説明

カメラ支持装置

【課題】カメラを外部被固定物に対して常に安定した姿勢で固定支持し得るカメラ支持装置を提供する。
【解決手段】カメラを支持するカメラ支持装置1において、カメラの三脚ネジ穴に螺合するネジ部14aと、ネジ部が一方端に設けられる棒状部材11と、棒状部材の他方端の外周を覆うように設けられ外周部位が弾性的性質を有する素材で形成される外装部材12と、外装部材若しくは棒状部材の他方端に設けられ外部被固定物に対して当該カメラ支持装置を外装部材を介して固定するために設けられる固定手段であって外部被固定物を巻回する巻回手段13とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、カメラ支持装置、詳しくはカメラを固定支持するためのカメラ支持装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、撮影者の目線位置に近い高さでカメラを固定支持するためのカメラ支持装置として、例えば大型の三脚式若しくは一脚式のカメラ支持装置が一般に実用化されている。しかしながら、大型の三脚若しくは一脚等を常時携帯することは、写真撮影者にとって負担になるという問題点がある。
【0003】
そこで、携帯性を考慮した小型化した三脚や一脚等のカメラ支持装置が実用化されているが、この種の小型のものでは、必要な高さを確保できなかったり、必要な安定性を確保できない等、使用上の自由度が制限されてしまうという問題点が生じる。
【0004】
そこで、近年、脚部分を可撓性部材で構成した三脚若しくは一脚等のカメラ支持装置が実用化されている。この種のカメラ支持装置においては、可撓性の脚部分を既存の外部被固定物等に巻き付けたり挟み込む等によって、カメラ支持装置自体が外部被固定物と一体となるように固定することで、該カメラ支持装置に装着したカメラを固定保持するというものである。
【0005】
例えば、特開2007−86706号公報等によって開示されているカメラ支持装置は、カメラの三脚取付部に螺合する雄ネジを備えた可撓性ワイヤーによって構成したものであって、該可撓性ワイヤーを外部被固定物に巻き付け固定することによって、外部被固定物に対してカメラを保持するというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−86706号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、上記特開2007−86706号公報等によって開示されている形態のカメラ支持装置では、可撓性ワイヤーの外部被固定物に対する巻き付け力量,挟み込み力量が不十分であると、カメラを装置したカメラ支持装置自体を外部被固定物に対して安定した状態で確実に固定保持することができないという問題点がある。
【0008】
この種の形態のカメラ支持装置では、外部被固定物に対して固定支持するとき、その固定状態を、安定して維持させることが求められる。また、使用者が携帯することを考慮すると、小型化及び軽量化が求められるものである。
【0009】
本発明は、上述した点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、カメラを外部被固定物に対して常に安定した姿勢で固定支持することのできるカメラ支持装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の一態様のカメラ支持装置は、カメラを支持するカメラ支持装置において、カメラの三脚ネジ穴に螺合するネジ部と、上記ネジ部が一方端に設けられる棒状部材と、上記棒状部材の他方端の外周を覆うように設けられ外周部位が弾性的性質を有する素材で形成される外装部材と、上記外装部材若しくは上記棒状部材の他方端に設けられ外部被固定物に対して当該カメラ支持装置を上記外装部材を介して固定するために設けられる固定手段であって、上記外部被固定物を巻回する巻回手段と、を具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、カメラを外部被固定物に対して常に安定した姿勢で固定支持することのできるカメラ支持装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態のカメラ支持装置の巻回手段を展開した状態を示す外観斜視図、
【図2】本発明の一実施形態のカメラ支持装置の巻回手段を収納した状態を示す外観斜視図、
【図3】本発明の一実施形態のカメラ支持装置の使用例のうち、カメラを装着した状態のカメラ支持装置を外部被固定物(椅子)に固定した状態を示す概念図、
【図4】図3の状態にあるカメラ支持装置における外部被固定物との固定部位の断面図、
