説明

オゾン水生成装置およびそれを用いたオゾン水貯留装置

【課題】口腔内洗浄等に使用されるオゾン水生成装置において、簡易な構成でオゾン水生成中であっても気体のオゾンが使用者の呼吸する空気中に放出されることを抑制することができる、携帯性に優れたオゾン水生成装置を提供することを目的とする。
【解決手段】オゾン水生成装置1は液体に浸漬した際に電気分解により液体からオゾン水を生成するオゾン発生用電極6と、電極7と、オゾン発生用電極6及び電極7に通電を行うための取手5に設けられた乾電池8からなり、オゾン発生用電極6と、電極7は下部に流水口2を有する筐体9の内部に備えられ、流水口2から液体に浸漬するものであり、オゾン発生用電極6を液体に浸漬しオゾン水を生成する際にオゾン発生用電極6から気泡として放出されるオゾンガスを回収するオゾンガス回収部10を筐体9内に設けた構成とし、オゾン水生成中でも気体のオゾンが液面より空気中に放出されることを抑制することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、口腔洗浄等に使用されるオゾン水の生成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のオゾン水生成装置は、口腔内の細菌を除菌し口臭を除去する口臭除去装置などに用いられたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
以下、その口臭除去装置について図6を参照しながら説明する。
【0004】
図6の概念図に示すように、口臭除去装置101は、本体102内に設けられた飲料水を入れる水槽部103と、オゾンを発生させるオゾン発生装置104と、そのオゾン発生装置104にチューブ105を介して接続され、オゾン発生装置104から発生したオゾンを細かい気泡として排出する水槽部103の底部に配設された気泡材106と、オゾン発生装置104にエアを供給するエアポンプ107と、オゾン発生装置104及びエアポンプ107を駆動させる電源108と、から形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10‐75967号公報(第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような従来の口臭除去装置においては、気体のオゾンを細かい気泡として液中に放出することでオゾン水を生成する方式のため、気体のオゾンが液面から空気中に大量に放出されてしまう。気体のオゾンは空気中での濃度が高い場合は人体に悪影響を及ぼすため、オゾン水を生成する間は気体のオゾンが口臭除去装置を使用する使用者が吸わないように、水槽部を密閉する必要があった。このため、水槽部を密閉化する機構が不可欠であるため、構造が複雑になり、装置をコンパクトにできないという課題があった。また、水槽部を密閉化する機構が不可欠であるため、水槽部が必ず必要であり、オゾン水を生成する装置部だけを取り外してコンパクトにして携帯することができないため、携帯性に優れないという課題があった。
【0007】
そこで本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、簡易な構成でオゾン水生成中であっても気体のオゾンが液面から空気中に放出されることを抑制することができる、携帯性に優れたオゾン水生成装置およびそれを用いたオゾン水貯留装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そして、この目的を達成するために、本発明は、液体に浸漬した際に電気分解により液体からオゾン水を生成するオゾン発生用電極と、前記オゾン発生用電極に通電を行うための電源部とを備えたオゾン水生成装置において、下部に開口を有する筐体内に前記オゾン発生用電極を備え、前記開口から液体に浸漬する構成となっており、前記オゾン発生用電極を液体に浸漬しオゾン水を生成する際に前記オゾン発生用電極から気泡として放出されるオゾンガスを回収するオゾンガス回収部を前記筐体内に設けたことを特徴とするオゾン水生成装置であり、これにより所期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、液体に浸漬した際に電気分解により液体からオゾン水を生成するオゾン発生用電極と、前記オゾン発生用電極に通電を行うための電源部とを備えたオゾン水生成装置において、下部に開口を有する筐体内に前記オゾン発生用電極を備え、前記開口から液体に浸漬する構成としたオゾン水生成装置であり、前記オゾン発生用電極を液体に浸漬しオゾン水を生成する際に前記オゾン発生用電極から気泡として放出されるオゾンガスを回収するオゾンガス回収部を前記筐体内に設けた構成にしたことにより、複雑な機構を設けることなくオゾン水生成中に液体中に溶けきれなかった前記オゾン発生用電極より気泡として液体中に放出されるオゾンは前記回収部に回収されるため気体のオゾンが使用者の呼吸する空気中に放出されることを抑制することができるためオゾン水生成装置をコンパクトにできる。