カム−楔ロック機構
本発明は、ロック機構に関する。本発明は、ロック位置から位置決めデバイスを解除するための機構である。この位置決めデバイスは、一方向にのみカム部材の旋回可能な移動を可能とする旋回可能なカム部材に向かって促される可動式の楔を有する。この解除機構は、楔に取り付けられカム部材と係合可能なレバーを備える。このレバーとカム部材とを係合することによって、カム部材から離れるように楔を促し、いずれかの方向へのカム部材の旋回を可能とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
（発明の背景）
本発明は、ロック機構に関する。特に、本発明は、リトラクター取り付け装置に取り付けられる外科手術用リトラクターブレードを選択的に位置させるためのカムおよび楔のロック機構に関する。
【背景技術】
【０００２】
多くの型の外科手術の間に、外科的切開部近傍の組織をとどめるためにリトラクターを使用する必要性がある。このリトラクターは、外科医が外科的切開部で、および外科的切開部内で作業することを可能とする。リトラクターは典型的に、ブレードおよびアーム（例えば、シャフト）を備え、ブレードは、このアームに取り付けられる。リトラクターは一般に、アタッチメントによってリトラクター支持装置に適所に固定される。このリトラクター支持装置は、支持表面（手術台）上に配置される。リトラクター支持装置は一般に、上記手術台の一以上の側面に沿って位置されるサイドレールに、支点クランプまたはカムクランプのようなクランプデバイスによって取り付けられる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
現在のリトラクターは、そのアームが典型的に、固く柔軟性のないロッドであるために、操作および外科的切開部上への配置が容易ではない。正確な位置に上記リトラクターをロックするためのクランプ機構は典型的に、扱いにくく、患者を損傷する危険性が増加し得る複雑な操作を必要とする。典型的に、上記リトラクターの調節によって上記手術台の側面にこのリトラクターを取り付ける上記のクランプ機構を生じる。上記の位置にリトラクターを位置決めすることは、クランプデバイスを、患者の汚染の危険性を増大させ得る位置で操作または配置することが困難であり得るため、挑戦であり続ける。
【課題を解決するための手段】
【０００４】
（発明の概要）
本発明は、リトラクター装置のリトラクターブレードを選択的に位置決めするための自動ロック機構である。本発明は、カムに取り付けられたリトラクターブレードおよび楔ロック機構を備える。上記カムおよび楔ロック機構は、上記楔が、上記カムにかみ合う間、第一の位置から第二の位置まで上記リトラクターブレードの旋回運動を可能とするが、その逆旋回を妨げる。解除機構は、ロック機構に取り付け上記カムから上記楔が離れるように進め、上記リトラクターブレードの逆旋回を可能とする。
【０００５】
（詳細な説明）
本発明のリトラクター装置は一般に、図１の１０に示される。本発明のロック機構は一般に、１２で示される。上記ロック機構１２は、ロック機構１２が係合している間、第一の正立位置１６から第二の下向き位置１８（破線で示される）まで、一方向にのみリトラクターブレード５０の旋回運動を自動的に可能とするように設計される。上記ロック機構１２は、カム部材１４、楔部材２０、およびバネ２２を備え、図２に示されるようにハウジング２４内に全て収められる。
【０００６】
カム部材１４は、貫通孔２６を備え、この貫通孔２６は、カム部材１４の旋回軸２７を規定する。ハウジング２４は、第一および第二のはめ込み開口部２８を備え、そのうちの一つのみが、示されている。上記はめ込み開口部２８は、対面する壁部分に配置されることによって互いに整列される。上記カム部材１４は、上記ハウジング２４内に配置され、その結果上記貫通孔２６は、各はめ込み開口部２８と整列する。
【０００７】
固定ピン３０は、上記はめ込み開口部２８およびカム部材１４の貫通孔２６を通して挿入され、その結果上記ハウジング２４に上記カム部材１４を旋回可能に固定する。上記ハウジング２４内に一旦固定されると、上記カム部材１４は、上記第一の正立位置１６と第二の下向き位置１８との間で自由に旋回可能である。
【０００８】
上記第一の正立位置１６は、ハウジング２４に接触する上記カム部材１４の第一の上面３２によって規定されるが、上記第二の下向き位置１８は、ハウジング２４に接触する上記カム部材１４の第二の下面３４によって規定される。しかし、用語「上」および「下」は、任意の用語であって、図を参照する場合に例示する目的で用いられる点に注意すべきである。
【０００９】
上記カム部材１４はさらに、軸２７から規定されるような点Ａから点Ｂまで減少する半径を有するカム表面３６を備える。上記カム表面３６は、偏心性の構造（旋回軸が、オフセット位置にある）を生じ得、またはこのカム表面３６は、旋回軸または当該分野で公知の他の構築体からの突出したオフセットである。点Ａは、上記カム表面３６上の点として規定され、ここで上記楔２０の斜面４０は、カム部材１４と接触し、上記第一の正立位置１６におけるカム部材１４に対応する。点Ｂは、上記カム表面３６上の点として規定され、ここで上記楔２０の斜面４０は、カム部材１４と接触し、上記第二の下向き位置１８にあるカム部材１４に対応する。
【００１０】
上記楔２０は、上記ハウジング２４内に配置される可動式部材であって、その結果、楔２０の斜面４０は、上記カム部材１４のカム表面３６と接触することを可能とする。この楔２０は、楔２０が接触している間、無数の位置を通って可動式である。第一の最初の係合位置４２および破線における第二の伸長位置４４が、図２に示される。この第一の最初の係合位置４２は、上記リトラクターブレード５０が、第一の正立位置にあり、かつ上記楔２０が、上記カム部材１４と接触する位置として規定される。上記第二の伸長位置４４は、上記リトラクターブレード５０が、第二の下向き位置１８にあり、さらに楔２０の前方向への移動が、妨げられる位置として規定される。この楔はまた、非係合位置（図示せず）までカム部材から離れるように可動し、ここでこの楔は、カム部材１４から外され、そしてリトラクターブレード５０は、いずれかの方向に自由に旋回可能である。
