説明

カプセル製剤

(a)少なくとも摂取時に活性で、且つ光易変性の農薬と、(b)少なくとも1種の光防護剤とを含み、カプセル化用ポリマーバリアが塩基作動性であるカプセル化組成物を開示する。同様に、こうしたカプセル化組成物を用いて有害生物による物質の被害を抑制する方法も開示する。開示される組成物は、有益な節足動物の保護を可能にすると共に、作業者の暴露も低減する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも摂取時に活性であって、且つ光易変性(photolabile)である農薬の、標的部位への送達を改善するための方法と、このような方法のためのカプセル化組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
植物や建設材料等の物質の有害生物(pest)による被害を抑制するために効果的な方法が求められている。このような有害生物の多くは、その消化器官内にアルカリ性条件を有している。加えて、摂取時に殺虫剤活性を発揮する農薬の多くは光易変性であり、日光の下では効力を損失してしまう。更に、当該殺虫剤の益虫に対する選択性を改善し、使用時における取扱者の暴露を最小限に抑えることが望ましい。
【0003】
カプセル技術は長年存在している技術である(例えばGB1513614、CA2133779、WO00/05951、US6485736、及びUS5846554参照)。本出願人らはカプセルという語を、ある物質が別の物質の中に包埋されている組成物の意味で使用する。本発明で使用されるマイクロカプセルは、0.5から1000マイクロメートル、好ましくは0.5から100マイクロメートル、特に好ましくは1から40マイクロメートルの範囲内で、様々な値を取り得る。
【0004】
また、農薬において、塩基作動性(base-triggerable)カプセル技術も開示されている(例えばWO00/05951参照)。
【0005】
更に、カプセル中に光防護剤(photoprotectant)を使用し、殺虫剤の光分解を抑制することが、WO96/33611に開示されている。このカプセルは、二酸化チタン、酸化亜鉛、及びそれらの混合物から選択される微粒子懸濁液を含有してなる。
【0006】
本出願人らは、光防護剤という語を、光(一般的には波長200nmから800nmの光)により誘発される農薬の化学分解を低減する化合物又は化合物の組み合わせの意味で使用する。このような分解は、一般的には光不安定化(photoinstability)又は光分解(photodegradation)と呼ばれ、当該農薬は光易変性、光不安定性(photounstable)、又は光感受性(photosensitive)であると見なされる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この程、少なくとも摂取時に活性で、且つ光易変性である農薬を含有する特定の組成物が、消化器官内にアルカリ性条件を有する有害生物に対して、予想外の抑制効果を発揮することが見出された。
【0008】
「摂取」という語は、農薬により処理された農学用(agronomic)又は非農学用(non-agronomic)物質(例えば、植物、餌、食料、或いはその他の食刺激性(phagostimulatory)物質)の有害生物による消費を指すものと解される。その際、当該農薬の当該有害生物への取り込みは、主に消化器官を通じて生じる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
従って、第1の態様によれば、本発明は、有害生物による物質の被害を抑制する方法であって、前記物質に対し、(a)及び(b)を含んでなるカプセルを含んでなる組成物を適用する工程を含んでなり、
(a)は、少なくとも摂取時に活性で、且つ光易変性である農薬であり、
(b)は、
オールトランス−(オールE)−1,1’−(3,7,12,16−テトラメチル−1,3,5,7,9,11,13,15,17−オクタデカノナエン−1,18−ジイル)ビス[2,6,6−トリメチルシクロヘキセン;
2−エチルヘキシル−p−メトキシシナメート;
1,3−ビス−[2’−シアノ−3’,3−ジフェニルアクリロイル)オキシ]−2,2−ビス−{[2−シアノ−3’,3’−ジフェニルアクリロイル)オキシ]メチル}プロパン;
エチル2−シアノ−3,3−ジフェニル−2−プロペノエート;
2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート;
2,3−ジヒドロ−1,3,3−トリメチル−2−[(2−メチル−3H−インドール−3−イリデン)エチリデン]−1H−インドール,一塩酸塩;
3,6−ジアミノ−10−メチルアクリジニウムクロリド+3,6−ジアミノアクリジン;
1−アミノ−9,10−ジヒドロ−9,10−ジオキソ−4−(フェニルアミノ)−2−アントラセンスルホン酸一ナトリウム;
1−アミノ−2−メチル−9,10−アントラセンジオン;
1,4−ビス[(1−メチルエチル)アミノ]−9,10−アントラセンジオン;
1,4−ビス[(4−メチルフェニル)アミノ]−9,10−アントラセンジオン;
1−ヒドロキシ−4−[(4−メチルフェニル)アミノ]−9,10−アントラセンジオン;
4−ヒドロキシ−3−[(2−ヒドロキシ−1−ナフタレニル)アゾ]−ベンゼンスルホン酸一ナトリウム;
4−[(2−ヒドロキシ−1−ナフタレニル)アゾ]−3−メチル−ベンゼンスルホン酸一ナトリウム;
4−[(4−ニトロフェニル)アゾ]−N−フェニル−ベンゼンアミン;
4−[[4−(フェニルアゾ)−1−ナフタレニル]アゾ]−フェノール;
3−[エチル[4−[(4−ニトロフェニル)アゾ]フェニル]アミノ]−プロパンニトリル;
4−[(4−ニトロフェニル)アゾ]−ベンゼンアミン;
3−ヒドロキシ−4−[(1−ヒドロキシ−2−ナフタレニル)アゾ]−7−ニトロ−1−ナフタレンスルホン酸一ナトリウム;
1−[[2,5−ジメチル−4−[(2−メチルフェノール)アゾ]フェニル]アゾ]−2−ナフタレノール;
1−[[4−[(ジメチルフェニル)アゾ]ジメチルフェニル]アゾ]−2−ナフタレノール;
1−(オルト−トリルアゾ)−2−ナフトール;
4−アミノ−5−ヒドロキシ−3,6−ビス[[4−[[2−(スルホオキシ)エチル]スルホニル]フェニル]アゾ]−2,7−ナフタレンジスルホン酸四ナトリウム;
1−[[4−(フェニル)アゾ)フェニル]アゾ]−2−ナフタレノール;
1−[[3−メチル−4−[(3−メチルフェノール)アゾ]フェニル]アゾ]−2−ナフタレノール;
2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチル−6−[[4−(フェニルアゾ)−1−ナフタレニル]アゾ]−1H−ペリミジン;
1−(フェニルアゾ)−2−ナフタレノール;
1−[[2−メチル−4−[(2−メチルフェノール)アゾ]フェニル]アゾ]−2−ナフタレノール;
1,3(2H)−ジオン,2−(3−ヒドロキシ−2−キノリニル)−1H−インデン;
2−(1,3−ジヒドロ−3−オキソ−2H−インドール−2−イリデン)−1,2−ジヒドロ−3H−インドール−3−オン;
2−(1,3−ジヒドロ−3−オキソ−5−スルホ−2H−インドール−2−イリデン)−2,3−ジヒドロ−3−オキソ−1H−インドール−5−スルホン酸二ナトリウム;
1−(フェニルアゾ)−2−ナフタレノールと1,4−ビス[(1−メチルエチル)アミノ]−9,10−アントラセンジオンとの混合物;
1−(フェニルアゾ)−2−ナフタレノールと1,4−ビス[(1−メチルエチル)アミノ]−9,10−アントラセンジオン及び1−[[2−メチル−4−[(2−メチルフェノール)アゾ]フェニル]アゾ]−2−ナフタレノールとの混合物;
ベンゾ[a]フェノキサジン−7−イウム,5−アミノ−9−(ジエチルアミノ)−,スルフェート;
N−[4−[[−(ジエチルアミノ)フェニル](2,4−ジスルホフェニル)メチレン]−2,5−シクロヘキサジエン−1−イリデン]−N−エチル−エタナミニウム,内塩,ナトリウム塩;
N−[4−[[4−(ジメチルアミノ)フェニル][4−(フェニルアミノ)−1−ナフタレニル]メチレン]−2,5−シクロヘキサジエン−1−イリデン]−N−メチル−メタナミニウムクロリド;
N−[4−[[4−(ジメチルアミノ)フェニル][4−(エチルアミノ)−1−ナフタレニル]メチレン]−2,5−シクロヘキサジエン−1−イリデン]−N−メチル−メタナミニウムクロリド;
4,5,6,7−テトラクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−2’,4’,5’,7’−テトラヨードスピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン二ナトリウム塩;
2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−3,5,7−トリヒドロキシ−4H−1−ベンゾピラン−4−オン;
N,N’,N”,N'''−テトラキス(4,6−ビス(ブチル−(N−メチル)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ)トリアジン−2−イル)−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン;
ポリ[[6−[(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−2−4−ジイル][2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジンイル)イミノ]−1,6−ヘキサンジイル[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジンイル)イミノ]]);
2,2,6,6−テトラ−メチル−4−ピペリジノールと高級脂肪酸(主にステアリン酸及びパルミチン酸)とのエステルの混合物;
プロパン二酸,[(4−メトキシ−フェニル)−メチレン]−,ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジンイル)エステル;
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバセート;
ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジンイル)エステル;
N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジンイル)−1,6−ヘキサンジアミンと、2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンの3−ブロモ−1−プロペン、N−ブチル−1−ブタンアミン及びN−ブチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジンアミンの反応産物とのポリマー、酸化,水素化物;
4−メチル−2,6−ジ−tert−ブチルフェノール;
オクタデシル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシナメート;
2−tert−ブチル−1,4−ベンゼンジオール;
’2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン;
2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン;
2−ヒドロキシ−4−n−オクチロキシベンゾフェノン;
2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)−安息香酸,ヘキシルエステル;
2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン;
’2(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール;
α−[3−[3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]−1−オキソプロピル]−ω−ヒドロキシ−ポリ(オキシ−1,2−エタンジイル);
2−(2’−ヒドロキシ−3’−ドデカニル−5’−メチルフェニル)−ベンゾトリアゾール;
2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール;
’2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール;
’2−(2’−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール;
2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノール;
3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−(1,1−ジ−メチルエチル)4−ヒドロキシ−ベンゼンプロパン酸,C7−9分岐鎖及び直鎖アルキルエステル;
2−[4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−[2−ヒドロキシ−3−(ドデシロキシ−及びトリデシロキシ)プロポキシ]フェノール;
酸化亜鉛;
二酸化チタン;
酸化亜鉛と二酸化チタンとの混合物;
微粉化カーボンブラック;
3,5,6−トリヒドロキシ安息香酸n−プロピルエステル;
ヨウ化ナトリウム;
2,2’−チオビス[4−t−オクチルフェノラート]−ベータ−ブチルアミンニッケル(II);
2−エチル,2’−エトキシオキサルアニリド;
3,9−ビス(オクタデシロキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン+1,1’,1”−ニトリロトリス−2−プロパノール;
3,9−ビス[2,4−ビス(1−メチル,1−フェニルエチル)フェノキシ]−2,4,8,10−テトラオキサ,3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン;
トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト;
1,2−ジヒドロキシアントラキノン;
7−β−D−グルコピラノシル−9,10−ジヒドロ−3,5,6,8−テトラヒドロキシ−1−メチル−9,10−ジオキソ−2−アントラセンカルボン酸;
5−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン;
亜硫酸ナトリウム;
ジステアリル−ジスルフィド;
ジステアリルチオジプロピオネート;
から選択される少なくとも一種の化合物であり、
これらは各々任意に、ブチル化ヒドロキシアニソールとの組み合わせでもよく;更に、
前記カプセルのポリマーバリア(polymeric barrier)、或いは前記ポリマーバリア内の部分が、塩基開裂性(base cleavable)である方法を提供する。
【0010】
第2の態様によれば、本発明は、第1の態様で定義される組成物を提供する。
【0011】
第3の態様によれば、本発明は、第1の態様で定義されるカプセルを提供する。
【0012】
本発明の各態様の一実施形態によれば、前記カプセルは、第1の態様で定義される(a)+(b)から実質的に構成され、好ましくは(a)+(b)のみから構成される。
【0013】
本発明に係るカプセルは、前記農薬と、少なくとも一種の光防護剤とを、塩基開裂性のポリマーバリアによってカプセル化したことを特徴とする。これらは塩基性条件下で比較的迅速に崩壊又は分解し、カプセル化された前記農薬を周辺環境に放出するように設計される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明を以下に詳細に説明する。
