説明

カバー脱落防止具

【課題】 筺体に装着されたカバーの脱落を防止する。
【解決手段】 この発明によれば、ポリカーボネート製のカバー4の左右両端に、可撓部54および54が設けられている。そして、この可撓部54および54が内側に弾性変形することによって、当該可撓部54および54に設けられた突出部52および52が筺体1側の挿入孔7および7に係止(挿入)し、これによって当該筺体1にカバー4が装着される。そして、この装着後、さらにカバー脱落防止具10が、カバー4に取り付けられる。これによって、可撓部54および54を変形可能とするべく切込み部56および56が埋められ、当該可撓部54および54の変形が阻止される。この結果、筺体1からのカバー4の脱落が防止される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、カバー脱落防止具に関し、特に例えば、電子装置等の筺体に装着されたカバーの脱落を防止するためのカバー脱落防止具に関する。
【背景技術】
【0002】
電子装置等においては、その一部、例えば操作パネルを保護するために、カバーを備えたものがある。例えば、非特許文献1には、当該カバーを備えたアーク溶接機用の電源装置が、開示されている。この電源装置は、図9に示すように、概略箱形の筺体1を備えており、この筺体1の前面の上方部分に、概略矩形状の操作パネル2が設けられている。なお、詳しい図示は省略するが、操作パネル2には、多機能操作子としてのジョグダイヤル3を含む複数の操作子、および発光ダイオード(LED)構成の複数の表示器等が、設けられている。そして、この操作パネル2を全面的に覆うように、概略矩形状のカバー4が設けられている。
【0003】
このカバー4は、図9に矢印5で示すように、その上方側端縁付近を軸として回動可能とされている。即ち、操作パネル2の操作時は、当該カバー4は、同図に点線4aで示すように、上方に回動され、言わば開かれる。一方、操作パネル2の非操作時は、カバー4は下ろされ、言わば閉じられる。なお、上述のジョグダイヤル3については、他の操作子に比べて操作頻度が高いので、カバー4が閉じられた状態にあるときでも、当該カバー4に穿設された貫通孔6を介して、外部から操作可能とされている。
【0004】
さらに、カバー4について詳しく説明すると、図10に示すように、当該カバー4は、概略平板状の主面部42と、この主面部42の左右の両端縁に沿って設けられ互いに対向する2つの側壁部44および44と、当該主面部42の上方側端縁に沿って設けられた上壁部46と、主面部42の下方側端縁に沿って設けられた裾部48とを、有している。このうち主面部42は、カバー4の主部的部分であり、この主面部42によって、上述の如く操作パネル2が覆われる。また、この主面部42の下方寄りの部分に、上述の貫通孔6が、穿設されている。なお、この貫通孔6を含む主面部42の下方寄りの部分は、当該貫通孔6を介してのジョグダイヤル3の突出量を大きくして当該ジョグダイヤル3の操作性を向上させるべく、後方側(主面部42の背面側)に向かって凹状に形成されている。
【0005】
そして、各側壁部44および44のそれぞれは、主面部42に対して直角を成し、かつ後方に向かって延伸するように設けられている。また、それぞれの側壁部44の上方端部分であって、主面部42の上方側端縁の延長線上に位置する部分には、円盤状の肉厚部50が設けられており、この肉厚部50の中心から当該延長線に沿って外側に突出するように、短円柱状の突出部52が設けられている。なお、この突出部52を含む側壁部44の上方部分54は、矢印100で示す内側方向への外力によって、同方向に弾性変形可能とされている。このため、当該側壁部44の上方部分54と主面部42との間、具体的には当該主面部の左右両端縁の上方部分には、主面部42の上方側端縁から各突出部50および50よりも少し下方の位置にまで垂直に細長く切り込まれたU字状の切込み部56および56が、設けられている。換言すれば、各側壁部44および44の上方部分54および54と、主面部42の左右両端縁との間には、当該切込み部56および56による間隙が、設けられている。
【0006】
次いで、上壁部46は、主面部42に対して直角よりも10度ほど大きい鈍角を成し、かつ後方に向かって延伸するように設けられている。なお、この上壁部46の左右両端縁と、各側壁部44および44の上方部分54および54と、の間にも、上述の切込み部56および56による間隙が、設けられている。
【0007】