【００１１】
上記楔２０の斜面４０の高さは、楔２０の第一の前端部４６で最低であり、楔２０の長さを下るに従って増加する。
【００１２】
圧縮バネ２２は、楔２０を第二の延長位置４４に向かって、かつカム部材１４に逆らって進め、これによって、楔２０の傾斜表面４０をカム部材１４のカム表面３６と接触させる。指用タブ４８は、楔２０に取り付けられる。この指用タブ４８は、ユーザーに、楔２０を引いてカム部材１４を接触から離し、第一の位置４２に向かわせる。
【００１３】
操作の際、力がこの指用タブ４８に適用され、この力は、圧縮バネ２２の力に打ち勝ち、これによって、楔２０を引いてカム部材１４から離し、第一の最初の係合位置４２に向かわせ、さらには第一の最初の係合位置４２を越えさせる。動いて第一の非係合位置を通り過ぎる際、このカム部材１４は、いずれの方向にも自由に旋回可能である。リトラクターブレード５０、および従ってカム部材１４は、指用タブ４８を係合して、楔２０を第一の位置４２に向かって進めることによって、手動で第一の正立位置１６に配置可能である。指用タブ４８に適用される力の除去によって、圧縮バネ２２は、楔２０を進めて、カム部材１４と接触させる。この楔２０がカム部材１４に係合する際、このカム部材１４は、第一の正立位置１６から第二の下向き位置１８へと旋回可能であるのみであり、逆は不可能である。
【００１４】
カム部材１４が、第一の位置１６から第二の位置１８へと旋回する場合、カム表面３６の点Ａから点Ｂへの半径の減少は、圧縮バネ２２が、楔２０を第二の延長位置４４へと進めることを可能にし、この楔２０がカム部材１４と接触し続けるようにする。第二の下向き位置１８から第一の正立位置１６に向かう方向への、カム部材１４の逆旋回は、不可能である。なぜなら、このカム部材１４のカム表面３６は、楔２０の傾斜表面４０に対して力を受けているからである。点Ｂから点Ａへのカム部材１４の半径の長さの相対的な増加（カム表面３６を規定する）は、楔２０の高さの増加ととともに、逆方向へのカム部材１４の旋回移動を禁止する。
【００１５】
第一の正立位置１６へとカム部材１４を旋回させるため、力が指用タブ４８に適用されて、圧縮バネ２２の力に打ち勝ち、楔２０を第一の最初の係合位置４２に向かってスライドさせる。楔２０が最初の係合位置４２を動いて通り過ぎる場合、この楔２０は、カム部材１４からはずれ、そしてカム部材１４は、いずれの方向にも自由に旋回可能である。次いで、このカム部材１４は、第一の正立位置１６に位置し得る。
【００１６】
本発明の好ましい実施形態において、リトラクターブレード５０がカム部材１４に取り付けられる。各図において示すように、このリトラクターブレード５０は、カム部材１４に取付けられた第一の脚５２を備える、ほぼ「Ｌ」形の構成を有する。このリトラクターブレードの第二の脚５４は、ロック機構１２を過ぎて延び、外科手術の間、選択された位置で肉体（例えば、皮膚および筋肉組織）を収縮するように構成される。好ましくは、このリトラクター装置１０は、近位端５８と遠位端６０とを有する腕５６を備える。このリトラクター装置１０のハウジング２４は、この腕５６の近位端５８に取り付けられる。
【００１７】
使用において、第一の正立位置１６にあるこのリトラクターブレード５０は、外科手術の切開の際に配置され、その腕５６の遠位端６０は、手術台（示されない）に固定される。次いで外科医は、リトラクターブレード５０、従ってカム部材１４を第二の下向き位置１８に向かって旋回させることによって、このリトラクターブレード５０をさらに配置させ得る。
【００１８】
リトラクターブレード５０の選択された位置が得られた場合、第一の正立位置１６と第二の下向き位置１８との間に無数の選択可能な位置が存在するが、このリトラクターブレード５０は、自動ロック機構１２により選択された位置に保持される。リトラクターブレード５０上の負荷（保持する肉体によって提供される）は、このリトラクターブレード５０を第一の正立位置１６に向かって逆方向に進める傾向がある。しかし、楔２０がカム部材１４と係合する場合、逆方向への旋回は不可能であり、肉体は選択した位置に保持される。したがって、このリトラクターブレード５０は、自動的に選択された位置に保持される。このリトラクターブレード５０は、外科医が所望する場合、このリトラクターブレード５０、したがってカム部材１４をさらに旋回することによって、術野への接近性を高めるようにさらに配置され得る。カム部材１４の、第二の下向き位置１８の方向への任意の量の旋回により、カム部材１４は、その位置にロックされる。
【００１９】
第一の正立位置１６に向かってこのリトラクターブレード５０を再配置するため、圧縮バネ２２に打ち勝つ力が、指用タブ４８に適用されて、楔２０を第一の最初の係合位置４２に向かって進める。楔２０が、この最初の係合位置４２に向かって移動する場合、傾斜表面４０の相対的な高さが減少し、相対的に減少する楔２０の傾斜表面４０の高さに接触する、相対的に増加するカム表面３６の半径のため、このカム部材１４（リトラクターブレード５０上に負った負荷に起因して、第一の正立位置１６に向かって旋回する傾向を有する）を逆方向に旋回させる。第一の非係合位置に向かう楔２０のあらゆる動きは、カム部材１４を逆旋回させ、したがって第一の正立位置１６に向かうリトラクターブレード５０の位置に影響する。
【００２０】
リトラクター装置１０を、外科手術手順完了の際に除去するため、指用タブ４８が使用されて、楔２０を最初の係合位置４２を過ぎて位置させ、カム部材１４を自由に旋回させる。リトラクターブレード５０は、第一の正立位置１６に導かれ、そして装置１０が手術部位から除去される。
【００２１】
本発明の代替的実施形態は、一般的に、図３〜図５における１００で示される。代替的実施形態１００と一緒に使用するための解除機構は、一般的に、１１０で示され、一方ロック機構は、一般的に１１２で示される。ロック機構１１２は、第一の正立位置１１６から第二の下向き位置１１８（点線で示される）への一方向のみへのリトラクターブレード１１４の旋回性の動きを自動的に許容し、一方ロック機構１１２は係合されているように設計される。解除機構１１０は、収縮力がリトラクターブレード１１４上で発揮される場合、第二の下向き位置１１８と第一の正立位置１１６との間にリトラクターブレードを選択的に配置する手段を提供する。