【0015】
前記カプセルは、塩基性環境内に存在しない場合には、拡散制御性放出製剤(diffusion controlled release formulation)として機能する。本発明特有の利点の一つは、塩基性条件下での拡散による放出を最小限に抑えつつも、迅速な放出を可能とすることにより、接触時の活性を最小限にする一方で、摂取時の活性を高く維持できるという点にある。
【0016】
カプセル化用のポリマーバリアは、塩基感受性部分(base-sensitive moieties)を含有することにより、塩基性条件下、好ましくは得られるpHが約8から約13、より好ましくは約8から約11の状況下におかれた場合に、ポリマーバリアが「作動される(triggered)」、即ち崩壊が開始されるようにされることが好ましい。
【0017】
好ましい一実施形態によれば、カプセル化用ポリマーバリアは、アミノプラスト化学によるものである。これは、塩基性条件下で開裂し得る1又は2以上のエステル又はチオエステル基と、前記樹脂と反応し得る他の2以上の官能基とを有する化合物と、アミノ樹脂プレポリマーを反応させる工程を含んでなる、マイクロカプセル化プロセスにより製造される。このアミノ樹脂は、エーテル化樹脂であることが好ましい。
【0018】
エステル又はチオエステル含有化合物は、ペンタエリトリトール、ジペンタエリトリトール、トリペンタエリトリトール、トリメチロールプロパン、グリセロール、メルカプトエタノール、3−メルカプトプロパン−ジオール、1,2,4−ブタントリオール、1,3,5−シクロヘキサントリオール、1,2,3−ヘプタントリオール、ソルビトール、又は2,3−ジメルカプト−1−プロパノール等のエステル化可能な官能基を2以上、好ましくは3以上含有する多官能性C1−C20脂肪族又は脂環式アルコールと、1又は2以上の2−(ヒドロキシ又はチオール)置換C2−C6アルカン酸との反応によって製造される架橋剤であることが好ましい。このような化合物を製造するための方法と、そのアミノプラストカプセルへの組み込みについては、WO0005951に記載されている。本文献は引用により本明細書に組み入れられる。
【0019】
塩基感受性架橋剤は、ペンタエリトリトールと、グリコール酸及びメルカプト酢酸の混合物との反応により作製されることが好ましい。
【0020】
アミノプラスト又は尿素ホルムアルデヒドカプセルを製造する方法については、米国特許第4,956,129号及び第5,160,529号に記載されている。これらの文献は引用により本明細書に組み入れられるが、その概要は以下の通りである。
【0021】
カプセル化される物質と、エーテル化アミノ樹脂プレポリマーと、架橋剤を含んでなる有機溶液又は油相を用意する。エーテル化アミノ樹脂プレポリマーは、カプセル化される物質に溶解されることが好ましく、また、プレポリマーのメチロール基の約50%から約98%が、C4−C10アルコールによってエーテル化されることが好ましい。また、架橋剤も、カプセル化される物質に溶解されることが好ましい。カプセル化される物質が固体の場合には、水に対する溶解性が低い、適切な溶媒を有機相に含有させてもよい。続いて、この有機溶液又は油相のエマルジョンを、水及び界面活性剤を含んでなる連続相水溶液中に形成する。ここで、このエマルジョンは、互いに分離した有機相の液滴を、水相中に分散された状態で含んでなり、これによって、互いに分離した有機相の液滴と、その周辺の連続相の水性物質との間に、界面が形成される。その後、樹脂と架橋剤とを原位置で縮合し、その結果得られる、相間の界面に隣接する有機相中のポリマーを硬化させるべく、エマルジョンを約20℃から約100℃の温度に加熱すると同時に、エマルジョンに酸性化剤を加える。ここで相間移動触媒を加えてもよい。そしてエマルジョンのpHを約0から約4の間に、温度を約20から約60℃の間にし、樹脂プレポリマーと架橋剤との原位置縮合が実質的に終了するのに十分な時間が経過するまで維持する。これによって、液状だった有機相の液滴が、カプセルへと変換される。このカプセルは、固体の透過性ポリマーからなるポリマーバリアと、これにより内包されるカプセル化液状物質とから構成される。
【0022】
本発明において好ましい溶媒としては、アルキルナフタレン、例えばSolvessoという商品名で販売されているものや、オクチルメトキシシナメート等が挙げられる。
【0023】
別の実施形態によれば、カプセル化用ポリマーバリアは、1又は2以上のポリチオール化合物より構成される。ここで、2モルのチオールが互いに結合してジスルフィド結合を形成するが、この結合は塩基性条件下で開裂し得る。本発明の特定の一態様によれば、これらの化合物はカプセル壁に組み込まれるが、ここでこの壁物質はアミノプラスト樹脂を含んでいてもよい。更に、ジスルフィド結合に関して言えば、これらの結合は壁の形成に使用される出発物質中に予め存在していても、又は出発物質中に予め調製しておいてもよく、或いは壁の形成時にこれらの結合を作製してもよい。ジスルフィド結合を含有するカプセルを作製する方法は、米国特許第6,485,736号に記載されている。本文献は引用により本明細書に組み入れられる。
【0024】
更なる実施形態によれば、カプセル化用ポリマーバリアは塩基感受性ポリマーを含有する。その例としては、特に、ポリ(スチレン−co−無水マレイン酸)、ポリ(無水マレイン酸−alt−1−オクタデセン)、及びポリ(無水マレイン酸−alt−1−テトラデセン)が挙げられる。これらのポリマーをカプセル化用ポリマーバリアに組み入れる方法としては、多数の方法が当業者に知られているが、例としては、液滴形成(coacervation)や溶媒の蒸発濃縮(evaporation)が挙げられる。
【0025】
以上が、被包物を液性媒体中に懸濁させることによるカプセルの製法の説明である。或いは、噴霧乾燥や他の公知の技術を用いて、この懸濁液を乾燥産物に変換してもよい。
【0026】
カプセル化用ポリマーバリアがアミノプラスト化学によるものであって、塩基性条件下で開裂し得る1又は2以上のエステル又はチオエステル基を有してなる実施形態の場合には、拡散による制御放出(controlled release)と、塩基性条件下におかれた場合に「作動(triggering)」又は崩壊により生じる迅速な放出(quick release)とのバランスは、塩基性条件下で開裂し得る化合物との組み合わせで使用される架橋剤を慎重に選択することにより、制御することができる。ペンタエリトリトール誘導体、例えばペンタエリトリトールテトラキス(メルカプトプロピオネート)(商品名Mercaptate Q-43 Esterとして市販されている)が、尿素ホルムアルデヒドカプセルの壁修飾剤として有用であることが知られている。これについては例えば、米国特許第4,956,129号、第5,160,529号及び第5,332,584号に開示の通りである。プレポリマー中のエーテル又はメチロール基と反応させることにより、これらの誘導体は架橋度を上昇させ、この時点で(at this time)壁を強化するとともにその透過性を低下させる。塩基感受性架橋剤は、電子求引性酸素又は硫黄原子に対してα位にあるエステル及び/又はチオエステル基(−XCO−、ここでX=O又はS)に、比較的緩やかな結合を有する。これらは塩基の存在下で、加水分解に対して感受性を示す。
【0027】
益虫の保護等の目的で拡散による放出を最小限にする態様では、壁硬化架橋剤:塩基感受性架橋剤の比率を、拡散が最小限になる一方で、塩基性条件下におかれた場合の迅速な放出は維持されるように選択する。壁硬化架橋剤:塩基感受性架橋剤の比率は、約50:1から1:10の間、好ましくは20:1から1:3の間、より一層好ましくは10:1から1:1の間とすることができる。架橋剤の総濃度は、有機相に対して、約0.4から7.5重量%の間、好ましくは1から4重量%の間とすることができる。
【0028】
塩基感受性架橋剤との組み合わせで使用される好ましい壁硬化架橋剤としては、ペンタエリトリトールテトラキス(メルカプトプロピオネート)及びペンタエリトリトールテトラキス(メルカプトアセテート)が挙げられる。
【0029】
有機相中におけるアミノ樹脂プレポリマーの量は、本発明を実施する上で特に重要という訳ではない。しかしながら、プレポリマー濃度が、重量基準で約1%から約70%まで、好ましくは約4%から約50%まで、特に好ましくは約5%から約20%までの有機相を使用するのが、最も都合がよい。
【0030】
本発明で有用なプレポリマーは、米国特許第4,956,129号及び第5,160,529号に示されるものである。即ち、部分的にエーテル化されたアミノ樹脂プレポリマーであって、有機相に対する溶解性が高く、水に対する溶解性が低いものである。非エーテル化形態では、プレポリマーは多数のメチロール基をその分子構造内に有している。エーテル化プレポリマーは、その水酸性水素原子(hydroxyl hydrogen group)がアルキル基で置換されたものであり、アミノ基を含有する化合物とホルムアルデヒド及びアルコールとの縮合によって得られる。プレポリマーが有機相に溶解性を示すのは、4以上の炭素原子を有するアルキル基によって、プレポリマー分子の水酸性水素原子の約50%超が置換された場合である。上記方法において有用なのは、水酸性水素原子の約50%から約98%がアルキル基によって置換されたものである。壁形成工程において生じる縮合/重合に多少の水酸基が必要となるためである。好ましくはメチロール基の約70%から約90%が、好ましくはC4−C6アルコールでエーテル化される。アルコールは直鎖でも分岐鎖でもよい。
【0031】
アミノ樹脂は、一般的な4つの種類、即ち、尿素ホルムアルデヒド、メラミン−ホルムアルデヒド、ベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド、及びグリコールウリル−ホルムアルデヒドのうち、何れであってもよい。中でも前者2種が好ましく、特に尿素ホルムアルデヒドプレポリマーが最も好ましい。使用されるプレポリマーは、市販のエーテル化アミノ樹脂プレポリマーでもよい。市販のエーテル化プレポリマーの例としては、Cytec社が販売する商品名Beetle(登録商標)及びCymel(登録商標)、Reichhold Chemicals 社が販売するBeckamine(登録商標)ライン、及びSolutia社が販売するResimen(登録商標)ラインが挙げられる。
【0032】
特に好ましいプレポリマーとしては、Beetle-80及びBeetle-105010が挙げられる。
【0033】
上述の例は本発明の範囲を例示するためのものである。当業者には明らかなように、油溶性及び異種間重合の基準を満たすアミノ−ホルムアルデヒド縮合物であれば、何れも適切である。
【0034】
また、プレポリマーは公知の手法により調製し得る。例としては、アミン(好ましくは尿素又はメラミン)、ホルムアルデヒド及びアルコール間の反応が挙げられる。
【0035】
有機相を形成したら、続いてエマルジョンを調製するべく、水及び界面活性剤を含んでなる水溶液にこの有機相を分散させる。有機相と水相との相対量は、本発明を実施する上で特に重要ではなく、広範な範囲から選択することができるが、特に便宜上及び取り扱いの容易さの観点から決定される。実用的な用途の場合、有機相が体積基準で総エマルジョンの最大約55%を占めるとともに、互いに分離した有機相の液滴を、水溶液中に分散された状態で含んでなる。
【0036】
界面活性剤は、流体界面の表面張力の低下能を有することが知られている、非イオン性及びイオン性界面活性剤の双方を含む広範な種類の化合物の中から、任意のものを使用することができる。界面活性剤の量は特に重要ではないが、便宜上は通常、水相の約0.1重量%から約10重量%までの量を含んでなる。
【0037】
好ましい界面活性剤としては、低Mwのポリビニルアルコール、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとのコポリマー、スルホン化アルキルナフタレン等が挙げられる。
【0038】
系によっては、保護コロイドを水相に加えることにより、エマルジョンの安定性を向上させることができる。保護コロイドによって、分散系の凝集(aggregation)、凝結(flocculation)及び癒合(coalescence)に対する安定性が高まる。保護コロイドとして機能する物質は多数知られており、市販されている。水相へのコロイドの添加は、エマルジョンが形成される前でもよく、エマルジョンが形成された後でもよい。コロイドの正確な量は特に重要ではないが、水相に対して約0.1%から約5.0%のコロイドを使用するのが便宜上最適である。
【0039】
好ましいコロイド安定化剤としては、ポリビニルアルコール、スルホン化ナフタレン−ホルムアルデヒド縮合物、例えばCognis社製Lomar D、及びスルホン化クラフトリグニン、例えばWestvaco社製Reax 85A及び100Mが挙げられる。
【0040】
エマルジョンの液滴サイズも、本発明においては特に重要ではない。有用性の面からは、液滴サイズを約0.5から約4,000ミクロンの径、好ましくは約1ミクロンから約100ミクロンの径、最も好ましくは約1から約25ミクロンの径とするのが最適である。エマルジョンは常法通り、任意の従来の高せん断攪拌器を用いて調製できる。いったん所望の液滴サイズが得られたら、本方法の残りの期間は、通常は穏やかに攪拌するだけで、固有の成長を防ぐ(prevent proper growth)ことができる。
【0041】
いったん所望の液滴サイズが得られたら、系全体を酸性化し、そのpHを約0から約4.0の間、好ましくは約1.0から約3.0の間とする。これによって、プレポリマー及び架橋剤を、原位置で縮合により重合させ、各液滴がポリマーバリアによって完全に包含された状態が得られる。酸性化には適切な手段を任意に使用することができるが、その例としては、ギ酸、クエン酸、塩酸、硫酸、リン酸等の任意の水溶性の酸が挙げられる。また、酸性分散剤や界面活性剤を使用して酸性化を行なうことも可能である。エマルジョンが形成された後にこれらを系に加えれば、これらは相間移動触媒として機能し得る。
【0042】
界面重合を促進するこうした相間移動剤としては、スルホン化アルキルナフタレンが好ましい。
【0043】
ポリマー壁の硬化が進むにつれて、プレポリマーの活性基相互間の接触は、徐々に形成され難くなる。よって、原位置重縮合反応は自然に終了するので、通常は反応が完了するまで放置しておけばよい。しかし、所望によりpHを上昇させることで、反応が完了する前に反応を停止させることもできる。これによって、壁の堅密性(tightness)、剛性(rigidity)及び透過性を制御することができる。
【0044】
原位置重縮合の速度はpHに応じて、酸性度及び温度の双方と共に増加する。従って、反応は約20℃から約100℃まで、好ましくは40℃から約60℃までの範囲内の任意の温度で実施することができる。反応は通常は2,3時間で終了するが、高酸性度及び高温の下では数分程度で終了させることもできる。
【0045】
抗沈降剤(anti-settling agent)を用いてカプセルを後処方しても(post-formulated)よい。例としては、キサンタンゴム等の水溶性多糖類、微結晶性セルロース等の水不溶性多糖類、及びベントナイト等の構造粘土が挙げられる。微結晶性セルロースが抗沈降剤としては好ましい。
【0046】
本発明に係るカプセルを調製する手法は、レザボアカプセルを得る手法と、マトリックスカプセルを得る手法の何れでもよい。当該カプセルは、実質的に水非混和性の担体液を含有する、レザボアカプセルであることが好ましい。
