説明

オンライン広告品質を示すオフライン応答の追跡

オンライン広告を提供する、コンピュータで実施する方法であって、オフライン応答メカニズムを含むオンライン広告を提供する段階であって、前記オンライン広告に関連する品質スコアに基づいて前記オンライン広告が提供される段階と、前記オンライン広告に対するオフライン応答の通知を受信する段階と、前記オフライン応答の前記通知の受信に基づいて前記オンライン広告に関連する前記品質スコアを調整する段階とを含み、前記品質スコアの調整後に、前記調整済み品質スコアに基づいて前記オンライン広告を再び提供する段階をさらに含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2009年3月4日に出願された「TRACKING OFFLINE RESPONSES TO INDICATE ONLINE ADVERTISEMENT QUALITY」という名称の米国特許出願第12/397,546号の優先権を主張し、その開示を参照により本明細書に組み込む。
【0002】
本開示は、オンライン広告品質を示すことに関する。
【背景技術】
【0003】
インターネットの進歩により、ビデオおよび/または音声ファイル、特定の主題のウェブページ、およびニュース記事といった様々なコンテンツアイテムへのアクセスが可能になっている。同様に、こうしたコンテンツアイテムへのかかるアクセスにより、ターゲット広告の機会が生じている。例えば、あるユーザにとって特に興味深いコンテンツアイテムを、ユーザ照会に応答して検索エンジンによって識別することができる。照会は、1つまたは複数の検索用語を含むことができ、検索エンジンは、照会での検索用語に基づいてコンテンツアイテムを識別し、選択的にランク付けできる。検索エンジンは、ユーザにコンテンツアイテムを提示するときにコンテンツアイテムのランク付けを使用できる(例えば、コンテンツアイテムはそのランクに従って提示できる)。照会はまた、ユーザにとって興味深い情報の種類を示すものとなりうる。広告主によって指定されたキーワードのリストとユーザ照会とを比較することによって、ユーザにターゲット広告を提供することが可能である。
【0004】
別の形式のオンライン広告は広告シンジケーションであり、これにより広告主は追加のパートナーに広告を配布して市場範囲を拡大することができる。例えば、第三者オンライン配信者は、広告に関係したコンテンツを有するウェブページに広告主のテキストまたは画像の広告を掲載することができる。配信者のウェブページのユーザは、ウェブページの特定のコンテンツに興味を持つ可能性が高いため、広告に登場する商品またはサービスに興味を持つ可能性も高い。したがって、こうしたターゲット広告掲載は、広告主のウェブサイトにオンライン顧客を誘導するのに寄与することができる。
【0005】
また、オンライン広告は通常、広告に関連する企業を識別し、当該企業に関するオフライン活動を追求するためのユーザ向けの十分な情報を含む。企業と接点を持ち、それにより配信者に適切に報いる消費者向けオフライン応答メカニズムを提供することによって、こうしたオフライン活動を捕捉する努力がなされてきた。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
オンライン広告品質を示すシステム、方法およびコンピュータ可読媒体が提供される。オンライン広告品質を示す例示的な方法は、オンライン広告に関連する品質スコアに基づいて、オフライン応答メカニズムを含むオンライン広告を提供すること、オンライン広告に対するオフライン応答の通知を受信すること、オフライン応答の通知の受信に基づいて、オンライン広告に関連する品質スコアを調整することを含むことができる。
【0007】
システム、方法、装置、コンピュータ可読媒体およびユーザインタフェースを対象とした実施態様を含む他の実施態様が開示される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】オフライン応答追跡および品質スコア調整を提供できる例示的なネットワークアーキテクチャのブロック図である。
【図2】例示的な広告品質スコアリングシステムのブロック図である。
【図3】例示的なオフライン応答追跡サブシステムのブロック図である。
【図4】オフライン応答に基づいてオンライン広告の品質を示す例示的な方法の流れ図である。
【図5】オフライン応答またはオンライン応答に基づいてオンライン広告の品質を示す別の例示的な方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
概要
全般的に、説明する技術は、広告に対するオフライン応答に基づいてオンライン広告に関連する品質スコアを調整することによってオンライン広告の品質を示すことに関する。オフライン応答は、例えば電話、クーポンの使用、電子メール、インスタントメッセージおよびテキストメッセージ(例えば、ショートメッセージサービス(SMS)、拡張メッセージサービス(EMS)またはマルチメディアメッセージサービス(MMS))を含むことができ、これらはオンライン広告に含まれるオフライン応答メカニズム(例えば、電話番号、電子クーポン、電子メールアドレス、テキストメッセージアドレス)を通じて促進されうる。オフライン応答は、追跡システムを使用して記録できる。追跡システムは、受信されたオフライン応答の種類の通知を品質スコアリングシステムに提供することができる。品質スコアリングシステムは、通知に基づいて広告の品質スコアを調整することができる。したがって、オフライン行動に対する評価(credit)がオンライン広告の品質スコアに適用される。
【0010】
広告に関して様々な例を説明しているが、本明細書で説明するシステムおよび方法はまた、ビデオ、記事およびレビューなど測定可能なパフォーマンスまたは品質パラメータを有する他の種類のコンテンツアイテムの品質スコア調整を促進することができる。
【0011】
本明細書で説明する技術は、図1に示す例示的なオンライン環境100のようなオンライン環境で実施できる。オンライン環境100は、ユーザ向けのウェブページや広告などのコンテンツアイテムの識別およびサービス提供を促進することができる。ローカルエリアネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)、インターネットまたはこれらの組み合わせなどのコンピュータネットワーク110は、広告主102aおよび102b、広告管理システム104、配信者106aおよび106b、ユーザデバイス108aおよび108bならびに検索エンジン112を接続する。たった2者の広告主(102aおよび102b)、2者の配信者(106aおよび106b)、2つのユーザデバイス(108aおよび108b)が示されているが、オンライン環境100は数多くの広告主、配信者およびユーザデバイスを含むことができる。
【0012】
広告の配信および追跡
オンライン環境100において、広告主102aおよび/または102bの1者または複数は、直接的または間接的に、広告管理システム104内のオンライン広告情報を入力、維持および追跡することができる。オンライン広告は、グラフィカル広告、例えばバナー広告、テキストのみの広告、画像広告、音声広告、ビデオ広告、これらの広告種類の1つもしくは複数を組み合わせた広告、またはその他の種類の電子広告120の形式であってもよい。広告はまた、リンク、メタ情報など埋め込み情報、および/またはHTMLやJava(登録商標)Scriptなど機械実行可能命令を含むことができる。