【図5】本発明の一実施形態のカメラ支持装置の使用例のうち、カメラを装着した状態の本カメラ支持装置を外部被固定物(ハンガー若しくは鉄棒等の横木部分)に固定した状態を示す概念図、
【図6】本発明の一実施形態のカメラ支持装置の使用例のうち、カメラを装着した状態の本カメラ支持装置を外部被固定物(樹木の枝部分)に固定した状態を示す概念図、
【図7】図6の状態にあるカメラ支持装置における外部被固定物との固定部位の断面図、
【図8】本発明の一実施形態のカメラ支持装置の使用例のうち、カメラを装着した状態の本カメラ支持装置の棒状部材を伸長させた状態を示す概念図、
【図9】本発明の一実施形態のカメラ支持装置の第1変形例を示す斜視図、
【図10】本発明の一実施形態のカメラ支持装置の第2変形例を示す斜視図、
【図11】図10の第2変形例のカメラ支持装置の使用例を示す概念図、
【図12】本発明の一実施形態のカメラ支持装置の第3変形例を示す斜視図、
【図13】図12のカメラ支持装置の断面図、
【図14】本発明の一実施形態のカメラ支持装置の第4変形例を示す斜視図、
【図15】図14のカメラ支持装置の断面図、
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図示の実施の形態によって本発明を説明する。
以下の説明に用いる各図面においては、各構成要素を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各構成要素毎に縮尺を異ならせて示している場合がある。したがって、本発明は、これらの図面に記載された構成要素の数量,構成要素の形状,構成要素の大きさの比率及び各構成要素の相対的な位置関係は、図示の形態のみに限定されるものではない。
【0014】
図1,図2は、本発明の一実施形態のカメラ支持装置の外観を示す斜視図である。このうち、図1は本カメラ支持装置における巻回手段を展開した状態を示している。また、図2は本カメラ支持装置における巻回手段を収納した状態を示している。
【0015】
図3〜図8は、本実施形態のカメラ支持装置の使用例を示す図である。図3は、カメラを装着した状態の本カメラ支持装置を外部被固定物(椅子)に固定した状態を示している。図4は、図3の状態にあるカメラ支持装置における外部被固定物との固定部位の断面を示す図である。図5は、カメラを装着した状態の本カメラ支持装置を外部被固定物(ハンガー若しくは鉄棒等の横木部分)に固定した状態を示している。図6は、カメラを装着した状態の本カメラ支持装置を外部被固定物(樹木の枝部分)に固定した状態を示している。図7は、図6の状態にあるカメラ支持装置における外部被固定物との固定部位の断面を示す図である。図8は、カメラを装着した状態の本カメラ支持装置の棒状部材を伸長させた状態を示している。
【0016】
まず、本実施形態のカメラ支持装置の構成を、図1,図2を用いて以下に説明する。本実施形態のカメラ支持装置1は、自由雲台14と、棒状部材11と、外装部材12と、巻回手段である巻回部材13とによって主に構成されている。
【0017】
自由雲台14は、カメラ(不図示)の三脚ネジ穴に螺合する雄ネジからなるネジ部14aを備え、カメラの姿勢を保持し任意の方向を向くように支持する台座部材である。自由雲台14そのものは、一般的に実用化されている自由雲台と同様のものが適用されているものとして、その詳細構成は省略する。
【0018】
棒状部材11は、複数の中空筒状部材を入れ子構造(nested structure)に形成した多段シャフト部材からなる伸縮手段を備えている。この棒状部材11の一端部には、上記自由雲台14が例えばネジ等の締結手段によって固設される。
【0019】
なお、本実施形態においては、カメラを固定支持するための自由雲台14を、カメラと棒状部材11との間に介在させる構成としているが、これに限らず、例えば棒状部材11の一方端にカメラの三脚ネジ穴に螺合するネジ部を直接設けるような構成としてもよい。この構成では、自由雲台14による作用を享受することはできないが、棒状部材11の一方端に直接カメラを固定する構成となる。
【0020】
外装部材12は、上記棒状部材11の他端寄りの外周を覆うように設けられる。外装部材12は、その全体若しくは少なくともその外周部位に低反発性を有し弾性的性質を有する素材、例えばスポンジ等の発泡体,合成ゴム発泡体(ウレタンスポンジ),シリコーン等からなるエラストマー,ポリエチレン発泡剤等、ゴム部材、シリコンゲル素材等、若しくはゴム素材をシリコーン材で包んだ部材等によって形成される。
【0021】
