説明

オゾン発生装置

【課題】簡単な構造で放電電極を固定でき、効率良く安定してオゾンを発生することができるオゾン発生装置を提供すること。
【解決手段】電源供給回路から交流電力もしくは直流電力が供給されると、高電圧発生装置に高電圧が発生し、この高電圧がオゾン発生部の一方の放電電極に供給される。他方の放電電極はグランドに接続される。インサート成形用金型を使用して、インサート物としての金属性の2枚の板体18、18を所定間隔を存してインサートして、非導電性の合成樹脂の射出成形で成形して一体品にするインサート成形により一体化する。この場合、前記高電圧発生装置にリード線を介して接続するか、グランド接続する板体18の一部18Aを除いて、非導電性の合成樹脂材料で形成された固定部19により、封止される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一方の電極をグランド接続すると共に、他方の電極に高電圧を印加してオゾンを発生させるオゾン発生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、オゾンを発生させるオゾン発生装置として、誘電体を電極で挟み込む物や、オゾンに加えてイオンも発生するものでは多くの針を有する物などが提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−47435号公報
【特許文献2】特開2010−86790号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前者にあっては、誘電体で用いられるセラミックの製造や、誘電体と電極との固定に手間とコストがかかっていた。また、誘電体を挟み込む構造であるため、位置調整が困難であって、位置も容易に狂いやすかった。
【0005】
そこで、本発明は上記のような問題を解消するためになされたもので、簡単な構造で放電電極を固定でき、効率良く安定してオゾンを発生することができるオゾン発生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、一方の電極をグランド接続すると共に、他方の電極に高電圧を印加してオゾンを発生させるオゾン発生装置において、導電性を有する網を固定部に保持したインサート物をインサートして合成樹脂の射出成形で成形して一体品にするインサート成形により、前記一対の電極のうちの少なくとも一方の電極を形成したことを特徴とする。
【0007】
第2の発明は、一方の電極をグランド接続すると共に、他方の電極に高電圧を印加してオゾンを発生させるオゾン発生装置において、導電性を有する一対の網を各固定部にそれぞれ保持した一対のインサート物をインサートして合成樹脂の射出成形で成形して一体品にするインサート成形により、前記一対の電極を一体化して形成したことを特徴とする。
【0008】
第3の発明は、一方の電極をグランド接続すると共に、他方の電極に高電圧を印加してオゾンを発生させるオゾン発生装置において、導電性を有する板体で構成したインサート物をインサートして合成樹脂の射出成形で成形して一体品にするインサート成形により、前記一対の電極のうちの少なくとも一方の電極を形成したことを特徴とする。
【0009】
第4の発明は、一方の電極をグランド接続すると共に、他方の電極に高電圧を印加してオゾンを発生させるオゾン発生装置において、導電性を有する板体で構成した一対のインサート物をインサートして合成樹脂の射出成形で成形して一体品にするインサート成形により、前記一対の電極を一体化して形成したことを特徴とする。
【0010】
第5の発明は、一方の電極をグランド接続すると共に、他方の電極に高電圧を印加してオゾンを発生させるオゾン発生装置において、前記一対の電極を導電性を有する網又は板体で形成すると共に、この一対の電極間の距離が先端部以外の箇所より先端部が近くなるように形成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
以上のように、本発明によれば、簡単な構造で放電電極を固定でき、効率良く安定してオゾンや、オゾンに加えてイオンを発生することができ、発生したオゾンで除菌や消臭ができ、またイオンで菌や臭い物質等に吸着しやすくできる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】オゾン発生装置の簡易構造図である。
【図2】第2の実施形態のオゾン発生部を示す。
【図3】第3の実施形態のオゾン発生部を示す。
【図4】網の切断した箇所によるオゾンの発生量の相違を示すための測定したグラフである。
【図5】第4の実施形態のオゾン発生部を示す。
【図6】第5の実施形態のオゾン発生部を示す。
