説明

カメラモジュールの製造方法及び製造装置

【課題】近似像面に対する撮像面の位置調整において、軸ズレの影響を軽減して調整回数の低減を図ることが可能なカメラモジュールの製造方法及び製造装置を提供する。
【解決手段】カメラモジュール10は、撮影レンズ1aを有するレンズユニット1と、撮像素子2aを有する撮像ユニット2と、が一体化された構造を有する。直動アクチュエータ9は、撮影レンズ1aの光軸AX方向に互いに独立して可動な3本の可動部9aを有する。撮像素子2aの撮像面2sが光軸AXに対して垂直に位置するように配置された撮像ユニット2を、直動アクチュエータ9の3本の可動部9aで光軸AX方向に平行移動させることにより、撮影レンズ1aで形成された像面の近似平面を近似像面として測定する。撮像面2sを含む平面を撮像平面として、その撮像平面上の任意の3点が互いに独立した光軸AX方向の移動によって近似像面上に位置するように、直動アクチュエータ9の3本の可動部9aで撮像ユニット2を動かす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカメラモジュールの製造方法及び製造装置に関するものであり、更に詳しくは、カメラモジュールの組み立てにおいて近似像面に対する撮像面の位置調整を行うカメラモジュールの製造方法及び製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯電話等に搭載されるカメラモジュールは、撮影レンズを有するレンズユニットと、撮像素子を有する撮像ユニットと、が一体化された構造になっている。カメラモジュールの組み立てにおいては、撮影レンズで形成される像面に対して撮像素子の撮像面が3次元的に位置調整されることによって、カメラモジュールの光学性能が確保される。
【0003】
例えば、特許文献1で提案されているカメラモジュールの製造方法では、軸上と軸外4隅の各ピント位置を測定することによって、撮影レンズの近似像面が算出され、撮像ユニットが固定されたステージを動かすことによって、近似像面に対する撮像面の位置調整が行われる。軸上のピント位置に対する撮像面の位置ズレは、1軸の直動ステージを動かして撮影レンズと撮像素子との間隔を変化させることにより調整され(レンズバック調整)、近似像面の傾きに対する撮像面の傾きのズレは、測定された像面情報をXY2軸の成分に分解して2軸の回転ステージ(ゴニオステージ)を個々に動かすことにより調整される(アオリ調整)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−21985号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般的な多軸の位置調整においては、1つの軸を調整すると別の軸の測定値にズレが発生することがよくある。その原因は、カメラモジュールの製造装置における調整アクチュエータの軸の誤差であったり、調整される製品と製造装置との軸の誤差であったりする。このようなズレが発生すると調整回数の増加につながり、製造装置のマシンタイム(調整時間)が増加するおそれがある。カメラモジュールは製品自体が10mm角以下と小さく、求められる調整精度も高いことから、このような誤差の発生を抑えることは難しい。
【0006】
特許文献1で提案されている製造方法の場合、撮像面上の中心(軸上)と軸外4隅の計5か所で測定されたピント位置データから、像面の近似平面が演算される。その近似平面(近似像面)に対する撮像平面(撮像面を含む平面)の差を、傾きX方向・傾きY方向・Z方向の成分に分解して、それぞれの値に基づいてX方向傾きステージ・Y方向傾きステージ・Z方向直動ステージを動かすことにより調整が行われる。そのため、測定時の結果を各成分に分解した際の計算の軸と実際のアクチュエータの移動軸とが一致していないと、各軸で他の軸へ影響を与えるズレが発生してしまう。Z方向についてはZ方向直動ステージで像面の測定を行っているため、Z方向自体の誤差は相殺される可能性はあるが、XY方向の回転ステージの誤差は相殺されないため、上記ズレの発生を抑えることができない。つまり、測定軸と調整軸のズレや調整軸同士の関係のズレが存在すると、1つの軸を調整すると他の軸がズレてしまうような現象が発生して、調整回数が多くかかってしまうのである。
【0007】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであって、その目的は、近似像面に対する撮像面の位置調整において、軸ズレの影響を軽減して調整回数の低減を図ることが可能なカメラモジュールの製造方法及び製造装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、第1の発明のカメラモジュールの製造方法は、撮影レンズを有するレンズユニットと、撮像素子を有する撮像ユニットと、が一体化された構造を有するカメラモジュールの製造方法であって、前記撮像素子の撮像面が前記撮影レンズの光軸に対して垂直に位置するように、前記レンズユニット及び撮像ユニットを配置するセット工程と、前記撮像ユニットを光軸方向に平行移動させることにより、前記撮影レンズで形成された像面の近似平面を近似像面として測定する測定工程と、前記撮像面を含む平面を撮像平面として、その撮像平面上の任意の3点が互いに独立した光軸方向の移動によって前記近似像面上に位置するように、前記撮像ユニットを動かす調整工程と、を含むことを特徴とする。
