説明

オレフィン系プラスチックならびに非オレフィン系プラスチックを着色および改質するための高充填着色剤組成物

微細に分散された着色剤と複数種のポリオレフィンワックスを含む着色剤組成物であって、3000〜80000mPa・sの範囲の粘度を有するメタロセン−ポリオレフィンワックスと、任意付加成分としての更に別のワックス、例えば、極性または非極性非メタロセン−ポリオレフィンワックス、またはエチレンおよび/またはプロピレンのホモポリマーおよび/またはコポリマーが含まれる。全てのポリオレフィンワックスは合計で調合物の少なくとも50重量%の割合を占め、50〜170℃の範囲の温度で溶融する。本発明の着色剤組成物は、ダストが低減され、かつ、着色されたプラスチックを製造するのに使用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチック中での顔料の分散の均一性を改善すると同時に、プラスチックマトリックスを光から保護することができる、高充填着色剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明はまた、コポリマー性低分子量ワックスの、供給形態(Darreichungsformen)の製造のための使用に関し、ここで、該ワックスは大部分がメタロセン触媒を使って調製され、低い滴点と、高い透明性と、高い粘度とを有する。これらのワックスの使用により、顔料の分散性が明らかに向上し、顔料充填度を増大させることができ、様々なポリマーとの良好な相溶性が得られ、さらにはポリマーキャリアーの使用をなしで済ませることができる。
【0003】
プラスチックは、通常、顔料濃厚物を用いて着色される。押出法で製造された顔料濃厚物は、10〜75重量%の範囲の顔料含有量を有し、ポリマーキャリアーならびに、様々な追加の添加剤、例えば、ワックス、およびその他の分散剤を含み、これは、配合プロセスを補助し、顔料の分布(=分散性)の最大限の均一性を保障する。
【0004】
着色と同時にプラスチックの光安定化のための改質を行うために、本発明の特定の実施形態では混合物に、比較的多量の光安定剤、例えば、UV吸収剤、ニッケル安定剤、またはHALS剤、あるいはそれら剤の組み合わせなどを添加することができる。
【0005】
これら顔料濃厚物に対しては、次の高い要求がある。不適切な顔料の分散は、顔料の凝集や、最終生成物(例えばフィルムなどであることができる)での斑点形成をまねく恐れがあるため、顔料は最適に分散されるべきである。斑点はまた、最終生成物の機械的特性の低下を簡単に引き起こす恐れがあり、これは最終製品に時期尚早の亀裂の形成を発生させる。
【0006】
ダストフリーのペレットもしくは粉末状の顔料ならびに染料調合物を製造するための、以下の単一工程または多段階工程が現在既知である。
【0007】
顔料とキャリアー材料との予備混合を、低温混合または高温混合により行うことができる。その後、適当な押出機または混練機中で、溶融混合を実施することができる。次いで、ペレット化、粉砕(ミリング)または噴霧が行われる。
【0008】
低温混合物は、適当なポリマーキャリアー、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンもしくはエチレン−酢酸ビニルコポリマーまたはこれらの類似物と、更に追加の分散助剤、例えば、ワックス、脂肪酸誘導体、ステアレート類などとからなる。これら混合物の不利点は、混合工程による顔料の不十分なプレウェッティング(Vorbenetzung)であり、これは、多量のダストの発生から分かる。
【0009】
高温混合工程の場合、低温混合の場合と同様に、混合成分(Mischansatz)は、キャリアー材料とワックスも含むが、この場合、混合物の凝集は強力な摩擦エネルギーの導入のみにより達成され、それによってダストフリー(Staubfreiheit)と、より高い嵩密度が得られる。
【0010】
特許文献1は、顔料粒子がプロピレン、ブテン−1およびヘキセン−1からなるアモルファスホモポリマーまたはコポリマー、またはプロピレン−エチレンブロックポリマーで被覆された顔料調合物を開示している。顔料調合物の調製時に、ろ過工程と乾燥工程とが必要である。
【0011】
特許文献2は、顔料濃厚物の製造のための、アモルファスエチレン−プロピレンブロック混合ポリマーと、結晶性ポリプロピレンとからなる混合物をベースとするキャリアー材料を開示している。
【0012】
特許文献3は、粘度が500〜5000mPa・s(170℃)で、アイソタクチック比率が40〜90%であるポリプロピレンワックスの使用に関する。
【0013】
特許文献4は、高効率の分散が、様々なポリオレフィン成分と特定のポリアクリル酸エステルとの混合物を含む分散剤によってどのように達成可能であるかを開示している。
【0014】
特許文献5は、顔料、潤滑剤、フィラー、およびアモルファスポリオレフィンからなる調合物を開示している。
【0015】
特許文献6は、顔料、ポリオレフィンワックス、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、およびコロイダルシリカ(Kieselsaeure)を含む、熱可塑性プラスチックを着色するための顔料濃厚物に関する。
【0016】
特許文献7は、メタロセン触媒を用いて合成したポリオレフィンワックスの、プラスチックマトリックス中での顔料の分散剤としての使用に関する。記載された例には、30%の有機顔料含有率が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】独国特許出願公開第1544830号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第1239093号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第2652628号明細書