【図7】図6(J)の構造の放電電極を用いた場合のオゾンの発生量を測定したグラフである。
【図8】図6(L)の構造の放電電極を用いた場合のオゾンの発生量を測定したグラフである。
【図9】第6の実施形態のオゾン発生部を示し、(Q)は正面図、(R)は(Q)のX−X縦断せる右側面図である。
【図10】第7の実施形態のオゾン発生部を示し、(S)は正面図、(T)は(S)のY−Y縦断せる右側面図である。
【図11】第8の実施形態のオゾン発生部を示し、(U)は正面図、(V)は(U)のZ−Z縦断せる右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、オゾン発生装置に係る本発明の実施形態を図に基づき説明する。先ず、オゾン発生装置の簡易構造図である図1において、電源供給回路1から交流電力もしくは直流電力が供給されると、高電圧発生装置2に高電圧が発生し、この高電圧がオゾン発生部3の第1の実施形態である一方の放電電極3Aに供給される。
【0014】
前記高圧発生装置2は、電源供給回路1から交流電力もしくは直流電力が供給されると、トランス等により昇圧して数千ボルトの高電圧を前記一方の放電電極3Aに出力する。他方の放電電極3Bはグランドに接続され、そのグランドは高電圧発生装置2外に設けられるが、高電圧発生装置2内に設けてもよい。
【0015】
そして、両放電電極3A、3Bは、導電性を有する板体で構成され、放電電極3A、3B間の距離は、高電圧発生装置2から供給される電圧値により決めることが望ましい。即ち、高電圧発生装置2から供給される電圧の高さと両放電電極3A、3B間の距離によって、放電による両放電電極3A、3B間に流れる電流の電流値が変化する。そして、この場合、電流値が大きいとこの放電によりオゾン及びイオンが発生し、電流値が小さいとこの放電によりイオンのみが発生することとなる。
【0016】
なお、前記一対の放電電極3A、3Bは平行に設置しても良いが、両者が平行とならないように角度をつけることで、放電の強弱の調整ができ、有声放電から無声放電まで調整することができる。
【0017】
次にオゾン発生部3の第2の実施形態につき、図2に基づき説明するが、一対の放電電極は同一の構造であるため、一方の放電電極3Cについて説明する。複数本の導電性を有する線材4は、導電性合成樹脂や金属等で形成される導電性を有する固定部5に圧着により固定される。そして、線材4を金属で構成した場合には、酸化対策等を施した後に、固定部5に固定される。高電圧発生装置2からこの一方の放電電極3Cに高電圧が供給される場合には、この固定部5に供給するように構成する。
【0018】
なお、線材4の本数や長さを適宜必要に応じて変えても良いが、各線材4は、一定方向に平行に等間隔を存して、固定部5に固定される。この一方の放電電極3Cの導電性を有する固定部5は前記高圧発生装置2に接続されると共に他方の放電電極3Cの導電性を有する固定部5はグランドに接続される。
【0019】
次にオゾン発生部3の第3の実施形態につき、図3に基づき説明するが、一対の放電電極は同一の構造であるため、一方の放電電極3Dについて説明する。導電性を有する、例えば金属性の網6を導電性を有する固定部7に圧着により固定することにより、放電電極3Dは形成される。この一方の放電電極3Dの導電性を有する固定部7は前記高圧発生装置2に接続されると共に他方の放電電極3Dの導電性を有する固定部7はグランドに接続される。
【0020】
そして、この網6は、図3(A)、(B)、(C)、(D)、(E)、に示すように、種々の形状を呈する。即ち、図3(A)に示すように、縦方向及び横方向に延びた複数本の線材で構成した外形が長方形状のものでもよく、図3(B)、(C)に示すように、右斜め上方向及び右斜め下方向に延びた複数本の線材で構成した外形が長方形状のものでもよく、図3(D)に示すように、縦方向及び横方向に延びた複数本の線材で構成した外形が三角形状のものでもよく、図3(E)に示すように、縦方向及び横方向に延びた複数本の線材で構成した外形が円弧形状のものでもよい。
【0021】
そして、図3(A)、(C)、(E)のように、外周縁部を網の継ぎ目以外の箇所で切断したものでもよく、また図3(B)、(D)のように、外周縁部を網の継ぎ目の箇所で切断したものでもよい。この場合、継ぎ目以外の箇所で切断した方が放電電極3Cの先端放電箇所が増え、オゾン及びイオンや、イオンのみを発生し易くなる。
【0022】
そして、放電電極3Dの前記網6の切断した場所によるオゾンの発生量を測定したグラフである図4について説明する。図4のグラフは縦軸がオゾン濃度であり、横軸が時間経過であるグラフである。オゾン濃度が6ppm(part per million)周辺で安定している折れ線グラフ群は、継ぎ目以外で切断した網6で、安定していない折れ線グラフ群は継ぎ目で切断した網6である。
