説明

カスケード状に接続可能な記憶装置及びこれの誤接続状態検出方法

【課題】起動時、又はオンラインで増設作業を行う際に、自律的に誤接続状態を検出する記憶装置を提供する。
【解決手段】記憶装置は冗長化された第1のアダプタ及び第2のアダプタを有しており、それぞれ固有の機器アドレスが設定される。記憶装置に他の記憶装置が接続された場合、第1及び第2のアダプタそれぞれは、第1のアダプタに接続された他の記憶装置の第1のアダプタの機器アドレスを取得するとともに、第2のアダプタに接続された他の記憶装置の第2のアダプタの機器アドレスを取得する。そして、記憶装置は、設定されている第1及び第2の機器アドレスのオフセットと、取得した他の記憶装置の第1及び第2の機器アドレスのオフセットとに基づいて誤接続状態にあるか否かを判定し、誤接続状態にあると判定した場合、誤接続状態に応じた情報を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カスケード状に接続可能な記憶装置及びこれの誤接続状態検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在のコンピュータシステムは24時間継続して運用することが求められている。更に近年は、処理する業務が複雑になっているためコンピュータシステムが保存するデータ量は年々増加する傾向がある。このような背景に基づいて、コンピュータシステムの中にはサブシステムとして記憶装置を増設する必要に迫られているものも多い。
【0003】
コンピュータシステムに増設する記憶装置として、例えば、JBOD(Just Bunch of Disk)装置が知られている。JBOD装置は、複数のディスクをまとめて論理的に1つのディスクとして扱うものであり、SAS(Serial Attached Storage)エクスパンダを用いてオンラインでカスケード状に接続することが可能になっている。
【0004】
また、JBOD装置の誤接続を検出する技術として下記特許文献1に記載の技術が知られている。この技術は、ホストのコントローラ側(イニシエータ)で誤接続状態を確認する技術である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−181317号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
JBOD装置が冗長化されたアダプタを有している場合、他のJBOD装置と接続するために冗長化されたアダプタ毎に上段側及び/又は下段側とケーブルを用いて接続する必要がある。例えば、JBOD装置の下段側に他のJBOD装置を接続する場合、ユーザは、JBOD装置の下段側コネクタと他のJBOD装置の上段側コネクタとをアダプタ毎にケーブルで接続する作業を行う必要がある。
【0007】
しかしながら、ユーザの手作業によってJBOD装置のケーブル接続を行うため、複数のJBOD装置をカスケード状に接続する場合、本来のJBOD装置の接続順と異なる接続順でケーブルを接続してしまうという人為的なミスが発生する場合がある。
【0008】
アダプタが冗長化されているJBOD装置が誤って接続された場合、ホストは、冗長化したパスを介してJBOD装置内のハードディスクドライブを同一のものと認識することができないため、JBOD装置内に記憶されているデータを正しく扱うことができなくなる。
【0009】
ここで、上記特許文献1に記載の技術によると、ホストのコントローラ側で誤接続状態を確認するため、コントローラ側に誤接続を判定するための機能を設ける必要がある。これでは、ホストのコントローラに負荷がかってしまう。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、起動時、又はオンライン増設作業時に、自律的に誤接続状態を検出し、ユーザに報知することができるカスケード状に接続可能な記憶装置及びこれの誤接続状態検出方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、冗長化された第1のアダプタ及び第2のアダプタを用いてカスケード接続可能な記憶装置であって、第1のアダプタは固有の第1の機器アドレスが設定され、第2のアダプタは第1の機器アドレスに所定のオフセット値が付加された固有の第2の機器アドレスが設定されており、記憶装置の第1及び第2のアダプタそれぞれは、当該記憶装置に同等の構成をした他の記憶装置がカスケード状に接続された場合、第1のアダプタに接続された他の記憶装置の第1のアダプタに設定された第1の機器アドレスを取得するとともに、第2のアダプタに接続された他の記憶装置の第2のアダプタに設定された第2の機器アドレスを取得する取得手段と、当該記憶装置の第1及び第2の機器アドレスのオフセット値、並びに取得した他の記憶装置の第1及び第2の機器アドレスのオフセット値に基づいて、他の記憶装置との接続が誤接続状態にあるか否かを判定する判定手段と、判定手段で誤接続状態にあると判定した場合、誤接続状態に応じた情報を出力する出力手段と、を備えることを特徴とする。
【0012】
