、前述した通り、凹部内に収容された物品はフラップの凸部で押さえられて固定される構造であるため、従来のように。凹部内で物品が動くのを防止するために、物品と凹部とのクリアランスを狭くする必要はなく、該クリアランスを広くとることができることから、各凹部への物品の収容が容易且つ効率的に行えるという利点も得られる。
【0011】
請求項2記載のエンボスキャリアテープによれば、前記請求項1記載のエンボスキャリアテープと同様、テープ本体の両側縁部または片側縁部にフラップが設けられているため、当該テープの再利用が行えることは勿論、フラップに凹部と反対方向へ突出した逆凹部が形成されているため、凹部とこれに対向する逆凹部とによって高さのある収納空間が形成されることとなり、そのため従来のエンボスキャリアテープでは収納できなかったような高さのある物品でも収納できるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
次に、本発明の実施形態を図面にしたがって説明するが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。
【0013】
(実施形態1)
【0014】
図1〜図5に本実施形態を示すが、本実施形態において、上下および左右は、図3を基準とし、上とは図3の上側を指し、下とは同図の下側を指すものとする。また左とは図3における左側を指し、右とは同図の右側を指すものとする。
【0015】
エンボスキャリアテープ1は、長さ方向に一定間隔をあけて多数の物品収納用凹部2が形成されたテープ本体3と、テープ本体3の右側縁部3aに延長状に且つ折り畳み自在に設けられたフラップ4とを有し、フラップ4は物品収容用凹部2における開口部2aの全部を閉止して物品収容用凹部2内に物品Pを保持し得る幅となされ、且つフラップ4には物品収容用凹部2内へ突出して物品Pを固定する凸部5が形成されている。
【0016】
本実施形態では、フラップ4はテープ本体3の右側縁部3aから左側縁部3b寄り部分まで設けられており、フラップ4の凸部5は、図1および図2に示すように、物品収容用凹部2に対応して一定間隔で設けられ、本実施形態では、平面から見て円形で、断面が下向き円弧状となされている。そして、図3に示すように、フラップ4の凸部5は物品収容用凹部2内の物品Pを上方から押さえることで該物品Pを凹部2内に安定的に保持するのである。
【0017】
また、図4に示すように、テープ本体3とフラップ4の境界部分3aにはテープ本体3の長さ方向に伸びる小溝10が形成されており、小溝10はフラップ4を折り畳み可能とするものである。
【0018】
なお、図中6は、当該エンボスキャリアテープ1を送るためのピンローラ(図示せず)におけるピン(いずれも図示せず)が嵌まる係合孔を示す。
【0019】
図5は本実施形態の変形例を示す。すなわち、エンボスキャリアテープ21の基本的な構造は前記実施形態と同様であり、そのため同じ構成部分については、同一の符号を付すことによって説明を省略するが、このエンボスキャリアテープ21では、フラップ4に形成された凸部25が前記凸部5よりも細長く尖った形状となされている。
【0020】
そして、物品収容用凹部2内に収容する物品P2の上面に凹形の窪み27がある場合において、前記フラップ4の凸部25が前記窪み27と嵌合することにより物品P2が凹部2内で回転することなく、確実に保持される。
【0021】
(実施形態2)
【0022】
図6〜図8に示すように、エンボスキャリアテープ31は、長さ方向に一定間隔をあけて多数の物品収納用凹部32が形成されたテープ本体33と、テープ本体33の両側縁部33aに延長状に且つ折り畳み自在に設けられたフラップ34とを有し、両側のフラップ34はそれぞれ物品収容用凹部32における開口部32aの中央寄り部分まで伸びて、物品収容用凹部32内に物品Pを保持し得る幅となされ、且つ両フラップ34には物品収容用凹部32内へ突出して物品Pを固定する凸部35が形成されている。
【0023】
フラップ34の凸部35は、前記実施形態1と同様、物品収容用凹部32に対応して一定間隔で設けられ、平面から見て円形で、断面が下向き円弧状となされている。そして、図8に示すように、両側フラップ34の凸部35は物品収容用凹部32内の物品Pの上面両側寄り部分を上方から押さえることで該物品Pを凹部32内に安定的に保持するのである。またフラップ34も実施形態1における図4に示したフラップ4と同様、小溝10によって折り畳み自在となされている。
【0024】
なお、図中36は、当該エンボスキャリアテープ31を送るためのピンローラ(図示せず)におけるピン(いずれも図示せず)が嵌まる係合孔を示す。
【0025】
(実施形態3)
【0026】
図9および図10に本実施形態を示すが、本実施形態において、上下および左右は、図10を基準とし、上とは図10の上側を指し、下とは同図の下側を指すものとする。また左とは図10における左側を指し、右とは同図の右側を指すものとする。