【0013】
ユーザデバイス108aのようなユーザデバイスは、ページコンテンツ111に対する要求109を配信者または検索エンジン112に出すことができる。実施態様によっては、ページコンテンツ111は、ページコンテンツ要求109に応じてユーザデバイス108aに提供されうる。ページコンテンツは、広告管理システム104によって提供される広告を含むことができ、またはユーザデバイス108aで実行され広告管理システム104から広告を要求することができる実行可能命令、例えばJava(登録商標)Scripを含むことができる。例示的なユーザデバイス108はパーソナルコンピュータ、モバイル通信機器、およびテレビ用セットトップボックスを含む。
【0014】
広告はまた、配信者106から提供されうる。例えば、配信者106aおよび/または106bの1者または複数は、1つまたは複数の広告に対する広告要求をシステム104に出すことができる。システム104はこれに応じて、要求元の配信者106aまたは106bに配信者のウェブプロパティ(例えば、ウェブサイトおよび他のネットワーク配布コンテンツ)の1つまたは複数に掲載する広告を送信する。広告は、ランディングページ(例えば、ユーザが配信者のウェブサイト上に提示された広告をクリックしたときにユーザが誘導される広告主関連のウェブサイト上のページ)への埋め込みリンクを含むことができる。広告要求はまた、コンテンツ要求情報を含むことができる。この情報は、コンテンツ自体(例えば、ページまたは他のコンテンツドキュメント)、コンテンツもしくはコンテンツ要求に対応するカテゴリ(例えば、芸術、ビジネス、コンピュータ、芸術-映画、芸術-音楽)、コンテンツ要求、コンテンツの寿命(content age)、コンテンツの種類(例えば、テキスト、グラフィック、ビデオ、音声もしくは混合メディア)、または地理的位置情報のうちの一部または全部を含むことができる。
【0015】
実装によっては、配信者106は要求されたコンテンツとシステム104によって提供される広告の1つまたは複数とを組み合わせることができる。この組み合わせのページコンテンツ109および広告は、ビューワ(例えば、ブラウザまたは他のコンテンツ表示システム)で提示するページコンテンツ111としてコンテンツを要求したユーザデバイス108(例えばユーザデバイス108a)に送信されうる。配信者106は、(例えばHTMLまたはJava(登録商標)Scriptにおいて)広告をレンダリングする方法、時期および/または場所を説明する情報を含む、広告に関する情報を広告管理システム104に返送することができる。
【0016】
配信者106aおよび106bは、コンテンツ(例えば、記事、議論スレッド、音楽、ビデオ、グラフィック、検索結果、ウェブページリスティング、または情報フィード)に対する要求を受信し、要求に応じて要求されたコンテンツを取り出す一般的なコンテンツサーバを含むことができる。例えば、ニュースコンテンツプロバイダ、小売業者、独立したブログ、ソーシャルネットワークサイトに関係するコンテンツサーバ、またはネットワーク110を介してコンテンツを提供するその他のエンティティが、配信者となることができる。
【0017】
また、広告は検索エンジン112の使用を通じて提供されうる。検索エンジン112は、検索結果を求める照会を受信することができる。これに応じて、検索エンジン112はドキュメントのインデックスから(例えば、ウェブページのインデックスから)関連する検索結果を取り出すことができる。検索結果は、例えば、ウェブページのタイトルのリスト、こうしたウェブページから抽出されたテキストの断片、およびこうしたウェブページへのハイパーテキストリンクを含むことができ、所定の件数の(例えば10件の)検索結果にグループ化できる。
【0018】
また、検索エンジン112はシステム104に広告要求を出すことができる。要求は所望の複数の広告を含むことができる。この数は、検索結果、検索結果が占めるスクリーンまたはページ領域の量、ならびに広告の規模および形などの要素に依拠することができる。また、広告要求は(入力または構文解析される)照会、照会に基づく情報(地理的位置情報、照会が会員(affiliate)から来たか否か、かかる会員の識別子など)、および/または検索結果に関連もしくは依拠する情報を含むことができる。こうした情報は、例えば、検索結果に関係する識別子(例えば、ドキュメント識別子または「docID」)、検索結果に関係するスコア(例えば、情報検索(「IR」)スコア)、識別されたドキュメント(例えば、ウェブページ)から抽出されたテキストの断片、識別されたドキュメントのテキスト全部、および識別されたドキュメントの特徴量ベクトルを含むことができる。実施形態によっては、IRスコアは例えば、照会およびドキュメントに対応する特徴量ベクトルのドット積、ページランクスコア、ならびに/またはIRスコアおよびページランクスコアの組み合わせから算出できる。
【0019】
検索エンジン112は、システム104によって提供される広告の1つまたは複数と検索結果とを結び付けることができる。次いで、この結び付けられた情報は、ページコンテンツ111としてコンテンツを要求したユーザデバイス108に転送されうる。検索結果は、有料広告と中立的とみられる検索結果との間でユーザが混乱しないよう、広告から独立して維持できる。
【0020】
オンライン応答追跡
広告主102、ユーザデバイス108、および/または検索エンジン112はまた、使用情報を広告管理システム104に提供することができる。この使用情報は、例えば、広告に関係するコンバージョンまたは選択が生じているか否かなど、サービスを提供されている広告に関係する測定または観察されたユーザ行動を含むことができる。広告を選択するユーザ行動を、クリックスルーなど、広告に対するオンライン応答と呼ぶことができる。実施態様によっては、システム104は使用情報に基づいて配信者106に売掛処理し(crediting)、広告主102に課金するといった金融取引を実行することができる。こうした使用情報を処理して、パフォーマンス指標、例えばクリックスルー率(「CTR」)、コンバージョン率、およびオンライン応答に関するその他の測定可能なパフォーマンス指標を測定することもできる。
【0021】
例えば、配信者または広告管理システムによって戻されたコンテンツアイテムへのリンクをユーザデバイスのユーザが選択または「クリック」した場合に、クリックスルーが生じることがある。CTRは、コンテンツアイテム、例えばランディングページへのリンク、広告、または検索結果をクリックしたユーザの数を、コンテンツアイテムが配布された回数で割ることにより得られるパフォーマンス指標である。例えば、コンテンツアイテムへのリンクが100回配布され、3人が当該コンテンツアイテムをクリックした場合、当該コンテンツアイテムのCTRは3%である。他の使用情報および/またはパフォーマンス指標を使用することもできる。
【0022】
以前に提供された広告に関係する取引をユーザが完了させたとき、「コンバージョン」が生じる。何がコンバージョンとなるかは、ケースバイケースであってもよく、様々な方法で決定されうる。例えば、オンラインコンバージョンは、ユーザが広告をクリックし、広告主のウェブページに案内され、当該ウェブページを離れる前に購入を完了させたときに生じることがある。広告主はコンバージョンを、白書をダウンロードする、少なくとも所与の深さのウェブサイトまでナビゲートする、少なくとも一定数のウェブページを閲覧する、ウェブサイトでもしくはウェブページで少なくとも所定量の時間を費やす、またはウェブサイトで登録するといった測定可能/観察可能なユーザ行動となるように定義することもできる。コンバージョンを構成する他の行動を使用することできる。
