説明

カラオケサービス方法およびカラオケシステム

【課題】歌唱練習に役立つカラオケサービス方法およびカラオケシステムを提供する。
【解決手段】希望曲の要求を入力する際に、伴奏の他に歌手による音声も含んだヴォーカルを再生するヴォーカル再生オプション、再生の進行に合わせて歌唱上留意すべき点を指導する歌唱指導字幕を表示する歌唱指導字幕オプション、歌い出しの前に曲の紹介をするナレーションを挿入するナレーション挿入オプション、および利用者がカラオケに合わせて歌った歌をCDやビデオテープなどに記録して、利用者に発送するCD作成オプションを指定することを可能とする(62a、62b)。音楽および映像を指定されたオプションに応じて再生する(148,150)。再生と同時に、伴奏と利用者の歌声の混合データをPCM変調(80)したPCM混合データをホストシステム(10)に送信し(51)、CDレコーダ(14)でCDやビデオテープに記録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラオケサービス方法およびカラオケシステムに関し、さらに詳細には歌唱練習に適した通信カラオケサービス方法および通信カラオケシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
カラオケは、その出現からかなりの年月を経た現在も新たな提案がいろいろなされている。例えば、歌詞を表示する際に、歌唱中に大きい声で歌うべき部分については大きい文字で表示し、小さい声で歌うべき部分については小さい文字で表示する機能を備えたカラオケ装置が提案されている(特許文献1参照)。このような機能は歌唱練習に有用であると思われる。
【特許文献1】特開2000−242280号公報[段落0049−0056、図7]
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、気に入った曲であっても歌詞だけでなくメロディもうろ覚えであると、最後まで歌え切れないとか、一部分しか歌えないということもありうる。このような場合、歌手が歌う画面を見ながらカラオケではなく歌手の音声も聞くことができれば都合がよい。
また、歌を上手に歌うには、単に歌詞の強弱に気を付ければいいと言うものではなく、歌ごとに求められる種々の留意点があるので、これらに注意して歌う必要がある。このような観点から、曲の進行とともに留意点を指導するための指導文字が画面上に適宜表示されれば好都合である。
さらに、歌い出しの前に、その曲を紹介するナレーションを入れることができれば、利用者の気分を盛り上げることができ、好都合である。
また、一般のカラオケ利用者は外部からの雑音が比較的少ない環境で伴奏付きで歌い録音することは難しいので、利用者がカラオケを利用して歌った歌をCDやビデオテープなどの電子媒体に録音し、この録音したCDやビデオテープなどを後日送ってもらうことができれば、好都合である。
しかし、以上のことは、従来のカラオケ施設では不可能であり、提案も為されていないと思われる。
本発明は、以上の観点から為されたものであり、上述の課題を解決した通信カラオケシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、一面において、選曲時に選択された曲としてカラオケの再生を希望するか、伴奏の他に歌手による音声も含んだヴォーカルの再生を希望するかを利用者に選択させる選曲ステップと、利用者がヴォーカルの再生を希望した場合、前記選択された曲のヴォーカルを再生するヴォーカル再生ステップとを含むことを特徴とするカラオケサービス方法を提供する。この方法によれば、歌手が歌う画面を見ながら伴奏のみならず歌手の音声も聞くことができるので、うろ覚えの曲でも歌うことができるようになる。
本発明のカラオケサービス方法は、前記利用者がヴォーカルの再生を希望した場合、前記ヴォーカルの再生に先立ち、カラオケ装置に接続された料金支払機により、ヴォーカル再生サービスに対する所定の料金を前記利用者に払わせるヴォーカル料受領ステップをさらに含む。この方法によれば、ヴォーカル再生サービスに対する所定の料金を受領することができる。
本発明のカラオケサービス方法は、再生の進行に合わせて歌唱上留意すべき点を指導する歌唱指導字幕の表示を希望するか否かを利用者に確認する歌唱指導確認ステップと、前記利用者が前記歌唱指導字幕の表示を希望した場合、再生の進行に合わせて前記歌唱指導字幕を表示する歌唱指導字幕表示ステップとをさらに含む。