【0009】
第2の発明のカメラモジュールの製造方法は、上記第1の発明において、前記調整工程において前記撮像ユニットが動くときの作用点が、前記撮像平面上の任意の3点と一致することを特徴とする。
【0010】
第3の発明のカメラモジュールの製造方法は、上記第1の発明において、前記任意の3点が光軸方向に平行移動した位置に、前記調整工程において前記撮像ユニットが動くときの作用点が位置することを特徴とする。
【0011】
第4の発明のカメラモジュールの製造方法は、上記第2又は第3の発明において、前記任意の3点を頂点とする三角形内に、前記撮像面が位置することを特徴とする。
【0012】
第5の発明のカメラモジュールの製造方法は、上記第1の発明において、前記撮影レンズの光軸をZ軸とする直交座標系(X,Y,Z)において、前記撮像平面上の任意の3点をA(X1,Y1,0),B(X2,Y2,0),C(X3,Y3,0)とするとき、前記近似像面において点A,B,Cに対応する3点:A’(X1,Y1,Z1),B’(X2,Y2,Z2),C’(X3,Y3,Z3)のZ座標:Z1,Z2,Z3を移動量として、点A,B,Cが互いに独立したZ方向の移動によって前記近似像面上に位置するように、前記調整工程における撮像ユニットの移動を行うことを特徴とする。
【0013】
第6の発明のカメラモジュールの製造方法は、上記第5の発明において、前記調整工程において前記撮像ユニットが動くときの作用点が、前記撮像平面上の任意の3点A,B,Cと一致することを特徴とする。
【0014】
第7の発明のカメラモジュールの製造方法は、上記第6の発明において、前記3点A,B,Cを頂点とする三角形内に、前記撮像面が位置することを特徴とする。
【0015】
第8の発明のカメラモジュールの製造装置は、撮影レンズを有するレンズユニットと、撮像素子を有する撮像ユニットと、が一体化された構造を有するカメラモジュールの製造装置であって、前記撮影レンズの光軸方向に互いに独立して可動な3本の可動部を有する直動アクチュエータを備え、前記撮像素子の撮像面が光軸に対して垂直に位置するように配置された撮像ユニットを、前記直動アクチュエータの3本の可動部で光軸方向に平行移動させることにより、前記撮影レンズで形成された像面の近似平面を近似像面として測定し、前記撮像面を含む平面を撮像平面として、その撮像平面上の任意の3点が互いに独立した光軸方向の移動によって前記近似像面上に位置するように、前記直動アクチュエータの3本の可動部で前記撮像ユニットを動かすことを特徴とする。
【0016】
第9の発明のカメラモジュールの製造装置は、上記第8の発明において、前記3本の可動部で前記撮像ユニットが動くときの作用点が、前記撮像平面上の任意の3点と一致することを特徴とする。
【0017】
第10の発明のカメラモジュールの製造装置は、上記第8の発明において、前記任意の3点が光軸方向に平行移動した位置に、前記3本の可動部で前記撮像ユニットが動くときの作用点が位置することを特徴とする。
【0018】
第11の発明のカメラモジュールの製造装置は、上記第9又は第10の発明において、前記任意の3点を頂点とする三角形内に、前記撮像面が位置することを特徴とする。
【0019】
第12の発明のカメラモジュールの製造装置は、上記第8の発明において、前記撮影レンズの光軸をZ軸とする直交座標系(X,Y,Z)において、前記撮像平面上の任意の3点をA(X1,Y1,0),B(X2,Y2,0),C(X3,Y3,0)とするとき、前記近似像面において点A,B,Cに対応する3点:A’(X1,Y1,Z1),B’(X2,Y2,Z2),C’(X3,Y3,Z3)のZ座標:Z1,Z2,Z3を移動量として、点A,B,Cが互いに独立したZ方向の移動によって前記近似像面上に位置するように、前記3本の可動部による撮像ユニットの移動を行うことを特徴とする。
【0020】
第13の発明のカメラモジュールの製造装置は、上記第12の発明において、前記3本の可動部で前記撮像ユニットが動くときの作用点が、前記撮像平面上の任意の3点A,B,Cと一致することを特徴とする。
【0021】
第14の発明のカメラモジュールの製造装置は、上記第13の発明において、前記3点A,B,Cを頂点とする三角形内に、前記撮像面が位置することを特徴とする。
【0022】