【0047】
本発明に係るカプセルは、組成物中に分散されることが好ましい。特に、水性媒体中に分散されると有利である。
【0048】
一実施形態においては、カプセルが水性連続相中に分散される一方で、カプセル内部の担体液は実質的に水非混和性である。本明細書で使用される「実質的に水非混和性(substantially water-immisible)」とは、カプセルが形成される限りにおいて、当該担体液が最低限の水混和性しか示さないことを意味する。
【0049】
好ましい一実施形態によれば、本発明に係るカプセルは、上記(b)で定義された化合物から選択される少なくとも1種の化合物が、担体液中に溶解又は分散されたものを用いて調製される。
【0050】
別の好ましい実施形態によれば、本発明に係るカプセルは、上記(a)で定義された農薬が、担体液中に溶解又は分散されたものを用いて調製される。
【0051】
以下に述べる農薬は、農薬産業において使用されている活性成分である。これらの構造についての説明、並びに他の農薬(例えば殺菌剤や殺虫剤)についての説明は、e-Pesticide Manual, version 3.1, 13th Edition, Ed. CDC Tomlin, British Crop Protection Council, 2004-05に記載されている。化合物名の後ろの番号は、上記Pesticide Manualにおける登録番号を指す。
【0052】
好ましい一実施形態によれば、本発明に係るカプセルは、少なくとも摂取時に活性であり、且つ光易変性である殺虫剤を、カプセル化してなることを特徴とする。このような殺虫剤は、エマメクチン(291)、スピノサド(737)、ミルベメクチン(557)、アバメクチン(1)、プロフェノホス(662)、ルフェヌロン(490)、チオジカルブ(799)、ラムダ−シハロトリン(198)、フェノキシカルブ(340)、デルタメトリン(223)、チアクロプリド(791)、トリフルムロン(835)、シラフルオフェン(728)、テブフェノジド(762)、アルジカルブ(16)、メトキシフェノジド(535)、クロルピリホスメチル(146)、インドキサカルブ(465)、クロルフェナピル(130)及びフィプロニル(354)から選択される。
【0053】
この農薬は、エマメクチン、クロルフェナピル、スピノサド、ミルベメクチン、フィプロニル、プロフェノホス、デルタメトリン、ラムダ−シハロトリン、インドキサカルブ及びアバメクチンから選択されることがより好ましい。
【0054】
この農薬は、エマメクチン、スピノサド又はフィプロニルであることが、より一層好ましい。一実施形態によれば、殺虫剤共力剤(insecticide synergist)、例えばピペロニルブトキシド(649)が、農薬と組み合わせて使用される。本発明に係るカプセルにおいては、フィプロニルとピペロニルブトキシドとの組み合わせが特に効果的である。
【0055】
好ましい一実施形態によれば、本発明に係るカプセルは、少なくとも1種の他の農薬(共農薬:co-pesticide)を用いて調製される。例としては、胃において活性又は非活性の(stomatch active or not)他の殺虫剤、殺菌剤又は除草剤が挙げられる。これにより、農薬(a)による有害生物の抑制のスペクトルを拡大することができる。従って、胃において活性(stomatch active)であり且つ光易変性である上記定義の農薬(a)を、共農薬として使用することができる。
【0056】
共農薬の例としては、アセフェート(2)、アセタミプリド(4)、アセトプロール(1−[5−アミノ−1−[2,6−ジクロロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル]−4−(メチルスルフィニル)−1H−ピラゾール−3−イル]エタノン)、アルファ−シペルメトリン(202)、アジンホス−メチル(45)、アゾキシストロビン(47)、ベナラキシル(56)、ベナラキシル−M(メチルN−(2,6−ジメチルフェニル)−N−(フェニルアセチル)−D−アラニネート)、ベンクロチアズ(7−クロロ−1,2−ベンズイソチアゾール)、ベンダイオカルブ(58)、ベンフラカルブ(60)、ベノミル(62)、ベンスルタップ(66)、ビフェントリン(76)、ビテルタノール(84)、ボスカリド(88)、カプタン(114)、カルベンダジム(116)、カルバリル(115)、カルボフラン(118)、カルボスルファン(119)、カルボキシン(120)、カルプロパミド(2,2−ジクロロ−N−[1−(4−クロロフェニル)エチル]−1−エチル−3−メチルシクロプロパンカルボキサミド)、クロロタロニル(142)、クロルピリホス−メチル(146)、クロチアニジン(165)、銅塩(例えば硫酸銅(172)、亜酸化銅(181)、ボルドー液(87)、水酸化銅(169)、硫酸銅(三塩基性)(173)、オキシ塩化銅(171)及びオクタン酸銅(170))、シモキサニル(200)、シペルメトリン(201)、シブロコナゾール(207)、シブロジニル(208)、シロマジン(209)、ダゾメット(216)、ダイアジノン(227)、ジフェノコナゾール(247)、ジメトエート(262)、ジモキシストロビン(266)、ジニコナゾール(267)、ジノテフラン(271)、エタボキサム(N−(シアノ−2−チエニルメチル)−4−エチル−2−(エチルアミノ)−5−チアゾールカルボキサミド)、エチリモール(5−ブチル−2−(エチルアミノ)−6−メチル−4(1H)−ピリミジノン)、エチプロール(310)、エトプロホス(312)、ファモキサドン(322)、フェナミドン(325)、フェナミホス(326)、フェンヘキサミド(334)、フェンピクロニル(341)、フロニカミド(358)、フルオキサストロビン(382)、フルアジナム(363)、フルジオキソニル(368)、フルキンコナゾール(385)、フルトラニル(396)、フルトリアホール(397)、ホノホス(O−エチルS−フェニルエチルホスホノジチオエート)、ホセチル−アルミニウム(407)、フベリダゾール(409)、フラチオカルブ(412)、ガンマ−シハロトリン(197)、ガンマ−HCH(430)、グアザチン(422)、ヘプテノホス(432)、ヘキサコナゾール(435)、ヒメキサゾール(447)、イマザリル(449)、イミダクロプリド(458)、イプコナゾール(468)、イプロジオン(470)、イソフェンホス(1236)、マンコゼブ(496)、マンネブ(497)、メタラキシル(516)、メタラキシル−M(517)、メトコナゾール(525)、メチオカルブ(530)、臭化メチル(537)、ヨウ化メチル(542)、ミクロブタニル(564)、ニテンピラム(579)、ヌアリモル(587)、オメトエート(594)、オキサミル(602)、オキサジキシル(601)、オキシン銅(605)、オキソリン酸(606)、ペンシクロン(620)、ペフラゾエート(618)、ホスメット(638)、ピコキシストロビン(647)、ピリミカルブ(651)、プロクロラズ(659)、プロシミドン(660)、プロパモカルブ(668)、プロピコナゾール(675)、プロチオコナゾール(685)、ピメトロジン(688)、ピラクロストロビン(690)、ピリメタニル(705)、ピロキロン(710)、キントゼン(716)、シルチオファム(729)、テブコナゾール(761)、テフルトリン(769)、テルブホス(773)、テトラコナゾール(778)、チアベンダゾール(790)、チアメトキサム(792)、チオファネートメチル(802)、チラム(804)、トリルフルアニド(1,1−ジクロロ−N−[(ジメチルアミノ)スルホニル]−1−フルオロ−N−(4−メチルフェニル)メタンスルフェンアミド)、トリアジメノール(815)、トリアザメート(818)、トリアゾホス(820)、トリアゾキシド(821)、トリチコナゾール(842)、トリフロキシストロビン(832)、3−lodo−N**−(2−メタンスルホニル−1,1−ジメチル−エチル)−N**−[2−メチル−4−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチル−エチル)−フェニル]−フタルアミド(コードNNI−0001)、並びに、2−ピリジン−2−イル−2H−ピラゾール−3−カルボン酸(2−メチルカルバモイル−フェニル)−アミド(コードDKI−0001)の化合物、例えば2−(3−クロロ−ピリジン−2−イル)−5−トリフルオロメチル−2H−ピラゾール−3−カルボン酸(4−クロロ−2−イソプロピルカルバモイル−6−メチル−フェニル)−アミド、2−(3−クロロ−ピリジン−2−イル)−5−トリフルオロメチル−2H−ピラゾール−3−カルボン酸(4−クロロ−2−メチル−6−メチルカルバモイル−フェニル)−アミド、5−ブロモ−2−(3−クロロ−ピリジン−2−イル)−2H−ピラゾール−3−カルボン酸(4−クロロ−2−イソプロピルカルバモイル−6−メチル−フェニル)−アミド、及び5−ブロモ−2−(3−クロロ−ピリジン−2−イル)−2H−ピラゾール−3−カルボン酸(4−クロロ−2−メチル−6−メチルカルバモイル−フェニル)−アミドが挙げられる。
【0057】
第1の実施形態によれば、当該共農薬は上述したように、本発明に係るカプセル内にカプセル化される。
【0058】
別の好ましい実施形態によれば、当該共農薬の上記組成物への混合は、市販の共農薬組成物(製剤)を用いてタンク混合(tank-mix)により即席で調製してもよく、カプセル化組成物を用いて予混合(pre-mix)により調製してもよい。
【0059】
また、他の製剤用助剤を使用することも可能である。但し、その助剤が、前記カプセルの塩基による作動に対して、不利な干渉を生じないものである場合に限る。
【0060】
製剤の性状と同様、適用の方法についても、例えば葉面、濡らし(drench)、噴霧、霧化、散粉、散布、被覆、注入等の方法から、意図する目的やその場の環境に応じて選択される。
【0061】
タンク混合組成物は通常、異なる農薬を含有する(とともに、更に助剤を含有していてもよい)1又は2以上の予混合組成物を、溶媒(例えば水)で希釈することにより調製される。この場合において、当該予混合品の1つは、摂取時に活性であり、且つ光易変性である農薬がカプセル化された、カプセルを含有する組成物である。第2の予混合品として、共農薬を含有する別の組成物を用いることができる。
【0062】
適切な担体及びアジュバントは、固体でも液体でもよく、製剤技術において一般に使用される物質、例えば天然又は再生の鉱物、溶媒、分散剤、湿潤剤、粘着付与剤、増粘剤、結合剤、又は肥料が挙げられる。
【0063】
製剤の調製は公知の手法で行なわれる。例えば、活性成分を増量剤、例えば溶媒、固体担体とともに、更には、必要に応じて界面活性化合物(界面活性剤)とともに、均一に混合及び/又は粉砕することにより行なう。
【0064】
適切な溶媒としては:芳香族炭化水素、好ましくは8から12の炭素原子を含有する画分、例えばキシレン混合物又は置換ナフタレン類、フタル酸類、例えばフタル酸ジブチル又はフタル酸ジオクチル、脂肪族炭化水素、例えばシクロヘキサン又はパラフィン、アルコール類及びグリコール類、及びそれらのエーテル及びエステル、例えばエタノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチル又はモノエチルエステル、ケトン類、例えばシクロヘキサノン、強極性溶媒、例えばN−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド又はジメチルホルムアミド、並びに植物油又はエポキシ化植物油、例えばエポキシ化ヤシ油又は大豆油;又は水が挙げられる。
【0065】
粉剤や可分散粉末等に使用される固体担体としては、通常は天然の無機充填剤、例えばカルサイト、タルカム、カオリン、モンモリロナイト又はアタパルジャイトが挙げられる。また、物性を改善するために、高分散ケイ酸又は高分散吸収性ポリマーを加えてもよい。好適な粒状吸着性担体としては、多孔質型のもの、例えば軽石、粉砕ブロック、セピオライト、又はベントナイト等が挙げられ、好適な非吸収性担体としては、例えばカルサイトや砂等が挙げられる。更に、多数の無機性又は有機性の前粒状化物も使用することができる。例としては特に、ドロマイトや微粉化した植物性残渣が挙げられる。
【0066】
好適な界面活性化合物は、少なくとも摂取時に活性であり、且つ光易変性である農薬、及びそれともに製剤に供される共農薬の性状に応じて異なるが、乳化、分散及び湿潤特性に優れた非イオン性及び/又はカチオン性及び/又はアニオン性界面活性剤が挙げられる。また、「界面活性剤」という語は、界面活性剤の混合物を含んでなるものと解される。
【0067】
特に有利な適用促進用アジュバントとしては、これも天然か合成かによらず、ケファリン及びレシチン系のリン脂質、例えば、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロール、及びリゾレシチンが挙げられる。
【0068】
市販品は濃縮物(例えば予混合組成物(製剤))として調製するのが好ましいのに対して、末端消費者は通常は希釈製剤(例えばタンク混合組成物)として使用する。
【0069】
上述した、少なくとも摂取時に活性で且つ光易変性の農薬(好ましくは殺虫剤)の光防護は、上記(b)に列記した化合物から選択される少なくとも1種の化合物を共カプセル化することにより達成される。
【0070】
上述した農薬(a)(好ましくは殺虫剤、より好ましくはエマメクチンベンゾエート、フィプロニル、又はスピノサド、最も好ましくはエマメクチン)の光防護は、上記(b)に列記した化合物から選択される少なくとも1種の化合物を共カプセル化することにより有利に達成されるが、中でも1−[[2,5−ジメチル−4−[(2−メチルフェノール)アゾ]フェニル]アゾ]−2−ナフタレノール、1−[[4−[(ジメチルフェニル)アゾ]ジメチルフェニル]アゾ]−2−ナフタレノール、1−(オルト−トリルアゾ)−2−ナフトール、1−[[4−(フェニル)アゾ)フェニル]アゾ]−2−ナフタレノール、1−[[3−メチル−4−[(3−メチルフェノール)アゾ]フェニル]アゾ]−2−ナフタレノール、2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチル−6−[[4−(フェニルアゾ)−1−ナフタレニル]アゾ]−1H−ペリミジン、1−(フェニルアゾ)−2−ナフタレノール、1−[[2−メチル−4−[(2−メチルフェノール)アゾ]フェニル]アゾ]−2−ナフタレノール、及び任意にこれらの各々とブチル化ヒドロキシアニソールとの組み合わせの中から選択することが好ましい。
【0071】
本発明の特定の態様の1つによれば、エマメクチンベンゾエート、フィプロニル、又はスピノサド、好ましくはエマメクチンと、上記(b)に列記した化合物から選択される少なくとも1種の光防護剤とが、塩基性条件下で開裂し得る1又は2以上のエステル又はチオエステル基を含有するアミノプラストカプセル内にカプセル化される。このカプセル壁の形成は、一般的には1から3までの範囲のpHで、及び、約20℃から約100℃まで、好ましくは約40℃から約60℃までの範囲の温度で生じる。エマメクチンベンゾエートの水溶解性は、pHが少なくとも約3未満であれば、認識し得る程度に上昇するが、驚くべきことに、カプセル化プロセスの間に水相に溶解し得る農薬の量は、最小限の量に過ぎない。
【0072】
本発明の別の特定の態様によれば、
・エマメクチンベンゾエート、フィプロニル、又はスピノサド、好ましくはエマメクチンと、