【0027】
エンボスキャリアテープ41は、長さ方向に一定間隔をあけて多数の物品収納用凹部42が形成されたテープ本体43と、テープ本体43の右側縁部43aに延長状に且つ折り畳み自在に設けられたフラップ44とを有し、フラップ44は物品収容用凹部42における開口部42aの全部を閉止して物品収容用凹部42内に物品P3を保持し得る幅となされ、且つフラップ44には物品収容用凹部42と反対方向へ突出した物品収容用逆凹部45が形成されている。
【0028】
本実施形態では、フラップ44はテープ本体43の右側縁部43aから左側縁部43b寄り部分まで設けられており、フラップ44の逆凹部45は、図9および図10に示すように、物品収容用凹部42に対応して一定間隔で設けられ、本実施形態では、平面および周側面から見て方形で、断面がコ字形となされている。そして、図10に示すように、フラップ44の逆凹部45は物品収容用凹部42と対向して上下方向に高さのある空間を形成することとなるため、物品P3が嵩高い形状であっても当該物品Pを容易に収容することができる。
【0029】
(実施形態4)
【0030】
図11および図12に本実施形態を示すが、本実施形態の基本的な構成は、前記実施形態1と同様であるので、同一の構成部分については、実施形態1と同様の符号を付すことによってそれらの説明を省略する。
【0031】
エンボスキャリアテープ51は、前述したように、実施形態1と同様の基本構成を有するものであるが、テープ本体3の左側縁部3b寄り部分には実施形態1における係合孔はなく、断面山形のボス部56が形成されている点で異なっている。
【0032】
本実施形態のエンボスキャリアテープ51の場合、図12に示すように、一定間隔で設けられたボス部56に、回転するピンローラ57のピン58が順次嵌まることで当該テープ51が一定方向に送られるようになされている。
【0033】
なお、前述したいずれの実施形態のエンボスキャリアテープでも、その送り用の係合孔やボス部が設けられていたが、これらを設けない場合もある。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明に係るエンボスキャリアテープは、再利用が可能であるため、使い捨てであった従来のエンボスキャリアテープのように、一回の使用だけで産業廃棄物として処分されることがなく、また資源の有効利用も図れることから、幅広い利用が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】実施形態1に係るエンボスキャリアテープの斜視図である。
【図2】同実施形態に係るエンボスキャリアテープの平面図である。
【図3】同実施形態に係るエンボスキャリアテープの横断面図である。
【図4】同実施形態におけるフラップの折り曲げ構造を示す部分拡大横断面である。
【図5】同実施形態に係るエンボスキャリアテープの変形例を示す横断面図である。
【図6】実施形態2に係るエンボスキャリアテープの斜視図である。
【図7】同実施形態に係るエンボスキャリアテープの平面図である。
【図8】同実施形態に係るエンボスキャリアテープの横断面図である。
【図9】実施形態3に係るエンボスキャリアテープの斜視図である。
【図10】同実施形態に係るエンボスキャリアテープの横断面図である。
【図11】実施形態4に係るエンボスキャリアテープの斜視図である。
【図12】同実施形態に係るエンボスキャリアテープの縦断面図である。
【符号の説明】
【0036】
1 エンボスキャリアテープ
2 物品収容用凹部
3 テープ本体
4 フラップ
5 凸部
45 物品収容用逆凹部
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品、精密機械部品および複合部品などの各種物品を多数収容するエンボスキャリアテープに関する。
【背景技術】
【0002】
エンボスキャリアテープは、長さ方向に一定間隔をあけて多数の物品収納用凹部が形成されたテープ本体と、テープ本体の上面側に接着されて、前記物品収納用凹部を閉止するカバーテープとで構成されている。そして、かかるエンボスキャリアテープは、そのテープ本体における各凹部に電子部品等の物品を入れた後、テープ本体の上面にカバーテープを接着剤で接合することにより物品の装填を行うものである。また、物品の装填後においては、当該キャリアテープを所定長ずつリールに巻き取って、該リールごと物品供給場所へ搬送するのである。
【特許文献1】特開2003−261173号公報
【特許文献2】特開2005−212810号公報
【特許文献3】特願2009−16093号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前述した構造のエンボスキャリアテープの場合、物品の使用場所において、前記リールから順次繰り出された当該テープについて、そのカバーテープを機械的に剥離させて収容用凹部内の物品を順次取り出してゆくのであるが、その取り出し後のテープ本体の上面には前記カバーテープを接合していた接着剤の一部が残存していることから、使用後のテープ本体の収容凹部に再び物品を充填して新たなカバーテープを再度接着剤で接合させようとしても不完全な接合となってしまい、そのため前記物品取り出し後においては、カバーテープは勿論、テープ本体についてもすべて廃棄していた。
