説明

エンボス加工用光硬化性組成物および硬化物

【課題】塗布適正およびインプリント適性に優れ、かつ、硬化後のカール量および硬化収縮率が低く、かつ、硬化後の耐溶剤性と加熱後の透過率が高いエンボス加工用光硬化性組成物を提供する。
【解決手段】重合性モノマー(A)およびエポキシ(メタ)アクリレートを含み、かつ25℃における粘度が400mPa・s以上20000mPa・s未満であるエンボス加工用光硬化性組成物であって、下記(a)および(b)を満たす組成物。
(a)重合性モノマー(A)が、下記式(1)〜(4)のいずれかで表される(メタ)アクリレートである。
(b)重合性モノマー(A)とエポキシ(メタ)アクリレートの合計量の30質量%以上がエポキシ(メタ)アクリレートである。
式(1)
[X1−R1]−(R3)n
式(2)
[X1−R1−O−R2(X2)]−(R3)n
式(3)
[X1−R1−CO−R2(X2)]−(R3)n
式(4)
[X1−R1−COO−R2(X2)]−(R3)n
(上記式(1)〜(4)中、R1およびR2は、それぞれ、直鎖、分岐、環状またはこれらを組み合わせた炭化水素基からなる基(但し、炭化水素基中にエーテル結合およびカルボニル基のうちの1つまたは2つを含んでいても良い)であり、X1およびX2は、それぞれ、水素原子、−COOH、−OHまたは、ハロゲン原子を表し、R3は(メタ)アクリロイル基を表し、nは1〜3の整数を表す。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンボス加工用光硬化性組成物および該組成物を用いた硬化物の製造方法に関する。特に、レンズパターンを形成するためのエンボス加工用光硬化性組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体用露光装置、内視鏡、記録再生装置、表示装置などの光学装置には、フレネルレンズ、レンチキュラーレンズ、プリズムシート、レンズアレイなどの表面に微細な凹凸を有する光学レンズなど、精密加工を要する精密光学レンズが搭載されている。そして、精密加工の容易さの観点から、精密光学レンズには樹脂が多く採用されている。
【0003】
さらに近年は、特に液晶ディスプレイのバックライト用の光学部材においては、光学フィルムの低コスト化、薄膜化、高機能化を狙い、これらの光学レンズの上にさらに光学機能向上のための機能層の付与や、他の光学フィルムの積層・貼合わせなどによる複合光学材料が開発されている。また、上記のような液晶セルの外側への工夫だけでなく、液晶セルの内側への光学材料の導入も検討されている。
ここで、液晶セルの内側へ光学材料を導入する場合、光学レンズには従来から必要とされた表面硬度・環境耐久性の他に、レンズ形成後の後工程で必須となる各種有機溶剤への耐溶剤性や200℃を越える、従来よりも格段に高い耐熱性が必要になっている。
【0004】
ところで、一般に、樹脂レンズは傷が付くことが大きな問題である。そのため、特許文献1では特定の樹脂を用いることで、鉛筆硬度3H以上の硬いレンズを作製している。しかしながら、特許文献1では、射出成形によって作製しているため、加熱冷却に時間がかかり、また、一般にμmオーダーの微細加工には不向きなものとなっている。
【0005】
以上の課題を解決する為、光硬化性組成物をパターンが形成されたスタンパに押し付け、この状態で露光により光硬化性組成物を硬化させ、スタンパを剥離し、基板上にレンズなどの光学材料を形成する方法が用いられるようになってきた。このような方法はいわゆるエンボス加工として知られている。
具体的には、スタンパ上に光硬化性組成物を塗布し、この上から透明な基板を重ね合わせ、透明な基板側から露光する方法、あるいは、予め基板に光硬化性組成物を塗布し、透明なスタンパを重ね合わせ、スタンパ側から露光し、光硬化性組成物を硬化させ、光学材料を形成する方法がある。
さらに、スタンパと基板を重ね合わせる前に、雰囲気を減圧しておいたり、窒素雰囲気下にしておいたりして、光硬化を促進する場合もある。
【0006】
このようなエンボス加工に用いる光硬化性組成物が種々検討されている。例えば、特許文献2では、2つ以上の環状構造であって、高粘度のエポキシアクリレートを含む粘度が20000mPa・s以上の高粘度組成物を用いて、高速に、精度よく、レンズを作成する手法を開示している。しかしながら、この方法ではエンボス加工をする際に、スタンパの微細な凹凸に、光硬化性組成物が十分に追随し、気泡などを巻き込まないようにするため、スタンパや光硬化性組成物を加熱して液粘度を低下させる必要がある。このため、加熱のための設備が必要となる上に、加熱やその後の冷却時の膨張・収縮ために、完成したパターンがオリジナルのスタンパの微細構造とサイズが変わったり、位置がずれたりする不具合が生じる場合がある。さらに、このようにして得られた硬化後の耐溶剤性や硬化膜の高温での耐熱性については何も考慮されていない。
【0007】
一方、特許文献3では、スタンパへの均一な塗布が可能であり、スタンパ形状に完全に追随でき、さらに、25℃における粘度が1000〜12000mPa・sである光硬化性組成物が開示されている。しかしながら、この例においても硬化後の耐溶剤性や硬化膜の高温での耐熱性については何も考慮されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開WO2006/082629号パンフレット
【特許文献2】特許第4265468号公報
【特許文献3】特開平7−233227号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述のとおり、エンボス加工に用いることを目的とした光硬化性組成物は種々検討されており、多くのエンボス加工時の高速化やパターン形成性が改良された光硬化性組成物が開示されている。 しかしながら、塗布適正やインプリント適性に優れ、かつ、硬化後のカール量および硬化収縮率が低く、かつ、硬化後の耐溶剤性および加熱処理後の透過率が高い組成物は得られていなかった。
本発明は、かかる状況を打開することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
かかる状況のもと、本発明者は、塗布適正やインプリント適性に優れ、かつ、硬化後のカール量および硬化収縮率が低く、かつ、硬化後の耐溶剤性や加熱処理後の透過率が高い組成物を得るべく、鋭意検討を行った。ここで、硬化膜の耐溶剤性させる方法としては、硬化膜の架橋密度を高める方法と、本来的に剛直なモノマーを用いる方法とが考えられた。しかしながら、本願発明者が検討した結果、硬化膜の架橋密度を高めるために、組成物中における重合性基の数を多くしようとすると、硬化収縮が起こってしまうことがわかった。一方、本来的に剛直なモノマーとして、重合性オリゴマーを用いると、重合性オリゴマーの種類によっては硬化後の耐溶剤性が不十分である場合があることが分かった。そして、剛直なモノマーを種々検討した結果、環状構造を含有するエポキシ(メタ)アクリレートを用いることにたどりついた。また、環状構造を含有するエポキシ(メタ)アクリレートは非常に高粘度であるため、該化合物と組み合わせる希釈剤としての重合性モノマーが必要であることがわかった。さらに重合性モノマーに関して、特定の構造で加熱後の透過率が良好であることを見出した。以上の検討に基づき、環状構造を含有するエポキシ(メタ)アクリレートと特定の重合性モノマーを特定の割合で用いることにより、塗布適正やインプリント適性に優れ、かつ、硬化後のカール量および硬化収縮率が低く、かつ、硬化後の耐溶剤性にすぐれた組成物を得られることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、以下の手段により達成された。