【特許文献4】独国特許出願公開第19516387号明細書
【特許文献5】日本国特許出願公開第88/88287号明細書
【特許文献6】独国特許出願公開第2608600号明細書
【特許文献7】国際公開第01/64800号明細書
【特許文献8】欧州特許公開第0384264号明細書
【非特許文献】
【0018】
【非特許文献1】添加剤ハンドブック第5版(2000年版)、第114頁〜136頁(Additiv Handbook Edition Nr. 5 (Ausgabe 2000), page 114−136)
【0019】
ポリマーの着色のためにこれまで実用された顔料調合物の全ては、好ましくは、着色されるポリマーと、ある程度非相溶性の成分とを含む。これらの既知の顔料調合物は、他のポリマーに使用すると、キャリアー材料が不良であるため、同じ顔料含有率では、より淡く、くすんだ色となる。特殊な供給形態は、より煩雑であり、下記の特徴プロフィルと同等の高い着色剤濃度では製造することができない。
【0020】
高い顔料含有量は、製造された供給形態のストランド強度を低下させるため、有機顔料の供給形態の製造には、通常、顔料含有量を40%以下とした2段階のプロセスで作業しなければならない。ストランドのペレット化(Stranggranulierung)が、これら供給形態の製造における従来技術である。これを改良する方法の一つは、低メルトフローインデックスMFIを有するポリマーを使用するものであろう。これは、比較的高い溶融強度と同義であるため、ストランドの破壊が少ないことを意味する。しかしながら、MFIが比較的低いポリマーは最終生成物における分散性が乏しいため、最終生成物において、色の縞模様の形で色差が認められるという結果になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
本発明の課題は、単一のキャリアー系を使用して、経済的にかつ環境的に有利な方法で、配合物(Compoud)の調製とプラストマーとエラストマーの直接的な着色が達成でき、そうして高い品質の製造物が得られるように、ポリマーの着色のためのダストフリーの着色剤調合物に、できるだけ高い割合の有機および無機顔料を負荷させることにある。この際、従来のポリマー性キャリアーはできる限り省くのがよく、それによって、一方では、かなりより高い顔料含有率を有する供給形態が可能であり、他方では、相溶性が増すために、調製された供給形態は、従来のものと比べて、様々な化学組成を有するかなりより多くのポリマー中で使用することができる。
【0022】
本発明においては、上記の課題は、ワックスとポリマーの混合物からなる着色剤組成物によって達成される。それはメタロセンワックス、すなわち、触媒としてメタロセンの存在下で製造されるワックスを含む。このように調製される着色剤組成物は、特定の押出プロセスにおいて本発明の供給形態に配合されるが、代替法として、該混合物は、プラスチック着色のために直接用いることも可能である。
【0023】
本発明の対象は、
i) 一種以上の微細に分散された着色剤、
ii) 一種以上のメタロセンポリオレフィンワックス、および、
iii) 任意付加成分としての極性または非極性の非メタロセンポリオレフィンワックスから選択される一種以上のワックス、および
iv) 必要な場合、一種以上のエチレンまたはプロピレンのホモポリマーおよび/またはコポリマー、
を含む着色剤組成物であって、
メタロセンポリオレフィンワックスが、着色剤組成物中に含有されるワックスおよび/またはコポリマーの総重量に基づいて、少なくとも50重量%の量で存在し、メタロセンポリオレフィンワックスが、170℃の温度で測定して、3000〜80000mPa・s、好ましくは3100〜35000mPa・s、特に、3200〜10000mPa・sの範囲溶融粘度を有し、そして着色剤組成物が、その総重量に基づいて40〜85重量%の範囲の量の一種以上の着色剤を含むことを特徴とする、前記着色剤組成物である。
【0024】
本発明の着色剤組成物は、着色剤組成物の総重量に基づいて、40〜85重量%の範囲の非常に高い着色剤およびフィラー含有率を特徴とし、加えて、使用ポリマーとの非常に良好な相溶性を有し、それにより、使用ポリマーの機械的特性に対する悪影響が大幅に除かれることを特徴とする。
【0025】
本発明の着色剤組成物のワックス様またはポリマー性構成成分の全ては、50〜170℃の範囲の温度で溶融する。
【0026】
本発明の好ましい着色剤組成物は、それぞれ着色剤組成物の総重量に基づいて、40〜85重量%、好ましくは45〜80重量%の有機または無機着色剤、および7.5〜60重量%、好ましくは8.5〜55重量%のメタロセンポリオレフィンワックスを含む。
【0027】
本発明の好ましい着色剤組成物はまた、非メタロセンポリオレフィンワックスあるいはエチレンまたはプロピレンのホモポリマーおよび/またはコポリマーの形の湿潤性と相溶性とを改善する機能性成分0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜25重量%、並びに通常のフィラーまたは添加剤0〜50重量%を追加的に含むことができる。
【0028】
更に、プロピレンと、エチレン0.1〜50%、および/または4〜20個のC原子を有する少なくとも一種の分岐または非分岐1−アルケン0.1〜50%からなり、80〜170℃の滴点(環球式)を有するコポリマーワックスが該着色剤組成物中に含有されてもよい。
【0029】
触媒としてのメタロセンの存在下で製造されるワックスは、大部分がまたは完全にアモルファスであり、そして必要に応じて、極性に変性されていてもよい。
【0030】
適当な非メタロセンポリオレフィンワックスとしては、一方では、特に、滴点が90〜120℃であり、酢酸ビニル含有量が1〜30重量%であり、かつ、140℃の温度おける粘度が50〜3000mPa・s、好ましくは50〜1500mPa・sである、エチレン−酢酸ビニルコポリマーワックス、他方では、滴点が90〜120℃の範囲であり、140℃の温度における粘度が30000mPa・s未満、好ましくは15000mPa・s未満の非極性のまたは極性の非メタロセンワックスが適している。
