説明

カバー、表面カバー、テーブルトップを仕上げる方法及び表面を宣伝用媒体に変える方法

カバーは、特にテーブル用であって、半永久接着剤層(2)を、印刷表示層(4)を有する透明ポリマーキャリア層(3)上に備える。前記カバーは、更にカバーの適用を補助するための剥離紙の下地(1)を備える。前記カバーはたとえばレストランやバーで半永久的にテーブルをカバーするために用いられることができ、選択された期間後の取り外しを可能にする。前記カバーは、広告用資料を提示するために用いられ、カバーの非印刷領域を通してテーブルトップを視認させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テーブルや、同様の表面用のカバーに関し、特に、レストランや喫茶店のような商業用飲食施設での使用にとりわけ適したカバーに関する。
【背景技術】
【0002】
このような施設では、テーブル上に宣伝用の資料を置くことがよく知られている。この資料は、ビール用コースターの形式であったり、紙やプラスティックのランチョンマットに印刷されたりする。本質的に、この方法で提供される宣伝用の資料は、除去可能なものであり、かつ範囲も限定される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、テーブルトップを宣伝媒体に変えるために用いられてもよく、客によって容易に除去されたり傷つけられたりせず、また特定の期間後に交換可能であるテーブルカバーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
このカバーはテーブル全体を覆ってもよく、また前記テーブルトップのみに表示を提供するものであってもよい。
【0005】
したがって、本発明によると、表面に適用されるカバーは、
i)表面に接する半永久接着剤層と、
ii)透明なキャリア層と、
iii)前記キャリア層に印刷された表示層からなり、
前記テーブルカバーは、表面に適用されたとき、カバーの大部分を通して表面を視認できるが、印刷された領域を除いてカバーの実態を容易に視認させないように構成されていることを特徴とする。
【0006】
好ましくは、前記カバーは更に、カバーの適用前に除去され、カバーの表面への適用を補助する剥離紙の下地を備える。一方、前記カバーは、表面への適用のために展開されたときに片側に接着剤層が露出するように巻き付けた形態とすることもできる。
【0007】
前記カバーは、好ましくは、テーブルトップに適用されるテーブルカバーである。
【0008】
本発明のテーブルカバーを用いてテーブルトップを仕上げる方法には、隆起のない滑らかなテーブル表面を準備し、前段で述べたテーブルカバーをテーブルトップに適用し、この間に、テーブルカバーから剥離紙の層(i)をはがし、半永久接着剤層(ii)をテーブルトップに接着することが含まれる。必要であれば、テーブルカバーの下にトラップされた気泡は適切なローラ又はスキージを用いて外に出してもよい。
【0009】
テーブルカバーは、テーブルトップの全体を充分にカバーするように作られるが、カバーとテーブルの縁との隙間が50mm以下であることが好ましい。必要であれば、テーブルカバーは、それが適用されるテーブルトップの一つ以上の縁部の一部または数箇所を包む形状とサイズとすることが好ましい。しかし、本発明の各テーブルカバーの好ましい形状とサイズは、それがテーブルに適用されたときに折ったりひだをつけたりする必要のないものである。
【0010】
カバーの印刷表示層はテーブルカバーの全領域にわたるもの、あるいは非連続性のものであり、印刷表示は装飾的な及び/または広告的な資料で構成されてもよい。
【0011】
本発明のテーブルカバーは、テーブルトップのほぼ全体をカバーし、表示層はテーブルの面積より相当小さなものであるよう構成されてもよく、テーブルトップに対する表示層の位置は特定の事情に応じて選択される。
【0012】
必要であれば、テーブルカバーはテーブルトップの一部のみを覆うのに適したサイズ及び/または形状であってよい。
【0013】
もし、後者のようにテーブルカバーがテーブルトップの一部のみをカバーするのであれば、カバーの印刷表示層は、テーブルカバーのほぼ全域にわたって形成されていてもよい。他方、表示層はテーブルカバーのほんの小さな箇所に位置することもできる。印刷表示は装飾的なもの及び/あるいは広告的な資料であってよい。
【0014】
