説明

オーダリングシステム

【課題】 作業負担を増すことなく、食材の在庫状況によるメニューの顧客への提供の可否を正確に判断することができるオーダリングシステムを提供する。
【解決手段】 PDA(Personal Data Assistants)が店員に操作され注文入力が行われる(ステップSP1)。残数が入力されたメニューが注文入力されると該残数から該注文数が減算され(ステップSP2)、オーダリングサーバに該残数が送信され、オーダリングサーバ内およびPDA内のマスタファイルの残数が更新され(ステップSP3)、PDAからキッチンプリンタに該残数が送信され、該残数に基づいてキッチン伝票が発行される(ステップSP4)。メニューに使用される食材の在庫が少ないことが調理人に認識されるとキッチンプリンタに該残数が入力され(ステップSP5)、オーダリングサーバに該残数が送信され、上述したマスタファイルの残数が更新される(ステップSP6)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レストラン等の飲食店において使用され、在庫が少なくなった食材を使用するメニューの残数を管理することができるオーダリングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、レストラン等において料理の注文を受けるために使用されるオーダリングシステムは、店員によって操作される注文入力装置に表示される料理メニューのリストの中から、顧客が希望する料理を選択してオーダーデータとして入力する。そして、そのオーダーデータに基づいて伝票を発行することにより厨房に調理の指示を出して、その後、会計時にオーダーデータに基づいて合計額を算出する等、省力化を図っている。
【0003】
ところで、レストラン等においては、料理の材料となる食材を在庫しつつ、該食材を用いて調理を行っているため、特定のメニューが頻繁に注文された場合、該メニューに使用される食材の在庫が少なくなる場合があり、在庫がなくなると該メニューを調理できなくなる。この事実を店員が早く認識できないと、顧客から注文を受け付けた後に、注文されたメニューを顧客に提供することができない旨を顧客に告げざるを得なくなってしまい、顧客に対するレストランの信用を損ねてしまう。
【0004】
こうしたことに対応して、例えば、特許文献1には、数量を予め登録しておき、ハンディターミナルから注文品の入力があるとコントローラによって該メニューの残数欄から注文数を減算していき、ハンディターミナルにおいては注文入力時に売り切れになったメニューを注文しようとすると「売り切れ」と表示を出して該注文を受け付けないようにすることにより、注文を受け付けた後に注文されたメニューを調理することができないという不都合を解消することができるPOS(Point Of Sales)システムが記載されている。
しかしながら、上記公報に係る発明においては、全てのメニューに対して予め数量を登録する必要があり、この作業負担が多大であり、しかも、食材を切り分けて調理するメニューにおいては食材の在庫が多いときに前述したような数量の登録を行うので、残数の誤差が大きくなり、例えば、残数が1の場合に、1つの注文を受け付けてよいか否かがわからないという問題があった。
【特許文献1】特開平11−238176号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記事情を考慮してなされたもので、その目的は、作業負担を増すことなく、食材の在庫状況によるメニューの顧客への提供の可否を正確に判断することができるオーダリングシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、この発明では、以下の手段を提案している。
請求項1に係る発明は、レストランにおいて使用され、メニューの注文入力を行う注文入力装置と、前記メニュー毎に少なくとも、識別コードと、該メニューのメニュー名と、該メニューの受注可能数量である残数とが設定される記憶装置と、厨房に設けられ、前記注文入力装置によって注文入力されたメニューの調理を厨房に指示する調理指示装置と、厨房に設けられ、前記メニューについて前記残数を適宜入力する残数入力装置とを備え、前記注文入力装置が、前記メニューを入力されると、前記メニューの残数を表示する残数表示手段と、前記メニューの残数から前記注文数を減算する減算手段とを備えたことを特徴とする。
この発明によれば、厨房にてあるメニューに対して残数入力装置によって入力された残数が、該メニューの注文入力時に注文入力装置に表示されることにより、例えば、食材の在庫が少なくなったメニューについて、厨房が注文入力装置を携帯する店員にその旨を報知しつつ、店員が該残数以内の注文を受けることができる。
【0007】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のオーダリングシステムであって、前記調理指示装置が前記注文入力されたメニューの調理を厨房に指示する調理指示伝票を発行するキッチンプリンタであり、前記キッチンプリンタが前記残数入力装置を備えたことを特徴とする。
