説明

オフガス燃焼装置及び制御方法

【課題】バイオガスからメタンを分離する装置のオフガスにメタンが含有されている場合に、係るオフガス中のメタンを確実に燃焼することが出来て、オフガス中のメタンを燃焼する際に補助燃料や特別な機器を必要としないオフガス燃焼装置の提供。
【解決手段】メタン分離装置(1)のオフガスを燃焼するバーナ(4)と、バーナ(4)及びその下流側を包囲して燃焼排ガスライン(Lg)を構成する中空円筒形状の燃焼筒(2)と、バーナへ供給される燃焼用空気が流れる燃焼用空気ライン(LA)とを備え、該燃焼用空気ライン(LA)は燃焼筒(2)内部に形成された予熱用流路(LA2〜LA4)を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バイオガスからメタン(CH)を分離する装置から排出されるオフガスに含有されるメタンを確実に燃焼する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
バイオマスから生成したバイオガスは、メタン以外の成分(例えば、CO)を含有している。バイオガスの有効利用を図るためには、バイオガスからメタン以外の成分を分離して、バイオガス中のメタン濃度を高める必要がある。本明細書では、嫌気性発酵プロセス等から発生するメタンリッチなバイオガスからメタン以外の成分を分離して、高純度のメタンを精製する技術について、「バイオガスからメタンを分離する」と表現する場合がある。
そして、バイオガスからメタンを分離するための技術として、例えば、PSA(Pressure Swing Adsorption)方式による分離技術や、膜分離法に係る分離技術が存在する。
【0003】
図7は、PSA方式による分離技術の概要を示している。
図7において、メタン分離装置100内に充填された図示しない吸着材により、ラインLBを経由してメタン分離装置100に投入されたバイオガス中のメタン以外の成分(例えば、CO)を吸着して除去し、以って、メタン濃度を高めている。
【0004】
PSA方式によって、バイオガスからPSA法を用いて高濃度メタンを精製する際に、図7のメタン分離装置100内の吸着材を再生する必要がある。そして、吸着剤の再生に際しては、メタン分離装置100から、メタンを含有する低圧のオフガスが発生する。
ここで、昨今の地球温暖化問題を考慮すると、また安全性の観点から、排ガスをそのまま大気に放出することはできない。
【0005】
従来技術では、オフガスに含有されるメタンを大気中に放出しないようにするために、余剰燃焼塔200を用いてメタンを燃焼して除去していた。ところが、ラインLOを介して余剰燃焼塔200に投入されるオフガス中のメタンの濃度が不安定であり且つメタン濃度が低いため(10〜25%)、そのままでは当該オフガスを燃焼することが出来ない。
そのため、従来技術では、余剰燃焼塔200にラインLGを介して都市ガス等の補助燃料を追加投入して、メタン濃度を燃焼可能なレベルまで上昇した後に、燃焼している。しかし、都市ガス等の補助燃料を供給しつつ、メタンを含有するオフガスを燃焼することは、ランニングコストの上昇を招いていた。
図7における符号300は、高濃度のメタンを貯蔵するメタン貯蔵タンクを、符号LMは、メタン分離装置100とメタン貯蔵タンクとを連通するラインを示している。
【0006】
その他の従来技術として、例えば、バイオガスの処理利用システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、係る従来技術(特許文献1)は、CO、HS及び蒸気等の不純物の低減が目的であり、オフガス中に含有されているメタンの燃焼に関する上述した問題を解決するものではない。
【0007】
また、メタン濃度やメタン貯蔵量の増加を図るために、脱硫装置と、メタン濃縮装置と、メタン吸蔵剤を充填したガスホルダとを備えた消化ガス貯蔵設備が提案されている(特許文献2参照)。
さらに、バイオガスの供給量や成分に応じて補助燃料ガスと空気を混合し、燃料ガスとして利用する技術も提案されている(特許文献3参照)。
しかし、これ等の従来技術(特許文献2、特許文献3)は、何れもバイオガスからメタンを分離する装置からのオフガスに含有されるメタンの処理については開示しておらず、オフガス中に含有されているメタンの燃焼に関する上述した問題を解決することは出来ない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2006−36849号公報
【特許文献2】特開2001−949号公報