また、他の本発明は、冗長化された第1のアダプタ及び第2のアダプタを用いてカスケード接続可能な記憶装置の誤接続状態検出方法であって、第1のアダプタは固有の第1の機器アドレスが設定され、第2のアダプタは第1の機器アドレスに所定のオフセット値が付加された固有の第2の機器アドレスが設定されており、記憶装置の第1及び第2のアダプタそれぞれは、当該記憶装置に同等の構成をした他の記憶装置がカスケード状に接続された場合、第1のアダプタに接続された他の記憶装置の第1のアダプタに設定された第1の機器アドレスを取得するとともに、第2のアダプタに接続された他の記憶装置の第2のアダプタに設定された第2の機器アドレスを取得するステップと、当該記憶装置の第1及び第2の機器アドレスのオフセット値、並びに取得した他の記憶装置の第1及び第2の機器アドレスのオフセット値に基づいて、他の記憶装置との接続が誤接続状態にあるか否かを判定するステップと、判定するステップで誤接続状態にあると判定した場合、誤接続状態に応じた情報を出力するステップと、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によると、起動時、又はオンライン増設作業時に、自律的に誤接続状態を検出し、ユーザに報知することができるカスケード状に接続可能な記憶装置及びこれの誤接続状態検出方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態に係る記憶装置の構成を示す図である。
【図2】同実施の形態に係る誤接続検出処理を示すフローチャートである。
【図3】同実施の形態に係る記憶装置が正常に接続された接続例を示す図である。
【図4】同接続例において記憶される固有の機器アドレスの一例を示す図である。
【図5】同接続例において記憶される固有の機器アドレスの他の一例を示す図である。
【図6】同実施の形態に係る記憶装置が誤って接続された接続例を示す図である。
【図7】同接続例において記憶される固有の機器アドレスの一例を示す図である。
【図8】同接続例において記憶される固有の機器アドレスの他の一例を示す図である。
【図9】同実施の形態に係る記憶装置が誤って接続された他の接続例を示す図である。
【図10】同接続例において記憶される固有の機器アドレスの一例を示す図である。
【図11】同接続例において記憶される固有の機器アドレスの他の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0016】
図1は、JBOD装置1の構成を示す図である。同図に示すように、JBOD装置1は、アダプタ10、及びアダプタ11を有している。JBOD装置1は、冗長化されたアダプタ10及びアダプタ11を用いてカスケード接続可能に構成されている。また、アダプタ10とアダプタ11とは通信パス100によって接続されている。この通信パス100は、1つのパスで構成しても、複数のパスで構成しても良い。
【0017】
アダプタ10は、マイクロプロセッサ20、SASエクスパンダ30、プロダクトデータ記憶部40、SASアドレス記憶部50、誤接続判定部60、コネクタ70、コネクタ80、及び表示部90を有している。
【0018】
また、マイクロプロセッサ20と、SASエクスパンダ30、プロダクトデータ記憶部40、SASアドレス記憶部50、誤接続判定部60、及び表示部90とはバスラインを介して接続されている。更に、SASエクスパンダ30と、コネクタ70、コネクタ80及びハードディスク群110とはバスラインを介して接続されている。
【0019】
マイクロプロセッサ20は、アダプタ10において実行される各種処理等を制御する。
【0020】
SASエクスパンダ30は、コネクタ70を介して上段側のJBOD装置のSASエクスパンダと、コネクタ80を介して下段側のJBOD装置のSASエクスパンダと接続される。
【0021】
プロダクトデータ記憶部40は、SASアドレスを記憶する。SASアドレスは、マイクロプロセッサ20によってSASエクスパンダ30に付与される固有の機器アドレスである。
【0022】
SASアドレス記憶部50は、JBOD装置1に設定されるSASアドレス及び接続される他のJBOD装置のSASアドレスを記憶する。
【0023】
誤接続判定部60は、起動時に、又はオンライン増設作業時に、他のJOBD装置が誤接続状態になっているか否かを判定する。この誤接続状態になっているか否かを判定する処理の詳細は後述する。
【0024】
コネクタ70は、上段側のJBOD装置との接続に用いられ、コネクタ80は、下段のJBOD装置との接続に用いられる。
【0025】
表示部90は、誤接続判定部60で誤接続状態にあることが判定された場合にマイクロプロセッサ20の指示に基づいて点灯し、ユーザに誤接続状態にあることを報知する。
【0026】
アダプタ11は、アダプタ10と同様に、マイクロプロセッサ21、SASエクスパンダ31、プロダクトデータ記憶部41、SASアドレス記憶部51、誤接続判定部61、コネクタ71、コネクタ81、及び表示部91を有している。
【0027】
また、マイクロプロセッサ21と、SASエクスパンダ31、プロダクトデータ記憶部41、SASアドレス記憶部51、誤接続判定部61、表示部91とはバスラインを介して接続されている。SASエクスパンダ31と、コネクタ71、コネクタ81及びハードディスク群110とはバスラインを介して接続されている。
【0028】
アダプタ11が有するマイクロプロセッサ21、SASエクスパンダ31、プロダクトデータ記憶部41、SASアドレス記憶部51、誤接続判定部61、コネクタ71、コネクタ81、及び表示部91の説明は、アダプタ10の有するマイクロプロセッサ20、SASエクスパンダ30、プロダクトデータ記憶部40、SASアドレス記憶部50、誤接続判定部60、コネクタ70、コネクタ80、及び表示部90の説明とそれぞれ同一であるため、詳細な説明は省略する。
【0029】
次に、アダプタ10において誤接続状態を検出する処理について図2を参照して説明する。この処理では、起動時に誤接続状態を検出したか否かを判定する場合で説明するが、オンライン増設作業時に誤接続状態を検出したか否かを判定する場合も実質的に同様な処理になる。なお、アダプタ11において誤接続状態を検出する処理もアダプタ10の処理と実質的に同様になるため、アダプ10の処理についてのみ説明することとする。
