カメラ用のバウンスアダプタ
【課題】本発明が解決しようとする問題点は、リングライトに替わって採用が著しいＬＥＤライトを使用して被写体の近距離撮影を行う場合においても、いわゆる「照射ムラ」等を伴うことのない適正な被写体像を撮影し得るようなカメラ用のバウンスアダプタが存在しない点である。
【解決手段】カメラの鏡筒部に取り付けられる一端側が着脱可能で他端は漏斗状に構成され漏斗状の外周面を第１反射面とした内部反射筒と、この内部反射筒のネック部に低部を挿入固定され他端側は内部に前記内部反射筒を配して外方に拡開する拡開円筒状で、外周面を第２反射面とした略椀形状の外部反射筒と、前記前記第１反射面と第２反射面との間に発光が前記第２反射面で反射しカメラの光軸と平行に成るように配置されたＬＥＤライトとからなるものである。
【解決手段】カメラの鏡筒部に取り付けられる一端側が着脱可能で他端は漏斗状に構成され漏斗状の外周面を第１反射面とした内部反射筒と、この内部反射筒のネック部に低部を挿入固定され他端側は内部に前記内部反射筒を配して外方に拡開する拡開円筒状で、外周面を第２反射面とした略椀形状の外部反射筒と、前記前記第１反射面と第２反射面との間に発光が前記第２反射面で反射しカメラの光軸と平行に成るように配置されたＬＥＤライトとからなるものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、カメラ用のバウンスアダプタに係わり特に被写体への照射光を光軸に平行にＬＥＤライトで照射するカメラ用のバンスアダプタに関するものである。
【背景技術】
【０００２】
カメラ撮影用の補助光源として、リングライト或いは最近のＬＥＤライトが用いられるようになってきているのは周知の通りである。
【０００３】
ところで、従来の閃光を発するリングライトの場合、このリングライトをカメラに装着した状態で被写体の近距離撮影を実行すると、被写体に対する光が強すぎてその反射光のためにいわゆる「てかり」を伴う被写体像が撮影されてしまうという不都合が多々生じる。
【０００４】
すなわち、閃光を発するリングライトを使用する場合、特に近距離撮影において閃光を和らげるバウンス光を被写体に照射することが要請される。
【０００５】
特許文献１には、関連技術として、リングライトの光出口面近傍に光学部材を回転可能に配置し、光出口面との間隔調整によってリングライトから出て行く光を物体に集束させ、暗い斑点を無くすように構成したリングライト用のアダプター光学系が開示されている。 しかし、特許文献１の場合、リングライトの出射光の集束を主目的とするものであり、出射光のバウンス作用を期待できるものではない。特にＬＥＤライトになると類似の現象が生じる。
【特許文献１】特開２０００−０８１５７４号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
本発明が解決しようとする問題点は、リングライトに替わって採用が著しいＬＥＤライトを使用して被写体の近距離撮影を行う場合においても、いわゆる「照射ムラ」等を伴うことのない適正な被写体像を撮影し得るようなカメラ用のバウンスアダプタが存在しない点である。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明の課題を解決する手段は、カメラの鏡筒部に取り付けられる一端側が着脱可能で他端は漏斗状に構成され漏斗状の外周面を第１反射面とした内部反射筒と、この内部反射筒のネック部に低部を挿入固定され他端側は内部に前記内部反射筒を配して外方に拡開する拡開円筒状で、外周面を第２反射面とした略椀形状の外部反射筒と、前記前記第１反射面と第２反射面との間に発光が前記第２反射面で反射しカメラの光軸と平行に成るように配置されたＬＥＤライトとからなり該ＬＥＤライトからの光りを被写体にバウンス光として照射するように構成したことを特徴とするカメラ用のバウンスアダプタで、この解決手段により所謂照射ムラが生じることがなくなる。
【発明の効果】
【０００８】
請求項１記載の発明によれば、ＬＥＤライトで光軸に平行光線とするので所謂照射むらが生じないカメラ用のバウンスアダプタを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００９】
