説明

カプセル内視鏡の電力供給システム

【課題】 安定した電力供給が可能なカプセル内視鏡の電力供給システムを提供する。
【解決手段】
カプセル内視鏡は交流磁界よる起電力を生成する電力受電アンテナ14,この電力受電アンテナ14に生じた起電力によって駆動されると共に該起電力値を示す情報を生成する制御回路12及び該情報を無線送信する送信アンテナ14を有する。体外ユニット2は交流電流の供給を受け交流磁界を生成する電力送電アンテナ34,この電力送電アンテナ34に交流電流を供給するアンプ308,送信アンテナ14からの電波を受信する受信アンテナ33a,該受信信号を復調する復調回路302,該復調信号値と目標値との差分に基づいて、前者を後者に合致させるために要するアンプ308の出力値を算出するマイコン305,アンプ308の出力値がマイコン305によって算出された出力値となるようにアンプ308を制御するパワーコントロール回路307を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検者の体腔内に導入されたカプセル内視鏡が体腔内を撮影することによって得た画像信号を被検者の外部に設置された体外ユニットへ無線送信するカプセル内視鏡システムに、関する。
【背景技術】
【0002】
周知のとおり、被検者の消化管内部を観察するためのシステムとして、電子内視鏡システムがある。この電子内視鏡システムは、被検体の撮像を行う撮像装置がその先端に組み込まれている可撓管状の挿入部を有する電子内視鏡と、この電子内視鏡から出力される画像信号のプロセシングを行うためのプロセッサ装置と、プロセッサ装置によってプロセシングを施された画像信号に基づく画像を表示するモニタとを、備えている。このような電子内視鏡システムを用いて実際に被検者の消化管を観察する際には、電子内視鏡の挿入部を経口的に被検者の体腔(消化管)内に導入しなくてはならないが、被検者にとって、挿入部を構成する管が咽喉に差し込まれた状態は、多大なる苦痛を伴うものであって、耐え難いものであった。
【0003】
そこで、近年、電子内視鏡の挿入部を咽喉部に差し込まれることに因る被検者の苦痛を無くすために、被検者が嚥下することにより被検者の体腔内(消化管内)に導入されるカプセル内視鏡と、被検者の体外に配置される体外ユニットとからなるカプセル内視鏡システムが、開発されている。
【0004】
このカプセル内視鏡システムにおいては、被検者に投与されたカプセル内視鏡が長時間にわたって動作できるように、カプセル内視鏡の内部に組み込まれた照明装置(発光ダイオード)や撮像素子等の回路部品に必要な電源電力を、被検者の外部から非接触に供給できる電力供給システムが、採用されている。即ち、この電力供給システムは、被検者を含む空間内に交流磁界を形成するために被検者の体外に設置される電力送電アンテナと、この交流磁界を受けて電磁誘導によって起電力を生じるためにカプセル内視鏡内に組み込まれた電力受電アンテナ(ループアンテナ)とから、構成されている。
【特許文献1】特開2001−231186
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、半導体回路に対して供給される電源電力は定電圧であることが望ましいところ、電池を電源にするのであれば、ある程度の期間にわたって安定した電圧を供給することができる。
【0006】
しかしながら、上記電力供給システムにおいては、電力受電アンテナに生じる起電力(従って、整流器を介して半導体回路に供給される電源電圧)は、電力送電アンテナから電力受電アンテナまでの距離,電力送電アンテナによって生じる磁界の方向に対する電力受電アンテナの傾斜角,等に依存して、変動する。従って、この電力供給システムによる場合には、電圧が不安定であるという問題を本質的に伴うので、電圧不足による半導体回路のダウンを防止するには、電力送電アンテナの送信出力を、高い状態に固定せざるを得なかった。そのため、消費電力が大きくなってしまうという問題があった。
【0007】