【0011】
(1)重合性モノマー(A)および環構造を含有するエポキシ(メタ)アクリレートを含み、かつ25℃における粘度が400mPa・s以上20000mPa・s未満であるエンボス加工用光硬化性組成物であって、下記(a)および(b)を満たす組成物。
(a)重合性モノマー(A)が、下記式(1)〜(4)のいずれかで表される(メタ)アクリレートである。
(b)重合性モノマー(A)とエポキシ(メタ)アクリレートの合計量の30質量%以上がエポキシ(メタ)アクリレートである。
式(1)
[X1−R1]−(R3)n
式(2)
[X1−R1−O−R2(X2)]−(R3)n
式(3)
[X1−R1−CO−R2(X2)]−(R3)n
式(4)
[X1−R1−COO−R2(X2)]−(R3)n
(上記式(1)〜(4)中、R1およびR2は、それぞれ、直鎖、分岐、環状またはこれらを組み合わせた炭化水素基からなる基(但し、炭化水素基中にエーテル結合およびカルボニル基のうちの1つまたは2つを含んでいても良い)であり、X1およびX2は、それぞれ、水素原子、−COOH、−OH、または、ハロゲン原子を表し、R3は(メタ)アクリロイル基を表し、nは1〜3の整数を表す。)
(2)前記エポキシ(メタ)アクリレートが有する環構造が脂環構造である(1)に記載の組成物。
(3)前記エポキシ(メタ)アクリレートが有する環構造がノボラック型である(1)に記載の組成物。
(4)重合性モノマー(A)を2種類以上を含有する、(1)〜(3)のいずれか1項に記載の組成物。
(5)X1およびX2は、それぞれ、水素原子、−OHまたは−COOHである、(1)〜(4)のいずれか1項に記載の組成物。
(6)X1およびX2は、それぞれ、−OHまたは−COOHである、(1)〜(4)のいずれか1項に記載の組成物。
(7)nは2または3である、(1)〜(6)のいずれか1項に記載の組成物。
(8)重合性モノマー(A)とエポキシ(メタ)アクリレートの合計量の40〜80重量%がエポキシ(メタ)アクリレートである、(1)〜(7)のいずれか1項に記載の組成物。
(9)重合性モノマー(A)とエポキシ(メタ)アクリレートの合計量が溶剤を除く成分の85重量%以上を占める、(1)〜(8)のいずれか1項に記載の組成物。
(10)重合性モノマー(A)の粘度が、1.5〜600mPa・sである、(1)〜(9)のいずれか1項に記載の組成物。
(11)エポキシ(メタ)アクリレートの分子量が、200〜2000である、(1)〜(10)のいずれか1項に記載の組成物。
(12)前記組成物の粘度が、600〜2000mPa・sである、(1)〜(11)のいずれか1項に記載の組成物。
(13)さらに、光重合開始剤、酸化防止剤および離型剤の少なくとも1種を含有する、(1)〜(12)のいずれか1項に記載の組成物。
(14)前記組成物は、光学レンズ用である、(1)〜(13)のいずれか1項に記載の組成物。
(15)(1)〜(14)のいずれか1項に記載の組成物を露光硬化してなる、硬化物。
(16)基板上に、(1)〜(14)のいずれか1項に記載の組成物を適用し、該組成物上に、パターンが形成されたスタンパを重ね合わせ、前記組成物を露光硬化し、前記スタンパを剥離することを含む硬化物の製造方法、または、
パターンが形成されたスパンタ上に、(1)〜(14)のいずれか1項に記載の組成物を適用し、該組成物上に、基板を重ね合わせ、前記組成物を露光硬化し、前記スタンパを剥離することを含む硬化物の製造方法。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、塗布適正やインプリント適性に優れ、かつ、硬化後のカール量および硬化収縮率が低く、かつ、硬化後の耐溶剤性に優れ、加熱後の透過率が高い組成物を提供することが可能になった。このため、従来に比して著しく優れた光学レンズ等の光学材料を提供することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。尚、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレートおよびメタクリレートの両方を含む意味で使用される。尚、本発明における粘度は特に述べない限り、25℃における粘度を言う。
【0014】
本発明のエンボス加工用光硬化性組成物は、重合性モノマー(A)およびエポキシ(メタ)アクリレートを含み、かつ25℃における粘度が400mPa・s以上20000mPa・s未満であるエンボス加工用光硬化性組成物であって、下記(a)および(b)を満たすことを特徴とする。
(a)重合性モノマー(A)が、後述する式(1)〜(4)のいずれかで表される(メタ)アクリレートである。
(b)重合性モノマー(A)とエポキシ(メタ)アクリレートの合計量の30質量%以上がエポキシ(メタ)アクリレートである。
このような組成物とすることにより、塗布適正やインプリント適性に優れ、かつ、硬化後のカール量および硬化収縮率が低く、かつ、硬化後の耐溶剤性に優れ、加熱後の透過率が高い組成物を提供することが可能になる。
【0015】
(a)重合性モノマー(A)
本発明で用いられる重合性モノマー(A)は、主に粘度調整用の希釈剤として用いられ、下記式(1)〜(4)のいずれかで表される(メタ)アクリレートである。
式(1)
[X1−R1]−(R3)n
式(2)
[X1−R1−O−R2(X2)]−(R3)n
式(3)
[X1−R1−CO−R2(X2)]−(R3)n
式(4)
[X1−R1−COO−R2(X2)]−(R3)n
(上記式(1)〜(4)中、R1およびR2は、それぞれ、直鎖、分岐、環状またはこれらを組み合わせた炭化水素基からなる基(但し、炭化水素基中にエーテル結合およびカルボニル基のうちの1つまたは2つを含んでいても良い)であり、X1およびX2は、それぞれ、水素原子、−OH、−COOH、または、ハロゲン原子を表し、R3は(メタ)アクリロイル基を表し、nは1〜3の整数を表す。)
尚、直鎖、分岐、環状またはこれらを組み合わせた炭化水素基からなる基(但し、炭化水素基中にエーテル結合およびカルボニル基のうちの1つまたは2つを含んでいても良い)とは、炭化水素基の末端、炭化水素基間、環状構造の炭化水素基の環の構成要素として、エーテル結合とカルボニル基が合計で1つまたは2つ含まれている基を意味する。すなわち、R1およびR2には、ヘテロ環やヘテロ環を有する炭化水素基も含まれる。
ここで、R1およびR2が有していても良い環状構造は、脂環であっても良いし、芳香環であっても良い。炭化水素基の炭素数は合計で、2〜20であることが好ましく、4〜8であることがより好ましい。
