説明

オフライン自動販売機のポイント及び商品管理システム

【課題】携帯端末による通信機能を利用してオフライン自動販売機からのキャンペーン商品購入情報を入手してポイントを付与するシステムを提供する。
【解決手段】オフライン自動販売機20にリーダー24を取付け、キャンペーン期間中待機状態とし、自動販売機20上の商品の選択ボタン22を押した後、リーダー24を一定時間有効にする。携帯端末100は非接触通信部120を搭載し、リーダー24に携帯端末のIDを送信する。リーダー24は携帯端末100内の非接触通信部120に、購入商品情報及び購入時間情報とともにリーダーID、携帯IDを含むサーバーアドレスを返信する。携帯端末100はキャンペーン期間待機中のサーバー50に接続し、購入商品情報及び購入時間情報とともに携帯IDとリーダー24IDとをキャンペーンサーバー50に送信し、携帯IDとリーダー24IDを照会し、ポイントを付与し、結果を携帯端末100に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オフライン自動販売機からキャンペーン期間中の商品の購入情報を非接触通信機能を搭載した携帯端末の無線通信機能を利用して入手し、キャンペーン期間中のポイント及び商品管理を行うシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、非接触通信機能を用いた電子マネーが普及してきており、携帯電話端末などの携帯端末にもその機能が搭載された機種が販売されている。
【0003】
一方、飲み物その他を販売する自動販売機において、電子マネーを用いた代金決済が行える機器が出現している。
【0004】
そのような自動販売機において携帯端末により商品を購入する場合、ユーザーは自動販売機に設けられた商品選択ボタンを押して、希望の商品を選択した後、自動販売機の所定の箇所に携帯端末を接触または接近させることにより、非接触通信機能による無線インタフェースを介して、代金の決済が試みられる。この決済が成功すれば、当該商品が商品取り出し口に排出される。
【0005】
なお、このような電子マネーによる決済機能を備えた自動販売機については例えば特許文献1,2に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−30725号公報
【特許文献2】特開2005−165764号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、自動販売機で電子マネーによる決済機能を備えさせるには通信機能を有する新規オンライン自動販売機に入れ替える必要があり、既に多くの自動販売機が設置された現状にあっては、オンライン自動販売機に入れ替え又は改善することは困難である。他方、商品キャンペーンは期間中のポイントの付与に伴い、商品の購買力を向上させるだけでなく、自動販売機にこのようなポイント付与が可能なキャンペーン運営機能を持たせることは販売計画を立てる上で、重要である。
【0008】
本発明はこのような背景において、オフラインの既設の自動販売機であっても非接触通信機能を搭載した携帯端末の無線通信機能を利用することによりキャンペーン運営機能を持たせるシステムを構築することを企図するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、オフライン自動販売機のキャンペーン期間中の商品の購入に伴い、携帯端末にポイントを付与するシステムにあり、
非接触通信機能を搭載し、インターネットを介して特定のサーバーと無線通信可能な携帯端末と、少なくとも予め決められたキャンペーン期間中ユーザーが商品を購入する毎に一定時間有効となるリーダーを搭載したオフライン自動販売機と、少なくとも予め決められたキャンペーン期間中携帯端末からの通信を受けて自動販売機の商品購入情報を管理するキャンペーンサーバーとからなり、
ユーザーが自動販売機からキャンペーン期間中商品を購入することによりリーダーを有効化し、ユーザーが携帯端末を有効化した自動販売機のリーダーに近付けて携帯IDを送信すると、自動販売機のリーダーは携帯端末に、少なくとも商品購入情報及び購入時間情報とリーダーID及び携帯IDを含むキャンペーンサーバーアドレスとを送信し、
次いで携帯端末は入手したキャンペーンサーバーアドレスに基づいて待機するキャンペーンサーバーに接続し、商品購入情報及び購入時間情報とともに携帯ID及びリーダーIDを送信し、
キャンペーンサーバーは受信した携帯IDとリーダーIDを照会し、キャンペーン期間中の商品購入情報及び購入時間情報に基づきポイントを付与し、携帯端末に結果情報を送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、自動販売機がオフライン形式のものであっても商品の購入により有効化するリーダーを付設することにより携帯端末による無線通信機能を利用してポイントを付与し、キャンペーン中の商品購入情報を入手することができる。したがって、既存の自動販売機が通信システムを備えずとも安価なコストでキャンペーン中の商品購入情報を入手してポイントを付与できるので、既設オフライン自動販売機にキャンペーン運営機能を持たせ、販売機能を格段に向上させることができる。