また本発明のオゾン水生成装置は液体を貯留するものは別に設けてもいいため、オゾン水生成装置だけを携帯することができるため、携帯性に優れるものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態1のオゾン水生成装置の使用状態を示した斜視図
【図2】本発明の実施の形態1のオゾン水生成装置の断面斜視図
【図3】本発明の実施の形態2のオゾン水貯留装置の使用状態を示した斜視図
【図4】本発明の実施の形態2のオゾン水貯留装置の断面斜視図
【図5】本発明の実施の形態3のオゾン水貯留装置の断面斜視図
【図6】従来技術の一例を示す概念図
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の請求項1記載の発明は、液体に浸漬した際に電気分解により液体からオゾン水を生成するオゾン発生用電極と、前記オゾン発生用電極に通電を行うための電源部とを備えたオゾン水生成装置において、下部に開口を有する筐体内に前記オゾン発生用電極を備え、前記開口から液体に浸漬する構成となっており、前記オゾン発生用電極を液体に浸漬しオゾン水を生成する際に前記オゾン発生用電極から気泡として放出されるオゾンガスを回収するオゾンガス回収部を前記筐体内に設けたことを特徴とするオゾン水生成装置である。
【0012】
これにより、複雑な機構を設けることなくオゾン水生成中に液体中に溶けきれなかった前記オゾン発生用電極より気泡として液体中に放出されるオゾンは前記オゾンガス回収部に回収されるため気体のオゾンが使用者の呼吸する空気中に放出されることを抑制することができるためオゾン水生成装置をコンパクトにできる。またオゾン水生成装置は液体を貯留するものは別に設けてもいいため、オゾン水生成装置だけを携帯することができるため、携帯性に優れる。なお、液体とは水や飲料水などである。
【0013】
また、オゾン発生用電極を覆う壁が、前記オゾン発生用電極の下端より下方まである構成としてもよい。
【0014】
これにより、オゾン発生用電極より発生する気泡のオゾンは、浮力により液体中を上方に移動するため、オゾン発生用電極の下端より下方までオゾン発生用電極を覆う壁が存在することで壁により気泡のオゾンがオゾン水生成装置の外部空間の液体中に漏れ出るのを効率よく抑制することができる。
【0015】
また、オゾン発生用電極に触れることができない構成としてもよい。
【0016】
これにより、オゾン水生成装置を使用する使用者が誤ってオゾン発生用電極に触れ、感電することを防ぐことができる。また、使用者が誤ってオゾン発生用電極に触れ、オゾン発生用電極が破損することを防ぐことができ、長期間安定してオゾン水生成装置を使用することができる。
【0017】
また、オゾンガス回収部に、オゾン分解触媒を備えた構成としてもよい。
【0018】
これにより、オゾンガス回収部に回収された気体のオゾンをオゾン分解触媒により分解することができるため、オゾン水生成装置の使用中や使用後にもオゾン水生成装置から気体のオゾンが漏れ出るのを抑制することができ、安全にオゾン水生成装置を使用することができる。
【0019】
また、請求項1から4いずれかに記載のオゾン水生成装置と、少なくとも一部が大気に接触可能な液体を貯留する液体貯留手段とを備え、前記オゾン水生成装置のオゾン発生用電極に前記液体貯留手段の液体が接触できるように前記オゾン水生成装置と前記液体貯留手段を配置したことを特徴とするオゾン水貯留装置としてもよい。
【0020】
これにより、液体貯留手段に液体を入れ、通電するだけでオゾン水を生成することができるため、簡易にオゾン水を生成することができる。また、オゾン水生成中でも気体のオゾンは液体貯留手段から使用者の呼吸する空気中に多量に放出されないので、オゾン水生成中に誤って液体貯留手段から液体を採取しても気体の高濃度のオゾンを吸うことがなく、安全にオゾン水を使用することができる。
【0021】