【0031】
非メタロセンポリオレフィンワックスとしては、エチレンまたは3〜10個のC原子を有するより高級の1−オレフィンのホモポリマーか、あるいはそれら同士のコポリマーが挙げられる。好ましくは、該ポリオレフィンワックスは、1000〜20000g/モルの重量−平均モル質量Mw、500〜15000g/モルの数平均モル質量Mnを有する。
【0032】
さらに、エチレンのコポリマーを、本発明の着色剤組成物中に相溶化剤(Vertraelichkeitsvermittler)として有利に用いることができる。ここでエチレンコポリマーとしては、エチレン−メチルアクリレートコポリマー、エチレン−エチルアクリレートコポリマー、エチレン−ブチルアクリレートコポリマー、およびエチレン−酢酸ビニルコポリマーが挙げられる。これらは、通常、10〜20%のコモノマー含有量、および190℃、2.16kgにおいて1〜10g/10分のメルトインデックスを有する。これらは、本明細書において以下で「エチレンのコポリマー」と称する。
【0033】
式Iのメタロセン化合物が、本発明で使用されるメタロセンポリオレフィンワックスの製造のために用いられる。
【0034】
【化1】

【0035】
この式はまた、式Iaの化合物、

式Ibの化合物、
【0036】
【化2】

および、式Icの化合物、
【0037】
【化3】

を含む。
【0038】
式I、Ia、およびIbにおいて、Mは周期表のIVb族、Vb族またはVIb族の金属、例えば、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、好ましくはチタン、ジルコニウム、ハフニウムである。
【0039】
とRは、同一であるか、または異なって、水素原子、C−C10−アルキル基、好ましくはC−C−アルキル基、特にメチル、C−C10−アルコキシ基、好ましくはC−C−アルコキシ基、C−C10−アリール基、好ましくはC−C−アリール基、C−C10−アリールオキシ基、好ましくはC−C−アリールオキシ基、C−C10−アルケニル基、好ましくはC−C−アルケニル基、C−C40−アリールアルキル基、好ましくはC−C10−アリールアルキル基、C−C40−アルキルアリール基、好ましくはC−C12−アルキルアリール基、C−C40−アリールアルケニル基、好ましくはC−C12−アリールアルケニル基、またはハロゲン原子、好ましくは塩素原子を意味する。
【0040】
とRは、同一であるか、または異なって、中心原子Mでサンドイッチ構造を形成可能な、単−または多核炭化水素基を意味する。好ましくは、RとRは、シクロペンタジエニル、インデニル、テトラヒドロインデニル、ベンゾインデニル、またはフルオレニルであり、ここで、それらの基本骨格はまた、追加の置換基を有するか、あるいは相互に架橋されていてもよい。さらに、基RとRの一方は、置換された窒素原子であってもよく、この際、R24はR17の意味を有し、好ましくはメチル、tert−ブチルまたはシクロヘキシルである。
【0041】
、R、R、R、RとR10は、同一であるか、または異なって、水素原子、ハロゲン原子、好ましくはフッ素原子、塩素原子または臭素原子、C−C10−アルキル基、好ましくはC−C−アルキル基、C−C10−アリール基、好ましくはC−C−アリール基、C−C10−アルコキシ基、好ましくはC−C−アルコキシ基、−NR16−、−SR16−、−OSiR16−、−SiR16−、または−PR16−基(式中、R16は、C−C10−アルキル基、好ましくはC−C−アルキル基、またはC−C10−アリール基、好ましくはC−C−アリール基であり、SiまたはP含有基の場合、ハロゲン原子、好ましくは塩素原子)であるか、あるいは、いずれか2つの隣接する基R、R、R、R、RまたはR10が、それらを結合する炭素原子と一緒に環を形成する。特に好ましい配位子は、基本骨格であるシクロペンタジエニル、インデニル、テトラヒドロインデニル、ベンゾインデニルまたはフルオレニルの置換された化合物である。
【0042】
13
【化4】

=BR17、=AlR17、−Ge−、−Sn−、−O−、−S−、=SO、=SO、=NR17、=CO、=PR17または=P(O)R17(式中、R17、R18とR19は、同一であるか、または異なって、水素原子、ハロゲン原子、好ましくはフッ素原子、塩素原子または臭素原子、C−C30−アルキル基、好ましくはC−C−アルキル基、特に好ましくはメチル基、C−C10−フルオロアルキル基、好ましくはCF基、C−C10−フルオロアリール基、好ましくはペンタフルオロフェニル基、C−C10−アリール基、好ましくはC−C−アリール基、C−C10アルコキシル基、好ましくはC−Cアルコキシル基、特に、メトキシ基、C−C10−アルケニル基、好ましくはC−C−アルケニル基、C−C40−アラルキル基、好ましくはC−C10−アラルキル基、C−C40−アリールアルケニル基、好ましくはC−C12−アリールアルケニル基、またはC−C40−アルキルアリール基、好ましくはC−C12−アルキルアリール基を意味するか、あるいはR17とR18、またはR17とR19が、それぞれの場合で、それらを結合している原子と一緒に環を形成する。
【0043】
は、ケイ素、ゲルマニウムまたはスズ、好ましくはケイ素およびゲルマニウムである。R13は、好ましくは、=CR1718、=SiR1718、=GeR1718、−O−、−S−、=SO、=PR17または=P(O)R17である。
【0044】
11とR12は、同一であるか、または異なって、R17について記載の意味を有する。mとnは、同一であるか、または異なって、ゼロ、1または2、好ましくはゼロまたは1を意味し、ここで、m+nはゼロ、1または2、好ましくはゼロまたは1である。
【0045】
14とR15は、R17とR18の定義と同じである。