【0030】
マイクロプロセッサ20はJBOD装置が起動したか否かを判定する(S11)。起動していないと判定した場合(S11:NO)、ステップS11の判定処理を繰り返す。
【0031】
一方、起動したと判定した場合(S11:YES)、マイクロプロセッサ20は、SASアドレスを設定する(S12)。より詳細には、マイクロプロセッセ20は、プロダクトデータ記憶部40に記憶されているSASアドレスを読み出し、この読み出したSASアドレスをSASエクスパンダ30に設定する。
【0032】
次に、マイクロプロセッサ20は、自系及び他系のSASアドレスをSASアドレス記憶部に記憶する(S13)。
【0033】
より詳細には、マイクロプロセッサ20は、SASエクスパンダ30から自系のSASアドレスを取得し、この取得したSASアドレスをSASアドレス記憶部50に記憶する。また、マイクロプロセッサ20は、アダプタ11のSASエクスパンダ31に設定されている他系のSASアドレスを通信パス100を介して取得し、この取得したSASアドレスをSASアドレス記憶部50に記憶する。なお、このステップS13の処理は、ステップS12の処理と同時に行われることが望ましい。
【0034】
次に、マイクロプロセッサ20は、JBOD装置1に他のJBOD装置が接続されているか否かを判定する(S14)。
【0035】
他のJBOD装置が接続されていないと判定した場合(S14:NO)、マイクロプロセッサ20は、この処理を終了する。
【0036】
一方、他のJBOD装置が接続されていると判定した場合(S14:YES)、マイクロプロセッサ20は、他のJBOD装置のSASアドレスを取得する(S15:取得手段)。
【0037】
より詳細には、マイクロプロセッサ20は、自系のSASアドレスについては、上段側及び下段側に接続されている他のJBOD装置との間でSASアドレスを交換することにより、他のJBOD装置のSASエクスパンダに設定されている自系のSASアドレスを取得する。
【0038】
一方、アダプタ11においては、マイクロプロセッサ21によって同様の処理が行われることにより、自系のSASアドレスについて、上段側及び下段側に接続されている他のJBOD装置との間でSASアドレスが交換される。よって、マイクロプロセッサ20とマイクロプロセッサ21との間で取得したSASアドレスを通信パス100を介して交換することにより、マイクロプロセッサ20は、他系のSASアドレスを取得できる。
【0039】
次に、マイクロプロセッサ20は、ステップS15において取得した他のJBOD装置のSASアドレスをSASアドレス記憶部50に記憶する(S16)。
【0040】
次に、誤接続判定部60は、SASアドレス記憶部50に記憶されているSASアドレスに基づいて、誤接続状態になっているか否かを判定する(S17:判定手段)。
【0041】
より詳細には、誤接続判定部60は、ステップS13においてSASアドレス記憶部50に記憶した第1のアダプタ10に設定されたSASアドレスと第2のアダプタ11に設定されたSASアドレスとのオフセット(基準となるオフセット)、並びに、ステップS16で取得した上段側及び/又は下段側に接続された他のJBOD装置の第1のアダプタから取得したSASアドレスと他のJBOD装置から取得した第2のアダプタのSASアドレスとのオフセット(比較されるオフセット)に基づいて、誤接続状態にあるか否かを判定する。誤接続判定部60は、基準となるオフセットと比較されるオフセットが一致する場合は誤接続状態にないと判定し、一致しない場合は誤接続状態にあると判定する。
【0042】
誤接続判定部60が誤接続状態になっていないと判定した場合(S17:NO)、マイクロプロセッサ20は、この処理を終了する。
【0043】
一方、誤接続判定部60が誤接続状態になっていると判定した場合(S17:YES)、マイクロプロセッサ20は、表示部90を表示させるための情報を出力する(S18:出力手段)。
【0044】
次に、マイクロプロセッサ20は、誤接続状態にあると判定したのが上段側に接続されている他の記憶装置との接続であるか否かを判定する(S19)。
【0045】
誤接続状態にあるのが上段側との接続であると判定した場合(S19:YES)、マイクロプロセッサ20は、上段側との接続ポートを切断するための情報を出力する(S20:出力手段)。
【0046】
ステップS20において上段側との接続ポートを切断するための情報を出力した場合、又は、ステップS19において誤接続状態にあるのが上段側との接続ででないと判定した場合(S19:NO)、マイクロプロセッサ20は、誤接続状態にあると判定したのが下段側に接続されている他の記憶装置との接続であるか否かを判定する(S21)。
【0047】
誤接続状態にあるのが下段側との接続であると判定した場合(S19:YES)、マイクロプロセッサ20は、下段側のJBOD装置が誤って接続されていることを示す情報を上段側、具体的には、ホストへ出力する(S22:出力手段)。なお、この情報を出力する処理に代えて、又は当該情報の出力とともに、上段側との接続ポートを切断するための情報を出力するようにしても良い。
【0048】
このように上段側、及び/又は下段側との接続が誤接続であるか否かに応じて、情報を出力した場合、マイクロプロセッサ20は、この処理を終了する。
【0049】
以下、複数のJBOD装置の接続例について説明する。先ず、JBOD装置が正常に接続された場合の接続例について図3乃至図5を参照して説明する。
【0050】
図3に示すように、JBOD装置1、JBOD装置2及びJBOD装置3がカスケード状に接続されている。なお、同図においては、JBOD装置の接続関係を説明するためのコネクタ及びSASエクスパンダ以外の構成については図示及び説明を省略している。