本発明は、被写体の近距離撮影を行う場合においても、ＬＥＤライトを平行光線で被写体に照射する構造にしたので所謂「照射ムラ」等を伴うことのない適正な被写体像を撮影し得るようなカメラ用のバウンスアダプタを提供するという目的を有する。
【００１０】
本発明のカメラ用のバウンスアダプタは、内部反射筒の第１反射面と外部反射筒の第２反射面の間にＬＥＤライトをＬＥＤライトの光線が平行に外部に照射されるように配置することで所謂「照射ムラ」をなくすことの目的を実現した。
【実施例】
【００１１】
以下に、本発明の実施例に係るカメラ用のバウンスアダプタについて図面を参照して詳細に説明する。
【００１２】
図１は、本発明の実施例に係るバウンスアダプタ１及びデジタルカメラのようなカメラ３１を示すものである。
【００１３】
前記カメラ３１は、前面に鏡筒部３３を備えるとともに、上面にシャッタ、シューを備えた公知の構成となっている。
【００１４】
前記カメラ３１のシュー部には所謂ストロボ２６が取り付けられ、このストロボ２６はシュー部の端子と接触しカメラ３１のシャッタのシャッタ信号を取得する筐体側端子、電源、昇圧回路、点灯制御回路等を内蔵した公知の構成からなり、カメラ３１のシャッタの押下に連動して、前記昇圧回路、点灯制御回路の動作でＬＥＤライト２７を駆動し閃光を前方に照射するように構成している。
【００１５】
１はバウンスアダプタ１で、一端側に設けた雄ネジ２ａをカメラ３１の鏡筒部３３の雌ネジ３３aにネジ込む全体として漏斗状の形状を有した内部反射筒３と、該内部反射筒３のネック部分に挿入固定された外部反射筒４とから構成する。前記外部反射筒４は丁度椀状の形状で、その中心に内部反射筒３が配置固定される。
【００１６】
前記内部反射筒３の第１反射面３cと前記外部反射筒４の第２反射筒面６との間にはＬＥＤライト２７が複数個適宜の感覚で配置される。この場合ＬＥＤライト２７は光の方向が第２反射面６に当たり鏡筒部３３の光軸と平行に成るように調整配置される。
【００１７】
ＬＥＤライト２７は外部導線１０を介してストロボ２６に結合し、制御信号で発光する電気的結線がされている。
【００１８】
本実施例に係るバウンスアダプタ１によれば、上述した構成により、以下のような作用、効果を発揮する。
【００１９】
すなわち、本実施例に係るバウンスアダプタ１によれば、例えばカメラ３１のシュー部にストロボ２６を装着した状態で、このバウンスアダプタ１の雄ネジ２ａをカメラ３１の鏡筒部３３の雌ネジ３３aにねじ込むことで簡略に装着することができる。従ってバウンスアダプタ１は、装着、離脱の取り扱いが極めて簡略である。
【００２０】
また、上述したようにしてバウンスアダプタ１を装着した状態で、カメラ３１の操作者が被写体にバウンスアダプタ１を対面させ、シャッタを押下すると、これに連動して、前記昇圧回路、点灯制御回路の動作でＬＥＤライト２７が発光し、この発光は第１反射面３ｃ、第２反射面６で曲折反射して平行に分散し、前方の被写体にバウンス光として照射される。
【００２１】
これにより、ストロボ２６から閃光を直接被写体に照射する場合に比べ、被写体に照射ムラのないバウンス光を照射しての撮影を実現でき、適正な被写体像を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【００２２】
本発明のカメラ用のバウンスアダプタは、上述したデジタルカメラはもとより、スチールカメラ、ビデオカメラ、さらには、カメラを水中カメラケース内に内蔵し水中での撮影を行う水中カメラシステム等にも広範に応用可能である。
【図面の簡単な説明】
【００２３】
【図１】本発明の実施例に係るカメラ用のバウンスアダプタ、及び、カメラを示す分離状態の概略斜視図である。
【符号の説明】
【００２４】
１ バウンスアダプタ
２ａ 雄ネジ
３ 内部反射筒
３ｃ 第１反射面
４ 外部反射筒
６ 第２反射面
１０ 外部導線
２６ ストロボ
２７ ＬＥＤライト
３１ カメラ
３３ 鏡筒部
３３a 雌ネジ
【技術分野】
【０００１】
本発明は、カメラ用のバウンスアダプタに係わり特に被写体への照射光を光軸に平行にＬＥＤライトで照射するカメラ用のバンスアダプタに関するものである。
【背景技術】
【０００２】
カメラ撮影用の補助光源として、リングライト或いは最近のＬＥＤライトが用いられるようになってきているのは周知の通りである。
【０００３】