【0023】
各種実施態様では、オンライン応答の受信を広告品質スコアリングシステム140に伝達できる。広告品質スコアリングシステム140は、オンライン応答の通知の受信に基づいて広告に関連する品質スコアを調整できる。
【0024】
オフライン応答の追跡
ユーザに提供されるオンライン広告はさらに(または代わりに)、ユーザと広告主102a〜bとの接触を促進するよう動作可能なオフライン応答メカニズムを含むことができる。実施態様によっては、オフライン応答メカニズムは、オンライン広告に埋め込まれた電話番号を含むことができる。電話番号は、オフライン応答追跡サブシステム150と関連付けられた交換機(例えば、構内交換機(PBX))を識別することができる。交換機は、オンライン広告で識別された電話番号宛のコール(例えば、接続要求)を受信すると、受信者(例えば、広告に関連する企業)を識別し、コールを受信者にルーティングすることができる。PBXはまた、広告に関連するオフライン応答が受信されたことをオフライン応答追跡サブシステム150に知らせるようにプログラムされうる。
【0025】
他の実施態様では、他のオフライン応答メカニズムをオンライン広告内に含めることができる。こうしたオフライン応答メカニズムは、例えば、テキストメッセージ、1つもしくは複数のクーポン、インスタントメッセージ識別、または電子メールアドレスを含むことができる。実施態様によっては、オフライン応答メカニズムは店頭アドレスを要求することができ、これにより、全地球測位システム(GPS)と広告とがインタフェースをとって、広告に関連する店頭をユーザが訪れた時期を判断することができる。こうした実施態様は、ユーザ情報を不明にしてプライバシーの懸念を緩和することができる。ユーザがオフライン応答メカニズムの1つを選択したとき、オフライン応答はオフライン応答追跡サブシステム150によって識別され、追跡されうる。
【0026】
オフライン応答追跡サブシステム150は、広告に関連するオフライン応答の受信に応じて、オフライン応答の受信を広告品質スコアリングシステム140に通知することができる。広告品質スコアリングシステム140は、オフライン応答の通知の受信に基づいて、広告に関連する品質スコアを調整することができる。
【0027】
実施態様によっては、広告品質スコアリングシステム140は、オフライン応答の種類間を区別することができる。例えば、クーポンの使用は、ユーザが広告主102a〜bに関連する企業から購入したことがあることを示している。商品またはサービスの購入は、クリックスルーまたは電話よりも優れた品質表示だと認めることができる。同様に、電話はクリックスルーよりも多くの労力を必要とし、それにより、クリックスルーよりも優れた広告品質表示を提供すると考えることができる。こうして、受信されたオフライン応答(またはオンライン応答)の種類に基づいて広告の品質スコアが調整されるルールが提供されうる。
【0028】
この例では、オフライン応答追跡サブシステム150は、広告管理システム104のサブシステムとして示されているが、実施態様によっては、オフライン応答追跡サブシステムは、オフライン応答のルーティングのため使用される様々な他のデバイス(例えば、PBX、電子メールサーバ、IMサーバ、またはテキストメッセージサーバ)の構成要素であることもある。さらに他の実施態様では、オフライン応答追跡サブシステムは独立型構成要素として提供されうる。
【0029】
広告のオークションおよび管理
広告が検索照会または配信者のウェブページコンテンツなどのコンテンツに基づいて選択されることに加えて、オークションなどの他の選択プロセスから広告を選択することもできる。1つの実施態様では、広告管理システム104はオークションプロセスを含む。広告主102に対し、広告のクリックごとに広告主が支払うつもりの金額、例えば、ユーザが広告をクリックしたときなどに広告主が支払うクリック単価を選択または入札することを認めることができる。クリック単価は、最大クリック単価、例えば、キーワードに基づいて広告のクリックごとに広告主が支払うつもりの最大金額を含むことができる。例えば、広告主A、BおよびCはすべて、それぞれ0.50ドル、0.75ドル、および1.00ドルの最大クリック単価を選択または入札する。クリックにつき広告主Aが払う最大金額は0.50ドル、広告主Bが払う最大金額は0.75ドル、広告主Cが支払う最大金額は1.00ドルである。
【0030】
検索結果の隣でどこに広告が表示されるか、配信者ページのどの位置に広告を表示するかといった、広告のポジションまたはランクは、クリック単価に広告に関連する品質スコアを掛けたものの関数とすることができる。品質スコアは品質および広告の関連性を測定する基礎となりうる。品質スコアは、例えば、広告のクリックスルー率、広告テキストの関連性、全体的な過去のキーワードパフォーマンス、および広告に関連するランディングページにおけるユーザ体験によって決定できる。品質スコアを決定するために他のパラメータを使用することもできる。
【0031】
表示される広告のランクは、広告の最大クリック単価と広告の品質スコアとを掛けることで決定できる。次いで広告は、ランクの昇順または降順で他の広告の間に配置できる。例えば、広告主A、BおよびCの品質スコアがそれぞれ「3」、「1」および「1」であると仮定する。広告主A、BおよびCのランクは以下のとおり決定できる。
A:ランク=品質スコア×最大クリック単価= 3.0×$0.50 = 1.50
B:ランク=品質スコア×最大クリック単価= 1.0×$0.75 = 0.75
C:ランク=品質スコア×最大クリック単価= 1.0×$1.00 = 1.00
広告主は以下のとおりランク付けできる。
1. A
2. C
3. B
【0032】
広告は実際のクリック単価と結び付けられてもよい。広告の実際のクリック単価は、広告の最大クリック単価、広告の品質スコア、および真下の広告主によって選択または入札された金額によって決定できる。1つの実施態様では、実際のクリック単価は、広告のポジションを次の広告より上に維持するために必要な価格であってもよい。実際のクリック単価を決定するために、システム104は、ポジション1にある広告主がポジション2にある広告主と等しいランクを得るために支払わなければならない金額を決定することができ、次いでシステム104は、この決定された金額に単価、例えば0.01ドルを加える。
【0033】
ポジション1にある広告主がポジション2にある広告主と等しいランクを得るために支払わなければならない金額を決定するために、ポジション2のランクをポジション1の品質スコアで割り、その金額に0.01ドル加えることができる。リストにおける最後の広告主は、リストにおけるポジションを保持するために最小クリック単価を支払うことができる。最小クリック単価は、広告ごとに決定でき、広告の品質に基づくことができる。例えば、最小クリック単価が0.20ドルであると想定する。広告主A、BおよびCの実際のクリック単価は以下のとおり決定できる。
A:Cのランク/Aの品質スコア= 1.0/3 = $0.33 + $0.01 = $0.34
C:Bのランク/Cの品質スコア= 0.75/1 = $0.75 + $0.01 = $0.76
B:最小クリック単価= $0.20
【0034】