【0051】
同図に示すように、JBOD装置1において、コネクタ70及び71はそれぞれ上段(ホスト)側に接続され、コネクタ80及び81は下段側のJBOD装置2のコネクタ70a及び71aとそれぞれ接続されている。更に、JBOD装置2のコネクタ80a及び81aは、下段側のJBOD装置3のコネクタ70b及び71bとそれぞれ接続されている。JBOD装置3のコネクタ80b及び81bは、それぞれ下段側に接続されている。
【0052】
図4は、図3に示すようにJBOD装置1乃至3が接続された場合に、既述のステップS13,S16の処理により、JBOD装置2のアダプタ10aのSASアドレス記憶部50aに記憶されるSASアドレスの一例を示す図である。
【0053】
SASアドレス記憶部50aには、SASエクスパンダ30aの自系SASアドレスとしてとして「500000000000000」、他系SASアドレスとして「50000000000040」が記憶されている。また、SASエクスパンダ30aの上段側に接続されたSASエクスパンダの自系SASアドレスとして「5000000000000100」、他系SASアドレスとして「5000000000000140」が記憶されている。更に、SASエクスパンダの下段側に接続されたSASエクスパンダの自系SASアドレスとして「5000000000000200」、他系SASアドレスとして「5000000000000240」が記憶されている。
【0054】
SASエクスパンダ30aの自系SASアドレスから他系SASアドレスまでのオフセット値は、「40」である。また、SASエクスパンダ30の自系SASアドレスから他系SASアドレスまでのオフセット値は、「40」である。更に、SASエクスパンダ30bの自系SASアドレスから他系SASアドレスまでのオフセット値は、「40」である。
【0055】
よって、誤接続判定部60aは、SASエクスパンダ30aに設定されているオフセット値「40」を基準として、上段側に接続されたSASエクスパンダ、下段側に接続されたSASエクスパンダが誤って接続されているか否かを判定する。
【0056】
誤接続判定部60aは、上段側に接続されたSASエクスパンダのオフセット値が「40」であり、基準のオフセット値「40」と同値であるため、上段側に接続されたSASエクスパンダの接続は、誤った接続ではないと判定する。
【0057】
また、誤接続判定部60aは、下段側に接続されたSASエクスパンダのオフセット値が「40」であり、基準のオフセット値「40」と同値であるため、下段側に接続されたSASエクスパンダの接続は、誤った接続ではないと判定する。
【0058】
このようにして、誤接続判定部60aは、上段側及び下段側に接続されたSASエクスパンダは誤って接続されていないことを判定することができる。
【0059】
一方、図5は、図3に示すようにJBOD装置1乃至3が接続された場合に、既述のステップS13,S16の処理により、JBOD装置2のアダプタ11aのSASアドレス記憶部51aに記憶されるSASアドレスを示す図である。
【0060】
SASアドレス記憶部51aには、SASエクスパンダ30aの自系SASアドレスとしてとして「500000000000040」、他系SASアドレスとして「50000000000000」が記憶されている。また、SASエクスパンダ30aの上段側に接続されたSASエクスパンダの自系SASアドレスとして「5000000000000140」、他系SASアドレスとして「5000000000000100」が記憶されている。更に、SASエクスパンダの下段側に接続されたSASエクスパンダの自系SASアドレスとして「5000000000000240」、他系SASアドレスとして「5000000000000200」が記憶されている。なお、SASアドレス記憶部51aに記憶されるSASアドレスは、既述のSASアドレス記憶部50aに記憶されるSASアドレスと比較すると、自系と他系との間でSASアドレスが入れ替わっている点が異なっている。
【0061】
SASエクスパンダ30aの自系SASアドレスから他系SASアドレスまでのオフセット値は、「−40」である。また、SASエクスパンダ30の自系SASアドレスから他系SASアドレスまでのオフセット値は、「−40」である。更に、SASエクスパンダ30bの自系SASアドレスから他系SASアドレスまでのオフセット値は、「−40」である。
【0062】
よって、誤接続判定部61aは、SASエクスパンダ30aに設定されているオフセット値「−40」を基準として、上段側に接続されたSASエクスパンダ、下段側に接続されたSASエクスパンダが誤って接続されているか否かを判定する。
【0063】
誤接続判定部61aは、上段側に接続されたSASエクスパンダのオフセット値が「−40」であり、基準のオフセット値「−40」と同値であるため、上段側に接続されたSASエクスパンダの接続は、誤った接続ではないと判定する。
【0064】
また、誤接続判定部61aは、下段側に接続されたSASエクスパンダのオフセット値が「−40」であり、基準のオフセット値「−40」と同値であるため、下段側に接続されたSASエクスパンダの接続は、誤った接続ではないと判定する。
【0065】
このようにして、誤接続判定部61aは、上段側及び下段側に接続されたSASエクスパンダは誤って接続されていないことを判定することができる。したがって、誤接続判定部60a,61aは、それぞれ誤接続状態にないことを判定することができる。
【0066】
次に、JBOD装置1乃至3が誤接続された場合の接続例について図6乃至図8を参照して説明する。
【0067】
