説明

オ−ディオ・ロガ

【課題】指示値を明確に表示させ、観察者の違いによる読取り誤差を無くす。
【解決手段】LL(ラウドネスレベル)メ−タ1と、PP(ピ−クプログラム)メ−タ2/VU(ボリュ−ムユニット)メ−タ3とを内蔵するLLM−Logger4と、専用ソフトを搭載したパソコン5とで構成され、専用ソフトは、LLM−Logger4より通信にて伝送されたオ−ディオレベルデ−タを記録・保存・表示処理するアプリケ−ションソフトとして使われる、専用ソフトは、グラフィカル表示部の区間選択によって、選択部は網掛け表示となり選択区間が明示される点と、選択区間のグラフ上に平均を横罫線としてレベル表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放送局における番組送出に際して、番組間、番組のCM間など、大きく音声レベルが変化し、視聴者が音量調整を余儀なくされることがあるが、送出番組・CMの編集時、環境に左右されず、常に正確なラウドネス・レベルを計測できる測定器が必要とされたことから、LLM(ラウドネス・レベル・モニタ)が登場し、人間が音の大きさを感じとる聴覚の仕組みを電気的にシミュレ−ションし、ほぼリアルタイムにレベルを表示できるようになった。こうしたなかで、オ−ディオレベル(VU/PP/ラウドネス)を専用ソフトでパソコン上に記録・保存、またデ−タをグラフィカルに表示とCSVファイルとして出力する機能を有するものを開発したものである。
【背景技術】
【0002】
LLM(ラウドネス・レベル・モニタ)の登場によって、個人差によるレベルのバラツキを少なくし、さらに番組間やチャンネル間での音量に差のない、視聴者に優しい放送が実現してきたが、デジタル技術の伸展をベ−スに、日本放送協会の「音量指示装置」(特開平11−337397)など、音量感を表示するための新しい表示器がつぎつぎに開発されてきている。
【0003】
日本放送協会の「音量指示装置」(特開平11−337397)は、「入力音声信号を時間的に互いに重なり合うように、または重なり合わないように逐次ブロックに分割する手段と、該分割する手段により分割されたブロックごとの音声信号の音量を算出する手段と、該音量を算出する手段により算出された値のうち、現時刻から数えて過去のn個目のブロックまでの値のなかで値の大きなものから順にm個のブロックまでの値の平均値を算出する手段と、該平均値を算出する手段により算出された平均値を逐次表示する手段とを具え、ここでnおよびmは正の整数でn≧mなることを特徴とする音量指示装置」とされている。
【0004】
また、音声信号の音量がラウドネスレベル、ラウドネス、実効値、VU値、騒音レベルまたは音声レベルであることを特徴としている。
【0005】
入力音声信号を構成ブロック1で逐次ブロックに分割し、構成ブロック2でブロックごとの音量を算出する。次に、構成ブロック3で現時刻から数えて過去のn個目までの値の大きなものから順にm個(ただし、n≧m)までの値の平均値を算出し、その平均値を構成ブロック4で逐次表示する。
【0006】
また、構成ブロック4の表示値の他に構成ブロック5でピ−ク値を検出して構成ブロック4で同時に表示している。
【0007】
さらに、入力音声を構成ブロック6でディジタル信号に変換し、音声専用のDSP(ディジタルシグナルプロセッサ)を用いることによって、アルゴリズムを容易に実現できることになっている。
【0008】
また、ディジタル音声デ−タを構成ブロック1で逐次分割し、窓関数を掛け、FFT(高速フ−リエ交換)を行い、つぎにラウドネスレベルまたはラウドネスを算出した後、指示値の算出を行っている。さらに、ディジタル音声デ−タを構成ブロック1で逐次分割し、実効値またはVU値を算出した後、指示値の算出を行っている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
音声信号の音量を表示する装置として、VU(ボリュ−ムユニット)メ−タなどがあったが、観察者の違いによる読取り誤差が大きくなるという欠点があった。
【0010】
