説明

オーディオ再生装置及びオーディオ再生システム

【課題】オーディオを再生するカラオケ装置において、安価な装置構成で、かつ、キーコントロールによる再生の劣化を軽減することのできる技術を提供する。
【解決手段】カラオケ装置1の伴奏データ記憶領域141には、ひとつの楽曲について複数のキーに対応する伴奏データが記憶されている。歌唱者によって楽曲とキーが指定されると、カラオケ装置1のCPU11は、伴奏データ記憶領域141に記憶された複数の伴奏データのなかから指定されたキーに対応する伴奏データを選択して読み出し、読み出した伴奏データに対して、指定されたキーに応じたピッチ変換処理を施し、ピッチ変換処理を施した伴奏データを再生する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オーディオを再生する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
カラオケ装置においては、自分の音域に合わないなどの理由により、歌唱者自身が歌いやすいキー(調)で歌唱することを可能にすべく伴奏音のキーをシフトさせる、いわゆるキーコントロールと呼ばれる機能を備えたものがある。特許文献1には、楽曲の伴奏データを、打楽器の演奏音をデジタル録音したドラムパートと、このドラムパートを除いた他の楽器の演奏音をデジタル録音したメインパートとに区分したデータ構成とする技術が提案されている。この技術によれば、高価な音源が不要な録音タイプのカラオケ装置において、キーコントロールにより打楽器の音高まで変わってしまう不自然さをなくすことができる。
【特許文献1】特開2002−221971号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、MIDI(Musical Instrument Digital Interface)音源を用いたカラオケ装置では、キーコントロールによりキーを指定した際の再生音質の劣化が少ない一方、音源のコストがかかるため安価なシステムをつくり難い。これに対し、オーディオデータを用いたカラオケ装置の場合、ハードウェアコストを下げることは可能であるが、キーを変更すると音質が劣化するという問題がある。特に、ピッチシフト量が大きくなるほど劣化の度合いも大きくなり、オーディオデータをピッチシフトさせる場合にはMIDI音源並みの品質を得ることは困難であった。特許文献1に記載の技術では、キーコントロールにより打楽器の音高が変わってしまうのを防ぐことができるものの、伴奏音声にキーコンをかけた場合、ピッチシフト量が大きくなると品質が低下することは避けられない。
本発明は上述した背景の下になされたものであり、オーディオを再生するカラオケ装置において、安価な装置構成で、かつ、キーコントロールによる再生品質の劣化を軽減することのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述した課題を解決するため、本発明は、キーの変更量の範囲を複数に分割した際の、各分割範囲のそれぞれについて、代表となるキーに対応するオーディオデータをそれぞれ記憶する記憶手段と、前記変更量を示すキーコン情報を取得する取得手段と、前記取得手段により取得されたキーコン情報の示す変更量を含む分割範囲に対応するオーディオデータを前記記憶手段から読み出す読出手段と、前記読出手段により読み出されたオーディオデータを再生する再生手段とを具備することを特徴とするオーディオ再生装置を提供する。
【0005】
本発明の好適な態様において、前記読出手段により読み出されたオーディオデータのピッチを、前記取得手段により取得されたキーコン情報の示す変更量に応じて変換するピッチ変換手段を具備し、前記再生手段は、前記ピッチ変換手段によりピッチが変換されたオーディオデータを再生してもよい。
また、本発明の更に好適な態様において、前記記憶手段は、前記変更量の範囲を3つに分割した際の各分割範囲のそれぞれに対応するオーディオデータを記憶してもよい。
【0006】
また、本発明の別の好適な態様において、前記各分割範囲は、前記各分割範囲は、前記変更量の範囲を非対称に分割したものであってもよい。
【0007】
また、本発明の別の好適な態様において、前記記憶手段は、前記変更量の範囲を3つに分割した際の各分割範囲のそれぞれに対応するオーディオデータを記憶し、前記各分割範囲は、高域側の分割範囲が低域側の分割範囲よりも狭い範囲となるように分割されていてもよい。
【0008】
また、本発明の更に好適な態様において、前記記憶手段は、複数の楽曲のそれぞれについて、前記各分割範囲のそれぞれに対応するオーディオデータを記憶し、前記分割範囲の数は前記複数の楽曲のそれぞれで異なってもよい。
また、本発明の更に好ましい態様において、前記各分割範囲のそれぞれは、該分割範囲の代表となるキーを中心として非対称であってもよい。
【0009】
