説明

カウンターと給水装置との間における配管カバーの取付け構造

【課題】カウンターの後部に給水装置を取付けるための立ち上がり部を必要としない。カウンターと給水装置の間の配管が露出しないように覆う配管カバーをねじを用いることなく取付けることができる。容易に且つ傷つけることなく取付け、取り外しが行える。
【解決手段】配管カバー7の背部に少なくとも上方及び背方が開口した配管4が入る配管収納凹部8を設けると共に該配管カバー7の上下長さをカウンター2と給水装置3のカバーの下面部までの距離よりも長く形成する。配管カバー7を側面視で後端が垂直となり且つ前端上部に行くほど前方となるように傾斜するような形状に形成する。配管カバー7をカウンター2と給水装置3との間に壁1に沿って配置して配管収納凹部8に配管4の壁1に沿った一部分を収納する。配管カバー7の上端部を嵌め込み凹部6に上下移動自在に嵌め込むと共に配管カバー7の下端をカウンター2上に載置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カウンターと給水装置との間における配管カバーの取付け構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、壁から前方に突出したカウンターの上方位置に給水装置を配設する場合、カウンターより上方位置において壁に孔をあけ、この孔に壁の裏側に配置した湯供給配管、水供給配管の端部を臨ませ、孔の表面側に給水装置を突出させて取付けると共に、孔に臨んでいる湯供給配管、水供給配管の端部を給水装置に接続するようにしていた。
【0003】
ところで、浴室ユニットなどにおいて、浴槽の給水装置、カウンターの上方に位置する給水装置にそれぞれ湯供給配管、水供給配管を接続するに当って、壁のカウンターの下方の部位、あるいは浴槽の近くの部位あるいは床に孔をあけて、この孔から湯供給配管、水供給配管を浴室ユニット内に導入し、該湯供給配管、水供給配管を浴槽側の給水装置に接続すると共に、カウンターの上に位置する給水装置に接続することで、壁にあける孔を1箇所で済ますようにしたものが知られている。
【0004】
この場合、カウンターの下のデッドスペースを利用して湯供給配管、水供給配管を通すことで、浴室ユニット内に湯供給配管、水供給配管を配置しても邪魔にならず、且つ配管が見えないようにしている。
【0005】
このように、カウンターの上方に給水装置を配設するに当って、従来にあっては、特許文献1に示すように、カウンターの後部に上方に向けて立ち上がり部を一体に突設し、この立ち上がり部に給水装置を取付け、カウンターの上面の上方に給水装置の吐出部(蛇口)が位置するようにし、カウンターの下方に通した湯供給配管、水供給配管を立ち上がり部の内部を通して給水装置に接続していた。
【0006】
ところが、この従来例においては、カウンターの後部に上方に向けて立ち上がり部を一体に形成する必要があって、人造大理石などで形成するカウンターの製造コストが高くなり、また、一体に突設する立ち上がり部の存在がカウンターの形状、大きさの制約条件となり、様々なサイズの浴室ユニットに適用できず、また、給水装置を取付ける立ち上がり部を設けるためカウンターの実際に使用できる面積が小さくなり、特に実際に使用できず前後巾が狭くなり、使い勝手も悪いという問題があった。
【0007】
そこで、本発明者は、カウンターの上方位置の壁に給水装置をカウンターとは別に取付けることを考えた。これによれば、カウンターとして後部に立ち上がり部を一体に突設しないものを使用することができ、上記したカウンターに一体に立ち上がり部を設ける従来の問題点を解決できる。この場合は、カウンターの後部の任意の位置に切欠部を形成し、この切欠部からカウンターの下方に通した湯供給配管、水供給配管を上方に導出して、上方に位置する給水装置に接続するのであるが、給水装置とカウンターとの間において、壁の表面に沿って湯供給配管、水供給配管が露出するので、これを隠すため、配管カバーで覆う必要がある。
【0008】
この配管カバーの取付けに当たっては、浴室ユニットの壁にねじで固着するが、ねじが外部に露出するため外観が悪く、また、給水装置の点検、給水装置と湯供給配管、水供給配管との接続部分の保守、点検等の際に、配管カバーを取り外す作業が煩わしく、また、保守、点検後に配管カバーを取付ける際に、再び、ねじで壁に取付けねばならず、このように何度も壁にねじを着脱すると、ねじ取付け部分から水が外に漏れるようになるという問題がある。