この例では、広告主Aは広告のリストで第1ポジションを保持するために0.34ドル支払うだけでよい。Cは、第2ポジションを保持するために0.76ドル支払わなければならない。広告主Bは、最小クリック単価の金額0.20ドルを支払う必要がある。
【0035】
上述の広告、関連使用データおよび入札パラメータは広告データ記憶装置114に広告データとして記憶できる。広告主102は、広告キャンペーンを指定することによって広告のサービス提供をさらに管理することができる。広告キャンペーンは、キャンペーンデータ記憶装置116内のキャンペーンデータ内に記憶でき、これは例えば、広告の広告予算のほか、いつ、どこで、またどのような条件で特定の広告を提示のため提供できるかを指定することができる。例えば、コンピュータ会社は、4月23日に発売予定の新たなラップトップ型コンピュータの広告キャンペーンを設計することができる。広告キャンペーンは、100,000ドルの広告予算を有することができ、4月中に提示のため提供される30の異なる広告を有することができる。広告キャンペーンを特徴付けるこうしたデータをキャンペーンデータ116に記憶できる。
【0036】
応答の種類に基づく品質スコアの調整
図2は、例示的な広告品質スコアリングシステム140のブロック図である。実施態様によっては、広告品質スコアリングシステム140は応答識別構成要素210、オンライン応答品質スコアリング調整サブシステム220、およびオフライン応答品質スコアリング調整サブシステム230を含むことができる。応答識別構成要素210は、(例えば、オフライン広告追跡サブシステム150またはオンライン広告追跡サブシステム(不図示)を通じて)広告管理システム104からオンライン広告に対する応答の通知を受信することができる。通知に応じて、応答識別構成要素は、受信された応答がオンライン応答であるか、オフライン応答であるかを判断することができる。応答がオンライン応答である場合、応答識別構成要素210はオンライン応答品質スコアリング調整サブシステム220に通知を提供することができる。応答がオフライン応答である場合、応答識別構成要素210はオフライン応答品質スコアリング調整サブシステム230に通知を提供することができる。
【0037】
オンライン応答品質スコアリング調整サブシステム220は、オンライン応答に関連する品質係数に基づいてオンライン広告の品質を調整することができる。実施態様によっては、品質係数はオンライン応答の品質に基づいて識別されうる。例えば、オンラインコンバージョン事象(オンライン購入)はクリックスルーよりも上位の品質係数と結び付くことができる。
【0038】
オフライン応答品質スコアリング調整サブシステム230は、オフライン応答に関連する品質係数に基づいてオンライン広告の品質を調整することができる。実施態様によっては、品質係数はオフライン応答の品質に基づいて識別されうる。例えば、クーポンの使用を通じて識別されるオフラインコンバージョン事象(購入)は、広告に関連する企業への電話よりも上位の品質係数と結び付くことができる。
【0039】
オフラインおよびオンライン応答品質スコアリング調整サブシステム220、230は、広告データ記憶装置114から広告の現在の品質スコア情報を受信することができる。品質調整サブシステム220、230は、オンラインまたはオフライン応答に関連する品質係数に基づいて広告の現在の品質スコア情報を調整することができる。広告に関連する調整済み品質スコアは、広告データ記憶装置に記憶され、広告に関連する現在の品質スコアに取って代わる。
【0040】
オフライン応答の追跡
図3は、例示的なオフライン応答追跡サブシステム150のブロック図である。オフライン応答追跡サブシステム150は、PBX300、電子メールサーバ305、広告主のサービス/販売時点(PoS)デバイス310、またはテキストメッセージサーバ315の1つまたは複数と通信することができる。
【0041】
オンライン広告が電話オフライン応答メカニズムを含む実施態様では、オフライン応答追跡サブシステム150はPBX300と通信することができる。例えば、広告に関連する企業に直接電話する代わりにPBX300を識別するためのオフライン応答メカニズム(例えば電話番号)を設定できる。PBX300は、ユーザデバイス350aまたは350bから接続要求を受信すると、接続要求先の番号(アドレス)に基づいて広告に関連する企業を識別することができる。例えば、電話オフライン応答メカニズムを有する各広告に、接続要求のルーティング先となるべき企業を識別する固有の電話番号を割り当てることができる。PBX300はそれにより当該企業に接続要求をルーティングすることができる。
【0042】
様々な実施態様では、ユーザはオンライン広告に関連する電話番号を手動でダイヤルすることによって、またはモバイル通信機器(例えば携帯電話)を使用して番号を選択することによって接続要求を開始することができる。
【0043】
PBX300は、広告に関連する企業に接続要求をルーティングすることに加えて、オフライン応答追跡サブシステム150に信号を送信して、オフライン応答が受信されたことをオフライン応答追跡サブシステム150に通知することもできる。これによりオフライン応答追跡サブシステム150は、広告品質スコアリングシステム140に通知を提供することができる。
【0044】
オンライン広告が電子メールオフライン応答メカニズムを含む実施態様では、オフライン応答追跡サブシステムは電子メールサーバ305と通信することができる。例えば、オフライン応答追跡サブシステム150と関連付けられた電子メールサーバを介したルーティングのためのオフライン応答メカニズム(例えば電子メールアドレス)を設定できる。広告で識別されたアドレス宛の電子メールがユーザ360a、360b、360cから受信されたとき、電子メールサーバ305は電子メールに関連する広告を識別することができ、広告に関連する企業の電子メールアドレスに電子メールを転送することができる。こうした実施態様では、ユーザの身元を不明にしてユーザのプライバシーを保護することができる。こうした不明化はまた、ユーザと広告主との通信のさらなる追跡を促進することができ、その理由は、こうした通信が、オフライン応答追跡サブシステム150と関連付けられた中間の電子メールサーバ305(例えばプロクシーサーバ)を介して伝達されることにある。
【0045】
電子メールサーバ305は、広告に関連する企業に電子メールをルーティングすることに加えて、オフライン応答追跡サブシステム150に信号を送信して、オフライン応答が受信されたことをオフライン応答追跡サブシステム150に通知することもできる。これによりオフライン応答追跡サブシステム150は、広告品質スコアリングシステム140に通知を提供することができる。
【0046】
他の実施態様では、電子メールアドレスによって識別された企業に関連するクライアントは、広告を識別する電子メールが受信されたときにオフライン応答追跡システムに信号を送るように動作可能なソフトウェアを含むことができる。例えば、電子メールヘッダは、オフライン応答追跡サブシステム150への通知の提供を引き起こすトークンを含むことがある。こうして、電子メールオフライン応答メカニズムが選択されたとき、電子メールアドレスおよびトークンが事前に埋め込まれた(pre- populated)電子メールが、広告に関連する企業への送信用に生成される。企業の電子メールクライアントに対するプラグイン追跡構成要素は、電子メールを受信すると、メッセージを構文解析し、トークンを識別し、メッセージ内のトークンの識別に基づいてオフライン応答追跡サブシステム150と通信することができる。これによりオフライン応答追跡サブシステム150は広告品質スコアリングシステム140に対し、識別されたオフライン応答の結果としてオンライン広告に関連する品質スコアを調整するよう命令することができる。
