説明

オリゴマー環状エーテルの解重合

本発明は、テトラヒドロフラン単量体を回収するための、少なくとも1種のテトラヒドロフランと少なくとも1種のその他の環状エーテルの共重合から生成されるオリゴマー環状エーテルを含んでなる混合物の解重合法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【関連出願に対する相互参照】
【0001】
本出願はPCT出願第(ドケットPI1990)、(ドケットPI2000)および(ドケットPI2070)として2009年12月11日に同時出願された出願に関連する。
【技術分野】
【0002】
本発明は、テトラヒドロフランのような低分子量の反応生成物を調製するための、オリゴマー環状エーテルを含んでなる混合物の改善された解重合法に関する。より具体的には、本発明は、主としてテトラヒドロフランを含んでなる反応生成物を生成するための解重合反応条件下での特定の酸触媒上における、オリゴマー環状エーテルを含んでなる混合物の解重合法に関する。更により具体的には、本発明は、テトラヒドロフランを含んでなる反応生成物を生成するための、有効量の特定の解重合反応促進添加物の存在下での、解重合反応条件下における特定の酸触媒上での、オリゴマー環状エーテルを含んでなる混合物の解重合法、反応生成物からのテトラヒドロフランの回収並びに回収テトラヒドロフランの精製、に関する。本発明はまた、解重合速度を増加するための、有効量の特定の解重合反応促進添加物の存在下での、解重合反応条件下における特定の酸触媒上での、オリゴマー環状エーテルを含んでなる混合物の解重合法に関する。
【背景技術】
【0003】
コポリエーテルグリコールとしても知られる、テトラヒドロフラン(THF)と少なくとも1種のその他の環状エーテルの共重合体は、特に環状エーテルにより付与される低下した結晶化度が、ソフトセグメントとしてこのような共重合体を含むポリウレタンおよびその他のエラストマーの特定の動力学的特性を改善することができる場合に、ポリウレタンおよびその他のエラストマー中のソフトセグメントとしての使用に対して知られている。この目的に使用される環状エーテルの例は酸化エチレンと酸化プロピレンである。
【0004】
THFと少なくとも1種のその他の環状エーテルの共重合体は当該技術分野で周知である。それらの調製は例えば、Heinsohn等により特許文献1に、Pruckmayrにより特許文献2および3に、並びに特許文献4に開示されている(特許文献1、2、3、4参照)。このような共重合体は例えば非特許文献1中に記載された環状エーテル重合のあらゆる知られた方法により調製することができる(非特許文献1参照)。このような重合法は、強プロトンまたはルイス酸による、ヘテロポリ酸による、並びにペルフルオロスルホン酸または酸の樹脂による触媒反応を含む。場合により、特許文献1に開示されたような重合促進剤、例えば無水カルボン酸を使用することは有益かも知れない(特許文献1参照)。これらの場合には、主要な重合体生成物はジエステルであり、それはその後の工程で加水分解してポリエーテルグリコールを得ることが必要である。
【0005】
これらの方法において、粗生成物混合物は、比較的安定な化合物である、約188〜500の分子量をもつ、酸化エチレンと酸化テトラメチレン単位の、副産物オリゴマー環状エーテル(OCE)を含むと考えられる。このような方法に対する供給原料がTHFと酸化エチレンを含んでなる場合には、OCEの収率は、酸化エチレン対THF供給原料の比率に応じて、例えば約5〜約25重量%のOCE範囲にわたる。条件が酸触媒の存在下で適当な方法で実施される場合は、幾らかの解重合が起るが、適当な触媒と十分な熱が適用されないと非常に遅い速度で起る。いずれにせよ、このような解重合が進行すると、より高い粘度をもつ、より高分子のコポリエーテルが形成し、タールの形成をもたらす。例えば、特許文献5は、共重合体生成物のOCE含量は特定の条件下で、生成物をカチオン交換樹脂と接触させることにより低下させることができることを示している(特許文献5参
照)。このような方法に対する重大な欠点は、共重合体生成物中の開放グリコール鎖が解オリゴマーされ、生成物の分子量分布に重大な影響を伴うことである。
【0006】
解重合の機序は例えば、ポリテトラヒドロフラン誘導体を含む混合物が、ゼオライトベータを含んでなる触媒上で、高温で解重合される特許文献6中に示されている(特許文献6参照)。その他のこのような方法の機序は、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG)が架橋した酸形態のイオン交換樹脂上、高温で解重合されると言われる特許文献7に示されている(特許文献7参照)。特許文献8は、PTMEGを含む廃液(effluent)が高温で硫酸とともに加熱されるPTMEG解重合法を示している(特許文献8参照)。
【0007】
特許文献9は高温におけるこのような方法のための触媒として漂白土の使用を示している(特許文献9参照)。特許文献10は、ポリエチレングリコールを、170〜320℃の高温で金属酸化物の触媒の存在下でエチレングリコールおよびその誘導体に加水分解することができることを示している(特許文献10参照)。特許文献11はPTMEGを解重合するための触媒としてのヘテロ多酸の使用を示している(特許文献11参照)。特許文献12は高温における線状または環状PTMEGの解重合のための触媒として非結晶質シリカ−アルミナの使用を示している(特許文献12参照)。特許文献13は、PTMEGが触媒としてのジルコニアとシリカの混合物上で解重合される方法に関する(特許文献12参照)。