そこで、本発明の課題は、電力受電アンテナに生じる起電力を常時安定させることによって、電力送電アンテナの出力を必要以上に上げる必要がなく、そのために消費電力を抑制することができるカプセル内視鏡の電力供給システムを、提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために案出された本発明のカプセル内視鏡の電力供給システムにおいて、カプセル内視鏡は、交流磁界を受けて電磁誘導によって起電力を生じる電力受電アンテナと、この電力受電アンテナに生じた起電力によって動作するとともに、当該起電力の値を示す情報を生成する制御回路と、この制御回路によって生成された前記情報を電波に乗せて送信する送信アンテナとを備え、体外ユニットは、交流電流が流れることによって交流磁界を発生する電力送電アンテナと、この電力送電アンテナに流れる前記交流電流の電流源と、電波を受信する受信アンテナと、この受信アンテナに受信された電波から前記情報を復調する復調回路と、この復調回路が復調した前記情報が示す起電力の値と所定の目標値とを比較して、前者を後者に一致させるために要する前記交流電流の出力値を算出し、前記交流電流の出力値が当該算出した出力値となるように前記電流源を制御する制御手段とを、備えたことを特徴とする。
【0009】
このように構成されると、実際にカプセル内視鏡の電力受電アンテナに生じて制御回路に印加される起電力の値が、カプセル内視鏡の制御回路によって検知されて、その値を示す情報が、送電アンテナから電波に乗せられて、体外ユニットへ無線送信される。体外ユニットでは、受信アンテナがこの電波を受信し、復調回路が、この電波から前記情報を復調して、制御手段に通知する。制御手段は、この情報が示す起電力の値に基づいて、この起電力の値を所定の目標値と合致させるために必要な交流磁界の出力,即ち、電力送電アンテナに流すべき交流電流の出力値を算出する。この算出は、前記情報が示す起電力と目標値との差分に対して所定の関数を実行することによって算出しても良いし、差分の正負に応じて、所定量づつ交流電流の出力値を上昇又は下降させる方式であっても良い。制御手段は、電力送電アンテナに供給される交流電流が、このようにして算出された出力値と合致するように、電流源を制御する。よって、体外ユニットからカプセル内視鏡に対して非接触で電力を供給するシステムであるにも拘わらず、電力受電アンテナに生じる起電力の値を安定させるフィードバック制御が可能になるので、交流電流の出力値を必要最小限に抑えることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によるカプセル内視鏡の電力供給システムによると、カプセル内視鏡側の電力受電アンテナの状態に応じて電力送電アンテナの出力がアクティブに変化することによって、電力受電アンテナに生じる起電力が安定に保たれる。よって、必要以上に電力送電アンテナの出力を上げる必要がないので、消費電力を抑制することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。
(実施形態1)
本実施形態におけるカプセル内視鏡システムは、経口的に被検者の体腔内に導入されて体腔内を撮像するとともに、体腔内を撮像することによって得た画像信号を無線送信するカプセル内視鏡1(図1参照)と、このカプセル内視鏡1から送信された画像信号を受信するとともに、このカプセル内視鏡1に対して各種制御信号を送出するために被検者の体外に設置された体外ユニット2(図2参照)とから、構成されている。
【0012】
図1は、このカプセル内視鏡1の内部構成を表す概略図である。この図1に示されるように、このカプセル内視鏡1は、被検者の体腔内を撮像するための図示せぬ照明装置(発光ダイオード等),対物光学系及び撮像素子からなる撮影装置11と、この撮影装置11を構成する照明装置に対して駆動電流を供給するとともに同撮像素子に対してパルスや同期信号等の制御信号を供給することによって得られた画像信号に対して各種処理を施す制御回路12と、このカプセル内視鏡1が存在する空間における交流磁界を受けて電磁誘導によって起電力を生じるループアンテナである電力受電アンテナ13と、制御回路12によって処理された画像信号を無線送信するための送信アンテナ14とを、主要構成要素としている。なお、制御回路12は、電力受電回路12に生じた起電力に基づく電流を受けて動作するとともに、この起電力を安定させるための処理(後述)を実行することによって生成された受電状況通知信号を、送信アンテナ14を通じて無線送信する。
【0013】
一方、図2(a)及び(b)は、夫々、体外ユニット2の正面図及び背面図である。これらの図に示されたように、体外ユニット2は、被検者がその上半身に着込むベストの形態を有している。そして、その表面における腹部及びその周辺に重なる位置には、多数個の小型の受信アンテナ33aが分散して取り付けられている(これら多数の受信アンテナ33aを総称して、受信アンテナアレイ33と呼ぶ)。また、その表面における胸部に重なる位置には、受信モジュール30,メモリ31及びバッテリー32が取り付けられている。他方、その背面には、一個の電力送電アンテナ34が取り付けられている。
