説明

カメラシステム

【課題】カメラヘッドとカメラ本体との双方に電池が各々装填されるカメラシステムにおいて、要放電二次電池が少なくとも一方に装填された場合に装填された要放電二次電池の放電を行なわせることができるカメラシステムを提供する。
【解決手段】 カメラ本体に設けられた本体側電池室に装填された電池とカメラヘッドに設けられたヘッド側電池室に装填された電池との双方について放電を行なうか行なわないかをユーザに判定させる。ユーザにより、双方の電池が要放電電池であると認識されている場合には、LCD表示画面上の選択メニューの中からカメラ本体とカメラヘッドとの双方を選択させ、その選択に応じてこのカメラシステムが双方の電池の放電を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影光学系と撮像素子を備えたカメラヘッドと、そのカメラヘッドが着脱自在に装着され該カメラヘッドから画像信号を受け取って信号処理を行なうカメラ本体とを備えたカメラシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
撮像素子と撮影光学系が一体的になったプラグインユニットがカメラ本体に装着されると、そのプラグインユニットの情報がカメラ本体側に伝達されて、そのプラグインユニットが備える撮影光学系で撮影を行なうことができるようになるカメラシステムが提案されている(特許文献1参照)。このようにプラグインユニットがカメラ本体に装着されるだけで撮影光学系つまり撮影レンズの交換が行なわれるカメラシステムが実現されると、カメラシステムの取り扱いが非常に簡単になり、専門的な知識を持たない人にでも簡単に撮影レンズの交換を行なわせることができる。
【0003】
同様なものに、撮影光学系と撮像素子を備えたカメラヘッドと、カメラヘッドが着脱自在に装着されカメラヘッドから画像信号を、インタフェースを介して受け取って信号処理を行なうカメラ本体とを備えたカメラシステムがある(例えば特許文献2参照)。
【0004】
このようなカメラシステムにおいては、カメラヘッドがカメラ本体に装着された状態にあるときにカメラ本体側の電池からカメラヘッドに電力が供給されカメラシステム全体が動作するものが多い。しかしながら、カメラヘッド側で消費する電力の供給をカメラ本体側の電池から行う場合、大量に電力を消費するカメラヘッドへの対応を可能にするためには、電力供給用の接点を大型にしなければならず、コネクタ部が大型化してしまうという問題がある。そこで、コネクタ部の小型化を図るため、カメラ本体とカメラヘッドとの双方に電池を配備するようにしたものもある。
【0005】
ところで、様々な二次電池が開発され、それらの二次電池の種別を特許文献3に記載ののような検出装置で検出し、カメラヘッドとカメラ本体とからなるカメラシステムに用いることが考えられる。しかし、上記のような二次電池の中には、浅い充放電を繰り返すと、充電可能な容量が減少してしまうメモリ効果が現れてしまう二次電池も少なくない。このようなメモリ効果が現れると、充分な充電を行なったはずであったのに思ったほどの電力が電池内には充電されておらず、電池の放電が進んでいくにつれて上記検出装置で電池残量を検出していたとしても上記カメラシステムが急にシステムダウンしてしまうことがある。
【0006】
そこで、一般にこのメモリ効果が現れる二次電池に対しては、充電前に放電を行なうと有効であることが知られているので充電を行なう前に放電を行なわせ、メモリ効果の影響が現れることを防止してから充電を行なうようにしているカメラシステムもある(例えば特許文献4、5参照)。以下、充電を行なう前に放電することが必要な二次電池を要放電二次電池と称することにする。
【0007】
しかし、カメラヘッドとカメラ本体との双方に各々電池が個別に装填されるようなカメラシステムにおいては、双方に要放電二次電池が装填されることも、いずれかに要放電二次電池が装填されることも、また双方共に一次電池が装填されることもある。
【特許文献1】特開平8−172561号公報
【特許文献2】特開2000−175089号公報
【特許文献3】特開平11−191437号公報
【特許文献4】特開2004−56354号公報
【特許文献5】特開2001−203002号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記事情に鑑み、カメラヘッドとカメラ本体との双方に電池が装填されるカメラシステムにおいて、要放電二次電池が少なくとも一方に装填された場合に装填された要放電二次電池の放電を行なわせることができるカメラシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成する本発明のカメラシステムは、撮影光学系と撮像素子を備えたカメラヘッドと、そのカメラヘッドが着脱自在に装着されそのカメラヘッドから画像信号を受け取って信号処理を行なうカメラ本体とを備えたカメラシステムにおいて、