図1,図2に示す例では、上記外装部材12は、上記棒状部材11の外周全体を覆うように配設されているように見える。しかしながら、上述したように棒状部材11は、伸縮手段を有して構成されている。そして、図1,図2は、棒状部材11を最も短縮した状態を示している。したがって、図1,図2に示す状態の棒状部材11を伸長状態とした時、外装部材12は、棒状部材11の他方端の外周を覆うように設けられることになる。また、このとき外装部材12が設けられている部位は、使用者が手によって把持する把持部15として機能することになる。
【0022】
上記外装部材12の他端部には、外部被固定物(後述する;図3〜図8等参照)に対して当該カメラ支持装置1を上記外装部材12を介して固定するための巻回部材13が一体に設けられている。この巻回部材13は、上記外部被固定物と上記外装部材12の外周側を巻回し得るような形態の、例えば一本の細長のベルト形状に形成され、面ファスナー(hook-and-loop fastener)を備えて構成される。この面ファスナーは、巻回部材13の巻回状態を固定するための固定手段として機能するものである。
【0023】
巻回部材13は、一端を上記外装部材12の一部に対して固定されており、図2に示すように、該外装部材12の外周に巻回した状態で収納されるように形成されている。
【0024】
なお、巻回部材13は、外装部材12の一部に固定する形態で、外装部材12の他端部に設けるようにしているが、これに限ることはない。例えば、棒状部材11の他端部が外装部材12から露呈するように構成し、棒状部材11の他端部のその露呈部分に対して巻回部材13の一端を固設するように構成してもよい。
【0025】
また、巻回部材13は、非伸縮性の素材で形成してもよいし、弾性を有する伸縮性素材、例えばベルト状ゴム部材等によって形成してもよい。また、巻回部材13の巻回状態を固定するための手段として、面ファスナー以外に、たとえばホック,ボタン等の固定手段を適用することも可能である。
【0026】
このように構成された本実施形態のカメラ支持装置1の作用を、図3〜図8の使用例を示しながら、以下に説明する。
【0027】
図3に示す使用例は、カメラ2を自由雲台14に装着した状態の本カメラ支持装置1を、外部被固定物としての椅子3の背もたれの支柱部3aに固定した状態を示している。
【0028】
この場合においては、まず、巻回部材13を、図1に示すように、外装部材12の外周から展開させた状態とする。この状態で、外装部材12の外周面を、外部被固定物である椅子3の固定したい部位、つまり図3の例では支柱部3aの任意の部位に対して押圧する。そして、この押圧状態を保持しながら、外装部材12と支柱部3aとの外周を覆うように巻回部材13を巻回させる(図4参照)。巻回部材13は、上述のように面ファスナーで形成されているので、巻回させるのみで面ファスナーのフック状起毛面とループ状起毛面とが対面し互いに貼り付いて固定される。
【0029】
これにより、カメラ支持装置1の外装部材12は、弾性変形した状態で支柱部3aの表面に密着した状態が維持される。このとき、外装部材12は変形状態から通常形状へと復元しようとする復元力が働いているが、この復元力は、外装部材12及び支柱部3aの外周に巻回固定される巻回部材13によって抑えられている。したがって、外装部材12と支柱部3aとの密着状態が維持されて、カメラ支持装置1は安定した状態で固定される。そして、カメラ支持装置1の自由雲台に装着されたカメラ2も安定状態で固定支持される。なお、この状態において、カメラ2の姿勢は、自由雲台14の作用によって任意に設定することができる。
【0030】
図5に示す使用例は、カメラ2を自由雲台14に装着した状態の本カメラ支持装置1を外部被固定物としてのハンガー若しくは鉄棒等の構造物4(以下、鉄棒等という)の横木部4aに固定した状態を示している。
【0031】
この場合にも、上記図3の使用例の場合と全く同様に、カメラ支持装置1を安定状態で固定支持することができる。
【0032】
上述の図3,図5に示す使用例では、外部被固定物として人工的な構造物を利用した場合を例示している。外部被固定物が人工構造物である場合、外装部材12が密着する部位の表面は比較的滑らかで均一な状態であることが期待できる。したがって、外装部材12を押圧したとき外部被固定物との密着状態も均一となるので、比較的容易に安定性を確保できる。
【0033】
これに対して、例えば樹木の枝等の自然物を外部被固定物とする場合を次に考えてみる。図6に示す使用例は、カメラ2を自由雲台14に装着した状態の本カメラ支持装置1を外部被固定物としての樹木5の枝5aに固定した状態を示している。
【0034】