【0014】
この電力送電アンテナ34は、受信モジュール30によって供給される交流電流を流すことによって図2の紙面に直交する方向に交流磁界を発生するループアンテナであり、カプセル内視鏡1が被検者の消化管のどこに在ってもその電力受電アンテナ13に起電力を生じうるように、腹部全体と重なる程度の広い面積を持つものが用いられる。一方、受信アンテナアレイ33としては、カプセル内視鏡1からの信号の受信状況に応じてその位置が算出できるように、信号を受信できる範囲が狭い小型の受信アンテナ33aが、腹部全体と重なる範囲に、多数分散配置されている。
【0015】
図3は、受信モジュール30の内部構成を示すブロック図である。この図3に示されるように、この受信モジュール30は、受信アンテナアレイ33を構成する各受信アンテナ33aに接続されたレシーバー301,このレシーバー301に接続された復調回路302及び位置特定回路303,復調回路302に接続されるとともにその出力端がメモリ31に接続された情報圧縮回路304,復調回路302及び位置特定回路303及び情報圧縮回路304に接続されたマイコン305,このマイコン305に更に接続されたRTC(Real Time Clock)306及びパワーコントロール回路307,このパワーコントロール回路307に接続されているとともにその出力端が電力送電アンテナ34に接続されたアンプ308とから、構成されている。
【0016】
上記構成を有するカプセル内視鏡1の送信アンテナ14から発信されて何れかの受信アンテナ33aによって受信された信号(画像信号によって搬送波を変調した信号)は、レシーバー301によって増幅されて、位置特定回路303及び復調回路302に入力される。
【0017】
位置特定回路303は、受信アンテナアレイ33を構成する各受信アンテナ33aからの信号を、個別に、レシーバー301経由で受け取る。そして、位置特定回路303は、逐次、各受信アンテナアレイ33aの受信強度の分布に基づき、カプセル内視鏡1の位置を割り出し、割り出した位置を示す位置情報をマイコン305に通知する(位置特定手段に相当)。
【0018】
一方、復調回路302は、各受信アンテナ33aが受信した信号を合成し、その信号に変調されていた画像信号及び受電状況通知信号を夫々復調する。そして、復調した画像信号を情報圧縮回路304へ、受電状況通知信号をマイコン305へ、夫々通知する。
【0019】
RTC回路306は、時刻情報を逐次生成してマイコン305に通知する。
【0020】
マイコン305は、周期的に、位置特定回路303から通知された位置情報及びRTC回路306から通知された時刻情報を併せて、情報圧縮回路304に通知する。これと並行して、マイコン305は、復調回路302から通知された受電状況信号に基づいて、電力送電アンテナ34の出力を調整するための処理(後述)を実行し、その処理結果を示す数値を逐次パワーコントロール回路307に指示する。
【0021】
パワーコントロール回路307は、マイコン305から指示された数値に基づいて、交流電流を出力するアンプ308の出力値を制御する。そして、このアンプ308から出力された交流電流は、電力送電アンテナ34に給電される。即ち、これらマイコン305及びパワーコントロール回路307が制御手段に相当し、アンプ308が電流源に相当する。電力送電アンテナ34は、上述したように、アンプ308から出力された交流電流に基づいて、交流磁界を発生する。
【0022】
他方、情報圧縮回路304は、入力された画像信号の各フレーム毎に、マイコンから通知された位置情報及び時刻情報を含むヘッダを付して画像信号を圧縮し、圧縮された画像信号をメモリ31に格納する。
【0023】
次に、図4を参照して、カプセル内視鏡1の制御回路12が起電力を安定させるために実行する処理及び体外ユニット2のマイコン305が電力送電アンテナ34の出力を調整するために実行する処置を、説明する。
【0024】
図4において、体外ユニット2のマイコン305は、S01において、パワーコントロール回路307に対して、上記「数値」の初期値を指示する。すると、パワーコントロール回路307は、電力送電アンテナ34に所定の出力の交流磁界を生じさせる強度で交流電流を当該電力送電アンテナ34に流すように、アンプ308を制御する。このようにして発生した交流磁界は、カプセル内視鏡1の電力受電アンテナ13によって交流電流に変換され、この交流電流が制御回路12に受電される(S11)。
【0025】
