説明

エンボスシートとその製造方法

【課題】ペーパータオルなどの食品に接触する用途に使用される衛生用薄葉紙として安全性が高く且つ充分な品質を備え、美粧性の高いエンボスシートを提供する。
【解決手段】2つのマッチしていない頂面が平担なエンボスナックル部を有するスチール製のエンボスロールにより表面は凸面と凹面が規則的に配置されている細かい規則的な幾何学模様が型押しされている蒿高なベーシックエンボスペーパーシート面上に、これを表面に装飾柄の線画の凸部を有するスチール製のエンボスロールと適度な硬度を有するラバーロールの間に押圧しながら通過させることにより、上記幾何学模様の多数に亘って、装飾柄の線画をエンボス加工してなることを特徴とする装飾性エンボスを施した衛生用薄葉紙。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はトイレットペーパー、フェイシャルティシュー、ペーパータオル(ロール及びボックスタオル)、ワイパー、テーブルナプキン(紙ナプキン)、テーブルクロス等の衛生薄葉紙、特に食品に接触する用途で使われる坪量10〜50g/m2の衛生薄葉紙に施されたエンボスシート並びに衛生薄葉紙へのエンボス加工技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ペーパータオル(ロール)、シートを積層し紙箱に収納したペーパータオルの外観を良くして付加価値を高める為、印刷を付与することがある。
印刷のためにプリントインクを使用することは、食品に接触する用途で使われるペーパータオル、シートを積層し紙箱に収納したペーパータオル、テーブルナプキン、フェイシャルティシュー、テーブルクロスでインクが色落ちして食品に混入しインキが食品と共に体内に摂取されるなどの危険性を秘めている。
また、従前のエンボス処理(スチール対スチールエンボス又はスチール対ラバーエンボス)の2段目処理としてスチール・ラバーエンボス(片側ロールスチール使用+片側ロールラバー使用)を押圧してエンボス模様を施した場合ラバーロールの硬度の条件、エンボスロール凸部の線幅、深度、凸部の大きさ、押し付け圧、パターンの種類などの条件によっては、明瞭なデコレーションエンボス(2段目処理のエンボスと同意)を得られなかった(デコレーションエンボスにぼやけが出たりシャープ性に欠けるものであった)。本発明の目的は高い安全性を確保するため、機械的なエンボス処理のみで美粧性があり且つ従来のペーパータオルよりも品質の良いペーパータオルなどの製品を提供することにある。
【0003】
【特許文献1】特開2006−183216
【特許文献2】特開2005−160860
【特許文献3】特開2005−160654
【特許文献4】特開平4−59347
【特許文献5】特開2003−73999
【特許文献6】特表2002−501992
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ペーパータオルなどの衛生用薄葉紙として安全性が高く且つ充分な品質を備え、美粧性の高いエンボスシートを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
2段階のエンボス処理を行うエンボス手段を有している装置であって、その第1段は2つのマッチしていないエンボスナックル部を有するスチール製のエンボスロールにより規則的な幾何学模様が型押しされると同時に上下のナックル部がペーパータオル原紙を介してタッチする事でペーパータオルがタッチ部の傷が形成される事で吸水性が早く蒿高な第1段エンボスペーパータオルが得られる(表面は凸面と凹面が規則的に配置されている)。
第2段のエンボス処理として片側にキャラクター物の線画の凸部を有するスチール製のエンボスロールと適度な硬度を有するラバーロールの間に第1段エンボスペーパータオルシートを適度な線圧で押圧しながら通過させる。