【特許文献1】特開2003−180545号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は上記の従来の問題点に鑑みて発明したものであって、カウンターの後部に給水装置を取付けるための立ち上がり部を必要とせず、また、カウンターと給水装置の間の配管が露出しないように覆う配管カバーをねじを用いることなく取付けることができ、しかも、容易に且つ傷付けることなく取付け、取り外しが行えるカウンターと給水装置との間における配管カバーの取付け構造を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために本発明に係るカウンターと給水装置との間における配管カバーの取付け構造は、壁1から前方に突出したカウンター2の上方位置に、壁1から前方に突出する給水装置3を配設し、この給水装置3に湯水を供給するための配管4をカウンター2と給水装置3との間で壁1に沿って配置し、給水装置3の下面部の上記壁1側の端部に上下方向及び背方に開口した嵌め込み凹部6を形成し、配管カバー7の背部に少なくとも上方及び背方が開口した配管4が入る配管収納凹部8を設けると共に該配管カバー7の上下長さをカウンター2と給水装置3のカバーの下面部までの距離よりも長く形成し、上記配管カバー7を側面視で後端が垂直となり且つ前端上部に行くほど前方となるように傾斜するような形状に形成し、配管カバー7をカウンター2と給水装置3との間に壁1に沿って配置して配管収納凹部8に配管4の壁1に沿った一部分を収納し、配管カバー7の上端部を嵌め込み凹部6に上下移動自在に嵌め込むと共に配管カバー7の下端をカウンター2上に載置して成ることを特徴とするものである。
【0011】
このような構成とすることで、カウンター2の後部に従来のように給水装置3を取付けるための立ち上がり部を形成する必要がなくなった。また、給水装置3とカウンター2との間に位置する配管4を、配管カバー7で覆って配管4が露出しないようにできると共に、配管カバー7の取付けに当たっては、側面視で後端が垂直となり、且つ前端上部に行くほど前方となるように傾斜するような形状に形成した配管カバー7を、上に行くほど壁1側に近づくように斜めに傾斜した状態で、配管カバー7の上端部を給水装置3の下面部の嵌め込み凹部6に嵌め込み、次いで、上端部が嵌め込み凹部6に嵌めこまれた後傾姿勢の配管カバー7を垂直姿勢となるように回動し、配管カバー7の後端を壁1に当接すると共に下端部をカウンター2より少し浮かせ、この状態で、配管カバー7を下降させて、配管カバー7の側面視で上に行くほど前方となるように傾斜するような形状の前端上部を給水装置3の下面部の嵌め込み凹部6に略ぴったりとなるように嵌め合わせると共に、配管カバー7の下端部をカウンター2の上端後端部上に載置することで取付けることができ、また、取り外しに当たっては上記取付けとは逆の順序で取り外して、内部の保守、点検ができる。
【0012】
また、前記配管カバー7の後端部と上端部とのなすコーナ部分に面取り部46を設けることが好ましい。
【0013】
このように配管カバー7の後端部と上端部とのなすコーナ部分に面取り部46を設けることで、前述のようにして配管カバー7の上端部を給水装置3の下面部の嵌め込み凹部6に嵌め込んで取付ける際に、よりいっそうスムーズに後傾姿勢のまま上方に持ち上げて嵌め込むことができると共に、前述のようにして配管カバー7を取り外す際もよりいっそうスムーズに取り外すことができる。
【0014】
また、配管カバー7の前端上部に、嵌め込み凹部6の前端縁に当接するための当り面部44を設けることが好ましい。
【0015】