【特許文献3】特開2002−226878号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、バイオガスからメタンを分離する装置のオフガスにメタンが含有されている場合に、係るオフガス中のメタンを確実に燃焼することが出来て、しかも、係るオフガス中のメタンを燃焼する際に補助燃料や特別な機器を必要としないオフガス燃焼装置の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のオフガス燃焼装置(101、102)は、バイオガスからメタンを分離するメタン分離装置(1:例えば、PSAにおける吸着材が充填された塔)のオフガスを燃焼するオフガス燃焼装置において、メタン分離装置(1)のオフガスが流れてバーナに連通するオフガスライン(L5)と、該オフガスライン(L5)により供給されるオフガスを燃焼するバーナ(4)と、バーナ(4)及びその下流側を包囲して燃焼排ガスライン(Lg)を構成する(例えば中空円筒形状の)燃焼筒(2)と、オフガスの流れが生成する負圧により吸引されてバーナへ供給される燃焼用空気が流れる燃焼用空気ライン(LA)とを備え、該燃焼用空気ライン(LA)は燃焼筒(2)内部に形成された予熱用流路(LA2〜LA4)を有していることを特徴としている(請求項1)。
【0011】
本発明のオフガス燃焼装置(101、102)において、予熱用流路(LA2〜LA4)は、燃焼筒(2)内部に設けられた環状空間(LA2〜LA4)により構成されており、該環状空間(LA2〜LA4)を半径方向内方の領域(LA4)と半径方向外方の領域(LA2)とに区分する仕切り部材(7、71)と、該環状空間の半径方向内方壁面(5o)に設けられたらせん状ガイド(9)とを有しているのが好ましい(請求項2)。
ここで、らせん状ガイド(9)の燃焼筒軸方向ピッチと、内筒(5)外壁(内筒5の半径方向外方の壁面)と仕切り部材(7、71)内壁(仕切り部材7、71の半径方向内方の壁面)との間隔(δ)は、次の2つの条件を満たす様に設定されるのが好ましい。
(1) 燃焼用空気が前記予熱用流路(LA2〜LA4)を流れるのに要する時間が、燃焼用空気が所定温度まで予熱されるのに十分な時間である。
(2) 燃焼用空気流速を5m/s以下とすることで圧力損失を無視できるレベルに保持し、燃焼用空気が前記予熱用流路(LA2〜LA4)を流れて、前記バーナ(4)に供給可能である。
【0012】
また本発明のオフガス燃焼装置(101、102)は、メタン分離装置(1)をバイパスしてバーナ(4)に未精製ガス(バイオガス)を供給するバイオガスライン(L3)を備えており、オフガスライン(L5)及びバイオガスライン(L3)には各々に開閉弁(V、V)が介装されており、バーナ(4)に供給される燃焼用空気の温度を計測する温度計測装置(温度センサSt)と、制御装置(10)とを備えており、該制御装置(10)は、温度計測装置(St)により計測された温度(Tc)がしきい値よりも低い場合には、オフガスライン(L5)に介装された開閉弁(V)を閉鎖してバイオガスライン(L3)に介装した開閉弁(V)を開放し、温度計測装置(St)により計測された温度(Tc)がしきい値以上である場合には、オフガスライン(L5、L6)に介装された開閉弁(V)を開放してバイオガスライン(L3)に介装した開閉弁(V)を閉鎖する機能を有しているのが好ましい(請求項3)。
【0013】
さらに本発明のオフガス燃焼装置(101)は、燃焼用空気ライン(LA)に合流してバーナ(4)に空気(調整用空気)を供給する第2の空気ライン(調整用空気ラインLa1、La2)を設けており、該第2の空気ライン(La1、La2)には流量調整弁(Va1、Va2)が介装されているのが好ましい(請求項4)。
この場合、バーナ(4)の燃焼排ガスに一酸化炭素(CO)、メタン(CH)、スス(C)の何れかが包含されている場合には、バーナ(4)が不完全燃焼を起こしていると判断して、流量調整弁(Va1、Va2)の弁開度を増加して、第2の空気ライン(La1、La2)を介してバーナ(4)に供給される空気量(調整用空気量)を増加するのが好ましい。
【0014】
本発明のオフガス燃焼装置(請求項1〜4の何れか1項のオフガス燃焼装置)において、複数のバーナが設けられていても良いし(102:いわゆる「マルチバーナ」)、あるいは、単一のバーナが設けられていても良い(101:いわゆる「シングルバーナ」)。
【0015】
上述した本発明のオフガス燃焼装置(請求項3、4の何れかのオフガス燃焼装置)の制御方法は、温度計測装置(St)によりバーナ(4)に供給される燃焼用空気の温度(Tc)を計測する工程(S3)と、温度計測装置(St)により計測された温度(Tc)がしきい値よりも低い場合(ステップS4がNO)にオフガスライン(L5)に介装された開閉弁(V)を閉鎖してバイオガスライン(L3)に介装した開閉弁(V)を開放する工程(S6)と、温度計測装置(St)により計測された温度(Tc)がしきい値以上である場合(ステップS4がYES)には、オフガスライン(L5)に介装された開閉弁(V)を開放してバイオガスライン(L3)に介装した開閉弁(V)を閉鎖する工程(S5)を有することを特徴としている(請求項5)。
【0016】