また、液体貯留手段と請求項1から4いずれかに記載のオゾン水生成装置とをコップ形状に一体成型してもよい。
【0022】
これにより、オゾン水生成装置によって生成された液体貯留手段のオゾン水を、直接コップ形状のオゾン水貯留装置から口に採取することができるため、簡易にオゾン水を口腔洗浄に利用することができる。またコップ形状であれば手で簡易に運ぶことができるため、利便性が高い。
【0023】
また、オゾン発生用電極への通電量を制御する制御部を備え、前記オゾン発生用電極への通電量を制御することで前記オゾン発生用電極からオゾンと共に過酸化水素を発生させるようにしてもよい。
【0024】
これにより、過酸化水素はより酸化力の強いオゾンにより酸化され、OHラジカルを生成することが可能となる。OHラジカルはオゾンより除菌性能や有機物の分解に優れるため、より効果的に口腔内洗浄や除菌、有機物分解を行うことができる。
【0025】
また、オゾンガス回収部の一部に気体のオゾンを排出する排気口を設けた構成としてもよい。
【0026】
これにより、オゾンガス回収部に回収された気体のオゾンは排気口から排出されるため、気体のオゾンが蓄積してオゾンガス回収部の内圧が高まり、オゾン水生成装置から液体貯留手段に気体のオゾンが漏れ出るのを防止することができ、気体のオゾンが液体貯留手段から使用者の呼吸する空気中に多量に放出されないので、気体の高濃度のオゾンを吸うことがなく、安全にオゾン水貯留装置を使用することができる。
【0027】
また、排気口がオゾンガス回収部の下方に設けられた構成としてもよい。
【0028】
これにより、気体のオゾンは空気より比重が大きいため、空気中では下方に沈降するため、排気口をオゾンガス回収部の下方に設けることで効率よく気体のオゾンを排気口から排出することができる。
【0029】
また、液体貯留手段の液体を撹拌する、液体撹拌手段を設けた構成としてもよい。
【0030】
これにより、オゾン発生用電極にオゾン濃度の低い液体が効率よく接触できるため、効率よく、短時間でオゾン水を生成することができる。
【0031】
また、液体撹拌手段が、空気を液体中に気泡として放出するバブリング装置としてもよい。
【0032】
これにより、オゾン発生用電極にオゾン濃度の低い液体が効率よく接触できるため、効率よく、短時間でオゾン水を生成することができる。また、バブリング装置により液体中に気泡が多量に存在するため、オゾン水を洗浄に用いる際に、気泡の界面活性作用により汚れを引き剥がす作用が働くため、より洗浄効果を高めることができる。また、口腔洗浄する際には、気泡が口腔内の皮膚に接触するため、使用者に洗浄しているという感覚を与え、使用者に爽快感を与えることができる。
【0033】
また、液体撹拌手段が、スクリューとしてもよい。
【0034】
これにより、オゾン発生用電極にオゾン濃度の低い液体が効率よく接触できるため、効率よく、短時間でオゾン水を生成することができる。
【0035】
また、請求項1から4いずれかに記載のオゾン水生成装置は、取手を備え、前記取手に電源部を備えた構成としてもよい。
【0036】
これにより、取手を備えることでオゾン水生成装置、オゾン水貯留装置を取手を持って運べる、または使用できるため利便性を高めることができる。また、取手は液体に浸漬しないため、電源部に液体が接触し、オゾン水生成装置、またはオゾン水貯留装置が破損するのを防ぐことができ、長期間安定して使用することができる。
【0037】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0038】
(実施の形態1)
図1において、1はオゾン水生成装置で、オゾン水生成装置1の下部に設けられた開口としての流水口2から、液体としての水3の入ったコップ4に取手5がコップ4の外になるように設置して使用するものである。
【0039】
オゾン水生成装置1は図2に断面の斜視図を示すように、水3に浸漬した際に電気分解により水3からオゾン水を生成するオゾン発生用電極6と、電極7と、オゾン発生用電極6及び電極7に通電を行うための取手5に設けられた電源部としての乾電池8からなり、オゾン発生用電極6と、電極7は下部に流水口2を有する筐体9の内部に備えられ、流水口2から水3に浸漬するものであり、オゾン発生用電極6と電極7を水3に浸漬しオゾン水を生成する際にオゾン発生用電極6から気泡として放出されるオゾンガスを回収するオゾンガス回収部10を筐体9内に設けた構成となっている。
【0040】