図6に示すように、JBOD装置1、JBOD装置2及びJBOD装置3が接続されている。なお、同図においては、JBOD装置1乃至3の接続関係を説明するためのコネクタ及びSASエクスパンダ以外の構成については図示及び説明を省略している。
【0068】
同図に示すように、JBOD装置1のコネクタ70及び71はそれぞれ上段(ホスト)側に接続されている。JBOD装置1のコネクタ80は下段側のJBOD装置2のコネクタ70aと接続され、コネクタ81は下段側のJBOD装置3のコネクタ71bと接続されている。更に、JBOD装置2のコネクタ80aとJBOD装置3のコネクタ70bが接続されており、JBOD装置2のコネクタ71aはJBOD装置3のコネクタ81bと接続されている。JBOD装置2のコネクタ81a及びJBOD装置3のコネクタ80bは、下段側のJBOD装置とそれぞれ接続されている。
【0069】
図7は、図6に示すようにJBOD装置1乃至3が接続された場合に、既述のステップS13,S16の処理により、JBOD装置2のアダプタ10aのSASアドレス記憶部50aに記憶されるSASアドレスの一例を示す図である。
【0070】
SASアドレス記憶部50aには、SASエクスパンダ30aの自系SASアドレスとしてとして「5000000000000000」、他系SASアドレスとして「50000000000040」が記憶されている。また、SASエクスパンダ30aの上段側に接続されたSASエクスパンダの自系SASアドレスとして「5000000000000100」、他系SASアドレスとして「5000000000000240」が記憶されている。更に、SASエクスパンダの下段側に接続されたSASエクスパンダの自系SASアドレスとして「5000000000000200」、他系SASアドレスとして「5000000000000340」が記憶されている。
【0071】
SASエクスパンダ30aの自系SASアドレスから他系SASアドレスまでのオフセット値は、「40」である。また、SASエクスパンダ30の自系SASアドレスから他系SASアドレスまでのオフセット値は、「140」である。更に、SASエクスパンダ30bの自系SASアドレスから他系SASアドレスまでのオフセット値は、「140」である。
【0072】
よって、誤接続判定部60aは、SASエクスパンダ30aに設定されているオフセット値「40」を基準として、上段側に接続されたSASエクスパンダ、下段側に接続されたSASエクスパンダが誤って接続されているか否かを判定する。
【0073】
誤接続判定部60aは、上段側に接続されたSASエクスパンダのオフセット値が「140」であり、基準のオフセット値「40」と同値でないため、上段側に接続されたSASエクスパンダの接続は、誤った接続であると判定する。
【0074】
また、誤接続判定部60aは、下段側に接続されたSASエクスパンダのオフセット値が「140」であり、基準のオフセット値「40」と同値でないため、下段側に接続されたSASエクスパンダの接続は、誤った接続であると判定する。
【0075】
このようにして、誤接続判定部60aは、上段側及び下段側に接続されたSASエクスパンダが誤って接続されていることを判定することができる。
【0076】
一方、図8は、図6に示すようにJBOD装置1乃至3が接続された場合に、既述のステップS13,S16の処理により、JBOD装置2のアダプタ11aのSASアドレス記憶部51aに記憶されるSASアドレスを示す図である。
【0077】
SASアドレス記憶部51aには、SASエクスパンダ30aの自系SASアドレスとしてとして「5000000000000040」、他系SASアドレスとして「50000000000000」が記憶されている。また、SASエクスパンダ30aの上段側に接続されたSASエクスパンダの自系SASアドレスとして「5000000000000240」、他系SASアドレスとして「5000000000000100」が記憶されている。更に、SASエクスパンダの下段側に接続されたSASエクスパンダの自系SASアドレスとして「5000000000000340」、他系SASアドレスとして「5000000000000200」が記憶されている。なお、SASアドレス記憶部51aに記憶されるSASアドレスは、既述のSASアドレス記憶部50aに記憶されるSASアドレスと比較すると、自系と他系との間でSASアドレスが入れ替わっている点が異なっている。
【0078】
SASエクスパンダ30aの自系SASアドレスから他系SASアドレスまでのオフセット値は、「−40」である。また、SASエクスパンダ30の自系SASアドレスから他系SASアドレスまでのオフセット値は、「−140」である。更に、SASエクスパンダ30bの自系SASアドレスから他系SASアドレスまでのオフセット値は、「−140」である。
【0079】
誤接続判定部61aは、上段側に接続されたSASエクスパンダのオフセット値が「−140」であり、基準のオフセット値「−40」と同値でないため、上段側に接続されたSASエクスパンダの接続は、誤った接続であると判定する。
【0080】
また、誤接続判定部61aは、下段側に接続されたSASエクスパンダのオフセット値が「−140」であり、基準のオフセット値「−40」と同値でないため、下段側に接続されたSASエクスパンダの接続は、誤った接続であると判定する。
【0081】
このようにして、誤接続判定部61aは、上段側及び下段側に接続されたSASエクスパンダが誤って接続されていることを判定することができる。したがって誤接続判定部60a,61aは、上段側及び下段側に接続されたSASエクスパンダが誤って接続されていることをそれぞれ判定することができる。
【0082】
次に、JBOD装置1乃至3が誤接続された場合の他の接続例について図9乃至図11を参照して説明する。
【0083】