・1−[[2,5−ジメチル−4−[(2−メチルフェノール)アゾ]フェニル]アゾ]−2−ナフタレノール、1−[[4−[(ジメチルフェニル)アゾ]ジメチルフェニル]アゾ]−2−ナフタレノール、1−(オルト−トリルアゾ)−2−ナフトール、1−[[4−(フェニル)アゾ)フェニル]アゾ]−2−ナフタレノール、1−[[3−メチル−4−[(3−メチルフェノール)アゾ]フェニル]アゾ]−2−ナフタレノール、2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチル−6−[[4−(フェニルアゾ)−1−ナフタレニル]アゾ]−1H−ペリミジン、1−(フェニルアゾ)−2−ナフタレノール、1−[[2−メチル−4−[(2−メチルフェノール)アゾ]フェニル]アゾ]−2−ナフタレノール、及び任意にこれらの各々とブチル化ヒドロキシアニソールとの組み合わせの中から選択される少なくとも1種の光防護剤とが、上述したようなアミノプラストカプセル内にカプセル化される。
【0073】
本発明の別の好ましい態様によれば、エマメクチンベンゾエート、フィプロニル、又はスピノサド、好ましくはエマメクチンと、1−[[4−[(ジメチルフェニル)アゾ]ジメチルフェニル]アゾ]−2−ナフタレノール)と、任意にブチル化ヒドロキシアニソールとが、上述したようなアミノプラストカプセル内にカプセル化される。
【0074】
本発明の別の好ましい態様によれば、エマメクチンベンゾエート、フィプロニル、又はスピノサド、好ましくはエマメクチンと、1−[[2,5−ジメチル−4−[(2−メチルフェノール)アゾ]フェニル]アゾ]−2−ナフタレノールと、任意にブチル化ヒドロキシアニソールとが、上述したようなアミノプラストカプセル内にカプセル化される。
【0075】
理論に拘束されるのを意図する訳ではないが、本発明における農薬の光防護は、様々な異なる光防護機構に基づき作動する化合物によって達成することが可能である。このような機構の例としては、とりわけ、光子捕獲、ラジカル捕捉、及び励起状態の消滅が挙げられる。
【0076】
本発明の範囲においては、活性成分に対する光防護剤の比率は如何なる値であってもよい。しかしながら、特に好ましい比として、活性成分に対する光防護剤の量を最小限にすることにより、所望の持続(persistence)を得ることができる。このような比率とすることで、通常はカプセル化プロセスを、より便利で且つ取り扱いが容易なものとすることができ、経済的な面でも望ましい。なお、言うまでも無く、光防護剤の存在は、塩基感受性バリア又はカプセル壁の形成と干渉すべきではない。
【0077】
本発明は、カプセルを摂取しない有益な節足動物を保護できるので、有害生物を標的とする際の選択性がより高く、また、作業者の危険への暴露度を低減できることが見出されている。有益な節足動物とは、一般的にはその捕食又は寄生の活性によって、農学上の有害生物を生物学的に抑制するのに重要な節足動物、主に虫であると解すべきである。
【0078】
更に、上記定義化合物を光防護剤として使用することにより、農薬の効力を十分に持続させることができると同時に、農薬の分解も確保される。
【0079】
本発明に係る方法は、アルカリ性の消化器内環境を有する有害生物による、物質の被害の抑制に使用するのが有利である。
【0080】
当業者であれば、以下に掲げる有害生物のリストから、何れの有害生物がアルカリpHの消化器官条件を有することが知られているか、同定することができるであろう。しかしながら、当該アルカリpHの消化器官条件は、有害生物の発育段階(例えば幼生等)に応じて異なるのみならず、有害生物によって摂取される栄養分の種類(例えば異なる種類の作物や植物)によっても異なる。
【0081】
「有害生物(pest)」という語は、虫や、ダニ目のうち典型的なものを意味するものと解すべきである。
【0082】
チョウ目に属する虫としては、例えば、Acleris属、Adoxophyes属、Aegeria属、Agrotis属、Alabama argillaceae、Amylois属、Anticarsia gemmatalis、Archips属、Argyrotaenia属、Astylus atromaculatus、Autographa属、Busseola fusca、Cadra cautella、Carposina nipponensis、Chilo属、Choristoneura属、Clysia ambiguella、Cnaphalocrocis属、Cnephasia属、Cochylis属、Coleophora属、Crocidolomia binotalis、Cryptophlebia leucotreta、Cydia属、Diatraea属、Diparopsis castanea、Earias属、Elasmopalpus属、Ephestia属、Eucosma属、Eupoecilia ambiguella、Euproctis属、Euxoa属、Grapholita属、Hedya nubiferana、Heliothis属、HeIIuIa undalis、Heteronychus arator、Hyphantria cunea、Keiferia lycopersicella、Leucoptera scitella、Lithocollethis属、Lobesia botrana、Lymantria属、Lyonetia属、Malacosoma属、Mamestra brassicae、Manduca sexta、Operophtera属、Ostrinia nubilalis、Pammene属、Pandemis属、Panolis flammea、Pectinophora gossypiella、Phthorimaea operculella、Pieris rapae、Pieris属、Plutella xylostella、Prays属、Scirpophaga属、Sesamia属、Sparganothis属、Spodoptera属、Synanthedon属、Thaumetopoea属、Tortrix属、Trichoplusia ni及びYponomeuta属が挙げられる。
【0083】
コウチュウ目に属する虫としては、例えば、Agriotes属、Anthonomus属、Atomaria linearis、Chaetocnema tibialis、Conotrachelus属、Cosmopolites属、Curculio属、Dermestes属、Diabrotica属、Dilopoderus属、Epilachna属、Eremnus属、Heteronychus属、Leptinotarsa decemlineata、Lissorhoptrus属、Melolontha属、Melolontha melolontha、Orycaephilus属、Otiorhynchus属、Phlyctinus属、Popillia属、Popillia japonica、Psylliodes属、Rhizopertha属、Scarabeidae、Somaticus属、Sitophilus属、Sitotroga属、Tanymecus属、Tenebrio属、Tribolium属、Trogoderma属、Phyllotreta属、Ceutorhynchus属、Cyclocephala hirta、Cyclocephala pasadenae、Macrodactylus subspinosus、Macrodactylus uniformis及びZabrus属が挙げられる。
【0084】
直翅目に属する虫としては、例えば、Blatta属、Blattella属、Gryllotalpa属、Leucophaea maderae、Locusta属、Periplaneta属及びSchistocerca属が挙げられる。
【0085】
チャタテムシ目に属する虫としては、例えばLiposcelis属が挙げられる。
【0086】
シラミ目に属する虫としては、例えば、Haematopinus属、Linognathus属、Pediculus属、Pemphigus属及びPhylloxera属が挙げられる。
【0087】
シロアリ目に属する虫の例としては、Reticulitermes属、例えばR. flavipes、R. hesperus、R. tibialis、R. virginicus、R. santonensis、R. hageni、Coptotermes属、例えばC. formosanus、Nasutitermes属及びMacrotermes属が挙げられる。
【0088】
食毛目に属する虫としては、例えば、Damalinea属及びTrichodectes属が挙げられる。
【0089】
総翅目に属する虫としては、例えば、Frankliniella属、Hercinothrips属、Taeniothrips属、Thrips palmi、Thrips tabaci及びScirtothrips aurantiiが挙げられる。
【0090】
異翅目に属する虫としては、例えば、Cimex属、Distantiella theobroma、Dysdercus属、Euchistus属 Eurygaster属 Leptocorisa属、Nezara属、Piesma属、Rhodnius属、Sahlbergella singularis、Scotinophara属及びTriatoma属 が挙げられる。
【0091】
同翅目に属する虫としては、例えば、Aleurothrixus floccosus、Aleyrodes brassicae、Aonidiella属、Aphididae、Aphis属、Aspidiotus属、Bemisia tabaci、Ceroplaster属、Chrysomphalus aonidium、Chrysomphalus dictyospermi、Coccus hesperidum、Empoasca属、Eriosoma larigerum、Erythroneura属、Gascardia属、Laodelphax属、Lecanium corni、Lepidosaphes属、Macrosiphus属、Myzus属、Nephotettix属、Nilaparvata属、Paratoria属、Pemphigus属、Planococcus属、Pseudaulacaspis属、Pseudococcus属、Psylla属、Pulvinaria aethiopica、Quadraspidiotus属、Rhopalosiphum属、Saissetia属、Scaphoideus属、Schizaphis属、Sitobion属、Trialeurodes vaporariorum、Trioza erytreae及びUnaspis citriが挙げられる。
【0092】
膜翅目に属する虫としては、例えば、Acromyrmex、Atta属、Cephus属、Diprion属、Diprionidae、Gilpinia polytoma、Hoplocampa属、Lasius属、Monomorium pharaonis、Neodiprion属、Solenopsis属及びVespa属が挙げられる。
【0093】
ハエ目に属する虫としては、例えば、Aedes属、Antherigona soccata、Bibio hortulanus、Calliphora erythrocephala、Ceratitis属、Chrysomyia属、Culex属、Cuterebra属、Dacus属、Drosophila melanogaster、Fannia属、Gastrophilus属、Glossina属、Hypoderma属、Hyppobosca属、Liriomyza属、Lucilia属、Melanagromyza属、Musca属、Oestrus属、Orseolia属、Oscinella frit、Pegomyia hyoscyami、Phorbia属、Rhagoletis pomonella、Sciara属、Stomoxys属、Tabanus属、Tannia属、Delia属、Anopheles属及びTipula属が挙げられる。
【0094】
ノミ目に属する虫としては、例えば、Ceratophyllus属及びXenopsylla cheopisが挙げられる。
【0095】
また、シミ目に属する虫としては、例えば、Lepisma saccharinaが挙げられる。
【0096】
ダニ目のうち典型的なものとしては、例えば、Acarus siro、Aceria sheldoni、Aculus schlechtendali、Amblyomma属、Argas属、Boophilus属、Brevipalpus属、Bryobia praetiosa、Calipitrimerus属、Chorioptes属、Dermanyssus gallinae、Eotetranychus carpini、Eriophyes属、Hyalomma属、Ixodes属、Olygonychus pratensis、Omithodoros属、Panonychus属、Phyllocoptruta oleivora、Polyphagotarsonemus latus、Psoroptes属、Rhipicephalus属、Rhizoglyphus属、Sarcoptes属、Tarsonemus属及びTetranychus属が挙げられる。
【0097】
農薬(a)を他の農薬と組み合わせて使用する場合、本発明の組成物は、より広範な有害生物、例えば菌類、雑草類又は線虫類の抑制に好適であろう。
【0098】
好ましい一実施形態によれば、本発明に係る方法は、アルカリ性の消化器内環境を有する有害生物による、物質被害の抑制に使用するのが有利である。アルカリ性の消化器内環境を有する当該有害生物は、虫であることが好ましい。
【0099】
更に好ましい実施形態によれば、当該虫はチョウ目である。
【0100】
別の好ましい実施形態によれば、当該虫はコウチュウ目である。
【0101】
別の好ましい実施形態によれば、当該虫はハエ目である。
【0102】
別の好ましい実施形態によれば、当該虫はシロアリ目である。
【0103】
本発明に係る「物質」という語は、例えば、農学用物質(agronomic material)を指す。これは植物、特に農業、園芸及び林業上の有用植物(即ち価値を有する植物、例えば、栽培者にとって金銭的価値を有する植物、例えば作物)及び観賞植物(例えば、畑栽培でない森林植物、温室植物、苗又は観賞植物、芝生(例えば商用、ゴルフ用、住居用、娯楽用))、或いはこうした植物の一部、例えば果実、花、葉、茎、塊茎、又は根等を意味すると解すべきである。
【0104】
標的作物植物としては、特に、畑作物、果実、野菜、堅果、ベリー類、熱帯プランテーション、観賞物、並びにその他、例えば小麦、大麦、ライ麦、オーツ麦、稲、トウモロコシ、モロコシ、豆類、レンズ豆、エンドウ豆、大豆、アブラナ、カラシナ、ケシ、甜菜及び飼料用ビート、綿、亜麻、麻、ジュート、ヒマワリ、ヒマシ油、落花生、ジャガイモ、サツマイモ、タバコ、サトウキビ、リンゴ、西洋ナシ、プラム、モモ、ネクタリン、アプリコット、サクランボ、オレンジ、レモン、グレープフルーツ、マンダリン、オリーブ、つる植物、ホップ、アーモンド、クルミ、ヘーゼルナッツ、アボカド、バナナ、茶、コーヒー、ココナッツ、ココア、天然ゴムの木、油脂植物、ブドウ、イチゴ、ラズベリー、黒イチゴ、ホウレンソウ、レタス、アスパラガス、キャベツ、カイラン(Chinese kale)、ニンジン、タマネギ、トマト、キュウリ、コショウ、ナス、メロン、パプリカ、唐辛子、バラ、菊、綿、及びカーネーションが挙げられる。
【0105】
これらの植物は、遺伝子操作されたものであってもよい。
【0106】
植物に対する農薬の使用の割合及び頻度は、広範な範囲から選択され得るが、特定の農薬、使用の形態、土壌の性質、施用の方法(出芽前か出芽後か等)、抑制対象の植物又は有害生物の種類、現行の気候条件に応じて、更には施用方法、施用時期、及び標的植物に支配される他の因子に応じて異なる。
【0107】
一般的な農薬の施用割合は、1ヘクタール当たり5から300g(g/ha)の範囲から選択し得る。エマメクチン、スピノサド、及びフィプロニルの施用割合は、例えば以下の通りである。
【0108】
【表1】