第2段のエンボス条件(ラバーロール硬度、エンボス圧力、装飾柄の線画凸部の線幅、前記凸部の高さ、凸部の角の曲率)を下記の適切な数値に選択することで装飾柄線画がくっきりとする条件を見出した。
ラバーロール硬度(JIS硬度) 40度から100度の範囲
エンボス圧力(線圧) 20〜50Kg/cm
装飾柄の線画凸部の線幅 0.3〜1.5mm
前記凸部の高さ 1.0〜2.0mmであり
凸部の角部の曲率 0.05〜0.35mmR
【発明の効果】
【0006】
本発明により、安全面で問題がなく、ペーパータオルなどの食品に接触する用途で使用される衛生用薄葉紙として充分な品質を備え、美粧性の高い容器包装用途薄葉紙が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明における薄葉紙製品には、トイレットペーパー、フェイシャルティシュー、ペーパータオル、ワイパー、テーブルナプキン、テーブルクロス等であるが、特に食品に接触する用途で使われるペーパータオル(ロール)、シートを積層し紙箱又はポリフィルムに収納したペーパータオル(ボックスタオル)、テーブルナプキン、フェイシャルティシュー、テーブルクロス等の坪量10〜50g/mの容器包装用途の薄葉紙が最適である。
また使用される場所(用途)としては家庭用、業務用、産業用などがある。
製造工程の順を追って本発明を実施するための最良の形態について説明していく。
上記の薄葉紙はまず抄紙機で原紙が製造される。原料としては食品との接触の可能性を考慮し純粋パルプ100%であり、N−BKP(針葉樹晒しクラフトパルプ)、L−BKP(広葉樹晒しクラフトパルプ、ユーカリパルプも含む)、N−UKP(針葉樹未晒しクラフトパルプ)、L−UKP(広葉樹未晒しクラフトパルプ、ユーカリパルプも含む)が製品用途により適宜配合される。安全面、環境面から晒しパルプの場合は晒し液の塩素の含有量をできる限り少ないものが選択される。
また添加薬品としては湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤、pH調整剤、粘剤、柔軟剤、消泡剤、ヤンキードライヤー付着/剥離コントロール剤、スライムコントロール剤が必要に応じて添加(内添又は外添)される。
本発明の薄葉紙の原紙を抄造する抄紙機は特に限定されない。公知のティシュ用抄紙機でツインワイヤーティシュ抄紙機、サクションブレスト抄紙機、クレセントフォーマー、長網ティシュ抄紙機、丸網抄紙機、短網ティシュ抄紙機、コンビネーションティシュ抄紙機等がある。
上記の工程を経て得られた薄葉紙原紙は必要によりプライマシン又は加工工程で2枚重ねから4枚重ねにされる。
【0008】
次にロール状又はシート上の製品に加工するための加工機で加工される。
この加工工程の中に本発明の2段のエンボスユニットが組み込まれエンボスが施工される。インターホルダー加工機にエンボスユニットを組み込んだ例を図5に示す。
第1段のエンボスユニット8では2つのマッチしていないエンボスナックル部を有するスチール製のエンボスロールにより規則的な幾何学模様が型押しされる。
2つのマッチしていないエンボスロールは図6のとおりである。凸面(ナックル部)を有した周面が上部エンボスロールと下部エンボスロールの夫々にぺアーで配設されており隣接する周面との間隔(X)をおいてロール幅全面に規則的に配置している。Xの距離は0mmより0.5mmの範囲が好ましい。
図6の2つのマッチしていないエンボスロールにより上記に記載した食品に接触する用途で使用される衛生用の薄葉紙製品用のエンボス原紙(プライ数は特に限定されない)を通過させる事で図2、図4に示されているような表面に凹凸を有した幾何学模様が形成される(図中白抜きは凸部、黒塗りは凹部を示す)。
【0009】
第1段エンボスユニットの細部条件について以下に記す。
ナックル部を上面から見た頂部の形状は概略長方形で短辺側に曲面をもたせており短辺の幅は0.5mmから1.5mmで長辺の幅は1.5mmから2.5mmで面積は0.7mmから3.7mmが品質面、美観上好ましい。