【0046】
適当なメタロセンの例は以下の通りである。
ビス(1,2,3−トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(1,2,4−トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(1,2−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(1−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(1−n−ブチル−3−メチル−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(2−メチル−4,6−ジイソプロピル−インデニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(4−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(5−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(アルキルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(アルキルインデニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(オクタデシルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビスシクロペンタジエニルジルコニウムジベンジル、
ビスシクロペンタジエニルジルコニウムジメチル、
ビステトラヒドロインデニルジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリル−9−フルオレニルシクロペンタジエニルジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリル−ビス−1−(2,3,5−トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリル−ビス−1−(2,4−ジメチル−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリル−ビス−1−(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリル−ビス−1−(2−メチル−4−エチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリル−ビス−1−(2−メチル−4−イソプロピルインデニル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリル−ビス−1−(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリル−ビス−1−(2−メチル−インデニル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリル−ビス−1−(2−メチルテトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリル−ビス−1−インデニルジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリル−ビス−1−インデニルジルコニウムジメチル、
ジメチルシリル−ビス−1−テトラヒドロインデニルジルコニウムジクロリド、
ジフェニルメチレン−9−フルオレニルシクロペンタジエニルジルコニウムジクロリド、
ジフェニルシリル−ビス−1−インデニルジルコニウムジクロリド、
エチレン−ビス−1−(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリド、
エチレン−ビス−1−(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、
エチレン−ビス−1−(2−メチル−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、
エチレン−ビス−1−(4,7−ジメチル−インデニル)ジルコニウムジクロリド、
エチレン−ビス−1−インデニルジルコニウムジクロリド、
エチレン−ビス−1−テトラヒドロインデニルジルコニウムジクロリド、
インデニル−シクロペンタジエニル−ジルコニウムジクロリド、
イソプロピリデン(1−インデニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
イソプロピリデン(9−フルオレニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
フェニルメチルシリル−ビス−1−(2−メチル−インデニル)ジルコニウムジクロリド、
ならびに、これらメタロセンジクロリドのそれぞれのアルキルまたはアリール誘導体。
【0047】
適当な助触媒が、シングルセンター触媒系を活性化するのに用いられる。式Iのメタロセンのための適当な助触媒は、有機アルミニウム化合物、特に、アルミノキサンであるか、または、アルミニウム非含有系、例えば、R20NH4−xBR21、R20PH4−xBR21、R20CBR21またはBR21である。これら式中、xは、1〜4の数であり、基R20は、同一かまたは異なって、好ましくは同一で、C−C10−アルキルまたはC−C18−アリールを意味するか、あるいは、2つの基R20がそれらを結合する原子と一緒に環を形成し、そして、基R21は、同一か、または異なって、好ましくは同一で、C−C18−アリールを表し、これは、アルキル、ハロアルキル、またはフッ素によって置換されていることができる。特に、R20は、エチル、プロピル、ブチルまたはフェニルを表し、R21は、フェニル、ペンタフルオロフェニル、3,5−ビス−トリフルオロメチルフェニル、メシチル、キシリルまたはトリルを表す。