また、上述した本発明のオフガス燃焼装置(101:請求項4のオフガス燃焼装置)の制御方法は、バーナ(4)の燃焼排ガスに一酸化炭素(CO)、メタン(CH)、スス(C)の何れかが包含されているか否かを検出する検出工程(S11)と、該検出工程(S11)でバーナ(4)の燃焼排ガスに一酸化炭素(CO)、メタン(CH)、スス(C)の何れかが包含されている場合(S11がYES)には、バーナ(4)が不完全燃焼を起こしていると判断して、流量調整弁(Va1、Va2)の弁開度を増加して、第2の空気ライン(La1、La2)を介してバーナ(4)に供給される空気量(調整用空気量)を増加する工程(S12)を有しているのが好ましい(請求項6)。
【発明の効果】
【0017】
上述する構成を具備する本発明によれば、燃焼用空気が燃焼筒(2)内部に形成された予熱用流路(LA2〜LA4)を流れる際にオフガスに含有されるメタン(CH)が、バーナ(4)で燃焼された燃焼排ガスと熱交換を行なうので、燃焼用空気は予熱されて昇温する。そのため、高温の燃焼用空気がバーナ(4)に供給されるので、オフガスのメタン濃度が10%〜25%程度と薄くても、バーナ(4)で確実に燃焼することが出来る。
その結果、オフガスに含有されるメタンは、燃焼されて確実に除去されることになり、温暖化係数が二酸化炭素(CO)の20〜30倍のメタンが大気に放散されてしまうことが防止され、地球温暖化に悪影響を与えてしまう恐れが無い。
ここで本発明によれば、従来技術のように、オフガスに含有されるメタン燃焼のために都市ガス等の燃料を別途消費する必要は無い。そのため、エネルギの消費が抑制される。
【0018】
本発明において、燃焼用空気はオフガスの流れにより生じた負圧により吸引されるので、別途、ポンプやブロワを設ける必要がない。また、燃焼用空気の予熱は、上述した様にオフガス燃焼の際に生じる熱により行われるので、燃焼用空気予熱のための加熱手段を別途設ける必要も無い。
そのため、本発明によれば特別な機器を別途設けることなく、コストを抑制しつつ、メタン濃度が10%〜25%程度のオフガスを確実に燃焼することが出来る。
【0019】
ここで、例えば始動時や、オフガスのメタン濃度が急激に低下し、あるいは、オフガス圧力が急激に降下した場合等、バーナ(4)の燃焼排ガスにより燃焼用空気を予熱することが困難な場合が存在する。
これに対して、本発明では、メタン分離装置(1:PSA)をバイパスしてバーナ(4)に未精製ガス(バイオガス)を供給するバイオガスライン(L3)を備え、オフガスライン(L5)及びバイオガスライン(L3)には各々に開閉弁(V、V)を介装して、適宜開閉制御するように構成すれば(請求項3、5)、バーナ(4)の燃焼排ガスで燃焼用空気を予熱することが困難な場合(例えば始動時や、オフガスのメタン濃度が急激に低下したり、オフガス圧力が急激に降下した場合等)でも、バーナ(4)に未精製ガス(バイオガス)を供給することにより、対処できる。すなわち、未精製ガスのメタン濃度は約60%であるため、バーナ(4)で確実に燃焼されるのである。
【0020】
バーナ(4)に未精製ガス(バイオガス)を供給して燃焼すれば、高温の燃焼排ガスを生じるので、係る高温の燃焼排ガスによって、燃焼用空気を予熱することが可能になる。そして、高温の燃焼排ガスによって、燃焼用空気を予熱することが可能になれば、未精製ガスをバーナ(4)へ供給するのを遮断して、バーナ(4)にはオフガスを供給すれば良い。
これにより、始動時、その他のバーナ(4)の燃焼排ガスで燃焼用空気を予熱することが困難な場合においても、バーナ(4)における燃焼を確実に行い、オフガスの燃焼を可能にしている。
【0021】
さらに本発明において、燃焼用空気ライン(LA)に合流してバーナ(4)に空気(調整用空気)を供給する第2の空気ライン(調整用空気ラインLa1、La2)を設ければ(請求項4、請求項6)、燃焼用空気の不足によりバーナ(4)が不完全燃焼を起こした場合(例えば、燃焼排ガスに一酸化炭素、メタン、ススの何れかが包含されている場合)には、第2の空気ライン(La1、La2)を介してバーナ(4)に供給される空気量(調整用空気量)を増加して、バーナ(4)が完全燃焼するようにせしめることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1実施形態に係る燃焼装置の全体構成図である。
【図2】図1に対して、制御系等を加えた全体構成図である。
【図3】第1実施形態の燃焼装置の起動時のオフガスの切換制御方法を説明するフローチャートである。
【図4】第1実施形態の燃焼装置の調整用空気の流量制御方法を説明するフローチャートである。
【図5】本発明の第2実施形態に係る燃焼装置の全体構成図である。
【図6】図3のX-X断面矢視図である。
【図7】従来技術におけるメタン含有オフガスの燃焼除去を説明する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
先ず、図1〜図4を参照して第1実施形態を説明する。
図1において、全体を符号101で示すオフガス燃焼装置は、図示の例では、PSA(Pressure Swing Adsorption)方式によるメタン分離装置1と、中空円筒形状の燃焼筒2を有している。