【0011】
本発明システムでは不正な情報を如何にして判別するかが重要となるが、携帯端末からサーバーに送信される情報が適正であるか否かを判別するために購入時間情報をサーバーに送信するので、同一商品の購入情報に2以上のキャンペーン参加があっても最先の時間信号を伴う商品購入情報を適正とし、ポイントを付与することにより不正を防止することができる。
【0012】
また、本発明システムでは前記リーダーは、商品情報を1回送信した後非有効化することにより不正介入を防止することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態による自動販売システムの全体の構成例を示す図である。
【図2】本発明で用いる非接触通信機能搭載の携帯端末のブロック構成図である。
【図3】本発明の自動販売機からの商品購入時の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0015】
図1は、本実施の形態による自動販売システムの全体の構成例を示している。
【0016】
このシステムは、自動販売機20と、携帯電話等の携帯端末100と、通信ネットワーク40上のサーバー50とを含む。通信ネットワーク40はインターネットや他の任意のネットワークをいう。自動販売機20は、非接触通信のリーダー24を内蔵し、所定の商品を購入することにより一定時間有効化するように制御される。携帯端末100は基地局30を介して通信ネットワーク40に接続される。サーバー50は、携帯端末からの通信情報を受け、本発明における商品情報及びポイント情報を管理する。
【0017】
携帯端末100の相手機器である自動販売機20の前面には、通常販売対象の個々の商品の商品見本21と、これに対応した選択ボタン(選択操作部)22が複数組配置されている。別途、自動販売機20には適宜キャンペーン期間を表示し、ポイント付与期間を明示する。商品購入時の音声通知であってもよい。本発明では、自動販売機20は、非接触通信のアンテナ機能部24aを備えるリーダー24を内蔵し、該リーダー24は自動販売機20を制御しているマスターボックスMBと接続しており、携帯端末100の非接触通信部120をかざす部分がアンテナ機能部24aに相当する。キャンペーン商品を購入すると所定時間リーダー24は有効化され、携帯端末100の非接触通信部120との間でコマンドやデータを授受するようになっている。ここでは、携帯端末100をリーダー24にかざすと、携帯IDがリーダー24に送信され、リーダー24からは購入商品情報および購入時間情報と携帯ID及びリーダーIDを含むキャンペーンサーバーアドレスが携帯端末100に送信されるようになっている。
【0018】
なお、自動販売機は、商品の価格等の情報の表示部23、商品取り出し口25、紙幣挿入口26、硬貨投入口27、おつり返却レバー28、おつり返却口29が配置されている。
【0019】
図2はいわゆる非接触通信機能(例えば、Felica機能)を備えた一般の携帯電話のブロック図で、この携帯端末100は、制御部105を中心とし、これに対してデジタル信号処理部103、表示部106、操作部107、外部I/F部108、振動部(バイブレータ)109、RTC(Real Time Clock)110、非接触通信部120が接続されて構成される。
【0020】
非接触通信部120は、携帯端末100に対して非接触通信機能を付与する部位であり、通信制御部121とメモリ122とアンテナ123を含む。
【0021】
制御部105は、携帯端末100の機能を実現する主要部であり、CPU、EEPROM、Flash、ROM、RAM、等を含む。制御部105は、本実施の形態では、さらに非接触通信部120との間でコマンドやデータの授受を行うためのカードインタフェースモジュールを含む。カードインタフェースモジュールは、制御部105の一部として組み込まれたソフトウェアモジュールである。
【0022】
デジタル信号処理部103は、マイク115を接続した音声入力部101、スピーカ116を接続した音声出力部102、アンテナ112を接続したRF入出力部104とがそれぞれ接続され、デジタル音声信号等のエンコード、および、デジタル音声信号等へのデコード等を行う。音声入力部101は、マイク115からのアナログ音声信号をデジタル信号に変換し、マイクアンプ、フィルタ、A/D変換器、等で構成される。音声出力部102は、受信したデジタル音声信号をスピーカ駆動し、D/A変換器、フィルタ、スピーカアンプ、等で構成される。RF入出力部104は、基地局との間で高周波送受信を行う。
【0023】
表示部106は、ユーザーに対して情報を表示出力し、LCDドライバ、LCD表示デバイス、等で構成される。操作部107は、ユーザーが携帯端末100に対して操作情報を入力するため、キーボード、ジョグダイヤル等で構成される。外部I/F部108は、外部装置との間のインタフェースを提供し、通信インタフェース回路等を含む。
【0024】
非接触通信部120は、制御部105のカードインタフェースモジュールと接続され、内部に専用の通信制御部121、データやプログラム等を保持する不揮発性メモリであるメモリ122等を備える。非接触通信部120は、非接触通信の無線通信のためのアンテナ123を介してリーダー24との間でデータ等の授受を行う。