【００２２】
ロック機構１１２は、カム部材１２０、楔１２２およびバネ１２４を備え、これら全ては、ハウジング１２６内に囲まれる。このカム部材１２０は、貫通孔１２８（カム部材１２０のための旋回軸１３０）を備える。このハウジング１２６は、第一および第二のはめ込み開口部１３２を備え、それらの１つのみが図示されている。このはめ込み開口部１３２は、ハウジング１２６の向かい合う壁部分に配置されることによって、互いに整列する。カム部材１２０は、ハウジング１２６内に配置され、したがって貫通孔１２８は、各はめ込み開口部１３２と整列する。
【００２３】
固定ピン１３４は、カム部材１２０のはめ込み開口部１３２および貫通孔１２８を通して挿入され、これによって、このカム部材１２０をハウジング１２６に旋回可能に固定する。一旦ハウジング１２６内に固定された場合、このカム部材１２０は、第一の正立位置１１６と第二の下向き位置１１８と間を自由に旋回可能である。
【００２４】
カム部材１２０は、軸１３０上に規定された点Ｄから点Ｅへと半径を減少させるカム表面１３６をさらに備える。このカム表面１３６は、偏心性構築物の結果であり得る（ここで、この旋回軸は、オフセット位置にある）か、またはここで、このカム表面１３６は、旋回軸もしくは当該分野で公知の他の構築物からの突出したオフセットである。点Ｄは、カム表面１３６上の点として規定され、ここで、楔１２２の傾斜表面１３８は、第一の正立位置１１６におけるカム部材１２０に対応して、カム部材１２０と接触する。点Ｅは、カム表面１３６上の点として規定され、ここで、楔１２２の傾斜表面１３８は、第二の下向き位置１１８にあるカム部材１２０に対応して、カム部材１２０と接触する。
【００２５】
楔１２２は、ハウジング１２６内に置かれた可動部材であり、これによって楔１２２の傾斜表面１３８は、カム部材１２０のカム表面１３６に接触し得る。この楔１２２は、カム部材１２０を接触する間、無数の位置を通って動くことができる。無数の位置は、第一の最初の係合位置１４０および第二の延長位置１４２によって最もよく説明される。図４に図示されるように、第一の最初の係合位置１４０は、リトラクターブレード１１４が第一の正立位置１１６にあって楔１２２がカム部材１２０に接触する位置として規定される。第二の延長位置１４２は、リトラクターブレード１１４が第二の下向き位置１１８にあって、楔１２２のさらなる前方への動きを禁止する位置として規定される。この楔１２２はまた、カム部材１２０から離れて非係合位置（示されない）に移動し得る。この非係合位置で、この楔１２２は、カム部材１２０からはずれて、リトラクターブレード１１４はいずれの方向にも自由に旋回可能となる。楔１２２の傾斜表面１３８の高さは、楔１２２の第一前端１４４で最も低く、楔１２２の長さを下るに従って増加する。
【００２６】
圧縮バネ１２４は、楔１２２を第二の延長位置１４２に向けて、そしてカム部材１２０に逆らって進め、これによって楔１２２の傾斜表面１３８をカム表面１３６に接触させる。解除機構１１０は、楔１２２に旋回可能に取り付けられる。この解除機構１１０は、ユーザーに、楔１２２を第一の位置１４０に向けて徐々に押させてカム部材１２０との接触から離し、したがってリトラクターブレード１１４を第二の位置１１８から第一の位置１１６に向かって徐々に移動させることを可能にする。
【００２７】
解除機構１１０は、開口部１４８を有するレバー１４６を備える。この開口部１４８を通ってピン１５０が延びて、レバー１４６を楔１２２に旋回可能に固定する。ピン１５０は、ハウジング１２６内に位置するスロットつき開口部１５２内にスライド可能に配置する。このスロットつき開口部１５２は、両側に平坦表面１５４を備え、この上にレバー１４６はスライド可能に係合する。図３に示されるように、レバー１４６は、非係合位置（点線）と係合位置（実線）との間で旋回可能である。非係合位置から係合位置に向かってレバー１４６を配置する場合、このレバー１４６は、カム部材１２０の隣接表面１５６と係合する。ねじれバネ１５０が提供されて、使用中、レバー１４６を非係合位置に保持し、このレバー１４６の隣接表面１５６との望ましくない係合を防ぐ。
【００２８】
操作において、この解除機構１１０は、楔１２２をカム部材１２０からはずす。レバー１４６は、隣接表面１５６と十分に係合するように配置され、圧縮バネ１２４の力に打ち勝ち、これによって、楔１２２を引いてカム部材１２０から離し、第一の最初の係合位置１４０に向かわせ、さらにはそれを越えさせる。第一の非係合位置を動いて過ぎる場合、カム部材１２０は、隣接表面１５６と係合するレバー１４６の摩擦力に逆らういずれの方向にも旋回可能である。リトラクターブレード１１４、したがってカム部材１２０は、第一の正立位置１１６に手動で配置される。レバー１４６をはずす際、ねじれバネ１５８は、非係合位置にレバー１４６を進め、そして圧縮バネ１２４は、楔１２２を進めてカム部材１２０と接触させる。楔１２２がカム部材１２０と係合する際、このカム部材１２０は、第一の正立位置１１６から第二の下向き位置１１８へと旋回し得るのみであり、逆は不可能である。
【００２９】
カム部材１２０が、第一の位置１１６から第二の位置１１８へと旋回する場合、カム表面１３６の点Ｄから点Ｅへの半径の減少は、圧縮バネ１２４に、楔１２２を第二の延長位置１４２に向かって進ませ、楔１２２は、カム表面１３６に接触し続ける。カム部材１２０の、第二の下向き位置１１８から第一の正立位置１１６へ向かう方向への逆旋回は、不可能である。なぜなら、カム部材１２０のカム表面１３６は、楔１２２の傾斜表面１３８に対して力を受けているからである。点Ｅから点Ｄへのカム部材１２０の半径の長さの相対的な増加（カム表面１３６を規定する）は、楔１２２の高さの増加ととともに、逆方向へのカム部材１２０の旋回移動を禁止する。
【００３０】