図9に示すように、JBOD装置1、JBOD装置2及びJBOD装置3が接続されている。なお、同図においては、JBOD装置1乃至3の接続関係を説明するためのコネクタ及びSASエクスパンダ以外の構成については図示及び説明を省略している。
【0084】
同図に示すように、JBOD装置1のコネクタ70及び71はそれぞれ上段(ホスト)側に接続されている。JBOD装置1のコネクタ80は下段側のJBOD装置2のコネクタ70aと接続され、コネクタ81は下段側のJBOD装置3のコネクタ71aと接続されている。JBOD装置2のコネクタ80aとJBOD装置3のコネクタ71bが接続されており、JBOD装置2のコネクタ81aとJBOD装置3のコネクタ70bが接続されている。JBOD装置3のコネクタ80b及び81bは、下段側のJBOD装置と接続されている。
【0085】
図10は、図9に示すようにJBOD装置1乃至3が接続された場合に、既述のステップS13,S16の処理により、JBOD装置2のアダプタ10aのSASアドレス記憶部50aに記憶されるSASアドレスの一例を示す図である。
【0086】
SASアドレス記憶部50aには、SASエクスパンダ30aの自系SASアドレスとしてとして「5000000000000000」、他系SASアドレスとして「50000000000040」が記憶されている。また、SASエクスパンダ30aの上段側に接続されたSASエクスパンダの自系SASアドレスとして「5000000000000100」、他系SASアドレスとして「5000000000000140」が記憶されている。更に、SASエクスパンダの下段側に接続されたSASエクスパンダの自系SASアドレスとして「5000000000000240」、他系SASアドレスとして「5000000000000200」が記憶されている。
【0087】
SASエクスパンダ30aの自系SASアドレスから他系SASアドレスまでのオフセット値は、「40」である。また、SASエクスパンダ30の自系SASアドレスから他系SASアドレスまでのオフセット値は、「40」である。更に、SASエクスパンダ30bの自系SASアドレスから他系SASアドレスまでのオフセット値は、「−40」である。
【0088】
よって、誤接続判定部60aは、SASエクスパンダ30aに設定されているオフセット値「40」を基準として、上段側に接続されたSASエクスパンダ、下段側に接続されたSASエクスパンダが誤って接続されているか否かを判定する。
【0089】
誤接続判定部60aは、上段側に接続されたSASエクスパンダのオフセット値が「40」であり、基準のオフセット値「40」と同値であるため、上段側に接続されたSASエクスパンダの接続は、誤った接続ではないと判定する。
【0090】
また、誤接続判定部60aは、下段側に接続されたSASエクスパンダのオフセット値が「40」であり、基準のオフセット値「−40」と同値でないため、下段側に接続されたSASエクスパンダの接続は、誤った接続ではあると判定する。
【0091】
このようにして、誤接続判定部60aは、上段側に接続されたSASエクスパンダは誤って接続されておらず、下段側に接続されたSASエクスパンダは誤って接続されていると判定することができる。
【0092】
一方、図11は、図9に示すようにJBOD装置1乃至3が接続された場合に、既述のステップS13,S16の処理により、JBOD装置2のアダプタ11aのSASアドレス記憶部51aに記憶されるSASアドレスを示す図である。
【0093】
SASアドレス記憶部51aには、SASエクスパンダ30aの自系SASアドレスとしてとして「500000000000040」、他系SASアドレスとして「50000000000000」が記憶されている。また、SASエクスパンダ30aの上段側に接続されたSASエクスパンダの自系SASアドレスとして「5000000000000140」、他系SASアドレスとして「5000000000000100」が記憶されている。更に、SASエクスパンダの下段側に接続されたSASエクスパンダの自系SASアドレスとして「5000000000000200」、他系SASアドレスとして「5000000000000240」が記憶されている。なお、SASアドレス記憶部51aに記憶されるSASアドレスは、既述のSASアドレス記憶部50aに記憶されるSASアドレスと比較すると、自系と他系との間でSASアドレスが入れ替わっている点が異なっている。
【0094】
SASエクスパンダ30aの自系SASアドレスから他系SASアドレスまでのオフセット値は、「−40」である。また、SASエクスパンダ30の自系SASアドレスから他系SASアドレスまでのオフセット値は、「−40」である。更に、SASエクスパンダ30bの自系SASアドレスから他系SASアドレスまでのオフセット値は、「40」である。
【0095】
よって、誤接続判定部61aは、SASエクスパンダ30aに設定されているオフセット値「−40」を基準として、上段側に接続されたSASエクスパンダ、下段側に接続されたSASエクスパンダが誤って接続されているか否かを判定する。
【0096】
誤接続判定部61aは、上段側に接続されたSASエクスパンダのオフセット値が「−40」であり、基準のオフセット値「−40」と同値であるため、上段側に接続されたSASエクスパンダの接続は、誤った接続ではないと判定する。
【0097】
また、誤接続判定部61aは、下段側に接続されたSASエクスパンダのオフセット値が「−40」であり、基準のオフセット値「40」と同値でないため、下段側に接続されたSASエクスパンダの接続は、誤った接続であると判定する。
【0098】