上記カメラ本体に設けられた、電池が着脱自在に装填される本体側電池室と、
上記カメラヘッドに設けられた、電池が着脱自在に装填されるヘッド側電池室と、
上記本体側電池室に装填された電池及び/又は上記ヘッド側電池室に装填された電池を放電する放電手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】
上記本発明のカメラシステムによれば、上記放電手段により、上記本体側電池室に装填された電池及び/又は上記ヘッド側電池室に装填された電池の放電が行なわれる。
【0011】
例えばヘッド側電池室及び本体側電池室の双方に二次電池が装填されしかもそれらの二次電池が双方とも要放電二次電池であった場合には、双方の二次電池の放電が行なわれ、またヘッド側電池室又は本体側電池室に装填された電池のいずれかが要放電二次電池であった場合には、その要放電二次電池の放電が行なわれる。このように装填された電池が二次電池であってその二次電池が要放電二次電池であった場合に限り、上記放電手段により放電が行なわれる。
【0012】
ここで、上記放電手段をユーザ操作に応じて動作させる操作手段を備えた態様であることが好ましく、上記操作手段が、ユーザ操作に応じて、上記放電手段に、上記本体側電池室に装填された電池と上記ヘッド側電池室に装填された電池とのうちの一方の電池あるいは双方の電池を放電させるものであることが望ましい。
【0013】
そうすると、ユーザがヘッド側電池室に装填した電池と本体側装填室に装填した電池との双方の種別各々を把握していることを利用してユーザに放電させるべき電池を判断させ、ユーザが要放電電池であると判断した場合に限り、電池の放電を行なわせることができる。
【0014】
さらに、上記本体側電池室および上記ヘッド側電池室が、装填された電池が充電前放電を必要とする要放電二次電池であるか否かを検出する検出手段を備え、
上記操作手段は、上記検出手段による検出結果に応じて上記要放電二次電池のみユーザによる放電指示操作を可能ならしめるものであることが好ましい。
【0015】
そうすると、上記本体側電池室および上記ヘッド側電池室に電池が装填されたときに、双方の検出手段により要放電二次電池であるかどうかがこのカメラシステムに把握されるので、万が一上記操作手段により上記要放電二次電池以外の二次電池または一次電池の放電指示操作が行なわれたとしても放電が行なわれなくなる。
【0016】
また、上記放電手段は、このカメラシステムの、電力を消費して動作する構成部分を動作させることにより放電するものであることが好ましく、上記放電手段は、このカメラシステムの、相対的に大電力を消費して動作する高負荷構成部分を動作させて放電し、次いで相対的に小電力を消費して動作する低負荷構成部分を動作させて放電するものであることが望ましい。
【0017】
そうすると、まず高負荷構成部分を動作させて放電を速い速度で進行させ、ある程度放電を進行させたら次に低負荷構成部分を動作させて最初よりも放電の進行を遅めることで、最後まで完全な放電を電池に行なわせることができる。放電に多少時間は要するものの、二次電池を傷めることなく電池の電力が完全に放電され、メモリ効果が完全に除去されるようになる。
【0018】
ここで、上記放電手段は、上記本体側電池室と上記ヘッド側電池室との双方に二次電池が装填され、これら双方の二次電池のうちの一方の二次電池を放電するにあたり、上記一方の二次電池から取り出した電力で他方の二次電池を充電するものであっても良い。
【発明の効果】
【0019】
以上、説明したように、カメラヘッドとカメラ本体との双方に電池が装填されるカメラシステムにおいて、要放電二次電池が少なくとも一方に装填された場合に装填された要放電二次電池に放電を行なわせることができるカメラシステムが実現される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0021】
図1は、本発明の一実施形態であるカメラシステムを示す図である。
【0022】
図1に示すように本実施形態のカメラシステム1は、カメラヘッド1aとカメラ本体1bとを備える。図1には、撮影光学系と撮像素子を備えたカメラヘッド1aと、そのカメラヘッド1aが着脱自在に装着されカメラヘッド1aから画像信号を受け取って信号処理を行なうカメラ本体1bとが示されている。カメラヘッド1aにはヘッド側電池室1Aが、カメラ本体1b側には本体側電池室1Bが設けられており、それらの電池室内には一次電池または二次電池が装填されている。これらの電池室1A,1B内に装填される二次電池としては、ニッケル水素電池やリチウムイオン電池などがある。