【0109】
また、「物質」という語は、「非農学用物質(non-agronomic material)」をも指す。これは、木材製品、公衆(ヒト)及び動物の衛生、住宅用及び商業用建造物、建設材料、家庭用品及び貯蔵用品等を意味すると解すべきである。
【実施例】
【0110】
以下の実施例は、説明のために与えられるものであり、本発明を限定するためのものではない。
【0111】
実施例1A−1V − エマメクチンベンゾエートを光防護する物質のスクリーニング
【0112】
以下の実施例は、殺虫剤及び光防護剤の双方を含んでなる可乳化濃縮物(emulsifiable concentrate:EC)製剤をスクリーニングすることにより、エマメクチンベンゾエートに好ましい光防護剤を同定可能であることを示すものである。
【0113】
Solvesso 200単独をベースとし、2%w/wのエマメクチンベンゾエート、10%w/wのSoprophor BSU、及び3%w/wのフェニルスルホネートカルクスを含有するEC製剤中に、スクリーニング対象の光防護剤を溶解又は分散させた。光防護剤の殺虫剤に対する割合は1:1とした。
【0114】
ECを水で希釈し、エマメクチンベンゾエートの割合を、一般的な現場施用割合、即ち、散布量200l/haにおいて10g ai/haとなるように調整した。清浄な顕微鏡用スライドガラス上に2μlの液滴を塗布して乾燥させた後、Atlas XLS+ Suntest人工日光シミュレーターを用いて照射を行なった。本装置はキセノン光源をフィルター処理することにより、自然の屋外暴露時と同様のスペクトルエネルギー分布を得るものである。照射後、付着物(deposits)を溶媒洗浄によってスライドガラスから除去し、質量スペクトル(mass-spectrometric:MS)検出を備えた高速液体クロマトグラフィー(high performance liquid chromatography:HPLC)によって定量した。
【0115】
スクリーニングの結果を表1で比較対照する。表1中、1又は3の番号は、光安定化を行なわない場合のECを基準とした、光安定化剤の性能を評価したものである。番号1は改善が見られないことを表わし、番号3は光安定性の顕著な改善を示した光防護剤を表わす。選択した光防護剤を、続いて、実施例4から25に記載のように、エマメクチンベンゾエートと共カプセル化した。
【0116】
【表2】