1およびX2としてのハロゲン原子は、好ましくは、塩素原子またはフッ素原子である。X1およびX2は、それぞれ、水素原子、−OHまたは−COOHであることが好ましい。重合性モノマー(A)のうち、少なくとも1種におけるX1またはX2が−OHまたは−COOHであることがより好ましい。
3はアクリロイル基が好ましい。R3は、R1および/またはR2に結合し、R1および/またはR2に2つ以上のR3が結合していても良い。
nは2または3であることが好ましい。本発明で用いるエポキシ(メタ)アクリレートは、通常、非常に高い粘度を有するため、粘度希釈のためのモノマーが必要になる。ここで、希釈能力を高める観点からは、単官能モノマー、すなわち、nが1であることが好ましい。一方、nが2または3のモノマーを用いることにより、耐溶剤性を高めることが可能であることが分かった。すなわち、耐溶剤性を高めつつ、硬化収縮、耐熱性を改良するには、nが2または3のモノマーが好適である。従って、nが1のモノマーとnが2または3のモノマーを併用した場合は、適度な粘度に希釈しながら、耐溶剤性を高めつつ、硬化収縮、耐熱性を改良することが可能となる。
【0016】
重合性モノマー(A)の粘度は、好ましくは1.5〜600mPa・sであり、より好ましくは5〜400mPa・sであり、さらに好ましくは10〜200mPa・sである。このような範囲とすることにより、固体添加剤の溶解不良を生じにくいという効果が得られる。
重合性モノマー(A)の分子量は、130〜700であることが好ましく、140〜550であることがより好ましい。
重合性モノマー(A)の揮発度は、0.1Torr、15分の減圧下で、重量減少0〜70%であることが好ましく、重量減少0.1〜50%であることがより好ましい。
重合性モノマー(A)は、(メタ)アクリロイル基以外の重合性基を有していても良く、このような重合性基の例として、エポキシ基およびアリル基が挙げられる。本発明における重合性モノマー(A)は重合性基として(メタ)アクリロイル基のみを含むことが好ましく、アクリロイル基のみを含むことがより好ましい。
【0017】
重合性モノマー(A)は、下記構造を含有しない化合物が好ましい。このような構造を有した場合、硬化膜の加熱テストでの着色が大きくなる傾向にあり、好ましくない。mは整数であり、2以上、3以上、4以上の場合が例示される。また、mが1である構造を複数含んでいる化合物も好ましくない。
−(OCH2CH2)m− −(OCH2(CH3)CH2)m−
【0018】
また、重合性モノマー(A)が水素結合性基を持つことにより、基板との密着が向上する。このような重合性モノマーは、特に、密着向上のため基板にシランカップリング剤、チタンカップリング剤などの下処理が行われている場合、有効である。このような水素結合性基としては−OH、−COOH、−NRH(Rは置換基)、−CONHがあるが、硬化膜の加熱テストでの着色の観点からは−OH、−COOHを含有する化合物が好ましい。
【0019】
重合性モノマー(A)の具体例として、例えば、特開2009−73078号公報の段落番号0046、0047、0049に記載の重合性モノマー等から選択することができる。特に本発明では、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−アクロイルオキシエチルコハク酸、トリメチロールプロパントリアクリレート等のモノマーが本発明に好適に用いられる。
重合性モノマー(A)は1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上を含んでいても良い。2種類以上含む場合、例えば、1種が2官能または3官能の(メタ)アクリレートであり、他の1種が−OHまたは−COOHを含む化合物である組成が例示される。
【0020】
(b)エポキシ(メタ)アクリレート
本発明で用いるエポキシ(メタ)アクリレートは、環構造を含有するエポキシ(メタ)アクリレートである。
重合性オリゴマーとしては、種々のものが知られているが、本願発明者が検討したところ、ウレタンアクリレートを用いた場合は、ウレタンアクリレートが持つ窒素原子のため加熱後の着色が大きく、エポキシ(メタ)アクリレートを用いた場合に比べ、硬化膜の各種特性、特に、耐溶剤性が劣っていた。また、重合性オリゴマーとしてポリエステルアクリレートを用いた場合は、硬化膜の各種特性、特に、耐溶剤性が不十分であった。そして種々の結果、本願発明者は、エポキシ(メタ)アクリレートを用いることにたどり着いた。
環状構造を含有するエポキシ(メタ)アクリレートは、1分子内にエポキシ基及び環状構造を有する化合物に、エチレン性不飽和結合とカルボン酸を有する化合物を反応させて、エポキシ基のカルボン酸による開環付加反応により合成されるものである。エポキシ(メタ)アクリレートは、エポキシ基の開環による水酸基を含むエポキシ残基及び、場合によっては未反応のエポキシ基を有することが特徴である。
エポキシ基及び環状構造を有する化合物としては、エポキシ基及び環状構造を有するグリシジルエーテル化合物が好ましく用いられる。
エチレン性不飽和結合とカルボン酸を有する化合物は、1分子内にエチレン性不飽和結合を1つ以上及びカルボキシル基を有する分子を使用することができる。エチレン性不飽和結合とカルボン酸を有する化合物は、例えば、(メタ)アクリル酸が挙げられるが、その他にも1分子中にエチレン性不飽和結合を1つ以上及び水酸基を有する分子と酸無水物を反応させることにより合成することができる。
エチレン性不飽和結合を1つ以上及び水酸基を有する分子としては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシシクロヘキシルメタ(アクリレート)等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類;トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
酸無水物としては、例えば、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水コハク酸、無水テトラヒドロフタル酸、4−メチル−テトラヒドロ無水フタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸等が挙げられる。
【0021】
前記エポキシ(メタ)アクリレートが有する環状構造としては、ノボラック型が好ましい。ノボラック型エポキシ(メタ)アクリレートを使用した場合、硬化収縮率が低く、硬化膜の耐熱性が良好な光硬化性組成物が得られる。さらに、耐溶剤性も向上させることができる。
本発明の環状構造を含有するエポキシ(メタ)アクリレートの具体例としては、ビスフェノールA型のエポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールF型のエポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールS型エポキシ(メタ)アクリレート、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、キシレノールノボラック型のエポキシ(メタ)アクリレート、ナフタレン骨格のエポキシ(メタ)アクリレートおよびそれらの水添化物エポキシ(メタ)アクリレート、脂環式骨格を有するエポキシ(メタ)アクリレート、イソシアヌレート骨格、フルオレン骨格等を有するエポキシアクリレーが挙げられる。この中でも、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、キシレノールノボラック型のエポキシ(メタ)アクリレートが好ましい。さらに、メタエポキシアクリレートよりもエポキシアクリレートの方が好ましい。