【0047】
オンライン広告がクーポンオフライン応答メカニズムを含む実施態様では、オフライン応答追跡サブシステム150は広告主のPoSデバイス310と通信することができる。実施形態によっては、PoSデバイスはスキャナ330(例えばバーコードスキャナ)に結合されうる。いくつかの例では、バーコードスキャナ330は、オフライン応答メカニズムとして広告370aに含まれるバーコードを目的に当該広告のプリントアウトをスキャンできる。他の例では、バーコードスキャナ330は、ユーザデバイス370bと関連付けられたスクリーンからバーコードをスキャンできる。バーコードスキャナ330は、バーコード情報をPoSデバイス310に戻すことができる。
【0048】
実施態様によっては、バーコード情報の受信により、PoSデバイス310はユーザによって購入された(複数の)商品または(複数の)サービスにディスカウントを適用することができる。また、バーコード情報の受信により、PoSデバイス310はオフライン応答をオフライン応答追跡サブシステム150に通信することができる。オフライン応答追跡サブシステム150はその後、広告品質スコアリングシステム140に対し、オフライン応答の識別に基づいて広告に関連する品質スコアを調整するよう命令することができる。
【0049】
他の実施形態では、モバイル通信機器370bは、PoSデバイス310と関連付けられた無線トランシーバ335に電子クーポンを無線通信することができる。通信は、例えばBluetooth(登録商標)、IEEE 802.11規格、赤外線、RFIDおよびセルラ規格を含む様々な無線形態のいずれかで提供できる。PoSデバイス310は、電子クーポンを受信すると、受信を確認し、トランシーバ335を介してモバイル通信機器370bに確認コードを戻すことができる。それにより確認コードはモバイル通信機器370bに、例えばセルラインタフェース340を介してオフライン応答追跡サブシステム150に確認コードを通信させることができる。
【0050】
オンライン広告がテキストメッセージオフライン応答メカニズムを含む実施態様では、オフライン応答追跡サブシステム150はテキストメッセージサーバ315と通信することができる。例えば、オフライン応答追跡サブシステム150と関連付けられたテキストメッセージサーバを介したルーティングのためのオフライン応答メカニズム(例えばテキストメッセージアドレス)を設定できる。広告で識別されたテキストメッセージアドレス宛のテキストメッセージがユーザ380aから受信されたとき、テキストメッセージサーバ315は、テキストメッセージが関連する広告を識別することができ、識別された広告に関連する企業のテキストメッセージアドレスにテキストメッセージを転送することができる。こうした実施態様では、広告に応答するユーザの身元を不明にしてユーザのプライバシーを保護することができる。こうした不明化はまた、ユーザと広告主との通信のさらなる追跡を促進することができ、その理由は、こうしたテキストメッセージ通信が、オフライン応答追跡サブシステム150と関連付けられた中間のテキストメッセージサーバ315を介して伝達されることにある。
【0051】
テキストメッセージサーバ315は、広告に関連する企業にテキストメッセージをルーティングすることに加えて、オフライン応答追跡サブシステム150に信号を送信して、オフライン応答が受信されたことをオフライン応答追跡サブシステム150に通知することもできる。これによりオフライン応答追跡サブシステム150は、オフライン応答に基づいて広告に関連する品質スコアを調整するために広告品質スコアリングシステム140に通知を提供することができる。
【0052】
オフライン応答の例示的な品質調整プロセス
図4は、オフライン応答に基づいてオンライン広告の品質を調整する例示的方法400の流れ図である。段階410では、オンライン広告が提供される。オンライン広告は、例えば広告管理システム(例えば、図1の広告管理システム104)によって提供されうる。オンライン広告はオフライン応答メカニズムを含むことができる。様々な実施態様では、オフライン応答メカニズムは、電話番号、電子メールアドレス、インスタントメッセージアドレス、テキストメッセージアドレス、電子クーポン、または店舗位置の1つまたは複数を含むことができる。オンライン広告は、オンライン広告に関連する品質スコアに基づいて提供されうる。様々な実施態様では、オンライン広告はまた、検索照会または配信者ウェブサイトで提供されるキーワード間の合致度合い、広告に関連する最高の最大入札額、オンライン応答率(例えばCTR)、またはランディングページの品質のいずれかに基づいて提供されうる。
【0053】
段階420では、オフライン応答の識別の通知が受信される。オフライン応答の識別の通知は、例えばオフライン応答追跡システム(例えば、図1のオフライン応答追跡サブシステム150)によって受信されうる。実施態様によっては、オフライン応答を識別することは、受信されたオフライン応答の種類を識別することを含むことができる。オフライン応答は、例えば、サーバ(例えば、電子メールサーバ、電話交換機(例えば、PBX)、テキストメッセージサーバまたはPoSデバイス)を介してルーティングできる。サーバは、広告に関連するオフライン応答の識別をオフライン応答追跡システムに通信することができる。
【0054】
段階430では、オンライン広告に関連する品質スコアは、オフライン応答の受信に基づいて調整される。品質スコアは、例えば広告品質スコアリングシステム(例えば、図1の広告品質スコアリングシステム140)によって調整されうる。実施態様によっては、品質スコア調整要素は全種類のオフライン応答において同一であってもよく、それにより例えば、クーポン使用の品質スコア調整要素は電話の品質スコア調整要素と同じになる。他の実施態様では、品質スコア調整要素は識別されるオフライン応答の種類により異なってもよく、それにより例えば、クーポン使用の品質スコア調整要素は電話の品質スコア調整要素より上位になる。
【0055】
図5は、オフライン応答またはオンライン応答に基づいてオンライン広告の品質を調整する別の例示的な方法500の流れ図である。段階510では、オンライン広告が提供される。オンライン広告は、例えば広告管理システム(例えば、図1の広告管理システム104)によって提供されうる
【0056】
段階520では、応答の通知が受信される。応答の通知は、例えば、オフライン応答追跡システム(例えば、図1のオフライン応答追跡サブシステム150)と連結した広告管理システム(例えば、図1の広告管理システム104)によって受信されうる。実施態様によっては、広告に対する応答は、オフライン応答またはオンライン応答を含むことができる。
【0057】
段階530では、応答がオフライン応答か否かの判断が下される。応答がオフライン応答か否かの判断は、例えば応答識別構成要素(例えば、図2の応答識別構成要素210)によって下されうる。
【0058】