【0004】
しかし近年、原油価格の上昇に伴ってプラスチック材料価格が高騰する一方、資源の有効利用や地球温暖化防止が一層重要視されているなかで、前記使用後のテープ本体やカバーテープを使い捨てにして大量の産業廃棄物を発生させることは好ましくない。
【0005】
そこで、本願の出願人は、長さ方向に一定間隔をあけて多数の物品収納用凹部が形成されたテープ本体と、テープ本体の両側縁部または片側縁部に延長状に且つ折り畳み自在に設けられたフラップとを有するエンボスキャリアテープを提案している。このテープによれば、前記カバーテープを用いることなく、前記フラップの開閉によって凹部内への収納物品の出し入れが行えるため、当該テープ自体の再利用が可能となるが、ICチップ等の薄い物品を収納する場合には該物品が凹部内で若干移動したり、回ったりする場合があった。
【0006】
本発明の目的は、前述した問題を一挙に解決することができるエンボスキャリアテープを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の本発明は、長さ方向に一定間隔をあけて多数の物品収納用凹部が形成されたテープ本体と、テープ本体の両側縁部または片側縁部に延長状に且つ折り畳み自在に設けられたフラップとを有し、フラップは物品収容用凹部における開口部の全部または一部を閉止して物品収容用凹部内に物品を保持し得る幅となされ、且つフラップには物品収容用凹部内へ突出して物品を固定する凸部が形成されている、エンボスキャリアテープである。
【0008】
請求項2記載の本発明は、長さ方向に一定間隔をあけて多数の物品収納用凹部が形成されたテープ本体と、テープ本体の両側縁部または片側縁部に延長状に且つ折り畳み自在に設けられたフラップとを有し、フラップは物品収容用凹部における開口部の全部または一部を閉止して物品収容用凹部内に物品を保持し得る幅となされ、且つフラップには物品収容用凹部と反対方向へ突出した物品収容用逆凹部が形成されている、エンボスキャリアテープである。なお、本発明において、フラップを折り畳み自在とする手段としては、例えばフラップとテープ本体の境界部分に溝を設けることが考えられるが、本発明はこれに限定されず、透孔をミシン目状に設けるなど、別の構成であっても良い。またこの点は、前記請求項1記載のエンボスキャリアテープについても同様である。
【発明の効果】
【0009】
請求項1記載のエンボスキャリアテープによれば、テープ本体の両側縁部または片側縁部に設けられたフラップを物品収容用凹部の開口部へ折り曲げることによって、前記凹部内に物品を保持することができる一方、前記フラップを反対側へ戻すことで凹部の開口部が開放されて凹部内の物品を取り出すことができる。そして、物品の取り出し後において、凹部内に再び新たな物品を収納した後、フラップを再び凹部の開口部へ折り曲げることによって、新たな物品が凹部内に保持されるため、当該テープの再利用が可能となる。そして、更に本発明では、フラップの凹部内へ突出して物品を固定する凸部が形成されているため、薄い厚みの物品であっても凹部内に安定に保持されるという格別の効果を有する。
【0010】
また、前述した通り、凹部内に収容された物品はフラップの凸部で押さえられて固定される構造であるため、従来のように。凹部内で物品が動くのを防止するために、物品と凹部とのクリアランスを狭くする必要はなく、該クリアランスを広くとることができることから、各凹部への物品の収容が容易且つ効率的に行えるという利点も得られる。
【0011】
請求項2記載のエンボスキャリアテープによれば、前記請求項1記載のエンボスキャリアテープと同様、テープ本体の両側縁部または片側縁部にフラップが設けられているため、当該テープの再利用が行えることは勿論、フラップに凹部と反対方向へ突出した逆凹部が形成されているため、凹部とこれに対向する逆凹部とによって高さのある収納空間が形成されることとなり、そのため従来のエンボスキャリアテープでは収納できなかったような高さのある物品でも収納できるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
次に、本発明の実施形態を図面にしたがって説明するが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。
【0013】
(実施形態1)
【0014】
図1〜図5に本実施形態を示すが、本実施形態において、上下および左右は、図3を基準とし、上とは図3の上側を指し、下とは同図の下側を指すものとする。また左とは図3における左側を指し、右とは同図の右側を指すものとする。