【0117】
実施例2及び3は、塩基作動性部分を有するアミノプラストカプセル内にエマメクチンベンゾエートをカプセル化した例を示す。
【0118】
エマメクチンベンゾエートのカプセル化は、表2に示す処方に従い、以下の手順で行なった。工業用エマメクチンベンゾエート(emamectin benzoate technical)を、Solvesso 200とオクチルメトキシシナメートとの混合物に溶解させ、そこにCymel U80(Beetle 80同等品)(Cytec Industries提供の部分的ブチル化尿素ホルムアルデヒド樹脂)、ペンタエリトリトールテトラキス(2−メルカプトアセテート)(pentaerythritol tetrakis(2-mercaptoacetate):今後PTTと略す。)、及びPMGTMを加えた。この溶液を、Gohsenol GL05、Gohsenol GM-14L(日本合成提供のポリビニルアルコール)及びPetro BAF(Witco提供のアルキルナフタレンスルホネート)の水溶液に加えて乳化させた。得られたエマルジョンに硫酸を加えてpHを2に調整した後、パドルを用いて55℃で3時間攪拌し、更に水酸化ナトリウムを用いて後処方(post-formulation)を行ない、最終的な製剤のpHを5〜7の範囲内とした。
【0119】
PMGTMは、WO00/05951のexample 1Jの記載に従って調製される、塩基感受性架橋剤である。
【0120】
【表3】