第15の発明のカメラモジュールの製造装置は、上記第8〜第14のいずれか1つの発明において、前記撮像ユニットが固定される調整テーブルを更に備え、その調整テーブルを前記直動アクチュエータが3本の可動部との接触状態で動かすことにより前記撮像ユニットの移動を行い、前記調整テーブルと前記3本の可動部との接触点が、前記3本の可動部で前記撮像ユニットが動くときの作用点であることを特徴とする。
【0023】
第16の発明のカメラモジュールの製造装置は、上記第15の発明において、前記調整テーブルと前記3本の可動部との接触が点接触又は円形状の線接触であることを特徴とする。
【0024】
第17の発明のカメラモジュールの製造装置は、上記第15又は第16の発明において、前記3本の可動部が球面形状の先端面を有し、各先端面と接触する第1〜第3の受け部を前記調整テーブルが有し、前記第1の受け部が円形穴を有し、前記第2の受け部が平面から成り、前記第3の受け部が長穴を有することを特徴とする。
【0025】
第18の発明のカメラモジュールの製造装置は、上記第15〜第17のいずれか1つの発明において、前記調整テーブルを前記可動部の接触点に向けて付勢するバネを更に備えることを特徴とする。
【0026】
第19の発明のカメラモジュールの製造装置は、上記第18の発明において、前記バネが引っ張りバネであることを特徴とする。
【0027】
第20の発明のカメラモジュールの製造装置は、上記第18の発明において、前記バネが板バネであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0028】
本発明のカメラモジュールの製造方法によれば、撮像ユニットを光軸方向に平行移動させることにより、撮影レンズで形成された像面の近似平面を近似像面として測定し、撮像面を含む平面を撮像平面として、その撮像平面上の任意の3点が互いに独立した光軸方向の移動によって近似像面上に位置するように、撮像ユニットを動かす構成になっているため、3軸の位置調整が直動のみであることから個々の軸の調整ズレが発生しにくく、測定軸と調整軸が共に光軸に対して平行であることから光軸方向の誤差があっても相殺される可能性が高い。したがって、近似像面に対する撮像面の位置調整において、軸ズレの影響を軽減して調整回数の低減を図ることが可能である。
【0029】
本発明のカメラモジュールの製造装置によれば、撮像ユニットを直動アクチュエータの3本の可動部で光軸方向に平行移動させることにより、撮影レンズで形成された像面の近似平面を近似像面として測定し、撮像面を含む平面を撮像平面として、その撮像平面上の任意の3点が互いに独立した光軸方向の移動によって近似像面上に位置するように、直動アクチュエータの3本の可動部で撮像ユニットを動かす構成になっているため、3軸の位置調整が直動アクチュエータのみで行われることから個々の軸の調整ズレが発生しにくく、測定と調整が共に直動アクチュエータのみで行われることから光軸方向の誤差があっても相殺される可能性が高い。したがって、近似像面に対する撮像面の位置調整において、軸ズレの影響を軽減して調整回数の低減を図ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】カメラモジュールの製造装置の一実施の形態を模式的に示す構成図。
【図2】図1の製造装置を用いたカメラモジュールの製造方法を示すフローチャート。
【図3】近似像面に対する撮像面の位置調整を模式的に示す概念図。
【図4】直動アクチュエータの可動部の作用点と撮像ユニットの撮像面の配置を模式的に示す平面図。
【図5】直動アクチュエータの可動部と調整テーブルの受け部とが点接触するタイプの接触構造の具体例を示す正面図。
【図6】直動アクチュエータの可動部と調整テーブルの受け部とが円形状に線接触するタイプの接触構造の具体例を示す断面図。
【図7】3本の可動部が調整テーブルの受け部に対して互いに異なる状態で接触するタイプの接触構造の具体例を示す図。
【図8】調整テーブルを直動アクチュエータの可動部の接触点に向けて付勢するタイプの接触構造の具体例を示す断面図。
【図9】調整テーブルを直動アクチュエータの可動部の接触点に向けて付勢するタイプの接触構造の他の具体例を示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明を実施したカメラモジュールの製造方法及び製造装置等を、図面を参照しつつ説明する。なお、各具体例等の相互で同一の部分や相当する部分には同一の符号を付して重複説明を適宜省略する。
【0032】
図1に、カメラモジュール10の製造装置20の概略構成を示す。カメラモジュール10は、レンズユニット1と撮像ユニット2とが一体化された構造を有している。レンズユニット1は、撮影レンズ1a,フォーカス用アクチュエータ(不図示)等で構成されている。撮像ユニット2は、撮像素子(例えば、CCD(Charge Coupled Device)型イメージセンサ,CMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)型イメージセンサ等の固体撮像素子)2a,基板(不図示),それらを保持する枠部品(不図示)等で構成されている。