【0015】
エンボスキャリアテープ1は、長さ方向に一定間隔をあけて多数の物品収納用凹部2が形成されたテープ本体3と、テープ本体3の右側縁部3aに延長状に且つ折り畳み自在に設けられたフラップ4とを有し、フラップ4は物品収容用凹部2における開口部2aの全部を閉止して物品収容用凹部2内に物品Pを保持し得る幅となされ、且つフラップ4には物品収容用凹部2内へ突出して物品Pを固定する凸部5が形成されている。
【0016】
本実施形態では、フラップ4はテープ本体3の右側縁部3aから左側縁部3b寄り部分まで設けられており、フラップ4の凸部5は、図1および図2に示すように、物品収容用凹部2に対応して一定間隔で設けられ、本実施形態では、平面から見て円形で、断面が下向き円弧状となされている。そして、図3に示すように、フラップ4の凸部5は物品収容用凹部2内の物品Pを上方から押さえることで該物品Pを凹部2内に安定的に保持するのである。
【0017】
また、図4に示すように、テープ本体3とフラップ4の境界部分3aにはテープ本体3の長さ方向に伸びる小溝10が形成されており、小溝10はフラップ4を折り畳み可能とするものである。
【0018】
なお、図中6は、当該エンボスキャリアテープ1を送るためのピンローラ(図示せず)におけるピン(いずれも図示せず)が嵌まる係合孔を示す。
【0019】
図5は本実施形態の変形例を示す。すなわち、エンボスキャリアテープ21の基本的な構造は前記実施形態と同様であり、そのため同じ構成部分については、同一の符号を付すことによって説明を省略するが、このエンボスキャリアテープ21では、フラップ4に形成された凸部25が前記凸部5よりも細長く尖った形状となされている。
【0020】
そして、物品収容用凹部2内に収容する物品P2の上面に凹形の窪み27がある場合において、前記フラップ4の凸部25が前記窪み27と嵌合することにより物品P2が凹部2内で回転することなく、確実に保持される。
【0021】
(実施形態2)
【0022】
図6〜図8に示すように、エンボスキャリアテープ31は、長さ方向に一定間隔をあけて多数の物品収納用凹部32が形成されたテープ本体33と、テープ本体33の両側縁部33aに延長状に且つ折り畳み自在に設けられたフラップ34とを有し、両側のフラップ34はそれぞれ物品収容用凹部32における開口部32aの中央寄り部分まで伸びて、物品収容用凹部32内に物品Pを保持し得る幅となされ、且つ両フラップ34には物品収容用凹部32内へ突出して物品Pを固定する凸部35が形成されている。
【0023】
フラップ34の凸部35は、前記実施形態1と同様、物品収容用凹部32に対応して一定間隔で設けられ、平面から見て円形で、断面が下向き円弧状となされている。そして、図8に示すように、両側フラップ34の凸部35は物品収容用凹部32内の物品Pの上面両側寄り部分を上方から押さえることで該物品Pを凹部32内に安定的に保持するのである。またフラップ34も実施形態1における図4に示したフラップ4と同様、小溝10によって折り畳み自在となされている。
【0024】
なお、図中36は、当該エンボスキャリアテープ31を送るためのピンローラ(図示せず)におけるピン(いずれも図示せず)が嵌まる係合孔を示す。
【0025】
(実施形態3)
【0026】
図9および図10に本実施形態を示すが、本実施形態において、上下および左右は、図10を基準とし、上とは図10の上側を指し、下とは同図の下側を指すものとする。また左とは図10における左側を指し、右とは同図の右側を指すものとする。
【0027】
エンボスキャリアテープ41は、長さ方向に一定間隔をあけて多数の物品収納用凹部42が形成されたテープ本体43と、テープ本体43の右側縁部43aに延長状に且つ折り畳み自在に設けられたフラップ44とを有し、フラップ44は物品収容用凹部42における開口部42aの全部を閉止して物品収容用凹部42内に物品P3を保持し得る幅となされ、且つフラップ44には物品収容用凹部42と反対方向へ突出した物品収容用逆凹部45が形成されている。
【0028】
本実施形態では、フラップ44はテープ本体43の右側縁部43aから左側縁部43b寄り部分まで設けられており、フラップ44の逆凹部45は、図9および図10に示すように、物品収容用凹部42に対応して一定間隔で設けられ、本実施形態では、平面および周側面から見て方形で、断面がコ字形となされている。そして、図10に示すように、フラップ44の逆凹部45は物品収容用凹部42と対向して上下方向に高さのある空間を形成することとなるため、物品P3が嵩高い形状であっても当該物品Pを容易に収容することができる。
【0029】
(実施形態4)
【0030】
図11および図12に本実施形態を示すが、本実施形態の基本的な構成は、前記実施形態1と同様であるので、同一の構成部分については、実施形態1と同様の符号を付すことによってそれらの説明を省略する。
【0031】