【0121】
実施例4〜25 − エマメクチンベンゾエートと光防護剤との共カプセル化
【0122】
実施例4〜25は、実施例2〜3に記載の方法において、当該方法の冒頭に、1又は2以上の光防護剤をエマメクチンベンゾエートとともに溶解させる工程を更に追加して行なった、エマメクチンベンゾエートのカプセル化を例示するものである。カプセル懸濁液は表3に示す処方に従い調製した。
【0123】
【表4】

【0124】
【表5】

【0125】
【表6】

【0126】
【表7】

【0127】
実施例26 − 光防護剤と共カプセル化されたエマメクチンベンゾエートの光安定性
【0128】
以下の実施例は、エマメクチンベンゾエートにとって好ましい共カプセル化用の光防護剤を、スクリーニングプロセスによって選択できることを示すものである。
【0129】
実施例3、6〜11、19〜24で得られたカプセル化製剤を水で希釈し、エマメクチンベンゾエートの現場における一般的な施用割合である、噴霧量200l/haに対し10g活性成分/haとなるように調整した。2μlの液滴を清浄な顕微鏡用スライドガラスに塗布して乾燥させた後、Atlas XLS+ Suntest 人工日光シミュレーターを用いて照射を行なった。この装置は、キセノン光源をフィルター処理して用い、自然屋外暴露と同様のスペクトルエネルギー分布を得るものである。本装置はキセノン光源をフィルター処理することにより、自然の屋外暴露時と同様のスペクトルエネルギー分布を得るものである。照射後、付着物を溶媒洗浄によってスライドガラスから除去し、好適な溶媒を用いてエマメクチンベンゾエートをカプセルから抽出した。続いて、得られた残渣を、質量スペクトル(MS)検出を備えた高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって定量した。結果を図1及び図2に示す。
【0130】
実施例27 − Soodoptera littoralisに対する作動放出カプセルの接触活性試験
【0131】
本実施例は、本作動放出カプセル(triggered release capsules)を、カプセル化されていないエマメクチンベンゾエートの市販標準品(Proclaim)と同様の割合で施用した場合に、Spodoptera littoralisに対する接触活性が遥かに低いことを示すものである。本データは実施例32とともに、本作動放出カプセルが益虫に対する製剤の安全性を高めることを実証している。
【0132】
接触活性又は局所活性を評価するために、以下に記載する試験対象の製剤1μlを、333、100、33、及び10ppmの割合で、マイクロピペットにより、L4 S littoralis 幼生の頭蓋直下の領域に適用した。96時間後に死亡率を評価した。施用割合33ppmにおける結果を表4に示す。
【0133】
表4中、「SG」は「水溶性顆粒(water-soluble granules)」を意味し、「CS」は「カプセル懸濁液(capsule suspension)」を意味し、「AI」は「活性成分(active suspension)」を意味する。
【0134】
【表8】

【0135】
実施例28 − Spodoptera littoralisに対する作動放出カプセルの摂食時接触活性
【0136】
本実施例は、本作動放出カプセルを、カプセル化されていないエマメクチンベンゾエートの市販標準品(Proclaim)と同様の割合で施用した場合に、Spodoptera littoralisによる摂食時の接触活性は僅かしか減少しないことを示すものである。本データによれば、本カプセルは接触により低い活性しか示さない(実施例27及び32)のに対して、アルカリ性消化器官を有する作物摂取型の有害生物に対しては高い活性を示すことが分かる。
【0137】
摂食時接触活性を評価するために、実施例27に記載の試験対象製剤を2、1、0.5、0.25、及び0.125ppmの割合で予め噴霧した綿葉を、L2 S littoralis 幼生に摂食させ、4日後に死亡率を評価した。施用割合2ppmの場合の結果を表5に示す。
【0138】
表5中、「SG」は「水溶性顆粒」を意味し、「CS」は「カプセル懸濁液」を意味し、「AI」は「活性成分」を意味する。
【0139】
【表9】

【0140】
実施例29 − エマメクチンベンゾエート及び光防護剤を含有するカプセルの施用後10日目におけるSpodoptera littoralisの抑制
【0141】
本実施例は、殺虫剤を光防護剤と共カプセル化することにより、エマメクチンベンゾエートがSpodoptera littoralisに対して活性を示す期間を延長できることを実証するものである。
【0142】
表6の試験対象製剤を、1ヘクタール当たりのエマメクチンベンゾエート量が2.5、5.0、及び10.0グラムとなるよう、海島棉(Gossypium barbadense)に投与した。投与にはCO2加圧型6ノズル・ブームを用い、噴霧量は300L/haとした。この植物を直射日光に暴露した。噴霧された青葉のうち十分に成長しているものを、施用後0、1、3、7、10、13、15、18、及び20日目に採取した。これらの葉をガラス・ジャーに移し、各々に20匹のL2 Spodoptera littoralis幼生を加えた。96時間後に幼生の死亡率と葉の被害を評価した。施用割合5g/haの場合の10日後における抑制パーセンテージを表6に示す。市販製剤であるProclaimは、13日目には全ての有害生物に対する抑制活性を失っていた。
【0143】
表6中、「SG」は「水溶性顆粒」を意味し、「CS」は「カプセル懸濁液」を意味し、「AI」は「活性成分」を意味する。
【0144】
【表10】

【0145】
実施例30 − 活性成分:光防護剤の好ましい比率を選択するためのスクリーニング
【0146】
本実施例は、共カプセル化光防護剤のエマメクチンベンゾエートに対する比率が、カプセルを日光に暴露した期間に応じて、Spodoptera littoralisの抑制に影響を及ぼすことを示すものである。
【0147】
直射日光に暴露されている綿植物に対し、実施例29に記載の試験対象製剤を、1ヘクタール当たりのエマメクチンベンゾエートの割合が5.0及び10.0グラムとなるように施用した。
【0148】
噴霧された青葉のうち十分に成長しているものを、施用後0、1、3、7、10、及び13日目に採取した。これらの葉をガラス・ジャーに移し、各々にL2 Spodoptera littoralis幼生を加えた。96時間後に幼生の死亡率を評価した。エマメクチンベンゾエートが10g/haとなるように施用した場合の10日後における抑制パーセンテージを表7に示す。
【0149】
表7中、「CS」は「カプセル懸濁液」を意味する。
【表11】

【0150】
実施例31 − 数種の光防護剤の共カプセル化
【0151】
本実施例は、光防護剤の共カプセル化混合物が、エマメクチンベンゾエートによるSpodoptera littoralisの抑制期間を延長できることを示すものである。
【0152】
実施例30記載の手順を用いて以下の試験対象製剤を調製した。エマメクチンベンゾエートが10g/haとなるように施用した場合の10日後における抑制パーセンテージを表8に示す。
【0153】
表8中、「SG」は「水溶性顆粒」を意味し、「CS」は「カプセル懸濁液」を意味する。
【0154】
【表12】

【0155】
実施例32 − 有益節足動物に対するエマメクチンベンゾエート作動放出カプセルの効果
【0156】
本実施例は、エマメクチンベンゾエートの作動放出カプセルが、非カプセル化ECに比べ、同一条件下で、直接噴霧又は残渣に暴露した場合に、有益な節足動物に対してより安全であることを示すものである。
【0157】
実施例32A − Typhlodromus pyriに対する活性
【0158】
Typhlodromus pyriの第一若虫に試験対象製剤を直接噴霧することにより、噴霧飛沫活性を評価した。試験対象製剤を予め噴霧した葉にT pyriの第一若虫を暴露することにより、残存活性を評価した。
【0159】
表9中、「EC」は「可乳化濃縮物(emulsifiable concentrate)」を意味し、「CS」は「カプセル懸濁液」を意味する。
【0160】
【表13】

【0161】
試験はIOBC guidelines(Blumel et al., 2000, pp 121-143)記載の手順に従い行なった。何れの評価試験においても、1ヘクタール当たりai10グラムの割合で、且つ、1ヘクタール当たり200リットルの施用量で、エマメクチンベンゾエートを噴霧した。処置後日数(days after treatment:DAT)3日及び7日目に、死亡率(死亡及び逃亡個体数)を評価した。7DATにおける訂正死亡率の結果を表10に示す。
【0162】
【表14】

【0163】
実施例32B − ミツバチ(Apis mellifera)に対する接触及び経口活性
【0164】
実施例21に記載の製剤のミツバチ(Apis mellifera)に対する接触活性を評価するために、試験対象製剤の水溶液滴1μLを、精密塗布器を用いてハチの各個体の背中に塗布した。塗布用量はハチ1匹当たり活性成分0.05μgとした。24時間後に死亡率を評価した。別の試験として、試験対象製剤を含有する50%ショ糖溶液をハチに摂食させた。標的用量はハチ1匹当たり活性成分0.07μgとした。24時間後に死亡率を評価した。結果を表11に示す。
【0165】
表11中、「EC」は「可乳化濃縮物(emulsifiable concentrate)」を意味する。
【0166】
【表15】

【0167】
実施例21に詳述した作動放出製剤の接触及び経口活性は、エマメクチンベンゾエートを含有するEC製剤と比較して、少なくとも一桁低い値である。
【0168】
実施例33 − 細胞毒性評価試験
【0169】
本実施例は、エマメクチンベンゾエートの作動放出カプセルが、カプセル化してない可乳化濃縮物(EC)に比べて、培養細胞に対する毒性がより低いことを実証するものである。ここから、本カプセル懸濁液(CS)は、上記(EC)に比べて、眼に与える刺激がより少ないものと推測される。
【0170】
実施例21に詳述した製剤を、生体外K562細胞毒性評価試験で評価した。これはLewis et al (1994), in Toxicology in Vitro, vol 8, pgs 865-866に詳述された段階的アプローチの一部として使用されている。本手法は、生体内で重篤な眼刺激性を有する物質を、パーセント生存率(percent viability)から予測するために開発された。閾値は85%に設定し、これ未満の場合には、その物質を生体内で試験した場合に重篤な眼刺激を生じる可能性が高いと判断する。結果を表12に示す。
【0171】
【表16】