こうした欠点を解消し、指示値を明確に表示させ、観察者の違いによる読取り誤差を無くすことなどが喫緊の課題となっていた。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の構成は、LL(ラウドネスレベル)メ−タと、PP(ピ−クプログラム)メ−タ/VU(ボリュ−ムユニット)メ−タとを内蔵するLLM−Loggerと、専用ソフトを搭載したパソコン(PC)とで構成され、LLM−Loggerとパソコンは専用ケ−ブルで接続されている。
【0012】
発明を実施するための最良の形態として、図面に従って詳細に説明すると、図1に示すように、LL(ラウドネスレベル)メ−タ1と、PP(ピ−クプログラム)メ−タ2/VU(ボリュ−ムユニット)メ−タ3とを内蔵するLLM−Logger4と、専用ソフトを搭載したパソコン5とで構成され、LLM−Logger4と、パソコン5は専用ケ−ブルで接続されている。
【0013】
本発明の機能を具体的に述べると、LLM−Logger4にはラウドネスレベルメ−タ1と、PP(ピ−クプログラム)メ−タ2・VU(ボリュ−ムユニット)メ−タ3とを内蔵しているが、LLM−Logger4はオ−ディオ(ディジタル/アナログ)信号をVU/PP/ラウドネスレベルに変換、バ−表示すると同時にレベル値を通信にてPCに送信する機能を保持し、ラウドネスレベル変換は、ハ−ド上にファ−ムウェアとして組み込まれ、日本放送協会の「音量指示装置」(特開平11−337397)を採用したソフトを使用することにしている。
【0014】
ラウドネスレベルメ−タ1は、VUメ−タでは真の音量感が指示されないため、人間の聴感特性(高域、低域が聴こえづらい等)を考慮して、より人間の耳が感じる音量感がそのままメ−タに現れるように設計されたメ−タである。
【0015】
PP(ピ−クプログラム)メ−タ2は、入力信号の波高値を指示するメ−タで、打楽器など立ち上がりの速い音のとき、VUメ−タではピ−ク値は指示されないが、PP(ピ−クプログラム)メ−タを使用するとピ−ク値が読め、電気的に無理のないレベルの設定ができるようになっている。
【0016】
VU(ボリュ−ム・ユニット)メ−タ3は、音響信号をVolume Unit(音量単位)に置き換えて、人間の耳が感じる音量感に近い表示がメ−タに現れるよう設計されたメ−タである。
【0017】
本発明の専用ソフトとしては、LLM−Logger4より通信にて伝送されたオ−ディオレベル(VU/PP/ラウドネス)デ−タを記録・保存・表示処理するアプリケ−ションソフトとして使われている。
【0018】
基本ソフトとしては、1)オ−ディオレベルをパソコン上のHDDに記録・保存、2)同時にオ−ディオ信号もWAVファイルで記録・保存可能、3)記録デ−タファイルの管理、4)記録デ−タファイルを2時間単位で最長48時間記録 5)デ−タの再生・一時停止、レベルのグラフィカル表示、オ−ディオ再生が可能、6)デ−タを記録した時刻記録、再生時に記録時刻と経過時間を表示、とがあげられる。
【0019】
ついで、本発明の主要部分となる専用ソフトは、7)再生時、グラフィカル表示部11をマウスにて区間選択(ドラッグ)すると、選択部は、網掛け表示となり選択区間6が明示され、
a)選択区間6のラウドネスレベル7のレベル値の平均が、自動的に算出され数値表示され、また、選択区間6のグラフ上に平均値を横罫線8としてレベル表示することになっている。
b)選択区間のデ−タ(ラウドネスレベル/PP/VU/時間)をコントロ−ルバ−上のデ−タ出力ボタンにより、CSVファイルとしてファイル出力することになっている。
【0020】
とくに、グラフィカル表示部の区間選択(ドラッグ)によって、選択部は網掛け表示となり、選択区間が明示される点と、選択区間のグラフ上に平均値を横罫線としてレベル表示される点に特徴がある。
【0021】
また、将来の追加機能としては、8)再生時、レベル閾値を設定すると、閾値を超えたレベルのみ表示、また、選択区間のグラフ上に閾値を横罫線としてレベル表示することになっており、レベル閾値の設定で閾値を超えたレベルのみ表示され、選択区間のグラフ上に閾値を横罫線としてレベル表示されることに特徴がある。
【0022】