第一の正立位置１１６に向かってリトラクターブレード１１４を配置するため、解除機構１１０が設けられ、楔１２２を、第一の最初の係合位置１４０に向かってスライドするように進める。レバー１４６は、カム部材１２０の隣接表面１５６と係合するように配置される。圧縮バネ１２４の力に打ち勝つ際、楔１２２は、移動してカム部材１２０から離れ、このカム部材１２０をわずかに旋回させて、リトラクターブレード１１４を無数の位置に再配置させる。楔１２２が最初の係合位置１４０に向かって移動する場合、レバー１４６が、ハウジングの平坦表面１５４上をスライドし、これによって、レバー１４６と隣接表面１５６との接触が、移動する傾斜表面１３８とカム表面１３６との接触と同時に起こる。楔１２２が最初の係合位置１４０に達する場合、レバー１４６は、カム部材１２０がいずれの方向にも旋回可能となってリトラクターブレード１１４を配置するために、手動で楔１２２をカム部材１２０からはずさなければならない。
【００３１】
リトラクターブレード１１４、および外科手術上の設置におけるリトラクター装置１００の使用は、リトラクター装置１０の実施形態に関して記載されたのと同じである。
【００３２】
本発明は、好ましい実施形態を参照して記載されたが、当業者は、本発明の精神および範囲から逸脱することなく形態および詳細における変更がなされ得ることを、認識する。
【図面の簡単な説明】
【００３３】
【図１】図１は、第一の位置（詳細）および第二の位置（破線）におけるリトラクターブレードを備える、本発明の第一の実施形態の斜視図である。
【図２】図２は、第一の位置（詳細）および第二の位置（破線）におけるリトラクターブレードを備える、本発明の第一の実施形態の断面図である。
【図３】図３は、非係合位置（破線）および係合位置（詳細）における解除機構のレバーと共に、第一の位置（詳細）および第二の位置（破線）におけるリトラクターブレードを備える、本発明の第二の実施形態の斜視図である。
【図４】図４は、第一の位置（詳細）および第二の位置（破線）におけるリトラクターブレードを備える、本発明の第二の実施形態の断面図である。
【図５】図５は、本発明の第二の実施形態の組み立て斜視図である。
【技術分野】
【０００１】
（発明の背景）
本発明は、ロック機構に関する。特に、本発明は、リトラクター取り付け装置に取り付けられる外科手術用リトラクターブレードを選択的に位置させるためのカムおよび楔のロック機構に関する。
【背景技術】
【０００２】
多くの型の外科手術の間に、外科的切開部近傍の組織をとどめるためにリトラクターを使用する必要性がある。このリトラクターは、外科医が外科的切開部で、および外科的切開部内で作業することを可能とする。リトラクターは典型的に、ブレードおよびアーム（例えば、シャフト）を備え、ブレードは、このアームに取り付けられる。リトラクターは一般に、アタッチメントによってリトラクター支持装置に適所に固定される。このリトラクター支持装置は、支持表面（手術台）上に配置される。リトラクター支持装置は一般に、上記手術台の一以上の側面に沿って位置されるサイドレールに、支点クランプまたはカムクランプのようなクランプデバイスによって取り付けられる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
現在のリトラクターは、そのアームが典型的に、固く柔軟性のないロッドであるために、操作および外科的切開部上への配置が容易ではない。正確な位置に上記リトラクターをロックするためのクランプ機構は典型的に、扱いにくく、患者を損傷する危険性が増加し得る複雑な操作を必要とする。典型的に、上記リトラクターの調節によって上記手術台の側面にこのリトラクターを取り付ける上記のクランプ機構を生じる。上記の位置にリトラクターを位置決めすることは、クランプデバイスを、患者の汚染の危険性を増大させ得る位置で操作または配置することが困難であり得るため、挑戦であり続ける。
【課題を解決するための手段】
【０００４】
（発明の概要）
本発明は、リトラクター装置のリトラクターブレードを選択的に位置決めするための自動ロック機構である。本発明は、カムに取り付けられたリトラクターブレードおよび楔ロック機構を備える。上記カムおよび楔ロック機構は、上記楔が、上記カムにかみ合う間、第一の位置から第二の位置まで上記リトラクターブレードの旋回運動を可能とするが、その逆旋回を妨げる。解除機構は、ロック機構に取り付け上記カムから上記楔が離れるように進め、上記リトラクターブレードの逆旋回を可能とする。
【０００５】
（詳細な説明）
本発明のリトラクター装置は一般に、図１の１０に示される。本発明のロック機構は一般に、１２で示される。上記ロック機構１２は、ロック機構１２が係合している間、第一の正立位置１６から第二の下向き位置１８（破線で示される）まで、一方向にのみリトラクターブレード５０の旋回運動を自動的に可能とするように設計される。上記ロック機構１２は、カム部材１４、楔部材２０、およびバネ２２を備え、図２に示されるようにハウジング２４内に全て収められる。
【０００６】
カム部材１４は、貫通孔２６を備え、この貫通孔２６は、カム部材１４の旋回軸２７を規定する。ハウジング２４は、第一および第二のはめ込み開口部２８を備え、そのうちの一つのみが、示されている。上記はめ込み開口部２８は、対面する壁部分に配置されることによって互いに整列される。上記カム部材１４は、上記ハウジング２４内に配置され、その結果上記貫通孔２６は、各はめ込み開口部２８と整列する。
【０００７】
固定ピン３０は、上記はめ込み開口部２８およびカム部材１４の貫通孔２６を通して挿入され、その結果上記ハウジング２４に上記カム部材１４を旋回可能に固定する。上記ハウジング２４内に一旦固定されると、上記カム部材１４は、上記第一の正立位置１６と第二の下向き位置１８との間で自由に旋回可能である。
【０００８】
上記第一の正立位置１６は、ハウジング２４に接触する上記カム部材１４の第一の上面３２によって規定されるが、上記第二の下向き位置１８は、ハウジング２４に接触する上記カム部材１４の第二の下面３４によって規定される。しかし、用語「上」および「下」は、任意の用語であって、図を参照する場合に例示する目的で用いられる点に注意すべきである。
【０００９】