【0023】
カメラ本体1bの中央には、多数のマウント接点を持つヘッドマウント10bが配備されている。カメラヘッド1a側にも同様のマウント部が構成されており、双方のマウント接点の位置がそれぞれあうように図中の一点鎖線に沿ってカメラヘッド1aがカメラ本体1bに装着されると、多数のマウント接点同士が各々接続されてカメラヘッド1aとカメラ本体1bとが電気的に接続される。カメラヘッドがカメラ本体に装着されたときに電気的な接続が常に保たれるように、カメラ本体内にはカメラヘッドがカメラ本体に装着された状態が保たれるようにアクチュエータを備えた固定機構が設けられている。もしカメラヘッド1aをカメラ本体1bから取り外したい場合には、取り外しスイッチを操作すればそのアクチュエータに指示が与えられて固定機構が取り外し可能な状態に遷移するようになっている。
【0024】
この多数のマウント接点の中のそれぞれが通信用にそれぞれ割り当てられていて、カメラ本体1b側からカメラヘッド1a側へ情報の問い合わせや画像信号の送信要求が行なわれたり、またカメラヘッド1a側からカメラ本体1b側へその問い合わせに応じた回答や画像信号の送信が行なわれたりする。
【0025】
また、ヘッドマウント10bの上方にはAWBセンサ11bが配備され、そのAWBセンサ11bにより撮影時の光源種が検出されている。この光源種とは、例えば太陽光であるか蛍光灯であるかといったようなものであり、この光源種がAWBセンサ11bにより検出されると後述するデジタル信号処理部に適正な色温度が設定されて最適なホワイトバランスの調整が行なわれる。そのAWBセンサ11bの横には、閃光発光窓12bが配備されており、その閃光発光窓12bを通して閃光を発光する閃光発光装置がカメラ本体1b内に配備されている。さらにカメラ本体1bのボディ上面にはレリーズ釦13bとモードダイヤル14bが配備されている。このモードダイヤル14bによって撮影モードと再生モードとが選択され、その撮影モードにあっては、さらに静止画撮影モードであるとか、動画撮影モードであるとかが選択される。なお、このモードダイヤル14bは電源スイッチとしても働く。また図示はしないが、カメラ本体の裏面側には操作手段として十字キーやOK釦などのスイッチ類が配備されている。
【0026】
ここで図2を参照してカメラヘッド1aとカメラ本体1bの内部の構成を説明する。
【0027】
図2はカメラヘッド1aがカメラ本体1bに装着された状態にあるときの電気系統の構成を示すブロック図である。
【0028】
図2の上方側にはカメラヘッド1aの構成が、また図2の下方側にはカメラ本体1bの構成がそれぞれ示されている。
【0029】
前述したようにカメラシステム1を構成するカメラヘッド1aとカメラ本体1bはそれぞれ動作電源として電池を個別に備えたものであって、カメラヘッド1a側のDC/DCコンバータ101aと本体側のDC/DCコンバータ141bはともに各電池Bt1a、Bt1bからの電力の供給を直接受けている電源制御部100a,140bによって制御される。カメラヘッド1aがカメラ本体1bに装着された状態にあるときに、モードダイヤル14bが操作されることによって電源投入の指示がユーザ操作により出されると、カメラ本体側の電源制御部140bからDC/DCコンバータ141bに指示が出されてカメラ本体内の各部に電力が供給されるとともに、そのカメラ本体1b側の電源制御部140b、さらにラッチ部160b、I/O部161bを経てカメラヘッド1a側の電源制御部100aにも電力供給の指示が伝達されてDC/DCコンバータ101aに指示が出されてカメラヘッド1a側の各部に電力が供給される。
【0030】
なお、カメラヘッド1aがカメラ本体1bに装着された状態になったときには、カメラ本体1b側の電源制御部140bにカメラヘッド1a側からロー信号(グランドレベル)が供給される。ここでモードダイヤルにより電源投入の指示が出されたら、これを受けてカメラ本体1b側の電源制御部140bによりラッチ部160bがローからハイへ、もしくはハイからローへ切り替えられI/O部161bに切り替えられたままのラッチ信号が供給される。さらにI/O部161bからカメラヘッド1b側の電源制御部140bへ向けて電源オン指示が伝達される仕組みになっている。
【0031】
そうすると、電源スイッチ14bが投入されたときに、カメラ本体1b側のDC/DCコンバータ140b、またカメラヘッド1a側のDC/DCコンバータ101aから各部に電力が供給されてこのカメラシステム全体が動作する。
【0032】
ここで図2を参照してカメラヘッド1aとカメラ本体1bの内部構成をそれぞれ説明しておく。
【0033】
まず、カメラヘッド1a側の構成を説明する。
【0034】
図2に示すようにこのカメラシステム1を構成するカメラヘッド1aには、撮影光学系11aと撮像素子(ここではCCD固体撮像素子が用いられているので以下CCDという)12aとが備えられている。その撮影光学系11a内には撮影レンズや絞りなどが配備されている。その撮影光学系11a内の撮影レンズで被写体をCCD12aに結像させて、CCD12aで画像データの生成を行なっている。このCCD12aで生成した画像データをアナログ信号処理部13aに出力してそのアナログ信号処理部13aでノイズ低減の処理などを行なった後、後段のA/D部14aでアナログ信号の画像信号をデジタル信号の画像信号に変換して高速シリアルドライバ150aに供給している。この高速シリアルドライバ150aにより駆動される高速シリアルバスによってカメラ1b本体側にデジタル信号になった画像信号が送信される。勿論、この高速シリアルバスを駆動する高速シリアルドライバ150bがカメラ本体1b側にも配備されていて双方のドライバによって高速シリアルバスが駆動される。この高速シリアルバスを通ってカメラ本体1bに供給される画像信号の中には、モードダイヤル14bによっていずれかの撮影モードが選択された状態にあるときに撮影光学系内の撮影レンズが捉えた被写体をLCDパネル(図示せず)上に表示するためのスルー画用の画像信号(以下スルー画信号という)やその撮影モードの中の静止画撮影モードが選択された状態にあるときにレリーズ釦13bの操作により得られる静止画像を表す画像信号(以下静止画信号という)やその撮影モードの中の動画モードが選択された状態にあるときにレリーズ釦13bの操作により得られる動画を表す画像信号(以下動画信号という)の3通りの画像信号がある。
【0035】
一方、A/D部14aでデジタル信号に変換された画像信号はA/D部14aの後段に設けられた積算回路16aにも供給されている。この積算回路16aはAF機能(以下AFという)およびAE機能(以下AEという)を果たすものであって、この積算回路16aによってAE機能を働かせるための被写界輝度の測定やAF機能を働かせるための被写体距離の測定が行なわれている。その積算回路16aで測定された被写体距離や被写界輝度がデータバス192aを介して絞り/フォーカス/ズーム制御部17aに供給され、その絞り/フォーカス/ズーム制御部17aによって撮影光学系内の絞りの径が調節されたり、撮影光学系内のフォーカスレンズの位置が調節されたりする。このようにしておくとこのカメラヘッド1aが備える撮影光学系内のレンズが異なる被写体に向けられる度にAFやAEが働きすぐにピントや輝度の調整が行なわれてピントの合った被写体を表す画像データがCCD12aで生成されCCD12aから出力される。
【0036】
これらのCCD12a、アナログ信号処理部13a、A/D部14a、積算回路16aはタイミングジェネレータ(以下TGという)18aからのタイミング信号に同期して動作するものであり、そのTG18aの動作はヘッドCPU19aに制御されている。このヘッドCPU19aはシステムメモリ190a内に格納されているプログラムの手順にしたがってTG18aや絞り/フォーカス/ズーム制御部17aなどの制御を行なうものであって、そのシステムメモリ190a内には、初期化の処理手順やAEやAFの処理手順やシリアルバスでの通信に関する処理手順などを示すソフトウエアが格納されている。これらのソフトウエアの中には、モードダイヤルによって撮影モードが選択され、さらに静止画撮影モードが選択されたときに起動されるスルー画処理に関するソフトウエアや静止画処理に関するソフトウエア、また動画撮影モードが選択されたときに起動される動画処理に関するソフトウエアなどもある。これらのソフトウエアの処理手順にしたがって、このカメラヘッドの初期化や、その初期化が行なわれた後の各部の動作がヘッドCPU19aによって制御されている。
【0037】
また、不揮発性メモリ191aには、カメラヘッド1a用のコンフィギュレーション情報および信号処理ソフトウエアも記憶されている。このコンフィギュレーション情報の中にはCCDの画素数であるとか、フィルタ配列であるとかの情報などがある。カメラ本体1bからコンフィギュレーション情報および信号処理ソフトウエアの送信の要求を表すコマンドが3線シリアルバスを経由して送信されてきたら、その不揮発性メモリ191a内のコンフィギュレーション情報および信号処理ソフトウエアが3線シリアルバスを経由してカメラ本体1bに送信される。勿論、カメラ本体1b側にも3線シリアルバスを駆動する3線シリアルドライバ151bが配備されており、双方のドライバで駆動されるシリアルバスによってカメラ本体1bからカメラヘッド1aへ、あるいはカメラヘッド1aからカメラ本体1bへのコマンドのやり取りが行なわれている。この3線シリアルバスを用いることにより、前述したコンフィギュレーション情報の送信の要求がカメラ本体側から送信されてきたときにその要求に応えてコンフィギュレーション情報を送るなどのやり取りが簡単に行なえる。