このような構成とすることで、配管カバー7の上端部を嵌め込み凹部6に嵌め込んで配管カバー7を取付けた状態で、当り面部44が嵌め込み凹部6の前端縁に略当接する状態で略ぴったりとなるように嵌め合わせて取付けられ、ねじ等を用いることなく配管カバー7を取付けることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、上記のように、壁から前方に突出したカウンターの上方位置に、壁から前方に突出する給水装置を配設したので、カウンターの後部に給水装置を取付けるための立ち上がり部を必要とせず、カウンターの使い勝手が良く、コストも安くなる。しかも、配管カバーを側面視で後端が垂直となり、且つ前端上部が上に行くほど前方となるように傾斜するような形状に形成し、配管カバーをカウンターと給水装置との間に壁に沿って配置して配管収納凹部に配管の壁に沿った部分を収納し、配管カバーの上端部を嵌め込み凹部に上下移動自在に嵌め込むと共に配管カバーの下端をカウンター上に載置するので、配管カバーをねじ等を用いることなく簡単且つ傷つけることなく取り外したり、取付けたりできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。
【0018】
図1に示すように、浴室ユニットの壁1にはカウンター2が突設して取付けてあり、壁1のカウンター2の取付け部分よりも上方の部位に、給水装置3が取付けてある。なお、添付図面に示す実施形態では、壁1のカウンター2の取付け部分よりも上方の部位に棚板35を突設し、この棚板35の下面部に重なるように給水装置3を壁1に取付けてある。
【0019】
図3に示すように、カウンター2の下方の空間には配管4(水供給配管4a、湯供給配管4b)が配置してあり、カウンター2の後部の左右方向の任意の位置に形成した切欠部30に、水供給配管4a、湯供給配管4bを通し、壁1に沿わせ、該水供給配管4a、湯供給配管4bを給水装置3に接続してある。
【0020】
上記水供給配管4a、湯供給配管4bは、給水装置3とカウンター2との間において、ステー47により互いに連結して位置決めされた状態で壁1に取付けてある。ステー47は図6に示すようなもので、左右両端に断面く字状をした弾性を有する係止片48を設けると共に、左右両側の係止片48よりも少し内側に引き込んだ位置に断面コ字状又はU字状をした配管保持部49を設けてある。また、ステー47にはねじ具挿入孔50が設けてある。
【0021】
そして、左右両配管保持部49を水供給配管4a、湯供給配管4bに前方から嵌め込み、ステー47を壁1に当接した状態でビスのようなねじ具をねじ具挿入孔50から挿入して壁1に固着する。図1に示すように給水装置3とカウンター2との間のカウンター2により近い位置に位置するように壁1に取付ける。
【0022】
給水装置3は図1乃至図4に示すようなもので、取付け金具9と、該取付け金具9に取付ける湯温調整ユニット10と、水栓ユニット11と、これらを覆うカバー5とで構成してある。
【0023】
取付け金具9は前片12の左右両端部から後方に向けて側片13を一体に連出したものである。両側片13の後端部には固定部14が設けてあり、固定部14を、壁1のカウンター2の取付け部分よりも上方の部位に、図1に示すように固着具により固定するようになっている。
【0024】
また、前片12には図3に示すように、配管の端部の接続部分を嵌め込むための複数の孔15が設けてあり、各孔15から水供給配管4aの先端部に設けられた水供給用接続部25、湯供給配管4bの先端に設けられた湯供給用接続部26、接続管18の両端部の接続部19、20、シャワー用配管21の接続部22が、前方に向けて突出するように設置されるようになっている。
【0025】
また、前片12には湯温調整ユニット10と水栓ユニット11とがそれぞれねじのような固着具29により独立して着脱自在に取付けてあり、湯温調整ユニット10と水栓ユニット11は前片12に取付けた状態で、湯温調整ユニット10の軸芯と水栓ユニット11の軸芯とが略一致するように並設される。
【0026】
湯温調整ユニット10は、内部に湯温調整装置を内装したもので、一側端部の外側に湯温調整用の第1操作部36を突出させて構成してある。
【0027】
この湯温調整ユニット10を上記取付け金具9に取付ける際に、湯温調整ユニット10に設けた水流入用接続部と湯流入用接続部を、取付け金具9側に設けた水供給用接続部25と湯供給用接続部26にそれぞれ着脱自在に接続する。
【0028】
また、水栓ユニット11は上記湯温調整ユニット10とは別体のもので、内部に2つの開閉弁を備え、軸方向の両端部の外側にそれぞれ各開閉弁の操作部37、37aを突出させて構成してある。