【0008】
特許文献14はシリコタングステン酸触媒上における、高温における環状PTMEGの解重合法を示している(特許文献14参照)。特許文献15は解重合機序に対して、促進剤の存在下での触媒としての金属ペルフルオロアルカンスルホネート、例えば(CFSOYの使用を示している(特許文献15参照)。この方法の明白な営業的欠点は触媒の高い価格である。特許文献16はカオリン、非晶質シリカおよび/またはゼオライトXの触媒上での、高温におけるPTMEG解重合を示している(特許文献16参照)。
【0009】
重合供給物として更に有用にするためのTHFの前処理法は、THFが強力な鉱酸、有機スルホン酸、シリカゲルまたは漂白土で処理される特許文献17、THFが部分的に蒸留される特許文献18並びに、そこでTHF重合の色彩の改善がカルボン酸無水物成分の精製に焦点を当てている特許文献19および20中に示されるものを含む(特許文献17、18、19、20参照)。
【0010】
前記刊行物のいずれも、非常に安定で、解重合することがPTMEGより困難な、THFと少なくとも1種のその他の環状エーテルの共重合から生成されるOCEの解重合を示していない。前記のいずれの刊行物も、テトラヒドロフランを含んでなる反応生成物を生成するための、特定の解重合反応促進添加物の存在下における、温度および接触時間を含む適切な解重合反応条件下における特定の酸触媒上での、OCEを含んでなる混合物の解重合法を示していない。前記刊行物のいずれも、PTMEGとその共重合体生産のための高品質のTHFを生成する解重合生成物を精製するための工程を含む、OCEを含んでなる混合物の解重合法を示していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第4,163,115号明細書
【特許文献2】米国特許第4,120,903号明細書
【特許文献3】米国特許第4,139,567号明細書
【特許文献4】米国特許第4,153,786号明細書
【特許文献5】米国特許第4,202,964号明細書
【特許文献6】米国特許第6,429,321号明細書
【特許文献7】米国特許第3,925,484号明細書
【特許文献8】米国特許第4,115,408号明細書
【特許文献9】米国特許第4,363,924号明細書
【特許文献10】米国特許第4,806,658号明細書
【特許文献11】特開昭60−109584号明細書
【特許文献12】特開昭62−257931号明細書
【特許文献13】特開平11−269262号明細書
【特許文献14】特開昭61−11593号明細書
【特許文献15】国際公開出願第95/02625号パンフレット
【特許文献16】ドイツ特許第4410685号明細書
【特許文献17】米国特許第4,189,566号明細書
【特許文献18】米国特許第4,803,299号明細書
【特許文献19】米国特許第6,403,842号明細書
【特許文献20】米国特許第6,987,201号明細書
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】“Polytetrahydrofuran”, P.Dreyfuss(Gordon & Breach, N.Y.1982)
【発明の概要】
【0013】
本発明は、THFと少なくとも1種のその他の環状エーテルの共重合から生成されるOCE混合物の解重合の、簡単で経済的な方法を提供する。該方法は(1)THFと少なくとも1種のその他の環状エーテル、例えば酸化アルキレン、の共重合から生成されるOCEを含んでなる混合物を単離し、(2)工程(1)の混合物を、場合により、有効量の、以下に更に具体的に説明される特定の解重合反応促進添加物の存在下で、以下に更に具体的に説明される解重合反応条件下で、以下に更に具体的に説明される特定の触媒と接触させ、そして(3)工程(2)から、THFを含んでなる解重合反応生成物流(THF流)を回収する工程、を含んでなる。該方法は更に、(4)工程(3)のTHF流を中和し、(5)工程(4)の期間中に形成されるあらゆる塩から、中和されたTHF流を分離し、(6)工程(5)の、分離され、中和されたTHF流を蒸留して蒸留THF濃厚流を形成し、(7)工程(6)からのTHF濃厚流を場合により乾燥し、そして(8)工程(6)または(7)からのTHF濃厚流から、解重合法で生成されたあらゆる残留エタノールを除去して精製THFを生成する工程、を含んでなることができる。
【0014】
THFと少なくとも1種のその他の環状エーテルの共重合から生成されるOCEを含んでなる混合物は、重合反応工程からの工程流として単離される、工程からの規格外生成物として得られる、等のようなどんな方法でも得ることができる。THFを含んでなる生成物流(THF流)または回収精製THFは、所望される場合は、THF重合反応工程への供給原料として再循環されて、前記工程に、増加した営業的効率をもたらすことができる。
【0015】
所望される場合は、再循環物として使用のための、高価値のTHF単量体を回収するための、THFと少なくとも1種のその他の環状エーテルの共重合から生成される著しく安定なOCEの高い収率の解重合の、簡単で、営業的に経済的な方法を提供することが本発明の目的である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
発明の詳細な説明
THFと少なくとも1種のその他の環状エーテルの共重合から生成されるOCE混合物