すると、カプセル内視鏡1の制御回路12は、受電状況を検知する(S12)。即ち、電力受電アンテナ13に生じた起電力の電圧(最大値又は実効値)を測定する。
【0026】
次のS13では、制御回路12は、S12にて検知した受電状況(電圧)を示すデータを搬送波に乗せて、送信アンテナ14を通じて体外ユニット2に送信する。以上の処理プロセスを、カプセル内視鏡1の制御回路12は、繰り返し実行する。
【0027】
一方、S13にてカプセル内視鏡1から送信された電波(受電状況を示すデータ)を受信した体外ユニット2では、受信モジュール30の復調回路302が、この電波から受電状況を示すデータを復調して、マイコン305に入力する。すると、マイコン305は、処理をS02からS03へ進め、入力されたデータが示す受電状況(電圧)とカプセル内視鏡1内の回路が必要とする最低限の電圧との差分を算出し、この差分に基づいて、前者を後者に合致させるために必要な最低限のアンプ308の出力値(電力送電アンテナ34に流される交流電流の値,従って、電力送電アンテナ34からの交流磁界の強度に相当)を算出し、その出力値をパワーコントロール回路307に指示するための「数値」を生成する。
【0028】
次のS04では、マイコン305は、S03にて生成した「数値」をパワーコントロール回路307に指示する。すると、パワーコントロール回路307は、指示された「数値」に対応する値の交流電流を当該電力送電アンテナ34に流すように、アンプ308を制御する(S01)。そこで、マイコン305は、S02において、カプセル内視鏡1が次のデータを送信して来るのを待つのである。
【0029】
以上の処理を繰り返すことによって、カプセル内視鏡1の電力受電アンテナ13に対する電力送電アンテナ34の距離及び角度如何に関わらず、電力受電アンテナ13に生じる起電力の電圧(最大値又は実効値)は、このカプセル内視鏡1の内部回路が必要とする最低限の電圧に、調整されるのである。その結果、体外ユニット2の消費電力が抑制されるのである。
(実施形態2)
本発明の第2の実施形態は、上述した第1実施形態と比較して、図5(b)に示すように、体外ユニット2の電力送電アンテナが、体外ユニット2の背面に分散されて配置された多数の小型の電力送電アンテナ35aからなる電力送電アンテナアレイ35に置き換えられ、その関係で、図6に示すように、マイコン305からの指示に応じて、アンプ308から出力された交流電流を流す電力送電アンテナ35aを切り換えるためのアンテナ選択回路309(アンテナ選択手段に相当)が受信モジュール30に追加されたことを、特徴とする。
【0030】
これら図5及び図6において、第1実施形態と同じ構成には、図2及び図3と同じ参照番号を付して、その説明を省略する。但し、第2実施形態のマイコン305は、上述した第1実施形態の処理を実行する他、位置特定回路303から通知された位置情報が示すカプセル内視鏡1の位置と重なる何れかの電力送電アンテナ35aを特定し、特定した電力送電アンテナ35aに交流電流を流すべきことを、アンテナ選択回路309に通知する。アンテナ選択回路309は、マイコン305からの指示に応じてアンプ308の出力端を何れかの電力送電アンテナ35aと選択的に導通させるスイッチである。
【0031】
次に、図7を参照して、カプセル内視鏡1の制御回路12が起電力を安定させるために実行する処理及び体外ユニット2のマイコン305が電力送電アンテナ34の出力を調整するために実行する処置を、説明する。但し、第2実施形態に用いられるカプセル内視鏡1は、第1実施形態のものと全く同じであるので、フローチャートのみを図示して、その説明を省略する。
【0032】
図7において、体外ユニット2のマイコン305は、S21において、パワーコントロール回路307に対して、上記「数値」の初期値を指示する。すると、パワーコントロール回路307は、電力送電アンテナ34に所定の出力の交流磁界を生じさせる強度で交流電流を当該電力送電アンテナ34に流すように、アンプ308を制御する。このようにして発生した交流磁界内に存在するカプセル内視鏡1から送信された電波(受電状況を示すデータ)を受信すると、受診モジュール30の復調回路302が、この電波から受電状況を示すデータを復調して、マイコン305に入力する。すると、マイコン305は、処理をS22からS23へ進め、位置特定回路303が出力している位置情報を取り込む。
【0033】