上記カム部材１４はさらに、軸２７から規定されるような点Ａから点Ｂまで減少する半径を有するカム表面３６を備える。上記カム表面３６は、偏心性の構造（旋回軸が、オフセット位置にある）を生じ得、またはこのカム表面３６は、旋回軸または当該分野で公知の他の構築体からの突出したオフセットである。点Ａは、上記カム表面３６上の点として規定され、ここで上記楔２０の斜面４０は、カム部材１４と接触し、上記第一の正立位置１６におけるカム部材１４に対応する。点Ｂは、上記カム表面３６上の点として規定され、ここで上記楔２０の斜面４０は、カム部材１４と接触し、上記第二の下向き位置１８にあるカム部材１４に対応する。
【００１０】
上記楔２０は、上記ハウジング２４内に配置される可動式部材であって、その結果、楔２０の斜面４０は、上記カム部材１４のカム表面３６と接触することを可能とする。この楔２０は、楔２０が接触している間、無数の位置を通って可動式である。第一の最初の係合位置４２および破線における第二の伸長位置４４が、図２に示される。この第一の最初の係合位置４２は、上記リトラクターブレード５０が、第一の正立位置にあり、かつ上記楔２０が、上記カム部材１４と接触する位置として規定される。上記第二の伸長位置４４は、上記リトラクターブレード５０が、第二の下向き位置１８にあり、さらに楔２０の前方向への移動が、妨げられる位置として規定される。この楔はまた、非係合位置（図示せず）までカム部材から離れるように可動し、ここでこの楔は、カム部材１４から外され、そしてリトラクターブレード５０は、いずれかの方向に自由に旋回可能である。
【００１１】
上記楔２０の斜面４０の高さは、楔２０の第一の前端部４６で最低であり、楔２０の長さを下るに従って増加する。
【００１２】
圧縮バネ２２は、楔２０を第二の延長位置４４に向かって、かつカム部材１４に逆らって進め、これによって、楔２０の傾斜表面４０をカム部材１４のカム表面３６と接触させる。指用タブ４８は、楔２０に取り付けられる。この指用タブ４８は、ユーザーに、楔２０を引いてカム部材１４を接触から離し、第一の位置４２に向かわせる。
【００１３】
操作の際、力がこの指用タブ４８に適用され、この力は、圧縮バネ２２の力に打ち勝ち、これによって、楔２０を引いてカム部材１４から離し、第一の最初の係合位置４２に向かわせ、さらには第一の最初の係合位置４２を越えさせる。動いて第一の非係合位置を通り過ぎる際、このカム部材１４は、いずれの方向にも自由に旋回可能である。リトラクターブレード５０、および従ってカム部材１４は、指用タブ４８を係合して、楔２０を第一の位置４２に向かって進めることによって、手動で第一の正立位置１６に配置可能である。指用タブ４８に適用される力の除去によって、圧縮バネ２２は、楔２０を進めて、カム部材１４と接触させる。この楔２０がカム部材１４に係合する際、このカム部材１４は、第一の正立位置１６から第二の下向き位置１８へと旋回可能であるのみであり、逆は不可能である。
【００１４】
カム部材１４が、第一の位置１６から第二の位置１８へと旋回する場合、カム表面３６の点Ａから点Ｂへの半径の減少は、圧縮バネ２２が、楔２０を第二の延長位置４４へと進めることを可能にし、この楔２０がカム部材１４と接触し続けるようにする。第二の下向き位置１８から第一の正立位置１６に向かう方向への、カム部材１４の逆旋回は、不可能である。なぜなら、このカム部材１４のカム表面３６は、楔２０の傾斜表面４０に対して力を受けているからである。点Ｂから点Ａへのカム部材１４の半径の長さの相対的な増加（カム表面３６を規定する）は、楔２０の高さの増加ととともに、逆方向へのカム部材１４の旋回移動を禁止する。
【００１５】
第一の正立位置１６へとカム部材１４を旋回させるため、力が指用タブ４８に適用されて、圧縮バネ２２の力に打ち勝ち、楔２０を第一の最初の係合位置４２に向かってスライドさせる。楔２０が最初の係合位置４２を動いて通り過ぎる場合、この楔２０は、カム部材１４からはずれ、そしてカム部材１４は、いずれの方向にも自由に旋回可能である。次いで、このカム部材１４は、第一の正立位置１６に位置し得る。
【００１６】
本発明の好ましい実施形態において、リトラクターブレード５０がカム部材１４に取り付けられる。各図において示すように、このリトラクターブレード５０は、カム部材１４に取付けられた第一の脚５２を備える、ほぼ「Ｌ」形の構成を有する。このリトラクターブレードの第二の脚５４は、ロック機構１２を過ぎて延び、外科手術の間、選択された位置で肉体（例えば、皮膚および筋肉組織）を収縮するように構成される。好ましくは、このリトラクター装置１０は、近位端５８と遠位端６０とを有する腕５６を備える。このリトラクター装置１０のハウジング２４は、この腕５６の近位端５８に取り付けられる。
【００１７】
使用において、第一の正立位置１６にあるこのリトラクターブレード５０は、外科手術の切開の際に配置され、その腕５６の遠位端６０は、手術台（示されない）に固定される。次いで外科医は、リトラクターブレード５０、従ってカム部材１４を第二の下向き位置１８に向かって旋回させることによって、このリトラクターブレード５０をさらに配置させ得る。
【００１８】
リトラクターブレード５０の選択された位置が得られた場合、第一の正立位置１６と第二の下向き位置１８との間に無数の選択可能な位置が存在するが、このリトラクターブレード５０は、自動ロック機構１２により選択された位置に保持される。リトラクターブレード５０上の負荷（保持する肉体によって提供される）は、このリトラクターブレード５０を第一の正立位置１６に向かって逆方向に進める傾向がある。しかし、楔２０がカム部材１４と係合する場合、逆方向への旋回は不可能であり、肉体は選択した位置に保持される。したがって、このリトラクターブレード５０は、自動的に選択された位置に保持される。このリトラクターブレード５０は、外科医が所望する場合、このリトラクターブレード５０、したがってカム部材１４をさらに旋回することによって、術野への接近性を高めるようにさらに配置され得る。カム部材１４の、第二の下向き位置１８の方向への任意の量の旋回により、カム部材１４は、その位置にロックされる。
【００１９】