一般に樹木の枝等の自然物の表面は、不均一に形成されていたり、不規則な凹凸がある形状となっていることが多い。このような外部被固定物に対して、外装部材12を押圧すると、外装部材12は外部被固定物の不均一であったり不規則な表面に沿って弾性変形する。この状態で、図7に示すように、枝5aと外装部材12との外周を覆うように巻回部材13を巻回させる。これにより、カメラ支持装置1の外装部材12は、弾性変形した状態で枝5aの表面に密着した状態が維持される。
【0035】
したがって、被固定物が自然物のように表面が不均一であったり不規則な凹凸があったとしても、図3,図5等の使用例の場合と同様に、カメラ支持装置1は安定状態で固定支持される。
【0036】
次に、カメラ2を装着した状態の本カメラ支持装置1において、伸縮自在の棒状部材11を伸長させると図8に示すような状態になる。このとき、外装部材12は、図8に示すように使用者が手100で保持するための把持部15として機能している。ここで、外装部材12は、弾性的性質を有する素材で形成しているので、使用者が把持しやすくなっている。なお、巻回部材13は、外装部材12の端部において巻回した状態で収納されているので、使用者が把持部15を把持するのに邪魔にならないようになっている。
【0037】
もちろん、この状態、即ち棒状部材11を伸長させた状態のカメラ支持装置1を、上述の図3〜図7に示す使用例と同様に、外部被固定物に対して巻回部材13を用いて固定支持させて使用するといった用途も考えられる。このような場合にも、カメラ支持装置1を外部被固定物に対して確実かつ安定状態で固定保持できる。
【0038】
以上説明したように上記一実施形態によれば、棒状部材11の端部に設けた外装部材12の外周部位を弾性的性質を有する素材で形成し、この外装部材12若しくは棒状部材11の他方端に巻回部材13(巻回手段)を設けるように構成している。
【0039】
そして、外部被固定物に対してカメラ支持装置1を固定する際には、外装部材12を外部被固定物に押圧した状態で(外装部材12の圧縮状態を維持しながら)巻回部材13を外部被固定物と外装部材12との外周に巻回する。
【0040】
これにより、外部被固定物に対してカメラ支持装置1を固定支持するのに際し、外部被固定物の形状に関らず、常に確実かつ安定した状態でカメラ支持装置1を固定支持させることができる。
【0041】
また、棒状部材11を伸縮自在に構成したので、カメラ支持装置1を携帯する際に至便な小型形態にすることができる一方、使用時に棒状部材11を伸長させると、ある程度の高さからの撮影若しくは使用者から離間した位置からの撮影等、使用者の位置とは異なる視点による撮影を行なうためカメラ位置を確保することができる。
【0042】
ところで、上述の一実施形態においては、棒状部材11に伸縮手段を備えて構成した例を示している。しかし、棒状部材11の構成としては、これに限られることはなく、その他の形態のものを適用することが可能である。
【0043】
例えば、伸縮手段を備えた棒状部材11の代わりに、所定の長さを有する一本の棒状部材としてもよい。この場合において、棒状部材11の長さ寸法は、用途に応じて適宜設定すればよい。例えば、長さ1m程度の比較的長い設定としてもよいし、長さ15cm程度の比較的短い設定のものとしてもよい。
【0044】
このように棒状部材11については、伸縮手段を備えたもののほかに、固定長さを有するもの等を適用することができる。これに対応させて、巻回部材13,外装部材12については、棒状部材11に対して着脱自在に構成することが考えられる。そうすれば、上記複数種類の棒状部材11に対して一組の巻回部材13,外装部材12を付け替えて使用することができる。
【0045】
したがって、複数種類の棒状部材11と、一組の巻回部材13,外装部材12と、棒状部材11の一端部に着脱自在に構成した自由雲台14とによってカメラ支持装置システムを構築することができる。
【0046】
このシステムの場合、複数種類の棒状部材11のうちから用途に応じて最適な一種類の棒状部材11を選択し、選択した棒状部材11の一端に自由雲台14を装着すると共に、同棒状部材11の他端に外装部材12及び巻回部材13を装着固定することによって、使用者の用途に応じた形態のカメラ支持装置を組み上げることができる。
【0047】
一方、上述の一実施形態においては、巻回部材13は、図1,図2に示すように、一本の細長ベルト形状の面ファスナー等によって構成している。このように巻回部材13を一本で構成した場合、あらゆる状況下で外部被固定物に対する巻回固定を行うことを考慮すると、ある程度の長さ(例えば50cm〜1m程度)を確保しておく必要がある。巻回部材13が、ある程度の長さを有すると、巻回部材13を外装部材12の外周面上に巻回させて収納状態とした場合、図2に示すように巻き太り状態になることが考えられる。