この発明によれば、キッチンプリンタが発行する調理指示伝票によって調理指示が行われ、キッチンプリンタに残数入力装置が設けられることにより、厨房に必ず設けられるキッチンプリンタが調理指示および残数入力に兼用され、該操作専用の装置が不要となる。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に係る発明によれば、厨房にて食材の在庫が少なくなったメニューの残数入力を行えるので、注文受付時の残数を正確に把握することができる効果がある。しかも、残数入力を全てのメニューに行わなくてもよいため、作業負担を軽減することができる。
【0009】
請求項2に係る発明によれば、厨房に必ず設けられるキッチンプリンタを残数入力にも兼用するので、該残数入力専用の装置を設ける必要がなく、オーダリングシステムを安価に構成することができる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照し、この発明の一実施形態について説明する。
図1に示すように、オーダリングシステムは、例えば、ファミリーレストランをチェーン展開する業者においてオーダリングサーバ411(記憶装置)を備える本部41と、本部41に属する販促・店舗支援スタッフ10と、複数の店舗A11、店舗B12、店舗C13、・・・とから構成される。オーダリングサーバ411は、販促・店舗支援スタッフ10と、店舗A11、店舗B12、店舗C13、・・・と、イントラネット31を介して接続される。
【0011】
オーダリングサーバ411および後述する店舗サーバ113は、店舗毎にマスタファイル412(記憶装置)と、オーダーファイル(図示しない)とを記憶する。また、後述するPDA(Personal Data Assistants)151、152、・・・(注文入力装置)も、マスタファイル412を記憶する。また、各店舗における店舗サーバ113は、マスタファイル412から後述するメニューデータをダウンロードするためのプログラムをも記憶する。
【0012】
図2に示す内容のマスタファイル412は、メニューデータとしてメニューコード(識別コード)、メニュー名、価格等が設定される。尚、マスタファイル412の上記項目は販促・店舗支援スタッフ10によって設定、管理されており、販促・店舗支援スタッフ10から送信されるメニューデータによって更新される。
【0013】
また、マスタファイル412は、上述したメニューデータに付随して、各メニューの現時点における受注可能数量である残数が設定することができる。残数のデータはアスキーコードの形にて、後述するようにオーダリングシステム稼動時に厨房の調理人によって残数が少なくなったことが認識された場合、入力される。尚、メニュー更新時または、食材補充完了時には、残数のデータは初期値として“NUL”が設定され、後述するように、残数が入力されていない場合と残数が「0」である場合との区別をつけることができるようにしている。
【0014】
また、オーダーファイルは、伝票番号、テーブル番号、メニューコード、数量等のオーダーデータを注文入力された順に記憶する。オーダリングサーバ411は、オーダーファイルからオーダーデータを読み込み、該オーダーデータに基づいて販売実績を集計し、管理を行う。
【0015】
例えば、店舗A11においては、PC(Personal Computer)111と、アクセスポイント112とが、LAN(Local Area Network)115を介してルータ114に共通に接続され、インターネット31に接続されて、オーダリングサーバ411にアクセスする。販促・店舗支援スタッフ10内のPC101、102、・・・もインターネット31に接続されている。店舗B12および店舗C13も、店舗A11と同様の構成である。
【0016】
アクセスポイント112は、POSシステム121と、厨房に設けられたキッチンプリンタ141、142と、PDA151、152、・・・と、無線LANを介して接続される。尚、キッチンプリンタ141、142、・・・はいずれも同一の構成であるので、以下、キッチンプリンタ141について説明を行う。また、PDA151、152、・・・はいずれも同一の構成であるので、以下、PDA151について説明を行う。
【0017】
図3に示すように、PDA151は、PDA151の動作状態等を表示する液晶表示器501(残数表示手段)と、PDA151を操作するカーソルキー513と、プッシュキー514と、PDA151各部を制御するCPU(Central Processing Unit)516(残数表示手段)、(減算手段)と、CPU516において実行され、PDA151の各種機能を実現するためのプログラムを記憶するROM(Read Only Memory)517と、CPU516が動作するために呼び出したデータを一時的に記憶し、オーダリングサーバ411から、図2に示すマスタファイル412および該マスタファイル412をPDA151にて使用するためのプログラム(アプリケーション)をダウンロードして記憶するRAM(Random Access Memory)518と、アンテナ519と、無線通信部520と、現在の日時を出力する時計回路521と、音声出力部522と、スピーカ523から構成される。これらはバスライン524を介して相互に接続されている。