の解重合のための、簡単で営業的に経済的な方法が開示される。本発明の方法は、著しく高粘度のタールの形成または生成物の分子量分布の増加を回避し、そして有用な解重合反応生成物の、営業的に許容され得る収率を与えることができる。本発明の方法の一つの態様は、THFと少なくとも1種のその他の環状エーテル、例えば酸化アルキレンの共重合から生成されるOCEを含んでなる混合物を単離し、単離された混合物を、場合により、以後により具体的に説明される有効量の特定の解重合反応促進添加物の存在下で、以後により具体的に説明される解重合反応条件下で、以後により具体的に説明される特定の触媒と接触させ、そしてTHFを含んでなる解重合反応生成物(THF流)を回収する工程を含んでなる。本発明の方法のための、単離されたOCE供給原料のための原料をもたらす重合法は、THFと少なくとも1種のその他の環状エーテル、例えば酸化アルキレンの共重合のあらゆる知られた方法であることができる。本発明のその他の態様は更に、THF流を中和することによりTHF流のTHFを精製し、中和期間に形成されるあらゆる塩から、中和されたTHF流を分離し、分離され、中和されたTHF流を蒸留して、蒸留されたTHF濃厚流を形成し、場合によりTHF濃厚流を乾燥してTHF濃厚流からあらゆる残留水分とあらゆる残留エタノール副産物を除去して、精製THFをもたらす工程、を含んでなる。
【0017】
本明細書で使用される用語「重合」は別記されない限り、その意味内に用語「共重合」を含む。
【0018】
本明細書で使用される用語「PTMEG」は別記されない限り、ポリテトラメチレングリコールを意味する。PTMEGはINVISTA Terathane(登録商標)ポリエーテルグリコールの一般名である。
【0019】
本明細書に単数形で使用される用語「コポリエーテルグリコール」は別記されない限り、テトラヒドロフランと、ポリオキシブチレン・ポリオキシアルキレン・グリコールとしても知られる、酸化1,2−アルキレンのような少なくとも1種のその他の環状エーテルの共重合体を意味する。コポリエーテルグリコールの一例はテトラヒドロフランと酸化エチレンの共重合体である。このコポリエーテルグリコールはまた、ポリ(テトラメチレン−コ−エチレンエーテル)グリコール(poly(tetramethylene−co−ethyleneether)glycol)としても知られる。
【0020】
本明細書で使用される用語「THF」は別記されない限りテトラヒドロフランを意味し、その意味内にTHFと共重合可能なアルキル置換テトラヒドロフラン、例えば2−メチルテトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒドロフランおよび3−エチルテトラヒドロフランを含む。
【0021】
本明細書で使用される用語「酸化アルキレン」は別記されない限り、その酸化アルキレン環内に2、3または4個の炭素原子を含む化合物を意味する。酸化アルキレンは、未置換の、あるいは、例えば1〜6個の炭素原子の線状または分枝アルキル、あるいは未置換の、または1個もしくは2個の炭素原子のアルキルおよび/もしくはアルコキシまたはハロゲン原子(例えば塩素またはフッ素)により置換されたアリール、で置換されることができる。このような化合物の例は、酸化エチレン、酸化1,2−プロピレン、酸化1,3−プロピレン、酸化1,2−ブチレン、酸化1,3−ブチレン、酸化2,3−ブチレン、酸化スチレン、酸化2,2−ビス−クロロメチル−1,3−プロピレン、エピクロロヒドリン、ペルフルオロアルキルオキシラン、例えば(1H,1H−ペルフルオロペンチル)オキシラン、およびそれらの組み合わせ物を含む。
【0022】
本発明の一つの態様は、営業的に有用なTHFを調製するための解重合法を含んでなる。該方法は、OCEを含んでなる混合物の解重合を含み、(1)THFと、少なくとも1
種のその他の環状エーテル、例えば酸化アルキレンの共重合から生成されるOCEを含んでなる混合物を単離し、(2)工程(1)の単離混合物を、場合によりC−Cアルコール、C−C10ジオール、ポリテトラメチレングリコール、C−C12カルボン酸、およびそれらの組み合わせ物よりなる群から選択される有効量の解重合反応促進添加物の存在下で、約125℃〜約200℃、例えば約135℃〜約180℃の温度を含む解重合反応条件下で、解重合反応条件下でOCEを含んでなる混合物に可溶性の、均質および非均質の酸触媒およびそれらの組み合わせ物、例えば、無機酸(例えば硫酸)、場合により酸処理により活性化されるゼオライト、酸性イオン交換樹脂、場合により酸処理により活性化されるシートシリケート、硫酸塩ドープ二酸化ジルコニウム、少なくとも1種の、触媒として有効な酸素含有モリブデンおよび/またはタングステン化合物を含んでなる担持触媒または酸化物キャリアーに適用されたこのような化合物の混合物、スルホン酸基を含む重合体触媒、並びにそれらの組み合わせ物よりなる群から選択される触媒、と接触させて、THFを含んでなる解重合反応生成物流を生成し、そして(3)工程(2)のTHFを含んでなる解重合反応生成物流(THF流)を回収する、工程を含んでなる。
【0023】
本発明のその他の態様は、(1)THFと少なくとも1種の酸化アルキレン、例えば酸化エチレンの共重合から生成される、約40〜約100重量%のOCEを含んでなる混合物を単離し、(2)工程(1)の単離混合物を、場合によりヘプタノール、オクタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ポリテトラメチレングリコール、プロピオン酸、酪酸、吉草酸およびそれらの組み合わせ物よりなる群から選択される有効量の解重合反応促進添加物の存在下で、約125℃〜約200℃、例えば約135℃〜約180℃の温度および、約0.5〜約15時間、例えば約2〜約15時間の接触時間、を含む解重合反応条件下で、均質および非均質の酸触媒およびそれらの組み合わせ物、例えば解重合反応条件下でOCEを含んでなる混合物に可溶性の無機酸(例えば硫酸)、スルホン酸基を含む重合体触媒およびそれらの組み合わせ物よりなる群から選択される触媒と接触させて、THFを含んでなる解重合反応生成物流を生成し、そして(3)工程(2)のTHFを含んでなる解重合反応生成物流(THF流)を回収する、工程を含んでなる。
