説明

カメラシステム

【課題】撮像ユニットを小型に維持してファインダ機能を備える。
【解決手段】撮像ユニット3を携帯型プリンタ4に着脱可能に構成する。撮像ユニット3を装着する際には、撮像ユニット3の取付部30を携帯型プリンタ4の被取付部40に挿入する。携帯型プリンタ4の被取付部40には、塵埃の侵入を防止するために、外カバー44と内カバー45とからなる保護カバー43を設ける。この保護カバー43は、内カバー45を外カバー44に対して折り畳んだ状態で被取付部40を覆う閉じ位置と、内カバー45を展開して内カバー45に形成したファインダ窓48を機能させる開き位置とをとる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像素子が内蔵された撮像ユニットと、この撮像ユニットが着脱自在な携帯型プリンタとからなるカメラシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
カメラ付き携帯電話などの撮影機器から画像データを受信し、この画像データに基づいてプリンタ内部に収納したインスタントフイルムに画像を記録する携帯型プリンタが知られている。本出願人は、この携帯型プリンタに小型な撮像ユニットを装着し、携帯型プリンタをデジタル版のインスタントカメラとしても使用できるようにすることを提案している。
【0003】
この場合には、撮像ユニットと携帯型プリンタとを電気的に接続するために、撮像ユニットの接続端子を携帯型プリンタの接続コネクタに挿入するようにされている。接続コネクタは凹状に形成されて塵埃が溜りやすくなっていることから、この接続コネクタには保護カバーが設けられる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この保護カバーを着脱自在に設けた場合には保護カバーを紛失するおそれがあった。また、保護カバーを接続コネクタの開口が開閉自在になるように取り付けた場合には、保護カバーが開き位置にあるときに保護カバーが携帯型プリンタの外周面から突出するなどし、操作の邪魔になるという問題があった。
【0005】
ところで、撮像ユニットは必要に応じて着脱されるものであり、携帯型プリンタと共に持ち運ばれる付属品であることから、できるだけ小型にすることが好ましい。撮像ユニットの小型化を優先して設計を行った場合には、撮像ユニットには撮影に最低限必要なもの、例えば撮影レンズ及び固体撮像素子などだけが搭載される。このため、適正なフレーミングを行うために、ある程度の大きさが必要になるファインダは、撮像ユニットに搭載するのが難しかった。ファインダを搭載しない場合には、当然ながら被写体の構図を正確に定めることが難しく、失敗写真が増加するという問題が生じてしまう。
【0006】
本発明は、上記事情を考慮してなされたものであり、撮像ユニット及び携帯型プリンタからなり、撮像ユニットを小型に維持してファインダ機能を備えるとともに、使い勝手が良いカメラシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、撮影レンズによって結像された被写体像を撮像する撮像素子を内蔵した撮像ユニットと、この撮像ユニットが着脱自在な携帯型プリンタとから構成され、前記撮像ユニットの取付部を前記携帯型プリンタの被取付部に取り付けることにより前記撮像ユニットが前記携帯型プリンタとの間で電気的に接続されて装着され、前記撮像ユニットが装着された前記携帯型プリンタを把持した状態で撮影が行われ、この撮影による撮影画像に基づいてプリントが行われるカメラシステムに関し、前記撮像ユニットの非装着時には前記取付部または前記被取付部を覆って保護し、前記撮像ユニットの装着時には被写体の撮影範囲を確認するためのファインダとして使用される保護部を備えたことを特徴とする。
【0008】
前記保護部は、凹状に形成された前記被取付部を保護する保護カバーであって、この保護カバーは、前記被取付部を覆って保護する第1位置と、前記被取付部を露呈させるとともに前記保護カバーに形成されたファインダ窓を通して前記被写体を視認させる第2位置とをとることが好ましい。これにより、被取付部を保護する保護カバーを、撮像ユニットの装着時にファインダとして用いることができる。
【0009】
前記保護カバーは、前記被取付部近傍に設けられた第1支持軸を中心に回転自在であり、板状に形成された外カバーと、前記外カバーに設けられた第2支持軸を中心に回転自在であり、ファインダ窓が形成された内カバーとから構成され、前記第1位置では、前記外カバーが前記被取付部の開口を閉じるとともに前記内カバーが前記外カバーに対して前記被取付部側に折り畳まれ、前記第2位置では、前記外カバーが前記被取付部の開口を開放するとともに前記内カバーが前記外カバーに対して展開されることが好ましい。外カバーが被取付部への塵埃の侵入を防止し、内カバーがファインダの一部になる。保護カバーはコンパクトに構成される。