【0018】
図1および図3に示すように、無線通信部520は、アンテナ519を介してアクセスポイント112と接続される。そして、LAN115に接続されたルータ114からイントラネット31を介して、オーダリングサーバ411と通信を行う。
【0019】
PDA151において、CPU516により実行されるプログラムはWindows (登録商標) CEによって構成されている。店員が動作を開始させる操作(サインイン)を行うと、PDA151は出勤データとしてサインインを行う店員の店員コード、出勤時間をオーダリングサーバ411に送信し、メニューデータおよびアプリケーションをオーダリングサーバ411からダウンロードして、オーダリングサーバ411内のメニューデータと同期を取るようになっている。ダウンロードされたメニューデータおよびアプリケーションは全てRAM518に記憶され、PDA151単体にて動作を行えるようになっている。また、上述したアプリケーションによって、その時々に応じたアクションの指示を液晶表示部501に表示する。
【0020】
図4にPDA151の外観図を示す。液晶表示器501には、例えば、図5に示すメニューリスト画面501a(残数表示手段)が表示され、カーソル502によって、メニューリスト画面501aに表示されている項目(メニューリスト)から入力しようとする項目が確定される。すなわち、カーソル502は、カーソルキー513によって画面上を移動し、カーソルキー513の中心にあるジョイスティックが押されることにより、カーソル502上に表示されている項目が確定される。操作キー514は、カーソル502の移動、確定以外の操作を行うためのキーである。尚、注文入力が終了した時点において、特定の操作キー514が操作されると、注文されたメニューを音声出力部522が音声に変換してスピーカ523から出力して、音声によって注文されたメニューを確認できるようになっている。
【0021】
図5に示すメニューリスト画面501aは、入力済みのメニューが表示される入力済みメニューリスト503と、入力しようとするメニューの分類(メインディッシュ、サイドメニュー、サラダメニュー、ドリンクメニュー、デザートメニュー)を選択する分類部504と、数値入力に用いられるテンキー部505と、分類部504によって選択された分類のメニューの一覧が該メニューの残数と共に表示される入力メニューリスト506(残数表示手段)と、入力操作に用いられるファンクションキー507とから構成される。上記の構成要素のうちのいずれかの上にカーソル502が表示される。
【0022】
尚、本図においては、分類部504の「メイン」のタブの上にカーソル502が表示され、入力メニューリスト506に、メインメニューである、「ハンバーグB」と、「サーロインステーキ」と、「スパゲティミートソース」とが表示される。また、本実施形態においては、「ハンバーグB」および「サーロインステーキ」は、残数が入力されているため、それぞれのメニューに対応する残数欄に残数が表示される。本図においては、「ハンバーグB」の残数が「3」であり、「サーロインステーキ」が売切れ(残数が「0」)であることを示している。また、本実施形態においては、「スパゲッティミートソース」は、残数が入力されていないので、残数の表示は行われない。
【0023】
以上の手順によって、店員が顧客から注文された全てのメニューを入力し、ファンクションキー507の「OK」のタブの上にカーソル502を移動し、選択することにより、メニューコード、数量、調理指示、テーブル番号等のオーダーデータがPDA151からオーダリングサーバ411に送信され、オーダーファイルに書き込まれる。尚、オーダリングサーバ411は、各々の注文に対して、顧客が注文を行った順に、顧客毎にまとめて伝票番号を付与して、オーダーファイルに書き込む。
【0024】
また、PDA151において、CPU516は上述した操作によって入力された各メニューコードに対応するメニューデータをマスタファイル412から読み出し、RAM518の予め定められたエリアにて記憶させる。
【0025】
CPU516は、上述した処理によってRAM518に記憶されたメニューデータを読み出し、キッチン伝票(図示しない)を印字するための印字データを生成し、アクセスポイント112を介してキッチンプリンタ141に送信する。キッチンプリンタ141は、PDA151内のCPU516から上述した印字データを受信して、キッチン伝票を印字、発行し、厨房に調理の指示を行う。
【0026】
図6はキッチンプリンタ141の構成を示すブロック図である。キッチンプリンタ141は、CPU240(残数入力装置)と、ROM241と、RAM242と、表示部243(残数入力装置)と、通信部246と、印字部247と、キー操作部248(残数入力装置)と、バスライン249とから構成される。CPU240は各部の制御を行い、PDA151からのキッチン伝票の印字の指示に基づいて、キッチン伝票を印字させる。ROM241は、CPU240が実行する印字処理プログラムおよび文字フォントデータが格納されている。RAM242は、CPU240の動作中に使用するデータ等を一時的に記憶する。表示部243は、液晶表示器の上面にタッチパネルが積層されており、同一面において、データの表示および入力を可能にしている。