第一の正立位置１６に向かってこのリトラクターブレード５０を再配置するため、圧縮バネ２２に打ち勝つ力が、指用タブ４８に適用されて、楔２０を第一の最初の係合位置４２に向かって進める。楔２０が、この最初の係合位置４２に向かって移動する場合、傾斜表面４０の相対的な高さが減少し、相対的に減少する楔２０の傾斜表面４０の高さに接触する、相対的に増加するカム表面３６の半径のため、このカム部材１４（リトラクターブレード５０上に負った負荷に起因して、第一の正立位置１６に向かって旋回する傾向を有する）を逆方向に旋回させる。第一の非係合位置に向かう楔２０のあらゆる動きは、カム部材１４を逆旋回させ、したがって第一の正立位置１６に向かうリトラクターブレード５０の位置に影響する。
【００２０】
リトラクター装置１０を、外科手術手順完了の際に除去するため、指用タブ４８が使用されて、楔２０を最初の係合位置４２を過ぎて位置させ、カム部材１４を自由に旋回させる。リトラクターブレード５０は、第一の正立位置１６に導かれ、そして装置１０が手術部位から除去される。
【００２１】
本発明の代替的実施形態は、一般的に、図３〜図５における１００で示される。代替的実施形態１００と一緒に使用するための解除機構は、一般的に、１１０で示され、一方ロック機構は、一般的に１１２で示される。ロック機構１１２は、第一の正立位置１１６から第二の下向き位置１１８（点線で示される）への一方向のみへのリトラクターブレード１１４の旋回性の動きを自動的に許容し、一方ロック機構１１２は係合されているように設計される。解除機構１１０は、収縮力がリトラクターブレード１１４上で発揮される場合、第二の下向き位置１１８と第一の正立位置１１６との間にリトラクターブレードを選択的に配置する手段を提供する。
【００２２】
ロック機構１１２は、カム部材１２０、楔１２２およびバネ１２４を備え、これら全ては、ハウジング１２６内に囲まれる。このカム部材１２０は、貫通孔１２８（カム部材１２０のための旋回軸１３０）を備える。このハウジング１２６は、第一および第二のはめ込み開口部１３２を備え、それらの１つのみが図示されている。このはめ込み開口部１３２は、ハウジング１２６の向かい合う壁部分に配置されることによって、互いに整列する。カム部材１２０は、ハウジング１２６内に配置され、したがって貫通孔１２８は、各はめ込み開口部１３２と整列する。
【００２３】
固定ピン１３４は、カム部材１２０のはめ込み開口部１３２および貫通孔１２８を通して挿入され、これによって、このカム部材１２０をハウジング１２６に旋回可能に固定する。一旦ハウジング１２６内に固定された場合、このカム部材１２０は、第一の正立位置１１６と第二の下向き位置１１８と間を自由に旋回可能である。
【００２４】
カム部材１２０は、軸１３０上に規定された点Ｄから点Ｅへと半径を減少させるカム表面１３６をさらに備える。このカム表面１３６は、偏心性構築物の結果であり得る（ここで、この旋回軸は、オフセット位置にある）か、またはここで、このカム表面１３６は、旋回軸もしくは当該分野で公知の他の構築物からの突出したオフセットである。点Ｄは、カム表面１３６上の点として規定され、ここで、楔１２２の傾斜表面１３８は、第一の正立位置１１６におけるカム部材１２０に対応して、カム部材１２０と接触する。点Ｅは、カム表面１３６上の点として規定され、ここで、楔１２２の傾斜表面１３８は、第二の下向き位置１１８にあるカム部材１２０に対応して、カム部材１２０と接触する。
【００２５】
楔１２２は、ハウジング１２６内に置かれた可動部材であり、これによって楔１２２の傾斜表面１３８は、カム部材１２０のカム表面１３６に接触し得る。この楔１２２は、カム部材１２０を接触する間、無数の位置を通って動くことができる。無数の位置は、第一の最初の係合位置１４０および第二の延長位置１４２によって最もよく説明される。図４に図示されるように、第一の最初の係合位置１４０は、リトラクターブレード１１４が第一の正立位置１１６にあって楔１２２がカム部材１２０に接触する位置として規定される。第二の延長位置１４２は、リトラクターブレード１１４が第二の下向き位置１１８にあって、楔１２２のさらなる前方への動きを禁止する位置として規定される。この楔１２２はまた、カム部材１２０から離れて非係合位置（示されない）に移動し得る。この非係合位置で、この楔１２２は、カム部材１２０からはずれて、リトラクターブレード１１４はいずれの方向にも自由に旋回可能となる。楔１２２の傾斜表面１３８の高さは、楔１２２の第一前端１４４で最も低く、楔１２２の長さを下るに従って増加する。
【００２６】
圧縮バネ１２４は、楔１２２を第二の延長位置１４２に向けて、そしてカム部材１２０に逆らって進め、これによって楔１２２の傾斜表面１３８をカム表面１３６に接触させる。解除機構１１０は、楔１２２に旋回可能に取り付けられる。この解除機構１１０は、ユーザーに、楔１２２を第一の位置１４０に向けて徐々に押させてカム部材１２０との接触から離し、したがってリトラクターブレード１１４を第二の位置１１８から第一の位置１１６に向かって徐々に移動させることを可能にする。
【００２７】
解除機構１１０は、開口部１４８を有するレバー１４６を備える。この開口部１４８を通ってピン１５０が延びて、レバー１４６を楔１２２に旋回可能に固定する。ピン１５０は、ハウジング１２６内に位置するスロットつき開口部１５２内にスライド可能に配置する。このスロットつき開口部１５２は、両側に平坦表面１５４を備え、この上にレバー１４６はスライド可能に係合する。図３に示されるように、レバー１４６は、非係合位置（点線）と係合位置（実線）との間で旋回可能である。非係合位置から係合位置に向かってレバー１４６を配置する場合、このレバー１４６は、カム部材１２０の隣接表面１５６と係合する。ねじれバネ１５０が提供されて、使用中、レバー１４６を非係合位置に保持し、このレバー１４６の隣接表面１５６との望ましくない係合を防ぐ。
【００２８】
操作において、この解除機構１１０は、楔１２２をカム部材１２０からはずす。レバー１４６は、隣接表面１５６と十分に係合するように配置され、圧縮バネ１２４の力に打ち勝ち、これによって、楔１２２を引いてカム部材１２０から離し、第一の最初の係合位置１４０に向かわせ、さらにはそれを越えさせる。第一の非係合位置を動いて過ぎる場合、カム部材１２０は、隣接表面１５６と係合するレバー１４６の摩擦力に逆らういずれの方向にも旋回可能である。リトラクターブレード１１４、したがってカム部材１２０は、第一の正立位置１１６に手動で配置される。レバー１４６をはずす際、ねじれバネ１５８は、非係合位置にレバー１４６を進め、そして圧縮バネ１２４は、楔１２２を進めてカム部材１２０と接触させる。楔１２２がカム部材１２０と係合する際、このカム部材１２０は、第一の正立位置１１６から第二の下向き位置１１８へと旋回し得るのみであり、逆は不可能である。
