説明

カッタヘッドにおける構成物の摩耗検知装置とそれを備えたトンネル掘削機

【課題】作業員がチャンバ内に入ることなく、ローラカッタ等のカッタヘッドにおける構成物の摩耗を検知できる摩耗検知装置を提供すること。
【解決手段】ローラカッタ5で地山14を掘削してトンネルを形成するトンネル掘削機のカッタヘッドにおけるローラカッタ5の摩耗検知装置70であり、前記ローラカッタ5の前端から一定距離後退するとともに、前記カッタヘッドにおける摩耗を検知したいローラカッタ5の前端から一定距離後退した位置に摩耗検出器50を備え、この摩耗検出器50は、前記掘削する地山14に接することで摩耗する摩耗検知部分51を前端部に有し、この摩耗検知部分51が摩耗したことを検知する摩耗検出器50を具備させている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カッタヘッドにおけるローラカッタ等の構成物の摩耗を検知する摩耗検知装置と、それを備えたトンネル掘削機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、岩盤等の硬質地山を掘削するトンネル掘削機のカッタヘッドには、地山を圧砕して掘削するためのローラカッタ(ローラビット、ディスクカッタともいう)が設けられている。このローラカッタは、地山に押付けてカッタヘッドを回転させることにより、転動するローラカッタで切羽を圧砕して硬質地山を掘削する。
【0003】
このようなトンネル掘削機の場合、ローラカッタはトンネルの掘削が進むにつれて刃先が摩耗する。そのため、ローラカッタは、その摩耗量を所定の掘進間隔等で測定して許容値を超えたものは新品に交換する必要がある。
【0004】
そこで、ローラカッタの摩耗量を機械的に検知して、そのローラカッタの交換が必要か否かを掘削機本体側で監視しようとする発明が先に出願されている。例えば、本出願人は、ローラカッタの外周に検出子を油圧ジャッキで押し当て、その油圧ジャッキのストローク変化からローラカッタの摩耗量を検出するものを先に出願している(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、他の従来技術として、ローラカッタの刃先に当接するようにミニジャッキを出没自在に設け、このミニジャッキの突出量を内視鏡で観察することによってローラカッタの摩耗を検知しようとするものもある(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
さらに、他の従来技術として、ローラカッタを保持するハブ内側に磁気スケールを設け、シャフトに回転検出器を設け、この回転検出器でローラカッタの回転数を検出して、その回転数からカッタ径を計算することでローラカッタの摩耗量を求めようとしたものもある(例えば、特許文献3参照)。
【0007】
なお、ローラカッタの摩耗量を機械的に検知する技術ではないが、シールド掘進機におけるカッタビットを杭等の障害物にぶつけてカッタビットの破損や地上構造物の損傷等を起さないように、カッタビットよりも前方に突出するように障害物検知用ビットを設け、その障害物検知用ビットが脱落すると流体圧が開放する流体圧供給系を連設し、その流体圧供給系の流体圧を圧力検知手段で検出して障害物検知用ビットの脱落を検知するようにしたものもある(特許文献4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−74295号公報
【特許文献2】特開平6−117188号公報
【特許文献3】実開平5−14299号公報
【特許文献4】特公平6−63423号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記特許文献1の場合、ローラカッタが静止している状態でなければ摩耗を検出することができず、掘削中の摩耗状態を監視することができない。また、例えば、ローラカッタが回転不能となり、前面部分に部分的な偏摩耗が生じた場合等、その摩耗を検出することができずにローラカッタの保持部分を磨耗させてしまうおそれがある。
【0010】
さらに、上記特許文献2の場合、圧砕した礫や土砂等が移動するローラカッタの保持部分に精密機器である内視鏡や洗浄ノズル等の機器を配設しているため、これらの機器が掘削時の振動や移動する礫、土砂等によって壊れて観察不能になるおそれが非常に高いとともに、測定部分の土砂、礫等を洗浄して正確な摩耗状態を測定するのは非常に難しい。
【0011】