具体的には、オゾンガス回収部10はオゾン水生成装置1を水3に浸漬した際に、水面により閉鎖空間となる筐体9内の空間である。オゾン水生成装置1は、水3に浸漬した後でオゾン発生用電極6と電極7に乾電池8から通電することで、水3の電気分解とともにオゾン発生用電極6よりオゾンが生成され、一部が水3に溶け込みオゾン水となり、残りは気体のオゾンとして気泡となり放出される。このとき、気泡となり放出される気体のオゾンをオゾンガス回収部10により回収するものである。
【0041】
これにより、複雑な機構を設けることなく気泡として水3に放出されるオゾンはオゾンガス回収部10に回収されるため気体のオゾンが使用者の呼吸する空気中に放出されることを抑制することができるためオゾン水生成装置1をコンパクトにできる。
【0042】
またオゾン水生成装置1は水を貯留するコップ4から取り外して、オゾン水生成装置1だけを携帯することができるため、携帯性に優れる。
【0043】
ここで、オゾン発生用電極6としては白金族元素を用いた電極や、ダイヤモンド電極などが一例として挙げられ、電極7としては、白金や白金−イリジウム系の電解用電極、カーボン電極などが一例として挙げられ、オゾン発生用電極6をアノードに、電極7をカソードに用いるものである。
【0044】
また、取手5を備えることで取手5を持ってオゾン水生成装置1を運べる、または使用できるため利便性を高めることができる。また、取手5は水3に浸漬しないため、乾電池8に水3が接触し、オゾン水生成装置1が破損するのを防ぐことができ、長期間安定して使用することができる。
【0045】
また、オゾン発生用電極6を覆う壁11が、オゾン発生用電極6の下端より下方まである構成となっており、これにより、オゾン発生用電極6より発生する気泡のオゾンは、浮力により水3中を上方に移動するため、オゾン発生用電極6の下端より下方までオゾン発生用電極6を覆う壁11が存在することで壁11により気泡のオゾンがオゾン水生成装置1の外部空間の水3中に漏れ出るのを効率よく抑制することができる。すなわち、流水口2は、オゾン発生用電極6の下端より下方に設けている。
【0046】
また、オゾン発生用電極6や電極7に触れることができないように、流水口2は手指が入らないよう格子形状となっており、これにより、オゾン水生成装置1を使用する使用者が誤ってオゾン発生用電極6や電極7に触れ、感電することを防ぐことができる。また、使用者が誤ってオゾン発生用電極6や電極7に触れ、オゾン発生用電極6や電極7が破損することを防ぐことができ、長期間安定してオゾン水生成装置1を使用することができる。
【0047】
(実施の形態2)
図3において、オゾン水貯留装置12はオゾン水生成装置1と水3を入れる液体貯留手段13で構成されるものである。実施の形態1と同様の構成要素については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0048】
液体貯留手段13に入れられた水3は、一部が大気に接触し、一部はオゾン水生成装置1に接触するよう配置されている。オゾン水貯留装置12には取手5と、取手5に備えられたスイッチ14が設けられており、液体貯留手段13に水3を入れ、スイッチ14を操作することで水3からオゾン水の生成を行うものである。
【0049】
これにより、液体貯留手段13に水3を入れ、スイッチ14を操作することで通電するだけでオゾン水を生成することができるため、簡易にオゾン水を生成することができる。また、オゾン水生成中でも気体のオゾンは液体貯留手段13から使用者の呼吸する空気中に多量に放出されないので、オゾン水生成中に誤って液体貯留手段13から水3を採取しても気体の高濃度のオゾンを吸うことがなく、安全にオゾン水を使用することができる。なお、取手5はオゾン水生成装置1の中央ではなく、液体貯留手段13に近い位置に設けるほうが好ましく、オゾン水生成装置1と液体貯留手段13内の水3との境界近傍に設けるほうがさらに好ましい。このような配置とすることで口を液体貯留手段13につける際にオゾン水生成装置1が邪魔にならず使用しやすくなる。
【0050】
また、オゾン水貯留装置12はオゾン水生成装置1と水3を入れる液体貯留手段13はコップ形状に一体成型されていてもよく、これにより、オゾン水生成装置1によって生成された液体貯留手段13のオゾン水を、直接コップ形状のオゾン水貯留装置12から口に採取することができるため、簡易にオゾン水を口腔洗浄に利用することができる。またコップ形状であれば手で簡易に運ぶことができるため、利便性が高い。