選択区間の表示状態を図2で例示すると、再生時、グラフィカル表示部11をマウスにて区間選択(ドラッグ)すると、選択部は、網掛け表示となり選択区間6が明示され、選択区間6のラウドネスレベル7のレベル値の平均9が、自動的に算出され数値表示され、選択区間6のグラフ上に平均値を横罫線8としてレベル表示することになっている。
【発明の効果】
【0023】
放送局における番組送出に際して、番組間、番組・CM間など、大きく音声レベルが変化し、視聴者が音量調整を余儀なくされることがあるが、送出番組・CMの編集時、環境に左右されず、常に正確なラウドネス・レベルを計測できる測定器を必要とし、LLM(ラウドネス・レベル・モニタ)が登場し、人間が音の大きさを感じとる聴覚の仕組みを電気的にシミュレ−ションし、ほぼリアルタイムにレベルを表示できるようになった。こうしたなかで、オ−ディオレベル(VU/PP/ラウドネス)を専用ソフトでパソコン上に記録・保存、またデ−タをグラフィカルに表示とCSVファイルとして出力する機能を有するものが開発された。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明によれば、放送番組間、番組・CM間の音声レベルの変動を継時的に記録でき、人手にたよった送出番組音声レベルの管理が容易になるばかりか、ブロ−ドバンド放送、インタ−ネットのコンテンツ・プロバイダ−などのレベル管理に期待がもたれている。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】 本発明のオ−ディオ・ロガの構成図。
【図2】 本発明の選択区間の表示状態図。
【符号の説明】
【0026】
1:LL(ラウドネスレベル)メ−タ
2:PP(ピ−クプログラム)メ−タ
3:VU(ボリュ−ムユニット)メ−タ
4:LLM−Logger
5:パソコン
6:選択区間
7:ラウドネスレベル
8:横罫線
9:平 均
10:平均表示

【特許請求の範囲】
【請求項1】
LL(ラウドネスレベル)メ−タ1と、PP(ピ−クプログラム)メ−タ2/VU(ボリュ−ムユニット)メ−タ3とを内蔵するLLM−Logger装置4と、専用ソフトを搭載したパソコン5とで構成され、LLM−Logger4より通信にて伝送されたオ−ディオレベル(VU/PP/ラウドネス)デ−タを記録・保存・表示処理するアプリケ−ションソフトとして使われる。専用ソフトとしては、1)オ−ディオレベルをパソコン上のHDDに記録・保存、2)同時にオ−ディオ信号もWAVファイルで記録・保存可能、3)記録デ−タファイルの管理、4)記録デ−タファイルを2時間単位で最長48時間記録 5)デ−タの再生・一時停止、レベルのグラフィカル表示、オ−ディオ再生が可能、6)デ−タを記録した時刻記録、再生時に記録時刻と経過時間を表示、とがあげられ、ついで、本発明の主要部分となる専用ソフトは、7)再生時グラフィカル表示部をマウスで区間選択(ドラッグ)すると、選択部は網掛け表示となり、選択区間が明示され、 a)選択区間のラウドネスレベル値の平均が、自動的に算出され数値表示され、また、選択区間のグラフ上に平均値を横罫線としてレベル表示することになっている。 b)選択区間のデ−タ(ラウドネスレベル/PP/VU/時間)をコントロ−ルバ−上のデ−タ出力ボタンにより、CSVファイルとしてファイル出力され、とくに、グラフィカル表示部の区間選択(ドラッグ)によって、選択部は網掛け表示となり、選択区間が明示される点と、選択区間のグラフ上に平均値を横罫線としてレベル表示される点に特徴があり、また、将来の追加機能としては、8)再生時、レベル閾値を設定すると、閾値を超えたレベルのみ表示、また、選択区間のグラフ上に閾値を横罫線としてレベル表示することになっており、レベル閾値の設定で閾値を超えたレベルのみ表示され、選択区間のグラフ上に閾値を横罫線としてレベル表示されることに特徴があるオ−ディオ・ロガ。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−139732(P2007−139732A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−358240(P2005−358240)
【出願日】平成17年11月15日(2005.11.15)
【出願人】(000114765)ヤマキ電気株式会社 (4)
【Fターム(参考)】