【0022】
一方、環状構造と脂環式構造をもつエポキシ(メタ)アクリレートはノボラック型エポキシ(メタ)アクリレートに比べ若干、耐溶剤性が劣るが、より屈折率が低く、低い屈折率が求められる光学材料に対しては好ましい。
【0023】
エポキシ(メタ)アクリレートの粘度は、好ましくは10000mPa・s以上であり、より好ましくは5000mPa・s以上である。このような範囲とすることにより、未硬化時の膜がある程度の硬度を持つため、硬化収縮を低く抑えることができるという効果が得られる。
エポキシ(メタ)アクリレートの分子量は、200〜2000であることが好ましく、500〜2000であることがより好ましい。
またエポキシ(メタ)アクリレートは、2官能以上であることが好ましい。
【0024】
エポキシ(メタ)アクリレートは、下記構造を含有しない化合物が好ましい。このような構造を有した場合、硬化膜の加熱テストでの着色が大きくなる傾向にあり、好ましくない。
−(OCH2CH2)n− −(OCH2(CH3)CH2)n−
【0025】
(組成物の粘度)
本発明の組成物(以下、「本発明の組成物」ということがある)の粘度は、400mPa・s以上20000mPa・s未満であり、好ましくは、600〜2000mPa・sであり、より好ましくは、700〜1000mPa・sであり、特に好ましくは750〜1000mPa・sである。このような範囲とすることにより、基板塗布性を損なわず、塗布後の液流れを抑制でき、良好な膜厚均一性を得られるという効果が得られる。また、エンボス加工時、基板が傾斜した場合も液流れによる膜厚不均一が発生しにくく、スタンパで押した時に十分に微細な凹凸に追随することができ、かつスタンパから必要以上に液がはみ出して、膜厚が薄くなったり、周囲を汚染したりすることがない。
【0026】
(組成比)
本発明の組成物におけるエポキシ(メタ)アクリレートの含量は、エポキシ(メタ)アクリレートと重合性モノマー(A)の合計量の30重量%以上であることが好ましく、40〜80重量%であることがより好ましい。このような範囲に設定することにより、組成物を適度な粘度範囲に納めることができ、良好な塗布性とエンボス加工性を示し、かつ、硬化収縮率が低く、硬化膜の耐溶剤性および耐熱性を向上させることができる。
さらに本発明の組成物においては、重合性モノマー(A)とエポキシ(メタ)アクリレートの合計量が溶剤を除く成分の85重量%以上を占めることが好ましく、90重量%以上を占めることがさらに好ましい。このような範囲とすることにより、本発明の効果をより効果的に発揮させることができる。
【0027】
また、本発明の組成物は、上述したとおり、2種類以上の重合性モノマー(A)、エポキシ(メタ)アクリレート等を組み合わせて用いることを特徴とするが、本発明の趣旨を逸脱しない限り、他の重合性モノマーまたは重合性オリゴマーを含んでいてもよい。
本発明の組成物は、光重合開始剤、酸化防止剤、離型剤等を含んでいてもよい。
【0028】
(光重合開始剤)
本発明に用いられる光重合開始剤は、組成物の全固形分中、例えば、0.1〜15質量%含有し、好ましくは0.2〜12質量%であり、さらに好ましくは、0.3〜10質量%である。2種類以上の光重合開始剤を用いる場合は、その合計量が前記範囲となる。
光重合開始剤の割合を0.1質量%以上とすることにより、感度(速硬化性)、解像性、ラインエッジラフネス性、塗膜強度を向上させることができ好ましい。一方、光重合開始剤の割合を15質量%以下とすることにより、光透過性、着色性、取り扱い性などを向上させることができ、好ましい。
【0029】
本発明で使用される光重合開始剤としては、例えば、市販されている開始剤を用いることができる。本発明で使用される光重合開始剤は、例えば、市販されている重合開始剤を用いることができる。これらの例としては、例えば、特開平2008−105414号公報の段落番号0091に記載のものを好ましく採用することができる。
【0030】
さらに本発明の組成物には、光重合開始剤の他に、光増感剤を加えて、UV領域の波長を調整することもできる。本発明において用いることができる典型的な増感剤としては、クリベロ〔J.V.Crivello,Adv.in Polymer Sci,62,1(1984)〕に開示しているものが挙げられ、具体的には、ピレン、ペリレン、アクリジンオレンジ、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、ベンゾフラビン、N−ビニルカルバゾール、9,10−ジブトキシアントラセン、アントラキノン、クマリン、ケトクマリン、フェナントレン、カンファキノン、フェノチアジン誘導体などを挙げることができる。
【0031】
(酸化防止剤)
さらに、本発明の組成物は、酸化防止剤を含むことが好ましい。本発明に用いられる酸化防止剤の含有量は、組成物の全固形分中、例えば、0.01〜5質量%であり、好ましくは0.1〜2質量%である。2種類以上の酸化防止剤を用いる場合は、その合計量が前記範囲となる。
前記酸化防止剤は、熱や光照射による退色およびオゾン、活性酸素、NOx、SOx(Xは整数)などの各種の酸化性ガスによる退色を抑制するものである。特に本発明では、酸化防止剤を添加することにより、硬化膜の着色防止や、分解による膜厚減少を低減できるという利点がある。このような酸化防止剤としては、ヒドラジド類、ヒンダードアミン系酸化防止剤、含窒素複素環メルカプト系化合物、チオエーテル系酸化防止剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、アスコルビン酸類、硫酸亜鉛、チオシアン酸塩類、チオ尿素誘導体、糖類、亜硝酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、ヒドロキシルアミン誘導体などを挙げることができる。この中でも、特にヒンダードフェノール系酸化防止剤が硬化膜の着色、膜厚減少の観点で好ましい。
【0032】
前記酸化防止剤の市販品としては、商品名 Irganox1010、1035、1076、1222(以上、チバガイギー(株)製)、商品名 Antigene P、3C、FR、スミライザーS、スミライザーGA80(住友化学工業(株)製)、商品名アデカスタブAO70、AO80、AO503((株)ADEKA製)等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、混合して用いてもよい。
【0033】
(カップリング剤)