また、本発明は、サーバ装置とオーディオ再生装置とが通信ネットワークで接続されたオーディオ再生システムにおいて、前記サーバ装置は、キーの変更量の範囲を複数に分割した際の、各分割範囲のそれぞれについて、代表となるキーに対応するオーディオデータをそれぞれ記憶する記憶手段と、前記変更量を示すキーコン情報を、前記オーディオ再生装置から受信するキーコン情報受信手段と、前記キーコン情報受信手段により受信されたキーコン情報の示す変更量を含む分割範囲に対応するオーディオデータを前記記憶手段から読み出す読出手段と、前記読出手段により読み出されたオーディオデータを、前記オーディオ再生装置に配信する配信手段とを具備し、前記オーディオ再生装置は、前記キーコン情報を取得する取得手段と、前記取得手段により取得されたキーコン情報を、前記サーバ装置に送信するキーコン情報送信手段と、前記キーコン情報送信手段により送信されたキーコン情報の応答として前記サーバ装置から配信されてくるオーディオデータを受信するオーディオデータ受信手段と、前記オーディオデータ受信手段により受信されたオーディオデータのピッチを、前記取得手段により取得されたキーコン情報の示す変更量に応じて変換するピッチ変換手段と、前記ピッチ変換手段によりピッチが変換されたオーディオデータを再生する再生手段とを具備することを特徴とするオーディオ再生システムを提供する。
【0010】
また、上述のオーディオ再生システムの更に好適な態様において、前記オーディオ再生装置は、オーディオデータを楽曲毎に記憶するオーディオデータ記憶手段を有し、前記ピッチ変換手段は、前記取得手段によりキーコン情報を取得してから前記オーディオデータ受信手段により前記オーディオデータの受信を開始するまでの間、前記オーディオデータ記憶手段に記憶されたオーディオデータに対してピッチ変換処理を施してもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、オーディオデータを再生するカラオケ装置において、安価な装置構成で、かつ、キーコントロールによる再生品質の劣化を軽減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
次に、この発明を実施するための最良の形態を説明する。
<A:第1実施形態>
<A−1:構成>
図1は、この発明の一実施形態であるオーディオ再生装置としてのカラオケ装置1のハードウェア構成を例示したブロック図である。CPU(Central Processing Unit)11は、ROM(Read Only Memory)12又は記憶部14に記憶されているコンピュータプログラムを読み出してRAM(Random Access Memory)13にロードし、これを実行することにより、カラオケ装置1の各部を制御する。記憶部14は、例えばハードディスクなどの大容量の記憶手段である。表示部15は、例えば液晶ディスプレイなどであり、CPU11の制御の下で、カラオケ装置1を操作するためのメニュー画面や、背景画像に歌詞テロップが重ねられたカラオケ画面などの各種画面を表示する。操作部16は、各種のキーを備えており、押下されたキーに対応した信号を出力する。このカラオケ装置1は、キーを変更するキーコントロール機能を有しており、カラオケ装置1の利用者は、操作部16を用いてキーを変更する操作を行うことができる。マイクロホン17は、歌唱者の音声を収音し、アナログ信号を出力する。音声処理部18は、マイクロホン17が出力するアナログ音声信号をA/D変換によりデジタル音声データに変換してCPU11に出力する。スピーカ19は、音声処理部18で、デジタル音声データからD/A変換されて出力されるアナログ音声信号に応じた強度で放音する。また、音声処理部18は、伴奏データ記憶領域141に記憶された伴奏データをデコードする音声デコーダ181,182,183を有しており、各音声デコーダでデコードした音声データを出力する。
【0013】
なお、この実施形態では、マイクロホン17とスピーカ19とがカラオケ装置1に含まれている場合について説明するが、音声処理部18に入力端子及び出力端子を設け、オーディオケーブルを介してその入力端子に外部マイクロホンを接続するとしても良く、同様に、オーディオケーブルを介してその出力端子に外部スピーカを接続するとしても良い。また、この実施形態では、マイクロホン17から音声処理部18へ入力される音声信号及び音声処理部18からスピーカ19へ出力される音声信号がアナログ音声信号である場合について説明するが、デジタル音声データを入出力するようにしても良い。このような場合には、音声処理部18にてA/D変換やD/A変換を行う必要はない。表示部15、操作部16についても同様であり、カラオケ装置1に内蔵される形式であってもよく、外付けされる形式であってもよい。
【0014】
記憶部14は、図示のように、伴奏データ記憶領域141と、歌詞データ記憶領域142と、背景画データ記憶領域143とを有している。伴奏データ記憶領域141には、カラオケ伴奏の際に用いられる、楽曲の伴奏音を表す伴奏データが記憶されている。伴奏データは、例えばWAVE形式やMP3(MPEG1 Audio Layer-3)形式のオーディオデータである。歌詞データ記憶領域142には、カラオケ歌唱の際に歌詞テロップとして表示部15に表示される歌詞を示す歌詞データが記憶されている。背景画データ記憶領域143には、カラオケ伴奏時に背景として表示される動画像を表す背景画データが記憶されている。
【0015】