また、上記特許文献3の場合、地山を圧砕して周囲が均一に磨耗するとは限らないローラカッタの摩耗量を、演算によって求められたローラカッタ外径と新品時の外径との差から計算で求めているため、不均一に摩耗する現実のローラカッタにおいては精度良く摩耗量を求めることは難しい。しかも、ローラカッタと地山との問にはすべりや空転がないものとしてローラカッタの外径を計算しているが、実際には多少のすべりや空転があるため、この点からも誤差が生じる。その上、ローラカッタに摩耗検知用の機器を組込む必要があるため、専用のローラカッタを製作する必要があり、大幅なコスト上昇を招き、実現は困難である。
【0012】
さらに、上記特許文献4の場合、シールド掘進機において掘削する軟弱地盤中の障害物を検知することはできるが、硬質地盤を掘削するローラカッタ等の摩耗や損傷を検知することはできない。
【0013】
このように、従来の技術では掘削中を含めてローラカッタの摩耗量を安定して機械的に測定するのは難しく、現実に行われているローラカッタの摩耗量測定は、作業員の手作業によるものがほとんどである。
【0014】
しかし、作業員によってローラカッタの摩耗量を測定するためには、ローラカッタの周囲の土砂や礫を全て排出し、周囲の地盤が安定していることを確認してから行う必要があるため、この作業に比較的多くの時間をさかなければならず、その間、トンネル掘削機が停止して掘削効率を悪化させる。特に、泥水・土圧式トンネル掘削機のように切羽側を密閉して所定圧を作用させた状態で掘削するトンネル掘削機におけるローラカッタの摩耗量測定は、被圧下では測定が困難であるため、チャンバ内の泥水または泥土を排出した後、周囲の地盤改良(出水や地山崩落の防止)や、泥水、泥土を抜いた後のチャンバ内の清掃等を含めると煩雑であるとともに多くの時間と労力を要し、更なる効率の悪化を招く。
【0015】
一方、近年のトンネル掘削機のカッタヘッドには、硬質地盤の掘削途中に軟質地盤が出現した場合に備えてローラカッタとともにバイトカッタが併設される場合もあるため、このバイトカッタの摩耗量測定や、他のカッタヘッドにおける構成物の摩耗も検知したいという要望もある。
【0016】
そこで、本発明は、作業員がチャンバ内に入ることなく、ローラカッタ等のカッタヘッドにおける構成物の摩耗を検知できる摩耗検知装置と、それを備えたトンネル掘削機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的を達成するために、本発明に係る摩耗検知装置は、カッタで地山を掘削してトンネルを形成するトンネル掘削機のカッタヘッドにおける構成物の摩耗検知装置であって、前記カッタの前端から一定距離後退するとともに、前記カッタヘッドにおける摩耗を検知したい構成物の前端から前方又は後方に一定距離離れた位置に摩耗検出器を備え、該摩耗検出器は、前記掘削する地山に接することで摩耗する摩耗検知部分を前端部に有し、該摩耗検知部分が摩耗したことを検知する検出器を具備している。この明細書及び特許請求の範囲の書類中では、カッタヘッドの掘進方向である前方を「前」、掘削機本体方向である後方を「後」という。また、この明細書及び特許請求の範囲の書類中における「摩耗を検知したい構成物」は、カッタヘッドに設けられている種々の構成物及びカッタヘッドを形成する構成物をいう。
【0018】
これにより、カッタヘッドにおけるローラカッタ等の構成物の摩耗を、摩耗検知部分が摩耗したことを検知することによってカッタヘッドの回転時であっても知ることができ、カッタヘッドにおける構成物の摩耗量測定作業の省力化及び作業時間の短縮が可能となり、効率良く磨耗した構成物の交換作業等を行うことができる。
【0019】
また、前記摩耗検出器は、前記カッタヘッドに着脱可能に取付けられていてもよい。
【0020】
このようにすれば、先端の摩耗検知部分が摩耗した摩耗検出器を交換することで、再びその位置の摩耗検出器として機能させることができる。
【0021】
さらに、前記摩耗検出器は、前記摩耗を検知する構成物の回転軌跡上に配設されていてもよい。
【0022】
このようにすれば、カッタヘッドにおける構成物の摩耗を、その構成物の回転軌跡上の任意の位置に摩耗検出器を設置して検出することができるので、摩耗検出器を好ましい位置に設置することができる。
【0023】
また、前記摩耗検出器は、前記カッタヘッドにおける複数の構成物の回転軌跡上に配設されていてもよい。
【0024】
このようにすれば、カッタヘッドにおける複数の構成物の摩耗を、それらの構成物の回転軌跡上の任意の位置に摩耗検出器を設置して検出することができるので、摩耗検出器の位置を複数の構成物に応じた好ましい位置に設定することができる。
【0025】
さらに、前記摩耗検知部分は、前記カッタヘッドに配設されたローラカッタの前端から一定距離後退した該ローラカッタの設定摩耗量の位置に配設されていてもよい。
【0026】
このようにすれば、カッタヘッドにおける構成物で最も摩耗が早いローラカッタにおける摩耗量が設定摩耗量に達したことを安定して検知することができる。