【0033】
製造装置20は、光源3,チャート4,レンズユニット保持部5,撮像ユニット保持部6,プローブユニット7,調整テーブル(アオリテーブル)8,3軸の直動アクチュエータ9,パーソナルコンピュータ(PC)11等を備えている。チャート4はカメラモジュール10の調整用撮影対象であり、光源3からの光で照明されると、照明されたチャート4の光学像が撮影レンズ1aで形成される。撮影レンズ1aを搭載しているレンズユニット1は、製造装置20における固定位置でレンズユニット保持部5により保持される。撮像ユニット保持部6は調整テーブル8に固定されており、撮像素子2aを搭載している撮像ユニット2は、撮像ユニット保持部6に固定的に保持される。撮像素子2aに付いている基板のランド面には、プローブユニット7のコンタクトプローブ7aが調整中接触しており、撮像素子2aからの画像信号がプローブユニット7を介してパーソナルコンピュータ11に取り込まれる。パーソナルコンピュータ11は、像面測定や直動アクチュエータ9に与える移動量の演算等、製造装置20全体の制御を行う。
【0034】
直動アクチュエータ9は3軸設けられており、それぞれ可動部9a,固定部9b等で構成されている(図1では一部省略している。)。3軸の直動アクチュエータ9の可動部9aは、互いに平行に並んでおり、撮影レンズ1aの光軸AX方向に可動になっている。各々の直動アクチュエータ9で可動部9aの動きを調整できるので、3本の可動部9aは光軸AX方向に互いに独立して可動である。調整テーブル8には受け部8aが設けられており、調整テーブル8は受け部8aで3本の可動部9aの先端上に載っている。可動部9aの先端は作用点9pであり、受け部8aの受け面8sと接触している。3つの作用点9pで1つの平面が決まるため、3本の可動部9aを上下(光軸AX方向)に移動させると、調整テーブル8の光軸AX方向の位置及び傾きが変化する。調整テーブル8には撮像ユニット保持部6が固定されているので、直動アクチュエータ9で調整テーブル8を動かすと、撮像ユニット2の光軸AX方向の位置及び傾きが変化する。
【0035】
次に、図1の製造装置20を用いたカメラモジュール10の製造方法を説明する。図2に、カメラモジュール10の製造方法のフローチャートを示し、図3に近似像面Lに対する撮像面2sの位置調整を模式的に示す。まず、セット工程(#10)でレンズユニット1及び撮像ユニット2を製造装置20に取り付ける。このとき、撮像素子2aの撮像面2sが撮影レンズ1aの光軸AXに対して垂直に位置するように、レンズユニット1及び撮像ユニット2を配置する。
【0036】
次の測定工程(#20)で像面IM(図3)の測定を行う。ここでは、直動アクチュエータ9の3本の可動部9aで撮像ユニット2を光軸AX方向に平行移動させることにより、撮影レンズ1aで形成された像面IMの近似平面を近似像面Lとして測定する。つまり、直動アクチュエータ9の3本の可動部9aに同じ移動量を与えて移動させ、調整テーブル8ごと撮像ユニット2を移動させながら、チャート4の画像を撮像素子2aから取り込んでデフォーカス測定を行う。
【0037】
デフォーカス動作を行いながら取り込んだ画像(チャート画像)からMTF(Modulation Transfer Function)又はCTF(Contrast Transfer Function)を算出し、中心(軸上)と4隅(軸外)それぞれの位置でのピント位置を求める(図3)。中心と4隅の位置(X,Y)とそれらのピント位置(Z)から、これら5点を空間座標へ展開したときの近似平面を近似像面Lとして求める。一般的に空間上の平面は3点の値で1つに決まるため、5点の値はすべてが1つの平面上にない(つまり、軸上・軸外4隅のピント位置は像面湾曲等の収差の影響で1つの平面上にない。)。したがって、最小二乗法等を用いて近似像面Lを求める。
【0038】
次の調整工程では、パーソナルコンピュータ11で直動アクチュエータ9の移動量(つまり、3本の可動部9aの各移動量)の演算を行い(#30)、直動アクチュエータ9の移動(つまり、3本の可動部9aの移動)を行う(#40)。このとき、撮像面2sを含む平面を撮像平面Mとして、その撮像平面M上の任意の3点A,B,Cが互いに独立した光軸AX方向の移動によって近似像面L上に位置するように、直動アクチュエータ9の3本の可動部9aで撮像ユニット2を動かす(#40)。その移動量の演算(#30)は、以下のようにして行う。
【0039】
図3に示すように、レンズユニット1の軸上及び軸外4隅のピント位置から求められた近似像面Lは、平面Lの式:aX+bY+cZ+d=0で表現される。撮像素子2aの撮像面2sを含む平面は、撮像平面Mとして式:Z=0で表現される。つまり、像面IMの測定(#20)が直動アクチュエータ9の3本の可動部9aで撮像ユニット2を光軸AX方向(Z方向)に平行移動させることにより行われるため、撮像平面Mの式はZ=0となる。
【0040】