伴奏データ記憶領域141には、ひとつの楽曲に対して1又は複数の伴奏データが記憶されている。より具体的には、伴奏データ記憶領域141には、各楽曲について、キーの変更量の範囲を複数に分割した際の、各分割範囲のそれぞれについて、代表となるキーに対応する伴奏データがそれぞれ記憶されている。ここで、図2を参照しつつ、伴奏データと分割範囲との対応関係について説明する。図2(a)〜(f)は、楽曲毎の伴奏データと分割範囲との対応関係の例を示す図である。図2においては、楽曲MA,MB,MC,MD,ME,MFの6つの楽曲のそれぞれについて、伴奏データと分割範囲との対応関係の一例を示している。まず、楽曲MAについては、図2(a)に示すように、「±0」のキーに対応する伴奏音を表す伴奏データMA1が記憶されており、この伴奏データMA1には、キーコン「−5」〜「+5」の範囲が対応付けられている。
【0016】
次に、楽曲MBについては、図2(b)に示すように、「±0」のキーに対応する伴奏データMB2と、「−3」のキーに対応する伴奏データMB1と、「+3」のキーに対応する伴奏データMB3との3つの伴奏データが記憶されている。図2(b)に示す例では、キー変更量が「−5」〜「−2」の範囲に低キー用伴奏データMB1が対応付けられており、キー変更量の「−1」〜「+1」の範囲に伴奏データMB2が対応付けられており、キー変更量の「+2」〜「+5」の範囲に高キー用伴奏データMB3が対応付けられている。
【0017】
キーコントロール機能によりキーが変更される場合には、CPU11は、伴奏データ記憶領域141に記憶された複数の伴奏データのうちのいずれかを選択し、選択した伴奏データに対してピッチ変換処理を施すことによってキー変更を行う。より具体的には、例えば、楽曲MBのカラオケ伴奏を再生する際には、CPU11は、キーが変更されていない場合には、「±0」のキーで演奏された伴奏音を表す伴奏データMB2を、ピッチ変換処理を施さずにそのまま再生する。一方、キーコントロールにより歌唱者によってキーが変更された場合には、CPU11は、伴奏データMB1,MB2,MB3のいずれから、指定された変更量に対応する伴奏データを選択し、選択した伴奏データに対してピッチ変換処理を施して(或いはピッチ変換処理を施さずにそのまま)、伴奏データを再生する。
【0018】
具体的には、例えば、図2(b)に示す例において、キーコントロール操作によりキーが「+2」に変更されたときには、CPU11は、伴奏データMB3を選択し、選択した伴奏データMB3に対して、「−1」のピッチ変換を施し、ピッチ変換を施した伴奏データMB3を再生する。また、例えば、キーコントロール操作によりキーが「−3」に変更されたときには、CPU11は、伴奏データMB1を選択し、選択した伴奏データMB1をそのまま用いて(ピッチ変換を行わずに)カラオケ伴奏を行う。
【0019】
ところで、オーディオデータをピッチシフトさせる場合には、ピッチシフト量が大きくなるほど音質が劣化するという問題があるが、音質低下が許容できるのは±2度程度なので、カラオケ装置で一般に指定可能な±5〜7度までの範囲をカバーするには伴奏データを3つとすると必要十分であり、最適である。このように、図2(b)に示す例では、キーコンによるピッチシフト量が「±2」程度に収まるように、伴奏データの数と分割範囲を予め設定している。
【0020】
次に、図2(c)を参照しつつ、キーの変更量の分割範囲と伴奏データとの対応関係の他の例について説明する。図2(c)においては、伴奏データ毎にカバーするキーの範囲を高音側、低音側で非対称に設定する。この例では、高域側の分割範囲が低域側の分割範囲よりも狭い範囲となるようにキーの範囲が分割されている。具体的には、図2(c)に示す例においては、楽曲MCに対応する伴奏データとして、「±0」のキーに対応する伴奏データMC1と、「+3」のキーに対応する伴奏データMC2との2種類の伴奏データを伴奏データ記憶領域141に予め記憶しておく。
【0021】
ところで、カラオケ装置において用いられる伴奏データは、プロが歌うキー(オリジナルキー)よりも低いキーで製作されることが多い。これは、プロが歌うキー(オリジナルキー)では、一般ユーザにはキーが高すぎる傾向があるためである。
歌唱の上手なユーザはオリジナルキーで歌唱する傾向にあり、結果的にキーの高音側への変更が多く使用されている。このように、キーを高音側に変更する歌唱者が多く、キーを低音側に変更する歌唱者は比較的少ないという事情に鑑み、図2(c)に示す例では、各分割範囲は、「±0」のキーを中心として非対称に分割されている。
【0022】
また、本実施形態では、使用頻度が高いキーでピッチ変更をしないで済むようにしたり、ピッチ変更量が最小になるようにキーを選んで伴奏データを作成する。具体的には、図2(c),(d),(e)に示すように、キーコンの使用頻度に合わせて、使用頻度の高いキーでエンコードした複数の伴奏データを伴奏データ記憶領域141に記憶しておく。例えば、「±0」のキーとオリジナル楽曲のキーとの2種類のキーの伴奏データを用意しておく。このようにすることで、全体として再生音質を最適化できる。結果的に高音側、低音側で非対称にキーを選択することが必要になる。
また、図2(d),(e)に示す例では、各領域で伴奏データが記憶されているキーに対して、ピッチシフトをカバーする範囲が+方向と−方向とで非対称となっている。すなわち、この例では、各伴奏データに対応する分割範囲のそれぞれは、その分割範囲の代表となるキーを中心として非対称となっている。