本発明の組成物はカップリング剤を含んでいることが好ましい。本発明に用いられるカップリング剤の含有量は、組成物の全固形分中、例えば、0.01〜30質量%であり、好ましくは、0.01〜15重量%である。2種類以上のシランカップリング剤を用いる場合は、その合計量が前記範囲となる。
またアミノ基を有するカップリング剤を用いる場合の含有量は、0.01〜5質量%であり、好ましくは、0.05〜3質量%であり、さらに好ましくは、0.2〜2.4重量%であり、特に好ましくは、0.3〜2.0重量%である。
【0034】
カップリング剤としては、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、ジルコニウムカップリング剤、アルミニウムカップリング剤、スズカップリング剤等の各種カップリング剤を使用できる。
【0035】
本発明におけるシランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチルーブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−イソシアネ―トプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
【0036】
本発明におけるチタンカップリング剤としては、例えば、特開2009−73078号公報の段落番号0084に記載のチタンカップリング剤を好ましく用いることができる。
本発明におけるジルコニウムカップリング剤としては、例えば、特開2009−73078号公報の段落番号0085に記載のチタンカップリング剤を好ましく用いることができる。
本発明におけるアルミニウムカップリング剤としては、例えば、特開2009−73078号公報の段落番号0086に記載のチタンカップリング剤を好ましく用いることができる。
【0037】
(離型剤)
本発明の組成物には、離型剤を任意に配合することができる。離型剤は、本発明の組成物の固形分全量中に0.01〜3質量%の割合で任意に添加できる。離型剤の割合を0.01質量%以上とすることにより、ガラスなどの基板との密着性の付与の向上についてより効果的である。一方、離型剤の割合を3重量%以下とすることにより、組成物がゲル化するのを抑制し、基板の密着性をより向上させることができる。添加量については、より好ましくは、0.05〜2質量%、さらに好ましくは、0.2〜1.5質量%である。また、一つ以上の複数の離型剤を添加することも可能である。
【0038】
離型剤は、本発明の組成物の層に押し付けたスタンパを、樹脂層の面荒れや版取られを起こさずにきれいに剥離できるようにする目的で添加される。離型剤としては従来公知の離型剤、例えば、シリコーン系離型剤、ポリエチレンワックス、アミドワックス、テフロンパウダー(テフロンは登録商標)等の固形ワックス、弗素系、リン酸エステル系化合物等が何れも使用可能である。また、これらの離型剤をモールドに付着させておくこともできる。
【0039】
シリコーン系離型剤は、本発明で用いられる上記光硬化性樹脂と組み合わせた時にモールドからの剥離性が特に良好であり、版取られ現象が起こり難くなる。シリコーン系離型剤は、オルガノポリシロキサン構造を基本構造とする離型剤であり、例えば、未変性または変性シリコーンオイル、トリメチルシロキシケイ酸を含有するポリシロキサン、シリコーン系アクリル樹脂等があげられ、一般的にハードコート用組成物で用いられているシリコーン系レベリング剤の適用も可能である。本発明では特に、シリコーンオイルが好ましい。
【0040】
変性シリコーンオイルは、ポリシロキサンの側鎖および/または末端を変性したものであり、反応性シリコーンオイルと非反応性シリコーンオイルとに分けられる。反応性シリコーンオイルとしては、アミノ変性、エポキシ変性、カルボキシル変性、カルビノール変性、メタクリル変性、メルカプト変性、フェノール変性、片末端反応性、異種官能基変性等が挙げられる。非反応性シリコーンオイルとしては、ポリエーテル変性、メチルスチリル変性、アルキル変性、高級脂肪エステル変性、親水性特殊変性、高級アルコキシ変性、高級脂肪酸変性、フッ素変性等が挙げられる。
【0041】
本発明で用いるエーテル変性シリコーンオイルの例としては、信越化学工業から販売されている、X22−4952、KF351A、KF352A、KF6012等が挙げられる。また、カルビノール変性シリコーンオイルの例としては、信越化学工業から販売されている、X22−160AS、X22−170BX、X22−176DX、X22−4039等が挙げられる。さらに、ヒドロキシル基変性シリコーンとしては、信越化学工業から販売されている、X22−160ASなどが挙げられる。
【0042】
(他の添加剤)
本発明の組成物には前記成分の他に必要に応じて、界面活性剤、重合禁止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、老化防止剤、可塑剤、密着促進剤、光酸増殖剤、光塩基発生剤、塩基性化合物、流動調整剤、消泡剤、分散剤等を添加してもよい。
【0043】
界面活性剤
本発明に用いられる界面活性剤は、組成物の固形分中、例えば、0.001〜5質量%含有し、好ましくは0.002〜4質量%であり、さらに好ましくは、0.005〜3質量%である。2種類以上の界面活性剤を用いる場合は、その合計量が前記範囲となる。
界面活性剤は、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤およびフッ素・シリコーン系界面活性剤の少なくとも1種を含むことが好ましく、フッ素系界面活性剤とシリコーン系界面活性剤の両方または、フッ素・シリコーン系界面活性剤を含むことがより好ましく、フッ素・シリコーン系界面活性剤を含むことが最も好ましい。本発明で用いる非イオン性フッ素系界面活性剤の例としては、特開2009−73078号公報の段落番号0072に記載のものが好ましく用いられる。
【0044】
溶剤
本発明の組成物は、溶剤を含んでいてもよい。具体的には、本発明の組成物に含まれる溶剤は、組成物の15質量%以下の範囲であり、より好ましくは2質量%以下であり、含有しないことが特に好ましい。
本発明の組成物は、重合性モノマーが反応性希釈剤として働く等の理由により、本発明の組成物の成分を溶解させるための有機溶剤は、必ずしも含有する必要がない。また、有機溶剤を含まなければ、溶剤の揮発を目的としたベーキング工程が不要となるため、プロセス簡略化に有効となるなどのメリットが大きい。よって、本発明の組成物は、必ずしも、有機溶剤を含むものではないが、反応性希釈剤では、溶解しない化合物などを本発明の組成物の成分として溶解させる場合や粘度を微調整する際などに、任意に添加してもよい。本発明の組成物に好ましく使用できる有機溶剤の種類としては、光硬化性組成物やフォトレジストで一般的に用いられている溶剤であり、本発明の組成物に含まれる各主成分を溶解し、均一分散させ、これらの成分と反応しないものであれば特に限定されない。
【0045】
本発明で用いることができる溶剤の例としては、特開2009−73078号公報の段落番号0066に記載のものが例示される。
【0046】
本発明の組成物は、エンボス加工用に用いる硬化性組成物として広く用いることができる。この中でも、光学材料に好ましく用いることができ、光学レンズにより好ましく用いることができ、レンチキュラーレンズに特に好ましく用いることができる。