本発明の特徴によれば、テーブルカバーの実態を、印刷領域を除いてテーブルを使用する客に対して容易に視認させないが、非印刷領域を通してテーブルトップを視認可能とする。つまり、ポリマーフィルムのキャリア層及びその下の半永久接着剤層は全く透明であり、したがって、カバーの外観はテーブルトップの仕上げの実態として表れる。このような理由から、フィルムの厚さは重要であり、クリアフィルムの好ましい厚さは10ミクロンから100ミクロンの範囲であり、より好ましくは15から70ミクロンの範囲である。このフィルムに用いられるポリマーは、ポリエチレン・テレフタレート(PET)のような弾力性のある熱可塑性ポリエステルが好ましい。
【0015】
使用にあたり、本発明のテーブルカバーは、例えば1ヶ月の定期的な間隔で取り替えられる。したがって、半永久接着剤の役割は、テーブルカバーの使用中はテーブルトップにしっかりと付き、しかし所望の期間の終わりにはテーブルカバーの完全な除去及び取替えを可能にすることである。好ましい接着剤は、無色透明のアクリル系の溶剤型接着剤である。
【0016】
本発明の好ましい実施例において、テーブルカバーは、印刷層を保護し第2接着剤層によって印刷表示層上に接着される第2ポリマーフィルム層を有する。第2ポリマーフィルム層は食品接触用に承認される材料から作られてもよい。適用される接着剤は、間接的に食品に接触するものとして承認される接着剤であることが好ましい。好ましい材料は、保護ポリマー層としては透明な配向ポリプロピレン(OPP)フィルム、接着剤としては透明なEVA接着剤である。
【0017】
第2ポリマーフィルム層は、5から20ミクロンの範囲内の厚みを有することが好ましい。
【0018】
テーブルカバーを適用する方法は簡単であるが、カバーが適用される表面が清潔で滑らかで、傷を引き起こす隆起や(塩のような)固形粒子が表面にないことを確認する配慮が必要である。
【0019】
ポリマーフィルムのキャリア層は、それ自体が薄く、テーブルトップにテーブルカバーを適用する際の正確さが要求されるため、本発明の更なる実施例では、剥離紙の付加層がテーブルカバーの表面、すなわち基板層(i)の表面と反対側の面上に設けられる。第2剥離紙層はテーブルカバーの取り扱いを容易にするために設けられる。テーブルカバーのキャリア層の性質によって、それはテーブルトップにテーブルカバーが適用される前あるいは適用された後に除去される。通常、キャリア層が薄くなれば、第2剥離紙層は、テーブルカバーがテーブルトップに適用された後までテーブルカバーに残る可能性が高い。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、客によって容易に除去されたり傷つけられたりせず、また特定の期間後に交換可能であるテーブルカバーを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
テーブルトップに対するカバーの適用を図示する図面を参照しながら、例のみを用いて本発明をより詳しく説明する。しかし、本発明はテーブルトップへの適用のみに限られない。
【0022】
図1に示すテーブルカバーは、剥離紙の下地1、印刷表示層4を携えるポリマーのキャリア層3に接する半永久接着剤層2、第2接着剤層2aにより印刷層4を覆うように接着される第2ポリマーフィルム3aからなる。しかし、図示しない他の実施例によれば、カバーが適用前に巻かれており、テーブルトップに適用される直前にカバーが展開されて接着剤層が露出されるようになっているときには剥離紙を省いてもよい。
【0023】
半永久接着剤層2は、無色透明のアクリル系溶剤型接着剤であり、層2は約25ミクロンの厚さを有する。
【0024】
キャリア層3は、38ミクロンの厚さを有する市販の透明PETフィルムからなり、その表面に印刷層4が印刷される。
【0025】
印刷表示層4は、約8ミクロンの厚さを有する透明性の配向ポリプロピレンフィルムからなる第2ポリマー層3aによって保護されている。接着剤層2aにより第2ポリマー層が固着されるが、この接着剤層2aは透明なEVA接着剤からなる。
【0026】
図2に示す実施例は、図2のテーブルカバーが、カバーをテーブルトップに適用するのを補助する第2剥離紙層5を第2ポリマー層3a上に有する点をのぞいて、図1に示すものと同様である。
【0027】
図3は上から見た平面図であり、透明なPETフィルム6のキャリア層がキャリア層よりも小さな面積のプリント層7を携える長方形のテーブルカバーである。
【0028】
図4は円形のテーブルトップ8上に配置された円形テーブルカバーを示す平面図である。テーブルカバーもまた円形であり、そのサイズは、透明なポリマーフィルム10のキャリア層の縁部9がテーブルトップの縁から10mmの位置にあるようなサイズである。
【0029】
透明なポリマーフィルムの縁部9からテーブルカバーの印刷領域の縁部11の距離は重大なものではなく、印刷層を有する表示材料の性質に依存する。