【0023】
また、キーの変更量や変更態様は楽曲のそれぞれで異なることが多い。このような事情に鑑み、本実施形態では、図2(a)乃至(f)に示すように、楽曲毎に伴奏データの数やキーを異ならせている。具体的には、例えば、使用頻度の低い曲については、図2(a)に示すように、伴奏データを1種類のみ用意しておき、キーコンによる音質低下を許容する。また、このように伴奏データを1種類のみとする場合には、図2(f)に示すように、キーコンの有効範囲を制限しても良い。
【0024】
次に、図3に示すブロック図を参照しながら、カラオケ装置1の機能的構成について説明する。図3に示したキーコン制御部111,音声選択部112,キーコン部113は、CPU11がROM12又は記憶部14に記憶されたコンピュータプログラムを実行することによって実現される。なお、図中の矢印は、データの流れを概略的に示したものである。なお、図3においては、「伴奏データ1」,「伴奏データ2」,「伴奏データ3」の3つの伴奏データを有する楽曲のカラオケ伴奏を行う場合を例示している。
【0025】
図3において、キーコン制御部111は、操作部16から出力される操作信号に応じて、キーの変更内容を示すキーコン情報を、音声選択部112及びキーコン部113に出力する。音声選択部112は、キーコン制御部111から出力されるキーコン情報に応じて、音声デコーダ181,音声デコーダ182及び音声デコーダ183から出力される音声データのいずれかを選択し、選択した音声データをキーコン部113に出力する。キーコン部113は、キーコン制御部111から出力されるキー変更データの示す内容で、音声選択部112から出力される伴奏データのピッチを変換する。
【0026】
<A−2:動作>
次に、カラオケ装置1の動作について説明する。歌唱者は、カラオケ装置1の操作部16を操作して、歌唱したい楽曲を選択する操作を行い、楽曲の再生を指示する。操作部16は操作された内容に応じた信号を出力し、CPU11は操作部16から出力される信号に応じて、カラオケ伴奏を開始する。すなわち、CPU11は、伴奏データ記憶領域141から伴奏データを読み出して音声処理部18に供給し、音声処理部18は、伴奏データをD/A変換してアナログ信号に変換し、スピーカ19に供給して放音させる。このとき、CPU11は、楽曲に対応する複数の伴奏データのうち、「±0」のキーに対応する伴奏データを読み出して再生する。また、CPU11は、歌詞データ記憶領域142から歌詞データを読み出して歌詞テロップを表示部15に表示させる。
【0027】
歌唱者は、スピーカ19から放音される伴奏に合わせて歌唱を行う。歌唱者の音声はマイクロホン17で収音されて音声信号に変換され、音声処理部18で増幅されてスピーカ19へ出力される。これにより、スピーカ19からは、伴奏音と歌唱者の歌唱音声とがあわせて放音される。
【0028】
カラオケ伴奏の再生中又はカラオケ伴奏開始前において、歌唱者は、操作部16を用いて、キーコントロール機能によってキーを変更することができる。歌唱者がキーを変更するための操作を行うと、操作部16は、操作された内容に応じた操作信号を出力し、CPU11は、操作部16から供給される信号に応じて、キーの変更内容を示すキーコン情報を生成する。
【0029】
キーを変更する操作が行われると、CPU11は、選択された楽曲に対応する複数の伴奏データのなかから、キーコン情報の示す変更量を含む分割範囲に対応する伴奏データを選択し、選択した伴奏データに対応する音声デコーダから出力される伴奏データのピッチを、キーコン情報の示す変更量に応じて変換し、変換した伴奏データを再生する。これにより、カラオケ装置1からは、歌唱者が変更したキーに応じた伴奏音が放音される。歌唱者は、カラオケ装置1から放音されるカラオケ伴奏にあわせて歌唱を行う。
【0030】
このように、本実施形態では、それぞれ異なるキーに対応する複数の伴奏データをカラオケ装置1に予め記憶させておき、キーの変更量に応じて用いる伴奏データを使い分ける。このようにすることで、カラオケ伴奏再生時のピッチシフト量を少なくすることができ、ピッチシフトによる伴奏音の音質劣化を軽減することができる。
【0031】
また、特に、図2(b)に例示したように、ひとつの楽曲に対して伴奏データを3つ用意することで、キーコンによるピッチシフト量を「±2」程度に収めることができ、伴奏データのピッチシフトによる音質劣化を軽減することができる。
また、上述したように、キーコントロール機能においては、「±0」のキー(キーコンゼロ)かオリジナルキーのいずれかのキーが用いられることが多いが、本実施形態では、そのような使用頻度の高いキーの伴奏データを用意しておくことにより、伴奏データに対するピッチシフト量を少なくすることができ、これにより、ピッチシフトによる音質劣化を軽減することができる。特に、使用頻度に応じてキーの異なる伴奏データを3つ用意しておけば、その3つの伴奏データでほぼ全体をカバーすることができる。
【0032】