応答がオフライン応答でない場合、オンライン応答の品質スコア調整要素が段階540で識別される。オンライン応答の品質スコア調整要素は、例えばオンライン応答品質スコアリング調整システム(例えば、図2のオンライン応答品質スコアリング調整サブシステム220)によって識別されうる。実施態様によっては、品質スコア調整要素は全種類のオンライン応答において同一であってもよく、それにより例えば、オンライン購入(例えば、コンバージョン)の品質スコア調整要素はクリックスルーの品質スコア調整要素と同じになる。他の実施態様では、品質スコア調整要素は識別されるオンライン応答の種類により異なってもよく、それにより例えば、オンライン購入の品質スコア調整要素はクリックスルーの品質スコア調整要素より上位になる。
【0059】
応答がオフライン応答である場合、オフライン応答の品質スコア調整要素が段階550で識別される。オフライン応答の品質スコア調整要素は、例えばオフライン応答品質スコアリング調整システム(例えば、図2のオフライン応答品質スコアリング調整サブシステム230)によって識別されうる。実施態様によっては、品質スコア調整要素は全種類のオンライン応答において同一である場合がある。他の実施態様では、品質スコア調整要素は、識別されるオンライン応答の種類により異なる場合がある。例えば、オンライン購入の品質スコア調整要素は、クリックスルーの品質スコア調整要素より上位であってもよい。
【0060】
段階560では、オンライン広告に関連する品質スコアは、識別された品質スコア調整要素に基づいて調整される。品質スコアは、例えば品質スコア調整システム(例えば、図2のオンライン応答品質スコアリング調整サブシステム220またはオフライン応答品質スコアリング調整サブシステム230)によって調整されうる。実施形態によっては、広告の調整済み品質スコアは、将来の広告掲載オークションで使用するため広告情報データ記憶装置に記憶できる。
【0061】
上述の実施態様は広告に関連する品質スコアの調整に焦点を当ててきたが、広告の品質スコアの調整結果は、顧客獲得単価に基づく課金方式(例えば、クリック単価またはコンバージョン単価)を利用したオークションにおける広告の効果的な入札の調整であることを理解されたい。よって、より優れた広告サービスを提供することで、配信者の収益を拡大し、広告主にとってエクスポージャを高めることができる。一方、より優れた品質の広告を提供することで、インプレッション単価に基づく課金方式を利用したオークションにおけるユーザの満足度も高まることも理解されたい。
【0062】
説明した技術の様々な態様および説明した機能的処理のすべては、デジタル電子回路において、または本明細書で開示される構造およびその構造の同等物を含む、コンピュータソフトウェア、ファームウェアもしくはハードウェアにおいて、またはこれらの1つもしくは複数の組み合わせで実施できる。説明した技術は、1つまたは複数のコンピュータプログラム製品、すなわち、データ処理装置による実行のため、またはデータ処理装置の処理を制御するため、コンピュータ可読媒体上で符号化されたコンピュータプログラム命令の1つまたは複数のモジュールとして実施できる。コンピュータ可読媒体は、機械可読記憶デバイス、機械可読記憶基板、メモリデバイスまたはこれらの1つもしくは複数の組み合わせであってもよい。「データ処理装置」という用語は、例えばプログラム可能プロセッサ、コンピュータまたは複数のプロセッサもしくはコンピュータを含む、データを処理するすべての装置、デバイスおよび機械を包含する。この装置は、ハードウェアに加えて、当該のコンピュータプログラムの実行環境を作るコード、例えば、プロセッサファームウェア、プロトコルスタック、データベース管理システム、オペレーティングシステムまたはこれらの1つもしくは複数の組み合わせを構成するコードを含むことができる。伝搬信号は、適切な受信機装置に送信するために情報を符号化するように生成される、人工的に生成された信号、例えば、機械によって生成される電気信号、光信号または電磁信号である。
【0063】
コンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、スクリプトまたはコードとしても知られている)は、コンパイル型言語またはインタープリタ型言語を含む任意の形式のプログラミング言語で書かれてもよく、独立プログラムとして、またはモジュール、構成要素、サブルーチンもしくはコンピューティング環境での使用に適したその他のユニットとしての形態など、任意の形態で展開することができる。コンピュータプログラムは、あるファイルシステム内のあるファイルに必ずしも対応しているわけではない。プログラムは、他のプログラムもしくはデータ(例えば、マーク付け言語文書に記憶される1つもしくは複数のスクリプト)を保持するファイルの一部、当該のプログラム専用の単一のファイル、または複数の調和したファイル(例えば、1つもしくは複数のモジュール、サブプログラム、もしくはコードの一部を記憶するファイル)に記憶されてもよい。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ、または、1つの場所に位置するか、もしくは複数の場所にわたって分散された、通信ネットワークで相互接続された複数のコンピュータで実行されるように展開することができる。
【0064】
説明したプロセスおよび論理フローは、入力データに対する処理および出力の生成によって機能を実行する1つまたは複数のコンピュータプログラムを実行する1つまたは複数のプログラム可能プロセッサによって実行できる。プロセスおよび論理フローはまた、専用論理回路、例えばFPGA(書き換え可能ゲートアレー)またはASIC(アプリケーション専用集積回路)によって実行可能であり、装置はまた、専用論理回路、例えばFPGAまたはASICとして実装可能である。
【0065】
コンピュータプログラムの実行に適したプロセッサは、例えば、汎用および専用のマイクロプロセッサ、ならびに任意の種類のデジタルコンピュータのうちの任意の1つまたは複数のプロセッサを含む。一般に、プロセッサは、読み取り専用メモリまたはランダムアクセスメモリまたはその両方から命令およびデータを受信する。コンピュータの基本的要素は、命令を実行するプロセッサならびに命令およびデータを記憶する1つまたは複数のメモリデバイスである。一般に、コンピュータはまた、データを記憶する1つもしくは複数の大容量記憶デバイス、例えば磁気ディスク、光磁気ディスクもしくは光ディスクを含み、またはかかる大容量記憶デバイスからデータを受信し、もしくはかかる大容量記憶デバイスにデータを転送し、もしくはその両方を行うように動作可能に結合される。しかし、コンピュータはかかるデバイスを備えている必要はない。さらに、コンピュータは、別のデバイス、少しだけ例を挙げれば、例えば携帯電話、携帯情報端末(PDA)、携帯音声プレーヤー、全地球測位システム(GPS)受信機などに組み込まれうる。コンピュータプログラム命令およびデータを記憶するのに適したコンピュータ可読媒体は、あらゆる形式の不揮発性メモリ、媒体およびメモリデバイス、例えば、半導体メモリデバイス(例えば、EPROM、EEPROMおよびフラッシュメモリデバイス)、磁気ディスク(例えば、内部ハードディスクまたは取り外し可能ディスク)、光磁気ディスクならびにCD-ROMおよびDVD-ROMディスクを含む。プロセッサおよびメモリは専用論理回路によって補完され、または専用論理回路に組み込まれてもよい。
【0066】