エンボスキャリアテープ51は、前述したように、実施形態1と同様の基本構成を有するものであるが、テープ本体3の左側縁部3b寄り部分には実施形態1における係合孔はなく、断面山形のボス部56が形成されている点で異なっている。
【0032】
本実施形態のエンボスキャリアテープ51の場合、図12に示すように、一定間隔で設けられたボス部56に、回転するピンローラ57のピン58が順次嵌まることで当該テープ51が一定方向に送られるようになされている。
【0033】
なお、前述したいずれの実施形態のエンボスキャリアテープでも、その送り用の係合孔やボス部が設けられていたが、これらを設けない場合もある。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明に係るエンボスキャリアテープは、再利用が可能であるため、使い捨てであった従来のエンボスキャリアテープのように、一回の使用だけで産業廃棄物として処分されることがなく、また資源の有効利用も図れることから、幅広い利用が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】実施形態1に係るエンボスキャリアテープの斜視図である。
【図2】同実施形態に係るエンボスキャリアテープの平面図である。
【図3】同実施形態に係るエンボスキャリアテープの横断面図である。
【図4】同実施形態におけるフラップの折り曲げ構造を示す部分拡大横断面である。
【図5】同実施形態に係るエンボスキャリアテープの変形例を示す横断面図である。
【図6】実施形態2に係るエンボスキャリアテープの斜視図である。
【図7】同実施形態に係るエンボスキャリアテープの平面図である。
【図8】同実施形態に係るエンボスキャリアテープの横断面図である。
【図9】実施形態3に係るエンボスキャリアテープの斜視図である。
【図10】同実施形態に係るエンボスキャリアテープの横断面図である。
【図11】実施形態4に係るエンボスキャリアテープの斜視図である。
【図12】同実施形態に係るエンボスキャリアテープの縦断面図である。
【符号の説明】
【0036】
1 エンボスキャリアテープ
2 物品収容用凹部
3 テープ本体
4 フラップ
5 凸部
45 物品収容用逆凹部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長さ方向に一定間隔をあけて多数の物品収納用凹部が形成されたテープ本体と、テープ本体の両側縁部または片側縁部に延長状に且つ折り畳み自在に設けられたフラップとを有し、フラップは物品収容用凹部における開口部の全部または一部を閉止して物品収容用凹部内に物品を保持し得る幅となされ、且つフラップには物品収容用凹部内へ突出して物品を固定する凸部が形成されている、エンボスキャリアテープ。
【請求項2】
長さ方向に一定間隔をあけて多数の物品収納用凹部が形成されたテープ本体と、テープ本体の両側縁部または片側縁部に延長状に且つ折り畳み自在に設けられたフラップとを有し、フラップは物品収容用凹部における開口部の全部または一部を閉止して物品収容用凹部内に物品を保持し得る幅となされ、且つフラップには物品収容用凹部と反対方向へ突出した物品収容用逆凹部が形成されている、エンボスキャリアテープ。
【請求項1】
長さ方向に一定間隔をあけて多数の物品収納用凹部が形成されたテープ本体と、テープ本体の両側縁部または片側縁部に延長状に且つ折り畳み自在に設けられたフラップとを有し、フラップは物品収容用凹部における開口部の全部または一部を閉止して物品収容用凹部内に物品を保持し得る幅となされ、且つフラップには物品収容用凹部内へ突出して物品を固定する凸部が形成されている、エンボスキャリアテープ。
【請求項2】
長さ方向に一定間隔をあけて多数の物品収納用凹部が形成されたテープ本体と、テープ本体の両側縁部または片側縁部に延長状に且つ折り畳み自在に設けられたフラップとを有し、フラップは物品収容用凹部における開口部の全部または一部を閉止して物品収容用凹部内に物品を保持し得る幅となされ、且つフラップには物品収容用凹部と反対方向へ突出した物品収容用逆凹部が形成されている、エンボスキャリアテープ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−189042(P2010−189042A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−36276(P2009−36276)
【出願日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【出願人】(592219684)株式会社イー・ピー・アイ (21)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【出願人】(592219684)株式会社イー・ピー・アイ (21)
【Fターム(参考)】
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