<B:第2実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図4は、本実施形態のカラオケシステムの構成の一例を示す図である。このシステムは、カラオケ装置2a,2b,2cとサーバ装置3とが、ネットワーク4によって通信可能に接続されて構成されている。サーバ装置3は、複数の楽曲のカラオケ伴奏で用いる伴奏データを複数記憶し、通信ネットワーク4を介してカラオケ装置2a,2b,2cへ伴奏データを配信する。カラオケ装置2a,2b,2cは、カラオケ店舗や飲食店等に設置されており、サーバ装置3からネットワークを介して配信されてくるカラオケ用データを用いてカラオケ伴奏を行う装置である。なお、カラオケ装置2a,2b,2cは、利用者が個人的に使用するパーソナルコンピュータ等であってもよい。なお、以下の説明においては、カラオケ装置2a,2b,2cを各々区別する必要がない場合には、これらを「カラオケ装置2」と称して説明する。
【0033】
図5は、カラオケ装置2のハードウェア構成の一例を示す図である。図において、CPU21,ROM22,RAM23,記憶部24,表示部25,操作部26,マイクロホン27,音声処理部28,スピーカ29は、上述の第1実施形態で示したカラオケ装置1の各部と同様であり、ここではその詳細な説明を省略する。図5において、通信制御部201は、通信ネットワーク4を介して接続される装置と通信を行う。
【0034】
上述の第1実施形態では、カラオケ装置1の伴奏データ記憶領域141には、ひとつの楽曲に対して複数の伴奏データが記憶されていた(図2参照)が、この実施形態では、カラオケ装置2の伴奏データ記憶領域241には、ひとつの楽曲に対してひとつの伴奏データのみが記憶されている。
【0035】
次に、サーバ装置3の構成について、図面を参照しつつ説明する。図6は、サーバ装置3の構成の一例を示す図である。図において、CPU31は、ROM32又は記憶部34に記憶されているコンピュータプログラムを読み出してRAM33にロードし、これを実行することにより、サーバ装置3の各部を制御する。記憶部34は、例えばハードディスクなどの大容量の記憶手段である。表示部35は、例えば液晶ディスプレイなどであり、CPU31の制御の下で、メニュー画面等の各種画面を表示する。操作部36は、マウスやキーボード等を備え、操作内容に応じた信号を出力する。通信制御部37は、通信ネットワーク4を介して接続される装置と通信を行う。
【0036】
記憶部34は、図示のように、伴奏データ記憶領域341を有している。伴奏データ記憶領域341には、カラオケ伴奏の際に再生される伴奏データが複数記憶されている。この伴奏データ記憶領域341には、上述のカラオケ装置1の伴奏データ記憶領域141と同様に、ひとつの楽曲に対して複数の伴奏データが記憶されている。すなわち、伴奏データ記憶領域341には、キーの変更量の範囲を複数に分割した際の、各分割範囲のそれぞれに対応する伴奏データが記憶されている。
【0037】
次に、カラオケ装置2の機能的構成について図面を参照しつつ説明する。図7は、カラオケ装置2の機能的構成の一例を示す図である。なお、図7においては、「伴奏データ1」,「伴奏データ2」,…「伴奏データN」のN個の伴奏データを有する楽曲のカラオケ伴奏を行う場合を例示している。図7において、キーコン制御部211は、操作部26から出力される操作信号に応じて、キーの変更内容を示すキーコン情報を、キーコン部2131,キーコン部2132,…、ミキサ部214にそれぞれ出力する。
【0038】
サーバ装置3は、指定された楽曲に対応する伴奏データ1,2,…Nを、カラオケ装置2に配信する。サーバ装置3から配信されてくる伴奏データ1,2,…Nは、通信制御部201を介して音声デコーダ281,282,…にそれぞれ供給される。音声デコーダ281,282,…はそれぞれ、供給される音声データをデコードして出力する。
【0039】
キーコン部2131,2132,…はそれぞれ、音声デコーダ281,282,…によってデコードされた伴奏データに対して、キーコン制御部211から供給されるキーコン情報に応じてピッチシフト処理を施し、ミキサ部214に出力する。ミキサ部214は、キーコン部2131,2132,…から出力される伴奏データのうちのいずれかを、キーコン制御部211から供給されるキーコン情報に応じて選択し、選択した伴奏データを再生する。
【0040】
次に、本実施形態の動作について説明する。歌唱者は、カラオケ装置2の操作部26を操作して、歌唱したい楽曲を選択する操作を行い、楽曲の再生を指示する。操作部26は操作された内容に応じた信号を出力し、CPU21は操作部26から出力される信号に応じてカラオケ伴奏を開始する。すなわち、CPU21は、伴奏データ記憶領域241から伴奏データを読み出して音声処理部28に供給し、音声処理部28は、伴奏データをD/A変換により、アナログ信号に変換し、スピーカ29に供給して放音させる。また、CPU21は、歌詞データ記憶領域242から歌詞データを読み出して歌詞テロップを表示部25に表示させる。
【0041】
このカラオケ伴奏の再生中又はカラオケ伴奏開始前において、歌唱者は、操作部26を用いてキーを変更することができる。歌唱者によってキーを変更するための操作が行われると、操作部26は、操作された内容に応じた操作信号を出力し、CPU21は、操作部26から供給される信号に応じて、キーの変更内容を示すキーコン情報を生成し、生成したキーコン情報と選択された楽曲を識別する楽曲IDとを、通信制御部201を介してサーバ装置3へ送信する。
【0042】
サーバ装置3は、カラオケ装置2からキーコン情報と楽曲IDとを受信すると、受信した楽曲IDとキーコン情報とに対応する伴奏データを、伴奏データ記憶領域341から読み出す。すなわち、サーバ装置3は、楽曲IDに対応する複数の伴奏データのなかから、キーコン情報の示す変更量を含む分割範囲に対応する伴奏データを選択し、選択した伴奏データを読み出す。そして、サーバ装置3は、読み出した伴奏データを、受信したキーコン情報の応答としてカラオケ装置2へ配信する。
【0043】
カラオケ装置2は、サーバ装置3から配信されてくる伴奏データを受信し、受信した伴奏データのピッチを、操作部26を介して入力されたキーコン情報に応じて変換し、変換した伴奏データを再生する。
【0044】
このとき、カラオケ装置2にキーコン情報が入力されてから、そのキーコン情報に対応する伴奏データをサーバ装置3から受信するまでの間には、ネットワーク遅延等によってタイムラグが生じる場合がある。そこで、本実施形態では、カラオケ装置2は、キーコン情報の入力を受け付けてから、伴奏データの受信が開始されるまでの間、カラオケ装置2の伴奏データ記憶領域241に記憶された伴奏データに対してピッチ変換処理を施し、ピッチ変換処理を施した伴奏データを再生する。その後、伴奏データの受信を開始すると、カラオケ装置2は、受信した伴奏データに対してピッチ変換処理を開始し、再生する伴奏データを、再生中の伴奏データと受信した伴奏データとをクロスフェードで切り換える。
【0045】
これにより、カラオケ装置2からは、歌唱者が指定したキーに対応したカラオケ伴奏が放音される。歌唱者は、カラオケ装置2から放音されるカラオケ伴奏にあわせて歌唱を行う。
【0046】
このように、本実施形態では、それぞれ異なるキーに対応する複数の伴奏データをサーバ装置3に予め記憶しておき、キーの変更量に応じて、用いる伴奏データを使い分ける。このようにすることで、カラオケ伴奏再生時のピッチシフト量を少なくすることができ、ピッチシフトによる伴奏音の音質劣化を軽減することができる。
【0047】
また、本実施形態では、伴奏データの受信を開始するまでにタイムラグが生じる場合には、カラオケ装置2に予め記憶している伴奏データをピッチ変換してカラオケ伴奏の再生を行い、伴奏データが受信されてからクロスフェードさせて切り換えることにより、伴奏データの受信に時間がかかる場合であっても、歌唱者を待たせることなくカラオケ伴奏を開始させることができる。
【0048】
なお、図7に示す例では、音声デコーダ及びキーコン部を複数セット有する構成について説明したが、音声デコーダとキーコン部のセットを複数有する構成とするに限らず、音声デコーダとキーコン部を1組のみ備える構成であってもよい。音声デコーダとキーコン部とを1組のみ備える構成とする場合には、例えば、伴奏データをバッファリングするバッファ領域を複数設ける構成とし、これらのバッファ領域を伴奏データ毎に切り換えて用いることによって伴奏データを切り換えるようにしてもよい。
【0049】
また、この実施形態では、サーバ装置3の伴奏データ記憶領域341に、複数のキーのそれぞれに対応する伴奏データを予め記憶させておく構成としたが、これに限らず、サーバ装置3が、カラオケ装置2からの配信要求に応じて、伴奏データをオンデマンドで生成するようにしてもよい。この場合は、例えば、サーバ装置3に、「±0」のキーに対応した伴奏データを予め記憶しておき、サーバ装置3が、カラオケ装置2から送信されてくるキーコン情報(配信要求)に応じて、伴奏データをピッチシフトさせてそのキーコン情報の示すキーに対応する伴奏データを生成し、生成した伴奏データをカラオケ装置2に配信するようにすればよい。このとき、この生成処理に起因するタイムラグが発生する場合には、カラオケ装置2が、上述の実施形態と同様に、サーバ装置3から伴奏データを受信するまでの間、自装置に予め記憶された伴奏データを用いてカラオケ伴奏を行い、伴奏データの受信を開始したときに、受信される伴奏データとクロスフェードで切り換えるようにしてもよい。
【0050】
<C:変形例>
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、他の様々な形態で実施可能である。以下にその一例を示す。なお、以下の各態様を適宜に組み合わせてもよい。
(1)上述の実施形態では、カラオケ伴奏の再生中にキーコントロールによりキーを変更する場合について説明したが、キーを変更するタイミングはこれに限らず、例えば、カラオケ伴奏の再生開始前にキーを変更するようにしてもよい。
【0051】
(2)上述の実施形態では、楽曲毎に伴奏データの数やキーを異ならせるようにしたが、複数の楽曲データで伴奏データの数やキーを統一したものを用いるようにしてもよい。要は、ひとつの楽曲に対して1又は複数の伴奏データを用意しておき、キーの変更量に応じて伴奏データを使い分けるようにすればよい。
【0052】
(3)上述の実施形態において、リズムパートは別ファイルとしてキーコンをかけないようにしてもよい。すなわち、ピッチシフトが不要なドラムパートを別ファイルとし、ドラムパートのファイルにはピッチ変換処理を施さないようにしてもよい。この場合のカラオケ装置1の機能的構成の一例を図8に示す。図8に示すように、ドラムパート用の音声デコーダ184を設け、キーコン部113によりピッチシフト処理が施された伴奏データとドラムパートデータとを、ミキサ部114でミキシングし、ミキシング後の伴奏データを再生するようにすればよい。
【0053】
(4)伴奏データの管理方法としては、上述の実施形態で示したように複数の伴奏データをそれぞれ個別のファイルとして管理するようにしてもよく、また、他の例として、複数の伴奏データをまとめて一つのコンテナ(ファイル)として管理するようにしてもよい。また、伴奏データをカラオケ伴奏の際に用いられるビデオファイル(動画データ)に含めたデータ構成とし、伴奏データがビデオファイルの一部として扱われるようにしてもよい。また、これらを組み合わせた管理方法で伴奏データを管理するようにしてもよい。
【0054】
また、ネットワーク経由で伴奏データをカラオケ装置2に配信する際には、複数の伴奏データを、マルチチャンネルストリームとして取得するようにしてもよい。この場合のカラオケ装置2の構成の一例を図9に示す。図9において、カラオケ装置2は、複数のキーのそれぞれに対応する伴奏データの組をマルチチャンネルストリームとして受信し、受信した伴奏データをチャンネル毎に割り当てられたデコーダによりデコードする。カラオケ装置2は、デコードした伴奏データのうちのいずれかを、キーコン情報に基づいて選択し、選択した伴奏データに対してピッチシフト処理を施し、再生する。
また、サーバ装置3にキーを指定してストリームを取得するようにしてもよく、また、上述の伴奏データの管理態様とネットワーク経由での伴奏データの配信態様とを適宜組み合わせて用いてもよい。
【0055】
(5)上述の第2の実施形態では、サーバ装置3が、カラオケ装置2からの配信要求に応じて、伴奏データ記憶領域341に記憶された伴奏データのうちのいずれかをカラオケ装置2に配信した。これに加えて、サーバ装置3が、カラオケ装置2から送信されるキーコン情報を履歴として蓄積しておき、キーコン情報の履歴に応じて、伴奏データを生成するようにしてもよい。この場合、例えば、サーバ装置3には、MIDI形式の伴奏データを楽曲毎に予め記憶しておき、サーバ装置3が、カラオケ装置2から送信されるキーコン情報に応じて、MIDI形式の伴奏データをピッチシフトさせ、ピッチシフトさせた伴奏データをオーディオデータに変換し、変換したオーディオデータをカラオケ装置2へ送信するようにすればよい。このように、利用者の使用頻度を反映させて伴奏データを生成することにより、より精度の高い伴奏データを提供することができる。
【0056】
(6)上述の実施形態では、カラオケ装置1が、図2に示した機能の全てを実現するようになっていた。これに対し、通信ネットワークで接続された2以上の装置が上記機能を分担するようにし、それら複数の装置を備えるシステムが同実施形態のカラオケ装置1を実現するようにしてもよい。例えば、マイクロホンやスピーカ、表示装置及び入力装置を備えるコンピュータ装置と、キーコン制御部111,音声選択部112,キーコン部113等を実現するサーバ装置とが通信ネットワークで接続されたシステムとして構成されていてもよい。
【0057】
(7)上述の実施形態におけるカラオケ装置1、カラオケ装置2又はサーバ装置3のCPUによって実行されるプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスクなど)、光記録媒体(光ディスクなど)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどの、コンピュータが読取可能な記録媒体に記録した状態で提供し得る。また、インターネットのようなネットワーク経由で各装置にダウンロードさせることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】カラオケ装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図2】伴奏データとキーの変更範囲との対応関係の一例を示す図である。
【図3】カラオケ装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。
【図4】カラオケシステムの構成の一例を示すブロック図である。
【図5】カラオケ装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図6】サーバ装置の構成の一例を示す図である。
【図7】カラオケ装置2の機能的構成の一例を示すブロック図である。
【図8】カラオケ装置の構成の一例を示す図である。
【図9】カラオケ装置の構成の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0059】