本発明のカラオケサービス方法は、前記利用者が前記歌唱指導字幕の表示を希望した場合、前記選択された曲の再生に先立ち、カラオケ装置に接続された料金支払機により、歌唱指導字幕表示サービスに対する所定の料金を前記利用者に払わせる歌唱指導料受領ステップをさらに含む。
本発明のカラオケサービス方法は、歌い出しの前に曲の紹介をするナレーションを挿入することを希望するか否かを利用者に確認するナレーション希望確認ステップと、前記利用者が前記ナレーションの挿入を希望した場合、歌い出しの前にナレーションを挿入するナレーション挿入ステップをさらに含む。
本発明のカラオケサービス方法は、前記利用者が前記ナレーションの挿入を希望した場合、前記選択された曲の再生に先立ち、カラオケ装置に接続された料金支払機により、前記ナレーション挿入サービスに対する所定の料金を前記利用者に払わせるナレーション料受領ステップをさらに含む。
本発明のカラオケサービス方法は、前記カラオケ装置と、前記カラオケ装置にネットワークを介して曲の再生に必要なデータを供給するホストシステムとを含むカラオケシステムにおいて、前記利用者がカラオケに合わせて歌った歌を可搬型記憶媒体に記録して、前記可搬型記憶媒体を利用者に提供する録音サービスを希望するか否かを確認する録音希望確認ステップと、利用者が前記録音サービスを希望した場合、前記利用者がカラオケに合わせて歌った前記歌および前記カラオケからなる音声データ、ならびに前記利用者の送り先に関する情報を前記ホストシステムに送り、前記ホストシステムにおいて前記音声データを可搬型記憶媒体に記録し、この記録した前記可搬型記憶媒体を前記の送り先に関する情報により前記送り先に送る録音サービスステップとをさらに含む。
本発明のカラオケサービス方法は、前記利用者が前記録音サービスを希望した場合、前記選択された曲の再生に先立ち、前記カラオケ装置に接続された料金支払機により、前記録音サービスに対する所定の料金を前記利用者に払わせる録音料受領ステップをさらに含む。
本発明は、別の面において、選曲時に選択された曲としてカラオケの再生を希望するか、伴奏の他に歌手による音声も含んだヴォーカルの再生を希望するかを利用者に選択させる手段と、利用者がヴォーカルの再生を希望した場合、前記選択された曲のヴォーカルを再生する選曲手段とを含むことを特徴とするカラオケシステムを提供する。
本発明のカラオケシステムは、指定された金額を前記利用者が支払うことを可能とする料金支払機と、前記利用者がヴォーカルの再生を希望した場合、前記ヴォーカルの再生に先立ち、ヴォーカル再生サービスに対する所定の料金を支払うべき旨を利用者に知らせるとともに、前記所定の料金を前記料金支払機に指定することにより、前記所定の料金を前記利用者に払わせるヴォーカル料受領手段とをさらに含む。
本発明のカラオケシステムは、再生の進行に合わせて歌唱上留意すべき点を指導する歌唱指導字幕の表示を希望するか否かを利用者に確認する歌唱指導確認手段と、前記利用者が前記歌唱指導字幕の表示を希望した場合、再生の進行に合わせて前記歌唱指導字幕を表示する歌唱指導字幕表示手段とをさらに含む。
本発明のカラオケシステムは、指定された金額を前記利用者が支払うことを可能とする料金支払機と、前記利用者が前記歌唱指導字幕の表示を希望した場合、前記選択された曲の再生に先立ち、歌唱指導字幕表示サービスに対する所定の料金を支払うべき旨を利用者に知らせるとともに、前記所定の料金を前記料金支払機に指定することにより、前記所定の料金を前記利用者に払わせる歌唱指導料受領手段とをさらに含む。
本発明のカラオケシステムは、請求項9または11において、歌い出しの前に曲の紹介をするナレーションを挿入することを希望するか否かを利用者に確認するナレーション希望確認手段と、前記利用者が前記ナレーションの挿入を希望した場合、歌い出しの前にナレーションを挿入するナレーション挿入手段をさらに含む。
本発明のカラオケシステムは、指定された金額を前記利用者が支払うことを可能とする料金支払機と、前記利用者が前記ナレーションの挿入を希望した場合、前記選択された曲の再生に先立ち、ナレーション挿入サービスに対する所定の料金を支払うべき旨を利用者に知らせるとともに、前記所定の料金を前記料金支払機に指定することにより、前記所定の料金を前記利用者に払わせるナレーション料受領手段とをさらに含む。