【0024】
燃焼筒2は、基台3上に配置されたバーナ4、内筒5、外筒6、仕切り部材7を有している。仕切り部材7は、円筒状の仕切り71と円筒状の仕切り71の一端に固設したフランジ72とで構成されている。
バーナ4は、内筒5の中心に配置されている。このため、内筒5の内部空間は、排ガスを排出する排ガスラインLgを構成している。
内筒5と外筒6は同心に配置されており、内筒5と外筒6とによって環状の空間56が形成されている。内筒5と外筒6は上端部で環状の蓋56Tに接続しており、以って、環状の空間56の上端は蓋56Tによって閉塞されている。
【0025】
内筒5、外筒6の下端の一部は切欠きが形成され、図1では、内筒5の切欠きLA5の上縁部は、外筒6の切欠きLA1の上縁部よりも、図1において上方に位置している。
切欠きLA5、LA1については、燃料用空気供給ライン(以下、第1の空気供給ラインと言う)LAに関連して後述する。
【0026】
仕切り部材7の円筒状の仕切り71の直径は、内筒5の外径よりも大きく、外筒6の内径よりも小さい数値に設定されている。仕切り部材7は、内筒5、外筒6と同心に配置され、フランジ72により基台3の上面に据え付けられている。
図1において、仕切り部材7の仕切り71の高さ寸法は、内筒5及び外筒6の高さ寸法よりも小さい。
【0027】
燃焼筒2は、第1の空気供給ラインLAを有している。第1の空気供給ラインLAは、上記切欠きLA1、LA5と、環状の隙間LA2、LA3、LA4によって構成されている。
環状の隙間LA2は、外筒6と仕切り71によって形成されている。
環状の隙間LA3は、外筒6の上方領域と、内筒5の上方領域とによって形成されている。
環状の隙間LA4は、仕切り71と内筒5によって形成されている。
空気供給ラインLAの領域において、領域LA2〜LA4は、バーナ4に供給される空気が、バーナ4の燃焼排ガスによって予熱される予熱用流路を構成している。
【0028】
内筒5の外周5o側には、らせん状のガイド9が形成されている。
らせん状のガイド9を設けることにより、予熱用流路を構成する領域LA3、LA4を流れる空気がらせん状の流路を流れ、以って、バーナ4に供給される空気が予熱される時間を長くすると同時に、均一に空気を流入させている。
【0029】
ここで、らせん状ガイド(9)の燃焼筒軸方向ピッチと、内筒5の半径方向外方壁面(内筒5外壁)と仕切り部材7(71)の半径方向内方の壁面(仕切り部材7、71内壁)との間隔δは、次の2つの条件を満たす様に設定されている。
(1) 燃焼用空気が予熱用流路LA2〜LA4を流れるのに要する時間が、燃焼用空気が所定温度まで予熱されるのに十分な時間である。
(2) 燃焼用空気流速を5m/s以下とすることで圧力損失を無視できるレベルに保持し、燃焼用空気が予熱用流路LA2〜LA4を流れて、バーナ4へ確実に供給される。
なお、図1において矢印Fは燃焼用空気の流れを示している。
【0030】
外筒6の外周側には、断熱材8が被覆されている。
内筒5における切欠きLA5の近傍には、バーナ4に供給される空気の温度を計測するための温度センサStが取付けられている。
また、内筒5の内壁部5iには、一酸化炭素(CO)、メタン(CH)、スス(C)のいずれかを検出する排ガス状態監視センサSgが取付けられている。ここで、排ガス状態監視センサSgは、バーナ4の燃焼排ガス中に、一酸化炭素、メタン、ススの何れかが含有されているか否かを検出し、以って、バーナ4が不完全燃焼をしているか否かを判断するために設けられている。
【0031】
燃焼筒2には、バーナ4の燃焼状態を観察するための覗き孔21または火炎を検知する検知器が、図1では2箇所に設けられている。
覗き孔21は、断熱材8、外筒6、内筒5を貫通している。2箇所の覗き孔21の内の一方は、バーナ4と同程度の高さ位置であり、他方は、バーナ稼動時の火炎の先端近傍の高さ位置である。
【0032】
図1において、メタン分離装置1には、図示しないバイオガス供給源からのバイオガス供給ラインL1が連通している。バイオガス供給ラインL1は、分岐点Bにおいて、バイパスライン(バイオガスライン)L3が分岐している。
ここで、バイオガス供給ラインL1を流過するバイオガス(未精製ガス:未処理のガス)の組成は、例えば二酸化炭素(CO)が40%で、メタン(CH)が60%である。
【0033】
メタン分離装置1で二酸化炭素が吸着されて高純度となったメタンガスは、ラインL4を介して、図示しないメタン貯留タンクに搬送される。ここで、メタン分離装置1で分離された高純度のメタンガスは、その組成は、例えば、CHが98%、COが2%である。
メタン分離装置1は、オフガスラインL5を介してバーナ4と連通しており、メタン分離装置1のオフガスはオフガスラインL5を介してバーナ4に供給される。バイパスラインL3は、合流点GでオフガスラインL5と合流する。
