説明

カラオケシステム

【課題】採点機能を有するカラオケシステムにおいて、カラオケ事業者によって提供される各種サービスを受けることに同意して登録される特定利用者ではないゲストの利便性も維持しつつ、サーバが行う記録処理の負荷を軽減し、更にゲストが登録ユーザになることを推進することでシステムが前記サービス処理に費やした投資金額を無駄にしないこと。
【解決手段】カラオケ演奏されたカラオケ演奏曲の予約者が登録ユーザ(特定利用者)であると判断された場合には、登録ユーザに付与されたユーザIDを含む採点結果情報を生成してサーバ8へ送信し、一方、カラオケ演奏されたカラオケ演奏曲の予約者が登録ユーザではないゲストであると判断された場合には、その利用者がゲストであることを示す文字列採点結果情報を生成してサーバ8へ送信する(S110)。つまり、当該カラオケ装置1を利用する利用者グループのうちのゲストを上述の文字列として一律的に管理する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、採点機能を有するカラオケシステムに関し、特に、カラオケ事業者によって提供される各種サービスを受けることに同意して登録される特定利用者ではない一般の利用者の利便性を向上するとともに、システムの管理負担を軽減する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カラオケ装置の付帯機能として採点機能が良く知られている。この採点機能は、マイクロフォンから入力された歌唱者の音声信号をサンプリングすることで歌唱者が発声した音高や声量あるいはテンポなどの歌唱状態を示す歌唱データを生成する。この歌唱データとカラオケデータ中の主旋律データなどの採点基準データとを比較し、その比較結果に基づいて所定の得点を付与して採点データを生成する。そして、歌唱パートが終了するとこの採点データ中の得点を集計して総合得点を算出する。総合得点はそのままの得点をスコアボードやディスプレイに表示したり、所定のメッセージや所定の表現内容を含む映像など総合得点を反映した映像をディスプレイに出力したりする。
【0003】
ところで、近年、カラオケ事業者が、通信カラオケシステムのインフラを利用して、様々な会員向けサービスを提供している。このサービスの提供形態としては、ホスト装置に会員別の記憶領域を用意しておき、通信カラオケ端末が、各会員のカラオケ利用履歴をホスト装置に送信し、ホスト装置がその送信された各会員のカラオケ利用履歴を該当する会員の領域に格納させる。また、会員が通信カラオケ端末を利用する際には、ホスト装置の会員別の記憶領域に格納された格納情報をホスト装置からダウンロードし、そのダウンロード情報を使用して種々のサービスを会員に提供する。
【0004】
一例を挙げると、上述のような通信カラオケシステムでは、会員が個別に所持する選曲予約用のリモコン装置からリモコン識別子と楽曲番号とが含まれる演奏予約コマンドを通信カラオケ端末に送信する。通信カラオケ端末はそのリモコンの識別子を会員識別符号(会員グローバルID)として、その識別符号に通信カラオケ端末の利用履歴を対応付けして記録する。なお、利用履歴としては、選曲履歴や、演奏時に上述の採点機能を利用した場合の採点結果などが挙げられる。そして、通信カラオケ端末は、ホスト装置との定期的な通信機会などにその利用履歴をホスト装置に送信する。一方、ホスト装置では、通信カラオケ端末から受け取った利用履歴に基づいて、例えば、他の通信カラオケ端末から集信した採点結果を定期的に集計して採点ランキングを作成したり、会員ごとに楽曲の予約回数に応じたポイントを付与したりする。そしてカラオケ事業者は、ホスト装置にて作成および集計された採点ランキングやポイントに応じて各種特典を会員に提供する。このように、通信カラオケシステムのインフラを利用して、様々な会員向けサービスがカラオケ事業者によって会員に提供されている。
【0005】
なお、一般的な利用者(参加者)の多くは、会員対象の新しいサービスが提供されている場合にも、試しに使ってみて便利さや楽しさを実感してから会員登録したいと思うものである。つまり、当初は会員登録する気はまったくなくても、たまたま使ってみたところで便利さや楽しさを実感して、登録する気になる利用者もいる。
【0006】
しかし、会員登録していない利用者は登録してからでないと利用できないのでは面倒であり、利用者に対して不親切でもある。つまり、カラオケ事業者がせっかく多彩なサービスを提供しても、広く利用してもらえない可能性がある。
【0007】
そこで、会員として個人情報を管理するための識別符号としての会員グローバルIDと、カラオケ利用時の参加者の識別符号としての暫定ローカルIDとを別体系とし、このうちの暫定ローカルIDをカラオケ利用時に各参加者に一時的にそれぞれ付与する手法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。このことにより、カラオケ利用の際に、事前に登録されている会員だけでなく、未登録の一時的な利用者も同じ体系の識別符号により識別され、したがって、個人別サービスを享受できるとされている。
【特許文献1】特開2005−134570号公報(第9頁、図11)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上述のようなカラオケシステムにおいては、一時的にせよ、暫定ローカルIDをカラオケ利用時に各参加者にそれぞれ付与するため、次のような問題があった。すなわち、その参加者達が通信カラオケ端末の利用を終えてカラオケルームから退室するまでの間、発行した暫定ローカルIDを管理する必要があった。また、暫定ローカルIDを発行された参加者のうちの未登録の一時的な利用者(ゲスト)についても、各種サービスを受けるためには、通信カラオケ端末の利用を終えてカラオケルームから退室するまでの間、その発行された暫定ローカルIDを憶えている必要があった。
【0009】