【0024】
工程(1)の酸化アルキレンは例えば酸化エチレンまたは酸化プロピレンを含んでなることができる。工程(2)の解重合反応条件は例えば、約125℃〜約200℃の温度および約2〜約15時間、例えば約2〜約8時間の接触時間を含む。工程(2)の接触工程はステンレス鋼の容器中にあり、そして前記の容器内の混合物を例えば約60〜約400rpmで、例えば震盪または混合することにより撹拌することができる。容器内圧力は厳格には重要ではなく、大気圧、工程(2)の接触の自己圧力または高圧で維持することができる。
【0025】
本発明のその他の態様は更に、(4)THF流を中和し、(5)中和されたTHF流を工程(4)の期間中に形成されるあらゆる塩から分離し、(6)工程(5)の、分離され、中和されたTHF流を蒸留して蒸留THF濃厚流を形成し、(7)工程(6)からのTHF濃厚流を場合により乾燥し、そして(8)工程(6)または(7)からのTHF濃厚流からあらゆる残留エタノールを除去して精製THFをもたらす工程により、工程(3)のTHF流のTHFを精製する工程を含んでなる。
【0026】
THFと少なくとも1種のその他の環状エーテル、例えば酸化アルキレンの共重合から生成されるOCEを含んでなる混合物を単離する工程は、あらゆる適切な方法により実施することができる。一つのこのような方法は、最初に、簡単なストリッピング操作により、未反応出発材料とその他の単量体反応生成物を除去後、共重合反応器からの粗生成物の蒸留、例えば短路蒸留を伴う。適切な方法のその他の例は溶媒抽出である。この工程は、所望の共重合生成物、例えばコポリエーテルグリコールに影響を与えずに、本発明の方法
に適切な供給原料を与える。
【0027】
本発明の方法の工程(2)に使用のための触媒は、解重合反応条件下でOCEを含んでなる混合物に可溶性の無機酸、場合により酸処理により活性化されるゼオライト、酸性イオン交換樹脂、場合により酸処理により活性化されるシートシリケート、硫酸塩ドープ二酸化ジルコニウム、少なくとも1種の、触媒として有効な酸素含有モリブデンおよび/またはタングステン化合物を含んでなる担持触媒あるいは酸化物キャリアーに適用されたこのような化合物の混合物、スルホン酸基およびそれらの組み合わせ物を含む重合体触媒を含む。
【0028】
本発明において触媒として有用な無機酸は硫酸およびその他の強鉱酸である。このような酸触媒は解重合反応条件下でOCEを含んでなる混合物中で可溶性のままでなければならない。
【0029】
本発明の触媒として使用のためのゼオライトは、結晶中に限界の明白な孔とチャンネルをもつ三次元の網目の開放構造をもつアルミニウム・ヒドロシリケート(結晶性アルミノシリケートとしても知られる)の1クラスの天然または合成ゼオライトである。本発明の使用に適したゼオライトは、約4:1〜約100:1、例えば約6:1〜約90:1または約10:1〜約80:1の範囲のSiO:Alモル比をもつ。ゼオライトの粒度(particle size)は約0.5ミクロン未満、例えば約0.1ミクロン未満、または約0.05ミクロン未満であることができる。ゼオライトは水素(酸)形態で使用することができ、場合により酸処理により活性化することができる。本発明に使用のための酸性化ゼオライトは、フォージャサイト(欧州特許第492807号明細書に記載)、ゼオライトY、ゼオライトベータ(米国特許第3,308,069号明細書に記載)、ZSM−5(米国特許第3,702,886号明細書に記載)、MCM−22(米国特許第4,954,325号明細書に記載)、MCM−36(米国特許第5,250,277号明細書に記載)、MCM−49(米国特許第5,236,575号明細書に記載)、MCM−56(米国特許第5,362,697号明細書に記載)、PSH−3(米国特許第4,439,409号明細書に記載)、SSZ−25(米国特許第4,826,667号明細書に記載)等により典型的に示される。
【0030】
触媒として本発明に使用することができる、場合により酸処理により活性化されるシートシリケートは、例えば米国特許第6,197,979号明細書に開示されている。本発明における使用に適したシートシリケートの例は、モンモリロナイト/サポナイト、カオリン/セルペンチンまたはポリゴルスカイト/セピオライト群のもの、例えばモンモリロナイト、ヘクトライト、カオリン、アタプルジャイト、またはセピオライトを含む。
【0031】
本発明において触媒として使用することができる硫酸塩ドープ二酸化ジルコニウムの調製は例えば米国特許第5,149,862号明細書に開示されている。
【0032】
例えば米国特許第6,197,979号明細書に開示されたような、少なくとも1種の、触媒として有効な酸素含有モリブデンおよび/またはタングステン化合物を含んでなるもの、または酸化物キャリアーに適用されたこれらの化合物の混合物も、本発明における触媒として有用である。適切な酸化物キャリアーの例は、二酸化ジルコニウム、二酸化チタン、酸化ハフニウム、酸化イットリウム、酸化鉄(III)、酸化アルミニウム、酸化錫(IV)、二酸化ケイ素、酸化亜鉛またはこれらの酸化物の混合物を含む。担持触媒は例えば、ドイツ特許出願第44 33606号明細書に開示されたように硫酸塩またはリン酸塩群で更にドープされることができ、ドイツ特許第196 41481号明細書に記載のように、還元剤で前処理されることができ、またはドイツ特許第196 49803号明細書に開示されたように、カ焼され、そして更に元素の周期表の2、3(ランタナイ
