説明

オレオレ詐欺対策金庫

【課題】「オレオレ詐欺」等の被害発生を軽減するための方策を提供する。
【解決手段】金庫を開けるための操作を行っても予め設定している一定時間後、或いは複数の人の協力が無ければ金庫が開けられないようにし、その中に日常生活用以外の預金通帳、キャッシュカード等を入れておくことにより「オレオレ詐欺」の電話等があった場合にも電話を受けた人がひとりで直ぐに金庫を開けることができず、したがって相手の指示に従い直ぐに振り込むことができないようにする。
このような手段を講ずることにより、直ぐに振り込みをさせようとする「オレオレ詐欺」の犯人の手順を狂わせることができ、また実際に振り込みを行うまでの時間的余裕を確保し、冷静な判断が出来るようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オレオレ詐欺の被害を軽減するための金庫に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近「オレオレ詐欺」、「振り込め詐欺」等の名称で呼ばれている詐欺事件が多発している。これらの詐欺事件に対しては、ATMコーナーの監視などいろいろな対策が取られているが、なかなか軽減せず、その被害額は相当な規模に拡大している。
【0003】
しかし、実際に詐欺事件が発生した状況を見ると、殆どが電話や訪問を受けた時点で相手を信じ込み、詐欺とは思わず相手の指示に従って直ぐに一人の判断で振り込み等を行い詐欺事件に巻き込まれている場合が多い。
また、日ごろ自分はこのような詐欺事件に巻き込まれるはずがないと思っている人でさえ実際の場面では詐欺の被害に遭っているというのが実情である。
また、その手口に共通する方法は、ゆっくりとした判断の時間を与えず、直ぐに銀行振り込み等を行わせることであり、そのため周囲の人と相談するとか、関係者(子供、孫等)に確認することなどを行わずに被害に遭っているのが実情である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
手法が多様化する「オレオレ詐欺」、「振り込め詐欺」等に、現在、決定的な対策方法がないことである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
「オレオレ詐欺」等の被害に遭い難くするため、本発明の金庫は開けるための操作を行っても直ぐに金庫を開けることが出来ず、予め設定した一定時間が経過するか或いは複数の人の協力が無ければ金庫を開けることが出来ないようにしてある。
【発明の効果】
【0006】
詐欺の被害を軽減するためには、まず自分も必ず詐欺の被害に遭うに違いないという考えをもち、予め冷静な判断ができる時点でその対策を講じておくことが必要である。
その対策として、本発明の金庫に日常生活用を除く預金通帳、キャッシュカードなどを入れておくことにより、「オレオレ詐欺」等の電話を受けた本人としては、直ぐにでも振り込みしたいと思っても予め設定した時間後或いは複数の人の協力が無ければ金庫を開けることが出来ず相手の指示通りに直ぐに振り込みをすることが不可能になる。
【0007】
従って電話をかけてきた「オレオレ詐欺」等の犯人は、予定通りにことを運ぶことが出来ずその時点で詐欺をあきらめてしまう可能性があり、また、金庫が開いてから振り込むようにとの指示があった場合でも金庫が開くまでの時間的余裕が確保されるため、その間に多少は冷静な判断が出来るようになり、他の人に相談するとか、関係者(子供、孫等)に一応電話で確認しょうかという考えが浮かぶ可能性が大きい。
また、詐欺事件ではなく本当に振り込みが必要な場合には、事情を話せば予め設定してある金庫が開くまでの時間くらいは振込みを待ってくれるものと思われる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
盗難対策の面からは、どこにでも隠しておけるように、預金通帳、キャッシュカードが入れられる範囲で必要最低限の大きさにすることが望ましい。
また、金庫を開けるための操作をしてから実際に金庫が開けられるまでの時間は使用者の好みに合わせて変更できるようにしておくことが望ましい。しかし、その時間設定部は金庫本体内部に設けておくことが必要である。
【実施例1】
【0009】
請求項1に記載している金庫の開閉に関しては、その具体的な方法として、鍵を開けることによりタイマーが起動し、予め設定されている時間後に実際に金庫が開くようにしてもよいし、また、何らかの操作によりタイマーを起動したあと一定時間後に鍵の操作ができるようにする方法などがある。
【0010】
また、請求項2に記載した金庫の場合には、複数の鍵またはダイヤルキーなどを複数のひとで別々に管理することにより、電話を受けた人がひとりで金庫を開けることが出来ず、鍵を管理している他の人の協力が無ければ振込ができなくなる。
また、この請求項2の金庫の場合は、鍵、ダイヤルキーの働きをタイマーの働きよりも優先させることにより万一タイマー機構にトラブルが発生した場合の非常用として活用することもできる。つまり二つ目の鍵を別の地域に住んでいる親戚や子供に保管してもらい、通常は一個の鍵とタイマーの働きで金庫を開けるようにし、万一トラブルが発生した場合の非常用として二個目の鍵を使うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0011】
「オレオレ詐欺」等の被害の拡大に対し、その被害を食い止めるための対策もいろいろ講じられているが、つぎつぎとその対策を潜り抜けるための手法が編み出されるため決定的、恒久的な対策を行うのは困難になりつつある。
そのような状況において、被害を受けそうな本人がたとえ直ぐに振り込みがしたくても事実上、振り込みができないような状況を作ってしまうことは、オレオレ詐欺の対策として新たな方策であり、本発明のオレオレ詐欺対策金庫は産業上利用できる可能性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】オレオレ詐欺対策用金庫の構成図
【符号の説明】
【0013】
1 金庫本体
2 開閉操作部
3 タイマー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金庫本体(1)に設けられている金庫開閉部(2)を操作しても、タイマー(3)の働きにより、一定時間を経過しなければ金庫本体を開け内容物を取り出すことができないようにしたことを特徴とするオレオレ詐欺対策用の金庫。
【請求項2】
金庫開閉部に、複数の鍵または複数のダイヤルキー、或いは鍵とダイヤルキーの組み合わせを設け鍵またはダイヤルキーの働きとタイマーの働きとの間に優先順位をつけたことを特徴とする請求項1記載のオレオレ詐欺対策用の金庫。

【図1】
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【公開番号】特開2010−121310(P2010−121310A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−294111(P2008−294111)
【出願日】平成20年11月18日(2008.11.18)
【出願人】(302037777)有限会社ユニテックス (2)