【0027】
また、前記摩耗検出器は、前記カッタヘッドに配設された複数のローラカッタのカッタヘッド半径方向の複数の回転軌跡上に設けられていてもよい。
【0028】
このようにすれば、異なる回転半径でカッタヘッドに配設される複数のローラカッタにおいて、いずれかのローラカッタの摩耗量が設定摩耗量に達したことを安定して検知することができる。
【0029】
さらに、前記摩耗検知部分は、前記カッタヘッドに配設されたバイトカッタの前端から一定距離後退した該バイトカッタの設定摩耗量の位置に配設されていてもよい。
【0030】
このようにすれば、カッタヘッドにバイトカッタが配設された構成において、バイトカッタの摩耗量が設定摩耗量に達したことを安定して検知することができる。
【0031】
また、前記摩耗検知部分は、前記カッタヘッドのカッタヘッドフレームの前端から一定距離前方に突出した位置に配設されていてもよい。
【0032】
このようにすれば、カッタヘッドにおける構成物で交換が不可能に近いカッタヘッドフレームが磨耗することを未然に防ぐことができる。
【0033】
さらに、前記摩耗検出器は、前記摩耗検知部分の摩耗量が設定摩耗量を超えたことを流体圧の変化で検知する流体圧式検出器で構成され、該流体圧式検出器は、前記摩耗検知部分に所定の流体圧を作用させ、該流体圧の低下によって該摩耗検知部分の摩耗量が設定摩耗量を超えたことを検知するように構成されていてもよい。
【0034】
このようにすれば、摩耗検知部分に作用させた流体圧の低下によって摩耗を検知することができ、カッタヘッドの駆動等に用いられる流体圧を利用して、比較的構造が簡易で安価な検出器を構成することができる。
【0035】
また、前記摩耗検出器は、前記摩耗検知部分の摩耗量が設定摩耗量を超えたことを超音波の伝搬時間で検知する超音波式検出器で構成され、該超音波式検出器は、前記摩耗検知部分に超音波探触子を有し、該超音波探触子による超音波の伝搬時間で該摩耗検知部分の摩耗量が設定摩耗量を超えたことを検知するように構成されていてもよい。
【0036】
このようにすれば、摩耗検知部分における超音波の伝搬時間を測定し、その伝搬時間の変化によって摩耗量を検知することができ、摩耗量の変化を連続的に計測できるような検出器を構成することができる。
【0037】
さらに、前記摩耗検出器は、前記摩耗検知部分の摩耗量が設定摩耗量を超えたことを電気抵抗値の変化で検知する電気式検出器で構成され、該電気式検出器は、前記摩耗検知部分に配設された通電線を有し、該通電線間の電気抵抗値の変化によって該摩耗検知部分の摩耗量が設定摩耗量を超えたことを検知するように構成されていてもよい。
【0038】
このようにすれば、摩耗検知部分における電気抵抗値の変化によって摩耗量を検知することができ、比較的構造が簡易で安価な検出器を構成することができる。
【0039】
一方、本発明に係るトンネル掘削機は、前記いずれかの摩耗検知装置を備えたトンネル掘削機であって、前記摩耗検知装置の検知結果を表示する表示装置を備えている。
【0040】
これにより、ローラカッタ等のカッタヘッドにおける構成物の摩耗を、摩耗検知部分の摩耗量が設定摩耗量に達したことを表示装置に表示された検知結果で視認することができ、その後の作業員によるローラカッタ等の交換作業を効率良く進めてトンネル掘削機の掘削効率低下を抑えた運用が可能となる。
【発明の効果】
【0041】
本発明によれば、ローラカッタ等のカッタヘッドにおける構成物の摩耗を作業員がチャンバ内に入ることなく検知することができるので、摩耗量測定作業の省力化及び作業時間の短縮を図り、効率良くカッタヘッドの構成物の交換作業等を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明に係る摩耗検知装置の一実施の形態を備えたトンネル掘削機の正面図である。
【図2】図1に示すトンネル掘削機を縦方向に断面した状態の側面図である。
【図3】図1に示すIII部の部分拡大図である。
【図4】図1に示すIV矢視の拡大断面図である。
【図5】図4に示すV部を部分拡大した第1実施の形態に係る摩耗検知装置を示す説明図である。
【図6】図5に示す摩耗検出器の拡大断面図である。
【図7A】摩耗検知装置による摩耗検知を順に説明する説明図である。
【図7B】摩耗検知装置による摩耗検知を順に説明する説明図である。
【図7C】摩耗検知装置による摩耗検知を順に説明する説明図である。
【図7D】摩耗検知装置による摩耗検知を順に説明する説明図である。
【図8】本発明の第2実施の形態に係る摩耗検知装置の摩耗検出器部分を示す説明図である。
【図9A】超音波式検出器の例を示す断面図である。