オフガスラインL5には開閉弁Vが介装され、バイパスラインL3には開閉弁Vが介装されている。
開閉弁V、Vの開閉制御については、図2、図3を参照して後述する。
【0034】
オフガスラインL5を流れるオフガスの組成は、CHが10〜25%で、COが90〜75%である。
ここで、メタン濃度が10〜25%のオフガスは、メタン濃度が低すぎるため常温では燃焼しない。後述するように、図示の実施形態では予熱用流路LA2〜LA4でバーナ4に供給する空気を予熱して昇温せしめ、昇温した空気をバーナ4に供給して燃焼温度を昇温することにより、オフガス中のメタン濃度が低くても(10〜25%)、当該オフガスを燃焼可能ならしめている。
【0035】
ここで、バーナ4に供給されるオフガス中のメタン(CH)の濃度が想定値よりも高い、あるいはオフガスの圧力が高いと言った事態も想定される。そのような場合には、バーナ4に供給される空気量が不足して、不完全燃焼を生じてしまう可能性がある。
燃焼用空気の不足による不完全燃焼を防止するためには、第1の空気供給ラインLAを経由して供給される燃焼用空気に加えて、調整用の空気ラインを介して調整用空気を供給することが必要となる。
そのため、第1実施形態では、燃焼筒2を据付ける基台3におけるバーナ4の周縁部(図1では2箇所)に、調整用空気ライン(第2の空気供給ライン)La1、La2を設けている。
図1における符号Fは、調整用空気の流れを示している。
【0036】
調整用空気ラインLa1、La2には、それぞれ調整弁Va1、Va2が介装されている。
上述した様に、内筒5の内壁5iには排ガス状態センサSgが取り付けられており、センサSgは、燃焼排ガス中に含まれる一酸化炭素(CO)、メタン(CH)、スス(C)の何れかを検出する。
なお、調整弁Va1、Va2の開度制御の詳細については、図2、図4を参照して後述する。
【0037】
図2は、図1に制御系の構成を付加した状態を示している。
図2において、全体を符号101で示すオフガス燃焼装置は、制御装置であるコントロールユニット10を備えている。
コントロールユニット10は、入力信号ラインLi1によって温度センサStと接続しており、入力信号ラインLi2によって排ガス状態センサSgと接続している。
また、コントロールユニット10は、制御信号ラインLo1によって開閉弁Vと接続しており、制御信号ラインLo2によって開閉弁Vと接続されている。
さらに、コントロールユニット10は、制御信号ラインLo3によって調整弁Va1と接続しており、制御信号ラインLo4によって調整弁Va2と接続している。
【0038】
次に図3のフローチャートに基づいて、図2で示すオフガス燃焼装置101における開閉弁V、Vの開閉制御について説明する。
図3のステップS1では、バーナ4の燃焼が開始されるまで(始動時まで)待機している(ステップS1がNOのループ)。始動時となったなら(ステップS1がYES)、ステップS2に進む。
【0039】
上述した様に、始動時は燃焼排ガスにより燃焼用空気を十分に予熱することが困難であるので、オフガスを供給してもバーナ4では燃焼しないので、メタン濃度が高いバイオガスをバーナ4へ供給する。そのため、ステップS2では、コントロールユニット10は、バイパスラインL3の開閉弁Vを開放する旨の制御信号を、制御信号ラインLO2を介して開閉弁Vへ送信する。そして、さらにオフガスラインL5の開閉弁Vを閉鎖する旨の制御信号を、制御信号ラインLO1を介して開閉弁Vへ送信する。そしてステップS3に進む。
ここで、オフガスラインL5の開閉弁Vを閉鎖した後に、バイパスラインL3の開閉弁Vを開放した場合には、バーナ4が燃料切れで失火する恐れがある。そのため、バイパスラインL3の開閉弁Vを開放した後に、オフガスラインL5の開閉弁Vを閉鎖する。
【0040】
ステップS3ではバーナ4に供給する空気温度Tcを計測し、ステップS4では、計測した空気温度Tcがしきい値以上であるか否かを判断する。バーナ4に供給する空気温度Tcがしきい値以上であれば(ステップS4がYES)、ステップS5に進み、空気温度Tcがしきい値未満であれば(ステップS4がNO)、ステップS6に進む。
なお、「しきい値」については、バーナ4やメタン分離装置1の仕様、メタン分離装置1の吸着剤の再生条件、その他の運転条件により、ケース・バイ・ケースで設定される。
【0041】
ステップS5では、バーナ4に供給する空気温度Tcがしきい値以上となり、予熱用流路LA4を流れる空気がバーナ4の排ガスによって十分予熱される状態となっているので、コントロールユニット10は、制御信号ラインLO1によって開閉弁Vに制御信号を送り、オフガスラインL5の開閉弁Vを開放する。その後、制御信号ラインLO2によって開閉弁Vに制御信号を送り、バイパスラインL3の開閉弁Vを閉鎖する。そしてステップS7に進む。
【0042】