また、上述の会員グローバルIDと暫定ローカルIDとを比較した場合、仮に前者IDと後者IDに対していずれも提供する前記サービスの機能が同様であれば、ホスト装置が前記サービスを実行するためのコンピュ−タ処理の負荷には大きな違いはない。ところが、前記コンピュータ処理した以降のいわゆるカラオケ・ビジネスに対する効果には大きな違いが生じる。より具体的には、前者IDについては、図10に例示するように、対応する利用者が会員として登録(以下会員登録)されるため、各種の会員登録情報(例えば、年齢、地域、嗜好や歌唱履歴など)を基に、前記会員毎に最も適切なサービス(例えば、嗜好情報を利用するのであれば、十八番曲を予め画面表示する)を提供可能となり、且つ、過去の利用情報(例えば、歌唱履歴と年齢との関係)から、将来の新サービス提供するためのマーケティングのために使用できるために、将来のカラオケ・ビジネスに利用できる可能性が高い。一方、後者IDについては利用者に対して暫定的に付与されるため、前記暫定ローカルIDの情報を一時的に記録しても、単に一時的に利用されるだけに留まり、将来のカラオケ・ビジネスに利用できる可能性が前記IDよりも低い。つまり、ホスト装置が記録するために処理した以降に上述の各種IDが前記ビジネスに役立つ可能性としては、前者IDについてはその可能性が大きいのに対して、後者IDについてはその可能性が小さいと考えられる。よって、カラオケ事業者が、カラオケ・サービスに投資した資金(例えば、前記ホスト処理に関わるコンピュータ維持費用)を、将来に回収する場合を考慮したとき、前者IDについては無駄にはならずに充分回収可能と推測されるが、一方、後者IDについては、上述のように前記暫定ローカルIDの情報を一時的に記録する処理を行ったにも拘わらず、将来利用できる可能性が小さいため、前記記録処理が無駄になってしまうという問題があった。
【0010】
本発明は、このような不具合に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、採点機能を有するカラオケシステムにおいて、カラオケ事業者によって、提供される各種サービスを受けることに同意して登録される特定利用者ではない、一般利用者の利便性も維持しつつ、ホスト装置が行う記録処理の負荷を軽減し、更に、前記一般利用者が特定利用者になることを推進することで、システムが前記サービス処理に費やした投資金額を無駄にしないことにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するためになされた請求項1に係るカラオケシステムは、「未登録の一時的な利用者については、暫定ローカルIDを個別に付与せず、一つの文字列として一律的に管理すること」を特徴とする。
【0012】
具体的には、上述のカラオケシステム(100:この欄においては、発明に対する理解を容易にするため、必要に応じて「発明を実施するための最良の形態」欄で用いた符号を付すが、この符号によって請求の範囲を限定することを意味するものではない。)は、楽曲データに基づいてカラオケ演奏する複数のカラオケ装置(1)と、サーバ(8)と、複数のカラオケ装置とサーバとを接続するネットワーク(7)と、を備え、複数のカラオケ装置とサーバとの間でネットワークを介して各種データを送受信可能に構成される。
【0013】
これら複数のカラオケ装置は、それぞれ、利用者によるカラオケ演奏曲の予約を受け付ける予約受付手段(18)と、一つ以上のカラオケ演奏曲を記憶する演奏曲記憶手段(16)と、演奏順記憶手段(16)と、記憶制御手段(12)と、カラオケ演奏手段(30)と、カラオケ歌唱の音声信号を入力するための音声信号入力手段(26)と、採点手段(12)と、判定手段(12)と、当該カラオケ装置を特定するための特定情報を記憶する特定情報記憶手段(16)と、サーバおよび他のカラオケ装置との間で各種データを送受信可能な装置側送受信手段(14)と、送信制御手段(12)と、報知手段(36)と、を備える。このうち演奏順記憶手段が、予約受付手段が受け付けたカラオケ演奏曲の予約を演奏順に予約リストとして記憶可能であり、記憶制御手段が、予約受付手段が受け付けたカラオケ演奏曲の予約を演奏順記憶手段が記憶する予約リストへ記憶させるとともに、演奏が終了したカラオケ演奏曲の予約を演奏順記憶手段が記憶する予約リストから削除する。
【0014】
そして、カラオケ演奏手段が、演奏順記憶手段が記憶する予約リストに基づいて演奏曲記憶手段からカラオケ演奏曲を読み出してカラオケ演奏する。さらに、採点手段が、カラオケ演奏手段によってカラオケ演奏が行われた際に音声信号入力手段から入力されたカラオケ歌唱を採点する。
【0015】
また、判定手段が、カラオケ演奏手段によってカラオケ演奏が行われたカラオケ演奏曲の予約を予約受付手段を介して行った利用者が、カラオケ事業者によって提供される各種サービスを受けることに同意して登録される「特定利用者」であるか否かを判定する。ここで、カラオケ演奏手段によってカラオケ演奏が行われたカラオケ演奏曲の予約を予約受付手段を介して行った利用者が特定利用者であると判定手段によって判定された場合には、送信制御手段が、採点結果情報を生成し、その生成した採点結果情報を、装置側送受信手段を制御してネットワークを介してサーバへ送信する。なお、この場合の採点結果情報については、その特定利用者に付与された識別情報、特定情報記憶手段が記憶する当該カラオケ装置を特定するための特定情報、および採点手段によって採点された採点結果を少なくとも含む情報である。このうち識別情報については、送信制御手段が例えば特定利用者による入力などによって取得する。また、特定情報の具体例としては、例えば当該カラオケ装置に付与されるシリアルナンバーなどが挙げられる。一方、カラオケ演奏手段によってカラオケ演奏が行われたカラオケ演奏曲の予約を予約受付手段を介して行った利用者が特定利用者ではない一般利用者であると判定手段によって判定された場合には、送信制御手段が、採点結果情報を生成し、その生成した採点結果情報を、装置側送受信手段を制御してネットワークを介してサーバへ送信する。なお、この場合の採点結果情報については、利用者が一般利用者であることを示す文字列、特定情報記憶手段が記憶する当該カラオケ装置を特定するための特定情報、および採点手段によって採点された採点結果を少なくとも含む情報である。つまり、当該カラオケ装置を利用する利用者グループのうちの一般利用者を上述の文字列として一律的に管理する。
【0016】