【0027】
通信部246は、キッチンプリンタ141がPDA151からキッチン伝票の印字の指示を受けてキッチン伝票を印字できるように、PDA151との間にてデータの通信を行う。印字部247は、通常のラベル印字器と同様の構成であり、ドット印字を行うサーマルヘッドと、1ドットライン分のデータを蓄積して、サーマルヘッドに供給するシフトレジスタと、ラベルを1ドットラインずつ移動するシフトレジスタと、ラベルを1ドットずつ移動させるステッピングモータとを有しており、任意の文字、数字、及び画像を印字できるようになっている。
【0028】
キー操作部248は、数字(0〜9)キーの他、クリアキー、品番キー、残数キー、送信キー、再発行キー、紙送りキー等を有している。品番キーは前述したメニューコードを入力する際に用いられる。残数キーはメニューの残数を入力する際に用いられる。送信キーは入力されたメニューコードおよび残数をキッチンプリンタ141からオーダリングサーバ411に送信する際に用いられる。
【0029】
尚、オーダリングシステムにおける全てのキッチンプリンタ141、142、・・・が、上述したような構成である必要はなく、一部のキッチンプリンタには、表示部243がなくともよく、キー操作部248が数字キー、品番キー、残数キー、送信キーを有していなくともよい。また、厨房において、残数入力を行うことができる上記の構成のキッチンプリンタが少なくとも1台あれば、他のキッチンプリンタは残数入力を行えないタイプのものであってもよい。
【0030】
また、キッチンプリンタ141は、図示しない店員呼出キーが店員別に設けられ、指示されたメニューができると、当該メニューを配膳すべき店員を呼び出すための店員呼出キーが押されて、でき上がったメニューが確実に顧客の席へ配膳されるようにしている。
【0031】
また、PDA151は、店員が動作を終了させる操作(サインアウト)を行うと、出勤データとして該店員の店員コード、退勤時間を、該店員が扱った受注実績データと共にオーダリングサーバ411に送信する。
【0032】
POSシステム121は、PDA151からオーダリングサーバ411を介して、アクセスポイント112によってオーダーデータを受信して内部に記憶し、精算時に顧客が持参したキッチン伝票に記載されている伝票番号を読み込むことにより、上述した動作により記憶したオーダーデータを参照して精算およびレシートの発行を行う。
【0033】
また、POSシステム121は、例えば、30分、1時間、3時間のいずれか毎に、実績データをアクセスポイント112からオーダリングサーバ411に送信(アップロード)している。これにより、オーダリングサーバ411に、絶えず更新された実績データが記憶されるようになっている。
【0034】
また、POSシステム121は呼び出しキー122が接続され、顧客が精算をしようとキャッシャーに行った際に店員がいない場合、顧客が呼び出しキー122を押すことにより、アクセスポイント112およびにオーダリングサーバ411を介してPDA151に顧客が店員を呼び出している旨の報知を行うようになっている。
【0035】
次に、本実施形態におけるオーダリングシステムのメニューの残数の処理を、図7に示すフローチャートを参照して説明する。
【0036】
先ず、オーダリングシステムの各部の電源が投入され、アクセスポイント112と、ルータ114と、PC111との通信が可能になる。そして、アクセスポイント112と、POSシステム121と、キッチンプリンタ141、142、・・・と、PDA151、152、・・・との通信が可能になる。そして、ルータ114は、イントラネット31を介して、データセンタ41と常時接続を行う。また、販促・店舗支援スタッフ10も、イントラネット31を介して、データセンタ41と常時接続を行う。
【0037】
そして、店舗A11において、店員が、PDA151のキーを操作して、自分の店員コードを入力して、PDA151にてサインインをする。このとき、PAD151からオーダリングサーバ411へ店員コードおよび出勤時間が出力される。そして、メニューデータおよび該メニューデータをPDA151にて使用するためのアプリケーションがPDA151に送信される。PDA151はメニューデータおよびアプリケーションを受信して、RAM518に記憶する。そして、オーダリングシステムのメニューの残数の処理が開始する。
【0038】
先ず、PDA151は、受信したマスタファイル412およびアプリケーションを用いて、液晶表示部501にメニューリスト画面501aを表示し、店員が顧客の希望を聞いて該メニューリスト画面501aからカーソルキー513を用いて該当項目を選択して、前述したようなPDA151の処理によって注文入力を行う(ステップSP1)。
【0039】