【0038】
このようにカメラヘッド1aがカメラ本体1bに装着されたときに3線シリアルバスを用いてコンフィギュレーション情報などをカメラ本体側1bへ送って、カメラヘッド1a内のCCD12aのハードウエアをカメラ本体1b側に通知した後、CCD12aで生成した画像信号をカメラ本体1bへ供給するときには、高速シリアルバスを用いて短時間のうちに画像信号を供給するようにしている。
【0039】
以上がカメラヘッド1a側の構成である。
【0040】
次にこのカメラヘッド1aから画像信号が供給されその供給された画像信号の信号処理を行なうカメラ本体1b側の構成を説明する。
【0041】
カメラ本体1bには、3線シリアルバスによりカメラヘッド1a側から送信されてきたコンフィギュレーション情報を本体CPU100bの制御の基に受けて、そのコンフィギュレーション情報がセットされることによりカメラヘッド1a内のCCD12aにあった信号処理が行なわれるリコンフィギュレーション信号処理部103bが配備されている。本体CPU100bが、このリコンフィギュレーション信号処理部103bにコンフィギュレーション情報をセットするにあたって、3線シリアルドライバ151bを制御して、カメラヘッド1a側のコンフィギュレーション情報の送信要求をカメラヘッド1aに対し送信するとともに、その送信に応えてカメラヘッド1aからコンフィギュレーション情報が返送されてきたときにそのコンフィギュレーション情報を受け取って、その受け取ったコンフィギュレーション情報をリコンフィギュアラブル信号処理部103bにセットしている。
【0042】
この本体CPU100bは、カメラヘッド1a側のヘッドCPU19aと協同してこのカメラシステム全体の動作を制御するものであって、ヘッドCPU19aと同様、カメラ本体1b側のシステムメモリ101b内に格納されているプログラムの手順にしたがってカメラ本体の動作を制御している。
【0043】
このようにカメラヘッド1a内の不揮発性メモリ191a内に記憶されたコンフィギュレーション情報および信号処理ソフトウエアがカメラ本体1b側の送信要求に応じて3線シリアルバスを経由してカメラ本体1bに送信されてくるので、そのコンフィギュレーション情報が本体CPU100bの制御の基にリコンフィギュアラブル信号処理部103bにセットされそのリコンフィギュアラブル信号処理部103bでの信号処理がその信号処理ソフトウエアの手順にしたがって行なわれる。
【0044】
このようにしておくと、カメラヘッド1aが備えるCCD12aの仕様に応じた信号処理がいつでもカメラ本体1b側で行なえる。
【0045】
本実施形態では、前述したようにカメラヘッド1aからスルー画信号、静止画信号、動画信号の3種類の画像信号のうちのいずれかが送信されてくるので、例えばスルー画信号であればそのスルー画信号にリコンフィギュアラブル信号処理部103bで処理が施されその処理が施された画像信号がフレームメモリを経由してLCD制御部、さらにLCD1050bに供給されLCD表示画面上にスルー画信号に基づくスルー画が表示される。LCD制御部105bにはOSD(On Screen Display)1051b側からの情報も供給されており、このLCD画面上には、スルー画とともに選択メニューなども表示されるようになっている。
【0046】
また、そのスルー画を見ながらレリーズ釦が押されたら、CCD12aで生成された静止画信号がリコンフィギュアラブル信号処理部103bに供給され、そのリコンフィギュアラブル信号処理部103bで信号処理が施され、さらにカードI/F106bを経由してメモリカードスロット107bに装填されているメモリカード108bにJPEG圧縮された静止画信号が記録される。
【0047】
さらに動画像信号にリコンフィリュアラブル信号処理部103bで処理が施されると、カードI/F106bを経由してメモリカードスロット107bに装填されているメモリカード108bにMPEG圧縮された画像信号などが記録される。
【0048】
このように画像信号の処理がヘッド内のCCD12aのコンフィギュレーションに合わせて行なわれて適宜処理が施される。
【0049】