ドを含む)、5、6、7、8および14族の少なくとも1個の元素または1個の元素の化合物を含んでなる促進剤を含んでなることができる。
【0033】
場合によりカルボン酸基を含むまたは含まない、本発明中に使用することができるスルホン酸基を含む適当な重合体の触媒は、米国特許第4,163,115号および第5,118,869号明細書に開示され、そして商品名Nafion(登録商標)としてE.I.du Pont de Nemours and Companyにより市販されている、それらの重合体の鎖が、スルホン酸基の前駆体(再度カルボン酸基を含むまたは含まない)を含むテトラフルオロエチレンまたはクロロトリフルオロエチレンとペルフルオロアルキルビニルエーテルの共重合体であるものである。このような重合体の触媒はまた、アルファ−フルオロスルホン酸を含んでなる重合体とも呼ばれる。本発明における使用のためのこの種類の触媒の例はペルフルオロスルホン酸樹脂であり、すなわちそれはペルフルオロカーボン主鎖を含んでなり、そして側鎖は式−O−CFCF(CF)−O−CFCFSOHにより表される。この種類の重合体は米国特許第3,282,875号明細書に開示されており、テトラフルオロエチレン(TFE)と過フッ素化ビニルエーテルCF=CF−O−CFCF(CF)−O−CFCFSOF、ペルフルオロ(3,6−ジオキサ−4−メチル−7−オクテンスルホニルフルオリド)(PDMOF)の共重合、次にスルホニルフルオリド基の加水分解によりスルホネート基に転化させ、必要に応じてイオン交換して、それらを所望の酸性形態に転化させることにより調製することができる。
【0034】
本発明に従って使用することができる触媒は粉末の形態で、または成形体として、例えばビード、円筒形押し出し物、球形、リング、螺旋形または顆粒の形態で使用することができる。
【0035】
本発明に使用のための解重合反応促進添加物はC−Cアルコール、C−C10ジオール、ポリテトラメチレングリコール、C−C12カルボン酸、およびそれらの組み合わせ物よりなる群から選択される。添加物としての使用のためのアルコールの例は、ヘプタノール、オクタノールまたはそれらの組み合わせ物を含む。添加物としての使用のためのジオールの例は、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオールまたはそれらの組み合わせ物を含む。添加物としての使用のためのカルボン酸の例は、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸またはそれらの組み合わせ物を含む。工程(2)における混合物中の添加物の有効量は、混合物の約2〜約80モル%、例えば約2〜約70モル%、例えば約2〜約30モル%である。
【0036】
本発明の方法は連続的に、またはバッチ様に実施される方法の工程を伴って実施することができる。
【0037】
本発明の方法の工程(2)は懸濁または固定床式の連続法に適した従来の容器アセンブリー中、例えば懸濁法の場合にはループ反応器または撹拌反応器中、あるいは固定床法の場合にはチューブ反応器または固定床反応器中で実施することができる。特にTHFを含んでなる解重合反応生成物が1回通過法で生成される時は、本発明の解重合法の工程(2)において十分な混合が必要なために、連続撹拌槽反応器(CSTR)が有用である。
【0038】
固定床反応容器中で、解重合反応容器装置は昇流モードで操作することができる、すなわち反応混合物は底部から上方に、あるいは降流モードで、すなわち反応混合物が上方から下方に反応容器を通って運搬される。
【0039】
解重合法の工程(2)はCSTRにおけるように、解重合反応生成物の内部再循環なしで1回通過を使用して実施することができる。
【0040】
供給混合物はバッチ式または連続的のいずれかで、近年の工学的慣行に一般的な送達システムを使用して解重合容器に導入することができる。
【0041】
工程(3)の解重合反応生成物流のTHFまたは工程(8)の更に精製されたTHFは近年の工学的慣行に一般的な回収システムと方法により回収することができる。このようなシステムと方法は、限定されない例として、水酸化アルカリの固体または溶液による中和およびデカント装置中におけるまたは蒸留によるこれらの固体の分離、バッチ式または連続カラム上での精製された湿ったTHF流の蒸留、および適当な分子ふるいによる蒸留物からのエタノールの除去、を含む。工程(3)の、回収された解重合反応生成物流は例えば、約70〜約99重量%のテトラヒドロフランを含んでなることができる。
【0042】
中和工程(4)は、回収された解重合反応生成物流、THF流を、アルカリ水酸化物の固体または溶液とともに撹拌する方法、あるいは回収された解重合反応生成物流、THF流を塩基性材料を含むカラムに通す方法を含む、近年の工学的慣行に一般的な方法により実施することができる。
【0043】
分離工程(5)は、中和された解重合反応生成物流からの痕跡の固体のデカント除去または固体からのTHF溶液の頭上の除去を含む、近年の工学的慣行に一般的な方法により実施することができる。
【0044】