また、ナックル部は1cm当たり5個から35個配置(凸面)されている。凸面と凹面を合計すると上記凸面の2倍で1cm当たり10個から70個配置されている。
またナックル部は頂面が平坦であり長辺、短辺のどちらも頂面より底面の面積が大で側面はスロープをもっており且つ頂面、底面ともに曲面をもった形状である(図1)。曲面の曲率についてはエンボス原紙の紙質、製品に要求される品質などから0.05mmRから0.4mmRが好ましい。望ましくは0.15mmRから0.3mmRの範囲である。ナックル部の形状については上記の他に楕円形、円形、三角形から十角形のどの形状でも良い。
エンボスを形成する上での要件としては頂面が平坦である事が本発明の課題を解決する上で重要である。
また、ナックル部が形成する衛生用薄葉紙シートの凸面、凹面は所定の角度(平行線と一直線上の凸面凹面とのなす角度)で連続的又は非連続的にその角度の線上に配置されておりその角度は10度から70度の範囲が好ましい。
凸面、凹面のシート全面積に対する面積率は30%から70%の範囲が好ましい。
上記のようにエンボス加工された容器包装用途の薄葉紙は蒿高で吸水性も良く吸水量も多く且つ食品用途に使用される時の安全性でも良好なものが得られた。
【0010】
次に第2段エンボスユニット(図5の9)のエンボスに関して図3で示されたキャラクター柄の線画線幅を持つスチール製ロールとラバーロールの条件を変化させ製品の品質と装飾的エンボス柄の鮮明さを確認してみた。
その結果、下記条件で課題が解決できる事を見出した。
ラバーロール硬度(JIS硬度) 40度から100度の範囲
エンボス圧力(線圧) 20〜50Kg/cm
装飾柄の線画凸部の線幅 0.3〜1.5mm
前記凸部の高さ 1.0〜2.0mmであり
凸部の角部の曲率 0.05〜0.35mmR
キャラクター柄の面積 15〜80%(シート全面積に対する比率)
【0011】
補足的に上記の条件を外れた時の状況を説明する。
ラバーロールの硬度(JIS硬度)が40度以下の場合は鮮明なパターンが得られず、エンボスラバーロールの寿命の面や早期に研磨が必要となり不利である。また100度以上の場合でも鮮明なパターンが得られない。
エンボス圧力に関して20Kg/cm以下の場合及び50Kg/cm以上の条件では他の条件が適切な範囲であっても弱すぎて鮮明な装飾柄のエンボスが得られなかったり、強すぎて操業上好ましくない条件となる。
線幅に関して他の条件が適切な範囲であっても0.3mm以下の場合では、シートの切断が見られ装飾柄エンボスの鮮明度もやや不明瞭である。さらに1.5mm以上では装飾柄のエンボスが不明瞭となる。
エンボスの凸部の高さに関して他の条件が適切な範囲であっても1mm以下の場合、装飾柄の鮮明さに欠ける。また2mm以上の場合、凸部が欠ける問題等操業上の問題が出てくる。
エンボス凸部の角部の曲率に関しては0.05mmR以下ではエンボスシートに損傷を与えたり、切断による操業性の悪化が見られる。また0.35mmR以上の場合、鮮明な装飾柄が得られない。
装飾柄の面積に関して美粧性の面から装飾柄の面積が15〜80%の範囲が好ましい。
尚、装飾柄はキャラクター柄の他に動物、食器、花、木、調理器具、電気製品、人物、アニメ、果物、建物、自然風景、漫画、デザイン画、文字、記号、その他の装飾や商品の訴求を目的とした装飾柄であれば上記に列記した以外のものでも良い。
線画のみの凸部を有するエンボス以外に線画の凸面(3)の外側に2mmから8mmの抜き部(4)を設け、さらに隣接する外周部に2mmから8mmの凸面(5)を設けバックの幾何学模様の凹凸を消滅させる事も装飾柄を鮮明にさせる手段として非常に有効であった(図7)(図8)。
図7、図8の絵では凸部にエッジに曲面をもたしていないが紙への影響を考慮してエッジ部は曲面にすることが有効である。