【0048】
第3の構成成分もまた、極性触媒毒からの保護を維持するために、しばしば必要とされる。有機アルミニウム化合物、例えば、トリエチルアルミニウム、トリブチルアルミニウム、およびその他、更には混合物が適している。
【0049】
方法に応じて、担持されたシングルセンター触媒を使用することも可能である。好ましくは、担持材料と助触媒の残存含有量が、製品中で100ppmの濃度を超えない触媒系である。
【0050】
本発明の着色剤組成物はまた、補助剤、例えば、UV吸収剤、ニッケル安定剤、立体障害アミン(HALS製品)、およびそれらの組み合わせ、を追加的に含むことができる。これは、非特許文献1に開示の製品の全てに該当する。
【0051】
更なる補助剤としては、帯電防止剤、オレアミド(Oelsaeureamid)、グリセリン脂肪酸部分エステル類、ステアレート類、PVC可塑剤、ポリグリセリン、潤滑剤、および酸化防止剤を使用することができる。必要の際には、フィラーとして、ゼオライト、シリカ、モンモリロナイト、ベントナイト、およびシリケート、例えば、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カルシウム、を用いることができる。
【0052】
着色剤としては、有機染料と無機染料、および有機顔料と無機顔料が考慮される。有機染料と有機顔料としては、特に、アゾ顔料またはジアゾ顔料、レーキ化アゾ顔料またはジアゾ顔料、あるいは、多環式顔料、特にフタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、ペリレン顔料、ジオキサジン顔料、アントラキノン顔料、チオインディゴ顔料、ジアリール顔料またはキノフタロン顔料が使用される。
【0053】
着色のための無機染料と無機顔料としては、適当な金属酸化物、混合酸化物、硫酸アルミニウム類、クロマート類、金属粉末、真珠光沢顔料(雲母)、発光性着色剤、酸化チタン類、カドミウム−鉛−顔料、特に、酸化鉄類、カーボンブラック、シリケート、チタン酸ニッケル、コバルト顔料、または酸化クロム、が使用される。
【0054】
メタロセンワックスと、場合によってはその他のポリオレフィンワックス、例えば、エチレンおよび/またはプロピレンのホモポリマーおよび/またはコポリマーの必要な量は、使用される着色剤の表面構造と粒径に依存し、そのため、それに応じて適切に調整すべきである。
【0055】
有機染料と有機顔料を使用する場合、着色剤組成物は、40〜85重量%、特に45〜80重量%の有機顔料と、15〜60重量%、好ましくは20〜55重量%のワックスと、必要な場合、エチレンまたはプロピレンのホモポリマーおよび/またはコポリマーを含むものが特に有利であり、その場合、該組成物は、特に、7.5〜42.5重量%のメタロセン−ポリオレフィンワックス、0.1〜20重量%のエチレン酢酸ビニルワックス、0.5〜20重量%の酸化ワックスかまたは0.5〜20重量%のエチレンおよび/またはプロピレンのホモポリマーおよび/またはコポリマー、および、必要な場合、0〜50重量%の量のその他のフィラーまたは添加剤を含む。
【0056】
無機顔料を使用する場合、着色剤組成物は、60〜85重量%の無機顔料、15〜40重量%のワックス、および、必要な場合、エチレンおよび/またはプロピレンのホモポリマーおよび/またはコポリマーを含むものが特に有利であり、該組成物は、特に、7.5〜30重量%のメタロセン−ポリオレフィンワックス、7.5〜20重量%のその他のオレフィンワックスまたはエチレンのおよび/またはプロピレンのホモポリマーおよび/またはコポリマー、および、0.1〜50重量%の添加剤を含む。
【0057】
完全に分散した調合物を得るためには、カーボンブラックは、有機調合物のように処方されるのが合目的的である。
【0058】
本発明の着色剤組成物を調製する際、個々の成分を予め混合することが、製品製造時の重要な必要条件であり、これは適当な混合装置中で、室温で実施することができる。もしダストフリーの粉末混合物として調合物を使用する場合、比較的高い混合エネルギーを有する混合段階が次いで行われ、この際、第1の段階では、メタロセンポリオレフィンワックスの軟化点よりも約15K低い温度まで、そして第2の段階では、メタロセンポリオレフィンワックスの軟化点よりも約5K低い温度まで加熱するのが有利である。第1の段階は、約3〜10分、好ましくは5〜7分継続し、第2の段階は約1〜5分、好ましくは2〜3分継続する。最終の混合段階の後に、低温混合が行われ、その際、着色剤組成物は約30℃まで冷却される。この工程の継続時間は、通常3〜15分であり、好ましくは5〜10分である。
【0059】
混合時には、摩擦、または混合槽の個別の加熱、あるいはこれらの両方により熱エネルギーを導入することができる。約25℃に予め温度調節することが有利であると思われる。加熱混合の際の初期温度は、高いほど、キャリアーの集塊化と、容器底部での堆積物形成につながる。最後の混合段階の後の混合槽を、上記の予調節温度まで冷却するとも同様に有利である。
【0060】
あとに続く低温混合の際、ダストフリーの粉末混合物において0.05〜3mmまでの粒度が達成するために、流動性の改善の目的で、全混合物に基づいて、0.5重量%までの流動性改善剤(Rieselfaehigkeitsverbesserer)を追加的に加えることができる。後続の工程において扱うための形態、例えば、更に別の強力な混合工程に混合物を投入する場合などにおいてその形態が重要でなければ、供給形態の製造は省略することができる。
【0061】
同方向回転式二軸スクリューでのバッチ製造時、高いワックス含有量用に調節されたスクリュー構造で作業することが有利である。温度プロフィルは、好ましくは、従来技術において開示されているものよりも低い。供給形態の製造のためには、水中ペレット化法(Unterwassergranulierung)が有利に用いられる。