【0051】
オゾン水貯留装置12は図4に断面の斜視図を示すように、オゾン水生成装置1のオゾンガス回収部10にオゾン分解触媒15を備え、これにより、オゾンガス回収部10に回収された気体のオゾンをオゾン分解触媒15により分解することができるため、オゾン水貯留装置12の使用中や使用後にもオゾン水貯留装置12から気体のオゾンが漏れ出るのを抑制することができ、安全にオゾン水貯留装置12を使用することができる。なお、オゾン分解触媒としては、銅酸化物やマンガン酸化物など既知のものを使用することができる。
【0052】
また、オゾン水貯留装置12は、オゾン水生成装置1にオゾン発生用電極6と電極7への通電量を制御する制御部16を備え、前記オゾン発生用電極6と電極7への通電量を制御することで前記オゾン発生用電極6からオゾンと共に過酸化水素を発生させるようにしてもよい。
【0053】
これにより、過酸化水素はより酸化力の強いオゾンにより酸化され、OHラジカルを生成することが可能となる。OHラジカルはオゾンより除菌性能や有機物の分解に優れるため、より効果的に口腔内洗浄や除菌、有機物分解を行うことができる。なお、液体貯留手段13に水3を満杯に満たしても、水3が制御部16や乾電池8に接触しないように、制御部16が設けられている側の壁11は液体貯留手段13の上端より高い構成となっており、このような液体貯留手段13に水3を満杯に満たしても、水3が制御部16や乾電池8に接触しない構成とすることで水3が制御部16や乾電池8に接触することで破損することを防ぐことができ、長期間安定してオゾン水貯留装置12を使用することができる。なお、オゾン水としては0.01ppmから4ppm程度のオゾン濃度が人体への悪影響がなく、除菌効果が得られるため好ましく、制御部16により通電量を制御することで濃度を管理できる。
【0054】
また、取手5に電源部としての乾電池8を備えており、取手5を備えることでオゾン水貯留装置12を取手5を持って運べる、または使用できるため利便性を高めることができる。また、取手5は水3に浸漬しないため、乾電池8に水3が接触し、オゾン水貯留装置12が破損するのを防ぐことができ、長期間安定して使用することができる。
【0055】
また、オゾン水生成装置1には、液体貯留手段13の水3を撹拌する、液体撹拌手段として、空気を水3中に気泡として放出することで撹拌するポンプ17と、ポンプ17から送風される空気を水3中に導くチューブ18からなるバブリング装置を備えてもよい。
【0056】
これにより、オゾン発生用電極6にオゾン濃度の低い水3が効率よく接触できるため、効率よく、短時間でオゾン水を生成することができる。また、バブリング装置により水3中に気泡が多量に存在するため、オゾン水を洗浄に用いる際に、気泡の界面活性作用により汚れを引き剥がす作用が働くため、より洗浄効果を高めることができる。また、口腔洗浄する際には、気泡が口腔内の皮膚に接触するため、使用者に洗浄しているという感覚を与え、使用者に爽快感を与えることができる。
【0057】
(実施の形態3)
オゾン水貯留装置12は図5に断面の斜視図を示すように、オゾン水生成装置1のオゾンガス回収部10の液体貯留手段13から離れた位置の下方に気体のオゾンを排出する排気口19を設けた構成となっている。実施の形態1および2と同様の構成要素については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0058】
これにより、オゾンガス回収部10に回収された気体のオゾンは排気口19から排出されるため、気体のオゾンが蓄積してオゾンガス回収部10の内圧が高まり、オゾン水生成装置1から液体貯留手段13に気体のオゾンが漏れ出るのを防止することができ、気体のオゾンが液体貯留手段13から使用者の呼吸する空気中に多量に放出されないので、気体の高濃度のオゾンを吸うことがなく、安全にオゾン水貯留装置12を使用することができる。
【0059】
また、排気口19はオゾンガス回収部10の下方に設けられているため、気体のオゾンは空気より比重が大きいため、空気中では下方に沈降するため、排気口19をオゾンガス回収部10の下方に設けることで効率よく気体のオゾンを排気口19から排出することができる。また、誤って水3が入ってしまった場合でも、排気口19から水3が出るため、乾電池8や制御部16が水3に水没することがなく、破損する危険性を減らすことができる。
【0060】