本発明のカラオケシステムは、各店舗に設置され利用者にカラオケサービスを提供するカラオケ装置と、前記カラオケ装置の各々とネットワークを介して曲の再生に必要なデータを供給するホストシステムとから構成され、各カラオケ装置は、前記利用者がカラオケに合わせて歌った歌を可搬型記憶媒体に記録して、前記可搬型記憶媒体を利用者に提供する録音サービスを希望するか否かを確認する録音希望確認手段と、利用者が前記録音サービスを希望した場合、前記利用者がカラオケに合わせて歌った前記歌および前記カラオケからなる音声データ、ならびに前記利用者の送り先に関する情報を前記ホストシステムに送る録音サービス手段とを含み、前記ホストシステムは、前記音声データを可搬型記憶媒体に記録するための記録装置をさらに含む。
本発明のカラオケシステムにおいて、前記カラオケ装置は、指定された金額を前記利用者が支払うことを可能とする料金支払機と、前記利用者が前記録音サービスを希望した場合、前記選択された曲の再生に先立ち、前記録音サービスに対する所定の料金を支払うべき旨を利用者に知らせるとともに、前記所定の料金を前記料金支払機に指定することにより、前記所定の料金を前記利用者に払わせる録音料受領手段とをさらに含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、歌手が歌う画面を見ながら伴奏のみならず歌手の音声も聞くことができるので、うろ覚えの曲でも歌うことができるようになる。
また、本発明によれば、曲の進行とともに歌唱指導するための指導文字を適宜表示することができるので、歌唱力の向上に役立つ。
さらに、本発明によれば、歌い出しの前に、その曲を紹介するナレーションを入れることができるので、利用者の気分を盛り上げることができる。
また、本発明によれば、利用者が歌った歌をカラオケ・ホスト・システム側でCDやビデオテープなどの記録媒体に録音し、この録音したCDやビデオテープなどを後日送ってもらうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明を、実施の形態例及び添付図面を用いて詳細に説明する。なお、複数の図面に同じ要素を示す場合には同一の参照符号を付する。
図1は、本発明の好ましい実施形態による通信カラオケシステムの構成を示すブロック図である。図1において、カラオケシステム1は、カラオケの再生に必要なデータを供給するホストシステム10と、ホストシステム10とインターネット20などの通信手段を介して通信可能な多数のカラオケ店舗システム30(図1には、1店舗のみ示した)からなる。
【0007】
ホストシステム10は、提供可能な各曲に対する楽曲データおよび動画映像データを収容する楽曲・映像データベース(DB)12および各カラオケ店舗システム30から送られる利用者の歌のデータを記録するためのCDやビデオテープなどに記録するCDレコーダ14などの可搬型記録媒体記録装置を備える。
【0008】
一方、各カラオケ店舗システム30は、インターネット20に接続されたカラオケ装置40を中心に構成されている。カラオケ装置40において、周知のように図示しないCPU、RAM、ROMを含む制御部42は、ホストシステム10から配信されるカラオケデータや映像データをモデム51を介して受信しハードディスク装置44に格納する。
カラオケ装置40は、利用者が直接操作できる入力部46およびリモコン端末60から入力したデータを受信するリモコン受信部48を備え、これらの入力部46およびリモコン受信部48からのデータ入力を入力制御部50により制御する。制御部42は、外部装置である光ディスク・オートチェンジャ74を制御して、イメージ映像などの動画像が収録された光ディスクから曲に対応する又は適宜な動画を再生させる一方、カラオケデータに含まれるMIDIデータからMIDI(musical instruments digital interface)音源部54に伴奏音楽を生成させるとともに、生成される伴奏音楽に同期してスーパーインポーズ部70を制御することにより、歌詞画像をビデオRAM(VRAM)72上に生成し、この歌詞画像と光ディスクオートチェンジャ74からの動画とを重ね合わせて出力させる。
【0009】