そして、裾部48もまた、上壁部46と同様、主面部42に対して直角よりも10度ほど大きい鈍角を成している。ただし、当該裾部48は、主面部42から前方に向かって延伸するように設けられている。このように裾部48および上述の上壁部46が主面部42に対して鈍角を成しているのは、当該主面部42によって覆われる操作パネル2の前面が水平方向よりも10度ほど斜め上方に向いているためであり、つまり、カバー4が閉じられたときにこれら上壁部46および裾部48が水平を成すようにするためである。
【0008】
このような構成のカバー4は、ポリカーボネートによって一体に形成されている。そして、このカバー4(主面部42)の幅寸法は、当該カバー4の装着先である筺体1の大きさにもよるが、例えば約150[mm]であり、高さ寸法は、約120[mm]である。さらに、カバー4の主面部42から後方への奥行き寸法(各側壁部44および44の後方への延伸寸法)は、最大で約15[mm]であり、当該主面部42から前方への奥行き寸法(裾部48の前方への延伸寸法)は、約12[mm]である。そして、カバー4の厚さ寸法は、全体にわたって約3[mm]一定である。また、切込み部56および56の切込み長さ寸法は、約20[mm]であり、幅寸法は、約2[mm]である。そして、突出部52および52の突出寸法も、2[mm]程度である。
【0009】
さて、このカバー4が筺体1に装着される際には、図11に示すように、突出部52および52を含む側壁部44および44の上方部分、言わば可撓部54および54が、外力(例えば組立作業者)によって矢印100および100で示す内側方向に押し曲げられる。そして、各突出部52および52が、これらに対応して筺体1側に設けられた挿入孔7および7に一致するように、カバー4全体が、当該筺体1の所定位置(操作パネル2の前面側の部分)に押し込まれる。すると、図12に示すように、各可撓部54および54が弾性回復力によって元の状態に復帰し、これによって、各突出部52および52がそれぞれに対応する挿入孔7および7に挿入され、言わば係止される。この結果、カバー4が、各突出部52および52を通る直線を軸として回動可能な状態で、筺体1に装着される。
【0010】
なお、このように各突出部52および52を含む可撓部54および54が弾性変形過程を経て、当該各突出部52および52が各挿入孔7および7に係止されるためには、言うまでもなく、各挿入孔7および7の各開口部間の距離が、弾性変形時の各突出部52および52の各先端部間の距離よりも大きく、かつ非弾性変形時の当該各突出部52および52の各先端部間の距離よりも小さく、さらに当該非弾性変形時の各突出部52および52の各基部(根元)間の距離よりも大きいことが、前提とされる。また、それぞれの挿入孔52の深さ寸法が、突出部52の突出寸法に比べて大きいことも、前提となる。
【0011】
【非特許文献1】株式会社三社電機製作所製フルデジタルインバータTIG溶接機“SANARG ID/IAシリーズ”カタログ、No.291W71DITJ−0409−0.3(TD)285
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、筺体1に装着されているカバー4に対して不本意な外力が加わると、例えば当該カバー4が前方や上方に向けて強い力で引っ張られると、場合によっては、図11に示したように各突出部52および52を含む可撓部44および44が弾性変形して、当該各突出部52および52が各挿入孔7および7から抜けてしまい、ひいてはカバー4が筺体1から外れてしまう、という問題がある。そして、カバー4が何度も外れると、可撓部54および54の機械的強度が低下して、当該可撓部54および54が破損する恐れがある。
【0013】
そこで、この発明は、筺体に装着されたカバーの脱落を防止し、ひいては当該カバーの不本意な破損を防止することができるカバー脱落防止具を適用することを、目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
かかる目的を達成するために、この発明は、筺体に装着されたカバーの脱落を防止するカバー脱落防止具であって、当該カバーが、所定方向に変形可能な係止部を有すると共に当該係止部が同所定方向への変形過程を経て筐体の所定箇所に係止されることによって筺体に装着されることを、前提とする。そして、この筐体に装着されたカバーの係止部が当該所定方向に変形するのを阻止する阻止手段を、具備するものである。
【0015】
即ち、この発明が適用されるカバーは、所定方向に変形可能な係止部を有しており、この係止部が当該所定方向への変形過程を経て筺体の所定箇所に係止されることによって、筺体に装着される。このようなカバーが筺体から脱落するには、破壊の場合を除いて、必ず係止部が所定方向に変形する過程を経る。そこで、この発明では、筺体に装着されたカバーの係止部が所定方向に変形するのを阻止する阻止手段が、設けられる。かかる阻止手段が設けられることで、係止部の所定方向への変形が阻止され、ひいてはカバーの脱落が防止される。