調整工程(#40)では、撮影レンズ1aの光軸AXをZ軸とする直交座標系(X,Y,Z)において、撮像平面M上の任意の3点をA(X1,Y1,0),B(X2,Y2,0),C(X3,Y3,0)とするとき、近似像面Lにおいて点A,B,Cに対応する3点:A’(X1,Y1,Z1),B’(X2,Y2,Z2),C’(X3,Y3,Z3)のZ座標:Z1,Z2,Z3を移動量として、点A,B,Cが互いに独立したZ方向の移動によって近似像面L上に位置するように、3本の可動部9aによる撮像ユニット2の移動を行う。なお、図3では直動アクチュエータ9の3本の可動部9aで撮像ユニット2が動くときの作用点が、撮像平面M上の任意の3点A,B,Cと一致するように設定されているため、撮像ユニット2が動くときの作用点は、撮像素子2aの撮像面2sと同一平面上に位置している。
【0041】
X座標:X1,X2,X3;Y座標:Y1,Y2,Y3は、3本の可動部9aの配置で決まり、製造装置20に固有の定数となる。このことから、デフォーカス測定(#20)により求められた像面IMから得られる近似像面Lの式:aX+bY+cZ+d=0を用いて、Z1〜Z3の値を求めることができる。したがって、上述したように3点:A’,B’,C’のZ座標:Z1,Z2,Z3が直動アクチュエータ9の移動量(3本の可動部9aの各移動量)となる。
【0042】
調整工程(#40)が完了したら、前記像面測定(#20)と同じ像面測定を、確認のため再び行う(#50)。調整目標以内になっているかどうかを判定し、目標範囲内で近似像面Lに撮像面2sが位置するまで前記制御(#30〜#60)を繰り返す。近似像面Lに対する撮像面2sの位置調整が完了したら、レンズユニット1と撮像ユニット2との間に接着剤を塗布し(#70)、接着剤を硬化させる(#80)。例えば、紫外線硬化型の接着剤を塗布し(#70)、接着剤に紫外線を照射して接着剤を硬化させる(#80)。接着剤が硬化したら、レンズユニット1と撮像ユニット2とが結合した状態のカメラモジュール10を製造装置20から取り出して、カメラモジュール10の製造が完了する。
【0043】
この実施の形態の製造方法(図2等)では、撮像ユニット2を光軸AX方向に平行移動させることにより、撮影レンズ1aで形成された像面IMの近似平面を近似像面Lとして測定し、撮像面2sを含む平面を撮像平面Mとして、その撮像平面M上の任意の3点が互いに独立した光軸AX方向の移動によって近似像面L上に位置するように、撮像ユニット2を動かす構成になっている。このように、3軸の位置調整が直動のみであることから個々の軸の調整ズレが発生しにくく、測定軸と調整軸が共に光軸AXに対して平行であることから光軸AX方向の誤差があっても相殺される可能性が高い。したがって、近似像面Lに対する撮像面2sの位置調整において、軸ズレの影響を軽減して調整回数の低減を図ることが可能である。
【0044】
また、この実施の形態の製造装置20(図1等)では、撮像ユニット2を直動アクチュエータ9の3本の可動部9aで光軸AX方向に平行移動させることにより、撮影レンズ1aで形成された像面IMの近似平面を近似像面Lとして測定し、撮像面2sを含む平面を撮像平面Mとして、その撮像平面M上の任意の3点が互いに独立した光軸AX方向の移動によって近似像面L上に位置するように、直動アクチュエータ9の3本の可動部9aで撮像ユニット2を動かす構成になっている。このように、3軸の位置調整が直動アクチュエータ9のみで行われることから個々の軸の調整ズレが発生しにくく、測定と調整が共に直動アクチュエータ9のみで行われることから光軸AX方向の誤差があっても相殺される可能性が高い。したがって、近似像面Lに対する撮像面2sの位置調整において、軸ズレの影響を軽減して調整回数の低減を図ることが可能である。
【0045】
この実施の形態は、像面IMと撮像面2sとの位置ズレが2つの平面のズレであること、つまり、像面IMの近似平面である近似像面Lと、撮像面2sを含む平面である撮像平面Mと、の位置ズレであることに着目したものである。撮像平面Mに対する近似像面Lの3次元的なズレは平面Lの式:aX+bY+cZ+d=0で表されるので、そこから得られる近似像面LのZの値を直動アクチュエータの移動量とすることにより、近似像面Lに撮像平面Mをダイレクトに合わせることが可能となる。このとき、撮像面2sの3次元的な位置を3軸の直動アクチュエータ9のZ方向のみの移動量で調整できることから(例えば、2軸の回転ステージによる回転が無い。)、個々の軸の調整ズレが発生しにくい。また、3軸の直動アクチュエータ9で像面測定も行っているので、なんらかの誤差が存在しても相殺される可能性が高い。測定用のアクチュエータと調整用のアクチュエータとが3軸とも同じであり、測定軸と調整軸のズレが存在しないから、測定結果どおりに撮像面を傾けることができる。なお、従来の技術では、測定に直動アクチュエータのみが使用され、調整に直動アクチュエータと回転アクチュエータが使用されるため、軸ズレの影響は避けられない。
【0046】