【0062】
これらの調合剤の使用は、ダイフェースペレット化の場合だけでなく、ストランドペレット化の場合にも、これらの顔料負荷量で著しくペレット化性能(Granulierfaehigkeit)を改善する。
【0063】
本発明の着色剤組成物を製造する場合、初期混合プロセスを用いて作業することも合目的的である。最初に、着色剤と、ワックス、および/またはエチレンおよび/またはプロピレンのホモポリマーおよび/またはコポリマーとからなる混合物を製造する。混合は適した混合技術で行う。しかし、調合物の個々の構成成分を直接押出機に供給する場合は、この混合物の製造は省くことができる。しかし、ほとんどの場合、それは最終製品での品質損失を招き、しがって、実務においては、適当な顔料の場合にのみこの方法が使用される。上述の混合物は、それから、適当な計量供給装置によって押出装置に供給される。これは通常、短軸または二軸スクリュー押出機であるが、連続式またはバッチ式混練機も使用される。この後に、ストランドペレット化またはダイフェースペレット化によるペレット化が続き、噴霧もまた可能である。
【0064】
特別な色調を作るためには、モノカラー調合物(Monopraeparationen)を第二の押出工程で互いにブレンドするかまたは単にプラスチックとブレンドする。従来、特別な色調を作る際、モノカラーバッチの消費量が多いことが不利に働いていた。また同様に、第二の押出工程、更には場合によっては第三の押出工程が製造の際のコスト上昇の原因であった。本発明の着色剤組成物の使用によってこれらの欠点は排除することができる。
【0065】
本発明の着色剤組成物は、配合物を得るのにも、プラスチックを直接着色するのにも使用することができる。配合物とは、上述の添加剤、フィラー、および/または着色剤とポリマーとの混合物のことである。
【0066】
驚くべきことに、本発明の着色剤組成物は、様々なポリマー、例えば、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレン−酢酸ビニルコポリマー(EVA)、スチレン−アクリロニトリルコポリマー(SAN)、剛性および可撓性ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレングリコール−テレフタレート(PET)、ポリブチレングリコール−テレフタレート(PBT)およびそれらのコポリエステル、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー(ABS)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、アミドワックス、炭化水素樹脂、モンタンろう、脂肪族ワックス、弾性ゴム、ブチル弾性ゴム、パラフィン、および瀝青、ならびに、更にいくつかの特殊ポリマーを着色可能である。
【0067】
プラスチックへの使用の場合、本発明の着色剤組成物は、従来の混合物およびその他の既知の供給形態のように使用される。有機顔料の場合には顔料の改善された湿潤性のために調合物全体を高温混合することがしばしば慣用であるが、これは省略することができる。
【実施例】
【0068】
以下の実施例は、それぞれ以下の物質パラメーターを有する(下記参照)、ワックスとしてのメタロセン−PP(ポリプロピレン)ワックス、エチレン−酢酸ビニルワックス、および極性または非極性の非メタロセン−PE(ポリエチレン)ワックス、およびエチレンのコポリマーから製造された混合メタロセンワックスを使用した。これらの材料は、微粒子の状態で使用される。
【0069】
本発明に従い使用される表1に記載のポリオレフィンa)およびb)は、特許文献8に記載の方法(一般的な製造指針、実施例1〜16)に従い、メタロセン触媒としてのジメチルシリルビスインデニルジルコニウムジクロリドを用いてエチレンとプロピレンの共重合によって製造した。様々な軟化点と粘度を、エチレンの使用と重合温度を変えることによって調節した。
【0070】
ここにおいて、溶融粘度は、回転粘度計を用いてDIN 53019に従ってmPa・sで、滴点は、ウベローデによる滴点装置を用いてDIN 51801/2に従って、かつ、環球式軟化点は、DIN EN 1427に従って測定した。密度はg/cmでISO 1183に従って測定し、モル質量は、ゲル浸透クロマトグラフィによって測定する。
【0071】
【表1】

【0072】
【表2】

【0073】
【表3】

【0074】
【表4】

【0075】
(噴霧または粉砕した)微粒子状態での使用。
本発明の着色剤組成物は、下記のように製造された。
【0076】
押出しのための混合物として:
ミキサー: ヘンシェル(Henschel)ミキサー、容積5リットル、
成分: 以下に記載の例に従う、
予備混合: 約4〜6分、U=700/分で混合
【0077】
続いて、同方向回転式二軸スクリューで押出しを行い、その下流で水中ダイフェースペレット化を行うか、またはストランドペレット化で押出しを行った。
粒径は0.8〜2mm。
【0078】
あるいは、ダストフリー混合物としての使用。
ミキサー: 高温−低温混合の組み合わせ、容積5リットル、
成分: 以下に記載の例に従う、
予備混合: 約2分、U=350/分で混合
混合段階1)と2)、および冷却段階
第1段階: U=3100/分、T=50〜60℃
混合時間: 約5分〜7分
第2段階: U=1500/分、T=65〜85℃
混合時間: 約2分〜3分
低温混合: 20〜30℃まで
混合時間: 5分〜10分、U=360/分
【0079】
エネルギーは、もっぱら摩擦によって導入した。その結果得られた混合物の平均粒度は1mm未満であった。
【0080】
製造例
以下の実施例において、下記の着色剤組成物を、上述の方法によって製造した。メタロセンワックスとして、表1からのワックスのうちの1つをそれぞれ使用した。
【0081】