このようにして、誤接続判定部61aは、上段側に接続されたSASエクスパンダは誤って接続されていないこと、及び下段側に接続されたSASエクスパンダは誤って接続されていることを判定することができる。したがって、誤接続判定部60a,61bでそれぞれ上段側に接続されたSASエクスパンダは誤って接続されていないこと、及び下段側に接続されたSASエクスパンダは誤って接続されていることを判定することができる。
【0099】
以上のように、本実施の形態のJBOD装置2によると、誤接続判定部60a,61aが誤接続状態にあるか否かの判定をすることにより、JBOD装置2の上段側にJBOD装置1、下段側にJBOD装置3が接続された記憶システムを起動する際に、各接続が誤接続状態にあるか否かをJBOD装置2が自律的に検出することができる。
【0100】
また、誤認定判定部60a,61aが上段側又は下段側の少なくともいずれかの接続が誤接続状態にあると判定した場合、マイクロプロセッサ20a,21aは表示部90,91を表示することにより、異常(誤接続)状態にあることをユーザに報知することができる。この表示部90及び91の表示によって、複数のJBOD装置がカスケード状に接続されている場合に、ユーザはどこから誤って接続されてしまったかを直ぐに見つけることができる。
【0101】
また、誤接続判定部60a,61aが上段側に接続されたSASエクスパンダが誤接続状態にあると判定した場合、マイクロプロセッサ20,21は上段側のSASエクスパンダとの接続ポートを切断することができる。これにより、誤って接続されているJBOD装置にホストがアクセスすることを防止できる。
【0102】
更に、誤接続判定部60a,61aが下段側に接続されたSASエクスパンダが誤接続状態にあると判定した場合、マイクロプロセッサ20a,21aは、下段側のSASエクスパンダが異常(誤接続)状態にあることを上段側へ出力することができる。これにより、ホストは、誤って接続されたJOBD装置及びその下段側のJBOD装置をユーザに見せないように処理することができる。
【0103】
なお、上記実施形態においては、誤接続判定部60a,61aが下段側にJBOD装置が誤接続状態にあると判定し場合、誤って接続されたJBOD装置及びその下段側のJBOD装置をホストがユーザに見せないように処理する場合で説明したが、これに限るものではない。この処理に代えて、例えば、カスケード状に接続されているJBOD装置を全て表示するとともに、誤って接続されているJBOD装置の情報、例えば、あるJBOD装置以下に接続されたJBOD装置は誤接続状態にあることを示す情報をホストがユーザに対して表示するようにしても良い。
【0104】
また、上記実施形態においては、JBOD装置1乃至3がカスケード状に接続されている場合に、当該記憶システムを起動する際の処理について詳細に説明しているが、これに限るものではなく、本発明は、JBOD装置をカスケード状にオンライン接続する場合にも勿論適用可能である。
【0105】
更に、上記実施の形態においては、記憶装置としてJBOD装置の場合で説明しているが、本発明は、冗長化された第1のアダプタ及び第2のアダプタを用いてカスケード接続可能な記憶装置に適用可能である。
【0106】
なお、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、その実施に際して様々な変形が可能である。
【0107】
上記実施の形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0108】
(付記1)
冗長化された第1のアダプタ及び第2のアダプタを用いてカスケード接続可能な記憶装置であって、
前記第1のアダプタは固有の第1の機器アドレスが設定され、
前記第2のアダプタは前記第1の機器アドレスに所定のオフセット値が付加された固有の第2の機器アドレスが設定されており、
前記記憶装置の第1及び第2のアダプタそれぞれは、
当該記憶装置に同等の構成をした他の記憶装置がカスケード状に接続された場合、
前記第1のアダプタに接続された他の記憶装置の第1のアダプタに設定された第1の機器アドレスを取得するとともに、前記第2のアダプタに接続された他の記憶装置の第2のアダプタに設定された第2の機器アドレスを取得する取得手段と、
当該記憶装置の第1及び第2の機器アドレスのオフセット値、並びに前記取得した他の記憶装置の第1及び第2の機器アドレスのオフセット値に基づいて、前記他の記憶装置との接続が誤接続状態にあるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段で誤接続状態にあると判定した場合、誤接続状態に応じた情報を出力する出力手段と、
を備えることを特徴とする記憶装置。
【0109】
(付記2)
前記判定手段が上段側に接続された他の記憶装置と誤接続状態にあると判定した場合、前記出力手段は前記上段側に接続された前記他の記憶装置との接続を切断するための情報を出力すること、
を特徴とする付記1記載の記憶装置。
【0110】
(付記3)
前記判定手段が下段側に接続された他の記憶装置と誤接続状態にあると判定した場合、前記出力手段は前記下段側に接続された前記他の記憶装置との接続が誤っていることを示す情報を上段側へ出力し、又は前記上段側に接続された前記他の記憶装置との接続を切断するための情報を出力すること、
を特徴とする付記1又は2記載の記憶装置。
【0111】
(付記4)
ユーザに誤接続状態にあることを報知する報知手段を備え、
前記判定手段が上段側及び下段側に接続された他の前記記憶装置の少なくともいずれかと誤接続状態にあると判定した場合、前記出力手段は前記報知手段を動作させるための情報を出力すること、
を特徴とする付記1乃至3のいずれか一項記載の記憶装置。
【0112】
(付記5)