このとき、PDA151が受信したマスタファイル412の各メニューデータの残数に、過去のオーダリングシステムの稼動時に入力された数値データが存在する場合、メニューリスト画面501aの入力メニューリスト506の残数欄に該残数が表示される。但し、残数が「0」の場合には、残数欄に「売切れ」と表示される。一方、メニューデータの残数欄に“NUL”が設定されている場合、残数欄には何も表示されない。
【0040】
そして、注文した顧客が座っているテーブルのテーブル番号、注文を受けたメニューのメニューコード、受注数量が、PDA151からオーダリングサーバ411に送信される。このとき、受注したメニューの中に残数が設定されたメニューが存在する場合、該残数から受注した数を減算し(ステップSP2)、該減算により得られた新たな残数が、PDA151からオーダリングサーバ411に送信される。また、PDA151は上記のデータに基づいて、キッチンプリンタ141にキッチン伝票の発行指示を送信する。
【0041】
そして、オーダリングサーバ411はPDA151から受信したメニューコードおよび残数によってマスタファイル412の該メニューデータに対応する残数を更新し(ステップSP3)、各PDA151、152、・・・に更新したマスタファイル412のデータを送信する。また、オーダリングサーバ411は上記のデータに対して、顧客が注文を行った順に、顧客毎にまとめて伝票番号を付与して、オーダーファイルに書き込む。
【0042】
次に、キッチンプリンタ141はPDA151から受信したキッチン伝票の発行指示に基づいてキッチン伝票を発行する(ステップSP4)。厨房において、調理人は該キッチン伝票に基づいて調理を行う。
【0043】
このとき、調理人に該メニューを調理するために必要な食材の内、ある一定量に小分けされている食材(例、肉、麺類)の在庫が少なくなっていることが認識されると、小分けされている該食材の個数より、該食材を用いて調理することができるメニューの残数が割り出され、該メニューコードと共にキッチンプリンタ141のキー操作部248によって入力される(ステップSP5)。キッチンプリンタ141は、キー操作部248内の送信キーが操作されることにより、該メニューコードおよび残数をオーダリングサーバ411に送信する。
【0044】
そして、オーダリングサーバ411はキッチンプリンタ141から受信したメニューコードおよび残数によってマスタファイル412の該メニューデータに対応する残数を更新し(ステップSP6)、各PDA151、152、・・・に更新したマスタファイル412のデータを送信する。以上の処理によって、オーダリングシステムのメニューの残数の処理が終了する。
【0045】
次に、注文されたメニューが調理され、顧客に配膳されて飲食が終了し、キャッシャーに持ち込まれたカスタマ伝票から、POSレジスタ121によって該伝票の伝票番号が読み出される。POSレジスタ121は読み出した伝票番号に対応するオーダーデータをオーダーファイルから読み出して、代金の精算、レシートの印字、発行を行う。
【0046】
上記実施形態によれば、マスタファイル412に残数の項目を設け、厨房の調理人によってあるメニューを調理するために必要な食材の在庫が少なくなっていることが認識されると、該食材の個数より、該食材を用いて調理することができるメニューの残数が設定され、該残数が店員の携帯するPDA151の表示画面に表示され、該メニューが注文されると、該残数から該注文数が減算され、マスタファイル412中の残数が更新される。したがって、マスタファイル412中の残数が常に最新情報に更新されており、店員が、注文受付時の残数を正確に把握することができる。
【0047】
また、上記実施形態によれば、残数入力を全てのメニューに行わなくてもよいため、作業負担を軽減することができる。また、厨房に必ず設けられるキッチンプリンタを残数入力にも兼用するので、該残数入力専用の装置を設ける必要がなく、オーダリングシステムを安価に構成することができる。
【0048】
また、上記実施形態によれば、PDA151からキッチンプリンタ141に直接キッチン伝票の発行指示を行っているので、オーダリングサーバ411がダウンしても各店舗の運用が停止することを回避することができる。
【0049】
尚、本実施形態においては、注文入力装置として店員がPDA151、152・・・を使用することを想定したが、客用のテーブルに収納可能に設けられた端末機によって顧客が注文入力を行う形態のセルフサービス・オーダリングパネルや、店内のコーナー部に設けられた端末機によって店員が注文入力を行う形態の据置固定ターミナルや、これらを組み合わせることによって顧客または店員が注文入力を行うことを想定してもよい。
【0050】
また、本実施形態においては、PDA151内のCPU516によって、キッチン伝票の印字データの処理が行われることを想定したが、オーダリングサーバ411またはキッチンプリンタ141によって該印字データの処理を行うことを想定してもよい。
【0051】