【0023】
図3(B)の放電電極3Dと図3(C)の放電電極3Dとを比較すると、網6の放電先端の数は図3(C)の放電電極3Dの方が凡そ2倍となっており、放電先端の数が増えるほどオゾン濃度は安定する。従って、前記放電先端を増やすために、導電性の網6の大きさを大きくしても良いし、網目の細かいものを用いても良い。また、網6を切り抜き、放電先端の数を増やしても良い。
【0024】
次にオゾン発生部3の第4の実施形態につき、図5に基づき説明するが、一対の放電電極は同一の構造であるため、一方の放電電極3Eについて説明する。この放電電極3Eは、導電性を有する、例えば金属性の1枚又は複数枚の板体や、金属性の複数本の線材や、この金属性の線材で形成された網等(以下、「板体等8」という。)を導電性を有する固定部9に固定し、しかもこの板体等8を固定部9の取り付け面に対して垂直でないように曲げて固定する。
【0025】
具体的には、図5(F)、(G)のように、板体等8の先端部のみを曲げてもよいし、図5(H)のように、根元部、即ち固定部9から曲げてもよいし、図5(I)のように、途中から曲げてもよい。また、曲げ方は図5(F)、(G)のように、角度を設けてもよいし、円弧形状としてもよい。
【0026】
そして、以上のように構成された放電電極3Eを一対準備して、一方の放電電極3Eの導電性を有する固定部9を前記高圧発生装置2に接続すると共に他方の放電電極3Eの導電性を有する固定部5をグランドに接続し、この一対の電極である板体等8の相互間の距離が先端部以外の箇所より先端部が近くなるように並設させて使用する。
【0027】
次にオゾン発生部3の第5の実施形態につき、図6に基づき説明するが、この実施形態は一対の放電電極3Fを一体化する構造であり、以下説明する。この放電電極3Fは、導電性を有する、例えば金属性の1枚又は複数枚の板体や、金属性の複数本の線材や、この金属性の線材で形成された網等(以下、「板体等10」という。)を固定部11に固定する。
【0028】
そして、この固定部11は、一方の板体等10を固定する導電性を有する第1固定部11Aと、他方の板体等10を固定する導電性を有する第2固定部11Bと、前記第1固定部11Aと第2固定部11Bとを連結する非導電性の連結部11Cとから構成される。そして、一方の固定部11A又は11Bを前記高圧発生装置2に接続すると共に、他方の固定部11B又は11Aをグランドに接続する。
【0029】
そして、放電面積及び固定部11の取り付け面に対する角度を調整することでオゾンを発生させることもイオンを発生させることもできる。例えば、図6(J)、(M)のように、一対の板体等10同士を平行に設けてもよいし、図6(K)のように、一方の板体等10の先端部のみ内側に曲げたり、図6(L)のように、一対の板体等10の先端部のみ内側に曲げたり(直線状又は曲線状でもよい。)、図6(N)のように、一対の板体等10の先端側が互いに近くなるように角度をもたせたり、図6(O)のように、一対の板体等10の途中から曲げて先端部が近くなるように屈曲させたり、図6(P)のように、一対の板体等10の先端部のみ近くなるように内側に円弧状に曲げてもよい。
【0030】
なお、一対の板体等10が板体や網で構成される場合には、先端部を曲げても、又は曲げなくとも、一対の板体等10の先端(上端)同士の間隔は、この板体や網が全長に亘って同じ間隔に配設される。これにより、オゾンの発生は安定する。
【0031】
この場合、この一対の電極である板体等10間の距離が先端部のみ近くなるように、即ち先端部以外の箇所より先端部が近くなるように、一方又は両方の板体等10を曲げた場合には、この近い先端部でオゾンを発生させ、それ以外の箇所(遠い部分)でイオンを発生させるようにしても良い。
【0032】
この第5の実施形態によるオゾン発生部3のオゾンの発生量を測定したグラフである図7、図8について説明する。図7のグラフは図6(J)の構造の放電電極3Fを用いた場合の折れ線グラフを示し、図8のグラフは図6(L)の構造の放電電極3Fを用いた場合の折れ線グラフを示す。
【0033】
図7に示すように、図6(J)の構造の放電電極3Fを用いた場合には、オゾン濃度のばらつきが大きく、また図8に示すように、図6(L)の構造の放電電極3Fを用いた場合には、オゾン濃度のばらつき少なく安定している。これは、放電箇所を特定の場所とする事で無駄な放電が起きず、オゾン発生量が安定した結果である。
【0034】
次にオゾン発生部3の第6の実施形態につき、図9に基づき説明するが、一対の放電電極は同一の構造であるため、一方の放電電極3Gについて説明する。この放電電極3Gは、導電性を有する、例えば金属製の線材で形成された網12を固定部14に固定する構造であり、以下詳述する。