装飾柄の線画に関しては線幅は0.3mm〜1.5mmの範囲で線幅を場所によって変化させ、より美粧性を高めることができる。エンボスロールの製作という観点から線幅の種類をむやみに多くできないので線幅は1種類から5種類が適切である。
【0012】
以下実施例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、勿論これらの例に限定されるものではない。
【実施例1】
【0013】
ツインワイヤーティシュ抄紙機で針葉樹クラフトパルプ(N−BKP)60%、広葉樹クラフトパルプ(L−BKP)40%及び湿潤紙力増強剤を対パルプ0.3%添加されたクレープ紙(ペーパータオル)を製造した。その坪量は20g/mであった。
その後プライマシンで2枚重ねとし、幅方向にスリットを入れボックスタオル用インターフォルダー加工機(V字折りシート状ペーパータオルの加工機)原反としてバックスタンドに収納させた。
上記ボックスタオル用インターフォルダー加工機(V字折りのシート状ペーパータオルの加工機)には2ユニットのエンボス工程を持っており、その第1段ユニットでは2つのマッチしていないエンボスナックル部を有するスチール製のエンボスロールにより規則的な幾何学模様が型押しされる。
ナックル部の上面から見た頂部の形状は概略長方形で短辺側に曲面をもたせており短辺の幅は1.0mmで長辺の幅は2mmで面積は1.9mmである。
また、ナックル部は1cm当たり14個配置(凸面)されている。凸面と凹面を合計すると1cm当たり28個配置である。
また、ナックル部は頂面が平坦であり長辺、短辺のどちらも頂面より底面の面積が大で側面はスロープをもっており且つ頂面、底面ともに曲面をもった形状である。形状例については、図1の(a)(b)(c)に図示してある。模式図に図示すると図2のようになる。(ナックル部の頂面で圧潰された凸と凹が交互に連続的に配置されており、且つ凸面と凹面が45°の直線状にある。)
上記凸面と凹面の面積合計はエンボスシート全体の48%であった。
【0014】
次に第2段ユニットのエンボスにて図3で示されたキャラクター柄の線画と線幅を持つスチール製ロール(線幅0.5mm、エンボス深さ1.5mm、凸部の角部の曲率0.25mm)とJIS硬度90度のラバーロールのニップに第1段で作成された幾何学模様エンボスシート(第1のシート)を通過させ第2のエンボスシートを作製した。エンボス圧力は30Kg/cmである。
図3の(a)は線画の線幅(凸面3)が2種類以上のキャラクター柄例であり、図3の(b)は線画の線幅(凸面3)が1種類のキャラクター柄例である。
第2のエンボスシートは第1のエンボスシートの上にキャラクター柄の線画が圧潰された模様となったシートであり、キャラクター柄の面積はシート全面積の41%であった。
この条件で図9に示すように非常に鮮明なキャラクター柄が得られた。
【実施例2】
【0015】
サクションブレストティッシュ抄紙機で針葉樹クラフトパルプ(N−BKP)75%、広葉樹クラフトパルプ(L−BKP)25%及び湿潤紙力増強剤を対パルプ0.3%添加されたクレープ紙(ペーパータオル)を製造した。その坪量は23g/mであった。
その後プライマシンで2枚重ねとし、幅方向にスリットを入れロールスタオル用ロールワインダー加工機(ロール状ペーパータオルの加工機)原反としてバックスタンドに収納させた。
上記ロールタオル用加工機には2ユニットのエンボス工程を持っており、その第1段ユニットでは2つのマッチしていないエンボスナックル部を有するスチール製のエンボスロールにより規則的な幾何学模様が型押しされる。
ナックル部の上面から見た頂部の形状は概略長方形で短辺側に曲面をもたせており短辺の幅は0.7mmで長辺の幅は1.7mmで面積は1.3mmである。
また、ナックル部は1cm当たり18個配置(凸面)されている。凸面と凹面を合計すると1cm当たり36個配置である。