この実施の形態では、例えば調整工程において、3本の可動部9aで撮像ユニット2が動くときの作用点が、撮像平面M上の任意の3点A,B,Cと一致する構成になっているが、任意の3点A,B,Cが光軸AX方向に平行移動した位置に、3本の可動部9aで撮像ユニット2が動くときの作用点が位置するようにしてもよい(例えば、図1中の受け部8aの厚みを変えた場合)。ただし、図1に示すように、直動アクチュエータ9の可動部9aの作用点9pを、撮像面2sと同一平面上(つまり撮像平面M上)に配置すれば、傾き調整時に撮像面2sの中心と撮影レンズ1aの光軸AXの中心位置とのズレが発生しにくくなる。
【0047】
図4に、直動アクチュエータ9の可動部9aの作用点9pと撮像ユニット2の撮像面2sの配置を模式的に示す。この実施の形態では、図4に示すように、任意の3点A,B,Cを頂点とする三角形内に、撮像面2sが位置する構成になっている。3点A,B,Cを頂点とする三角形内に撮像面2sが位置するように、撮像素子2aを配置することにより、調整精度の安定性の点で有利になる。上記三角形外に撮像面2sが位置するように撮像素子2aを配置すれば、製造装置20の剛性が悪化して誤差の影響を受けやすくなるため、調整精度が低下するおそれがある。
【0048】
この実施の形態では、図1に示すように、撮像ユニット2が固定される調整テーブル8を直動アクチュエータ9が3本の可動部9aとの接触状態で動かすことにより撮像ユニット2の移動を行い、調整テーブル8の受け部8aと3本の可動部9aとの接触点が、3本の可動部9aで撮像ユニット2が動くときの作用点9pとなっている。このため、調整精度の安定性は受け部8aと可動部9aとの接触構造によって左右される。安定した調整精度が得られる接触構造としては、以下に説明するように様々なタイプを挙げることができる。
【0049】
図5に、直動アクチュエータ9の可動部9aと調整テーブル8の受け部8aとが点接触するタイプの接触構造の具体例を示す。図5(A)は、可動部9aが有する円錐形状の先端面9sと、受け部8aが有する平面形状の受け面8sと、の接触構造を示している。図1,図4に示されている接触構造はこのタイプである。作用点9pが円錐の頂点から成っているため、接触点は1点である。図5(B)は、可動部9aが有する球面形状の先端面9sと、受け部8aが有する平面形状の受け面8sと、の接触構造を示している。作用点9pが球面の頂点から成っているため、接触点は1点である。
【0050】
図5(C),(D)は、図5(A),(B)とは逆に、受け部8aが円錐形状,球面形状を有している。つまり、図5(C)は、可動部9aが有する平面形状の先端面9sと、受け部8aが有する円錐形状の受け面8sと、の接触構造を示しており、図5(D)は、可動部9aが有する平面形状の先端面9sと、受け部8aが有する球面形状の受け面8sと、の接触構造を示している。作用点8pが円錐又は球面の頂点から成っているため、接触点は1点である。
【0051】
図6に、直動アクチュエータ9の可動部9aと調整テーブル8の受け部8aとが円形状に線接触するタイプの接触構造の具体例を示す。図6(A)〜(D)に示す接触構造は、前述した図5(B)に示す接触構造において、調整テーブル8の横ズレ(光軸AXに略垂直方向のズレ)を防止するため、球面形状の先端面9sが円形状に線接触する穴8hを受け部8aに設けた構成になっている。例えば、図6(A)では、円柱形状の穴8hが受け部8aに設けられており、受け面8sの穴8hの縁で球面形状の先端面9sが円形状に線接触する。図6(B)では、円錐形状の穴(皿穴)8hが受け部8aに設けられており、受け面8sの穴8hの縁で球面形状の先端面9sが円形状に線接触する。図6(C)では、テーパー形状の穴8hが受け部8aに設けられており、穴8hの内周面である受け面8sで球面形状の先端面9sが円形状に線接触する。図6(D)では、円錐形状の穴(皿穴)8hが受け部8aに設けられており、穴8hの内周面である受け面8sで球面形状の先端面9sが円形状に線接触する。なお、図6に示す接触構造とは逆に、受け部8aに球面形状の凸部を設け、可動部9aの先端面9sに穴を設けてもよい。
【0052】
上述した図5,図6に示すように、調整テーブル8と3本の可動部9aとの接触が点接触又は円形状の線接触であることが好ましい。そのような接触構造を採用すると、直動アクチュエータ9の可動部9aの動きに調整テーブル8の動きが高精度で追随することができるため、調整精度の安定化を達成することができる。もし、調整テーブル8と3本の可動部9aとの接触が面接触であれば、受け面の傾きにより接触位置が変化してガタが生じるおそれがある。
【0053】
図7に、3本の可動部9A,9B,9Cが第1〜第3の受け部8A,8B,8Cに対して互いに異なる状態で接触するタイプの接触構造の具体例を示す。図7(A)は調整テーブル8を示す平面図であり、図7(B)は可動部9A,9B,9Cと受け部8A,8B,8Cとの接触構造を、図7(A)におけるP−P’線断面で示す断面図である。3本の可動部9A,9B,9Cは球面形状の先端面9sを有し、各先端面9sと接触する第1〜第3の受け部8A,8B,8Cを調整テーブル8が有している。そして、第1の受け部8Aが円形穴hAを有し、第2の受け部8Bが平面から成り、第3の受け部8Cが長穴hCを有する構成になっている。