また、カラオケ店舗システム30は、スーパーインポーズ部70の出力に接続された画像表示装置76,利用者の歌声を取り込むマイク59,MIDI音源部54の出力とマイク59からの音声信号とを混合増幅するミキシングアンプ55、ミキシングアンプ55からの音声信号から音響出力を与えるスピーカ58を備える。
【0010】
ミキシングアンプ55は、ミキサ56と増幅器57からなり、カラオケ装置40は、ミキサ56からの音声信号をパルス符号変調(PCM)するPCM部80を備える。PCM変調された音声信号は、モデム51からホストシステム10に送ることができる。
また、カラオケ店舗システム30は、制御部42の制御下で指定された金額を受領する料金支払機52をさらに備える。
【0011】
次に、以上のように構成された通信カラオケシステム1の特徴および動作を説明する。
本発明によれば、利用者が選曲した曲を通常のカラオケ(伴奏音楽)として再生する他に、歌手が歌った音声も一緒に再生することもできる。なお、本明細書では、伴奏と歌手の音声からなる音楽をヴォーカルと称する。曲を指定するデータを入力する方法は2通りある。
【0012】
1つは、図2に示すように、通信カラオケシステム1が提供する曲のリストからなる歌詞集から、利用者が所望の曲のカラオケコードを見つけて、このコードをリモコン端末60から入力する方法である。同じ曲に対するカラオケとヴォーカルとの区別は、それぞれに全く別個のコードを割り当てる方法および共通のコードに両者を区別する付加コードを付ける方法の何れによって行ってもよいが、図2の例では、ヴォーカルに付いては、曲に割り当てられたコードの後に「*」を付けて区別している。
【0013】
もう1つは、リモコン端末60の曲検索機能を用いて所望の曲を検索して入力する方法である。図3は、図2の歌詞集を用いずにリモコン端末60の検索機能を用いて所望の曲を検索したときにリモコン端末60の表示部62に表示される選曲オプション選択画面62aの例を示す。利用者はこの表示画面62aからカラオケ(図3の例ではNOと表示)かヴォーカル(図3の例ではYESと表示)かを設定する(請求項の選曲ステップおよび手段に相当する)ことができる。なお、本出願において用いる表示部62の表示画面例では、操作をリモコン端末60が備えるボタンなどのスイッチ類(例えば、図示しない上下左右のカーソル移動キーなど)で行うことを前提としているが、表示部62をタッチパネルで構成した場合、上下左右(図示せず)のカーソル移動キーなどを使用する必要がないので操作を簡単化することができる。
【0014】
図4は、所望の曲を歌詞集で探し、これに記載のコードをリモコン端末から入力したり、図3の画面の表示中に確定キー(図示せず)を押下した場合に、リモコン端末60が実行する動作の流れを示すフローチャートである。選曲して確定キーを押下すると、リモコン端末60は、判断ステップ102において、利用者の希望がカラオケかヴォーカル(歌付き)かを判断する。ヴォーカルの場合、ステップ104において、料金変数Pにヴォーカルの場合の料金Pvを代入し、ステップ106において、後述の料金受領サブルーチン130を呼び出して実行することにより、ヴォーカルの場合の料金Pvを受領する。請求項の「ヴォーカル料受領ステップおよび手段」は、料金支払機52およびステップ104、106を含む。
【0015】
判断ステップ102においてカラオケ(NOの場合)と判断した場合、または料金受領ステップ106終了後、ステップ108に進み、図6に示すオプション選択画面62bを表示部62に表示する。図6に示すように、オプション選択画面62bには、曲の進行に合わせて歌唱指導のための字幕を表示する歌唱指導字幕表示サービス、歌い出しの前に曲の紹介を行うナレーションを挿入するナレーション挿入サービスおよび利用者の歌声を伴奏や画像などとともにCDやビデオテープなどに記録し、後日利用者に送るCD作成発送サービスをそれそれ希望するか否かを指定するための表示が含まれる。図6の例では、上述の歌唱指導字幕表示サービス、ナレーション挿入サービスおよびCD作成発送サービスには、追加料金Pi、PnおよびPcがそれぞれ設定されている。デフォルトでは、すぺてのオプションがNOに設定されるが、これは、例えば、NOの表記を背景と明瞭な対比で表示し、YESは目立たないように表示することによって行う。利用者はリモコン端末60の上下左右のカーソル移動キーにより設定を変更することができる。図6の例では、歌唱指導字幕表示サービスのみがYESに設定され(したがって、合計金額には歌唱指導字幕表示料Piが表示されている)、カーソルは現在、ナレーション挿入サービスのNOのボタン上にある。