ステップS6では、バーナ4に供給する空気温度Tcがしきい値より低温であり、予熱用流路LA4を流れる空気がバーナ4の排ガスによって十分予熱される状態ではないと判断される。ここで、バーナ4に供給する空気温度Tcがしきい値より低温の状態は、始動時のみならず、オフガスのメタン濃度が急激に低下した場合や、オフガス圧力が急激に降下した場合等も該当する。
ステップS6において、コントロールユニット10は、制御信号ラインLO2によってバイパスラインL3の開閉弁Vに制御信号を送り、開閉弁Vを開放する。その後、コントロールユニット10は、さらに制御信号ラインLO1によってオフガスラインL5の開閉弁Vに制御信号を送り、開閉弁Vを閉鎖する。そして、ステップS7に進む。
【0043】
ステップS7では、コントロールユニット10は、オフガス燃焼装置101が停止であるか否かを判断する。オフガス燃焼装置101が停止であれば(バーナOFF:ステップS7がYES)、ステップS8に進む。一方、オフガス燃焼装置101を停止しないのであれば(ステップS7がNO)、ステップS3に戻る。
ステップS8では、コントロールユニット10は、開閉弁V、Vを閉鎖して、制御を終了する。
【0044】
次に主として図4を参照して、オフガス燃焼装置101における調整弁Va1、Va2の開度制御、すなわち調整用空気供給量の制御について説明する。
図4のステップS11では、排ガス状態監視センサSgによって、排ガス中に一酸化炭素、メタン、ススの何れかが含有されているか否かを計測する。ステップS11で、排ガス中に一酸化炭素、メタン、ススの何れかが含有されていることが検出された場合には、燃焼装置101が不完全燃焼をしていると判断して(ステップS11がYES)、ステップS12に進む。
ステップS11で、排ガス中に一酸化炭素、メタン、ススの何れも検出されない場合には、燃焼装置101は不完全燃焼をしていないと判断して(ステップS11がNO)、ステップS13に進む。
【0045】
ステップS12では、制御信号ラインLO3、LO4を介して調整弁Va1、Va2の弁開度を増加し、調整用空気供給量を増加する制御を行ない、ステップS14に進む。
ステップS13では、制御信号ラインLO3、LO4を介して調整弁Va1、Va2の弁開度を減少し、調整用空気供給量を減少する制御を行ない、ステップS14に進む。
なお、ステップS13において、調整弁Va1、Va2が全閉(弁開度=0)の場合には、調整弁Va1、Va2が全閉の状態を維持する。
【0046】
ステップS14では、バーナ4が停止しているか否かを判断する。バーナ4が停止していれば(ステップS14がYES)、そのまま制御を終了する。
バーナ4が稼動していれば(ステップS14がNO)、ステップS11まで戻る。
なお、図4で示す制御は、図示しないオペレータによるマニュアル操作であっても良いし、いわゆる自動制御であっても良い。
【0047】
図1〜図4の第1実施形態によれば、燃焼用空気が予熱用流路LA2〜LA4を流れる際に、バーナ4の燃焼排ガスと熱交換を行ない、予熱されて昇温する。そして、高温の燃焼用空気がバーナ4に供給されるので、オフガスのメタン濃度が10%〜25%程度と薄くても、バーナ4は燃焼可能となる。
その結果、オフガスに含有されるメタンは、オフガス燃焼装置101によって確実に燃焼し、温暖化係数が二酸化炭素(CO)の20〜30倍のメタンが大気へ放散されてしまうことが未然に防止され、地球温暖化に悪影響を与えてしまう恐れが無い。
また、オフガスに含有されるメタンを燃焼するため、都市ガス等の燃料を別途消費する必要が無い。特別な機器を別途設置する必要も無い。
【0048】
第1実施形態に係るオフガス燃焼装置101は、燃焼筒2において、オフガスの流れにより生じた負圧により燃焼用空気が吸引されるので、別途、ポンプやブロワを設ける必要がない。すなわち、第1実施形態によれば、オフガスに含有されるメタンを燃焼するため、特別な機器を別途設置する必要も無い。
【0049】
また、第1実施形態に係るオフガス燃焼装置101では、オフガスラインL5及びバイパスラインL3の各々に開閉弁V、Vが介装され、適宜開閉制御されるので、例えば始動時のように、バーナ4の燃焼排ガスにより燃焼用空気を予熱することが困難な場合は、バーナ4にはオフガスは供給せずに、未精製ガス(バイオガス)を供給するように構成されている。
未精製ガスのメタン濃度は約60%であるため、バイオガスはバーナ4で確実に燃焼され、高温の燃焼排ガスを生じる。その結果、燃焼用空気を予熱することが可能となる。
そして予熱が十分に行われれば、未精製ガスのバーナ4への供給を遮断して、バーナ4にオフガスを供給すればよい。
このように、どのような状況においても、バーナ4における燃焼を確実に行い、オフガスの燃焼を可能にしている。
【0050】
さらに第1実施形態に係るオフガス燃焼装置101は、燃焼用空気ラインLAに合流してバーナ4に調整用空気を供給する第2の空気ライン(調整用空気ライン)La1、La2を設けているので、燃焼用空気の不足によりバーナ4が不完全燃焼を起こした場合には、調整用空気ラインLa1、La2を介してバーナ4に供給される空気量を増加して、バーナ4が完全燃焼するようにすることが可能になる。