ユーザと交信するため、本明細書で説明する対象の実施形態は、ユーザに情報を表示するための表示デバイス、例えば、CRT(ブラウン管)またはLCD(液晶ディスプレイ)モニタ、ならびにユーザがコンピュータに入力を行うことができるキーボードおよびポインティングデバイス、例えば、マウスまたはトラックボールを有するコンピュータで実施できる。他の種類のデバイスを使用してユーザと交信することも可能で、例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、任意の形式の知覚フィードバック、例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバックまたは触覚フィードバックであってもよく、ユーザからのインプットは、音響、音声または触覚インプットを含む任意の形式で受信できる。
【0067】
本明細書で説明する対象の各種態様は、例えばデータサーバとしての後置構成要素を含む、またはミドルウェア構成要素、例えばアプリケーションサーバを含む、または前置構成要素、例えば、本明細書で説明する対象の実施でユーザが交信できるグラフィカルユーザインタフェースもしくはウェブブラウザを有するクライアントコンピュータを含む、または1つもしくは複数のかかる後置、ミドルウェアもしくは前置構成要素の任意の組み合わせを含むコンピューティングシステムで実施できる。システムの構成要素は、デジタルデータ通信の任意の形式または媒体、例えば通信ネットワークによって相互接続できる。通信ネットワークの例には、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)および広域ネットワーク(「WAN」)、例えばインターネットが含まれる。
【0068】
コンピューティングシステムは、クライアントおよびサーバを含むことができる。クライアントおよびサーバは、一般に互いに離れており、通常は通信ネットワークを介して対話する。クライアントとサーバとの関係は、それぞれのコンピュータで稼動し、互いにクライアント-サーバ関係を有するコンピュータプログラムによって生じる。
【0069】
本明細書は多くの詳細を含んでいるが、かかる詳細を、請求内容の範囲の限定と解釈すべきではなく、対象の特定の実施態様の説明と解釈すべきである。また、個別の実施形態との関連で本明細書において説明する一定の機能は、単一の実施形態において組み合わせで実施できる。反対に、1つの実施形態との関連で説明する様々な特徴は、複数の実施形態で個別に、または任意の適切な副組み合わせで実施できる。さらに、特徴は一定の組み合わせで機能するものとして上述され、当初はそういうものとして請求されることもあるが、請求される組み合わせによる1つまたは複数の特徴は、場合によっては、当該組み合わせにより実施可能であり、請求される組み合わせは副組み合わせまたは副組み合わせの変形を対象にしうる。
【0070】
同様に、処理は特定の順序で図面で示されているが、これについては、望ましい結果を達成するために、かかる処理を示された特定の順序でもしくは順次に実行すること、またはすべての示された処理を実行することを要求するものとして理解すべきではない。一定の状況では、多重タスク処理および並列処理が有利なこともある。また、上述の実施形態における様々なシステム構成要素の分離については、すべての実施形態でかかる分離を要求するものとして理解すべきではなく、説明されるプログラム構成要素およびシステムは一般に単一のソフトウェア製品への統合、または複数のソフトウェア製品へのパッケージ化が可能であることを理解されたい。
【0071】
本明細書の対象を特定の実施形態に関して説明してきたが、他の実施形態も実施可能であり、後述の特許請求の範囲内にある。例えば、特許請求の範囲で列挙されるアクションは、異なる順序で実施可能であり、その場合でも所望の結果を達成できる。一例として、添付の図に記載のプロセスは、所望の結果を達成するため、必ずしも示された特定の順序または順次であることを要求しているわけではない。一定の実施態様では、多重タスク処理および並列処理が有利なこともある。他の変形形態も、後述の特許請求の範囲内である。同じ実験技術が広告ランディングページだけでなく任意のウェブページで有効である。ウェブサイト所有者であれば、自身のウェブサイトの設計の出来栄え、およびどのウェブページを改善対象とすべきかについて実験的に判断することができる。ウェブサイト所有者はテストページおよび目標ページを指定する必要があるに過ぎない。目標達成率は、テストページに到達した後に目標ページに進んだ閲覧ユーザの割合として計算できる。目標到達率は、成功の尺度と解釈できる。本明細書では、一般に使用されている用語を取り入れるため、広告を通じて到達したか否かにかかわりなくすべてのテストページを含むように「ランディングページ」が使用され、すべての目標ページを含むように「コンバージョンページ」が使用される。
【0072】
これらの実施態様および他の実施態様も、後述の特許請求の範囲内である。
【符号の説明】
【0073】
100 オンライン環境
102a 広告主
102b 広告主
104 広告管理システム
106a 配信者
106b 配信者
108a ユーザデバイス
108b ユーザデバイス
109 ページコンテンツ要求
110 コンピュータネットワーク
111 ページコンテンツ
112 検索エンジン
114 広告データ記憶装置
116 キャンペーンデータ記憶装置
120 電子広告
140 広告品質スコアリングシステム
150 オフライン応答追跡サブシステム
210 応答識別構成要素
220 オンライン応答品質スコアリング調整サブシステム
230 オフライン応答品質スコアリング調整サブシステム
300 PBX
305 電子メールサーバ
310 広告主のサービス/販売時点(PoS)デバイス
315 テキストメッセージサーバ
330 スキャナ、バーコードスキャナ
335 トランシーバ
340 セルラインタフェース
350a ユーザデバイス
350b ユーザデバイス
360a ユーザ
360b ユーザ
360c ユーザ
370a 広告
370b ユーザデバイス、モバイル通信機器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オンライン広告を提供する、コンピュータで実施する方法であって、
オフライン応答メカニズムを含むオンライン広告を提供する段階であって、前記オンライン広告に関連する品質スコアに基づいて前記オンライン広告が提供される段階と、
前記オンライン広告に対するオフライン応答の通知を受信する段階と、
前記オフライン応答の前記通知の受信に基づいて前記オンライン広告に関連する前記品質スコアを調整する段階と
を含む方法。
【請求項2】
前記品質スコアの調整後に、前記調整済み品質スコアに基づいて前記オンライン広告を再び提供する段階をさらに含む、請求項1に記載のコンピュータで実施する方法。
【請求項3】
前記オフライン応答メカニズムは電話番号を含み、前記電話番号は、電話呼を受信したとき前記オフライン応答の通知を提供し、前記広告に関連する企業に前記電話呼を転送するように動作可能な追跡システムと関連付けられた交換機を識別する、請求項1に記載のコンピュータで実施する方法。
【請求項4】
前記オフライン応答メカニズムは、取引情報を受信したとき前記オフライン応答の通知を提供するように動作可能な追跡システムへ前記取引情報を通信することをサービス時点デバイスに行わせるように動作可能なクーポンを含む、請求項1に記載のコンピュータで実施する方法。
【請求項5】
前記オフライン応答メカニズムはクーポンを含み、
ユーザデバイスによる前記クーポンの選択は、前記クーポンを選択したときサービス時点デバイスに信号を送信することを前記ユーザデバイスに行わせるように動作可能であり、