また、本発明の組成物を用いた硬化物は、通常、パターンを形成するが、このパターンがピッチとして0.5〜2000μmスケールであることが好ましく、1〜1000μmスケールであることがより好ましい。このようなスケールのパターンを形成する場合に、本発明の効果をより効果的に発揮させることができる。
【0047】
本発明の組成物は、以下のような方法によって、パターンを有する硬化物とすることができる。
(方法1)基板上に、本発明の組成物を適用し、該組成物上に、パターンが形成されたスタンパを重ね合わせ、組成物を露光硬化し、スタンパを剥離する方法
例えば、フレネルレンズまたはレンチキュラーレンズなどの形状を有するスタンパ上に塗布し、本発明の組成物の層を設け、その層の上に透明基板を接着させ、次いでその状態で透明基板側から高圧水銀灯などにより、紫外線を照射して本発明の性組成物を硬化させた後、スタンパから剥離する方法である。また、スタンパを透明にして、スパンタ側から露光してもよい。
(方法2)パターンが形成されたスパンタ上に、本発明の組成物を適用し、該組成物上に、基板を重ね合わせ、本発明の組成物を露光硬化し、スタンパを剥離する方法
例えば、基板上に本発明の組成物を適用し、フレネルレンズまたはレンチキュラーレンズなどの形状を有するスタンパを重ね合わせ、次いでその状態でスタンパ側から高圧水銀灯などにより、紫外線を照射して本発明の組成物を硬化させた後、スタンパを剥離する方法である。また、基板を透明にして、基板側から露光してもよい。
【0048】
本発明の組成物を適用するための基板は、石英、ガラス、光学フィルム、セラミック材料、蒸着膜、磁性膜、反射膜、Ni、Cu、Cr、Feなどの金属基板、紙、SOG、ポリエステルフイルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルム等のポリマー基板、TFTアレイ基板、PDPの電極板、ガラスや透明プラスチック基板、ITOや金属などの導電性基材、絶縁性基材、シリコーン、窒化シリコーン、ポリシリコーン、酸化シリコーン、アモルファスシリコーンなどの半導体作製基板など用途に応じて適宜選択される。
スタンパは、通常、金属、ガラス、あるいは樹脂などで構成され、紫外領域に対し、透明、あるいは不透明な材質で、フレネルレンズまたはレンチキュラーレンズなどの用途に応じた形状を有しているものである。例えば、特開2004−42475号公報などに記載がある。
基板上に組成物を適用する方法は、一般によく知られた方法、例えば、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、エクストルージョンコート法、スピンコート方法、スリットスキャン法などにより、適用することにより形成することができる。本発明の組成物からなる層の膜厚は、使用する用途によって異なるが、1〜500μmである。また、本発明の組成物は、多重塗布してもよい。
【0049】
本発明の組成物を硬化させる光としては特に限定されないが、高エネルギー電離放射線、近紫外、遠紫外、可視、赤外等の領域の波長の光または放射線が挙げられる。高エネルギー電離放射線源としては、例えば、コッククロフト型加速器、ハンデグラーフ型加速器、リニヤーアクセレーター、ベータトロン、サイクロトロン等の加速器によって加速された電子線が工業的に最も便利且つ経済的に使用されるが、その他に放射性同位元素や原子炉等から放射されるγ線、X線、α線、中性子線、陽子線等の放射線も使用できる。紫外線源としては、例えば、紫外線螢光灯、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノン灯、炭素アーク灯、太陽灯等が挙げられる。放射線には、例えばマイクロ波、EUVが含まれる。また、LED、半導体レーザー光、あるいは248nmのKrFエキシマレーザー光や193nmArFエキシマレーザーなどの半導体の微細加工で用いられているレーザー光も本発明に好適に用いることができる。これらの光は、モノクロ光を用いても良いし、複数の波長の異なる光(ミックス光)でも良い。
【0050】
露光に際しては、露光照度を1mW/cm2〜50mW/cm2の範囲にすることが望ましい。1mW/cm2以上とすることにより、露光時間を短縮することができるため生産性が向上し、50mW/cm2以下とすることにより、副反応が生じることによる永久膜の特性の劣化を抑止できる傾向にあり好ましい。露光量は5mJ/cm2〜1000mJ/cm2の範囲にすることが望ましい。5mJ/cm2未満では、露光マージンが狭くなり、光硬化が不十分となりモールドへの未反応物の付着などの問題が発生しやすくなる。一方、1000mJ/cm2を超えると組成物の分解による永久膜の劣化の恐れが生じる。
さらに、露光に際しては、酸素によるラジカル重合の阻害を防ぐため、チッソやアルゴンなどの不活性ガスを流して、酸素濃度を100mg/L未満に制御しても良い。
【0051】
本発明の組成物を用いて、エンボス加工を行う場合、通常、スタンパの圧力を1〜5気圧にして行うのが好ましい。
なお、スタンパと本発明の組成物を接触させる前に予め、減圧処理(真空処理)しておく、あるいは引き続き窒素などの不活性ガスを導入し、加圧、光硬化させることもできる。さらに、窒素雰囲気下で、スタンパと本発明の組成物を接触させることもできる。
また、基板やスタンパに適用する前に、本発明の組成物をろ過して用いてもよい。
【0052】
本発明の組成物を光学材料、特に、光学レンズとして用いる場合、上述したものの他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、特開2005−10230号公報、特開平4−288314号公報等に記載の技術を採用することができる。
【実施例】
【0053】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
【0054】
下記表1、2に示す重合性モノマー、エポキシ(メタ)アクリレート、光重合開始剤、酸化防止剤およびシリコーンオイルを配合して組成物を調整した。表1、2では、各成分の含量は重量%で示している。
表1および表2で使用したモノマーの構造は下記のとおりである。
【0055】
商品名:構造式
エポキシエステル3002A:ビスフェーノールA型エポキシアクリレート
デナコールDA−722(ナガセケムテックス製):シクロヘキシル基含有エポキシアクリレート
KARAYAD R−205(日本化薬製):ノボラック型エポキシアクリレートとネオペンチルグリコールヒドロキシピバリン酸エステルジアクリレートのほぼ1:1混合物(重量比)
KARAYAD EAM−2160(日本化薬製):ノボラック型エポキシアクリレートとトリメチロールプロパントリアクリレートのほぼ1:1混合物(重量比))
エポキシエステル70PA(共栄社化学性):ECH変性プロピレングリコールジアクリレート
アロニクスM−8060(東亜合成製):リエステルアクリレート
ビスコート#230(大阪有機化学):1,6−ヘキサンジオールジアクリレート
NDDA:1,9−ノナンジオールジアクリレート