また、カメラ本体1bには、画像信号の処理を行なう部分のほか、OSD1051bを経由してLCD画面上に時刻や日付情報を表示するためのデータを作成するタイマ110bやカレンダ時計111bなどや外部機器との接続用のUSBドライバ131bおよびUSBコネクタ130bや操作指示を与えるスイッチ/LED等132bなども配備されている。このスイッチの操作指示などはI/O133bを介して本体CPU100bに供給され、本体CPU100bではその操作指示に応じた処理が行なわれる。ただしレリーズ釦13bは本体CPU100bおよびヘッドCPU19aの双方の割り込み端子に直接接続されており、レリーズ釦13bが押されたときには、双方のCPU19a,100bに割り込みがかけられて静止画処理プログラムもしくは動画プログラムが起動されるようになっている。
【0050】
また、前述したように本実施形態では、カメラヘッド1a、カメラ本体1b双方に個別に電池が装填され、しかもそれらの電池として充電自在な二次電池が使用可能な構成になっているため、二次電池として要放電二次電池(例えばニッケル水素電池)が装填された場合にその要放電二次電池を充電前放電させるための放電モードに関するプログラムもシステムメモリ101b内に格納されている。このプログラムには、ユーザ操作に応じて放電を行なわせるための手順が記されている。
【0051】
図3は、本体CPU101bおよびヘッドCPU19aが行なう放電モードの処理手順を示すフローチャートである。
【0052】
ステップS301でOSD1051bに指示を出してOSD1051bに選択メニューの表示を行なわせる。次のステップS302でその選択メニューの中の選択項目の一つである放電モードの選択をユーザに行なわせ、ユーザ操作によって放電モードが選択されたと判定したら、Y側に進み次のステップS303で放電処理を実行する。ステップS302で放電モードがユーザ操作により選択されていないと判定したらN側へ進み他のモードの処理へと移行する。
【0053】
図4は、ステップS301のメニュー画面を説明する図である。
【0054】
図4(a)は、放電モードを選択した直後の画面を示す図である。ユーザ操作(例えば十字キーなどの操作)により放電モードが選択されたら図4(a)の表示画面になって、次いで図4(b)の表示画面へと切り替わる。この図4(b)では、メモリ効果が顕著に現れるニッケル水素電池でのみ放電を実行するようにという注意を促し、次に図4(c)の表示画面に切り替わって充電地の放電をするか否かをユーザに判断させている。ここでは二次電池の電力を急激に放電させずに、電池を長持ちさせるためにカメラシステムの各部を動作させることによって電池の電力を無理なく消費させようとしているので、表示画面上に‘放電に時間がかかる場合があります’といった注釈を表示するようにしている。この図4(c)に示す表示画面内の‘OK実行’が例えばOK釦が押されることにより指示されたら、次の図4(d)に示す表示画面に切り替わって、ヘッドのみ、カメラ本体のみ、ヘッド及び本体のいずれかが選択される表示画面に切り替わる。本実施形態のカメラシステムでは、カメラヘッドとカメラ本体との双方に設けられた電池室に個別に電池が装填されるようになっていて、それらの電池がすべて要放電二次電池とは限らないので、このような表示を行なってユーザに放電を行なうか否かを判断させている。
【0055】
ここで、図4(d)に示す如く‘ヘッド,本体’が選択されたら、カメラ本体とカメラヘッドとの双方の電池の放電が行なわれて、それらの電池の放電が行なわれている最中に図4(e)に示す‘充電池放電 実行中’が表示される。
【0056】
図5は、図4(e)に示す表示が行なわれているときに本体CPUおよびヘッドCPUが実行する放電処理の手順を示すフローである。
【0057】
まず、ステップS501で、このカメラシステムの、相対的に大電力を消費して動作する高負荷構成部分を動作させることにより要放電二次電池の放電を実行して、次のステップS502で電池の電圧V1が所定の電圧V1min以下になったかどうかを判定し、要放電二次電池の電圧V1が所定の電圧V1minよりも大きかったらNo側へ進み、ステップS501を繰り返し二次電池の放電を続ける。そして、電池の電圧V1が所定の電圧V1min以下になったら、Yes側に進み、今度はステップS503で、相対的に小電力を消費して動作する低負荷構成部分を動作させて二次電池の放電を実行する。このようにしたら次のステップS504で上記所定の電圧V1minより小さな第2の所定の電圧V2min以下になったかどうかを判定し、その第2の所定の電圧V2min以下になっていなかったらNo側へ進み、ステップS503を繰り返し放電を続け、次のステップS504へ進みこのステップS504で電池の電圧V2が所定の電圧V2min以下になったらYes側へ進んで電源をオフしこのフローの処理を終了する。なお、フロー中、同じ電池の出力電圧をV1、V2というように区別して表記してあるのは、電池電圧が高負荷時に閾値電圧V1minに達するときと、さらにその閾値電圧V1minに達した後で電池電圧が低負荷時にその閾値電圧よりも小さな閾値電圧V2minに達するときとを区別して示すためである。