【0016】
そこで、利用者がオプションの選択を指定できるようにするため、判断ステップ110において、上下左右のカーソル移動キーの何れかが押下されたか否かを判断する。カーソル移動キーの何れかが押下された場合(YESの場合)、ステップ112において、そのキーおよび現在のカーソル位置に応じて所定の処理を行い、判断ステップ110に戻る。ステップ110および112の繰り返しが、請求項での「歌唱指導確認ステップ」、「ナレーション希望確認ステップ」および「録音希望確認ステップ」の記載に相当する。
【0017】
判断ステップ110において、カーソル移動キーでない場合、判断ステップ114において、押下されたキーが確定キー(図示せず)か否かを判断する。この場合、確定キー以外は無効なので、確定キーでない場合、判断ステップ110に戻る。ステップ114において確定キーである場合(YES)、ステップ116において、料金変数Pに図6に示した合計金額を設定し、ステップ118において、再び上述の料金受領サブルーチン130を実行することにより、料金支払機52にて合計金額を受領する。なお、請求項の「歌唱指導料受領ステップ」、「ナレーション料受領ステップ」および「録音料受領ステップ」は、ステップ116および118に含まれ、これらに対応する手段は、料金支払機52を含む。
【0018】
さらに、ステップ119において、CD作成オプションが指定されている場合、CDやビデオテープの発送に必要な送り先情報を利用者に入力させる。その後、ステップ120において、図示しない送信キーを押下するように促し、ステップ122において、送信キーが押下されるまで待機し、送信キーが押下されるとステップ124において、これまでの設定内容をカラオケ装置40に送信して、1曲に対する一連の入力処理を終了する。
【0019】
ここで、図5を参照して、先に言及した料金受領サブルーチン130の処理の流れを説明する。図5において、まずステップ132において、料金P円を料金支払機52から支払うように促すメッセージを表示し、ステップ134において、受領すべき金額がP円である旨を料金支払機52に送信する。料金支払機52は、受領金額Pが指定されると、指定された金額Pのみを受け取り、余分な金額は釣り銭として返却口から返却して、受領した旨をカラオケ装置40に送信するように構成されている。次に、判断ステップ136において、支払われるまで待機し、支払われた場合、料金受領処理を終了して、メインルーチンに戻る。
【0020】
以上のようにして、利用者が希望する曲の要求入力処理が終了すると、既に要求入力された曲がある場合、未処理の曲の要求入力情報からなる待ち行列に今受け取った要求入力情報を加えて、順番が来るのを待つ。
【0021】
図8は、リモコン端末60から要求入力情報を受信し、受信した要求入力情報に関係付けられた楽曲を再生する時機が到来した時に、カラオケ装置30の制御部42が行う動作の流れを示すフローチャートである。
図8において、まず、判断ステップ140において、再生すべき楽曲データがハードディスク装置44または光ディスクオートチェンジャ74にあるか否かを判断する。ない場合、ステップ142において、再生に必要な曲データを識別するためのコードをホストシステム10に送信し、必要なデータを送ってもらう。
【0022】
図7は、ホストシステム10の楽曲・画像データベース12の内容と、要求された曲がカラオケであるか、またはヴォーカル(伴奏付きの歌)であるかによって、データベース12から抽出し、送信されるデータの内容を示す図である。図7において、ホストシステム10の楽曲・映像データベース12は、各楽曲に対して、上述の
・伴奏MIDIデータAD1
・バックコーラスPCMデータAD2
・ヴォーカルデータMD
・歌詞字幕データWD
・歌唱指導字幕データID
・歌唱映像データSMD(歌手が歌っている映像のデータ)
を収容している。
【0023】
通常のカラオケが要求された場合、ホストシステム10は、送信カラオケデータとして、伴奏MIDIデータAD1、バックコーラスPCMデータAD2、歌詞字幕データWD、歌唱指導字幕データIDおよび歌唱映像データSMD(即ち、ヴォーカルデータMDを除いたデータ)をカラオケ装置40に送信する。一方、ヴォーカルが要求された場合、ホストシステム10は、ヴォーカルデータMD、歌詞字幕データWD、歌唱指導字幕データIDおよび歌唱映像データSMD(即ち、伴奏MIDIデータAD1とバックコーラスPCMデータAD2を除いたデータ)をカラオケ装置40に送信する。