【００２９】
カム部材１２０が、第一の位置１１６から第二の位置１１８へと旋回する場合、カム表面１３６の点Ｄから点Ｅへの半径の減少は、圧縮バネ１２４に、楔１２２を第二の延長位置１４２に向かって進ませ、楔１２２は、カム表面１３６に接触し続ける。カム部材１２０の、第二の下向き位置１１８から第一の正立位置１１６へ向かう方向への逆旋回は、不可能である。なぜなら、カム部材１２０のカム表面１３６は、楔１２２の傾斜表面１３８に対して力を受けているからである。点Ｅから点Ｄへのカム部材１２０の半径の長さの相対的な増加（カム表面１３６を規定する）は、楔１２２の高さの増加ととともに、逆方向へのカム部材１２０の旋回移動を禁止する。
【００３０】
第一の正立位置１１６に向かってリトラクターブレード１１４を配置するため、解除機構１１０が設けられ、楔１２２を、第一の最初の係合位置１４０に向かってスライドするように進める。レバー１４６は、カム部材１２０の隣接表面１５６と係合するように配置される。圧縮バネ１２４の力に打ち勝つ際、楔１２２は、移動してカム部材１２０から離れ、このカム部材１２０をわずかに旋回させて、リトラクターブレード１１４を無数の位置に再配置させる。楔１２２が最初の係合位置１４０に向かって移動する場合、レバー１４６が、ハウジングの平坦表面１５４上をスライドし、これによって、レバー１４６と隣接表面１５６との接触が、移動する傾斜表面１３８とカム表面１３６との接触と同時に起こる。楔１２２が最初の係合位置１４０に達する場合、レバー１４６は、カム部材１２０がいずれの方向にも旋回可能となってリトラクターブレード１１４を配置するために、手動で楔１２２をカム部材１２０からはずさなければならない。
【００３１】
リトラクターブレード１１４、および外科手術上の設置におけるリトラクター装置１００の使用は、リトラクター装置１０の実施形態に関して記載されたのと同じである。
【００３２】
本発明は、好ましい実施形態を参照して記載されたが、当業者は、本発明の精神および範囲から逸脱することなく形態および詳細における変更がなされ得ることを、認識する。
【図面の簡単な説明】
【００３３】
【図１】図１は、第一の位置（詳細）および第二の位置（破線）におけるリトラクターブレードを備える、本発明の第一の実施形態の斜視図である。
【図２】図２は、第一の位置（詳細）および第二の位置（破線）におけるリトラクターブレードを備える、本発明の第一の実施形態の断面図である。
【図３】図３は、非係合位置（破線）および係合位置（詳細）における解除機構のレバーと共に、第一の位置（詳細）および第二の位置（破線）におけるリトラクターブレードを備える、本発明の第二の実施形態の斜視図である。
【図４】図４は、第一の位置（詳細）および第二の位置（破線）におけるリトラクターブレードを備える、本発明の第二の実施形態の断面図である。
【図５】図５は、本発明の第二の実施形態の組み立て斜視図である。
【特許請求の範囲】
【請求項１】
位置決めデバイスであって、該デバイスは、以下：
第一の方向および第二の方向に旋回可能なカム；
該カムと係合可能な楔であって、該楔と該カムとを係合することによって、該カムが該第一の方向のみに旋回することを可能とする、楔；および
該楔に取り付けられたレバーであって、該レバーは、該楔を該カムから離すように係合可能であって、それによって該カムの該第二の方向への旋回可能な移動が可能となる、レバー、
を備える、位置決めデバイス。
【請求項２】
前記カムが、以下：
該楔と係合可能なカム表面；および
前記レバーと係合可能な接触面、
を備える、請求項１に記載の位置決めデバイス。
【請求項３】
前記レバーを、前記楔に旋回するよう取り付ける、請求項１に記載の位置決めデバイス。
【請求項４】
前記カムに向かって前記楔を進めるバネをさらに備える、請求項１に記載の位置決めデバイス。
【請求項５】
前記レバーが、非係合位置と係合位置との間で旋回可能である、請求項１に記載の位置決めデバイス。
【請求項６】
前記非係合位置に向かって前記レバーを進めるねじれバネをさらに備える、請求項５に記載の位置決めデバイス。
【請求項７】
前記レバーが、該レバーが前記カムと係合していない第一の位置と、該レバーが該カムとかみ合う第二の位置との間に位置することが可能であり、該第一の位置に向かって該レバーを進めるバネをさらに備える、請求項１に記載の位置決めデバイス。
【請求項８】
位置決めデバイスをロックされた位置から解除するための機構であって、該位置決めデバイスは、ロックされた位置にある間、一方向にのみカム部材を旋回可能に移動することを可能とする旋回可能なカム部材に向かって進められる可動性の楔を有し、該機構は、該楔に取り付けられ、該カム部材と係合可能であるレバーを備え、ここで該レバーを該カム部材と係合することによって、該楔を該カム部材から離し該カム部材がいずれかの方向に旋回可能にする、機構。
【請求項９】
前記レバーが、前記楔に旋回可能に接続する、請求項８に記載の機構。
【請求項１０】
前記カム部材から前記レバーが離れるように進めるねじれバネをさらに備える、請求項８に記載の機構。
【請求項１１】
前記カム部材が、以下：
前記楔と係合可能なカム表面；および
前記レバーと係合可能な接触面、
を備える、請求項８に記載の機構。
【請求項１２】
前記カムに向かって前記楔を進めるバネをさらに備える、請求項８に記載の機構。
【請求項１３】
前記レバーが、非係合位置と係合位置との間で旋回可能である、請求項８に記載の機構。
【請求項１４】
前記非係合位置に向かって前記レバーを進めるためのねじれバネをさらに備える、請求項１３に記載の機構。
【請求項１５】
選択した位置にリトラクターを固定するための位置決め機構であって、該位置決め機構は、以下：
カム表面を有する旋回可能な部材；
該カム表面に対して係合可能な傾斜表面を有する可動性の楔；および