蒸留工程(6)は、THFの純度と収率を最適化するようになっている供給速度と管のプロファイルを維持しながら、工程(5)の、分離され、中和された流れを蒸留管の側部に供給し、そして管の後端部から、側部の流れと高沸点物を取出し、それにより蒸留されたテトラヒドロフラン濃厚流を形成する工程を含む、近年の工学的慣行に一般的な方法により実施することができる。
【0045】
所望される場合は、残留水分を除去するための、場合による乾燥工程(7)を、分子ふるいを使用して流れを乾燥するかまたは共沸蒸留管、次に圧力管を通して湿ったTHF流を通過させてTHF/水の共沸組成物を破壊して、乾燥THF流を生成する工程を含む、近年の工学的慣行に一般的な方法により実施することができる。
【0046】
残留エタノールの除去工程(8)は、エタノールの除去のために活性化された分子ふるいの床上に乾燥THF流を通過させる工程を含む、近年の工学的慣行に一般的な方法により実施することができる。
【0047】
以下の「実施例」は本発明とその使用可能性を示す。本発明はその他の異なる態様が可能であり、その幾つかの詳細は、本発明の精神および範囲から逸脱せずに、様々な明白な点において変更することができる。従って、「実施例」は性状を具体的に表すもので、限定するものではないと見なすことができる。
【0048】
材料
OCEはINVISTA S.a r.l.から入手され、THFと酸化エチレンの共重合生成物から短路蒸留により単離される。過フッ素化スルホン酸樹脂、NR50 Nafion(登録商標)はE.I.du Pont de Nemours, Wilmington, Delaware,USAから入手される。PTMEG(Terathane(登録商標))はINVISTA S.a r.l.から入手される。Amberlyst(登録商標)15イオン交換樹脂はAldrich Chemicalsから入手される。
【0049】
分析法
OCEと線状コポリエーテルの組成を決定するためにNMR分光計を使用する。頭上蒸留物、すなわち解重合反応生成物を分析するためにGC法が使用される。
【実施例】
【0050】
すべての部および百分率は別記されない限り重量に基づく。
【0051】
実施例1
撹拌機、蒸留取出し口受液器および熱電対を備えた250mLのフラスコに、75部のOCE、72部のブタンジオールの解重合反応促進添加物および7.52部の98%硫酸(5重量%)触媒を充填する。生成される混合物を350rpmで2.5時間撹拌しながら、窒素保護下で135℃に加熱する。生成される解重合反応生成物の分析は、97%のTHF単量体が出発OCEから回収されることを示した。
【0052】
実施例2
撹拌機、蒸留取出し口受液器および熱電対を備えた250mLのフラスコに、154部のOCE、7.2部の酪酸の解重合反応促進添加物および7.523部の98%硫酸(5重量%)触媒を充填する。混合物を350rpmで8時間撹拌しながら窒素保護下で135℃に加熱する。生成される解重合反応生成物の分析は、出発OCEから95%のTHFが回収されることを示す。解重合生成物は約23%のジオキサンを含む。
【0053】
実施例3
155部のOCE、7.91部の98%硫酸(5重量%)触媒を使用し、解重合反応促進添加物を使用せず、そして反応時間が12時間であることを除き、実施例2の実験を反復する。生成される解重合反応生成物の分析は、出発OCEから90%のTHFが回収されることを示す。解重合生成物は約20%のジオキサンを含む。
【0054】
実施例4
撹拌機、熱電対および蒸留取出し口受液器を備えた500mLのフラスコに、12.6部のNafion(登録商標)触媒および短路蒸留により酸化エチレン−THF共重合生成物から単離された237.8部のOCE混合物を充填する。この混合物を、頭上蒸留物を回収しながら4時間にわたり132℃の平均温度に加熱する。フラスコ反応器からサンプルを1時間毎に採取する。4時間後に0.8%残留物までの急速なOCEの分解が認められる(99%OCE分解)。回収される頭上流は96.4%THFおよび2.7%ジオキサンを含んでなり、それは出発OCE充填物からそれぞれ40.8%THFおよびTHFとジオキサンの値の4.3%収率を表す。
【0055】
実施例5
撹拌機、熱電対および蒸留取出し口受液器を備えた500mLのフラスコに、13.1部のNafion(登録商標)触媒および、短路蒸留により酸化エチレン−THF共重合生成物から単離された90.1部のOCE混合物を充填する。この混合物を、添加漏斗により、進行中反応物に200.0部の更なるOCEを同時に添加しながら、4時間にわたり149.3℃の平均温度に加熱する。頭上蒸留物を回収しながら反応した総OCEに対する全触媒は4.9%である。フラスコ反応器からサンプルを1時間毎に採取する。回収される頭上流は87.7%THF、10.4%ジオキサンおよび1.9%不純物を含んでなり、それは出発OCE充填物からそれぞれ56.8%THFおよびTHFとジオキサンの値の25.1%収率を表す。
【0056】
実施例6
撹拌機、熱電対および蒸留取出し口受液器を備えた500mLのフラスコに、13.0
部のAmberlyst(登録商標)15イオン交換樹脂触媒および酸化エチレン−THF共重合生成物から単離された90.5部のOCE混合物を充填する。この混合物を、添加漏斗により、進行中の反応物に、200.3部の更なるOCEを同時に添加しながら、4時間にわたり141.5℃の平均温度に加熱する。反応された総OCEに対する全触媒は4.8%である。頭上蒸留物を回収する。フラスコ反応器からサンプルを1時間毎に採取する。回収された頭上流は90.9%THF、6.7%ジオキサンおよび2.4%不純物を含んでなり、出発OCE充填物からそれぞれ49.6%THFおよびTHFとジオキサン値の13.5%収率を表す。