【0024】
図8に戻り、ステップ144において、ホストシステム10から受信したデータをハードディスク装置44に保存し、必要なデータを制御部42の図示しないRAMにロードする。次に、ステップ142の終了後、または判断ステップ140においてYESと判断した場合、判断ステップ146において、CD作成オプションが指定されているか否かを判断する。CD作成オプションが指定されていない場合、ステップ148において、カラオケ/ヴォーカルの区別、歌唱指導字幕表示およびナレーション挿入などのオプションのうち指定されたオプションに応じて音楽および映像を再生して処理を終了する。なお、ステップ148は、請求項に記載する「ヴォーカル再生ステップおよび手段」「歌唱指導字幕表示ステップおよび手段」および「ナレーション挿入ステップおよび方法」を含む。
【0025】
判断ステップ146において、CD作成オプションが指定されている場合(YESの場合)、ステップ150において、ステップ148と同じ要領で音楽および映像を再生しながら、伴奏と利用者の歌声の混合データ(即ち、図1の例では、ミキシングアンプ55のミキサ56の出力)をパルス符号変調部(PCM部)80でPCM変調したPCM混合データをモデム51を通してホストシステム10に送信する。再生終了後、判断ステップ152において、画像表示装置76に今の歌い方でよいか否かを確認する。NOの場合、ステップ154において、失敗の旨をホストシステム10に送信し、ステップ150に戻る。判断ステップ152において、YESの場合、ステップ156において、成功の旨をホストシステム10に送信して、再生処理を終了する。なお、請求項の「録音サービスステップおよび手段」は、図4のステップ119〜124および図8のステップ150〜156を含む。
【0026】
一方、ホストシステム10は、カラオケ装置40がステップ150で送ってよこすPCM混合データを図示しないハードディスクに保存しておく。失敗の旨を受信した場合、それまで保存したPCM混合データを破棄し、成功の旨を受信した場合、それまで保存したPCM混合データをCDやビデオテープなどの可搬型記憶媒体に記録して、利用者に発送する。
以上は、本発明の説明のために実施の形態の例を掲げたに過ぎない。したがって、本発明の技術思想または原理に沿って上述の実施の形態に種々の変更、修正または追加を行うことは、当業者には実施が容易である。
例えば、上述の例では、ステップ150において、PCM混合データを逐一ホストシステム10に送らず、ハードディスク装置44に保存しておき、判断ステップ152において、YESの時のみ、ステップ156において、成功の旨のデータではなくPCM混合データを送るようにすることもできる。
また、上述の例では、ヴォーカル再生サービス、歌唱指導字幕表示サービスおよびナレーション挿入サービスに対して追加料金を取っていたが、取らないようにしてもよい。この場合、図4のフローチャートにおいて、ステップ104,106,116,118を省略し、画像表示装置76の表示画面から料金関連の表示を削除すればよい。
さらに、上記カラオケ店舗システムは、家庭にカラオケ装置を設置する場合でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の好ましい実施形態による通信カラオケシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1の通信カラオケシステムにおいて使用される歌詞集の曲名別リストを構成する各曲の記載項目の例と欄外に記載される注意書きの例を示す図である。
【図3】図2の歌詞集を用いずにリモコン端末の検索機能を用いて所望の曲を検索したときに表示部に表示される選曲オプション選択画面の例を示す図である。
【図4】利用者が選曲し確定キーを押下したときに、リモコン端末が実行する動作の流れを示すフローチャートである。
【図5】図4に示す処理においてコールされる料金受領サブルーチンの処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】図4の判断ステップ102の判断結果がNOである場合、またはステップ106の実行後に、リモコン端末の表示部に表示されるオプション選択画面の例を示す図である。