【0054】
例えば、図6(A)に示す接触構造を3箇所に用いた場合、球面形状の先端面9sが穴8hに対して3箇所とも隙間なくはまるようにするために、高精度の位置調整が必要になる。また、適正な接触状態に無いと、調整中にガタが生じるおそれがある。上記のように、第1〜第3の受け部8A,8B,8Cに、穴hA,平面(受け面8s),長穴hCをそれぞれ設けて可動部9A,9B,9Cとの接触構造を構成すれば、可動部9A,9B,9Cと第1〜第3の受け部8A,8B,8Cとの位置が1つに決まることから、高精度の位置調整は不要になり、直動アクチュエータ9の可動部9aの動きに調整テーブル8の動きが高精度で追随することができるため、調整精度の安定化を達成することができる。なお、長穴hCは穴hAが設けられている方向に長くなるように形成することが、調整中のガタの発生を効果的に抑える上で好ましい。
【0055】
図8に、調整テーブル8を直動アクチュエータ9の可動部9aの接触点に向けて付勢するタイプの接触構造の具体例を示す。図8に示す接触構造は、前述した図5〜図7に示す接触構造において、調整テーブル8の横ズレ(光軸AXに略垂直方向のズレ)を防止するため、調整テーブル8を可動部9aの接触点に向けて付勢する引っ張りバネ12を設けた構成になっている。引っ張りバネ12の付勢力により、受け部8aと可動部9aとがより安定的に密着した状態に保持されるため、調整テーブル8の横ズレを効果的に防止することができる。
【0056】
図9に、調整テーブル8を直動アクチュエータ9の可動部9aの接触点に向けて付勢するタイプの接触構造の他の具体例を示す。図9に示す接触構造は、前述した図5〜図7に示す接触構造において、調整テーブル8の横ズレ(光軸AXに略垂直方向のズレ)を防止するため、調整テーブル8を可動部9aの接触点に向けて付勢する板バネ13を設けた構成になっている。板バネ13の付勢力により、受け部8aと可動部9aとがより安定的に密着した状態に保持されるため、調整テーブル8の横ズレを効果的に防止することができる。また、板バネ13は受け部8aと固定部9bにネジ14で固定されており、板バネ13の固定部の高さを撮像面2sに一致させることで、傾き調整時の回転の支点の高さを撮像面2sと一致させることができ、傾き調整時に撮像面2sの中心とレンズユニット1の光軸AXの中心位置とのズレが発生しない、という効果が得られる。
【符号の説明】
【0057】
1 レンズユニット
1a 撮影レンズ
2 撮像ユニット
2a 撮像素子
2s 撮像面
3 光源
4 チャート
5 レンズユニット保持部
6 撮像ユニット保持部
7 プローブユニット
7a コンタクトプローブ
8 調整テーブル
8a 受け部
8s 受け面
8p 作用点
8h 穴
9 直動アクチュエータ
9a 可動部
9b 固定部
9s 先端面
9p 作用点
8A,8B,8C 受け部
9A,9B,9C 可動部
hA,hC 穴
10 カメラモジュール
11 パーソナルコンピュータ(PC)
12 引っ張りバネ
13 板バネ
20 製造装置
IM 像面
L 像面の近似平面(近似像面)
M 撮像平面
AX 光軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影レンズを有するレンズユニットと、撮像素子を有する撮像ユニットと、が一体化された構造を有するカメラモジュールの製造方法であって、
前記撮像素子の撮像面が前記撮影レンズの光軸に対して垂直に位置するように、前記レンズユニット及び撮像ユニットを配置するセット工程と、
前記撮像ユニットを光軸方向に平行移動させることにより、前記撮影レンズで形成された像面の近似平面を近似像面として測定する測定工程と、
前記撮像面を含む平面を撮像平面として、その撮像平面上の任意の3点が互いに独立した光軸方向の移動によって前記近似像面上に位置するように、前記撮像ユニットを動かす調整工程と、
を含むことを特徴とするカメラモジュールの製造方法。
【請求項2】
前記調整工程において前記撮像ユニットが動くときの作用点が、前記撮像平面上の任意の3点と一致することを特徴とする請求項1記載のカメラモジュールの製造方法。
【請求項3】
前記任意の3点が光軸方向に平行移動した位置に、前記調整工程において前記撮像ユニットが動くときの作用点が位置することを特徴とする請求項1記載のカメラモジュールの製造方法。
【請求項4】
前記任意の3点を頂点とする三角形内に、前記撮像面が位置することを特徴とする請求項2又は3記載のカメラモジュールの製造方法。
【請求項5】