一方、サーバは、カラオケ装置との間で各種データを送受信可能なサーバ側送受信手段(8f)と、順位記憶手段(8g)と、採点ランキング管理手段(8e)と、送信制御手段(8e)と、を備える。このうち順位記憶手段が、特定利用者によるカラオケ歌唱の採点結果をその得点が高い順に並べることで生成された採点ランキングを記憶する。
【0017】
また、採点ランキング管理手段が、サーバ側送受信手段によって受信された採点結果情報に識別情報が含まれる場合において、順位記憶手段が記憶する採点ランキングに同一の特定利用者による採点結果が含まれるか否かを判断し、含まれない場合には、順位記憶手段が記憶する採点ランキングに対してその受信した採点結果をその得点が高い順に並べられるよう追加することで順位記憶手段の記憶内容を更新する。
【0018】
一方、採点ランキング管理手段が、サーバ側送受信手段によって受信された採点結果情報に識別情報が含まれる場合において、順位記憶手段が記憶する採点ランキングに同一の特定利用者による採点結果が含まれるか否かを判断し、含まれる場合には、記憶手段が記憶する採点ランキング中の同一の特定利用者による採点結果とその受信した採点結果とを比較してその得点が高い方の採点結果を、順位記憶手段が記憶する採点ランキングに対して、その得点が高い順に並べられるよう追加することで、順位記憶手段の記憶内容を更新する。
【0019】
また、サーバ側送受信手段によって受信された採点結果情報に文字列が含まれる場合には、採点ランキング管理手段が、順位記憶手段が記憶する採点ランキングに対してその受信した採点結果をその得点が高い順に並べられるよう仮に追加した場合の順位を参考順位として算出する。
【0020】
なお、採点ランキングについては、上述のように、同一の特定利用者による複数の採点結果が含まれないようになっている。具体的には、例えば、特定利用者Aが1週間に3回採点して、1回目が92点、2回目が95点、3回目が94点である場合であっても、採点ランキングに含まれる採点結果については上記3回の採点結果のうち最高点の95点の一つのみが特定利用者Aの採点結果として採点ランキングに含まれる。これは次のような理由による。すなわち、上述の採点ランキングに、同一の特定利用者による複数の採点結果が含まれるようにすると、例えば歌唱力のある特定利用者による複数の採点結果が採点ランキングの上位に並ぶ可能性がある。具体的には、上位3人が表示される採点ランキングであると、例えば、特定利用者Bが1週間に1回採点して91点、特定利用者Cも1週間に1回採点して90点だったとしても、前記ランキングには前記特定利用者Aのみが表示されてしまう。このような場合、特定利用者Aなど、常時高得点を出す利用者は採点ランキングを楽しめるが、特定利用者B,Cなど、時々は高得点を出すような利用者は楽しめないという問題が発生する。このような問題を解消するために、本発明では、同一の特定利用者による複数の採点結果が含まれない構成としている。
【0021】
そして、採点ランキング管理手段によって採点ランキングが更新された場合には、送信制御手段が、採点ランキングに含まれる採点結果のうちその得点が最も高い採点結果から順に所定数を上位採点結果として順位記憶手段から読み出し、その読み出した上位採点結果を、サーバ側送受信手段を制御して採点結果情報の送信元であるカラオケ装置へ送信する。一方、採点ランキング管理手段によって参考順位が算出された場合には、送信制御手段が、採点ランキングに含まれる採点結果のうちその得点が最も高い採点結果から順に所定数を上位採点結果として順位記憶手段から読み出し、その読み出した上位採点結果を、参考順位とともに、サーバ側送受信手段を制御して採点結果情報の送信元であるカラオケ装置へ送信する。
【0022】
また、採点結果情報の送信元であるカラオケ装置では、装置側送受信手段によって採点結果情報が送信されたことに対応してサーバから送信された情報を装置側送受信手段が受信した際には、報知手段が、カラオケ演奏手段によって次のカラオケ演奏曲がカラオケ演奏されるまでに、その受信した情報を採点手段による採点結果とともに報知する。
【0023】
このように構成された本発明のカラオケシステムによれば、利用者が一般利用者である場合において、次のカラオケ演奏が開始されるまでの間に上位採点結果および参考順位を報知することで、暫定ローカルIDを一般利用者ごとに付与しなくても、その上位採点結果がどの一般利用者によるものであるのかを特定することができる。つまり、その参加者達がカラオケ装置の利用を終えてカラオケルームから退室するまでの間、従来のように発行した暫定ローカルIDを管理する必要がない。また、一般利用者についても、各種サービスを受けるためには、カラオケ装置の利用を終えてカラオケルームから退室するまでの間、従来のように発行された暫定ローカルIDを憶えている必要がない。したがって、カラオケ事業者によって提供される各種サービスを受けることに同意して登録される特定利用者ではない一般の利用者の利便性を向上するとともに、当該システムにおける管理負担を軽減することができる。
【0024】
ところで、例えば、当該カラオケ装置を利用するグループ内で各利用者の採点結果を比較する場合には、各利用者が過去にカラオケ歌唱した際の採点結果や参考順位を把握している必要がある。そのためには、例えば、各利用者が過去にカラオケ歌唱した際の採点結果や参考順位を記憶したり書き留めたりすることが必要となる。しかし、長時間にわたってカラオケ演奏を楽しむ場合において、上述のように各利用者が過去にカラオケ歌唱した際の採点結果や参考順位すべてを記憶したり書き留めたりすることは、困難であると考えられる。
【0025】
そこで、一般利用者がカラオケ歌唱した際の採点結果および参考順位を一時記憶しておき、利用者に対して報知することが考えられる。具体的には、請求項2のように、カラオケ装置が、装置側送受信手段によって採点結果情報が送信されたことに対応してサーバから送信された情報を装置側送受信手段が受信した際に、その受信した情報を採点手段による採点結果とともに記憶する一時記憶手段(16)を備え、カラオケ装置の報知手段が、一時記憶手段が記憶する情報を報知可能であることが考えられる。
【0026】
このようにすれば、例えば、当該カラオケ装置を利用するグループ内で各利用者の採点結果を比較する場合には、上述の報知手段による報知内容を確認することで、各利用者の採点結果を知ることができ、したがって、利用者の利便性を高めることができる。
【0027】