【0048】
このような点を考慮して、例えば図9に示すように、巻回手段として二本の細長ベルト形状で構成することが考えられる。図9は、本発明の一実施形態のカメラ支持装置の第1変形例を示す図である。
【0049】
この第1変形例のカメラ支持装置1Aの基本的な構成は、上述の一実施形態と略同様であり、巻回手段として二本の細長ベルト形状部材13Aで構成した点が異なるのみである。
【0050】
この構成によれば、上述の一実施形態の巻回手段(一本の巻回部材13で構成する場合)と比べて、巻回手段による固定保持の力量を落とすことなく、個々の巻回部材13Aの長さ寸法を短くすることができ、また収納状態での巻き太りを抑止することができる。
【0051】
他方、上述の一実施形態のカメラ支持装置において、棒状部材11を伸長させた状態で使用する場合、使用者の手指から離れた位置にカメラ2が配置されることになる。したがって、その場合の撮影操作についても考慮する必要がある。例えばカメラ2のセルフタイマーモードを利用する方法が考えられるが、それ以外に、把持部15となる外装部材12の一端部にリモコン装置を設けるという構成が考えられる。
【0052】
図10は、本発明の一実施形態のカメラ支持装置の第2変形例を示す図である。図11は、この第2変形例のカメラ支持装置の使用例を示す図である。
【0053】
この第2変形例のカメラ支持装置1Bの基本的な構成は、上述の一実施形態と略同様であり、把持部15である外装部材12の一端部にリモコン装置16を配設して構成した点が異なるのみである。
【0054】
リモコン装置16は、レリーズボタン16aと、信号送信窓16bとを有して主に構成されるものであって、装置そのものは、従来一般に実用化されているものと同様のものが適用される。
【0055】
このリモコン装置16は、把持部15となる外装部材12の一端部に配設されている。この場合において、リモコン装置16は、使用者が把持部15(外装部材12)を把持した時にその使用者の手指100がリモコン装置16のレリーズボタン16aを押しやすいように外装部材12の所定の位置に配設されている。また、同時に、リモコン装置16の信号送信窓16bが、棒状部材11の一端部に装着される自由雲台14の側を向くように配設される。つまり、信号送信窓16bが、自由雲台14に装着されるカメラ2(のリモコン信号受信窓;不図示)の側を常に向くように設定されている。
【0056】
このような構成とすれば、棒状部材11を伸長させたときにも容易にシャッターレリーズ操作を行なうことができる。
【0057】
また、図12〜図15は、本発明の一実施形態のカメラ支持装置の別の変形例を示す図である。このうち、図12,図13は、本実施形態のカメラ支持装置の第3変形例を示し、図12は斜視図、図13は断面図である。また、図14,図15は、本実施形態のカメラ支持装置の第4変形例を示し、図14は斜視図、図15は断面図である。
【0058】
これら第3変形例及び第4変形例は、カメラ支持装置における外装部材に関する変形例であって、基本的な構成は、上述の一実施形態と同様であり、外装部材の形状が異なるのみである。
【0059】
本実施形態の第3変形例によるカメラ支持装置1Cは、外装部材12Aの長軸に直交する断面の外周縁が、図13に示すように、ジグザグ(zig zag)状に形成されている。
【0060】
このような形状とすることで、外装部材12Aを外部被固定物の表面に押圧したときに、外装部材12Aの外周側が変形しやすくなる。したがって、外部被固定物の表面形状が凹凸等を有する複雑な形状であったとしても、外装部材12Aの変形自由度が高いので、外装部材12Aと外部被固定物との密着性が向上する。よって、カメラ支持装置1Cのより高い安定性を得ることができる。
【0061】
一方、本実施形態の第4変形例によるカメラ支持装置1Dは、外装部材12Bの長軸に直交する断面の外周縁が、図15に示すように、略正方形状に形成されている。
【0062】
このような形状とすることで、外装部材12Bを外部被固定物の表面に押圧する際に、その外部被固定物の表面が比較的平面性を有する物(図3,図5等参照)である場合には、外装部材12Bの外周は、当該外部被固定物の表面形状に従って馴染むように変形する。したがって、外装部材12Bと外部被固定物との間の接触面積をより広く確保することができるので、カメラ支持装置1Dのより高い安定性を得ることができる。
【0063】
以上述べたように、外装部材(12A,12B)の長軸に直交する断面の外周縁の形状を工夫することによって、様々な外形形状を有する外部被固定物に対応することが容易にできる。なお、外装部材の形状については、上述の第3,第4変形例で示す例に限られることはなく、その他、様々な形状で構成することができるのは当然である。