【0016】
なお、カバーが、例えば係止部を所定方向に変形可能とするための空間を有する場合には、阻止手段は、当該空間を埋めることによって係止部の所定方向への変形を阻止するのが、望ましい。つまり、当該空間を埋めるという極めて簡単な構成によって、カバーの脱落を防止することができる。
【0017】
また、カバーが、複数の係止部を有する場合には、阻止手段は、これら複数の係止部に対応する複数の阻止手段を備えるのが、望ましい。
【0018】
そして、この場合、各阻止手段の取り扱いを容易ならしめるために、当該各阻止手段を一体的に結合する結合手段を、さらに設けてもよい。
【0019】
そしてさらに、この発明のカバー脱落防止具は、カバーと同じ色彩であるのが、望ましい。このようにカバーとカバー脱落防止具との色彩を統一することによって、当該カバー脱落防止具を含むカバー全体の意匠性を保つことができる。
【0020】
より具体的には、カバー脱落防止具を、カバーと同じ素材で形成するのが、望ましい。
【発明の効果】
【0021】
上述したように、この発明によれば、筺体への装着状態を維持するべくカバーの係止部の変形が阻止されるので、当該カバーの脱落を防止することができる。従って、カバーが不本意に脱落して、破損することもない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
この発明の一実施形態について、図1〜図8を参照して説明する。
【0023】
この実施形態は、上述した図12の構成に、図1に示すように、カバー脱落防止具10を取り付けたものである。なお、この実施形態におけるカバー4の主面部42には、カバー脱落防止具10側の後述する係合用突起12および12がそれぞれ挿入される2つの係合用貫通孔60および60が、設けられている。これ以外の構成については、図12を含み上述したのと同様であるので、これら同様な部分には、上述と同一符号を付して、それぞれの詳細な説明は省略する。
【0024】
即ち、この実施形態におけるカバー脱落防止具10は、図2に示すようなものであり、具体的には、前方壁部14と、上方壁部16と、2つの嵌合壁部18および18とを、有している。そして、このうちの前方壁部14に、上述の係合用突起12および12が、設けられている。
【0025】
より具体的には、前方壁部14は、横長の長尺状の形状をしており、その幅寸法(例えば図2(a)における左右方向の寸法)は、カバー4側の各切込み部56および56の各外側側縁間の寸法よりも僅かに、例えば0.数[mm]ほど、小さい。そして、当該前方壁部14の高さ寸法(例えば図2(a)における上下方向の寸法)は、各切込み部56および56の切込み長さ寸法よりも少し、例えば数[mm]ほど、小さい。さらに、この前方壁部14の厚さ寸法は、カバー4の厚さ寸法よりも少し小さく、例えば2[mm]程度である。そして、この前方壁部14の内側面(後方側の面)の適宜位置、例えば左右両端縁に近い位置に、上述の係合用突起12および12が後方に向かって突出するように設けられている。これら係合用突起12および12の突出寸法は、カバー4の厚さ寸法よりも少し小さく、例えば2[mm]程度である。そして、これら係合用突起12および12に対応するように、カバー4側の主面部42に上述の係合用貫通孔60および60が設けられている。
【0026】
上方壁部16もまた、前方壁部14と同様、横長の長尺状の形状をしている。そして、この上方壁部16は、前方壁部14に対し、カバー4側の主面部42と上壁部46とが成すのと同じ角度(約100度)を成して、当該前方壁部14の上方側端縁に沿って設けられている。なお、この上方壁部16の奥行き寸法(例えば図2(c)における上下方向の寸法)は、前方壁部14の高さ寸法よりも少し、例えば数[mm]ほど、小さい。また、当該上方壁部16の幅寸法および厚さ寸法は、それぞれ前方壁部14の幅寸法および厚さ寸法と同じである。
【0027】
そして、各嵌合壁部18および18は、前方壁部14および上方壁部16のそれぞれと直角を成すように、当該前方壁部14および上方壁部16の左右両端縁に結合されている。なお、これら嵌合壁部18および18の厚さ寸法は、上述の切込み部56および56の幅寸法よりも少し小さく、例えば約1.5[mm]である。換言すれば、各嵌合壁部18および18の各内側面間の寸法は、各切込み部56および56の各内側側縁間の寸法よりも僅かに、例えば0.数[mm]ほど、大きい。