【0010】
前記内カバーには、前記ファインダ窓より小さいサイズで前記ファインダ窓の中央部に配置された内枠が設けられており、この内枠は、前記内カバーが前記外カバーに対して折り畳まれたときに前記外カバーとは反対の方向に突出するように形成され、前記第1位置では前記被取付部に形成された嵌合部に嵌合して固定されることが好ましい。内カバーの内枠を嵌合部に嵌合させて固定することにより、保護カバーが保護位置から外れにくくなる。
【0011】
前記撮像ユニットを装着したときに前記撮影レンズに対向するようにして前記被取付部を前記携帯型プリンタに配置することにより、前記撮影レンズの光軸方向から見たときに、前記保護カバーに形成されたファインダ窓の中心が、前記撮影レンズの中心を通って上下方向に延びる線上に位置するようにすることが好ましい。これにより、左右方向でのパララックスがなくなる。
【0012】
前記ファインダ窓に対して前記撮影レンズの光軸方向に並ぶようにして別のファインダ窓を配置し、前記ファインダ窓及び前記別のファインダ窓のうち、一方を接眼側ファインダ窓として用い、他方を対物側ファインダ窓として用いることが好ましい。接眼側ファインダ窓と対物側ファインダ窓とを重ね合わせて被写体を眺めることにより、より正確に被写体の構図を定めることができる。
【0013】
前記保護部は、凸状に形成された前記取付部を保護する保護キャップであって、この保護キャップは、前記取付部に装着される第1位置と、この取付部から脱着されて前記撮像ユニットまたは前記携帯型プリンタに装着されて前記保護キャップに形成されたファインダ窓を通して前記被写体を視認させる第2位置とをとることが好ましい。保護キャップを、撮像ユニットの装着時にファインダとして用いることができる。
【0014】
前記保護キャップは前記撮影レンズに対向するようにして装着されて前記第2位置をとり、前記撮影レンズの光軸方向から見たときに、前記ファインダ窓の中心が、前記撮影レンズの中心を通って上下方向に延びる線上に位置するようにすることが好ましい。これにより、左右方向でのパララックスがなくなる。
【発明の効果】
【0015】
本発明のカメラシステムによれば、撮像ユニットの取付部を覆う保護部または携帯型プリンタの被取付部を覆う保護部が、撮像ユニットの装着時にファインダとして用いられるため、撮像ユニットに別個にファインダを設ける必要がなくなる。これにより、撮像ユニットを小型に維持しながらもファインダ機能を備えることが可能になる。また、保護部が撮像ユニットの装着時にファインダとして有効に用いられるため、保護部は撮像ユニットの装着時に操作の邪魔になることがない。保護部が着脱自在にされている場合には保護部の紛失が防止される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1に示すように、本発明のカメラシステム2は、撮影機能を備えており、撮像ユニット3と、携帯型プリンタ4(以下、プリンタ4)とから構成される。撮像ユニット3は必要に応じてプリンタ4に着脱される。なお、撮像ユニット3を装着する際には、後述する保護カバー43を開き位置に移動させる必要があるが、図1においては閉じ位置に位置している。
【0017】
撮像ユニット3には、上面3aに対して傾斜する傾斜面3dが形成されている。この傾斜面3dには、撮影時に押圧操作されるレリーズボタン10が設けられている。撮像ユニット3の前面3bには、撮影レンズ11及びミラー12が設けられている。ミラー12は、自分自身を撮影する際に使用されるものである。
【0018】
プリンタ4の前面4bにはグリップ13が設けられている。このグリップ13は、ゴム製であり、上下方向に延びるようにして前面4bの左側に設けられている。グリップ13は、撮像ユニット3の装着時には、レリーズボタン10の下方に位置することとなる。グリップ13に指をかけてプリンタ4を把持したときには、人差し指がレリーズボタン10に届くようになっている。なお、グリップ13の材質及び形状は上記に限られるものではない。
【0019】
また、プリンタ4の前面4bには、IrDA送受信部14、電源ボタン15、リピートボタン16、カウンタ17が設けられている。IrDA送受信部14は、IrDAに準拠した赤外線通信を行うことが可能であり、例えばカメラ付き携帯電話などから画像データを受信することができる。リピートボタン16は、前回のプリントと同様のプリントを行う際に操作される。カウンタ17は、プリンタ4に収納されているインスタントフイルム19の残り枚数を表示する。