【0029】
水栓ユニット11には各開閉弁よりも下流側にそれぞれ湯水の吐出部27が設けてあり、2つの吐出部27のうちの1つは水栓ユニット11の下面部に設けられたカラン用の吐出部27aであり、他の1つは水栓ユニットの後部から突出するシャワー用の吐出部(図示せず)である。
【0030】
また、取付け金具9に湯温調整ユニット10、水栓ユニット11を個別に取付ける際、同時に、接続管18の両端部の接続部19、20をそれぞれ湯温調整ユニット10の温度調整済みの湯水の出口部と水栓ユニット11の入口部とに着脱自在に接続する。
【0031】
更に、水栓ユニット11のシャワー用の吐出部を、シャワー用配管21の接続部22に接続する。このシャワー用配管21にはシャワーホース(図示せず)の後端部を接続する。
【0032】
このように取付け金具9の前面に、湯温調整ユニット10と、該湯温調整ユニット10とは別体の水栓ユニット11とをそれぞれ独立して着脱自在に取付けるのであるが、湯温調整ユニット10と水栓ユニット11とは各ユニットの軸芯が略一致するように一列に並設した状態で取付け金具9の前側に取付けるものであり、また、並設した各ユニットはそれぞれ固着具29を外すことで、独立して前方に取り外すことが可能となっている。
【0033】
取付け金具9に各ユニット10、11を固着具29を用いて着脱自在に取付けたり、取り外したりする操作は、取付け金具9の前片12の前方において下方から治具を操作することで固着具29による着脱操作ができるように構成してある。
【0034】
上記のように取付け金具9の前面側に、湯温調整ユニット10と、該湯温調整ユニット10とは別体の水栓ユニット11とを軸方向に並設して取付けた後、これらをカバー5で覆って給水装置3を組み立て構成する。
【0035】
上記カバー5は形成される給水装置3の外郭を構成するもので、下後ろカバー31と、下前カバー32と、上カバー33とで構成してある。
【0036】
図3及び図4に示すように、上記下後ろカバー31と、下前カバー32と、上カバー33にはそれぞれ被取付け部34が設けてあって、下後ろカバー31、下前カバー32、上カバー33の各被取付け部34をそれぞれ、取付け金具9のカバー取付け部23に固着具29を用いて着脱自在に取付けるようになっている。
【0037】
ここで、下後ろカバー31と、下前カバー32はいずれも、下後ろカバー31と、下前カバー32の下方から固着具29を操作して取付けるようになっており、固着具29が下後ろカバー31と、下前カバー32の下面に位置するので、給水装置3の使用側である正面側から上記下後ろカバー31と、下前カバー32を取付ける固着具29が見えないようになっている。
【0038】
下後ろカバー31の後端部(壁1側の端部)には、上下方向及び背方に開口した嵌め込み凹部6を形成してある。
【0039】
上カバー33は上方から固着具29を操作して取付けるようになっていて、固着具29の頭部が上カバー33の上面部の後部に存在することになるが、取付け金具9を壁1に取付けた場合、壁1から前方に突出して取付ける棚板35の下面部に、上カバー33の後部が重なるように取付けられるため、上記上カバー33を取付ける固着具29が給水装置3の使用側である正面側から見えないようになっている。
【0040】
添付図面に示す実施形態においては、湯温調整ユニット10に設けた湯温調整を行うための第1操作部36、水栓ユニット11に設けた2個の開閉弁をそれぞれ操作するための操作部37、37aにはいずれも各ユニットの軸芯を中心に回動する回動部38、39から前方に操作板40、41、41aを突設したもので、湯温調整ユニット10の第1操作部の前方に突出した第1操作板40、上カバー33の前部に設けた板状をしたダミー操作部42、一方の開閉弁の第2操作部37の前方に突出した第2操作板41、他方の開閉弁の第3操作部37aの前方に突出した第3操作板41aが棚板35の下面側の前端から前方に突出し、上記操作板40、2つの操作板41、41aがそれぞれ棚板35の前方において湯温調整ユニット10、水栓ユニット11の軸芯に対して回動操作自在となっている。
【0041】
つまり、第1操作部36の第1操作板40を操作することで、水流入用接続部、湯流入用接続部から湯温調整ユニット10内に流入する水と湯との混合割合を調整して、湯温調整を行うことができるようになっている。
【0042】
湯温調整ユニット10の湯温調整装置で湯水の混合が調整された湯温調整済の湯水は、接続管18を経て水栓ユニット11内に供給される。
【0043】
そして、一方の開閉弁の第2操作部37の第2操作板41を回動操作することで、該一方の開閉弁の開閉及び開度合いの調整(吐水量の調整)を行い、カラン用の吐出部27aからの湯水の吐水又は吐水停止、吐水時の吐水量の調整を行う。
【0044】
また、他方の開閉弁の第3操作部37aの第3操作板41aを回動操作することで、該他方の開閉弁の開閉及び開度合いの調整(吐水量の調整)を行い、シャワーホースに設けたシャワーヘッドからの湯水の吐水又は吐水停止、吐水時の吐水量の調整を行う。
【0045】
配管カバー7は背部には配管4が入る上下方向及び背方が開口した配管収納凹部8を設けてある。この配管カバー7の上下長さは、カウンター2の上面から、給水装置3の下後ろカバー31の嵌め込み凹部6を設けた後部までの距離よりも長く形成してある。嵌め込み凹部6の両側下部には被係止部51が設けてある。また、配管カバー7は側面視で後端が垂直となり且つ前端上部に行くほど前方となるように傾斜するような形状に形成してある。すなわち、配管カバー7の前部の略上半部が左右方向の全巾にわたって上方に行くほど前方となるように傾斜した傾斜面部43となっている。この傾斜面部43の最上端部の前方に最も突出している部分は垂直な当り面部44となっている。また、配管カバーの後端部と上端部とのなすコーナ部分は弧状をした面取り部46となっている。
【0046】
上記の構成の配管カバー7を、カウンター2と給水装置3との間において、図5(a)のように、上に行くほど壁1側に近づくように斜めとなるように後傾姿勢にして、配管カバー7の上端部の当り面部44を給水装置3のカバー5の下面部の嵌め込み凹部6に嵌め込む。次に、図5(b)のように後傾姿勢のまま少し上に持ち上げて傾斜面部43の上端部を嵌め込み凹部6に嵌め込む。上下長さがカウンター2から嵌め込み凹部6までの寸法よりも長い配管カバー7であっても、上記のように、配管カバー7を後傾姿勢にすることで嵌め込み凹部6内に嵌め込むことができ、また、配管カバー7を後傾姿勢にして上端部の最も前方に突出している当り面部44を嵌め込み凹部6内に嵌め込んだ後、後傾姿勢のまま、少し持ち上げると傾斜面部43が嵌め込み凹部6内に位置するため、無理なく図5(a)の状態から図5(b)のように後傾姿勢のまま上方に持ち上げて嵌め込むことができる。更に、この際、配管カバー7の後端部と上端部とのなすコーナ部分に面取り部46を設けておくことで、よりいっそうスムーズに後傾姿勢のまま上方に持ち上げて嵌め込むことができる。
【0047】
次に、図5(b)のように傾斜面部43の上端部を嵌め込み凹部6に嵌め込んで後傾姿勢となっている配管カバー7を回動して、図5(c)のように後端の垂直部分が壁1に当接する垂直姿勢とする。次に、図5(d)のように上端部が嵌め込み凹部6に嵌めこまれて垂直姿勢となっている配管カバー7を下方に移動させて、配管カバー7の下端部をカウンター2の上面後端部上に載置する。この状態で配管カバー7の傾斜面部43の上に連続する当り面部44が、嵌め込み凹部6の前端縁に略当接する状態で略ぴったりとなるように嵌め合わせて取付けられる。
【0048】
この場合、更に、配管カバー7の嵌め込み凹部6内の左右両側に設けた被係止部51に、水供給配管4aと湯供給配管4bを互いに連結して位置決めした状態で壁1に取付けているステー47の左右両端部に設けた係止片48が弾接的に係止する。
【0049】
このように、配管カバー7は下端部がカウンター2に当接して載置されると共に上端部が嵌め込み凹部6に略ぴったりと嵌め込まれ、さらに、被係止部51がステー47の係止片48に弾性的に係止されることで、ねじ等を用いることなく取付けることができる。
【0050】
上記のようにして配管カバー7を取付けることで、配管カバー7に設けた配管収納凹部8内に壁1に沿って露出している配管4(水供給配管4a、湯供給配管4b)を収納し、配管カバー7により配管4が外部に露出しないように覆い隠すものである。