また、オゾン水生成装置1には、液体貯留手段13の水3を撹拌する、液体撹拌手段として、スクリュー20を設けられている。これにより、オゾン発生用電極6にオゾン濃度の低い水3が効率よく接触できるため、効率よく、短時間でオゾン水を生成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明にかかるオゾン水生成装置およびそれを用いたオゾン水貯留装置は、簡易な構成でオゾン水生成中であっても気体のオゾンが使用者の呼吸する空気中に放出されることを抑制することができる、携帯性に優れるので、口腔内を洗浄する機器や除菌を行うための除菌水生成機を提供することができる。
【符号の説明】
【0062】
1 オゾン水生成装置
2 流水口
3 水
4 コップ
5 取手
6 オゾン発生用電極
7 電極
8 乾電池
9 筐体
10 オゾンガス回収部
11 壁
12 オゾン水貯留装置
13 液体貯留手段
14 スイッチ
15 オゾン分解触媒
16 制御部
17 ポンプ
18 チューブ
19 排気口
20 スクリュー
101 口臭除去装置
102 本体
103 水槽部
104 オゾン発生装置
105 チューブ
106 気泡材
107 エアポンプ
108 電源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体に浸漬した際に電気分解により液体からオゾン水を生成するオゾン発生用電極と、
前記オゾン発生用電極に通電を行うための電源部とを備えたオゾン水生成装置において、
下部に開口を有する筐体内に前記オゾン発生用電極を備え、前記開口から液体に浸漬する構成となっており、
前記オゾン発生用電極を液体に浸漬しオゾン水を生成する際に前記オゾン発生用電極から気泡として放出されるオゾンガスを回収するオゾンガス回収部を前記筐体内に設けたことを特徴とするオゾン水生成装置。
【請求項2】
オゾン発生用電極を覆う壁が、前記オゾン発生用電極の下端より下方まであることを特徴とする請求項1に記載のオゾン水生成装置。
【請求項3】
オゾン発生用電極に触れることができない構成としたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のオゾン水生成装置。
【請求項4】
オゾンガス回収部に、オゾン分解触媒を備えたことを特徴とする請求項1から3いずれかに記載のオゾン水生成装置。
【請求項5】
請求項1から4いずれかに記載のオゾン水生成装置と、少なくとも一部が大気に接触可能な液体を貯留する液体貯留手段とを備え、前記オゾン水生成装置のオゾン発生用電極に前記液体貯留手段の液体が接触できるように前記オゾン水生成装置と前記液体貯留手段を配置したことを特徴とするオゾン水貯留装置。
【請求項6】
液体貯留手段と請求項1から4いずれかに記載のオゾン水生成装置とをコップ形状に一体成型したことを特徴とする請求項5に記載のオゾン水貯留装置。
【請求項7】
オゾン発生用電極への通電量を制御する制御部を備え、前記オゾン発生用電極への通電量を制御することで前記オゾン発生用電極からオゾンと共に過酸化水素を発生させることを特徴とする請求項5または請求項6に記載のオゾン水貯留装置。
【請求項8】
オゾンガス回収部の一部に気体のオゾンを排出する排気口を設けたことを特徴とする請求項5から7いずれかに記載のオゾン水貯留装置。
【請求項9】
排気口がオゾンガス回収部の下方に設けられたことを特徴とする請求項8に記載のオゾン水貯留装置。
【請求項10】
液体貯留手段の液体を撹拌する、液体撹拌手段を設けたことを特徴とする請求項5から9いずれかに記載のオゾン水貯留装置。
【請求項11】
液体撹拌手段が、空気を液体中に気泡として放出するバブリング装置であることを特徴とする請求項10に記載のオゾン水貯留装置。
【請求項12】
液体撹拌手段が、スクリューであることを特徴とする請求項10に記載のオゾン水貯留装置。
【請求項13】
請求項1から4いずれかに記載のオゾン水生成装置は、取手を備え、前記取手に電源部を備えたことを特徴とする請求項5から12いずれかに記載のオゾン水貯留装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−187460(P2012−187460A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−51211(P2011−51211)
【出願日】平成23年3月9日(2011.3.9)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】