また、本実施形態においては、オーダリングサーバ411がレストランを運営する会社の本部に属し、イントラネット31によって、各店舗に接続されることを想定したが、各店舗が、複数の企業の情報システムのアウトソーシングビジネスであるASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)(Application Service Provider)または、IDC(Internet Data Center)を運営する業者によって管理されるオーダリングサーバにインターネットを介して接続されることを想定してもよい。
【0052】
また、店舗内のLAN115において、店舗固有の店舗サーバ113を設けて、該店舗に固有なメニュー等のデータを記憶してオーダリングシステムを運営してもよい。これにより、オーダリングサーバ411がダウンしても店舗単位の運用が停止することを回避することができる。
【0053】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲での設計変更も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の一実施形態におけるオーダリングシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】同実施形態におけるマスタファイル412の内容を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態におけるPDA(Personal Data Assistants)151の構成を示すブロック図である。
【図4】同実施形態におけるPDA151の外観図である。
【図5】同実施形態におけるPDA151の入力画面501aの表示内容を示す図である。
【図6】同実施形態におけるキッチンプリンタ141の電気的構成を示すブロック図である。
【図7】同実施形態におけるオーダリングシステムのメニューの残数の処理を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0055】
10・・・販促・店舗支援スタッフ、11・・・店舗A、12・・・店舗B、13・・・店舗C、31・・・イントラネット、41・・・本部、101、102、111・・・PC(Personal Computer)、112・・・アクセスポイント、113・・・店舗サーバ、114・・・ルータ、115・・・LAN(Local Area Network)、121・・・POS(Point Of Sales)システム、122・・・呼び出しキー、141、142・・・キッチンプリンタ、151、152・・・PDA(Personal Data Assistants)(注文入力装置)、240・・・CPU(Central Processing Unit)(残数入力装置)、241、517・・・ROM(Read Only Memory)、242、518・・・RAM(Random Access Memory)、243・・・表示部(残数入力装置)、246・・・通信部、247・・・印字部、248・・・キー操作部(残数入力装置)、249、524・・・バスライン、411・・・オーダリングサーバ(記憶装置)、412・・・マスタファイル(記憶装置)、501・・・液晶表示器(残数表示手段)、501a・・・メニューリスト画面(残数表示手段)、502・・・カーソル、503・・・入力済みメニューリスト、504・・・分類部、505・・・テンキー部、506・・・入力メニューリスト(残数表示手段)、507・・・ファンクションキー、513・・・カーソルキー、514・・・プッシュキー、516・・・CPU(残数表示手段)、(減算手段)、519・・・アンテナ、520・・・無線通信部、521・・・時計回路、522・・・音声出力部、523・・・スピーカ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レストランにおいて使用され、
メニューの注文入力を行う注文入力装置と、
前記メニュー毎に少なくとも、識別コードと、該メニューのメニュー名と、該メニューの受注可能数量である残数とが設定される記憶装置と、
厨房に設けられ、前記注文入力装置によって注文入力されたメニューの調理を厨房に指示する調理指示装置と、
厨房に設けられ、前記メニューについて前記残数を適宜入力する残数入力装置と、
を備え、
前記注文入力装置が、
前記メニューを入力されると、前記メニューの残数を表示する残数表示手段と、
前記メニューの残数から前記注文数を減算する減算手段と、
を備えた、
ことを特徴とするオーダリングシステム。
【請求項2】
前記調理指示装置が前記注文入力されたメニューの調理を厨房に指示する調理指示伝票を発行するキッチンプリンタであり、
前記キッチンプリンタが前記残数入力装置を備えたこと、
を特徴とする請求項1に記載のオーダリングシステム。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−277162(P2006−277162A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−93442(P2005−93442)
【出願日】平成17年3月29日(2005.3.29)
【出願人】(000145068)株式会社寺岡精工 (317)
【Fターム(参考)】