前記ユーザデバイスは、取引情報を受信したとき前記オフライン応答の通知を提供するように動作可能な追跡システムに対し前記取引情報を提供するように動作可能である、
請求項1に記載のコンピュータで実施する方法。
【請求項6】
前記ユーザデバイスは、追跡システムに取引情報を提供する前に前記サービス時点デバイスから取引の取引確認を受信するように動作可能である、請求項5に記載のコンピュータで実施する方法。
【請求項7】
前記取引情報は、ユーザデバイスが誤った通知を提供することを抑制するように動作可能な取引コードを含む、請求項6に記載のコンピュータで実施する方法。
【請求項8】
前記オフライン応答メカニズムは電子メールアドレスを含み、前記電子メールアドレスは、メッセージを受信したとき前記オフライン応答の通知を提供するように動作可能な追跡システムと関連付けられた電子メールサーバを識別し、前記電子メールサーバは、前記広告に関連する企業に前記メッセージを転送するように動作可能である、請求項1に記載のコンピュータで実施する方法。
【請求項9】
前記オフライン応答メカニズムはテキストメッセージアドレスを含み、前記テキストメッセージアドレスは、メッセージを受信したとき前記オフライン応答の通知を提供するように動作可能な追跡システムと関連付けられたテキストメッセージサーバを識別し、前記テキストメッセージサーバは、前記広告に関連するモバイル通信機器に前記テキストメッセージを転送するように動作可能である、請求項1に記載のコンピュータで実施する方法。
【請求項10】
前記オンライン広告に関連する前記品質スコアを調整する段階は、
前記オンライン広告によって生成されるオフライン応答の種類を識別する段階と、
前記オンライン広告によって生成されるオフライン応答の前記種類に基づいて品質スコア調整要素を決定する段階と、
前記品質スコア調整要素に基づいて前記品質スコアを調整する段階と
を含む、請求項1に記載のコンピュータで実施する方法。
【請求項11】
前記広告はオンライン応答メカニズムをさらに含む、請求項1に記載のコンピュータで実施する方法であって、
前記オンライン広告に対するオンライン応答の通知を受信する段階と、
前記オンライン応答に基づいて前記広告に関連する前記品質スコアを調整する段階と
をさらに含み、
前記オンライン応答は前記オフライン応答より下位の品質応答を含み、前記品質スコアはさらに前記オフライン応答に基づいて調整される、
方法。
【請求項12】
オフライン応答メカニズムを含むオンライン広告を提供することであって、前記オンライン広告に関連する品質スコアに基づいて前記オンライン広告が提供されること、
前記オンライン広告に対するオフライン応答の通知を受信すること、および
前記オフライン応答の通知の受信に基づいて前記オンライン広告に関連する前記品質スコアを調整すること
を含む処理を1つまたは複数のデータ処理装置に実行させるように動作可能な1つまたは複数のコンピュータ可読媒体。
【請求項13】
前記品質スコアの調整後に、前記調整後の品質スコアに基づく前記オンライン広告を再び提供することを1つまたは複数のデータ処理装置に行わせるようにさらに動作可能である、請求項12に記載の1つまたは複数のコンピュータ可読媒体。
【請求項14】
前記オフライン応答メカニズムは電話番号を含み、前記電話番号は、電話呼を受信したとき前記オフライン応答の通知を提供し、前記広告に関連する企業に前記電話呼を転送するように動作可能な追跡システムと関連付けられた交換機を識別する、請求項12に記載の1つまたは複数のコンピュータ可読媒体。
【請求項15】
前記オフライン応答メカニズムは、取引情報を受信したとき前記オフライン応答の通知を提供するように動作可能な追跡システムへ前記取引情報を通信することをサービス時点デバイスに行わせるように動作可能なクーポンを含む、請求項12に記載の1つまたは複数のコンピュータ可読媒体。
【請求項16】
前記オフライン応答メカニズムはクーポンを含み、
ユーザデバイスによる前記クーポンの選択は、前記クーポンを選択したときサービス時点デバイスに信号を送信することを前記ユーザデバイスに行わせるように動作可能であり、
前記ユーザデバイスは、取引情報を受信したとき前記オフライン情報の通知を提供するように動作可能な追跡システムに対し前記取引情報を提供するように動作可能である、
請求項12に記載の1つまたは複数のコンピュータ可読媒体。
【請求項17】
前記ユーザデバイスは、追跡システムに取引情報を提供する前に前記サービス時点デバイスから取引の取引確認を受信するように動作可能である、請求項16に記載の1つまたは複数のコンピュータ可読媒体。
【請求項18】
前記取引情報は、ユーザデバイスが誤った通知を提供することを抑制するように動作可能な取引コードを含む、請求項17に記載の1つまたは複数のコンピュータ可読媒体。
【請求項19】
前記オフライン応答メカニズムは電子メールアドレスを含み、
前記電子メールアドレスは、メッセージを受信したとき前記オフライン応答の通知を提供するように動作可能な追跡システムと関連付けられた電子メールサーバを識別し、
前記電子メールサーバは、前記広告に関連する企業に前記メッセージを転送するように動作可能である、
請求項12に記載の1つまたは複数のコンピュータ可読媒体。
【請求項20】
前記オフライン応答メカニズムはテキストメッセージアドレスを含み、
前記テキストメッセージアドレスは、メッセージを受信したとき前記オフライン応答の通知を提供するように動作可能な追跡システムと関連付けられたテキストメッセージサーバを識別し、
前記テキストメッセージサーバは、前記広告に関連するモバイル通信機器に前記テキストメッセージを転送するように動作可能である、
請求項12に記載の1つまたは複数のコンピュータ可読媒体。
【請求項21】
前記オンライン広告に関連する前記品質スコアを調整することは、
前記オンライン広告によって生成されるオフライン応答の種類を識別すること、
前記オンライン広告によって生成されるオフライン応答の前記種類に基づいて品質スコア調整要素を決定すること、および
前記品質スコア調整要素に基づいて前記品質スコアを調整すること
を含む、請求項12に記載の1つまたは複数のコンピュータ可読媒体。
【請求項22】
前記広告は、オンライン応答メカニズムをさらに含み、前記コンピュータ可読媒体は、
前記オンライン広告に対するオンライン応答の通知を受信すること、および
前記オンライン応答に基づいて前記広告に関連する前記品質スコアを調整すること
を含む処理を1つまたは複数のデータ処理装置に実行させるようにさらに動作可能であり、
前記オンライン応答は前記オフライン応答より下位の品質応答を含み、前記品質スコアはさらに前記オフライン応答に基づいて調整される、
請求項12に記載の1つまたは複数のコンピュータ可読媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−519916(P2012−519916A)
【公表日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−553090(P2011−553090)
【出願日】平成22年3月3日(2010.3.3)
【国際出願番号】PCT/US2010/026110
【国際公開番号】WO2010/102051
【国際公開日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【出願人】(507103802)グーグル・インコーポレーテッド (191)
【Fターム(参考)】