前記撮影レンズの光軸をZ軸とする直交座標系(X,Y,Z)において、前記撮像平面上の任意の3点をA(X1,Y1,0),B(X2,Y2,0),C(X3,Y3,0)とするとき、前記近似像面において点A,B,Cに対応する3点:A’(X1,Y1,Z1),B’(X2,Y2,Z2),C’(X3,Y3,Z3)のZ座標:Z1,Z2,Z3を移動量として、点A,B,Cが互いに独立したZ方向の移動によって前記近似像面上に位置するように、前記調整工程における撮像ユニットの移動を行うことを特徴とする請求項1記載のカメラモジュールの製造方法。
【請求項6】
前記調整工程において前記撮像ユニットが動くときの作用点が、前記撮像平面上の任意の3点A,B,Cと一致することを特徴とする請求項5記載のカメラモジュールの製造方法。
【請求項7】
前記3点A,B,Cを頂点とする三角形内に、前記撮像面が位置することを特徴とする請求項6記載のカメラモジュールの製造方法。
【請求項8】
撮影レンズを有するレンズユニットと、撮像素子を有する撮像ユニットと、が一体化された構造を有するカメラモジュールの製造装置であって、
前記撮影レンズの光軸方向に互いに独立して可動な3本の可動部を有する直動アクチュエータを備え、
前記撮像素子の撮像面が光軸に対して垂直に位置するように配置された撮像ユニットを、前記直動アクチュエータの3本の可動部で光軸方向に平行移動させることにより、前記撮影レンズで形成された像面の近似平面を近似像面として測定し、
前記撮像面を含む平面を撮像平面として、その撮像平面上の任意の3点が互いに独立した光軸方向の移動によって前記近似像面上に位置するように、前記直動アクチュエータの3本の可動部で前記撮像ユニットを動かすことを特徴とするカメラモジュールの製造装置。
【請求項9】
前記3本の可動部で前記撮像ユニットが動くときの作用点が、前記撮像平面上の任意の3点と一致することを特徴とする請求項8記載のカメラモジュールの製造装置。
【請求項10】
前記任意の3点が光軸方向に平行移動した位置に、前記3本の可動部で前記撮像ユニットが動くときの作用点が位置することを特徴とする請求項8記載のカメラモジュールの製造装置。
【請求項11】
前記任意の3点を頂点とする三角形内に、前記撮像面が位置することを特徴とする請求項9又は10記載のカメラモジュールの製造装置。
【請求項12】
前記撮影レンズの光軸をZ軸とする直交座標系(X,Y,Z)において、前記撮像平面上の任意の3点をA(X1,Y1,0),B(X2,Y2,0),C(X3,Y3,0)とするとき、前記近似像面において点A,B,Cに対応する3点:A’(X1,Y1,Z1),B’(X2,Y2,Z2),C’(X3,Y3,Z3)のZ座標:Z1,Z2,Z3を移動量として、点A,B,Cが互いに独立したZ方向の移動によって前記近似像面上に位置するように、前記3本の可動部による撮像ユニットの移動を行うことを特徴とする請求項8記載のカメラモジュールの製造装置。
【請求項13】
前記3本の可動部で前記撮像ユニットが動くときの作用点が、前記撮像平面上の任意の3点A,B,Cと一致することを特徴とする請求項12記載のカメラモジュールの製造装置。
【請求項14】
前記3点A,B,Cを頂点とする三角形内に、前記撮像面が位置することを特徴とする請求項13記載のカメラモジュールの製造装置。
【請求項15】
前記撮像ユニットが固定される調整テーブルを更に備え、その調整テーブルを前記直動アクチュエータが3本の可動部との接触状態で動かすことにより前記撮像ユニットの移動を行い、前記調整テーブルと前記3本の可動部との接触点が、前記3本の可動部で前記撮像ユニットが動くときの作用点であることを特徴とする請求項8〜14のいずれか1項に記載のカメラモジュールの製造装置。
【請求項16】
前記調整テーブルと前記3本の可動部との接触が点接触又は円形状の線接触であることを特徴とする請求項15記載のカメラモジュールの製造装置。
【請求項17】
前記3本の可動部が球面形状の先端面を有し、各先端面と接触する第1〜第3の受け部を前記調整テーブルが有し、前記第1の受け部が円形穴を有し、前記第2の受け部が平面から成り、前記第3の受け部が長穴を有することを特徴とする請求項15又は16記載のカメラモジュールの製造装置。
【請求項18】
前記調整テーブルを前記可動部の接触点に向けて付勢するバネを更に備えることを特徴とする請求項15〜17のいずれか1項に記載のカメラモジュールの製造装置。
【請求項19】
前記バネが引っ張りバネであることを特徴とする請求項18記載のカメラモジュールの製造装置。
【請求項20】
前記バネが板バネであることを特徴とする請求項18記載のカメラモジュールの製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−34205(P2012−34205A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−172242(P2010−172242)
【出願日】平成22年7月30日(2010.7.30)
【出願人】(303000408)コニカミノルタオプト株式会社 (3,255)
【Fターム(参考)】