【0025】
図3は、本実施の形態における自動販売機20の処理手順の一例を示したフローチャートである。
【0026】
自動販売機20は、入金されると待機状態から販売状態となり、商品が選択され、決済されると、商品取り出し口25に商品の排出(商品提供)を行うとともにリーダー24が有効化され、図示しないマスターボックスからコラム購入商品情報と購入時間情報を受ける。
【0027】
携帯端末100は、外部から非接触通信部120へのアクセスがあったとき、すなわち、携帯端末100が自動販売機20のリーダー24に接近したとき、リーダー24は携帯端末100から携帯IDを受信し、携帯端末100は自動販売機のリーダー24から購入商品情報、自動販売機のリーダーID、購入時間情報、携帯端末IDを暗号化して付加したサーバーアドレスを受信する。リーダー24は前記情報の送信後無効化するようにしてもよい。リーダー24から送信されるデータは購入者に誤りなくキャンペーン商品の購入ポイントを付与するに必要なデータ、少なくとも購入商品情報、購入時間情報、携帯ID、リーダーIDを暗号化してキャンペーンサーバーアドレスに付加して送信されればよいが、必要に応じてマスターボックスからコラム別購入数情報、売り切れ発生時には売り切れコラム情報を受け、付加することもできる。故障発生時には故障コードも付加して携帯端末を介して送信することができる。
【0028】
次いで、携帯端末100のブラウザを起動し、無線通信機能を利用してインターネットを介してキャンペーンサーバー50と接続する。キャンペーンサーバー50は予め決められたキャンペーン期間中待機状態にあり、携帯端末100からの暗号データを受けてこれを復号化し、データが不正か否かを判別し、不正データであるとエラー情報を送信し、不正でない場合は次いで、同じリーダーからの連続ポイント請求かどうかを判別し、連続請求の場合はエラー情報を送信し、正当な請求であれば、ポイント付与に移り、ポイント集計とともにポイント取得結果情報を送信する。
【0029】
携帯端末100は上記キャンペーンサーバー50からのポイント取得結果情報を受け、これを表示する。
【0030】
以上の説明で明らかなように、本発明によれば、自動販売機に通信機能を持たせてオンライン状態にしなくてもオフライン状態で各自動販売機のリーダーを介して購入者の携帯端末と通信し、携帯端末の通信機能を利用してキャンペーンサーバーと接続するようにしてキャンペーンポイントを付与することができるので、安価な費用で自動販売機にキャンペーン運営機能を持たせ、自動販売機の販売機能を高めることができる。
【符号の説明】
【0031】
20…自動販売機、24…リーダー、30…基地局、40…通信ネットワーク、50…キャンペーンサーバー、100…携帯端末、120…非接触通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非接触通信機能を搭載し、インターネットを介して特定のサーバーと無線通信可能な携帯端末と、少なくとも予め決められたキャンペーン期間中ユーザーが商品を購入する毎に一定時間有効となるリーダーを搭載したオフライン自動販売機と、少なくとも予め決められたキャンペーン期間中携帯端末からの通信を受けて自動販売機の商品購入情報を管理するキャンペーンサーバーとからなり、
ユーザーが自動販売機からキャンペーン期間中商品を購入することによりリーダーを有効化し、ユーザーが携帯端末を有効化した自動販売機のリーダーに携帯IDを送信すると、自動販売機のリーダーは携帯端末に、少なくとも商品購入情報及び購入時間情報とリーダーID及び携帯IDを含むキャンペーンサーバーアドレスとを送信し、
次いで携帯端末は入手したキャンペーンサーバーアドレスに基づいて待機するキャンペーンサーバーに接続し、商品購入情報及び購入時間情報とともに携帯ID及びリーダーIDを送信し、
キャンペーンサーバーは受信した携帯IDとリーダーIDを照会し、キャンペーン期間中の商品購入情報及び購入時間情報に基づきポイントを付与し、携帯端末に結果情報を送信することを特徴とするオフライン自動販売機のポイント及び商品管理システム。
【請求項2】
携帯端末からサーバーに送信される情報が適正であるか否かをサーバーに送信される商品の購入時間情報により、同一の商品購入情報の最先の購入時間情報を伴う商品購入情報を適正とし、携帯端末毎にポイントを付与し、サーバーで管理する請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記リーダーは、商品情報を1回送信した後、または所定時間経過後非有効化する請求項1記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−238065(P2011−238065A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−109563(P2010−109563)
【出願日】平成22年5月11日(2010.5.11)
【出願人】(510129381)有限会社創報堂 (1)
【出願人】(510129392)
【Fターム(参考)】