次のS24では、マイコン305は、S22にて復調回路302から入力されたデータが示す受電状況(電圧)とカプセル内視鏡1内の回路が必要とする最低限の電圧との差分を算出し、この差分に基づいて、前者を後者に合致させるために必要な最低限のアンプ308の出力値(電力送電アンテナ34に流される交流電流の値,従って、電力送電アンテナ34からの交流磁界の強度に相当)を算出し、その出力値をパワーコントロール回路307に指示するための「数値」を生成する。
【0034】
次のS25では、マイコン305は、S23にて生成した「数値」をパワーコントロール回路307に指示する。すると、パワーコントロール回路307は、指示された「数値」に対応する値の交流電流を当該電力送電アンテナ34に流すように、アンプ308を制御する。更に、マイコン305は、S26において、S23にて取り込んだ位置情報に対応する電力送電アンテナ35aを特定してアンテナ選択回路309に通知する。これにより、特定された電力送電アンテナ35aから交流電流が出力される(S21)。
【0035】
本第2実施形態によると、上述した第1実施形態による効果が得られることの他、実際にカプセル内視鏡1が存在する位置と重なる電力送電アンテナ35aのみから交流磁界を発生させられるので、カプセル内視鏡1に印加される交流磁界が同じ場合に上述した第1実施形態と比較して、アンプ308からの交流電流の出力をより低減させることができるという効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の第1の実施形態によるカプセル内視鏡の概略構成図
【図2】体外ユニットの正面図(a)及び背面図(b)
【図3】体外ユニットの内部回路を示すブロック図
【図4】体外ユニットのマイコン及びカプセル内視鏡の制御回路が実行する処理を示すフローチャート
【図5】本発明の第2の実施形態による体外ユニットの正面図(a)及び背面図(b)
【図6】体外ユニットの内部回路を示すブロック図
【図7】体外ユニットのマイコン及びカプセル内視鏡の制御回路が実行する処理を示すフローチャート
【符号の説明】
【0037】
1 カプセル内視鏡
2 体外ユニット
12 制御回路
13 電力受電アンテナ
14 送信アンテナ
30 受信モジュール
33a 受信アンテナ
34 電力送電アンテナ
35a 電力送電アンテナ
301 レシーバ
302 復調回路
303 位置特定回路
305 マイコン
307 パワーコントロール回路
308 アンプ
309 アンテナ選択回路
306 変調回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検者の体腔内に導入されたカプセル内視鏡が当該体腔内を撮像することによって得た画像信号を被検者の体外に設置された体外ユニットへ無線送信するカプセル内視鏡システムの電力供給システムであって、
前記カプセル内視鏡は、
交流磁界を受けて電磁誘導によって起電力を生じる電力受電アンテナと、
この電力受電アンテナに生じた起電力によって動作するとともに、当該起電力の値を示す情報を生成する制御回路と、
この制御回路によって生成された前記情報を電波に乗せて送信する送信アンテナと
を備え、
前記体外ユニットは、
交流電流が流れることによって交流磁界を発生する電力送電アンテナと、
この電力送電アンテナに流れる前記交流電流の電流源と、
電波を受信する受信アンテナと、
この受信アンテナに受信された電波から前記情報を復調する復調回路と、
この復調回路が復調した前記情報が示す起電力の値と所定の目標値とを比較して、
前者を後者に一致させるために要する前記交流電流の出力値を算出し、前記交流電流の出力値が当該算出した出力値となるように前記電流源を制御する制御手段と
を備えたことを特徴とするカプセル内視鏡システムの電力供給システム。
【請求項2】
前記体外ユニットは、
分散して夫々配置された多数の前記電力送電アンテナ及び多数の前記受信アンテナを備えるともに、
前記各受信アンテナによって受信された前記電波の強度の分布に基づいて前記カプセル内視鏡の位置を特定する位置特定手段と、
前記電流源と前記各電力送電アンテナとを選択的に接続することによって、前記交流電流の供給先電力送電アンテナを切り換えるアンテナ選択手段と
を更に備え、
前記制御手段は、前記位置特定手段によって特定された位置に重なる電力送電アンテナに前記交流電流を流すように前記アンテナ選択手段を制御する
ことを特徴とする請求項1記載のカプセル内視鏡システムの電力供給システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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