ところで、利用者に占める一般利用者の割合が大きい場合には、サーバに送信される一般利用者の採点結果情報が多く、サーバにおける一般利用者に関する処理の負荷が大きくなるおそれがある。すなわち、上述のような一般利用者の採点結果情報に関する処理とは、カラオケ管理者側からみて将来のカラオケ・ビジネスに役立つ可能性が小さい処理であるからである。また、上述のような一般利用者の採点結果情報については、カラオケ利用者側からみた場合には単なる参考順位でしかないために正確ではなく、且つ一般利用者の次回のカラオケ利用時にはその採点結果情報が記録されていないために、例えば一般利用者にとって前回から更に順位を向上しようとする楽しみもできない。つまり、一般利用者の採点結果情報は、一般利用者にとってはあまり有用な情報とはなりえない情報である。このような背景から、カラオケ管理者にとっては、カラオケ・ビジネスに役立つ可能性を大きくし、カラオケ利用者には採点を正確にするために、一般利用者を特定利用者へ移行させる必要がある。
【0028】
そこで、一般利用者に対して特定利用者として登録することを促すことが考えられる。具体的には、請求項3のように、カラオケ装置が、一般利用者による入力を受け付けることによって一般利用者を特定利用者として登録する登録手段(12)を備え、カラオケ装置の報知手段が、一般利用者に対して特定利用者となることを促す旨の情報を表示可能であることが考えられる。
【0029】
このようにすれば、特定利用者が増えることが期待できる。このように、特定利用者が増えれば、利用者に占める特定利用者の割合が増加する。その際、特定利用者の歌唱を採点した採点結果については、特定利用者全体の母数が特定されており、その中での順位が明確であるから採点順位は暫定ローカルIDの採点よりも正確であるため、一般利用者から特定利用者となったカラオケ利用者については、正確な順位を後日参照できるので、例えば前回から更に順位を向上しようとする楽しみを得るといった利用者としての利便性が向上する。また、一般利用者によって一時的に記録された各種の情報については、その一般利用者が特定利用者になった後には、図10に例示するように、例えばカラオケ管理者によって各種マーケティングなどに利用するなど、将来のカラオケ・ビジネスに役立たせることができるようになる。したがって、サーバに送信される一般利用者の採点結果情報が減少すれば、サーバにおいて実行した採点結果処理が無駄にならず、将来に役立つ処理とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下に本発明の実施形態を図面とともに説明する。
[第一実施形態]
図1は、本実施形態のカラオケシステム100の構成及び稼働時の周辺機器の構成を示すブロック図である。また、図2は、カラオケ装置1およびリモコン端末50の全体構成を示すブロック図である。また、図3はサーバ80の全体構成を示すブロック図である。また、図4(a)はカラオケ装置のHDDが記憶する予約キューを示す説明図であり、図4(b)は予約キューに含まれるレコードを示す説明図である。
【0031】
[カラオケシステム100の構成及び周辺機器の構成の説明]
図1に示すように、カラオケボックス(図1および「発明が解決しようとする課題」欄における「店舗」のこと)内の各カラオケルームにそれぞれ設置された複数のカラオケ装置1とそれら複数のカラオケ装置1を管理するローカルサーバ2とは、カラオケボックス内LAN3へ接続されている。また、カラオケボックス内LAN3はLANハブ装置4へ接続されている。そして、複数のカラオケ装置1とローカルサーバ2とは、このLANハブ装置4、ブロードバンドルータ5、ADSLモデム6及び高速通信回線7を介して中央サーバ8との通信ができるように構成されている。なお、他のカラオケボックス(店舗)についても同様であり、本実施形態では、各カラオケボックス内の各カラオケルームにそれぞれ設置された複数のカラオケ装置1とサーバ8とでカラオケシステム100を構成している。
【0032】
[カラオケ装置1の構成の説明]
図2に示すように、カラオケ装置1は、カラオケ装置1全体の動作を制御する制御部12、カラオケ装置1をカラオケボックス内LAN3に接続するためのインターフェイス部14、演奏楽曲(カラオケ演奏曲)の伴奏内容および歌詞を示す楽曲データや映像データなどを記憶するハードディスク(HDD)16、複数のキー・スイッチからなり、利用者によるカラオケ演奏曲の予約を受け付ける操作部18、リモコン端末50からの赤外線信号を赤外線通信によって受信するための赤外線通信部20、操作部18からの信号を処理する操作処理部22、カラオケ歌唱の音声信号を入力するためのマイクロフォン26、ハードディスク16に記憶された楽曲データから演奏楽曲のオーディオ信号(音響や音声に関する信号)を生成し、生成されたオーディオ信号およびマイクロフォン26から入力されたオーディオ信号を増幅してスピーカ28へ出力する音声制御部24、制御部12によってHDD16から取得された楽曲データ(演奏データ)に基づきカラオケ演奏を行うMIDI音源30、映像情報を一時的に記憶するビデオRAM32、映像データに基づく映像の再生を制御する映像再生部34、ビデオRAM32に記憶された映像情報および映像再生部34により再生される映像の表示部36での表示を制御する映像制御部38などを備えている。また、制御部12と音声制御部24とはUSB40によって接続されている。また、カラオケ装置1は、インターフェイス部14を介してリモコン端末50やサーバ8とデータ通信可能である。
【0033】
また、HDD16は、シリアルナンバーや予約キュー(予約リスト、図4(a)参照)を記憶する。シリアルナンバーとは、当該カラオケ装置1を特定するための情報である。なお、シリアルナンバーは特許請求範囲における「特定情報」に該当する。また、予約キューは、カラオケ演奏を予約するのに必要な各種情報を予約キューレコードとして記憶するための複数の記憶領域から構成されている。この予約キューレコードは、曲番号、連番、内部データ/録音データの区別、演奏時キー、演奏時スピードおよび録音ファイル名をそれぞれ示すデータから構成される(図4(b)参照)。
【0034】
また、制御部12は、後述するメイン処理などの各種処理を実行する。