【0028】
このような構成のカバー脱落防止具10は、カバー4と同じ素材、つまりポリカーボネートによって、一体に形成されている。そして、このカバー脱落防止具10は、図1に示すように、前方壁部14の内側面をカバー4の主面部42上方部分の前方面に接触させると共に、上方壁面16の内側面(下方側の面)を当該カバー4の上壁部46の上方面に接触させ、さらに各嵌合壁部18および18を各切込み部56および56に嵌合させるように、当該カバー4に取り付けられる。そして、このとき、図3に示すように、カバー4側の嵌合用貫通孔60および60に、それぞれ対応する嵌合用突起12および12が、嵌合(挿入)される。さらに、これら嵌合用突起12と嵌合用貫通孔60との嵌合部分には、点線の矢印70で示すように、カバー4の内側から接着剤が塗布される。これによって、カバー4とカバー脱落防止具10とが強固に固定される。
【0029】
このように筺体1に装着済みのカバー4にカバー脱落防止具10が取り付けられることによって、図4に示すように、当該カバー4の切込み部56および56が、カバー脱落防止具10の嵌合壁部18および18によって埋められる(塞がれる)。この結果、上述した突出部52および52を含む可撓部54および54が変形する余地がなくなり、カバー4に対して不本意な外力が加わっても、当該突出部52および52が筺体1側の挿入孔7および7から抜け出ることはない。つまり、筺体に装着されたカバー4にカバー脱落防止具10を取り付けるという簡単な対策によって、当該筺体1からのカバー4の脱落を確実に防止することができる。従って、カバー4が脱落することによる当該カバー4(特に可撓部54および54)の破損を招くこともない。
【0030】
また、この実施形態におけるカバー脱落防止具10は、カバー4と同じ無色透明なポリカーボネート製であるので、当該カバー脱落防止具10を含むカバー4全体の意匠性が極端に損なわれることもない。
【0031】
なお、カバー4に対するカバー脱落防止具10の固定方法は、上述した図3のような接着法に限らない。例えば、図5に示すように、カバー脱落防止具10の嵌合用突起12として、嵌合用貫通孔60の開口部周縁に係止可能なカエシ(断面が三角形の部分)を備えた、いわゆる矢印型突起を、採用してもよい。このようにすれば、カバー4に対してカバー脱落防止具10を任意に着脱可能とすることができる。
【0032】
また、図6に示すように、嵌合用突起12の突出寸法をカバー4(主面部42)の厚さ寸法よりも少し大きくする、つまり当該嵌合用突起12の先端部分が嵌合用貫通孔60から少し突き出る程度とする。そして、嵌合用貫通孔60から突き出した嵌合用突起12の先端部分を半球状に加熱変形させることによって、当該先端部分に当該嵌合用貫通孔60の開口部周縁に係止する係止部を形成してもよい。
【0033】
さらに、図7に示すように、カバー脱落防止具10に嵌合用突起12および12を設けずに、例えば当該カバー脱落防止具10の上方壁部16の内側面に接着剤や両面テープ等の接着手段80を塗布し、この接着手段80によって当該カバー脱落防止具10をカバー4(上壁部46)に固定してもよい。このようにすれば、カバー4側に嵌合用貫通孔60および60を設ける必要がなくなり、図9〜図12に示した従前のカバー4にも、そのままこの発明を適用することができる。
【0034】
そしてさらに、図8に示すように、カバー4側の2つの切込み部56および56を、それぞれ別個の脱落防止具10aおよび10aによって埋めてもよい。即ち、この図8に示す脱落防止具10aおよび10aは、上述のカバー脱落防止具10の前方壁部14および上方壁部16の中央部分を削除し、嵌合用突起12および12と嵌合壁部18および18とを含む当該カバー脱落防止具10の両端部分のみを残したのと同等のものである。かかる脱落防止具10aおよび10aによっても、カバー4の脱落を防止できることは、言うまでもない。そして、このようにカバー4の脱落を防止する上で不要とも言える前方壁部14および上方壁部16の中央部分を削除することによって、当該脱落防止具10aおよび10aを含むカバー4全体の意匠性をより良好に保つことができる。ただし、このような別個の脱落防止具10aおよび10aに比べて、上述の如く一体化された脱落防止具10の方が、カバー4に取り付ける際の位置決めを含め、取り扱いが容易である。
【0035】
なお、この実施形態では、アーク溶接機用電源装置のカバー4にこの発明を適用する場合について説明したが、これに限らない。すなわち、これ以外の電子装置のカバーや、電子装置以外に設けられるカバー等に、この発明を適用してもよい。
【0036】