【0058】
ステップS501の処理にあっては、例えばカメラヘッド1a内のCCD12a、アナログ信号処理回路13a、カメラ本体1b内のリコンフィギュアラブルデジタル信号処理部103b、さらにカードIF106bとを動作させることで高負荷構成部分を構成し、ステップS503の処理にあっては、その高負荷構成部分のうちのカードIF106bとCCD13aの動作を停止させアナログ信号処理回路14aとリコンフィギュアラブルデジタル信号処理部103bとカードIF106bとのみを動作させることで低負荷構成部分を構成するなどの構成が考えられる。
【0059】
このように本実施形態では、本体側CPU100bおよびヘッド側CPU19aが、このカメラシステム1の、電力を消費して動作する構成部分を動作させることにより二次電池を放電させようとしている。つまり、この本体CPUおよびヘッド側CPU、さらにその本体CPUおよびヘッドCPUの制御の基に動作するCCD、アナログ信号処理部、デジタル信号処理部とったところが本発明にいう放電手段に相当する。
【0060】
図6は、変形例を示す図である。
【0061】
図6に示すように電池種別判定手段10A,10Bがカメラヘッド1aとカメラ本体1bとの双方に設けられ、またカメラヘッド1a側のDC/DCコンバータ100aからバッテリBt1aへの接続経路が付加され、カメラ本体1b側の電源制御部140bが、カメラ本体1b側の電池Bt1bからの電力を受け取ってヘッド1a側の電池Bt1aを充電する構成が付加されている以外は、図2と同様の構成である。
【0062】
図7に示すように、カメラヘッド1aとカメラ本体1bとの双方に本発明にいう検出手段として電池種別判定手段10A,10Bが設けられているので、双方の電池室に装填されている電池の種別が自動的に検出されるようになる。
【0063】
このようになっていると、例えばカメラ本体1b側の電池Bt1bが要放電二次電池であって、カメラヘッド1a側が通常の二次電池Bt1aであってその二次電池に充電が必要な場合には、カメラ本体1b側の要放電二次電池を放電するにあたり、カメラ本体1b側の二次電池からカメラ本体1b側の電源制御部140bにより取り出した電力をヘッド1a側のDC/DCコンバータ101aへ供給してその電力でカメラヘッド1a側の二次電池Bt1aを充電する構成にもすることができる。そうすると、二次電池の電力が効率よくリサイクルされカメラヘッド1a側の二次電池を充電装置により充電する手間が省けるという効果が得られる。
【0064】
図7は、電池種別判定手段の構成例を示す図である。
【0065】
図7(a)には、メモリ効果の大きな二次電池(例えばニッケル水素電池)BtNiの外形が示されており、図7(b)にはメモリ効果の小さなリチウムイオン電池BtLiが示されている。また図7(c)はカメラヘッド1a側およびカメラ本体1b側の電池装填室1A,1Bに電池種別判定手段10A,10Bを設けた場合の例が示されている。
【0066】
図7(a)に示す二次電池BtNiと図7(b)に示す二次電池BtLiの外形をそれぞれ比較すると、外形に明らかに違いがある。これを利用して図7(c)には電池室10A,10Bの角部に押し釦スイッチを設けてその押し釦スイッチが電池により押されてスイッチONするかどうかをヘッドCPUまたは本体CPUで検知する電池種別判定手段が示されている。このように自動的に電池の種別を検出することができるようにしておくと、上記のようなリサイクル機能を持つ構成への拡張がより簡単に図れる。
【0067】
図8は、図4に示した表示画面の別の構成例である。
【0068】
上記のように電池種別判定手段10A,10Bを設けると、ユーザに選択させるような選択画面(図4(d)参照)にせずに放電指示のみを行なわせる表示画面にすることもできる。また図4(d)に示す表示画面を活用するならば、例えば電池種別判定手段10A,10Bによりメラ本体1bのみが要放電二次電池であることが本体CPU100bにより検知された場合には、LCD画面のうち、ヘッドを選択する項目が選択不可であることをユーザに示すような表示画面(図8(d))にしても良い。そうすると、例えば十字キーなどの操作手段によって、要放電二次電池以外の電池の放電指示が成されることがなくなる。
【0069】