なお、制御部12は、採点手段、判定手段、記憶制御手段、送受信制御手段および登録手段に該当する。また、インターフェイス部14は装置側送受信手段に該当する。また、HDD16は、演奏曲記憶手段、演奏順記憶手段、特定情報記憶手段および一時記憶手段に該当する。また、操作部18は予約受付手段に該当する。また、マイクロフォン26は音声信号入力手段に該当する。また、MIDI音源30はカラオケ演奏手段に該当する。また、表示部36は報知手段に該当する。
【0035】
[リモコン端末50の構成の説明]
リモコン端末50は、リモコン端末50全体の動作を制御する制御部52、カラオケ装置1に赤外線信号を赤外線通信によって送信する赤外線通信部54、各種情報を記憶するメモリ56、表示部58の表示領域に沿って設置されるタッチパネルおよび複数のキー・スイッチからなる操作部60、操作部60からの信号を処理する操作処理部62、映像情報を一時的に記憶するビデオRAM64、ビデオRAM64に記憶された映像情報の表示部58での表示を制御する映像制御部66、カラオケボックス内LAN3に接続された無線アクセスポイント9との間で無線LAN規格(例えば、IEEE802.11a/b/g規格)に従った無線通信を行うための無線LAN通信部68、などを備えている。
【0036】
[サーバ8の構成の説明]
図3に示すように、サーバ8は、LANインターフェイス8b、ROM8c、RAM8d、CPU8e、制御インターフェイス8f、HDD8g、を備えている。なお、これらLANインターフェイス8b、ROM8c、RAM8d、CPU8e、制御インターフェイス8fおよびHDD8gについては、バス8aによって互いに接続されている。また、LANインターフェイス8bはバスを介して外部の高速通信回線7に接続されている。
【0037】
このうちHDD8gは全国採点結果(採点ランキング)を記憶する。この全国採点結果は、図7(b)に例示するように、選曲番号や、順位、点数、ユーザID(識別情報)、ニックネーム、カラオケ歌唱時に使用したカラオケ装置1のシリアルナンバー、登録日時などの各種情報を関連付けた情報を、その点数が高い順に並べたリストである。なお、この全国採点結果については、同一の登録ユーザによる複数の採点結果が含まれないようになっている。具体的には、例えば、登録ユーザAが1週間に3回採点して、1回目が92点、2回目が95点、3回目が94点である場合であっても、採点ランキングに含まれる採点結果については上記3回の採点結果のうち最高点の95点の一つのみが登録ユーザAの採点結果として採点ランキングに含まれる。これは次のような理由による。すなわち、上述の全国採点結果に、同一の登録ユーザによる複数の採点結果が含まれるようにすると、例えば歌唱力のある登録ユーザによる複数の採点結果が採点ランキングの上位に並ぶ可能性がある。具体的には、上位3人が表示される採点ランキングであると、例えば、登録ユーザBが1週間に1回採点して91点、登録ユーザCも1週間に1回採点して90点だったとしても、前記全国採点結果には前記登録ユーザAのみが表示されてしまう。このような場合、登録ユーザAなど、常時高得点を出す登録ユーザは採点ランキングを楽しめるが、登録ユーザB,Cなど、時々は高得点を出すような登録ユーザは楽しめないという問題が発生する。このような問題を解消するために、全国採点結果では、同一の登録ユーザによる複数の採点結果が含まれないようにしている。
【0038】
また、CPU8eは、後述するメイン処理などの各種処理を実行する。
なお、制御インターフェイス8fはサーバ側送受信手段に該当する。また、HDD8gは順位記憶手段に該当する。また、CPU8eは、採点ランキング管理手段および送信制御手段に該当する。
【0039】
[カラオケ装置1の制御部12のメイン処理]
以下に、カラオケ装置1の制御部12により実行されるメイン処理の処理手順を図5のフローチャートに基づいて説明する。このメイン処理は、カラオケ装置1が起動している場合において他の処理からは独立して実行される。
【0040】
まず、全国採点を開始する(S100)。具体的には、リモコン端末50の表示部58にもカラオケ装置1の表示部と同様に採点メニューが表示されており、採点メニューから全国採点ボタンを押すと、カラオケ装置1の制御部12に押した情報が伝送されて全国採点モードが開始される。
【0041】
続いて、HDD16が記憶する予約キューを参照して、カラオケ演奏曲の予約があるか否かを判断する(S102)。カラオケ演奏曲の予約があると判断された場合には(S102:YES)、その予約キューの先頭に予約されたカラオケ演奏曲の楽曲データをHDD16から読み出してカラオケ演奏する(S108)。なお、上述のカラオケ演奏が終了した際には、そのカラオケ演奏曲の予約を上述の予約キューから削除する。一方、カラオケ演奏曲の予約がないと判断された場合には(S102:NO)、利用者によって操作部18または操作部60からカラオケ演奏曲を選曲する操作が行われるまで待機する(S104、S106:NO)。そして、操作部18または操作部60からカラオケ演奏曲を選曲する操作が行われたと判断した場合には(S106:YES)、その選曲されたカラオケ演奏曲をカラオケ演奏する(S108)。
【0042】
なお、S108にてカラオケ演奏が行われた際には、マイクロフォン26から入力された利用者によるカラオケ歌唱を採点する。
続いて、先のS108にて行われた採点結果をサーバ8へ送信する(S110)。具体的には、(イ)先のS108にてカラオケ演奏されたカラオケ演奏曲の予約者が登録ユーザであるか否かを判断し、カラオケ演奏されたカラオケ演奏曲の予約者が登録ユーザ(特定利用者)であると判断された場合には、採点結果情報を生成し、その生成した採点結果情報をサーバ8へ送信する。なお、この場合の採点結果情報については、演奏されたカラオケ演奏曲の選曲番号、その登録ユーザに付与されたユーザID(識別情報)、HDD16が記憶する当該カラオケ装置1のシリアルナンバー、および採点結果を含む情報である(図7(a)参照)。このうちユーザIDについては、登録ユーザによる操作部18への入力などによって取得する。一方、(ロ)先のS108にてカラオケ演奏されたカラオケ演奏曲の予約者が登録ユーザではないゲストであると判断された場合には、採点結果情報を生成し、その生成した採点結果情報をサーバ8へ送信する。なお、この場合の採点結果情報については、演奏されたカラオケ演奏曲の選曲番号、その利用者がゲストであることを示す文字列、HDD16が記憶する当該カラオケ装置1のシリアルナンバー、および採点結果を含む情報である。つまり、当該カラオケ装置1を利用する利用者グループのうちのゲストを上述の文字列として一律的に管理するのである。