【0057】
実施例7〜16
10件の実験を、154部のOCE、7.523部の98%硫酸触媒および種々のモル%量の解重合反応促進添加物を使用して、実施例1および2に対して使用された250mLのフラスコ反応器中で実施する。比較の目的で実施例7には添加物を添加しない。添加物、それらの量、反応時間、THF回収率および生成物の粘度は表1に示される。
【0058】
【表1】

【0059】
実施例17
撹拌機、5枚プレートのOdlershawカラム、蒸留受液装置および熱電対を備えた四首の500mL丸底フラスコに、300部のOCEおよび6.122部の98%硫酸(5重量%)触媒を含む反応混合物を充填する。反応混合物を500rpmで撹拌しながら150℃に加熱する。THFは頭上で留去を開始し、99.5部のOCEおよび0.5部の硫酸触媒を含む更なる供給原料を頭上蒸留とほぼ同一速度でフラスコに添加する。この連続的解重合反応を294時間走行させる。OCE解重合転化率は、底部のパージを必要とせずに95%を超える。底部残留物は固体のタール形成を示さない。生成物流は約80重量%のTHF、18重量%のジオキサン、1.1重量%の水および0.26重量%のHSOおよびその他の不純物を含んでなる。
【0060】
実施例18
実施例17からの生成物流の811部の部分を、別の容器中で6.99部の50%NaOH溶液(100%過剰)と混合し、中和のために25℃で4時間磁石撹拌機を使用して撹拌する。溶液は黄色に変り、次に不純物のアルドール縮合により中和期間中に橙色に変り、9のpHに到達した。次に中和された生成物を、中和期間に形成された塩から、中和THF生成物を分離するために1晩静置する。次に、分離した中和THF生成物を、塩からデカント分離する。次にデカント分離した中和THF生成物を、5番目のトレーにおけ
る6フィートのカラム、25トレーに供給し、3/1の還流率で20番目のトレーにおいて側部引き出し物としてTHF生成物を取り出すことにより蒸留する。上部画分を20/1還流率で25番目のトレーから頭上で回収する。回収されたTHF生成物は、少量の割合の水を伴って、有機物に基づいて99.8%のTHFおよび0.008〜0.015%のエタノールを含んでなる。次にこの生成物を5Aの分子ふるいを含む容器を通して大部分のエタノールを除去する。
【0061】
実施例19
実施例17からの生成物流の1008部の部分を、実施例18で使用される反応器中で5.0部の50%NaOH溶液および13.4部のHOと混合する。22時間の撹拌期間中、溶液はオフホワイト色に変わる。撹拌を停止して、溶液をオフホワイトの中和固体からデカント分離する。次に、デカント分離し、中和されたTHF生成物を、5番目のトレーにおける6フィートのカラム、25トレーに供給し、4/1還流率で20番目のトレーにおける側部引き出し物としてTHF生成物を取り出すことにより蒸留する。上部画分を20/1還流率で25番目のトレーから頭上で回収する。回収されたTHF生成物は少量の割合の水を伴って、有機物に基づいて99.8〜99.9%のTHFおよび0.007〜0.008%のエタノールを含んでなる。このTHF生成物を分子量調整剤として有用な残留水分とともに重合反応混合物中に使用することができる。
【0062】
本明細書に引用される特許、特許出願物、試験法、優先権をもつ文書、記事、刊行物、マニュアルおよびその他の文書はすべて、これらの開示物が本発明と矛盾しない程度に、そしてこれらの引用が許されるすべての管轄権に対して、参照することにより全体を引用されたこととされる。
【0063】
本明細書で数値の下限と数値の上限が記載される時は、あらゆる下限からあらゆる上限までの範囲が想定される。
【0064】
本発明の具体的な態様は具体性を伴って説明されてきたが、本発明の精神と範囲から逸脱せずに、様々なその他の修正が当業者に明白であると考えられ、そして当業者により容易に実施され得ることは理解されると考えられる。従って、本発明の請求の範囲は、本明細書に示される実施例および説明に限定されず、むしろ請求の範囲は、本発明が関与する当業者によりそれらの同等物として処理されると考えられるすべての特徴物を含む、本発明中に存在するすべての特許可能な新規の特徴物を包含するものと解釈されることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)テトラヒドロフランと少なくとも1種のその他の環状エーテルの共重合から生成されるオリゴマー環状エーテルを含んでなる混合物を単離し、(2)工程(1)の混合物を、場合によりC−Cアルコール、C−C10ジオール、ポリテトラメチレングリコール、C−C12カルボン酸およびそれらの組み合わせ物よりなる群から選択される有効量の解重合反応促進添加物の存在下で、約125℃〜約200℃の温度を含む解重合反応条件下で、均質および不均質な酸触媒およびそれらの組み合わせ物よりなる群から選択される触媒と接触させて、テトラヒドロフランを含んでなる解重合反応生成物流を生成し、そして(3)工程(2)の解重合反応生成物流を回収する、工程を含んでなる、オリゴマー環状エーテルを含んでなる混合物の解重合法。
【請求項2】
触媒が、解重合反応条件下でオリゴマー環状エーテルを含んでなる混合物中に可溶性の無機酸、場合により酸処理により活性化されるゼオライト、酸性イオン交換樹脂、場合により酸処理により活性化されるシートシリケート、硫酸塩ドープ二酸化ジルコニウム、少なくとも1種の、触媒として有効な酸素含有モリブデンおよび/またはタングステン化合物またはそれらの化合物の混合物を含んでなる担持触媒あるいは酸化物キャリアーに適用されたこれらの化合物の混合物、スルホン酸基を含む重合体触媒並びにそれらの組み合わせ物、よりなる群から選択される、請求項1の方法。