また、図9は、二次電池の別の外形と一次電池が2本結束されたものの外形を示した図である。このカメラシステムは、一次電池を使用することができるので、一次電池と二次電池の種別の違いを検出する手段を設けておく必要もある。その場合にも図9(a)と図9(b)に示す外形の違い(図の符号の部分)を利用して、図7と同様に種別を検出するような構成にすれば良い。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の一実施形態であるカメラシステムを示す図である。
【図2】カメラヘッド1aがカメラ本体1bに装着された状態にあるときの電気系統の構成を示すブロック図である。
【図3】本体CPU101bおよびヘッドCPU19aが行なう放電モードの処理手順を示すフローチャートである。
【図4】図3のステップS301のメニュー画面を説明する図である。
【図5】図4(e)に示す表示が行なわれているときに実行されている放電処理の手順を示すフローである。
【図6】変形例を示す図である。
【図7】電池種別判定手段の構成例を示す図である
【図8】図4に示した表示画面の別の構成例である。
【図9】二次電池の別の外形と一次電池が2本結束されたものの外形を示した図である。
【符号の説明】
【0071】
1 カメラシステム
1a カメラヘッド
1A ヘッド側電池室
100a 電源制御部
101a DC/DCコンバータ
11a 撮影光学系
12a CCD
13a アナログ信号処理部
14a A/D部
150a 高速シリアルドライバ
151a 3線シリアルドライバ
16a 積算回路
17a 絞り/フォーカス/ズーム制御部
18a TG
19a ヘッドCPU
190a ROM/RAM(ROM/RAM)
191a 不揮発性メモリ
192a データバス
1b カメラ本体
1B 本体側電池室
10b ヘッドマウント
100b 本体CPU
101b ROM/RAM
102b 不揮発性メモリ
103b デジタル信号処理部
104b フレームメモリ
105b LCD制御部
1050b LCD
1051b OSD
106b カードI/F
107b メモリカードスロット
108b メモリカード
150b 高速シリアルドライバ
151b 3線シリアルドライバ
Bt1a Bt1b 電池


【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影光学系と撮像素子を備えたカメラヘッドと、該カメラヘッドが着脱自在に装着され該カメラヘッドから画像信号を受け取って信号処理を行なうカメラ本体とを備えたカメラシステムにおいて、
前記カメラ本体に設けられた、電池が着脱自在に装填される本体側電池室と、
前記カメラヘッドに設けられた、電池が着脱自在に装填されるヘッド側電池室と、
前記本体側電池室に装填された電池及び/又は前記ヘッド側電池室に装填された電池を放電する放電手段とを備えたことを特徴とするカメラシステム。
【請求項2】
前記放電手段をユーザ操作に応じて動作させる操作手段を備えたことを特徴とする請求項1記載のカメラシステム。
【請求項3】
前記操作手段が、ユーザ操作に応じて、前記放電手段に、前記本体側電池室に装填された電池と前記ヘッド側電池室に装填された電池とのうちの一方の電池あるいは双方の電池を放電させるものであることを特徴とする請求項2記載のカメラシステム。
【請求項4】
前記本体側電池室および前記ヘッド側電池室が、装填された電池が充電前放電を必要とする要放電二次電池であるか否かを検出する検出手段を備え、
前記操作手段は、前記検出手段による検出結果に応じて前記要放電二次電池のみユーザによる放電指示操作を可能ならしめるものであることを特徴とする請求項1記載のカメラシステム。
【請求項5】
前記放電手段は、このカメラシステムの、電力を消費して動作する構成部分を動作させることにより放電するものであることを特徴とする請求項1記載のカメラシステム。
【請求項6】
前記放電手段は、このカメラシステムの、相対的に大電力を消費して動作する高負荷構成部分を動作させて放電し、次いで相対的に小電力を消費して動作する低負荷構成部分を動作させて放電するものであることを特徴とする請求項5記載のカメラシステム。
【請求項7】
前記放電手段は、前記本体側電池室と前記ヘッド側電池室との双方に二次電池が装填され、これら双方の二次電池のうちの一方の二次電池を放電するにあたり、前記一方の二次電池から取り出した電力で他方の二次電池を充電するものであることを特徴とする請求項1記載のカメラシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−40649(P2006−40649A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−216704(P2004−216704)
【出願日】平成16年7月26日(2004.7.26)
【出願人】(000005201)富士写真フイルム株式会社 (7,609)
【Fターム(参考)】