1) 50重量%のC.I. Pigment Blue 15:1 (C.I.No.74160 Heucoblau(登録商標)515303)、
15重量%の非極性PEワックス、および、
35重量%のメタロセンPPワックスb)
【0082】
2) 50重量%のC.I. Pigment Blue 15:1 (C.I.No.74160 Heucoblau 515303)、
15重量%のEVAワックス、および
35重量%のメタロセンPPワックスa)
【0083】
3) 65重量%のC.I. Pigment Blue 15:1 (C.I.No.74160 Heucoblau 515303)、
5重量%のEVAワックス、および
30重量%のメタロセンPPワックスa)
【0084】
4) 55重量%のC.I. Pigment Blue 15:1 (C.I.No.74160 Heucoblau 515303)、
7.5重量%のEVAワックス、および
7.5重量%の酸化PEワックス、および
30重量%のメタロセンPPワックスb)
【0085】
5) 50重量%のC.I. Pigment Red 122 (C.I.No.73915)、
7.5重量%のEVAワックス、および
7.5重量%の酸化PEワックス、および
35重量%のメタロセンPPワックスa)
【0086】
6) 50重量%のC.I. Pigment Red 122 (C.I.No.73915)、
12.5重量%のEVAワックス、および
2.5重量%の酸化PEワックス、および
35重量%のメタロセンPPワックスb)
【0087】
7) 70重量%のC.I. Pigment Brown (C.I.No.77500)、
7.5重量%のエチレンのコポリマー、
7.5重量%の酸化PEワックス、および
15重量%のメタロセンPPワックスa)
【0088】
8) 70重量%のC.I. Pigment Brown 29 (C.I.No.77500)、
10重量%の酸化PEワックス、および
20重量%のメタロセンPPワックスa)
【0089】
9) 70重量%のPigment Brown 25 (C.I.No.12510)、
7.5重量%のエチレンのコポリマー、
7.5重量%の酸化PEワックス、および
15重量%のメタロセンPPワックスa)
【0090】
10) 70重量%のPigment Brown 25 (C.I.No.12510)、
10重量%の酸化PEワックス、および
20重量%のメタロセンPPワックスa)
【0091】
11) 60重量%のPigment Red 48:3 (C.I.No.15865:3)、
25重量%のメタロセンPPワックスa)、
15重量%の非極性PEワックス
【0092】
使用例
製造例1〜11による着色剤組成物を、マスターバッチの形でまたは粉末として、プラスチックを直接着色するのに使用した。これらは、顔料での着色のために、様々なポリマーで使用することができる。
【0093】
以下のプラスチックを使用した。
1) アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー(ABS);
2) エチレン−酢酸ビニルコポリマー(EVA);
3) ポリエステル:ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT);
4) ポリエチレン(HDPE);
5) ポリプロピレン(PP);
6) スチレン−アクリロニトリル−コポリマー(SAN);
7) ポリスチレン(PS);
8) ポリカーボネート(PC)
9) 剛性/可撓性−ポリ塩化ビニル(PVC)
【0094】
色濃さ(ST1/3)、フィルター値(Filterwert)(表5を参照)、フィルム品質、更には機械的基本データに関して試験を行った。 分散時には非常に良好な品質が達成された。良好なランダムの顔料分布に特徴的なフィルムの品質も良好なものとして評価できる。着色したポリマーの機械的特性値に対する作用は、著しい損害は示さなかった。それどころか、改善があちこちで確認された。ここで試験したのは、1.5と0.5%の供給形態量でそれぞれ着色されたプラスチックの引張り強さ、引張り伸び、引裂き強さおよび引裂き伸びであった。比較値は、供給形態または顔料の添加のない、純粋なポリマーから得た。
【0095】
【表5】

【0096】
特に低いフィルター値は、ポリマーマトリックス内での添加剤の分布が、本発明の供給形態によって非常に均一に成功すること、およびフィルターの目詰まりとフィルター値の増加を直ぐに引き起こす原因であろう凝集およびそのほかの不均一性が生じないということの証拠である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
i) 一種以上の微細に分散された着色剤とフィラー、
ii) 一種以上のメタロセンポリオレフィンワックス、および、
iii) 任意付加成分としての、極性もしくは非極性のポリオレフィンワックスから選択された一種以上のワックス、および
iv) 場合により、エチレンおよび/またはプロピレンの一種以上のホモポリマーおよび/またはコポリマー、
を含む着色剤組成物であって、該メタロセンポリオレフィンワックスが、該着色剤組成物中に含有されるワックスおよび/またはコポリマーの総重量に基づいて、少なくとも50重量%の量で存在すること、および該メタロセンポリオレフィンワックスが、170℃の温度で測定して3000〜80000mPa・s、好ましくは3100〜35000mPa・s、特に3200〜10000mPa・sの範囲の溶融粘度を有すること、および上記着色剤組成物が、該着色剤組成物の総重量に基づいて、40〜85重量%の範囲の量で一種以上の着色剤を含むことを特徴とする、前記着色剤組成物。
【請求項2】
前記成分ii)、iii)およびiv)の前記ワックスまたはエチレンのコポリマーが、50〜170℃の範囲の温度で溶融することを特徴とする、請求項1に記載の着色剤組成物。
【請求項3】