ところで、従来の閃光を発するリングライトの場合、このリングライトをカメラに装着した状態で被写体の近距離撮影を実行すると、被写体に対する光が強すぎてその反射光のためにいわゆる「てかり」を伴う被写体像が撮影されてしまうという不都合が多々生じる。
【０００４】
すなわち、閃光を発するリングライトを使用する場合、特に近距離撮影において閃光を和らげるバウンス光を被写体に照射することが要請される。
【０００５】
特許文献１には、関連技術として、リングライトの光出口面近傍に光学部材を回転可能に配置し、光出口面との間隔調整によってリングライトから出て行く光を物体に集束させ、暗い斑点を無くすように構成したリングライト用のアダプター光学系が開示されている。 しかし、特許文献１の場合、リングライトの出射光の集束を主目的とするものであり、出射光のバウンス作用を期待できるものではない。特にＬＥＤライトになると類似の現象が生じる。
【特許文献１】特開２０００−０８１５７４号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
本発明が解決しようとする問題点は、リングライトに替わって採用が著しいＬＥＤライトを使用して被写体の近距離撮影を行う場合においても、いわゆる「照射ムラ」等を伴うことのない適正な被写体像を撮影し得るようなカメラ用のバウンスアダプタが存在しない点である。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明の課題を解決する手段は、カメラの鏡筒部に取り付けられる一端側が着脱可能で他端は漏斗状に構成され漏斗状の外周面を第１反射面とした内部反射筒と、この内部反射筒のネック部に低部を挿入固定され他端側は内部に前記内部反射筒を配して外方に拡開する拡開円筒状で、外周面を第２反射面とした略椀形状の外部反射筒と、前記前記第１反射面と第２反射面との間に発光が前記第２反射面で反射しカメラの光軸と平行に成るように配置されたＬＥＤライトとからなり該ＬＥＤライトからの光りを被写体にバウンス光として照射するように構成したことを特徴とするカメラ用のバウンスアダプタで、この解決手段により所謂照射ムラが生じることがなくなる。
【発明の効果】
【０００８】
請求項１記載の発明によれば、ＬＥＤライトで光軸に平行光線とするので所謂照射むらが生じないカメラ用のバウンスアダプタを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００９】
本発明は、被写体の近距離撮影を行う場合においても、ＬＥＤライトを平行光線で被写体に照射する構造にしたので所謂「照射ムラ」等を伴うことのない適正な被写体像を撮影し得るようなカメラ用のバウンスアダプタを提供するという目的を有する。
【００１０】
本発明のカメラ用のバウンスアダプタは、内部反射筒の第１反射面と外部反射筒の第２反射面の間にＬＥＤライトをＬＥＤライトの光線が平行に外部に照射されるように配置することで所謂「照射ムラ」をなくすことの目的を実現した。
【実施例】
【００１１】
以下に、本発明の実施例に係るカメラ用のバウンスアダプタについて図面を参照して詳細に説明する。
【００１２】
図１は、本発明の実施例に係るバウンスアダプタ１及びデジタルカメラのようなカメラ３１を示すものである。
【００１３】
前記カメラ３１は、前面に鏡筒部３３を備えるとともに、上面にシャッタ、シューを備えた公知の構成となっている。
【００１４】
前記カメラ３１のシュー部には所謂ストロボ２６が取り付けられ、このストロボ２６はシュー部の端子と接触しカメラ３１のシャッタのシャッタ信号を取得する筐体側端子、電源、昇圧回路、点灯制御回路等を内蔵した公知の構成からなり、カメラ３１のシャッタの押下に連動して、前記昇圧回路、点灯制御回路の動作でＬＥＤライト２７を駆動し閃光を前方に照射するように構成している。
【００１５】
１はバウンスアダプタ１で、一端側に設けた雄ネジ２ａをカメラ３１の鏡筒部３３の雌ネジ３３aにネジ込む全体として漏斗状の形状を有した内部反射筒３と、該内部反射筒３のネック部分に挿入固定された外部反射筒４とから構成する。前記外部反射筒４は丁度椀状の形状で、その中心に内部反射筒３が配置固定される。
【００１６】
前記内部反射筒３の第１反射面３cと前記外部反射筒４の第２反射筒面６との間にはＬＥＤライト２７が複数個適宜の感覚で配置される。この場合ＬＥＤライト２７は光の方向が第２反射面６に当たり鏡筒部３３の光軸と平行に成るように調整配置される。