【0172】
Proclaim 019ECは、15分間暴露後の細胞の生存率に、対照値と比較して有意な低下を生じたことから、生体に重篤な眼刺激を引き起こす可能性が高いと判断される。これに対して、エマメクチンベンゾエートのCS製剤は、同一の実験条件の下でも、細胞の生存率に有意な低下を生じなかったことから、生体に重篤な眼刺激を引き起こす可能性が低いと判断される。
【図面の簡単な説明】
【0173】
【図1】各種の光防護剤と共カプセル化されたエマメクチンベンゾエートの光安定性。
【図2】各種の光防護剤と共カプセル化されたエマメクチンベンゾエートの光安定性。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有害生物(pest)による物質の被害を抑制する方法であって、前記物質に対し、(a)及び(b)を含んでなるカプセルを含んでなる組成物を適用する工程を含んでなり、
(a)は、少なくとも摂取時に活性であって、且つ光易変性(photolabile)である農薬であり、
(b)は、
オールトランス−(オールE)−1,1’−(3,7,12,16−テトラメチル−1,3,5,7,9,11,13,15,17−オクタデカノナエン−1,18−ジイル)ビス[2,6,6−トリメチルシクロヘキセン;
2−エチルヘキシル−p−メトキシシナメート;
1,3−ビス−[2’−シアノ−3’,3−ジフェニルアクリロイル)オキシ]−2,2−ビス−{[2−シアノ−3’,3’−ジフェニルアクリロイル)オキシ]メチル}プロパン;
エチル2−シアノ−3,3−ジフェニル−2−プロペノエート;
2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート;
2,3−ジヒドロ−1,3,3−トリメチル−2−[(2−メチル−3H−インドール−3−イリデン)エチリデン]−1H−インドール,一塩酸塩;
3,6−ジアミノ−10−メチルアクリジニウムクロリド+3,6−ジアミノアクリジン;
1−アミノ−9,10−ジヒドロ−9,10−ジオキソ−4−(フェニルアミノ)−2−アントラセンスルホン酸一ナトリウム;
1−アミノ−2−メチル−9,10−アントラセンジオン;
1,4−ビス[(1−メチルエチル)アミノ]−9,10−アントラセンジオン;
1,4−ビス[(4−メチルフェニル)アミノ]−9,10−アントラセンジオン;
1−ヒドロキシ−4−[(4−メチルフェニル)アミノ]−9,10−アントラセンジオン;
4−ヒドロキシ−3−[(2−ヒドロキシ−1−ナフタレニル)アゾ]−ベンゼンスルホン酸一ナトリウム;
4−[(2−ヒドロキシ−1−ナフタレニル)アゾ]−3−メチル−ベンゼンスルホン酸一ナトリウム;
4−[(4−ニトロフェニル)アゾ]−N−フェニル−ベンゼンアミン;
4−[[4−(フェニルアゾ)−1−ナフタレニル]アゾ]−フェノール;
3−[エチル[4−[(4−ニトロフェニル)アゾ]フェニル]アミノ]−プロパンニトリル;
4−[(4−ニトロフェニル)アゾ]−ベンゼンアミン;
3−ヒドロキシ−4−[(1−ヒドロキシ−2−ナフタレニル)アゾ]−7−ニトロ−1−ナフタレンスルホン酸一ナトリウム;
1−[[2,5−ジメチル−4−[(2−メチルフェノール)アゾ]フェニル]アゾ]−2−ナフタレノール;
1−[[4−[(ジメチルフェニル)アゾ]ジメチルフェニル]アゾ]−2−ナフタレノール;
1−(オルト−トリルアゾ)−2−ナフトール;
4−アミノ−5−ヒドロキシ−3,6−ビス[[4−[[2−(スルホオキシ)エチル]スルホニル]フェニル]アゾ]−2,7−ナフタレンジスルホン酸四ナトリウム;
1−[[4−(フェニル)アゾ)フェニル]アゾ]−2−ナフタレノール;
1−[[3−メチル−4−[(3−メチルフェノール)アゾ]フェニル]アゾ]−2−ナフタレノール;
2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチル−6−[[4−(フェニルアゾ)−1−ナフタレニル]アゾ]−1H−ペリミジン;
1−(フェニルアゾ)−2−ナフタレノール;
1−[[2−メチル−4−[(2−メチルフェノール)アゾ]フェニル]アゾ]−2−ナフタレノール;
1,3(2H)−ジオン,2−(3−ヒドロキシ−2−キノリニル)−1H−インデン;
2−(1,3−ジヒドロ−3−オキソ−2H−インドール−2−イリデン)−1,2−ジヒドロ−3H−インドール−3−オン;
2−(1,3−ジヒドロ−3−オキソ−5−スルホ−2H−インドール−2−イリデン)−2,3−ジヒドロ−3−オキソ−1H−インドール−5−スルホン酸二ナトリウム;
1−(フェニルアゾ)−2−ナフタレノールと1,4−ビス[(1−メチルエチル)アミノ]−9,10−アントラセンジオンとの混合物;
1−(フェニルアゾ)−2−ナフタレノールと1,4−ビス[(1−メチルエチル)アミノ]−9,10−アントラセンジオン及び1−[[2−メチル−4−[(2−メチルフェノール)アゾ]フェニル]アゾ]−2−ナフタレノールとの混合物;
ベンゾ[a]フェノキサジン−7−イウム,5−アミノ−9−(ジエチルアミノ)−,スルフェート;
N−[4−[[−(ジエチルアミノ)フェニル](2,4−ジスルホフェニル)メチレン]−2,5−シクロヘキサジエン−1−イリデン]−N−エチル−エタナミニウム,内塩,ナトリウム塩;
N−[4−[[4−(ジメチルアミノ)フェニル][4−(フェニルアミノ)−1−ナフタレニル]メチレン]−2,5−シクロヘキサジエン−1−イリデン]−N−メチル−メタナミニウムクロリド;
N−[4−[[4−(ジメチルアミノ)フェニル][4−(エチルアミノ)−1−ナフタレニル]メチレン]−2,5−シクロヘキサジエン−1−イリデン]−N−メチル−メタナミニウムクロリド;
4,5,6,7−テトラクロロ−3’,6’−ジヒドロキシ−2’,4’,5’,7’−テトラヨードスピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−[9H]キサンテン]−3−オン二ナトリウム塩;
2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−3,5,7−トリヒドロキシ−4H−1−ベンゾピラン−4−オン;
N,N’,N”,N'''−テトラキス(4,6−ビス(ブチル−(N−メチル)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ)トリアジン−2−イル)−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン;
ポリ[[6−[(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−2−4−ジイル][2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジンイル)イミノ]−1,6−ヘキサンジイル[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジンイル)イミノ]]);
2,2,6,6−テトラ−メチル−4−ピペリジノールと高級脂肪酸(主にステアリン酸及びパルミチン酸)とのエステルの混合物;
プロパン二酸,[(4−メトキシ−フェニル)−メチレン]−,ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジンイル)エステル;
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバセート;
ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジンイル)エステル;
N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジンイル)−1,6−ヘキサンジアミンと、2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンの3−ブロモ−1−プロペン、N−ブチル−1−ブタンアミン及びN−ブチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジンアミンの反応産物とのポリマー、酸化,水素化物;
4−メチル−2,6−ジ−tert−ブチルフェノール;
オクタデシル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシナメート;
2−tert−ブチル−1,4−ベンゼンジオール;
’2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン;
2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン;
2−ヒドロキシ−4−n−オクチロキシベンゾフェノン;
2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)−安息香酸,ヘキシルエステル;
2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン;
’2(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール;
α−[3−[3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]−1−オキソプロピル]−ω−ヒドロキシ−ポリ(オキシ−1,2−エタンジイル);
2−(2’−ヒドロキシ−3’−ドデカニル−5’−メチルフェニル)−ベンゾトリアゾール;
2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール;
’2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール;
’2−(2’−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール;
2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノール;
3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−(1,1−ジ−メチルエチル)4−ヒドロキシ−ベンゼンプロパン酸,C7−9分岐鎖及び直鎖アルキルエステル;
2−[4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−[2−ヒドロキシ−3−(ドデシロキシ−及びトリデシロキシ)プロポキシ]フェノール;
酸化亜鉛;
二酸化チタン;
酸化亜鉛と二酸化チタンとの混合物;
微粉化カーボンブラック;
3,5,6−トリヒドロキシ安息香酸n−プロピルエステル;
ヨウ化ナトリウム;
2,2’−チオビス[4−t−オクチルフェノラート]−ベータ−ブチルアミンニッケル(II);
2−エチル,2’−エトキシオキサルアニリド;
3,9−ビス(オクタデシロキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン+1,1’,1”−ニトリロトリス−2−プロパノール;
3,9−ビス[2,4−ビス(1−メチル,1−フェニルエチル)フェノキシ]−2,4,8,10−テトラオキサ,3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン;
トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト;
1,2−ジヒドロキシアントラキノン;
7−β−D−グルコピラノシル−9,10−ジヒドロ−3,5,6,8−テトラヒドロキシ−1−メチル−9,10−ジオキソ−2−アントラセンカルボン酸;
5−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン;
亜硫酸ナトリウム;
ジステアリル−ジスルフィド;
ジステアリルチオジプロピオネート;
から選択される少なくとも一種の化合物であり、
これらは各々任意に、ブチル化ヒドロキシアニソールとの組み合わせでもよく;更に、
前記カプセルのポリマーバリア(polymeric barrier)、或いは前記ポリマーバリア内の部分が、塩基開裂性(base cleavable)である方法。
【請求項2】
前記カプセルが、レザボア(reservoir)カプセル又はマトリックス(matrix)カプセルの何れかである、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記レザボアカプセルが、実質的に水非混和性(water-immiscible)の担体液を含有する、請求項2記載の方法。
【請求項4】
少なくとも一種の化合物(b)が前記担体液に溶解又は分散される、請求項1から3の何れか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記農薬が前記担体液に溶解又は分散される、請求項1から4の何れか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記農薬が、エマメクチン、スピノサド、ミルベメクチン、プロフェノホス、ルフェヌロン、ラムダ−シハロトリン、フェノキシカルブ、アバメクチン、デルタメトリン、チオジカルブ、チアクロプリド、トリフルムロン、シラフルオフェン、テブフェノジド、アルジカルブ、メトキシフェノジド、クロルピリホスメチル、インドキサカルブ、クロルフェナピル、及びフィプロニルから選択される、請求項1から5の何れか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記農薬がエマメクチン、スピノサド、又はフィプロニルである、請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記カプセルが水性媒体中の前記組成物に分散される、請求項1から7の何れか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記物質が農学用物質(agronomic material)である、請求項1から8の何れか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記物質が非農学用物質(non-agronomic material)である、請求項1から8の何れか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記有害生物がアルカリ性の消化器内環境を有する、請求項1から10の何れか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記有害生物がアルカリ性の消化器内環境を有する虫である、請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記害虫(pest insect)が、チョウ目(Lepidoptera)、コウチュウ目(Coleoptera)、又はハエ目(Diptera)である、請求項1から9及び請求項11から12の何れか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記害虫がシロアリ目(Isoptera)である、請求項1から8及び請求項10から12の何れか一項に記載の方法。
【請求項15】
請求項1から8の何れか一項に記載の組成物。
【請求項16】
前記組成物が更に少なくとも一種の他の農薬を含んでなる、請求項15記載の組成物。
【請求項17】
請求項1から7の何れか一項に記載のカプセル。
【請求項18】
前記カプセルが更に少なくとも一種の他の農薬を含んでなる、請求項17記載のカプセル。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2008−531514(P2008−531514A)
【公表日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−556554(P2007−556554)
【出願日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際出願番号】PCT/EP2006/001657
【国際公開番号】WO2006/089747
【国際公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【出願人】(500584309)シンジェンタ パーティシペーションズ アクチェンゲゼルシャフト (352)
【出願人】(500371307)シンジェンタ リミテッド (141)
【Fターム(参考)】