前記メタロセンポリオレフィンワックスが、80〜170℃の滴点を有することを特徴とする、請求項1または2のいずれかに記載の着色剤組成物。
【請求項4】
それぞれ着色剤組成物の総重量に基づいて、7.5〜60重量%、好ましくは8.5〜55重量%の前記メタロセンポリオレフィンワックス、30重量%までの、好ましくは0.5〜25重量%の一種以上の非メタロセンワックスあるいはエチレンおよび/またはプロピレンのホモポリマーおよび/またはコポリマー、および40〜85重量%、好ましくは45〜80重量%の一種以上の着色剤と、0〜50重量%の通常のフィラーまたは添加剤を含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の着色剤組成物。
【請求項5】
一種以上の着色剤が、無機染料、有機染料、無機顔料または有機顔料から選択されたものであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の着色剤組成物。
【請求項6】
一種以上の着色剤が、無機染料または無機顔料、例えば、顔料着色に適した金属酸化物、混合酸化物、硫酸アルミニウム類、クロマート類、金属粉末、真珠光沢顔料(雲母)、発光着色剤、酸化チタン類、カドミウム−鉛−顔料、酸化鉄類、カーボンブラック、シリケート、チタン酸ニッケル類、コバルト顔料、または酸化クロム類、から選択されたものであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の着色剤組成物。
【請求項7】
7.5〜30重量%、好ましくは12.5〜20.5重量%のポリプロピレンメタロセンワックス、7.5〜20重量%の一種以上の非メタロセンワックスあるいはエチレンのおよび/またはプロピレンのホモポリマーおよび/またはコポリマーを含み、かつ、60〜85重量%、好ましくは70〜85重量%の一種以上の無機顔料と、0.1〜50重量%の通常のフィラーまたは添加剤を含むことを特徴とする、請求項6に記載の着色剤組成物。
【請求項8】
前記一種以上の有機染料または有機顔料が、アゾ顔料またはジスアゾ顔料、レーキ化アゾ顔料またはレーキ化ジスアゾ顔料、および、多環式顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、ペリレン顔料、ジオキサジン顔料、アントラキノン顔料、チオインディゴ顔料、ジアリール顔料またはキノフタロン顔料から選択されたものであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の着色剤組成物。
【請求項9】
7.5〜42.5重量%のポリプロピレンメタロセンワックス、0.1〜30重量%の一種以上の非メタロセンワックスあるいはエチレンおよび/またはプロピレンのホモポリマーおよび/またはコポリマーを含み、30〜75重量%の一種以上の有機顔料と、0〜50重量%の量の通常のフィラーまたは添加剤を含むことを特徴とする、請求項8に記載の着色剤組成物。
【請求項10】
添加剤として、光安定剤、例えば、UV吸収剤、ニッケル安定剤、またはHALS剤、またはそれら剤の組み合わせをさらに含むことを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の着色剤組成物。
【請求項11】
前記非メタロセンポリオレフィンワックスが、滴点が120℃未満であり、かつ、(140℃で測定された)粘度が30000mPa・s未満であるEVAワックスと酸化ワックスから選択されたものであることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の着色剤組成物。
【請求項12】
様々なポリマーとの非常に良好な相溶性、好ましくはPE、PP、EVA、PBT、PET、SAN、PS、ABS、PC、およびPVC、ゴム、ならびにそれらポリマーの混合物との非常に良好な相溶性が供されていることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の着色剤組成物。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか一項に記載の着色剤組成物を製造する方法であって、
a) 前記個々の成分を低温混合するか、あるいは
b) 着色剤とワックスからなる混合物を機械的混合により、前記メタロセンポリオレフィンワックスの滴点より15〜5K低い温度まで加熱することにより均一化し、ついで、10〜30℃の温度まで冷却する、
ことを特徴とする、前記方法。
【請求項14】
前記製造が、60〜260℃、好ましくは80〜220℃の範囲の温度で行われることを特徴とする、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記機械的混合が、同方向回転式二軸スクリューを使用して押出機で行われることを特徴とする、請求項13または14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
着色されたプラスチック部品の製造のための、請求項1〜12のいずれか一項に記載の着色剤組成物の供給形態としての使用。
【請求項17】
プラスチックの光安定性改質のための請求項10に記載の着色剤組成物の使用。

【公表番号】特表2010−500424(P2010−500424A)
【公表日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−523202(P2009−523202)
【出願日】平成19年8月10日(2007.8.10)
【国際出願番号】PCT/EP2007/007081
【国際公開番号】WO2008/019801
【国際公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願人】(398056207)クラリアント・ファイナンス・(ビーブイアイ)・リミテッド (182)
【Fターム(参考)】