【図7】ホストシステムの楽曲・画像データベースの内容と、要求された曲がカラオケであるか、またはヴォーカル(伴奏付きの歌)であるかによって、データベースから抽出し、送信されるデータの内容を示す図である。
【図8】選曲された楽曲を再生するときに、カラオケ装置の制御部が行う動作の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0028】
1 本発明のカラオケシステム
10 ホストシステム
12 楽曲・映像データベース
14 CDレコーダ
20 インターネット
30 カラオケ店舗システム
40 カラオケ装置
42 制御部
44 ハードディスク装置
46 入力部
48 リモコン受信部
50 入力インタフェース
51 モデム
52 料金支払機
54 MIDI音源部
56 ミキサ
57 増幅器
58 スピーカ
59 マイク
60 リモコン端末
62 表示部
70 スーパーインポーズ部
72 ビデオRAM(VRAM)
76 画像表示装置
80 パルス符号変調部(PCM)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
選曲時に、選択された曲としてカラオケの再生を希望するか伴奏の他に歌手による音声も含んだヴォーカルの再生を希望するか、を利用者に選択させる選曲ステップと、
利用者がヴォーカルの再生を希望した場合、前記選択された曲のヴォーカルを再生するヴォーカル再生ステップとを含むことを特徴とするカラオケサービス方法。
【請求項2】
前記利用者がヴォーカルの再生を希望した場合、
前記ヴォーカルの再生に先立ち、カラオケ装置に接続された料金支払機により、ヴォーカル再生サービスに対する所定の料金を前記利用者に払わせるヴォーカル料受領ステップをさらに含むことを特徴とする請求項1記載のカラオケサービス方法。
【請求項3】
再生の進行に合わせて歌唱上留意すべき点を指導する歌唱指導字幕の表示を希望するか否かを利用者に確認する歌唱指導確認ステップと、
前記利用者が前記歌唱指導字幕の表示を希望した場合、再生の進行に合わせて前記歌唱指導字幕を表示する歌唱指導字幕表示ステップとをさらに含むことを特徴とする請求項1記載のカラオケサービス方法。
【請求項4】
前記利用者が前記歌唱指導字幕の表示を希望した場合、前記選択された曲の再生に先立ち、カラオケ装置に接続された料金支払機により、歌唱指導字幕表示サービスに対する所定の料金を前記利用者に払わせる歌唱指導料受領ステップをさらに含むことを特徴とする請求項3記載のカラオケサービス方法。
【請求項5】
歌い出しの前に曲の紹介をするナレーションを挿入することを希望するか否かを利用者に確認するナレーション希望確認ステップと、
前記利用者が前記ナレーションの挿入を希望した場合、歌い出しの前にナレーションを挿入するナレーション挿入ステップをさらに含むことを特徴とする請求項1または3記載のカラオケサービス方法。
【請求項6】
前記利用者が前記ナレーションの挿入を希望した場合、前記選択された曲の再生に先立ち、カラオケ装置に接続された料金支払機により、前記ナレーション挿入サービスに対する所定の料金を前記利用者に払わせるナレーション料受領ステップをさらに含むことを特徴とする請求項6記載のカラオケサービス方法。
【請求項7】
前記カラオケ装置と、前記カラオケ装置にネットワークを介して曲の再生に必要なデータを供給するホストシステムとを含むカラオケシステムにおいて、
前記利用者がカラオケに合わせて歌った歌を可搬型記憶媒体に記録して、前記可搬型記憶媒体を利用者に提供する録音サービスを希望するか否かを確認する録音希望確認ステップと、
利用者が前記録音サービスを希望した場合、前記利用者がカラオケに合わせて歌った前記歌および前記カラオケからなる音声データ、ならびに前記利用者の送り先に関する情報を前記ホストシステムに送り、前記ホストシステムにおいて前記音声データを可搬型記憶媒体に記録し、この記録した前記可搬型記憶媒体を前記の送り先に関する情報により前記送り先に送る録音サービスステップとをさらに含むことを特徴とする請求項1、3または5記載のカラオケサービス方法。
【請求項8】
前記利用者が前記録音サービスを希望した場合、前記選択された曲の再生に先立ち、前記カラオケ装置に接続された料金支払機により、前記録音サービスに対する所定の料金を前記利用者に払わせる録音料受領ステップをさらに含むことを特徴とする請求項6記載のカラオケサービス方法。