【図9B】電気式検出器の例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。以下の実施の形態では、硬質地盤を掘削するローラカッタに加え、軟質地盤を掘削するバイトカッタを具備したトンネル掘削機を例に説明する。
【0044】
図1に示すように、この実施の形態のトンネル掘削機1のカッタヘッド2(トンネル掘削機1の全部で旋回するヘッド全体をいう)には、中心部から放射状に複数のカッタヘッドフレーム3が設けられ、これらのカッタヘッドフレーム3と外周フレーム4とが結合されてカッタヘッド2の外形が形成されている。上記カッタヘッドフレーム3には、半径方向に複数のローラカッタ5が配設されている。これらのローラカッタ5は、回転可能に支持するカッタホルダ6によってカッタヘッド2に設けられている。また、これらのローラカッタ5は、半径方向にずれて配設されており、それぞれのローラカッタ5が異なる回転半径で回転するように配設されている。また、カッタヘッド2の中央部には、複数のローラカッタ13が並設されたセンタカッタ7が設けられている。上記ローラカッタ5を設ける間隔や個数、又はカッタヘッドフレーム3の配置、センタカッタ7の構成物等は、掘削径や掘削する地質(地山)等に応じて決定される。
【0045】
また、上記カッタヘッドフレーム3の両側部には土砂取込み口8が設けられ、土砂取込み口8の間は面板9にて塞がれている。土砂取込み口8には、カッタヘッド2の後方のチャンバ10(図2)内に取込む土砂や礫等が、掘削機の後方へ排出できる大きさとなるように開口の大きさを調整するスリット調整板11が設けられている。
【0046】
さらに、この実施の形態では、カッタヘッドフレーム3の土砂取込み口8に面した半径方向に、所定間隔で複数のバイトカッタ12が配設されている。これらのバイトカッタ12は、上記ローラカッタ5による硬質地盤の掘削中にローラカッタ5では掘削困難な軟質地盤が出現した場合、ローラカッタ5よりも後退した位置で、且つカッタヘッドフレーム3よりも前方に突出した位置で軟質地盤を掘削するように配設されている(図5)。
【0047】
図2に示すように、上記カッタヘッド2は、掘削機本体15の前部で回転可能に設けられており、上記地山14を掘削するローラカッタ5の前端がこのカッタヘッド2の前端となっている。このカッタヘッド2は、掘削機本体15内に設けられた駆動機16によって回転させられる旋回歯車17で旋回させられる旋回フレーム18によって回転させられる。カッタヘッド2の後方には、掘削機本体15の前面に設けられたバルクヘッド19との間に上記チャンバ10が形成され、カッタヘッド2のローラカッタ5で掘削された土砂等が上記土砂取込み口8(図1)からチャンバ10内に取込まれるようになっている。このカッタヘッド2の旋回中心には、ロータリジョイント20が設けられ、このロータリジョイント20を介して回転体であるカッタヘッド2に油や電力等が供給されている。
【0048】
また、掘削機本体15の上部には、チャンバ10内に泥水を供給して掘削地山に泥水圧を作用させる送泥管21が設けられ、下部には、チャンバ10内に取込まれた土砂等を泥水とともに排出する排泥管22が設けられている。これらの構成は、掘削方法及び掘削した土砂の排出方法等に応じた構成が備えられる。
【0049】
そして、このようなトンネル掘削機1のカッタヘッド2における土砂取込み口8の位置(図1)に、複数個の摩耗検出器50(図3)が配設されている。図3に示すように、この摩耗検出器50は、上記土砂取込み口8の半径方向(長手方向)に所定間隔で複数個が配設されており、上記スリット調整板11の基部に配設されている。また、この実施の形態の摩耗検出器50は、流体圧の変化で摩耗を検知するように構成された流体圧式である。以下の説明では、流体圧として油圧を例に説明する。
【0050】
図4に示すように、図1のIV矢視方向から見た上記摩耗検出器50は、前端が摩耗検知部分51となっており、この摩耗検知部分51が地山14に向くように取付けられている。この摩耗検出器50が配設される半径方向の間隔pは、カッタヘッド2に備えられた上記各ローラカッタ5(図1)の回転半径の間隔と一致しており、この実施の形態では、全てのローラカッタ5の摩耗量を検知するために、全てのローラカッタ5の回転軌跡上に上記摩耗検出器50がそれぞれ配設されている。この摩耗検出器50は、数個のローラカッタ5を選択的に摩耗検知するようにしてもよく、全てに設けなくてもよい。
【0051】
また、この例では、上記複数個の摩耗検出器50が複数の配設ブロック52〜55に分かれて配設されている。この例では、最外周位置に配設されたローラカッタ5用の配設ブロック52と、カッタヘッド2の外周部に配設された複数個のローラカッタ5用の配設ブロック53と、カッタヘッド2の前面の外周部に配設された複数個のローラカッタ5用の配設ブロック54と、中央部に配設された複数個のローラカッタ5用の配設ブロック55との4つの配設ブロック52〜55が半径方向に配設されている。
【0052】
上記それぞれの配設ブロック52〜55には、カッタヘッド2の中央部に設けられた上記ロータリジョイント20(図2)に接続された油圧配管56を接続するジョイント部57が設けられている。配設ブロック52〜55には、ジョイント部57に連通するように油路58が内部に形成されている。この油路58は、各摩耗検出器50の取付部59と連通するように形成されている。従って、取付部59に上記摩耗検出器50をそれぞれ設けることにより、各摩耗検出器50が上記油路58及びジョイント部57を介して油圧配管56と連通するようになっている。
【0053】
この実施の形態では、スリット調整板11の部分に摩耗検出器50が配設されているが、カッタヘッドフレーム3に組込むようにしてもよい。また、この実施の形態では、4つの配設ブロック52〜55に油圧配管56を接続するような構成であるが、個々の摩耗検出器50に油圧配管56を個別に接続するような構成であってもよい。さらに、ブロック分けも4個に限定されるものではなく、他の個数であってもよい。
【0054】
図5に示すように、第1実施の形態に係る摩耗検知装置70の摩耗検出器50は、ローラカッタ5の摩耗量が設定摩耗量wに達したことを検知できる位置に配設されている。つまり、この実施の形態の摩耗検出器50は、ローラカッタ5が設定摩耗量w(図示する着色部分が磨耗した状態)に達した時に、摩耗検出器50の前端の摩耗検知部分51が磨耗する位置に配設されている。
【0055】
この摩耗検出器50に検知油75を供給する油圧配管56は、ロータリジョイント20を介して掘削機本体15内の油圧ポンプ60に接続されている。この油圧ポンプ60から供給される検知油75は油圧計61によって圧力検出されており、その圧力は掘削機本体15側に設けられた表示装置であるモニタ等の表示画面62に表示されるようになっている。この例では、検知油75の圧力低下を表示画面62に表示するようにしているが、表示画面62に警告を表示したり、ブザー等を鳴らすようにしてもよい。
【0056】
このような摩耗検知装置70によれば、摩耗検出器50をカッタヘッド2の前端であるローラカッタ5の前端から一定距離(設定摩耗量w)だけ後退した位置に配設することにより、ローラカッタ5が摩耗又は破損する前は、摩耗検出器50の摩耗検知部分51が地山14に接することはなく、ローラカッタ5によって地山14が掘削される。そして、ローラカッタ5が摩耗又は破損して地山14が掘削されなくなると、その位置の地山14が掘削されずに残るので、その位置の摩耗検出器50の摩耗検知部分51が地山14に接して磨耗する。そして、その摩耗量が設定摩耗量wに達すると、その摩耗検出器50に作用させている検知油75が抜けて油圧配管56の油圧が低下するので、その油圧が低下した位置におけるローラカッタ5が摩耗又は損傷していることを検知することができる。
【0057】
図6に示すように、上記摩耗検出器50は、内部油路63の前端部が塞がれたプラグ状の部材であり、この内部油路63の前端部が摩耗検知部分51となっている。この摩耗検出器50の後端部には取付用の雄ネジ部64が形成され、その前方向にはシール部65が形成されている。このシール部65にはOリング溝66が形成され、Oリング67が設けられている。このシール部65の前端部分には鍔部68が形成されており、摩耗検出器50を上記配設ブロック52〜55(図4)の取付部59に形成された雌ネジ部(図示略)に上記雄ネジ部64をねじ込んで固定する時に、この鍔部68が配設ブロック52〜55に接して位置決めできるようになっている。このように、上記摩耗検出器50は、交換可能なアタッチメント式となっている。
【0058】
図7A〜図7Dに基いて、上記摩耗検知70による摩耗検知を以下に説明する。以下の説明でも、図4に示す方向(前端が下向き)で説明する。
【0059】
上記した摩耗検知装置70が備えられたトンネル掘削機1によれば、カッタヘッド2を回転させながら掘進させることで、カッタヘッド2に配設された複数のローラカッタ5がカッタヘッド2の前面で転動することにより、その複数のローラカッタ5の回転軌跡上の硬質地山14が圧砕されて、カッタヘッド2の全面を掘削することができる(図7A)。
【0060】
そして、ローラカッタ5の一部が設定摩耗量に達した場合や、何らかの理由で破損した場合等には、そのローラカッタ5(図示する左から2番目のローラカッタ5)の回転軌跡上の地山14が掘削されないので、その地山14がそのローラカッタ5の回転軌跡上に設けられた摩耗検出器50の摩耗検知部分51(前端部分)に達し、旋回するカッタヘッド2によって摩耗検出器50の摩耗検知部分51が地山14で削られる。その後、この状態が続くことにより、摩耗検出器50の摩耗検知部分51が磨耗して内部油路63の前端部が開放される(図7B)。
【0061】
これにより、摩耗検出器50の内部油路63内の検知油75が摩耗検出器50の前端から漏れる(図7C)。この検知油75の漏れにより、油圧計61の圧力が低下し、その検知油75の圧力低下が表示画面62に表示されるので、作業者は表示画面62に表示された油圧の低下を確認することで、ローラカッタ5の摩耗を知ることができる。
【0062】
しかも、摩耗検出器50の摩耗検知部分51が摩耗したことによってローラカッタ5の摩耗を検知するので、土砂や礫がカッタヘッド2の前面及びチャンバ10内に存在するような悪環境であっても、それらの土砂、礫等に阻害されることなく確実にローラカッタ5が設定摩耗量wに達したことを検知することができる。その上、掘削中、停止中に関わらず監視が可能である。つまり、ローラカッタ5の刃先摩耗による未掘削部の有無を摩耗検出器50の摩耗検知部分51の摩耗によって検出する構造であり、正常摩耗・偏摩耗に関係なく検出することが可能となる。
【0063】
また、上記したように複数の配設ブロック52〜55に分けて摩耗検出器50を配設しているので、磨耗した摩耗検出器50の位置をブロック単位で交換作業前に確認することができる。
【0064】
そして、作業者がカッタヘッド2における構成物の摩耗を認識してトンネル掘削機1を停止させた後、カッタヘッド2の周囲の地盤改良や、チャンバ10内の減圧及び清掃等を行い、磨耗したローラカッタ5の交換と、上記前端の摩耗検知部分51が磨耗した摩耗検出器50の交換作業が行われる(図7D)。このローラカッタ5の交換と摩耗検出器50の交換は、上記したように摩耗検出器50によってローラカッタ5が設定摩耗量wに達したことを認識した後に行われるので、交換の必要性、及び位置を認識した後に行う作業となり、効率的に行うことができる。
【0065】
以上のように、上記摩耗検知装置70によれば、ローラカッタ5の先端部が磨耗して(図示する着色部分)、設定摩耗量wに達すると、その摩耗量で摩耗検出器50の摩耗検知部分51も磨耗し、この摩耗検出器50の前端から検知油75が漏れ出す。これにより、この摩耗検出器50に検知油75を作用させている上記油路58内の検知油75の圧力が低下し、この油圧配管56の圧力を計測する油圧計61で検知油75の圧力が低下したことを表示画面62に示された圧力の表示で容易に認識することができる。従って、作業者は表示画面62に表示される検知油75の圧力を監視していれば、ローラカッタ5の摩耗量が設定摩耗量wに達したことを容易に知ることができる。
【0066】
しかも、上記摩耗検知装置70によれば、ローラカッタ5自体や、そのカッタホルダ6には摩耗検知のための特別な機構は不要であり、通常のものをそのまま使用できる。その上、カッタヘッド2上に取り付ける部品(スリット調整板11、バイトカッタ12等)やカッタヘッド2のフレーム3自体に摩耗検出器50を組み込むことが可能であり、省スペース化も可能である。
【0067】
図8に示す第2実施の形態に係る摩耗検知装置71は、摩耗検出器50によってカッタヘッド2におけるローラカッタ5以外の構成物であるカッタヘッドフレーム3の磨耗を未然に防ぐようにした例である。上述した第1実施の形態と同一の構成には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0068】
図示するように、この第2実施の形態では、摩耗検出器50の摩耗検知部分51が、カッタヘッドフレーム3の前面から所定量vだけ前方に突出し、且つバイトカッタ12の前端よりも所定量uだけ後方となるように配設されている。
【0069】
このように摩耗検出器50を配設することにより、ローラカッタ5及びバイトカッタ12が何らかの理由によって磨耗や破損してしまったとしても、カッタヘッドフレーム3が摩耗する前に摩耗検知部分51が磨耗して検知油75が漏れることで未掘削の地山14がカッタヘッドフレーム3に近接していることを検知することができるので、カッタヘッドフレーム3が摩耗する前にローラカッタ5及びバイトカッタ12の摩耗や破損等を知ることができる。従って、カッタヘッド2における構成物で交換が不可能に近いカッタヘッドフレーム3の摩耗を未然に防ぐことができる。
【0070】
この実施の形態の摩耗検出器50も、カッタヘッド2上に取付ける部品(スリット調整板11等)やカッタヘッド2のフレーム3自体に摩耗検出器50を組み込むことで、省スペース化が可能である。
【0071】
また、上記第1実施の形態ではローラカッタ5における摩耗を検知し、第2実施の形態ではカッタヘッドフレーム3の摩耗を未然に防ぐように摩耗を検知する例を示したが、例えば、バイトカッタ12の前端から、所定の設定摩耗量分で後退した位置に摩耗検出器50の摩耗検知部分51が位置するように配設すれば、バイトカッタ12の摩耗も検知することができる。つまり、摩耗検出器50の先端位置を変えることで、ローラカッタ5だけではなく、ローラカッタ5よりも後方に取り付けられたバイトカッタ12の摩耗検知や、更に後方にあるカッタヘッドフレーム3の摩耗を未然に防ぐ検知も可能となる。
【0072】
さらに、上述した第1実施の形態のようにローラカッタ5が設定摩耗量に達したことを検知する摩耗検出器50と、上記バイトカッタ12が設定摩耗量に達したことを検知する摩耗検出器50(図示略)と、上記カッタヘッドフレーム3の摩耗を未然に防ぐ摩耗検出器50とを配設すれば、カッタヘッド2における構成物の摩耗を安定して検知して、トンネル掘削機1を安定して運用することができる。
【0073】
このように、カッタヘッド2における構成物で、摩耗を検知したい各構成物に対し、カッタヘッド2の前端から一定距離後退した位置(一定距離後方位置)に摩耗検知用の摩耗検出器50を設置することにより、カッタヘッド2における構成物の摩耗・破損に伴って生じる地山14の未掘削部が摩耗検出器50の摩耗検知部分51に接触し、この摩耗検知部分51が磨耗することで、その摩耗を検知したい構成物の摩耗・破損を検知するようにできる。
【0074】
図9Aと図9Bとに示すように、上記第1,2実施の形態では、摩耗検出器50を油圧式検出器で構成した例を説明したが、例えば、電気式としてもよい。この場合、摩耗検出器50の前端部における摩耗検知部分51に通電線80を配設し(図9A)、それらの通電線80の間の抵抗値を計測して初期値と比較することにより、その抵抗値の変化で摩耗検出器50の前端部分における磨耗状況を検知することができる。
【0075】
このような電気式で摩耗検出器50を構成した場合、比較的に構造が簡単であるとともに、比較的安価に構成することができる。
【0076】
一方、摩耗検出器50を超音波式検出器としてもよい(図9B)。この場合、摩耗検出器50の前部に超音波探触子81を埋込み、この超音波探触子81の信号によって音波の伝搬時間で摩耗検出器50の前端部における摩耗検知部分51の厚みを求め、その厚みの変化で摩耗量を検知することができる。このような超音波式で摩耗検出器50を構成した場合、摩耗量の変化を連続して計測することができる。
【0077】
このように、摩耗を検出する摩耗検出器50の機構としては、電気式、超音波式、又は上述した油圧式等、各種機構が適用でき、いずれを採用するかは、地山の状態や使用条件等に応じて決定すればよい。
【0078】
以上のように、上記摩耗検知装置70,71によれば、摩耗検出器50によってトンネル掘削機1のカッタヘッド2における構成物が正常摩耗・偏摩耗に関係なく摩耗したことを、掘削中、停止中に関わらず監視して検知することができるので、硬質地山を掘削するトンネル掘削機1において摩耗が激しいローラカッタ5等を適切に交換して、トンネル掘削機1による掘削を計画的に進めることが可能となる。
【0079】
なお、上記第1実施の形態では、摩耗検出器50を複数の配設ブロック52〜55に設けられた複数の摩耗検出器50に対して各々1本の油圧配管56で検知油75を供給しているため、ローラカッタ5の摩耗状況を配設ブロック52〜55の単位で検出することが可能であるが、個々の摩耗検出器50に対して独立的に油圧配管56を接続して、個別の摩耗検出器50で検知するようにしてもよい。
【0080】
また、全てのローラカッタ5の回転軌跡上に摩耗検出器50を配設するのではなく、摩耗し易い位置のローラカッタ5の回転軌跡等、カッタヘッド2における複数の構成物の回転軌跡上に複数の摩耗検出器50を配設するようにしてもよく、摩耗検出器50の配設位置、個数等は上述した実施の形態に限定されるものではない。
【0081】
さらに、上記第1実施の形態に示すローラカッタ5の設定摩耗量を検知する摩耗検出器50、バイトカッタ12の設定摩耗量を検知する摩耗検出器、及び上記第2実施の形態に示すカッタヘッドフレーム3の摩耗防止のための摩耗検出器50を個々に設けても、それぞれを組合わせるように設けてもよい。
【0082】
また、上述した実施の形態は一例を示しており、本発明の要旨を損なわない範囲での種々の変更は可能であり、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明に係る摩耗検知装置は、岩盤等の硬質地山を掘削するトンネル掘削機のカッタヘッドにおける種々の構成物の摩耗を、チャンバ内に入ることなく検知したい場合に利用できる。
【符号の説明】
【0084】
1 トンネル掘削機
2 カッタヘッド
3 カッタヘッドフレーム
5 ローラカッタ
6 カッタホルダ
8 土砂取込み口
10 チャンバ
11 スリット調整板
12 バイトカッタ
14 地山
15 掘削機本体
20 ロータリジョイント
50 摩耗検出器
51 摩耗検知部分
52〜55 配設ブロック
56 油圧配管
58 油路
59 取付部
60 油圧ポンプ
61 油圧計
62 表示画面(表示装置)
63 内部油路
70 摩耗検知装置
71 摩耗検知装置
75 検知油
80 通電線
81 超音波探触子
p 間隔
w 設定摩耗量
v 所定量
u 所定量

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カッタで地山を掘削してトンネルを形成するトンネル掘削機のカッタヘッドにおける構成物の摩耗検知装置であって、
前記カッタの前端から一定距離後退するとともに、前記カッタヘッドにおける摩耗を検知したい構成物の前端から前方又は後方に一定距離離れた位置に摩耗検出器を備え、
該摩耗検出器は、前記掘削する地山に接することで摩耗する摩耗検知部分を前端部に有し、
該摩耗検知部分が摩耗したことを検知する検出器を具備していることを特徴とする摩耗検知装置。
【請求項2】
前記摩耗検出器は、前記カッタヘッドに着脱可能に取付けられている請求項1に記載の摩耗検知装置。
【請求項3】
前記摩耗検出器は、前記摩耗量を検知する構成物の回転軌跡上に配設されている請求項1又は2に記載の摩耗検知装置。
【請求項4】
前記摩耗検出器は、前記カッタヘッドにおける複数の構成物の回転軌跡上に配設されている請求項3に記載の摩耗検知装置。
【請求項5】
前記摩耗検知部分は、前記カッタヘッドに配設されたローラカッタの前端から一定距離後退した該ローラカッタの設定摩耗量の位置に配設されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の摩耗検知装置。
【請求項6】
前記摩耗検出器は、前記カッタヘッドに配設された複数のローラカッタのカッタヘッド半径方向の回転軌跡上に設けられている請求項5に記載の摩耗検知装置。
【請求項7】
前記摩耗検知部分は、前記カッタヘッドに配設されたバイトカッタの前端から一定距離後退した該バイトカッタの設定摩耗量の位置に配設されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の摩耗検知装置。
【請求項8】
前記摩耗検知部分は、前記カッタヘッドのカッタヘッドフレームの前端から一定距離前方に突出した位置に配設されている請求項1又は2に記載の摩耗検知装置。
【請求項9】
前記摩耗検出器は、前記摩耗検知部分の摩耗量が設定摩耗量を超えたことを流体圧の変化で検知する流体圧式検出器で構成され、
該流体圧式検出器は、前記摩耗検知部分に所定の流体圧を作用させ、該流体圧の低下によって該摩耗検知部分の摩耗量が設定摩耗量を超えたことを検知するように構成されている請求項1〜8のいずれか1項に記載の摩耗検知装置。
【請求項10】
前記摩耗検出器は、前記摩耗検知部分の摩耗量が設定摩耗量を超えたことを超音波の伝搬時間で検知する超音波式検出器で構成され、
該超音波式検出器は、前記摩耗検知部分に超音波探触子を有し、該超音波探触子による超音波の伝搬時間で該摩耗検知部分の摩耗量が設定摩耗量を超えたことを検知するように構成されている請求項1〜8のいずれか1項に記載の摩耗検知装置。
【請求項11】
前記摩耗検出器は、前記摩耗検知部分の摩耗量が設定摩耗量を超えたことを電気抵抗値の変化で検知する電気式検出器で構成され、
該電気式検出器は、前記摩耗検知部分に配設された通電線を有し、該通電線間の電気抵抗値の変化によって該摩耗検知部分の摩耗量が設定摩耗量を超えたことを検知するように構成されている請求項1〜8のいずれか1項に記載の摩耗検知装置。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか1項に記載の摩耗検知装置を備えたトンネル掘削機であって、
前記摩耗検知装置の検知結果を表示する表示装置を備えていることを特徴とするトンネル掘削機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【公開番号】特開2011−32799(P2011−32799A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−181843(P2009−181843)
【出願日】平成21年8月4日(2009.8.4)
【出願人】(000000974)川崎重工業株式会社 (1,710)
【Fターム(参考)】