冗長化された第1のアダプタ及び第2のアダプタを用いてカスケード接続可能な記憶装置の誤接続状態検出方法であって、
前記第1のアダプタは固有の第1の機器アドレスが設定され、
前記第2のアダプタは前記第1の機器アドレスに所定のオフセット値が付加された固有の第2の機器アドレスが設定されており、
前記記憶装置の第1及び第2のアダプタそれぞれは、
当該記憶装置に同等の構成をした他の記憶装置がカスケード状に接続された場合、
前記第1のアダプタに接続された他の記憶装置の第1のアダプタに設定された第1の機器アドレスを取得するとともに、前記第2のアダプタに接続された他の記憶装置の第2のアダプタに設定された第2の機器アドレスを取得するステップと、
当該記憶装置の第1及び第2の機器アドレスのオフセット値、並びに前記取得した他の記憶装置の第1及び第2の機器アドレスのオフセット値に基づいて、前記他の記憶装置との接続が誤接続状態にあるか否かを判定するステップと、
前記判定するステップで誤接続状態にあると判定した場合、誤接続状態に応じた情報を出力するステップと、
を備えることを特徴とする記憶装置の誤接続状態検出方法。
【産業上の利用可能性】
【0113】
本発明は、カスケード状に接続可能な記憶装置及びこの記憶装置の誤接続検出方法に広く適用可能である。
【符号の説明】
【0114】
1,2,3・・・JOBD装置
10,11・・・アダプタ
20,12・・・マイクロプロセッサ
30,30a,30b,31,31a,31b・・・SASエクスパンダ
40,41・・・プロダクトデータ記憶部
50,51・・・SASアドレス記憶部
60,60a,61,61a・・・誤接続判定部
70,70a,70b,71,71a,71b・・・コネクタ
80,80a,80b,81,81a,81b・・・コネクタ
90,91・・・表示部
100・・・通信パス
110・・・ハードディスク群

【特許請求の範囲】
【請求項1】
冗長化された第1のアダプタ及び第2のアダプタを用いてカスケード接続可能な記憶装置であって、
前記第1のアダプタは固有の第1の機器アドレスが設定され、
前記第2のアダプタは前記第1の機器アドレスに所定のオフセット値が付加された固有の第2の機器アドレスが設定されており、
前記記憶装置の第1及び第2のアダプタそれぞれは、
当該記憶装置に同等の構成をした他の記憶装置がカスケード状に接続された場合、
前記第1のアダプタに接続された他の記憶装置の第1のアダプタに設定された第1の機器アドレスを取得するとともに、前記第2のアダプタに接続された他の記憶装置の第2のアダプタに設定された第2の機器アドレスを取得する取得手段と、
当該記憶装置の第1及び第2の機器アドレスのオフセット値、並びに前記取得した他の記憶装置の第1及び第2の機器アドレスのオフセット値に基づいて、前記他の記憶装置との接続が誤接続状態にあるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段で誤接続状態にあると判定した場合、誤接続状態に応じた情報を出力する出力手段と、
を備えることを特徴とする記憶装置。
【請求項2】
前記判定手段が上段側に接続された他の記憶装置と誤接続状態にあると判定した場合、前記出力手段は前記上段側に接続された前記他の記憶装置との接続を切断するための情報を出力すること、
を特徴とする請求項1記載の記憶装置。
【請求項3】
前記判定手段が下段側に接続された他の記憶装置と誤接続状態にあると判定した場合、前記出力手段は前記下段側に接続された前記他の記憶装置との接続が誤っていることを示す情報を上段側へ出力し、又は前記上段側に接続された前記他の記憶装置との接続を切断するための情報を出力すること、
を特徴とする請求項1又は2記載の記憶装置。
【請求項4】
ユーザに誤接続状態にあることを報知する報知手段を備え、
前記判定手段が上段側及び下段側に接続された他の前記記憶装置の少なくともいずれかと誤接続状態にあると判定した場合、前記出力手段は前記報知手段を動作させるための情報を出力すること、
を特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項記載の記憶装置。
【請求項5】
冗長化された第1のアダプタ及び第2のアダプタを用いてカスケード接続可能な記憶装置の誤接続状態検出方法であって、
前記第1のアダプタは固有の第1の機器アドレスが設定され、
前記第2のアダプタは前記第1の機器アドレスに所定のオフセット値が付加された固有の第2の機器アドレスが設定されており、
前記記憶装置の第1及び第2のアダプタそれぞれは、
当該記憶装置に同等の構成をした他の記憶装置がカスケード状に接続された場合、
前記第1のアダプタに接続された他の記憶装置の第1のアダプタに設定された第1の機器アドレスを取得するとともに、前記第2のアダプタに接続された他の記憶装置の第2のアダプタに設定された第2の機器アドレスを取得するステップと、
当該記憶装置の第1及び第2の機器アドレスのオフセット値、並びに前記取得した他の記憶装置の第1及び第2の機器アドレスのオフセット値に基づいて、前記他の記憶装置との接続が誤接続状態にあるか否かを判定するステップと、
前記判定するステップで誤接続状態にあると判定した場合、誤接続状態に応じた情報を出力するステップと、
を備えることを特徴とする記憶装置の誤接続状態検出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−155620(P2012−155620A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−15620(P2011−15620)
【出願日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】