【0020】
図2に示すように、プリンタ4の背面4cには、フイルム装填室(図示せず)を開閉するフイルムドア18が設けられている。フイルム装填室には、フイルムドア18を開放した状態で、複数枚のインスタントフイルム19を装填することができる。プリンタ4の側面にはフイルム排出口20が設けられ、このフイルム排出口20から画像記録後のインスタントフイルム19が排出される。なお、撮像ユニット3の背面3cは平面状とされている。
【0021】
図3は、図1及び図2のIII−III線に沿って切断したときの撮像ユニット3の断面を示したものである。図2及び図3に示すように、撮像ユニット3の上面3aには、撮影レンズ11に対向するようにして矩形板25が設けられている。矩形板25には撮影範囲を認識させるための対物側ファインダ窓26が形成されている。矩形板25は、上面3aの前部に設けられた支持軸27を中心に回転自在であり、上面3aに接するようにして畳まれた畳み位置と、この畳み位置から90度回転した使用位置とをとる。矩形板25が使用位置に位置しているときに、対物側ファインダ窓26の中心が、撮影レンズ11の中心を含み上下方向に延びる線29上に位置するようにされ、左右方向でのパララックスが生じないようにされている。対物側ファインダ窓26の中央部には、被写体の構図を正確に定めるための内枠28が設けられている。対物側ファインダ窓26において、内枠28及びこの内枠28支持するスポーク以外の部位は矩形板25の表裏方向に貫通させてもよいし、透明な部材で形成してもよい。撮像ユニット3の下面3eには、取付部30が設けられている。この取付部30は、直方体状の接続端子31と、この接続端子31を支持する直方体状の基部32とから構成され、全体が凸状に形成されている。
【0022】
図4は、図1及び図2のIV−IV線に沿って切断したときの携帯型プリンタ4の断面を示したものである。図2及び図4に示すように、携帯型プリンタ4の上面4aには、撮像ユニット3の取付部30が挿入される被取付部40が設けられている。被取付部40は、接続コネクタ41と、この接続コネクタ41の上方に接続コネクタ41の開口41aよりも広く形成された溝部42とから構成され、全体が凹状に形成されている。接続コネクタ41は接続端子31に合わせたサイズにされており、溝部42は基部32に合わせたサイズにされている。
【0023】
被取付部40近傍には、被取付部40を覆う保護カバー43が設けられている。保護カバー43は、外カバー44と、内カバー45とから構成される。外カバー44は、矩形板状に形成されて溝部42に合わせたサイズとされ、上面4aの後部に設けられた支持軸46を中心に回転自在である。また、内カバー45は、外カバー44とほぼ同じサイズで形成され、外カバー44に支持軸46とは反対側に設けられた支持軸47を中心に回転自在である。この内カバー45には接眼側ファインダ窓48が形成され、接眼側ファインダ窓48の中央部には内枠49が設けられている。接眼側ファインダ窓48は対物側ファインダ窓26と同サイズであり、内枠49は内枠28と同サイズである。ただし、内枠49は、内カバー45が外カバー44に対して折り畳まれたときに、外カバー44とは反対側に突出するように形成されている。内枠49の前後方向での長さは、接続コネクタ41の開口41aの前後方向での長さとほぼ同じにされており、内枠49を接続コネクタ41に嵌め込んで固定できるようになっている。接続コネクタ4が嵌合部の役割を果たしている。接眼側ファインダ窓48において、内枠48及びこの内枠48を支持するスポーク以外の部位は、内カバーの表裏方向に貫通させてもよいし、透明な部材で形成してもよい。
【0024】
保護カバー43は、被取付部40を覆う図4(A)に示す閉じ位置(第1位置)と、ファインダとして使用される図4(C)に示す開き位置(第2位置)とをとる。保護カバー43を閉じ位置から開き位置へ変位させる場合には、図4(B)に示すように、外カバー44及び内カバー45を折り畳んだ状態のまま支持軸46を中心に回転させ、次に内カバー45を支持軸47を中心に回転させて展開させるようにする。保護カバー43が閉じ位置にあるときには内枠49が接続コネクタ41に嵌り込んで固定され、これにより保護カバー43が容易には外れないようになっている。
【0025】