アロニクスM309(東亜合成製):トリメチロールプロパントリアクリレート
アロニクスM350(東亜合成製):EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート
TPM−6EO−3A:EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート
IBXA(大阪有機化学):イソボニルアクリレート
ライトエステルHOA(共栄社化学製):2−ヒドロキシエチルアクリレート
ライトエステルHOA−MS(共栄社化学製):2−アクロイルオキシエチルコハク酸
【0056】
<粘度測定>
粘度の測定は、東機産業(株)社製のRE−80L型回転粘度計を用い、25±0.2℃で測定した。測定時の回転速度は、0.5mPa・s以上5mPa・s未満は100rpmで行い、5mPa・s以上10mPa・s未満は50rpmで行い、10mPa・s以上30mPa・s未満は20rpmで行い、30mPa・s以上60mPa・s未満は10rpmで行い、60mPa・s以上120mPa・s未満は5rpmで行い、120mPa・s以上は1rpmもしくは0.5rpmで行った。
【0057】
<塗布適性>
上記組成物を、アルカリ洗浄を行った0.7mm厚さのガラス基板上に厚さが30μmになるようにスピンコートした後、該ガラス基板を1分間静置して、面状観察を行い、以下のように評価した。
A:ハジキ、塗布スジ(ストリエーション)、塗布ムラ、未塗布部が観察されない。
B:ハジキ、塗布スジ、塗布ムラ、未塗布部のいずれかが少し観察された。
C:ハジキ、塗布スジ、塗布ムラ、未塗布部のいずれかが強く観察された。
【0058】
<インプリント適性>
1)液のはみだし
上記組成物を、膜厚30μmとなるように10cm角ガラス基板(0.7mm厚)上にスピンコートした。ガラス基板上に形成された組成物の表面に、フッ素表面処理を施した5cm角スタンパ(直径50μmの蒲鉾状のポリメチルメタクリレート(PMMA)製レンチキュラーレンズ)を重ね合わせた。この際、スタンパのエッジ部からの組成物液のはみ出しの様子を観察した。
A:液のはみ出しが少ない
B:液のはみだしが大きい
【0059】
2)スタンパ離型性
続いてORC社製の高圧水銀灯(ランプパワー2000mW/cm2)を光源とする露光装置で、スタンパの表面から200mJ/cm2の条件で露光し、露光後、スタンパを剥離した。
スタンパを剥離する際に、硬化した組成物とスタンパの剥離挙動を観察し、以下のように評価した。
A:硬化した組成物とスタンパが、抵抗なく剥離した。
B:硬化した組成物とスタンパを剥離する際、抵抗があり、剥離音が聞こえた。
C:硬化した組成物の一部がスタンパ側に付着する、あるいは、ガラス基板から浮いてしまう。
D:硬化した組成物が全てスタンパ側に付着し、正常な剥離ができない。
【0060】
3)パタ−ン形成性
さらに得られたパターンをオーブンで220℃、30分間加熱することにより完全に硬化させた。転写後のパターン形状を走査型電子顕微鏡もしくは光学顕微鏡にて観察し、パターン形成性を以下のように評価した。
A:スタンパのパターン形状の原版パターンとほぼ同一である。
B:スタンパのパターン形状の原版パターンとほぼ同一であるが、気泡混入がある。
C:スタンパのパターン形状の原版パターンが転写されていない、あるいははっきりとパターンが異なる。
【0061】
4)基板密着性
純水にシランカップリング剤(KBM−603、信越シリコ−ン製)3wt%を加えた水溶液を調整し、この液中に10cm角ガラス基板(0.7mm厚)を2分浸漬した後、表面に残った液をエア−で吹き飛ばし、110℃のオ−ブンで10分間乾燥した。このようにして作成したシランカップリング処理ガラス基板の上に、上記組成物を膜厚30μmとなるようにスピンコートした。続いてシランカップリング処理ガラス基板の上に形成された組成物を窒素置換した状態で(酸素濃度を0.1%以下に調整)、ORC社製の高圧水銀灯(ランプパワー2000mW/cm2)を光源とする露光装置で、200mJ/cm2の条件で露光し硬化させた。この硬化膜の上からマイラ−テ−プ(幅1.2mm)を貼り、テ−プの両側に沿ってカッタ−で切り込みを入れた後、テ−プをゆっくり剥がしながら基板と硬化膜の密着の強さを以下のように評価した。
A:剥離抵抗が強い。
B:剥離抵抗がある。
C:ほとんど抵抗なく基板と硬化膜の間で剥がれる。
【0062】
<カ−ル>
10cm角ガラス基板(0.7mm厚)上に9cm角のPETフィルム(75μm厚)を、4辺をテープで固定するようにして貼り付けた。この上に膜厚30μmになるように上記組成物をスピンコートした。PETフィルム上に形成された組成物を窒素置換した状態で(酸素濃度を0.1%以下に調整)、ORC社製の高圧水銀灯(ランプパワー2000mW/cm2)を光源とする露光装置で、200mJ/cm2の条件で露光した。4辺のテ−プを剥がし、硬化した組成物がのっているPETフィルムを回収した。PETフィルムは組成物の硬化収縮により、カールが発生していた。PETフィルムの4辺の硬化した組成物のない部分を切り落として、7cm角の硬化した組成物がのっているPETフィルムとし、水平面において、各4角の水平面からの距離を測定し、平均値を求めカ−ル量とした。
【0063】
<硬化収縮率>
上記組成物を、膜厚30μmとなるように10cm角ガラス基板(0.7mm厚)上にスピンコートし、窒素置換した状態で(酸素濃度を0.1%以下に調整)、ORC社製の高圧水銀灯(ランプパワー2000mW/cm2)を光源とする露光装置で、200mJ/cm2の条件で露光した。こうして得た硬化膜をガラス基板から剥がし取り、適当な大きさに砕いた。
島津製作所製の乾式密度計アキュピックII 1340にて、組成物液の前記の方法で得た硬化膜の粉砕品についてそれぞれ密度を測定し、下記式により硬化収縮率を算出した。
S = 100(Ds−Dl)/Ds
Dl:組成物液の密度、Ds:硬化膜の密度、S:硬化収縮率(%)
【0064】
<屈折率>
上記組成物を膜厚30μmとなるようにシリコンウェハ−上にスピンコートし、窒素置換した状態で(酸素濃度を0.1%以下に調整)、ORC社製の高圧水銀灯(ランプパワー2000mW/cm2)を光源とする露光装置で、200mJ/cm2の条件で露光し硬化させた。この硬化膜を アッペ屈折計(ATAGO社製DR-M2)にて546nmのフィルタ−を用いて屈折率を測定した。
【0065】
<耐溶剤性>
上記組成物を、膜厚30μmとなるように10cm角ガラス基板(0.7mm厚)上にスピンコートし、窒素置換した状態で(酸素濃度を0.1%以下に調整)、ORC社製の高圧水銀灯(ランプパワー2000mW/cm2)を光源とする露光装置で、200mJ/cm2の条件で露光した。こうして得た硬化組成物を、ガラス基板ごと25℃のNMP溶剤に30分浸漬し、ガラス基板を引き上げ軽く水洗、ふき取りした後に硬化膜の状態を観察した。
A:膜に変化が見られない。
B:膜の表面に、白濁、ムラ、しわ、クラックなどがわずかに観察される。
C:膜の表面に、白濁、ムラ、しわ、クラックなどが観察される。
D:膜が溶解あるいは脱落する。
【0066】
<加熱後の着色>