【0051】
次に、図5、図6を参照して第2実施形態を説明する。
図1〜図4の第1実施形態はバーナが1個(いわゆる「シングルバーナタイプ」)であるのに対して、図5、図6の第2実施形態は、8個のバーナを備えた(いわゆる「マルチバーナタイプ」)燃焼装置である。
図5において、第2実施形態に係るオフガス燃焼装置は、全体を符号102で示している。
【0052】
図5において、オフガス燃焼装置102は、8個のバーナ(4−1〜4−8:図6参照)を有する燃焼部20と、以下に述べる配管類及び各種の弁を収容したフレーム11とを備えている。
フレーム11の下端の4隅には、キャスター(車輪)12が取付けられ、オフガス燃焼装置102を移動可能としている。
フレーム11の最下方には、メタン分離装置1からのオフガスが流れるオフガスラインL5のオフガス取合Iと、未処理のガス(未精製ガス、バイオガス)が流れるバイパスラインL3のバイオガス取合Iとが設けられている。
【0053】
オフガス取合IはオフガスラインL50と接続されており、オフガスラインL50はフレーム11の最下方に配置されている。
バイオガス取合IはバイオガスラインL30と接続されており、オフガスラインL30はフレーム11の最下方に配置されている。
オフガスラインL50とバイオガスラインL30とは、合流管Gで合流しており、合流管GはラインL60と接続され、ラインL60は分岐管B2に接続されている。
分岐管B2は2本のラインL6A、L6Bに分岐しており、ラインL6Aには別の分岐管B3が介装され、分岐管B3においてラインL6AとラインL61に分岐している。
ラインL6Aは分配管R6Aに接続し、ラインL6Bは分配管R6Bに接続している。
【0054】
燃焼部20における8個のバーナの配置は、図6(図5のX-X断面矢視図)で示されている。
図6において、8個のバーナ(4−1〜4−8)は図示しないピッチ円上に等間隔で配置されている。
バーナ4−1は、前記ラインL61が接続されている。
バーナ4−2〜4−5は、図6では2点鎖線で囲って示すグループBAにおけるバーナであり、分配管R6Aと接続されている。
バーナ4−6〜4−8は、図6では2点鎖線で囲って示すグループBCにおけるバーナであり、分配管R6Bと接続されている。
【0055】
図5、図6において、符号50は第1の筒状体を示し、符号60は第2の筒状体を示している。そして、第1の筒状体50と第2の筒状体60で挟まれた円環状の領域が、複数のバーナの燃焼排ガスが流れる燃焼排ガスラインLgを構成している。
符号LA2〜LA4は、第1の空気供給ラインLAを構成する環状隙間を示しており、バーナに供給される燃焼用空気は、環状空間LA2、LA3、LA4を流れてバーナに供給される。
【0056】
図5、図6において、符号55は第1の筒状体50における半径方向外方の筒状部材を示しており、符号75は第1の筒状体50における仕切り部材を示している。
同様に、符号58は第2の筒状体60における半径方向内方の筒状部材を示しており、符号78は第1の筒状体50における半径方向外方の筒状部材を示している。
第2の筒状体60内にも仕切り部材77が設けられている。
【0057】
流路LC2、LC4は連続しており、第1の筒状体50における燃焼用空気の流路を構成しているが、流路LC2は仕切り75により流路LC4と仕切られている。
図5において、第1の筒状体50では、バーナに供給される燃焼用空気は、流路LC2を上方に向かって流れ、その後、流路LC4を下方に向かって流れる間に、燃焼排ガスラインLgを流れる燃焼排ガスと熱交換を行なう。
また、流路LA2〜LA4も連続しており、第2の筒状体60における燃焼用空気の流路を構成している。第2の筒状体60において、バーナに供給される燃焼用空気は、流路LA2を上方に向かって流れ、流路LA4を下方に向かって流れる間に、燃焼排ガスラインLgを流れる燃焼排ガスと熱交換を行なう。
【0058】
図5では明確には図示されていないが、第1の筒状体50における流路LC4と、第2の筒状体60における流路LA4には、らせん状に配置されたガイド部材(図1におけるガイド部材9に相当)が設けられている。
第1の筒状体50における流路LC4と、第2の筒状体60における流路LA4とを流れる燃焼用空気が燃焼排ガスラインLgを流れる燃焼排ガスと熱交換を行なう時間を長くして、燃焼用空気を十分に昇温するためである。
なお、当該らせん状に配置されたガイド部材を、第2の筒状体60における流路LA4にのみ設けても良い。
【0059】
各バーナの点火順序は、最初にバーナ4−1が点火され、その後、グループBA、グループBCが同時に、或いは何れかのグループが先に点火される。
複数のバーナの配置や点火順序については、従来技術と同様であるので、詳細な説明は省略する。
なお、図5における符号「L6N」のNは、N番目の分岐管であることを示している。
【0060】
図5において、比較的太い実線の矢印Fは、オフガスの流れを示し、比較的太い破線の矢印Fは、未処理のバイオガスの流れを示す。