撮像ユニット3をプリンタ4に装着するときには、撮像ユニット3の矩形板25を使用位置に移動させるとともに、プリンタ4の保護カバー43を開き位置に移動させ、撮像ユニット3の取付部30をプリンタ4の被取付部40に挿入する。これにより、撮像ユニット3がプリンタ4に固定されるとともに、接続端子31が接続コネクタ41に接続されて撮像ユニット3とプリンタ4とが電気的に接続されデータ及び電力の授受が可能になる。なお、撮像ユニット3を装着したときには、接眼側ファインダ窓48の中心が、撮影レンズ11の中心を含み上下方向に延びる線29上に位置するようにされ、左右方向でのパララックスが生じないようにされている。
【0026】
カメラシステム2の電気的構成を示すブロック図である図5に示すように、撮像ユニット3側において、撮影レンズ11の後方にはCCDイメージセンサ60が配置されている。CCDイメージセンサ60は、CCD駆動部61に接続されており、このCCD駆動部61によって駆動を制御されている。CCDイメージセンサ60は、光学的な被写体画像を電気的な撮像信号に変換して出力する。撮像信号はアンプ62で適当なレベルに増幅された後、A/D変換器63によってデジタル変換されて画像データとなる。この画像データは、画像処理部64に入力されて、階調変換、ホワイトバランス補正、γ補正等の各種画像処理が施される。なお、画像処理部64はプリンタ4側に設けることとしてもよい。
【0027】
撮像ユニット用システム制御部65では、プリンタ用システム制御部66と交信を行いながら、撮像ユニット3側の撮影処理などを管制している。撮像ユニット用システム制御部65には、レリーズボタン10が接続されている。レリーズボタン10が押圧操作されると、画像処理が施された画像データが接続端子31及び接続コネクタ41を介してプリンタ4側へ送られ、この画像データがメモリ67に書き込まれる。
【0028】
IrDA送受信部14で赤外線通信により画像データを受信した場合にも、画像データはメモリ67に書き込まれる。
【0029】
プリンタ用システム制御部66は、撮像ユニット用システム制御部65と交信を行いながら、プリンタ4側のプリント処理などを管制している。プリンタ用システム制御部66には、電源ボタン15、リピートボタン16が接続されている。プリンタ用システム制御部66では、撮像ユニット3からの画像データを受信するか、IrDA送受信部14を介して画像データを受信するか、またはリピートボタン16が操作されたときに、プリントを指示する。
【0030】
プリンタ4には、インスタントフイルム19を搬送する搬送機構68が備えられ、この搬送機構68は搬送機構駆動部69によって制御される。搬送機構68は、搬送ローラ及び展開ローラなどを有している。搬送ローラは、最も背面側にあるインスタントフイルム19をフイルム排出口20に向かって搬送する。展開ローラは、搬送されるインスタントフイルム19を挟持することにより、インスタントフイルム19に設けられた現像溜まりを押し潰して現像剤を展開する。
【0031】
また、プリンタ4には、インスタントフイルム19に画像を書き込むプリントヘッド70が備えられ、このプリントヘッド70はヘッド駆動部71によって制御される。プリントヘッド70は、R(赤)、G(緑)、B(青)の発光色を持つ3色のLED、光ガイド、及び液晶シャッタなどを有している。3色のLEDは順に発光し、各色光は光ガイドを経てインスタントフイルム19上に導かれる。ここで、光路の途中には液晶シャッタが配置されており、この液晶シャッタにより各色光の透過量が画像データに応じて制御される。各色光が照射されたインスタントフイルム19上には、主走査方向(インスタントフイルム19の幅方向)に延びる1ライン分の潜像が記録されることとなる。インスタントフイルム19は主走査方向に直交する副走査方向に搬送され、このインスタントフイルム19上には順次ラインが記録されてゆく。潜像が記録された領域に現像剤が展開されると画像が顕在化する。
【0032】
プリンタ4内にはバッテリ72が配置され、このバッテリ72がプリンタ4の各部に電力を供給している。また、このバッテリ72は、接続コネクタ41及び接続端子31を介して、撮像ユニット3の各部にも電力を供給している。
【0033】
以下、上記構成による作用を図6のフローチャートの流れに沿って説明する。撮像ユニット3をプリンタ4に装着する際には、撮像ユニット3の矩形板25を畳み位置から使用位置に変位させるとともに、プリンタ4の保護カバー43を閉じ位置から開き位置に変位させる。次いで、撮像ユニット3の取付部30をプリンタ4の被取付部40に挿入して、図7及び図8に示すように撮像ユニット3を装着し、撮像ユニット3とプリンタ4とを機械的及び電気的に接続させる。
【0034】