【0035】
先ず、前記網12の下端部を導電性を有する、例えば縦断面がコ字形状の銅板13で挟むようにして圧着して、この網12と銅板13とを固定する。これにより、銅板13により、網12はその形状が安定した状態に保持される。次いで、網12の根元部がオゾンにより腐食するのを防止するために、インサート成形用金型を使用して、この網12と銅板13とが固定されたインサート物をインサートして非導電性の合成樹脂の射出成形で成形して一体品にするインサート成形により一体化する。この場合、前記高電圧発生装置2にリード線を介して接続するか、グランド接続する銅板13の一部13Aを除いて、非導電性の合成樹脂材料で形成された固定部14により、封止される。
【0036】
なお、以上説明したオゾン発生部3の第6の実施形態は、網12と銅板13とが固定されたインサート物をインサートして合成樹脂の射出成形で成形して一体品にするインサート成形により一体化したものであるが、導電性を有する網12に代えて、銅板13を使用することなく、導電性を有する、例えば金属性の1枚又は複数枚の板体から成るインサート物をインサートして非導電性の合成樹脂の射出成形で成形して一体品にするインサート成形により一体化してもよい。なお、複数枚の板体を使用する場合には、これらの板体は直接接触させるか、導電性を有する連結体で連結して、インサート成形を行う。この場合、前記高電圧発生装置2に接続するか、グランド接続するために、前記板体の一部を除いて、非導電性の合成樹脂材料で形成された固定部14により封止される。
【0037】
以上のような第6の実施形態における導電性を有する網12や、この網12に代えて、導電性を有する板体を放電電極とした場合において、図5のように、この一対の網12や板体の相互間の距離が先端部以外の箇所より先端部が近くなるように曲げるなどして、並設させて使用してもよい。
【0038】
次にオゾン発生部3の第7の実施形態につき、図10に基づき説明するが、一対の放電電極は同一の構造であるため、一方の放電電極3Hについて説明する。この放電電極3Hは、導電性を有する線材で形成された網15を固定部17に固定する構造であり、以下詳述する。
【0039】
先ず、前記網15の下端部を上方へ折り曲げて導電性を有する銅製の線材16を挟むようにして圧着して、この網15と線材16とを固定する。これにより、網15はその形状が安定した状態に保持される。次いで、網15の根元部がオゾンにより腐食するのを防止するために、インサート成形用金型を使用して、この網15と線材16とが固定されたインサート物をインサートして非導電性の合成樹脂の射出成形で成形して一体品にするインサート成形により一体化する。この場合、前記高電圧発生装置2にリード線を介して接続するか、グランド接続する線材16の一部16Aを除いて、非導電性の合成樹脂材料で形成された固定部17により、封止される。
【0040】
なお、以上説明したオゾン発生部3の第7の実施形態は、網15と線材16とが固定されたインサート物をインサートして非導電性の合成樹脂の射出成形で成形して一体品にするインサート成形により一体化したものであるが、導電性を有する網15に代えて、線材16を使用することなく、導電性を有する、例えば金属性の1枚又は複数枚の板体から成るインサート物をインサートして非導電性の合成樹脂の射出成形で成形して一体品にするインサート成形により一体化してもよい。なお、複数枚の板体を使用する場合には、これらの板体は直接接触させるか、導電性を有する連結体で連結して、インサート成形を行う。この場合、前記高電圧発生装置2に接続するか、グランド接続するために、前記板体の一部を除いて、非導電性の合成樹脂材料で形成された固定部17により封止される。
【0041】
以上のような第7の実施形態における導電性を有する網15や、この網15に代えて、導電性を有する板体を放電電極とした場合において、図5のように、この一対の網15や板体の相互間の距離が先端部以外の箇所より先端部が近くなるように曲げるなどして、並設させて使用してもよい。
【0042】
なお、以上の第6及び第7の実施形態においては、放電電極3G、3Hを個別に製造して、これを一対使用してオゾン発生部3とするが、このように、個別にインサート成形により製造する場合に限らず、一対の放電電極をインサート成形により一体化してもよい。
【0043】