また、ナックル部は頂面が平面であり長辺、短辺のどちらも頂面より底面の面積が大で側面はスロープをもっており且つ頂面、底面ともに曲面をもった形状である。第1のエンボスシートはこれを模式図に図示すると図4のようになる(ナックル部の頂面で圧潰された凸と凹が交互に非連続的に配置されており、且つ凸面と凹面が35°の直線上にある)。
図2との相違は角度の違いの他に凸と凹の組の凹面に隣する凸面との距離(X)が図2では0mmであるのに対し、図4では0.3mmである点である。
上記凸面と凹面の面積合計はエンボスシート全体の41%であった。
【0016】
次に第2段ユニットのエンボスにて図3で示されたキャラクター柄の線画について述べる。
線幅を持つスチール製ロール(線幅0.7mm、エンボス深さ1.2mm、凸部の角部の曲率0.25mm)とJIS硬度80度のラバーロールのニップに第1段で作成された幾何学模様エンボスシート(第1のシート)を通過させ第2のエンボスシートを作製した。エンボス圧力は40Kg/cm、キャラクター柄の面積はシート全面積の20%であった。
この条件で非常に鮮明なキャラクター柄が得られた。
【実施例3】
【0017】
第2段のエンボスユニットで、スチールエンボスロールのキャラクター柄仕様に関して、線画の凸面の外側に4mm抜き部を設け、さらに隣接する外周部の凸面(4mm幅)を設け、その他の条件は実施例1と同じ条件とした(図7の仕様)。
この条件で非常に鮮明なキャラクター柄が得られた。
【0018】
<比較例1>
線幅を0.2mmにした以外は実施例1と同じにした。
第1のエンボスシートの条件は実施例1と同様の方法で作製した。
第2段ユニットのエンボスにて図3で示されたキャラクター柄の線画線幅を持つスチール製ロール(線幅0.2mm、エンボス深さ1.5mm、凸部の角部の曲率0mm)とJIS硬度90度のラバーロールのニップに第1段で作成された幾何学模様エンボスシート(第1のシート)を通過させ第2のエンボスシートを作製した。
エンボス圧力とキャラクター柄の面積は実施例1と同様である。
この条件ではシートの切断が見られ装飾柄エンボスの鮮明度もやや不明瞭であった。
【0019】
<比較例2>
線幅を2.0mmにした以外は実施例2と同じにした。
第1のエンボスシートの条件は実施例2と同様の方法で作製した。
第2段ユニットのエンボスにて図−3で示されたキャラクター柄の線画線幅を持つスチール製ロール(線幅2.0mm、エンボス深さ1.2mm、凸部の角部の曲率(0.4mm)とJIS硬度80度のラバーロールのニップに第1段で作成された幾何学模様エンボスシート(第1のシート)を通過させ第2のエンボスシートを作製した。
エンボス圧力とキャラクター柄の面積は実施例2と同様である。
この条件では装飾柄エンボスの鮮明度は不明瞭であった。
【0020】
上記実施例及び比較例で得られた装飾柄エンボスの鮮明度をまとめて表1に示した。
【0021】
【表1】

【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】(a)は第1段のエンボスロールのナックル部(凸面)の配列を示す説明図である。(b)は同上のA−A断面図である。(c)は同上のB−B断面図である。
【図2】第1段の対エンボスロールのナックル部により形成された第1のエンボスシートの説明図でペーパーシート表面に凸(白抜き部)と凹面(黒塗り印)が交互に連続配置された状態を示す。
【図3】(a)(b)はキャラクター柄例図である。
【図4】第1のエンボスシートの別の模式図である。
【図5】インターホルダー加工機にエンボスユニットを組込んだ例を示す。
【図6】第1段のエンボスロールのナックル部がマッチしてない状態を示すロール説明図である。
【図7】第2エンボスロール(スチールロール)の別例を示す説明図(断面図)である。
【図8】第2エンボスロール(スチールロール)の別例を示す説明図(正面図)である。
【図9】第1エンボス上に第2エンボスの線画を描いた状態を示す説明図である。