プリンタ4の電源ボタン15を押圧操作すると、撮像ユニット3及びプリンタ4の電源がオンになり、撮影が可能な状態になる。撮像ユニット3が装着されたプリンタ4を把持する際には、右手の中指、薬指、及び小指で前面4bのグリップ13を握り、人差し指をレリーズボタン10にのせ、親指で背面4cを支えるようにする。
【0035】
撮影を行う際には、対物側ファインダ窓26及び内枠28が、接眼側ファインダ窓48及び内枠49に重なるようにして、これらのファインダ窓26,48を通して被写体を眺め、構図を定めるようにする。人差し指によりレリーズボタン10を押圧操作すると、その時点における被写体画像の画像データが取得される。この画像データは画像処理が施された後にプリンタ4側へ自動的に送信され、一旦メモリ67に記録される。
【0036】
装着された撮像ユニット3を用いて撮影が行われた場合には、この撮像ユニット3により取得された画像データがメモリ67に記録され、この画像データがプリントデータとされる。また、撮像ユニット3以外の撮影機器、例えばカメラ付き携帯電話などの撮影機器から赤外線通信により画像データを受信した場合には、この画像データがメモリ67に記録され、この画像データがプリントデータとされる。さらに、画像データを受信せずに、リピートボタン16が操作された場合には、メモリ67に記録されている画像データ、つまり前回のプリントで用いられたものと同様の画像データがプリントデータとされる。
【0037】
プリントの指示が出されると、搬送機構68が駆動してインスタントフイルム19の搬送が開始され、このインスタントフイルム19の搬送に合わせてプリントヘッド70により1ラインずつ潜像が記録されてゆく。この潜像が記録された領域には搬送に合わせて現像剤が展開されて画像が顕在化されてゆき、画像記録後のインスタントフイルム19がフイルム排出口20から排出される。レリーズボタン10を押圧操作するだけで自動的にプリントが行われることとなり、操作者は撮影直後にすぐに写真を手にすることができる。再びプリントを行う場合には、上記動作が繰り返される。全てのプリントを終え、電源ボタン15を押圧操作すると、撮像ユニット3及びプリンタ4の各部の駆動が停止される。
【0038】
本発明によれば、プリンタ4の被取付部40を保護する保護カバー43が、撮像ユニット3の装着時にファインダの一部として用いられるため、撮像ユニット3を小型に維持しつつもファインダ機能を備えることができる。また、保護カバー43が撮像ユニット3の装着時にファインダの一部として有効に用いられるため、保護カバー43は撮影時に操作の邪魔になることがなくなる。
【0039】
上記実施形態では、撮像ユニットの上面に矩形板を設け、この矩形板に対物側ファインダ窓を形成したが、この替わりに、撮像ユニットの接続端子を保護する保護キャップを設け、この保護キャップに対物側ファインダ窓を形成してもよい。図9及び図10に示すように、保護キャップ100は、接続端子31に装着される保護位置(第1位置)と、撮像ユニット3の上面3aに撮影レンズ11に対向するようにして設けた突部101に装着されるファインダ位置(第2位置)とをとることができる。保護キャップ100には対物側ファインダ窓102が形成されている。保護キャップ100は全体が樹脂で形成されており、対物側ファインダ窓102が透明にされ、対物側ファインダ窓102以外の部分に着色が施されている。この対物側ファインダ窓102の中央部には内枠103が形成されており、この内枠103は着色を施すことにより形成してもよいし、成形時に凹凸をつけることにより形成してもよい。保護キャップ100がファインダ位置をとるときに、対物側ファインダ窓102の中心が、撮影レンズ11の中心を含み上下方向に延びる線29上に位置するようにされ、左右方向でのパララックスが生じないようにされている。
【0040】
上記実施形態では、接眼側ファインダ窓と対物側ファインダ窓との2つのファインダ窓を用いる形態で説明したが、いずれか一方のみを用いる形態であってもよい。保護カバーに設けたファインダ窓だけを用いる形態であってもよいし、保護キャップに設けたファインダ窓だけを用いる形態であってもよい。
【0041】
上記実施形態では、撮像ユニットの取付部が凸状であり、携帯型プリンタの被取付部が凹状である構成で説明したが、撮像ユニットの取付部が凹状であり、携帯型プリンタの被取付部が凸状である構成であってもよい。上記実施形態では、レリーズボタンを撮像ユニットに設けたが、プリンタに設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】撮像ユニット及び携帯型プリンタの正面図である。
【図2】撮像ユニット及び携帯型プリンタの背面図である。
【図3】撮像ユニットの矩形板の動きを説明する説明図である。