1…カラオケ装置、2…カラオケ装置、3…サーバ装置、4…ネットワーク、11,21,31…CPU、12,22,32…ROM、13,23,33…RAM、14,24,34…記憶部、15,25,35…表示部、16,26,36…操作部、17,27…マイクロホン、18,28…音声処理部、19,29…スピーカ、111…キーコン制御部、112…音声選択部、113…キーコン部、141,241,341…伴奏データ記憶領域、142…歌詞データ記憶領域、143…背景画データ記憶領域、181,182,183…音声デコーダ、201,37…通信制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キーの変更量の範囲を複数に分割した際の、各分割範囲のそれぞれについて、代表となるキーに対応するオーディオデータをそれぞれ記憶する記憶手段と、
前記変更量を示すキーコン情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得されたキーコン情報の示す変更量を含む分割範囲に対応するオーディオデータを前記記憶手段から読み出す読出手段と、
前記読出手段により読み出されたオーディオデータを再生する再生手段と
を具備することを特徴とするオーディオ再生装置。
【請求項2】
前記読出手段により読み出されたオーディオデータのピッチを、前記取得手段により取得されたキーコン情報の示す変更量に応じて変換するピッチ変換手段
を具備し、
前記再生手段は、前記ピッチ変換手段によりピッチが変換されたオーディオデータを再生する
ことを特徴とする請求項1に記載のオーディオ再生装置。
【請求項3】
前記記憶手段は、前記変更量の範囲を3つに分割した際の各分割範囲のそれぞれに対応するオーディオデータを記憶する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のオーディオ再生装置。
【請求項4】
前記各分割範囲は、前記変更量の範囲を非対称に分割したものである
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のオーディオ再生装置。
【請求項5】
前記記憶手段は、前記変更量の範囲を3つに分割した際の各分割範囲のそれぞれに対応するオーディオデータを記憶し、前記各分割範囲は、高域側の分割範囲が低域側の分割範囲よりも狭い範囲となるように分割されている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のオーディオ再生装置。
【請求項6】
前記記憶手段は、複数の楽曲のそれぞれについて、前記各分割範囲のそれぞれに対応するオーディオデータを記憶し、前記分割範囲の数は前記複数の楽曲のそれぞれで異なる
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のオーディオ再生装置。
【請求項7】
前記各分割範囲のそれぞれは、該分割範囲の代表となるキーを中心として非対称である
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のオーディオ再生装置。
【請求項8】
サーバ装置とオーディオ再生装置とが通信ネットワークで接続されたオーディオ再生システムにおいて、
前記サーバ装置は、
キーの変更量の範囲を複数に分割した際の、各分割範囲のそれぞれについて、代表となるキーに対応するオーディオデータをそれぞれ記憶する記憶手段と、
前記変更量を示すキーコン情報を、前記オーディオ再生装置から受信するキーコン情報受信手段と、
前記キーコン情報受信手段により受信されたキーコン情報の示す変更量を含む分割範囲に対応するオーディオデータを前記記憶手段から読み出す読出手段と、
前記読出手段により読み出されたオーディオデータを、前記オーディオ再生装置に配信する配信手段と
を具備し、
前記オーディオ再生装置は、
前記キーコン情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得されたキーコン情報を、前記サーバ装置に送信するキーコン情報送信手段と、
前記キーコン情報送信手段により送信されたキーコン情報の応答として前記サーバ装置から配信されてくるオーディオデータを受信するオーディオデータ受信手段と、
前記オーディオデータ受信手段により受信されたオーディオデータのピッチを、前記取得手段により取得されたキーコン情報の示す変更量に応じて変換するピッチ変換手段と、
前記ピッチ変換手段によりピッチが変換されたオーディオデータを再生する再生手段と
を具備することを特徴とするオーディオ再生システム。
【請求項9】
請求項8に記載のオーディオ再生システムにおいて、
前記オーディオ再生装置は、
オーディオデータを楽曲毎に記憶するオーディオデータ記憶手段
を有し、
前記ピッチ変換手段は、前記取得手段によりキーコン情報を取得してから前記オーディオデータ受信手段により前記オーディオデータの受信を開始するまでの間、前記オーディオデータ記憶手段に記憶されたオーディオデータに対してピッチ変換処理を施す
ことを特徴とするオーディオ再生システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−163192(P2009−163192A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−3331(P2008−3331)
【出願日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願人】(000004075)ヤマハ株式会社 (5,930)
【Fターム(参考)】