【0064】
他方、上述の一実施形態及び各変形例においては、外装部材として、低反発性を有し弾性的性質を有する素材によって構成し、巻回部材として面ファスナー等の固定手段を備えて構成した例を示しているが、この構成に限ることはない。
【0065】
例えば、外装部材としては塑性的性質を有する素材によって構成すると共に、これに組み合わされる巻回部材としては伸縮自在な弾性素材によって構成したものとする。この構成においては、外装部材が塑性変形により外部被固定物に沿って変形し、その状態を維持するように巻回部材を伸長させて巻回すれば、該巻回部材の弾性によって、外装部材と外部被固定物との密着状態を維持し得る。したがって、安定した固定を確保することができる。
【0066】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用を実施し得ることが可能であることは勿論である。さらに、上記実施形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせによって、種々の発明が抽出され得る。例えば、上記一実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題が解決でき、発明の効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明は、カメラのみに限られることはなく、その他の形態の電子機器、例えばビデオカメラ,録音機器,マイクロフォン,パーソナルコンピュータ等、各種の携帯可能な小型電子機器等を支持するために広く対応することができる。
【符号の説明】
【0068】
1,1A,1B,1C,1D……カメラ支持装置,2……カメラ,11……棒状部材,12,12A,12B……外装部材,13,13A……巻回部材,14……自由雲台,14a……ネジ部,15……把持部,16……リモコン装置,16a……レリーズボタン,16b……信号送信窓

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラを支持するカメラ支持装置において、
カメラの三脚ネジ穴に螺合するネジ部と、
上記ネジ部が一方端に設けられる棒状部材と、
上記棒状部材の他方端の外周を覆うように設けられ、外周部位が弾性的性質を有する素材で形成される外装部材と、
上記外装部材若しくは上記棒状部材の他方端に設けられ、外部被固定物に対して当該カメラ支持装置を上記外装部材を介して固定するために設けられる固定手段であって、上記外部被固定物を巻回する巻回手段と、
を具備したことを特徴とするカメラ支持装置。
【請求項2】
上記棒状部材は、伸縮自在に形成される伸縮手段を具備することを特徴とする請求項1に記載のカメラ支持装置。
【請求項3】
上記棒状部材の伸縮手段は、複数の棒状部材を入れ子式に形成したことを特徴とする請求項2に記載のカメラ支持装置。
【請求項4】
上記外装部材は、シリコンゲル素材からなることを特徴とする請求項1に記載のカメラ支持装置。
【請求項5】
上記外装部材は、ゴム素材をシリコーン材で包んだ部材からなることを特徴とする請求項1に記載のカメラ支持装置。
【請求項6】
上記外装部材は、合成ゴム発泡体からなることを特徴とする請求項1に記載のカメラ支持装置。
【請求項7】
上記伸縮手段は、多段シャフト部材からなることを特徴とする請求項1〜7に記載のカメラ支持装置。
【請求項8】
上記巻回手段は、面ファスナーからなることを特徴とする請求項1〜7に記載のカメラ支持装置。
【請求項9】
カメラを支持するカメラ支持装置において、
カメラの三脚ネジ穴に螺合するネジ部と、
上記ネジ部が一方端に設けられる棒状部材と、
上記棒状部材の他方端の外周を覆うように設けられ、外周部位が塑性的性質を有する素材で形成される外装部材と、
上記外装部材若しくは上記棒状部材の他方端に設けられ、上記外部被固定物に対して当該カメラ支持装置を上記外装部材を介して固定する固定手段であって、上記外部被固定物を巻回するために伸縮自在の弾性素材によって形成された巻回手段と、
を具備したことを特徴とするカメラ支持装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−19965(P2013−19965A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−151127(P2011−151127)
【出願日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】