該楔に取り付けられかつ該旋回可能な部材に対して係合可能なレバーであって、該楔の該傾斜表面を該旋回可能な部材の該カム表面に向かって進めることによって、該選択した位置に該リトラクターを保持し、該レバーを該旋回可能な部材に対して係合することによって、該楔を該旋回可能な部材から離して該旋回可能な部材の旋回を可能とするように進める、レバー、
を備える、位置決め機構。
【請求項１６】
前記旋回可能な部材に向かって前記楔を進めるための圧縮バネをさらに備える、請求項１５に記載の位置決め機構。
【請求項１７】
前記レバーを前記旋回可能な部材から離れるように進めるためのねじれバネをさらに備える、請求項１５に記載の位置決め機構。
【請求項１８】
ハウジングをさらに備える、請求項１５に記載の位置決め機構であって、前記楔を、該ハウジング内に配置し、前記レバーを、該ハウジングにスライド可能に配置する、位置決め機構。
【請求項１９】
前記レバーが、前記楔に旋回可能に接続する、請求項１５に記載の位置決め機構。
【請求項１】
位置決めデバイスであって、該デバイスは、以下：
第一の方向および第二の方向に旋回可能なカム；
該カムと係合可能な楔であって、該楔と該カムとを係合することによって、該カムが該第一の方向のみに旋回することを可能とする、楔；および
該楔に取り付けられたレバーであって、該レバーは、該楔を該カムから離すように係合可能であって、それによって該カムの該第二の方向への旋回可能な移動が可能となる、レバー、
を備える、位置決めデバイス。
【請求項２】
前記カムが、以下：
該楔と係合可能なカム表面；および
前記レバーと係合可能な接触面、
を備える、請求項１に記載の位置決めデバイス。
【請求項３】
前記レバーを、前記楔に旋回するよう取り付ける、請求項１に記載の位置決めデバイス。
【請求項４】
前記カムに向かって前記楔を進めるバネをさらに備える、請求項１に記載の位置決めデバイス。
【請求項５】
前記レバーが、非係合位置と係合位置との間で旋回可能である、請求項１に記載の位置決めデバイス。
【請求項６】
前記非係合位置に向かって前記レバーを進めるねじれバネをさらに備える、請求項５に記載の位置決めデバイス。
【請求項７】
前記レバーが、該レバーが前記カムと係合していない第一の位置と、該レバーが該カムとかみ合う第二の位置との間に位置することが可能であり、該第一の位置に向かって該レバーを進めるバネをさらに備える、請求項１に記載の位置決めデバイス。
【請求項８】
位置決めデバイスをロックされた位置から解除するための機構であって、該位置決めデバイスは、ロックされた位置にある間、一方向にのみカム部材を旋回可能に移動することを可能とする旋回可能なカム部材に向かって進められる可動性の楔を有し、該機構は、該楔に取り付けられ、該カム部材と係合可能であるレバーを備え、ここで該レバーを該カム部材と係合することによって、該楔を該カム部材から離し該カム部材がいずれかの方向に旋回可能にする、機構。
【請求項９】
前記レバーが、前記楔に旋回可能に接続する、請求項８に記載の機構。
【請求項１０】
前記カム部材から前記レバーが離れるように進めるねじれバネをさらに備える、請求項８に記載の機構。
【請求項１１】
前記カム部材が、以下：
前記楔と係合可能なカム表面；および
前記レバーと係合可能な接触面、
を備える、請求項８に記載の機構。
【請求項１２】
前記カムに向かって前記楔を進めるバネをさらに備える、請求項８に記載の機構。
【請求項１３】
前記レバーが、非係合位置と係合位置との間で旋回可能である、請求項８に記載の機構。
【請求項１４】
前記非係合位置に向かって前記レバーを進めるためのねじれバネをさらに備える、請求項１３に記載の機構。
【請求項１５】
選択した位置にリトラクターを固定するための位置決め機構であって、該位置決め機構は、以下：
カム表面を有する旋回可能な部材；
該カム表面に対して係合可能な傾斜表面を有する可動性の楔；および
該楔に取り付けられかつ該旋回可能な部材に対して係合可能なレバーであって、該楔の該傾斜表面を該旋回可能な部材の該カム表面に向かって進めることによって、該選択した位置に該リトラクターを保持し、該レバーを該旋回可能な部材に対して係合することによって、該楔を該旋回可能な部材から離して該旋回可能な部材の旋回を可能とするように進める、レバー、
を備える、位置決め機構。
【請求項１６】
前記旋回可能な部材に向かって前記楔を進めるための圧縮バネをさらに備える、請求項１５に記載の位置決め機構。
【請求項１７】
前記レバーを前記旋回可能な部材から離れるように進めるためのねじれバネをさらに備える、請求項１５に記載の位置決め機構。
【請求項１８】
ハウジングをさらに備える、請求項１５に記載の位置決め機構であって、前記楔を、該ハウジング内に配置し、前記レバーを、該ハウジングにスライド可能に配置する、位置決め機構。
【請求項１９】
前記レバーが、前記楔に旋回可能に接続する、請求項１５に記載の位置決め機構。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【公表番号】特表２００６−５２２６７３（Ｐ２００６−５２２６７３Ａ）
【公表日】平成１８年１０月５日（２００６．１０．５）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００６−５０９９５９（Ｐ２００６−５０９９５９）
【出願日】平成１６年４月９日（２００４．４．９）
【国際出願番号】ＰＣＴ／ＵＳ２００４／０１１３１３
【国際公開番号】ＷＯ２００４／０９１４２６
【国際公開日】平成１６年１０月２８日（２００４．１０．２８）
【出願人】（５０２１１９９８９）ミネソタ サイエンティフィック， インコーポレイテッド (2)
【Ｆターム（参考）】
【公表日】平成１８年１０月５日（２００６．１０．５）
【国際特許分類】
【出願日】平成１６年４月９日（２００４．４．９）
【国際出願番号】ＰＣＴ／ＵＳ２００４／０１１３１３
【国際公開番号】ＷＯ２００４／０９１４２６
【国際公開日】平成１６年１０月２８日（２００４．１０．２８）
【出願人】（５０２１１９９８９）ミネソタ サイエンティフィック， インコーポレイテッド (2)
【Ｆターム（参考）】
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