【図4】携帯型プリンタの保護カバーの動きを説明する説明図である。
【図5】カメラシステムの電気的構成を示すブロック図である。
【図6】カメラシステムによる撮影動作及びプリント動作の全体の流れを示すフローチャートである。
【図7】撮像ユニットを装着した携帯型プリンタの正面図である。
【図8】撮像ユニットを装着した携帯型プリンタの要部側面図である。
【図9】保護位置にある保護キャップを説明する説明図である。
【図10】ファインダ位置にある保護キャップを説明する説明図である。
【符号の説明】
【0043】
2 カメラシステム
3 撮像ユニット
4 携帯型プリンタ
25 矩形板
26 対物側ファインダ窓
30 取付部
31 接続端子
40 被取付部
41 接続コネクタ
43 保護カバー
48 接眼側ファインダ窓
49 内枠
100 保護キャップ
102 対物側ファインダ窓

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影レンズによって結像された被写体像を撮像する撮像素子を内蔵した撮像ユニットと、この撮像ユニットが着脱自在な携帯型プリンタとから構成され、前記撮像ユニットの取付部を前記携帯型プリンタの被取付部に取り付けることにより前記撮像ユニットが前記携帯型プリンタとの間で電気的に接続されて装着され、前記撮像ユニットが装着された前記携帯型プリンタを把持した状態で撮影が行われ、この撮影による撮影画像に基づいてプリントが行われるカメラシステムにおいて、
前記撮像ユニットの非装着時には前記取付部または前記被取付部を覆って保護し、前記撮像ユニットの装着時には被写体の撮影範囲を確認するためのファインダとして使用される保護部を備えたことを特徴とするカメラシステム。
【請求項2】
前記保護部は、凹状に形成された前記被取付部を保護する保護カバーであって、この保護カバーは、前記被取付部を覆って保護する第1位置と、前記被取付部を露呈させるとともに前記保護カバーに形成されたファインダ窓を通して前記被写体を視認させる第2位置とをとることを特徴とする請求項1記載のカメラシステム。
【請求項3】
前記保護カバーは、前記被取付部近傍に設けられた第1支持軸を中心に回転自在であり、板状に形成された外カバーと、前記外カバーに設けられた第2支持軸を中心に回転自在であり、ファインダ窓が形成された内カバーとから構成され、前記第1位置では、前記外カバーが前記被取付部の開口を閉じるとともに前記内カバーが前記外カバーに対して前記被取付部側に折り畳まれ、前記第2位置では、前記外カバーが前記被取付部の開口を開放するとともに前記内カバーが前記外カバーに対して展開されることを特徴とする請求項2記載のカメラシステム。
【請求項4】
前記内カバーには、前記ファインダ窓より小さいサイズで形成され前記ファインダ窓の中央部に配置された内枠が設けられており、この内枠は、前記内カバーが前記外カバーに対して折り畳まれたときに前記外カバーとは反対側に突出するように形成され、前記第1位置では前記被取付部に形成された嵌合部に嵌合して固定されることを特徴とする請求項3記載のカメラシステム。
【請求項5】
前記撮像ユニットを装着したときに前記撮影レンズに対向するようにして前記被取付部を前記携帯型プリンタに配置することにより、前記撮影レンズの光軸方向から見たときに、前記保護カバーに形成されたファインダ窓の中心が、前記撮影レンズの中心を通って上下方向に延びる線上に位置するようにしたことを特徴とする請求項2ないし4いずれか1項記載のカメラシステム。
【請求項6】
前記ファインダ窓に対して前記撮影レンズの光軸方向に並ぶようにして別のファインダ窓を配置し、前記ファインダ窓及び前記別のファインダ窓のうち、一方を接眼側ファインダ窓として用い、他方を対物側ファインダ窓として用いることを特徴とする請求項2ないし5いずれか1項記載のカメラシステム。
【請求項7】
前記保護部は、凸状に形成された前記取付部を保護する保護キャップであって、この保護キャップは、前記取付部に装着される第1位置と、この取付部から脱着されて前記撮像ユニットまたは前記携帯型プリンタに装着されて前記保護キャップに形成されたファインダ窓を通して前記被写体を視認させる第2位置とをとることを特徴とする請求項1記載のカメラシステム。
【請求項8】
前記保護キャップは前記撮影レンズに対向するようにして装着されて前記第2位置をとり、前記撮影レンズの光軸方向から見たときに、前記ファインダ窓の中心が、前記撮影レンズの中心を通って上下方向に延びる線上に位置するようにしたことを特徴とする請求項7記載のカメラシステム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate