説明

カップホルダー

【課題】本発明は、客に対して飲料等をスムーズに提供することができ、客はその飲料等が入ったカップを容易に携帯して持ち運ぶことができるカップホルダーの提供を課題とする。
【解決手段】飲料等が収容されるテーパ状のカップCを持ち運ぶためのカップホルダー1である。カップCを鉛直に吊り下げる態様で嵌合係止する環状のホルダー本体部10と、両端部が該ホルダー本体部10に連接され、該ホルダー本体部10の上方においてアーチ状に架橋された手提げ部20とを備えてなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料等が収容されるテーパ状のカップを持ち運ぶためのカップホルダーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、駅、野球場、サッカー場、遊園地、パーキングエリア等において、アルコールやジュース等のような飲料、あるいはポップコーン、唐揚げやかき氷等の食料などをテーパ状のカップに収容して客に提供している。最近では、路面に面した小規模の店舗や移動型の店舗においてもテーパ状のカップを使用する場合が多い。このようなテーパ状のカップは低コストであり、しかも使い捨てが可能なことから非常に便利である。
【0003】
そして、客がカップを持ち運ぶに際しては、中の飲料や食料がこぼれ落ちないように自分の胸元付近でカップを鉛直に保持していた。このため、カップを持つ体勢が不自然となり、またカップの周面に付いた水滴が手に付くなどして、カップを持ち運びにくいものであった。
【0004】
そこで、このような難点を解消するために、種々のカップホルダーが提案されている。例えば、方形状に成形した一対の基材シート3,4を重ね合わせ、その上側の周縁部5a,5bを除いて他の三方の周縁部6a,6b,7a,7b,8a,8bを接合して、内部に容器wが収容される袋状に形成した本体1と、該本体1の下部における両側の隅部11,12を切除した切り取り部2,2とを備えさせるものがある(特許文献1参照)。
【0005】
また、シート状材料により、底部から上方に向かって拡開する円筒状の筒部を形成するとともに、該筒部の底部に空気抜き孔をもつ筒底を設けたものがある(特許文献2参照)。
【0006】
また、発泡ポリウレタンシートから構成される平板11は、筒状に形成されてペットボトル9を収納する筒状部をなす部分12と、筒状部をなす部分12を筒状に固定して筒状部2とする固定手段と、を備えている。長方形である筒状部をなす部分12の2つの長辺のうち一方の中央には、長い帯状の第一突出部13が該長辺に対して垂直に突設され、また、前記2つの長辺のうち他方の中央には、短い帯状の第二突出部14が該長辺に対して垂直に突設されている。第一突出部13及び第二突出部14の先端には、ペットボトル9の口頸部9aを挿通する挿通穴15,15が設けられていて、このような第一突出部13と第二突出部14とから、前記固定手段が構成されているものがある(特許文献3参照)。
【0007】
【特許文献1】実用新案登録第3086970号公報
【特許文献2】実用新案登録第3029910号公報
【特許文献3】実用新案登録第3073634号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、いずれのカップホルダーについても、構成が複雑なことから製造コストが高かったり、また保管に場所をとったり、あるいはわざわざ組み立てなければならないという問題があった。
【0009】
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであって、簡易な構成にして製造コストを低くおさえ、また使用前の保管に場所をとらず、さらに使用時に組み立てる必要がなく、ひいては客に対して飲料等をスムーズに提供することができ、客はその飲料等が入ったカップを容易に携帯して持ち運ぶことができるカップホルダーの提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記課題を解決するために、飲料等が収容されるテーパ状のカップを持ち運ぶためのカップホルダーであって、カップを鉛直に吊り下げる態様で嵌合係止する環状のホルダー本体部と、両端部が該ホルダー本体部に連接され、該ホルダー本体部の上方においてアーチ状に架橋された手提げ部とを備えてなることを特徴とする。
【0011】
これによれば、ホルダー本体部と手提げ部のみからなる簡易な構成であるので、製造コストを低くおさえることができる。また、使用前の保管に際しては、平坦状に圧縮した状態で重ねておけば場所を取ることがない。さらに、使用時には何ら組み立てる必要がなく便利である。このため、客に対して飲料等をスムーズに提供することができ、客はその飲料等が入ったカップを容易に携帯して持ち運ぶことができる。
【0012】
また、前記ホルダー本体部は、前記カップの周面のテーパ形状に沿って円錐台状に形成されているのが好ましい。これによれば、ホルダー本体部がカップの周面に沿った状態で嵌合係止するため、カップを安定良く保持することができ、客は飲料等が入ったカップをより一層容易に携帯して持ち運ぶことができる。
【0013】
また、前記手提げ部は、その両端部であるホルダー本体部との連接部が幅広状に形成されているのが好ましい。これによれば、手提げ部の両端部が嵌合係止されたカップの周面を両サイドから広く支承するため、カップをより一層安定よく保持することができる。
【0014】
また、前記ホルダー本体部および手提げ部は、折り畳み可能な軟性材料で一体に形成されているのが好ましい。これによれば、カップホルダの製造コストをさらに低くおさえることができ、また簡単に平坦状に圧縮した状態で重ねて保管することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ホルダー本体部と手提げ部のみからなる簡易な構成であるので、製造コストを低くおさえることができる。また、使用前の保管に際しては、平坦状に圧縮した状態で重ねておけば場所を取ることがない。さらに、使用時には何ら組み立てる必要がなく便利である。このため、客に対して飲料等をスムーズに提供することができ、客はその飲料等が入ったカップを容易に携帯して持ち運ぶことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
次の本発明の一実施形態に係るカップホルダーについて説明する。
【0017】
なお、本実施形態で使用されるカップ(C)は、上方から見て円形状に形成され、かつ側面から見て上部から下部にかけて径小となるテーパ状に形成され、上部が開口された飲み口となされている。
【0018】
前記カップホルダー(1)は、図1および図2に示すように、カップ(C)を嵌め込むホルダー本体部(10)と、手に把持する手提げ部(20)とからなる。
【0019】
前記ホルダー本体部(10)は、カップが入りうる程度の環状に形成されている。このため、テーパ状のカップをホルダー本体部(10)に上方から入れると、ホルダー本体部(10)の直径とカップ(C)の直径とが一致する位置(本実施形態ではカップ(C)の高さ方向の中央位置)において、カップ(C)が鉛直に吊り下げられる態様で嵌合係止される。
【0020】
また、本実施形態では、前記ホルダー本体部(10)は、カップ(C)の周面のテーパ形状に沿って円錐台状に形成されている。これにより、ホルダー本体部(10)がカップ(C)の周面に沿った状態で嵌合係止するため、カップ(C)を安定良く保持することができる。特にカップ(C)に冷たい飲料等が収容された場合、カップ(C)の周面に付く水滴によりカップ(C)とホルダー本体部(10)とがより密着し、安定度がより一層向上する。
【0021】
前記手提げ部(20)は、手で把持し得る程度の大きさの帯状に形成され、両端部がホルダー本体部(10)の上端部において対向する態様で連接されており、ホルダー本体部(10)の上方においてアーチ状に架橋されている。
【0022】
また、本実施形態では、前記手提げ部(20)は、その両端部であるホルダー本体部(10)との連接部が幅広状に形成されている。これにより、手提げ部(20)の両端部が嵌合係止されたカップ(C)の周面を両サイドから広く支承するため、カップ(C)をより一層安定よく保持することができる。
【0023】
前記ホルダー本体部(10)および前記手提げ部(20)は、折り畳み可能な軟性材料で一体に形成されている。例えば、軟性材料としては、塩化ビニル樹脂などが挙げられる。これにより、図3に示すように、簡単に平坦状に圧縮した状態で重ねて保管することができる。
【0024】
而して、カップホルダー(1)の使用に際しては、ホルダー本体部(10)を環状に開き、そこに飲料等が入ったカップ(C)を上方から入れると、カップ(C)が鉛直に吊り下げられる状態で嵌合係止される。そして、手提げ部(20)をカップ(C)の上方においてアーチ状となるように吊り上げたあと、その状態で客に対してカップホルダー(1)を手渡せば、図4に示すように、客も手提げ部(20)を掴んで持ち運ぶことができる。
【0025】
一方、カップホルダー(1)を保管するに際しては、図4に示すように、カップホルダー(1)を側方から圧縮するようにして折り畳めば、1mm程度の薄い状態となる。このため、その薄い状態の各カップホルダー(1)を積み重ねていけば、ほとんど場所をとることがなく保管することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本実施形態に係るカップホルダーの正面図である。
【図2】図1のカップホルダーの側面図である。
【図3】カップホルダーを折り畳んだ状態を示す斜視図である。
【図4】カップホルダーを持ち運ぶ状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0027】
1・・・カップホルダー
10・・・ホルダー本体部
20・・・手提げ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料等が収容されるテーパ状のカップを持ち運ぶためのカップホルダーであって、
カップを鉛直に吊り下げる態様で嵌合係止する環状のホルダー本体部と、
両端部が該ホルダー本体部に連接され、該ホルダー本体部の上方においてアーチ状に架橋された手提げ部とを備えてなることを特徴とするカップホルダー。
【請求項2】
前記ホルダー本体部は、前記カップの周面のテーパ形状に沿って円錐台状に形成されている請求項1に記載のカップホルダー。
【請求項3】
前記手提げ部は、その両端部であるホルダー本体部との連接部が幅広状に形成されている請求項1または請求項2に記載のカップホルダー。
【請求項4】
前記ホルダー本体部および手提げ部は、折り畳み可能な軟性材料で一体に形成されている請求項1から請求項3のいずれかに記載のカップホルダー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−80072(P2008−80072A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−288080(P2006−288080)
【出願日】平成18年9月25日(2006.9.25)
【出願人】(506356472)
【Fターム(参考)】