以下、この一対の放電電極をインサート成形により一体化する第8の実施形態について、図11に基づき、放電電極として板体を使用する形態について説明する。インサート成形用金型を使用して、インサート物としての導電性を有する金属性の2枚(又は複数枚)の板体18、18を所定間隔を存してインサートして、非導電性の合成樹脂の射出成形で成形して一体品にするインサート成形により一体化する。図11(V)に示すように、前記板体18、18は、この板体18、18相互間の距離が先端部以外の箇所より先端部が近くなるように曲げる。この曲げ方については、図11の構造に限らず、図5に示すような種々の曲げ方が考えられる。
【0044】
この場合、前記高電圧発生装置2にリード線を介して接続するか、グランド接続する板体18の一部18Aを除いて、非導電性の合成樹脂材料で形成された固定部19により、封止される。
【0045】
なお、第6の実施形態で説明した網12と銅板13とが固定されたものや、また第7の実施形態で説明した網15と線材16とが固定されたものを、一対使用して、インサート物として所定間隔を存してインサートして、非導電性の合成樹脂の射出成形で成形して一体品にするインサート成形により一体化してもよい。これらの網を一対使用した場合にも、図5に示すように、これらの網相互間の距離が先端部以外の箇所より先端部が近くなるように曲げて使用してもよい。
【0046】
なお、以上の第6乃至第8の実施形態のようなインサート成形に限らず、非導電性を有するセラミック等を用いて、接着剤等で固定してもよい。
【0047】
以上のように本発明は、簡単な構造で放電電極を固定でき、効率良く安定してオゾンや、オゾンに加えてイオンを発生することができ、発生したオゾンで除菌や消臭ができ、またイオンで菌や臭い物質等に吸着しやすくできる。
【0048】
以上本発明の実施態様について説明したが、上述の説明に基づいて当業者にとって種々の代表例、修正又は変形が可能であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で前述の種々の代表例、修正又は変形を包含するものである。
【符号の説明】
【0049】
2 高電圧発生装置
3 オゾン発生部
3A〜3H 放電電極
4、16 線材
5、7、9、11、14、17、19 固定部
6、12、15 網
8、10 板体等
13 銅板
18 板体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の電極をグランド接続すると共に、他方の電極に高電圧を印加してオゾンを発生させるオゾン発生装置において、導電性を有する網を固定部に保持したインサート物をインサートして合成樹脂の射出成形で成形して一体品にするインサート成形により、前記一対の電極のうちの少なくとも一方の電極を形成したことを特徴とするオゾン発生装置。
【請求項2】
一方の電極をグランド接続すると共に、他方の電極に高電圧を印加してオゾンを発生させるオゾン発生装置において、導電性を有する一対の網を各固定部にそれぞれ保持した一対のインサート物をインサートして合成樹脂の射出成形で成形して一体品にするインサート成形により、前記一対の電極を一体化して形成したことを特徴とするオゾン発生装置。
【請求項3】
一方の電極をグランド接続すると共に、他方の電極に高電圧を印加してオゾンを発生させるオゾン発生装置において、導電性を有する板体で構成したインサート物をインサートして合成樹脂の射出成形で成形して一体品にするインサート成形により、前記一対の電極のうちの少なくとも一方の電極を形成したことを特徴とするオゾン発生装置。
【請求項4】
一方の電極をグランド接続すると共に、他方の電極に高電圧を印加してオゾンを発生させるオゾン発生装置において、導電性を有する板体で構成した一対のインサート物をインサートして合成樹脂の射出成形で成形して一体品にするインサート成形により、前記一対の電極を一体化して形成したことを特徴とするオゾン発生装置。
【請求項5】
一方の電極をグランド接続すると共に、他方の電極に高電圧を印加してオゾンを発生させるオゾン発生装置において、前記一対の電極を導電性を有する網又は板体で形成すると共に、この一対の電極間の距離が先端部以外の箇所より先端部が近くなるように形成したことを特徴とするオゾン発生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−82123(P2012−82123A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−254331(P2010−254331)
【出願日】平成22年11月12日(2010.11.12)
【特許番号】特許第4730977号(P4730977)
【特許公報発行日】平成23年7月20日(2011.7.20)
【出願人】(396021472)オウミ技研株式会社 (5)
【出願人】(510246323)株式会社アイズ・オン (1)
【Fターム(参考)】