【００１７】
ＬＥＤライト２７は外部導線１０を介してストロボ２６に結合し、制御信号で発光する電気的結線がされている。
【００１８】
本実施例に係るバウンスアダプタ１によれば、上述した構成により、以下のような作用、効果を発揮する。
【００１９】
すなわち、本実施例に係るバウンスアダプタ１によれば、例えばカメラ３１のシュー部にストロボ２６を装着した状態で、このバウンスアダプタ１の雄ネジ２ａをカメラ３１の鏡筒部３３の雌ネジ３３aにねじ込むことで簡略に装着することができる。従ってバウンスアダプタ１は、装着、離脱の取り扱いが極めて簡略である。
【００２０】
また、上述したようにしてバウンスアダプタ１を装着した状態で、カメラ３１の操作者が被写体にバウンスアダプタ１を対面させ、シャッタを押下すると、これに連動して、前記昇圧回路、点灯制御回路の動作でＬＥＤライト２７が発光し、この発光は第１反射面３ｃ、第２反射面６で曲折反射して平行に分散し、前方の被写体にバウンス光として照射される。
【００２１】
これにより、ストロボ２６から閃光を直接被写体に照射する場合に比べ、被写体に照射ムラのないバウンス光を照射しての撮影を実現でき、適正な被写体像を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【００２２】
本発明のカメラ用のバウンスアダプタは、上述したデジタルカメラはもとより、スチールカメラ、ビデオカメラ、さらには、カメラを水中カメラケース内に内蔵し水中での撮影を行う水中カメラシステム等にも広範に応用可能である。
【図面の簡単な説明】
【００２３】
【図１】本発明の実施例に係るカメラ用のバウンスアダプタ、及び、カメラを示す分離状態の概略斜視図である。
【符号の説明】
【００２４】
１ バウンスアダプタ
２ａ 雄ネジ
３ 内部反射筒
３ｃ 第１反射面
４ 外部反射筒
６ 第２反射面
１０ 外部導線
２６ ストロボ
２７ ＬＥＤライト
３１ カメラ
３３ 鏡筒部
３３a 雌ネジ
【特許請求の範囲】
【請求項１】
カメラの鏡筒部に取り付けられる一端側が着脱可能で他端は漏斗状に構成され漏斗状の外周面を第１反射面とした内部反射筒と、この内部反射筒のネック部に低部を挿入固定され他端側は内部に前記内部反射筒を配して外方に拡開する拡開円筒状で、外周面を第２反射面とした略椀形状の外部反射筒と、前記前記第１反射面と第２反射面との間に発光が前記第２反射面で反射しカメラの光軸と平行に成るように配置されたＬＥＤライトとからなり該ＬＥＤライトからの光りを被写体にバウンス光として照射するように構成したことを特徴とするカメラ用のバウンスアダプタ。
【請求項１】
カメラの鏡筒部に取り付けられる一端側が着脱可能で他端は漏斗状に構成され漏斗状の外周面を第１反射面とした内部反射筒と、この内部反射筒のネック部に低部を挿入固定され他端側は内部に前記内部反射筒を配して外方に拡開する拡開円筒状で、外周面を第２反射面とした略椀形状の外部反射筒と、前記前記第１反射面と第２反射面との間に発光が前記第２反射面で反射しカメラの光軸と平行に成るように配置されたＬＥＤライトとからなり該ＬＥＤライトからの光りを被写体にバウンス光として照射するように構成したことを特徴とするカメラ用のバウンスアダプタ。
【図１】
【公開番号】特開２００９−１２２５６０（Ｐ２００９−１２２５６０Ａ）
【公開日】平成２１年６月４日（２００９．６．４）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００７−２９８７６９（Ｐ２００７−２９８７６９）
【出願日】平成１９年１１月１９日（２００７．１１．１９）
【出願人】（５０７０２２６０６）シーアンドシー・サンパック株式会社 (71)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２１年６月４日（２００９．６．４）
【国際特許分類】
【出願日】平成１９年１１月１９日（２００７．１１．１９）
【出願人】（５０７０２２６０６）シーアンドシー・サンパック株式会社 (71)
【Ｆターム（参考）】
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