【0043】
なお、上述のS110にて採点結果をサーバ8へ送信した際には、サーバ8から送信された全国採点結果を受信するまで待機する。
続いて、サーバ8から送信された全国採点結果および順位または参考順位を受信する(S112)。そして、受信した順位または参考順位を、曲名や歌唱者名、採点結果とともに履歴情報としてHDD16に一時的に記憶させるとともに、受信した全国採点結果を、次のカラオケ演奏曲がカラオケ演奏されるまでに、履歴情報とともに表示部36に表示させる(S114、図8(a)および図8(b)参照))。
【0044】
続いて、S108にてカラオケ演奏されたカラオケ演奏曲の予約者が登録ユーザであるか否かを判断する(S116)。カラオケ演奏されたカラオケ演奏曲の予約者が登録ユーザ(特定利用者)であると判断された場合には(S116:YES)、S102に移行する。一方、カラオケ演奏されたカラオケ演奏曲の予約者が登録ユーザではないゲストであると判断された場合には(S116:NO)、そのゲストに対してユーザ登録を促す旨の情報を表示部36に表示させるとともに(図8(a)の下部の表示内容を参照)、利用者によって操作部18を介して入力された情報が、ユーザ登録を行う旨を示す情報であるか否かを判断する(S118)。利用者によって操作部18を介して入力された情報が、「ユーザ登録を行わない」ボタンを押したと判断した場合には(S118:NO)、S102に移行する。一方、利用者によって操作部18を介して入力された情報が、「ユーザ登録を行う」ボタンを押したと判断した場合には(S118:YES)、ユーザ登録画面を表示部36に表示させ(図10参照)、例えばIDやパスワード、生年月日、性別など、利用者によって操作部18を介して入力された情報に基づいてその利用者をユーザ登録する(S120)。そして、S110に移行する。
【0045】
[サーバ8のCPU8eのメイン処理]
以下に、サーバ8のCPU8eにより実行されるメイン処理の処理手順を図6のフローチャートに基づいて説明する。このメイン処理は、サーバ8が起動している場合において他の処理からは独立して実行される。
【0046】
まず、カラオケ装置1から送信された採点結果を受信するまで待機し(S200:NO)、採点結果情報を受信したと判断された場合には(S200:YES)、その受信した採点結果情報が登録ユーザによるものであるか否かを判断する(S202)。より具体的には、その受信した採点結果情報にユーザIDが含まれる場合にはその受信した採点結果情報が登録ユーザによるものであると判断し、一方、その受信した採点結果情報に文字列が含まれる場合にはその受信した採点結果情報が登録ユーザによるものではなくゲストによるものであると判断する。
【0047】
ここで、その受信した採点結果情報が登録ユーザによるものであると判断された場合には(S202:YES)、その採点結果を全国採点結果に登録する(S204)。より具体的には、その受信した採点結果情報に含まれるユーザID(識別情報)と、HDD8gが記憶する全国採点結果に登録された各レコードのユーザID(識別情報)とを比較し、その登録ユーザの過去の採点結果情報が全国採点結果に含まれない場合には、その受信した採点結果情報をその得点が高い順に並べられるよう全国採点結果に追加することで全国採点結果を更新する。一方、その登録ユーザの過去の採点結果情報が全国採点結果に含まれる場合において、受信した採点結果情報に含まれる点数が既に全国採点結果に登録されたその登録ユーザの過去の点数よりも大きい場合にはその登録ユーザの過去の採点結果情報を全国採点結果から削除するとともにその受信した採点結果情報をその得点が高い順に並べられるよう全国採点結果に追加し、受信した採点結果情報に含まれる点数が既に全国採点結果に登録されたその登録ユーザの過去の点数よりも小さい場合にはその登録ユーザの過去の採点結果情報を有効とするとともに受信した採点結果情報を無効とする。そして、全国採点結果を参照して、その受信した採点結果情報に含まれる点数の順位を算出する(S206)。
【0048】
一方、その受信した採点結果情報が登録ユーザによるものではないと判断された場合には(S202:NO)、その受信した採点結果情報がゲストによるものであるとみなし、全国採点結果に対してその受信した採点結果情報をその得点が高い順に並べられるよう仮に追加した場合の順位を参考順位として算出する(S206)。
【0049】
そして、HDD8gが記憶する全国採点結果のうち例えば上位3つの採点結果情報を読み出し、その読み出した採点結果情報を、選曲番号やユーザID(または文字列)、曲別参加人数(月間)、曲別の上位3つの順位・点数・ニックネーム(月間)、S206にて算出した順位(または参考順位)、曲別の平均点(月間)などの各情報とともにカラオケ装置1へ送信する(S208、図7(a)参照)。そして、S200に移行する。
【0050】
[第一実施形態の効果]
(1)このように第一実施形態のカラオケシステム100によれば、次のような作用効果を奏する。すなわち、カラオケ装置1が実行するメイン処理において、カラオケ演奏されたカラオケ演奏曲の予約者が登録ユーザ(特定利用者)であると判断された場合には、登録ユーザに付与されたユーザIDを含む採点結果情報を生成してサーバ8へ送信し、一方、カラオケ演奏されたカラオケ演奏曲の予約者が登録ユーザではないゲストであると判断された場合には、その利用者がゲストであることを示す文字列採点結果情報を生成してサーバ8へ送信する(S110)。つまり、当該カラオケ装置1を利用する利用者グループのうちのゲストを上述の文字列として一律的に管理する。また、サーバ8が実行するメイン処理において、受信した採点結果情報が登録ユーザによるものである場合には、全国採点結果を参照して、その受信した採点結果情報に含まれる点数の順位を算出する(S206)。一方、受信した採点結果情報がゲストによるものである場合には、全国採点結果に対してその受信した採点結果情報をその得点が高い順に並べられるよう仮に追加した場合の順位を参考順位として算出する(S206)。