【請求項9】
選曲時に、選択された曲としてカラオケの再生を希望するか伴奏の他に歌手による音声も含んだヴォーカルの再生を希望するか、を利用者に選択させる手段と、
利用者がヴォーカルの再生を希望した場合、前記選択された曲のヴォーカルを再生する選曲手段とを含むことを特徴とするカラオケシステム。
【請求項10】
指定された金額を前記利用者が支払うことを可能とする料金支払機と、
前記利用者がヴォーカルの再生を希望した場合、前記ヴォーカルの再生に先立ち、ヴォーカル再生サービスに対する所定の料金を支払うべき旨を利用者に知らせるとともに、前記所定の料金を前記料金支払機に指定することにより、前記所定の料金を前記利用者に払わせるヴォーカル料受領手段とをさらに含むことを特徴とする請求項9記載のカラオケシステム。
【請求項11】
再生の進行に合わせて歌唱上留意すべき点を指導する歌唱指導字幕の表示を希望するか否かを利用者に確認する歌唱指導確認手段と、
前記利用者が前記歌唱指導字幕の表示を希望した場合、再生の進行に合わせて前記歌唱指導字幕を表示する歌唱指導字幕表示手段とをさらに含むことを特徴とする請求項9記載のカラオケシステム。
【請求項12】
指定された金額を前記利用者が支払うことを可能とする料金支払機と、
前記利用者が前記歌唱指導字幕の表示を希望した場合、前記選択された曲の再生に先立ち、歌唱指導字幕表示サービスに対する所定の料金を支払うべき旨を利用者に知らせるとともに、前記所定の料金を前記料金支払機に指定することにより、前記所定の料金を前記利用者に払わせる歌唱指導料受領手段とをさらに含むことを特徴とする請求項11記載のカラオケシステム。
【請求項13】
歌い出しの前に曲の紹介をするナレーションを挿入することを希望するか否かを利用者に確認するナレーション希望確認手段と、
前記利用者が前記ナレーションの挿入を希望した場合、歌い出しの前にナレーションを挿入するナレーション挿入手段をさらに含むことを特徴とする請求項9または11記載のカラオケシステム。
【請求項14】
指定された金額を前記利用者が支払うことを可能とする料金支払機と、
前記利用者が前記ナレーションの挿入を希望した場合、前記選択された曲の再生に先立ち、ナレーション挿入サービスに対する所定の料金を支払うべき旨を利用者に知らせるとともに、前記所定の料金を前記料金支払機に指定することにより、前記所定の料金を前記利用者に払わせるナレーション料受領手段とをさらに含むことを特徴とする請求項13記載のカラオケシステム。
【請求項15】
各店舗に設置され利用者にカラオケサービスを提供するカラオケ装置と、
前記カラオケ装置の各々とネットワークを介して曲の再生に必要なデータを供給するホストシステムとから構成され、各カラオケ装置は、
前記利用者がカラオケに合わせて歌った歌を可搬型記憶媒体に記録して、前記可搬型記憶媒体を利用者に提供する録音サービスを希望するか否かを確認する録音希望確認手段と、
利用者が前記録音サービスを希望した場合、前記利用者がカラオケに合わせて歌った前記歌および前記カラオケからなる音声データ、ならびに前記利用者の送り先に関する情報を前記ホストシステムに送る録音サービス手段とを含み、前記ホストシステムは、
前記音声データを可搬型記憶媒体に記録するための記録装置をさらに含むことを特徴とする請求項9、11または13記載のカラオケシステム。
【請求項16】
前記カラオケ装置は、
指定された金額を前記利用者が支払うことを可能とする料金支払機と、
前記利用者が前記録音サービスを希望した場合、前記選択された曲の再生に先立ち、前記録音サービスに対する所定の料金を支払うべき旨を利用者に知らせるとともに、前記所定の料金を前記料金支払機に指定することにより、前記所定の料金を前記利用者に払わせる録音料受領手段とをさらに含むことを特徴とする請求項15記載のカラオケシステム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2006−337702(P2006−337702A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−162046(P2005−162046)
【出願日】平成17年6月1日(2005.6.1)
【出願人】(505196314)
【Fターム(参考)】