上記組成物を、膜厚30μmとなるように10cm角ガラス基板(0.7mm厚)上にスピンコートした。ガラス基板上に形成された組成物を窒素置換した状態で(酸素濃度を0.1%以下に調整)、ORC社製の高圧水銀灯(ランプパワー2000mW/cm2)を光源とする露光装置で、200mJ/cm2の条件で露光し、得られた硬化膜をオーブンで220℃、60分間加熱することにより完全に硬化させた。加熱後の膜の400nmの透過率を測定した。
A:透過率が95%以上
B:透過率が90%以上
C:透過率が80%以上
D:透過率が80%未満
【0067】
【表1】

【0068】
【表2】

【0069】
上記表1、表2から明らかなとおり、実施例1〜8の組成物は、いずれも、塗布適正、インプリント適性、カール量、加熱後の着色に優れていた。さらに、重合性モノマー(A)として、2官能または3官能(メタ)アクリレートを用いた実施例1〜7の組成物は、耐溶剤性に特に優れていた。一方、組成物の粘度が本発明で規定する下限値以下である比較例1の組成物は、カール量が劣っていた。また、組成物の粘度が本発明で規定する上限値以上である比較例2は塗布適性に劣っていた。さらに、環状構造を含有するエポキシ(メタ)アクリレートを添加していない比較例3〜5は、硬化収縮率が高かった。さらに、重合性モノマーとして、本発明で規定する重合性モノマーを用いていない組成物は、着色してしまうことが分かった。
実施例2と実施例9、10の比較により重合性モノマ−としてOH基やCOOH基を有するものは、基板との密着性が向上することが分かった。
また、ノボラック型エポキシ(メタ)アクリレートを用いた場合、より耐溶剤性に優れていることが分かった。一方、実施例2と実施例3の比較から環構造として脂環構造をもつエポキシ(メタ)アクリレートを用いた場合、より低い屈折率を持つことが分かった。従ってより低い屈折率が求められる光学材料に用いる場合に有益である。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明のエンボス加工用硬化性組成物は、フレネルレンズ、レンチキュラーレンズ、導光板、光拡散板、プリズムシート等の光学材料に広く用いることができる。特に、より高度な光学的機能を有する複雑な凹凸パターンであっても精度よく、かつ、大量に連続生産することが可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
重合性モノマー(A)および環構造を含有するエポキシ(メタ)アクリレートを含み、かつ25℃における粘度が400mPa・s以上20000mPa・s未満であるエンボス加工用光硬化性組成物であって、下記(a)および(b)を満たす組成物。
(a)重合性モノマー(A)が、下記式(1)〜(4)のいずれかで表される(メタ)アクリレートである。
(b)重合性モノマー(A)とエポキシ(メタ)アクリレートの合計量の30質量%以上がエポキシ(メタ)アクリレートである。
式(1)
[X1−R1]−(R3)n
式(2)
[X1−R1−O−R2(X2)]−(R3)n
式(3)
[X1−R1−CO−R2(X2)]−(R3)n
式(4)
[X1−R1−COO−R2(X2)]−(R3)n
(上記式(1)〜(4)中、R1およびR2は、それぞれ、直鎖、分岐、環状またはこれらを組み合わせた炭化水素基からなる基(但し、炭化水素基中にエーテル結合およびカルボニル基のうちの1つまたは2つを含んでいても良い)であり、X1およびX2は、それぞれ、水素原子、−COOH、−OH、または、ハロゲン原子を表し、R3は(メタ)アクリロイル基を表し、nは1〜3の整数を表す。)
【請求項2】
前記エポキシ(メタ)アクリレートが有する環構造が脂環構造である請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記エポキシ(メタ)アクリレートが有する環構造がノボラック型である請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
重合性モノマー(A)を2種類以上を含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
1およびX2は、それぞれ、水素原子、−OHまたは−COOHである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
1およびX2は、それぞれ、−OHまたは−COOHである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
nは2または3である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
重合性モノマー(A)とエポキシ(メタ)アクリレートの合計量の40〜80重量%がエポキシ(メタ)アクリレートである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
重合性モノマー(A)とエポキシ(メタ)アクリレートの合計量が溶剤を除く成分の85重量%以上を占める、請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
重合性モノマー(A)の粘度が、1.5〜600mPa・sである、請求項1〜9のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項11】
エポキシ(メタ)アクリレートの分子量が、200〜2000である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項12】
前記組成物の粘度が、600〜2000mPa・sである、請求項1〜11のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項13】
さらに、光重合開始剤、酸化防止剤および離型剤の少なくとも1種を含有する、請求項1〜12のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項14】
前記組成物は、光学レンズ用である、請求項1〜13のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれか1項に記載の組成物を露光硬化してなる、硬化物。
【請求項16】
基板上に、請求項1〜14のいずれか1項に記載の組成物を適用し、該組成物上に、パターンが形成されたスタンパを重ね合わせ、前記組成物を露光硬化し、前記スタンパを剥離することを含む硬化物の製造方法、または、
パターンが形成されたスパンタ上に、請求項1〜14のいずれか1項に記載の組成物を適用し、該組成物上に、基板を重ね合わせ、前記組成物を露光硬化し、前記スタンパを剥離することを含む硬化物の製造方法。

【公開番号】特開2011−140611(P2011−140611A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−30469(P2010−30469)
【出願日】平成22年2月15日(2010.2.15)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】