【0051】
このことにより、利用者がゲストである場合において、次のカラオケ演奏が開始されるまでの間に上位採点結果および参考順位を報知することで、暫定ローカルIDをゲストごとに付与しなくても、その上位採点結果がどのゲストによるものであるのかを特定することができる。つまり、その参加者達がカラオケ装置の利用を終えてカラオケルームから退室するまでの間、従来のように発行した暫定ローカルIDを管理する必要がない。また、ゲストについても、各種サービスを受けるためには、カラオケ装置の利用を終えてカラオケルームから退室するまでの間、従来のように発行された暫定ローカルIDを憶えている必要がない。したがって、カラオケ事業者によって提供される各種サービスを受けることに同意して登録される特定利用者ではない一般の利用者の利便性を向上するとともに、当該システムにおける管理負担を軽減することができる。
【0052】
(2)また、第一実施形態のカラオケシステム100によれば、カラオケ装置1が実行するメイン処理において、サーバ8から送信された全国採点結果および順位または参考順位を受信した際には(S112)、その受信した順位または参考順位を、曲名や歌唱者名、採点結果とともに履歴情報としてHDD16に一時的に記憶しておき、受信した全国採点結果を表示部36に表示させる際に、履歴情報を読み出して全国採点結果とともに表示部36に表示させる(S114、図8(a)および図8(b)の右下部の表示内容「履歴」を参照))。
【0053】
このことにより、例えば、当該カラオケ装置1を利用するグループ内で各利用者の採点結果を比較する場合には、上述の表示部36による表示内容を確認することで、各利用者の採点結果を知ることができ、したがって、利用者の利便性を高めることができる。
【0054】
(3)また、第一実施形態のカラオケシステム100によれば、カラオケ装置1が実行するメイン処理において、カラオケ演奏されたカラオケ演奏曲の予約者が登録ユーザではないゲストであると判断された場合には(S116:NO)、そのゲストに対してユーザ登録を促す旨の情報を表示部36に表示させ(図8(a)の下部の表示内容を参照)、利用者によって操作部18を介して入力された情報に基づいてその利用者をユーザ登録する(S120)。
【0055】
このことにより、登録ユーザが増えることが期待できる。このように、登録ユーザが増えれば、利用者に占める登録ユーザの割合が増加する。その際、登録ユーザの歌唱を採点した採点結果については、登録ユーザ全体の母数が特定されており、その中での順位が明確であるから採点順位は暫定ローカルIDの採点よりも正確であるため、ゲストから登録ユーザとなったカラオケ利用者については、正確な順位を後日参照できるので、例えば前回から更に順位を向上しようとする楽しみを得るといった利用者としての利便性が向上する。また、ゲストによって一時的に記録された各種の情報については、そのゲストが登録ユーザになった後には、例えばカラオケ管理者によって各種マーケティングなどに利用するなど、将来のカラオケ・ビジネスに役立たせることができるようになる(図10参照)。したがって、サーバ8に送信されるゲストの採点結果情報が減少すれば、サーバ8において実行した採点結果処理が無駄にならず、将来に役立つ処理とすることができる。
【0056】
[他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、様々な態様にて実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】カラオケシステムの構成及び稼働時の周辺機器の構成を示すブロック図である。
【図2】カラオケ装置およびリモコン端末の全体構成を示すブロック図である。
【図3】サーバの全体構成を示すブロック図である。
【図4】(a)はカラオケ装置のHDDが記憶する予約キューを示す説明図であり、(b)は予約キューに含まれるレコードを示す説明図である。
【図5】カラオケ装置の制御部が実行するメイン処理を示すフローチャートである。
【図6】サーバのCPUが実行するメイン処理を示すフローチャートである。
【図7】(a)はサーバとカラオケ装置における全国採点結果データの流れを示す説明図であり、(b)はサーバにおける全国採点結果データのリストを示す説明図である。
【図8】全国採点結果データの表示例を示す説明図であり、(a)はゲストの場合の表示例であり、(b)は登録データの場合の表示例である。
【図9】ユーザ登録をする際の表示例を示す説明図である。
【図10】カラオケ事業者におけるゲストを登録ユーザへ移行させる場合のビジネスモデルを示す説明図である。
【符号の説明】
【0058】
1…カラオケ装置、2…ローカルサーバ、3…カラオケボックス内LAN、4…LANハブ装置、5…ブロードバンドルータ、6…ADSLモデム、7…高速通信回線、8…サーバ、8a…バス、8b…LANインターフェイス、8c…ROM、8d…RAM、8e…CPU、8f…制御インターフェイス、9…無線アクセスポイント、12…制御部、14…インターフェイス部、16…ハードディスク、18…操作部、20…赤外線通信部、22…操作処理部、24…音声制御部、26…マイクロフォン、28…スピーカ、30…MIDI音源、32…ビデオRAM、34…映像再生部、36…表示部、38…映像制御部、50…リモコン端末、52…制御部、54…赤外線通信部、56…メモリ、58…表示部、60…操作部、62…操作処理部、64…ビデオRAM、66…映像制御部、68…無線LAN通信部、100…カラオケシステム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
楽曲データに基づいてカラオケ演奏する複数のカラオケ装置と、サーバと、前記複数のカラオケ装置と前記サーバとを接続するネットワークと、を備え、前記複数のカラオケ装置と前記サーバとの間で前記ネットワークを介して各種データを送受信可能に構成されたカラオケシステムであって、
前記複数のカラオケ装置は、それぞれ、
利用者によるカラオケ演奏曲の予約を受け付ける予約受付手段と、
一つ以上のカラオケ演奏曲を記憶する演奏曲記憶手段と、
前記予約受付手段が受け付けたカラオケ演奏曲の予約を演奏順に予約リストとして記憶可能な演奏順記憶手段と、