【図10】図9の線画を別例とした説明図である。
【符号の説明】
【0023】
1……ナックル部(凸部)
2……キャラクター柄
3……線画の凸面
4……抜き部
5……外周部の凸面
6……第2段エンボスユニットのスチールロールベース面
7……原紙アンワインドスタンド
8……第1段エンボスユニット
9……第2段エンボスユニット
10…V字折りインターフォルダー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つのマッチしていない頂面が平担なエンボスナックル部を有するスチール製のエンボスロールにより表面は凸面と凹面が規則的に配置されている細かい規則的な幾何学模様が型押しされている蒿高なベーシックエンボスペーパーシート面上に、これを、表面に装飾柄の線画の凸部を有するスチール製のエンボスロールと適度な硬度を有するラバーロールの間に押圧しながら通過させることにより、上記幾何学模様の多数に亘って、装飾柄の線画をエンボス加工してなることを特徴とする装飾性エンボスを施した衛生用薄葉紙。
【請求項2】
スチール製のエンボスロールの装飾柄の線画の凸部が線幅0.3〜1.5mmの範囲で1種から5種の線幅の装飾柄線画をくっきりと現出する請求項1記載の衛生用薄葉紙。
【請求項3】
スチール製のエンボスロールの装飾柄の線画の凸部が
(1)装飾柄の線画凸部の線幅0.3〜1.5mmであり、
(2)上記凸部の高さが1.0〜2.0mmであり、
(3)上記凸部の角部の曲率が0.05〜0.35mmRである
請求項1または2記載の衛生用薄葉紙。
【請求項4】
ラバーロールの硬度(JIS硬度)が40度から100度の範囲である請求項1から3までのいずれか1項記載の衛生用薄葉紙。
【請求項5】
装飾柄の線画の凸部を有するスチール製のエンボスロールに上記の線画の凸部の外側に抜き部を介して隣接する外周部のより太幅の凸面を設けて細太の内外周の複数線よりなる装飾柄の線画をエンボス加工して得られる請求項1から4までのいずれか1項記載の衛生用薄葉紙。
【請求項6】
薄葉紙が食品に接触する用途で使用される衛生用薄葉紙である請求項1から5までのいずれか1項記載の衛生用薄葉紙。
【請求項7】
2段階のエンボス処理を行うエンボス手段を有している装置を用いて、その第1段はペーパーシートに2つのマッチしていないエンボスナックル部を有するスチール製のエンボスロールにより規則的な幾何学模様が型押しされると同時に上下のナックル部がペーパーシートを介してタッチすることでペーパーシートにタッチ部の傷が形成される事で吸水性が早く表面は凸面と凹面が規則的に配置されている蒿高な第1段エンボスペーパーシートを得た後、第2段のエンボス処理として片側に装飾柄の線画の凸部を有するスチール製のエンボスロールと適度な硬度を有するラバーロールの間に第1段エンボスペーパーシートを適度な線圧で押圧しながら通過させる事を特徴とする美粧性の高いエンボスシートの製造方法。
【請求項8】
第2段のエンボス条件としてラバーロール硬度、エンボス圧力、装飾柄の線画凸部の線幅、前記凸部の高さ、凸部の角の曲率に下記の数値を選択して装飾柄線画がくっきりとする
ラバーロール硬度(JIS硬度) 40度から100度の範囲
エンボス圧力(線圧) 20〜50Kg/cm
装飾柄の線画凸部の線幅 0.3〜1.5mm
前記凸部の高さ 1.0〜2.0mmであり
凸部の角部の曲率 0.05〜0.35mmR
請求項7記載のエンボスシートの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−113695(P2008−113695A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−297005(P2006−297005)
【出願日】平成18年10月31日(2006.10.31)
【出願人】(000183462)日本製紙クレシア株式会社 (112)
【Fターム(参考)】