【0030】
図5は上から見た平面図であり、円形のテーブルカバーを示す。この円形のテーブルカバーにおいて、透明なポリマーフィルム12のキャリア層は、使用時に円形のテーブルトップの縁を覆ってテーブルカバーの付加的な支持を提供するためのタブ13をその縁部に有する。
【0031】
図6は、図3の長方形のテーブルカバーを例として用い、本発明のテーブルカバーの適用方法を示す斜視図である。
【0032】
テーブルカバーは、長方形のテーブルトップ14の一端から適用され、この場合、キャリア層15は、テーブルトップの端部16を覆うのに充分な長さとされている。この適用中、剥離紙層(図には示さない)がテーブルカバーから取り外されることによりテーブルカバーの半永久接着剤層が露出し、テーブルカバーを準備された滑らかなテーブルトップに接着させることが可能となる。
【0033】
図7は本発明に係る他のテーブルカバーをテーブルトップへ適用した状態を図示する斜視図である。
【0034】
この場合、正方形のテーブルカバー17が正方形のテーブルトップ18に適用され、テーブルカバーが適用されるに従い、剥離紙19の層がテーブルカバーから徐々に剥離され接着剤が露出する。
【0035】
テーブルカバー17の印刷表示層は、テーブルカバーの全領域にわたり拡張されており、テーブルカバー17の端部20は、テーブルトップ18の縁から10mmの位置に配置される。この実施例では、テーブルトップの縁にテーブルカバーが覆い被さらないようにしている。
【0036】
図8は上から見た平面図で、テーブルトップの中央部上にのみ延びるテーブルカバー22を携える長方形のテーブル21を示す。この実施例では透明なPETフィルムのキャリア層が、テーブルトップの端部を覆い(図示せず)、テーブル表面上に配置されるキャリア層の全領域に設けられた印刷層を備える。
【0037】
図9は、円形テーブルトップ24上に配置された円形テーブルカバー23を示す平面図である。テーブルカバーもまた円形であり、そのサイズは、透明なポリマーフィルムのキャリア層の縁部25がテーブルトップの縁から10mmの位置に配置されるように設定されている。
【0038】
テーブルカバーの印刷領域は、テーブルカバー中央の小さな領域26である。
【0039】
前記に説明した適用はテーブルに対するものだが、テーブルカバーはバーやカウンタートップのような同様の表面に施用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明に係るテーブルカバーの一部を拡大して示す断面略図である。
【図2】本発明の第2の実施例に係る同様の略図である。
【図3】本発明に係る長方形のテーブルカバーを示す平面略図である。
【図4】テーブルトップ上に設けられた本発明に係る円形テーブルカバーを示す平面略図である。
【図5】本発明に係る円形テーブルカバーの他の実施例を示す平面略図である。
【図6】図3の長方形のテーブルカバーのテーブルトップへ適用した状態を示す斜視図である。
【図7】正方形のテーブルカバーのテーブルトップへ適用した状態を一部を省略して示す斜視図である。
【図8】本発明に係る長方形のテーブルカバーを示す平面略図である。
【図9】テーブルトップ上に設けられた本発明に係る円形テーブルカバーを示す平面略図である。
【符号の説明】
【0041】
1 剥離紙の下地
2 半永久接着剤層
2a 第2接着剤層
3、15 キャリア層
3a 第2ポリマーフィルム
4 印刷層
5 第2剥離紙層
7 プリント層
8、14、18、24 テーブルトップ
10、12 ポリマーフィルム
17、22、23 テーブルカバー
19 剥離紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に対し適用されるカバーであって、
前記表面に接する半永久接着剤層、
透明なキャリア層、及び
前記キャリア層に印刷された表示層、から成り、
前記テーブルカバーは、表面に適用された状態で、カバーの大部分を通して前記表面を視認可能とされ、前記印刷された領域を除いてカバーの実態が容易に視認できないように構成されていることを特徴とするカバー。
【請求項2】
請求項1に記載のカバーにおいて、カバーを表面に適用する前に取り外される剥離紙の下地をさらに備えていることを特徴とするカバー。
【請求項3】
請求項1に記載のテーブルカバーにおいて、前記表面のほぼ全体を覆うように構成されていることを特徴とするカバー。
【請求項4】
請求項1、2又は3に記載のカバーにおいて、前記カバーは、前記表面の全体を充分に覆うように構成されている一方、前記表示層は、前記キャリア層よりも実質的に小さい領域に設けられていることを特徴とするカバー。