また、カバー4は、回動可能である必要はなく、筺体1の或る一定の箇所に固定されるものであってもよい。例えば、任意に着脱される電池ホルダ用のカバー等にも、この発明を適用することができる。
【0037】
そして、上述のカバー脱落防止具10に代えて、例えば前方壁部14と2つの嵌合壁部18および18とのみを有する言わばコの字状の部材を用いてもよい。また、図8のカバー脱落防止具10aに代えて、例えば前方壁部14と嵌合壁部18とのみを有する言わばL字状の部材を用いてもよい。ただし、この実施形態で説明したカバー脱落防止具10または10aのように、前方壁部14および上方壁部16というカバー4に対して2つの接触面を有する構成の方が、当該カバー4に対する安定性が良好である。
【0038】
さらに、2つの切込み部56および56の一方のみを埋めることによってカバー4の脱落を防止することができるのであれば、当該一方の切込み部56のみを埋める防止具を採用してもよい。例えば、上述したカバー脱落防止具10の一方の嵌合壁部18を削除し、或いは図8のカバー脱落防止具10aを1つのみ取り付けてもよい。
【0039】
そしてさらに、カバー脱落防止具10および10aをポリカーボネート製としたが、これに限らない。例えば、アクリルやABS(Acrylonitrile
butadiene styrene Resin)等のポリカーボネート以外の合成樹脂製としてもよいし、金属や特殊紙等の合成樹脂以外の素材によって形成してもよい。ただし、特に意匠性を考慮すれば、カバー4と同じ素材によって形成するのが、望ましい。また、可撓部54および54は、弾性変形するのではなく、弾性を有しない単に変形可能なものであってもよい。
【0040】
以上、ここで説明した内容は、飽くまでもこの発明を実現するための一例であり、この発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】この発明の一実施形態を示す図である。
【図2】図1におけるカバー脱落防止具の詳細な構造を示す図である。
【図3】図1におけるA−A端面を示す図である。
【図4】図1におけるB−B端面を示す図である。
【図5】図4とは異なる例を示す図である。
【図6】図5とはさらに異なる例を示す図である。
【図7】図6とはさらに異なる例を示す図である。
【図8】図1とは異なる例を示す図である。
【図9】この発明が適用されるカバーを備えたアーク溶接機用電源装置を斜め前方から見た外観斜視図である。
【図10】図9におけるカバーの詳細な構造を示す図である。
【図11】図10のカバーが筺体に装着される際の途中の状態を示す図である。
【図12】図10のカバーが筺体に装着された状態を示す図である。
【符号の説明】
【0042】
1 筺体
2 操作パネル
4 カバー
7 挿入孔
10 カバー脱落防止具
16 嵌合壁部
44 側壁部
52 突出部
54 可撓部
56 切込み部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筺体に装着されたカバーの脱落を防止するカバー脱落防止具であって、
上記カバーは所定方向に変形可能な係止部を有すると共に該係止部が該所定方向への変形過程を経て上記筐体の所定箇所に係止されることによって該筺体に装着され、
上記筐体に装着された上記カバーの上記係止部が上記所定方向に変形するのを阻止する阻止手段を具備する、カバー脱落防止具。
【請求項2】
上記カバーは上記係止部を上記所定方向に変形可能とするための空間を有し、
上記阻止手段は上記空間を埋めることによって上記係止部の上記所定方向への変形を阻止する、
請求項1に記載のカバー脱落防止具。
【請求項3】
上記カバーは複数の上記係止部を有し、
上記複数の係止部に対応する複数の上記阻止手段を備える、
請求項1または2に記載のカバー脱落防止具。
【請求項4】
上記複数の阻止手段を一体に結合する結合手段をさらに備える、請求項3に記載のカバー脱落防止具。
【請求項5】
上記カバーと同じ色彩である、請求項1ないし4のいずれかに記載のカバー脱落防止具。
【請求項6】
上記カバーと同じ素材によって形成された、請求項1ないし5のいずれかに記載のカバー脱落防止具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−142154(P2007−142154A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−333989(P2005−333989)
【出願日】平成17年11月18日(2005.11.18)
【出願人】(000144393)株式会社三社電機製作所 (95)
【Fターム(参考)】