また、燃焼部20における比較的太い点線の矢印Fは、供給空気(燃焼用空気)の流れを示す。
第1実施形態と同様に、ラインL60以降にはオフガス(矢印F)が流れているが、始動時等、第1の空気供給ラインLAを流れる空気の温度がしきい値よりも低温である場合には、未処理のバイオガス(矢印F)が流れる。
【0061】
図示は省略しているが、図5、図6の第2実施形態におけるオフガス燃焼装置102も、第1実施形態と同様に、第2の空気供給ライン(調整用空気を供給するライン)を備えている。
図5において、コントロールユニットや各種センサ類、及びコントロールユニットと各種センサ類及び各種の弁を接続する信号ラインは、図示を省略している。
【0062】
第2実施形態のオフガス燃焼装置102は、燃焼除去するオフガスの量が多い場合に適している。
図5、図6の第2実施形態は、上記した構成及び作用効果を除いて、図1〜図4の第1実施形態と同様である。
【0063】
図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定する趣旨の記述ではないことを付記する。
【符号の説明】
【0064】
1・・・メタン分離装置
2・・・燃焼筒
3・・・基台
4・・・バーナ
5・・・内筒
6・・・外筒
7・・・仕切り部材
8・・・断熱材
9・・・ガイド部材
10・・・制御手段/コントロールユニット
11・・・フレーム
12・・・キャスター
20・・・燃焼部
L1・・・バイオガス供給ライン
L3・・・バイパスライン/バイオガスライン
L5・・・オフガスライン
LA・・・第1の空気供給ライン
Lg・・・排ガスライン
St・・・温度センサ
Sg・・・排ガス状体監視センサ
・・・開閉弁
・・・開閉弁
a1、Va2・・・調整弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バイオガスからメタンを分離するメタン分離装置のオフガスを燃焼するオフガス燃焼装置において、メタン分離装置のオフガスが流れてバーナに連通するオフガスラインと、該オフガスラインにより供給されるオフガスを燃焼するバーナと、バーナ及びその下流側を包囲して燃焼排ガスラインを構成する燃焼筒と、オフガスの流れが生成する負圧により吸引されてバーナへ供給される燃焼用空気が流れる燃焼用空気ラインとを備え、該燃焼用空気ラインは燃焼筒内部に形成された予熱用流路を有していることを特徴とするオフガス燃焼装置。
【請求項2】
前記予熱用流路は、燃焼筒内部に設けられた環状空間により構成されており、該環状空間を半径方向内方の領域と半径方向外方の領域とに区分する仕切り部材と、該環状空間の半径方向内方壁面に設けられたらせん状ガイドとを有している請求項1記載のオフガス燃焼装置。
【請求項3】
メタン分離装置をバイパスしてバーナに未精製ガスを供給するバイオガスラインを備えており、オフガスライン及びバイオガスラインには各々に開閉弁が介装されており、バーナに供給される燃焼用空気の温度を計測する温度計測装置と、制御装置とを備えており、該制御装置は、温度計測装置により計測された温度がしきい値よりも低い場合には、オフガスラインに介装された開閉弁を閉鎖してバイオガスラインに介装した開閉弁を開放し、温度計測装置により計測された温度がしきい値以上である場合には、オフガスラインに介装された開閉弁を開放してバイオガスラインに介装した開閉弁を閉鎖する機能を有しているオフガス燃焼装置。
【請求項4】
燃焼用空気ラインに合流してバーナに空気を供給する第2の空気ラインを設けており、該第2の空気ラインには流量調整弁が介装されている請求項3記載のオフガス燃焼装置。
【請求項5】
請求項3、4の何れかのオフガス燃焼装置の制御方法において、温度計測装置によりバーナに供給される燃焼用空気の温度を計測する工程と、温度計測装置により計測された温度がしきい値よりも低い場合にオフガスラインに介装された開閉弁を閉鎖してバイオガスラインに介装した開閉弁を開放する工程と、温度計測装置により計測された温度がしきい値以上である場合には、オフガスラインに介装された開閉弁を開放してバイオガスラインに介装した開閉弁を閉鎖する工程を有することを特徴とするオフガス燃焼装置の制御方法。
【請求項6】
請求項4のオフガス燃焼装置の制御方法において、バーナの燃焼排ガスに一酸化炭素)、メタン、ススの何れかが包含されているか否かを検出する検出工程と、該検出工程でバーナの燃焼排ガスに一酸化炭素、メタン、ススの何れかが包含されている場合には、バーナが不完全燃焼を起こしていると判断して、流量調整弁の弁開度を増加して、第2の空気ラインを介してバーナに供給される空気量を増加する工程を有していることを特徴とするオフガス燃焼装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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