【0051】
給水装置3の点検、給水装置3と水供給配管4a、湯供給配管4bとの接続部分の保守、点検等の際に配管カバー7を取り外すには上記と逆の順番、つまり、図5(d)→図5(c)→図5(b)→図5(a)の順番で取り外して保守、点検を行うことができる。
【0052】
また、上記実施形態においては、湯温調整ユニット10、水栓ユニット11が取付け金具9に対してそれぞれ個別に取付け、取り外し自在となっているので、湯温調整ユニット10、水栓ユニット11のいずれか一方を保守、点検する際、いずれか他方は取付け金具9に取付けたままいずれか一方を取付け金具9から取り外して保守、点検を行うことができる。
【0053】
上記実施形態においては、カウンター2の下方に配置した配管4をカウンター2の切欠部30から上方に引き出して給水装置3に接続するものにおいて、カウンター2と給水装置3との間に位置する配管4部分を配管カバー7で覆う例で説明したが、給水装置3の壁1への取付け部分の付近又は、カウンター2と給水装置3との間の壁1の部位に孔を設け、この孔から配管4を引き出して、引き出した配管4を給水装置3と接続する側と、カウンター2の切欠部30から下方に通してカウンター2の下方の空間を通して浴槽の給水装置側に至らせるようにしたものにおいて、カウンター2と給水装置3との間に位置する配管4部分を配管カバー7で覆うようにしてもよい。
【0054】
また、カウンター2と給水装置3との間の壁1の部位に孔を設け、この孔から配管4を引き出して、上方の給水装置3に接続するものにおいて、カウンター2と給水装置3との間に位置する配管4部分を配管カバー7で覆うようにしてもよい。この場合はカウンター2には切欠部30を設けなくてよく、また、配管カバー7に設けた配管収納凹部8は少なくとも上方及び背方に開口しておればよい。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の一実施形態の断面図である。
【図2】同上の正面側から見た斜視図である。
【図3】同上の背面側から見た斜視図である。
【図4】同上の平面図である。
【図5】(a)(b)(c)(d)は同上の配管カバーの取付け順序を示す断面図である。
【図6】同上に用いるステーを示し、(a)は正面図であり、(b)は平面図である。
【符号の説明】
【0056】
1 壁
2 カウンター
3 給水装置
4 配管
5 カバー
6 嵌め込み凹部
7 配管カバー
8 配管収納凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁から前方に突出したカウンターの上方位置に、壁から前方に突出する給水装置を配設し、この給水装置に湯水を供給するための配管をカウンターと給水装置との間で壁に沿って配置し、給水装置の下面部の上記壁側の端部に上下方向及び背方に開口した嵌め込み凹部を形成し、配管カバーの背部に少なくとも上方及び背方が開口した配管が入る配管収納凹部を設けると共に該配管カバーの上下長さをカウンターと給水装置のカバーの下面部までの距離よりも長く形成し、上記配管カバーを側面視で後端が垂直となり且つ前端上部に行くほど前方となるように傾斜するような形状に形成し、配管カバーをカウンターと給水装置との間に壁に沿って配置して配管収納凹部に配管の壁に沿った一部分を収納し、配管カバーの上端部を嵌め込み凹部に上下移動自在に嵌め込むと共に配管カバーの下端をカウンター上に載置して成ることを特徴とするカウンターと給水装置との間における配管カバーの取付け構造。
【請求項2】
前記配管カバーの後端部と上端部とのなすコーナ部分に面取り部を設けて成ることを特徴とする請求項1記載のカウンターと給水装置との間における配管カバーの取付け構造。
【請求項3】
前記配管カバーの前端上部に、嵌め込み凹部の前端縁に当接するための当り面部を設けて成ることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のカウンターと給水装置との間における配管カバーの取付け構造。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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