【請求項3】
工程(1)の混合物が約40〜約100重量%のオリゴマー環状エーテルを含んでなる、請求項1の方法。
【請求項4】
工程(2)の触媒が、解重合反応条件下でオリゴマー環状エーテルを含んでなる混合物に可溶性の無機酸、スルホン酸基を含む重合体触媒およびそれらの組み合わせ物を含んでなる、請求項1の方法。
【請求項5】
工程(2)の触媒がペルフルオロスルホン酸樹脂を含んでなる、請求項4の方法。
【請求項6】
工程(2)の解重合反応条件が約135℃〜約180℃の温度を含み、そして接触時間が約0.5〜約15時間である、請求項1の方法。
【請求項7】
解重合反応促進添加物がC−Cアルコールの1種または組み合わせ物である、請求項1の方法。
【請求項8】
解重合反応促進添加物がヘプタノール、オクタノールまたはそれらの組み合わせ物を含んでなる、請求項7の方法。
【請求項9】
解重合反応促進添加物がC−C10ジオールの1種または組み合わせ物である、請求項1の方法。
【請求項10】
解重合反応促進添加物がエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオールまたはそれらの組み合わせ物を含んでなる、請求項9の方法。
【請求項11】
解重合反応促進添加物がポリテトラメチレングリコールである、請求項1の方法。
【請求項12】
解重合反応促進添加物がC−C12カルボン酸の1種または組み合わせ物である、請求項1の方法。
【請求項13】
解重合反応促進添加物がプロピオン酸、酪酸、吉草酸またはそれらの組み合わせ物を含
んでなる、請求項12の方法。
【請求項14】
工程(3)の回収された解重合反応生成物流が約70〜約99重量%のテトラヒドロフランを含んでなる、請求項1の方法。
【請求項15】
その他の環状エーテルが酸化アルキレンを含んでなる、請求項1の方法。
【請求項16】
酸化アルキレンが酸化エチレンを含んでなる、請求項15の方法。
【請求項17】
更に、(4)工程(3)の回収された解重合反応生成物流を中和して、中和された解重合反応生成物流を得、(5)工程(4)の期間中に形成されたあらゆる塩から、中和された解重合反応生成物流を分離し、(6)工程(5)の分離された中和流を蒸留して、蒸留されたテトラヒドロフラン濃厚流を形成し、(7)工程(6)からのテトラヒドロフラン濃厚流を場合により乾燥し、そして(8)工程(6)または(7)からの、テトラヒドロフラン濃厚流から残留エタノールを除去して、精製テトラヒドロフランをもたらす、工程を含んでなる、請求項1の方法。
【請求項18】
(1)テトラヒドロフランと少なくとも1種の酸化アルキレンの共重合から生成される約40〜約100重量%のオリゴマー環状エーテルを含んでなる混合物を単離し、(2)工程(1)の混合物を、場合によりヘプタノール、オクタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ポリテトラメチレングリコール、プロピオン酸、酪酸、吉草酸およびそれらの組み合わせ物よりなる群から選択される有効量の解重合反応促進添加物の存在下で、約125℃〜約200℃の温度を含む解重合反応条件下で、解重合反応条件下でオリゴマー環状エーテルを含んでなる混合物に可溶性の無機酸、スルホン酸基およびそれらの組み合わせ物を含む重合体触媒、よりなる群から選択される触媒と接触させて、テトラヒドロフランを含んでなる解重合反応生成物流を生成し、そして(3)工程(2)の解重合反応生成物流を回収する工程、を含んでなる、オリゴマー環状エーテルを含んでなる混合物の解重合法。
【請求項19】
酸化アルキレンが酸化エチレンを含んでなる、請求項18の方法。
【請求項20】
工程(2)の触媒がスルホン酸基を含む重合体触媒を含んでなる、請求項18の方法。
【請求項21】
工程(2)の触媒がペルフルオロスルホン酸樹脂を含んでなる、請求項20の方法。
【請求項22】
工程(2)の解重合反応条件が約135℃〜約180℃の温度を含み、そして接触時間が約0.5〜約15時間である、請求項18の方法。
【請求項23】
工程(3)の回収された解重合反応生成物が約70〜約99重量%のテトラヒドロフランを含んでなる、請求項18の方法。
【請求項24】
更に、(4)工程(3)の回収された解重合反応生成物流を中和して、中和された解重合反応生成物流を得、(5)工程(4)の期間中に形成されたあらゆる塩から、中和された解重合反応生成物流を分離し、(6)工程(5)の分離された中和流を蒸留して、蒸留されたテトラヒドロフラン濃厚流を形成し、(7)工程(6)からのテトラヒドロフラン濃厚流を場合により乾燥し、そして(8)工程(6)または(7)からのテトラヒドロフラン濃厚流から残留エタノールを除去して、精製テトラヒドロフランを生成する、工程を含んでなる、請求項18の方法。

【公表番号】特表2013−513604(P2013−513604A)
【公表日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−543074(P2012−543074)
【出願日】平成21年12月11日(2009.12.11)
【国際出願番号】PCT/US2009/067691
【国際公開番号】WO2011/071503
【国際公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【出願人】(309028329)インビスタ テクノロジーズ エス エイ アール エル (80)
【Fターム(参考)】