【請求項5】
請求項1又は2に記載のカバーにおいて、前記カバーは、表面の一部のみを覆うのに適するサイズ及び/または形状に構成されていることを特徴とするカバー。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか1項に記載のカバーにおいて、前記透明なキャリア層は、100ミクロン以下の厚みを有していることを特徴とするカバー。
【請求項7】
請求項1〜6の何れか1項に記載のカバーにおいて、前記透明なキャリア層の厚さが10から100ミクロンの範囲内にあることを特徴とするカバー。
【請求項8】
請求項1〜7の何れか1項に記載のカバーにおいて、前記透明なキャリア層の厚さが15から70ミクロンの範囲内にあることを特徴とするカバー。
【請求項9】
請求項1〜8の何れか1項に記載のカバーにおいて、前記透明なキャリア層はポリエチレン・テレフタレートフィルムであることを特徴とするカバー。
【請求項10】
請求項1〜9の何れか1項に記載のカバーにおいて、前記表示層を保護するとともに、第2接着剤層により前記表示層上に接着されたポリマーフィルム層を備えていることを特徴とするカバー。
【請求項11】
請求項10に記載のカバーにおいて、前記ポリマーフィルム層は、透明な配向ポリプロピレンからなることを特徴とするカバー。
【請求項12】
請求項10又は11に記載のカバーにおいて、前記ポリマーフィルム層は、5から20ミクロンの範囲内の厚みを有していることを特徴とするカバー。
【請求項13】
請求項10、11又は12に記載のカバーにおいて、前記接着剤層は、透明なEVA接着剤であることを特徴とするカバー。
【請求項14】
請求項10〜13の何れか1項に記載のカバーにおいて、前記ポリマーフィルム層は、食品に接触して適用することについて承認される材料であることを特徴とするカバー。
【請求項15】
請求項1〜14の何れか1項に記載のカバーにおいて、前記下地と反対側の前記カバーの表面に第2剥離紙層をさらに備え、前記第2剥離紙層は、カバーを前記表面に適用する期間中に当該カバーの取り扱いの補助となるように設けられていることを特徴とするカバー。
【請求項16】
請求項1〜15の何れか1項に記載のカバーにおいて、前記印刷された表示層は非連続とされていることを特徴とするカバー。
【請求項17】
請求項1〜16の何れか1項に記載のカバーにおいて、前記半永久接着剤層は、無色透明でアクリル系の溶剤型接着剤からなることを特徴とするカバー。
【請求項18】
請求項1〜17の何れか1項に記載のカバーにおいて、前記透明なキャリア層はポリマーであることを特徴とするカバー。
【請求項19】
請求項1〜18の何れか1項に記載のカバーからなるテーブルカバーであって、前記カバーがテーブルに適用するものであり、前記表面がテーブルトップであることを特徴とするテーブルカバー。
【請求項20】
テーブルトップを仕上げる方法であって、
隆起のない滑らかなテーブル表面を準備し、
請求項1〜19の何れか1項に記載のテーブルカバーをテーブルトップに適用し、
前記剥離紙層(i)をテーブルカバーから剥離することにより、前記半永久接着剤層(ii)をテーブルトップに接着することを特徴とするテーブルトップを仕上げる方法。
【請求項21】
請求項20に記載のテーブルトップを仕上げる方法であって、前記テーブルカバーは前記下地と反対側のカバーの表面に、カバーの取り扱いの補助となる第2剥離紙層を備えることを特徴とするテーブルトップを仕上げる方法。
【請求項22】
請求項20又は21に記載のテーブルトップを仕上げる方法であって、テーブルトップ上のテーブルカバーの縁部または複数の縁部は、テーブルトップの縁から50mm以下の位置にあることを特徴とする方法。
【請求項23】
請求項20、21又は22に記載のテーブルトップを仕上げる方法であって、前記テーブルカバーは、それが適用されるテーブルトップの一つ以上の縁部の一部または複数の部分を包む形状及び寸法であることを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2007−530200(P2007−530200A)
【公表日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−505607(P2007−505607)
【出願日】平成17年1月13日(2005.1.13)
【国際出願番号】PCT/GB2005/000075
【国際公開番号】WO2005/095099
【国際公開日】平成17年10月13日(2005.10.13)
【出願人】(507156509)
【出願人】(507156521)
【Fターム(参考)】