前記予約受付手段が受け付けたカラオケ演奏曲の予約を前記演奏順記憶手段が記憶する前記予約リストへ記憶させるとともに、演奏が終了したカラオケ演奏曲の予約を前記演奏順記憶手段が記憶する前記予約リストから削除する記憶制御手段と、
前記演奏順記憶手段が記憶する前記予約リストに基づいて前記演奏曲記憶手段からカラオケ演奏曲を読み出してカラオケ演奏するカラオケ演奏手段と、
カラオケ歌唱の音声信号を入力するための音声信号入力手段と、
前記カラオケ演奏手段によってカラオケ演奏が行われた際に前記音声信号入力手段から入力されたカラオケ歌唱を採点する採点手段と、
前記カラオケ演奏手段によってカラオケ演奏が行われたカラオケ演奏曲の予約を前記予約受付手段を介して行った利用者が、カラオケ事業者によって提供される各種サービスを受けることに同意して登録される特定利用者であるか否かを判定する判定手段と、
当該カラオケ装置を特定するための特定情報を記憶する特定情報記憶手段と、
前記サーバおよび他の前記カラオケ装置との間で各種データを送受信可能な装置側送受信手段と、
前記カラオケ演奏手段によってカラオケ演奏が行われたカラオケ演奏曲の予約を前記予約受付手段を介して行った利用者が前記特定利用者であると前記判定手段によって判定された場合には、その特定利用者に付与された識別情報を取得し、その取得した識別情報、前記特定情報記憶手段が記憶する当該カラオケ装置を特定するための特定情報、および前記採点手段によって採点された採点結果を少なくとも含む採点結果情報を生成し、その生成した採点結果情報を前記装置側送受信手段を制御して前記ネットワークを介して前記サーバへ送信し、一方、前記カラオケ演奏手段によってカラオケ演奏が行われたカラオケ演奏曲の予約を前記予約受付手段を介して行った利用者が前記特定利用者ではない一般利用者であると前記判定手段によって判定された場合には、利用者が一般利用者であることを示す文字列、前記特定情報記憶手段が記憶する当該カラオケ装置を特定するための特定情報、および前記採点手段によって採点された採点結果を少なくとも含む採点結果情報を生成し、その生成した採点結果情報を前記装置側送受信手段を制御して前記ネットワークを介して前記サーバへ送信する送信制御手段と、
前記装置側送受信手段によって前記採点結果情報が送信されたことに対応して前記サーバから送信された情報を前記装置側送受信手段が受信した際に、前記カラオケ演奏手段によって次のカラオケ演奏曲がカラオケ演奏されるまでに、その受信した情報を前記採点手段による前記採点結果とともに報知する報知手段と、を備え、
前記サーバは、
前記カラオケ装置との間で各種データを送受信可能なサーバ側送受信手段と、
前記特定利用者によるカラオケ歌唱の採点結果をその得点が高い順に並べることで生成された採点ランキングを記憶する順位記憶手段と、
前記サーバ側送受信手段によって受信された前記採点結果情報に前記識別情報が含まれる場合において、前記順位記憶手段が記憶する前記採点ランキングに同一の特定利用者による採点結果が含まれるか否かを判断し、含まれない場合には、前記順位記憶手段が記憶する前記採点ランキングに対してその受信した前記採点結果をその得点が高い順に並べられるよう追加することで前記順位記憶手段の記憶内容を更新し、一方、含まれる場合には、前記記憶手段が記憶する前記採点ランキング中の同一の特定利用者による採点結果とその受信した前記採点結果とを比較してその得点が高い方の採点結果を、前記順位記憶手段が記憶する前記採点ランキングに対して、その得点が高い順に並べられるよう追加することで、前記順位記憶手段の記憶内容を更新し、前記サーバ側送受信手段によって受信された前記採点結果情報に前記文字列が含まれる場合には、前記順位記憶手段が記憶する前記採点ランキングに対してその受信した前記採点結果をその得点が高い順に並べられるよう仮に追加した場合の順位を参考順位として算出する採点ランキング管理手段と、
前記採点ランキング管理手段によって前記採点ランキングが更新された場合には、前記採点ランキングに含まれる採点結果のうちその得点が最も高い採点結果から順に所定数を上位採点結果として前記順位記憶手段から読み出し、その読み出した上位採点結果を前記サーバ側送受信手段を制御して前記採点結果情報の送信元であるカラオケ装置へ送信し、一方、前記採点ランキング管理手段によって前記参考順位が算出された場合には、前記採点ランキングに含まれる採点結果のうちその得点が最も高い採点結果から順に所定数を上位採点結果として前記順位記憶手段から読み出し、その読み出した上位採点結果を、前記参考順位とともに、前記サーバ側送受信手段を制御して前記採点結果情報の送信元であるカラオケ装置へ送信する送信する送信制御手段と、を備えること
を特徴とするカラオケシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のカラオケシステムにおいて、
前記カラオケ装置は、
前記装置側送受信手段によって前記採点結果情報が送信されたことに対応して前記サーバから送信された情報を前記装置側送受信手段が受信した際に、その受信した情報を前記採点手段による前記採点結果とともに記憶する一時記憶手段を備え、
前記カラオケ装置の前記報知手段は、前記一時記憶手段が記憶する情報を報知可能であることを特徴とするカラオケシステム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のカラオケシステムにおいて、
前記カラオケ装置は、
前記一般利用者による入力を受け付けることによって前記一般利用者を前記特定利用者として登録する登録手段を備え、
前記カラオケ装置の前記報知手段は、前記一般利用者に対して前記特定利用者となることを促す旨の情報を表示可能であること
を特徴とするカラオケシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−9292(P2008−9292A)
【公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−181770(P2006−181770)
【出願日】平成18年6月30日(2006.6.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】